JP2007136990A - 多層熱収縮性ポリオレフィンフィルム - Google Patents

多層熱収縮性ポリオレフィンフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、低温収縮性、耐熱性、製膜安定性、ホットスリップ性、ヒートシール性及び省資源性に優れていると共に、廃棄処理時に燃焼させても有害ガスを発生しない熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、密度0.909g/cm以下のポリエチレン系樹脂75〜90重量%及びポリプロピレン系樹脂10〜25重量%を含有する樹脂組成物からなる中間層の両面に、密度0.915〜0.930g/cmのポリエチレン系樹脂からなる表面層が積層一体化されてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、商業包装用に用いられる多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムに関する。更に詳しくは、低温収縮性、耐熱性、製膜安定性、ホットスリップ性、ヒートシール性及び省資源性に優れていると共に、廃棄処理時に燃焼させても有毒ガスを発生しない多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムに関する。
従来、熱収縮性フィルムに使用される原材料としては、低温での収縮性能に優れたポリ塩化ビニル(PVC)が広く使用されてきた。しかしながら、近年PVCの燃焼時に発生するダイオキシンなどの有毒ガスによる環境への悪影響が注目され、PVCを原材料とするプラスチック製品の使用を見直す動きが活発になってきている。
このような動きは、熱収縮性フィルムにおいても例外ではなく、PVCに代わる原材料として、ポリエチレンやポリプロピレンを使用した熱収縮性フィルムが今日広く使用されるようになった。
しかしながら、ポリエチレンを主成分とする熱収縮性フィルムは、低温収縮性に優れているものの、耐熱性が不十分であり、収縮可能な温度範囲が極めて狭いという問題を有していた。又、ポリプロピレンを主成分とする熱収縮性フィルムは、耐熱性に優れているものの、低温収縮性が低く、高温でないと熱収縮させることができないといった問題を有していた。
そこで、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とし、架橋によって直鎖状低密度ポリエチレンを架橋させることによって、耐熱性を付与したヒートシール可能な多層フィルムが提案されている(特許文献1)。
しかし、上記ヒートシール可能な多層フィルムは、フィルムを構成する直鎖状低密度ポリエチレンが架橋されていることから、フィルムの製造時において、フィルム端部のトリミングや不適合品などから大量に生じるスクラップを再利用することができず、製造コストがかさみ、省資源性に劣るという問題があった。
又、低温収縮性及び耐熱性に優れた多層熱収縮性フィルムとしては、両最外層がポリプロピレン系樹脂からなり、中間層は少なくとも1層が所定密度の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、又は該樹脂を主体とする樹脂組成物からなるポリプロピレン系積層熱収縮性フィルムが提案されている(特許文献2)。しかしながら、上記フィルムはホットスリップ性(収縮直後の滑性)及びヒートシール性が不十分であるという欠点を有していた。
そして、ホットスリップ性に優れた多層熱収縮性フィルムとしては、密度の異なる2種類のポリエチレンからなるポリエチレン系熱収縮性フィルム層と、プロピレン系熱収縮性フィルム層とからなるポリオレフィン系熱収縮性積層フィルムが提案されている(特許文献3)。しかしながら、上記フィルムは、収縮性にやや劣り、ヒートシール性も不十分であるという欠点を有していた。
更に、表面層が所定条件を満たした直鎖状低密度ポリエチレン及び直鎖状高密度ポリエチレンからなり、芯層が所定条件を満たした直鎖状低密度ポリエチレン及び直鎖状極低密度ポリエチレンからなるポリエチレン系多層熱収縮性フィルムが提案されている(特許文献4)。このフィルムは、低温収縮性及び耐熱性に優れているものの、製膜安定性が不十分であった。
特公平4−70987 特公平8−2625 特公平8−5172 特開2002−370327
本発明は、低温収縮性、耐熱性、製膜安定性、ホットスリップ性、ヒートシール性及び省資源性に優れていると共に、廃棄処理時に燃焼させても有害ガスを発生しない熱収縮性フィルムを提供する。
本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、密度0.909g/cm以下のポリエチレン系樹脂75〜90重量%及びポリプロピレン系樹脂10〜25重量%を含有する樹脂組成物からなる中間層の両面に、密度0.915〜0.930g/cmのポリエチレン系樹脂からなる表面層が積層一体化されてなることを特徴とする。
本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの中間層を構成するポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、及び、エチレンを主成分とする、エチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。なお、エチレンを主成分とするエチレンと他のモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。
上記エチレンを主成分とする、エチレンと他のモノマーとの共重合体としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好適に用いられる。直鎖状低密度ポリエチレンは、Ziegler 触媒やメタロセン触媒などのシングルサイト系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られ、α−オレフィンの種類及び量を調整することによって密度範囲を制御することができる。なお、α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
上記中間層を構成するポリエチレン系樹脂の密度は、大きいと、低温収縮性が低下するので、0.909g/cm以下に限定され、0.895〜0.905g/cmであることが好ましい。なお、本発明におけるポリエチレン系樹脂の密度とは、JIS K7112に準拠して測定されたものをいう。
又、上記中間層を構成するポリエチレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、小さいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの厚さ精度が低下することがある一方、大きいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜安定性が低下することがあるので、0.7〜1.5g/10分であることが好ましい。なお、本発明におけるポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して190℃、荷重21.18Nの条件下で測定されたものをいう。
そして、上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの中間層に含まれるポリエチレン系樹脂の含有量は、中間層を構成する樹脂組成物全体の75〜90重量%に限定される。これは、中間層に含まれるポリエチレン系樹脂の含有量が中間層を構成する樹脂組成物全体の75重量%よりも少ないと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの低温収縮性が不十分となる一方、90重量%よりも多いと、得られる多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの腰が不足することや、中間層に滑剤が含有されている場合に、滑剤のブリードアウトが不十分となることによって、ホットスリップ性が低下してしまうと共に、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜安定性が低下してしまうからである。
上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの中間層を構成するポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とする、プロピレンと他のモノマーとの共重合体などが挙げられ、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。なお、プロピレンを主成分とする、プロピレンと他のモノマーとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。
上記プロピレンを主成分とする、プロピレンと他のモノマーとの共重合体としては、プロピレン−α−オレフィン共重合体が好適に用いられる。なお、α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
上記中間層を構成するポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、小さいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの厚さ精度が低下することがある一方、大きいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜安定性が低下することがあるので、0.5〜6.0g/10分であることが好ましい。なお、本発明におけるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K7210に準拠して230℃、荷重21.18Nの条件下で測定されたものをいう。
上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの中間層におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜安定性及び耐熱性が低下する一方、多いと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの低温収縮性が不十分となるので、フィルムの中間層を構成する樹脂組成物全体の10〜25重量%に限定される。
本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの中間層の両面には表面層が積層一体化されている。この表面層を構成するポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び、エチレンを主成分とする、エチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は、単独で用いられても、2種以上が併用されていてもよい。なお、両表面層に用いられるポリエチレン系樹脂は異なっていても構わないが、同一のポリエチレン系樹脂が用いられるのが好ましい。
上記表面層を構成するポリエチレン系樹脂の密度は、小さいと、製膜安定性が不十分となる一方、大きいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの低温収縮性及びヒートシール性が低下するので、0.915〜0.930g/cmに限定され、0.920〜0.925g/cmが好ましい。
上記表面層を構成するポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトは、小さいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの厚さ精度が低下することがある一方、大きいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜安定性が低下することがあるので、0.5〜3.0g/10分であることが好ましい。
本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムには、その物性を損ねない範囲で、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び結晶造核剤などの添加剤が添加されていてもよい。
又、上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの表面層上には、その物性を損ねない範囲で、接着層、着色層、印刷層などが積層一体化されていてもよい。
上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、上述のように、中間層の両面に表面層がそれぞれ積層一体化されてなり、中間層及び表面層の厚さや、中間層と表面層との厚さ比は、特に限定されないが、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの機械的強度や作業性などの点から、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの全厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
又、中間層と表面層の厚さ比(中間層/表面層)は、小さいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの低温収縮性が不十分となることがある一方、大きいと、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜安定性及び耐熱性が低下することがあるので、3〜8が好ましく、3.5〜6がより好ましい。なお、中間層の両面に積層一体化されている両表面層の厚さは、必ずしも同一でなくてもよく、両表面層の厚さが異なっている場合は、中間層と表面層の厚さ比は、薄いほうの表面層の厚さを用いて算出する。
次に、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜方法を説明する。多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製膜法としては、特に限定されるものではなく、例えば、多層Tダイキャスト法や多層ダイスを用いた水冷インフレーション法などの公知の製膜法によって未延伸のポリオレフィンフィルムを製膜した後、この未延伸のポリオレフィンフィルムをロ−ル1軸延伸、テンター2軸延伸、チューブラー2軸延伸などの延伸法により延伸させて多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを製膜する方法が挙げられる。なお、上記未延伸のポリオレフィンフィルムの厚さは200〜500μmであることが好ましい。又、上記未延伸のポリオレフィンフィルムを延伸する際は、延伸速度10〜100m/分、延伸温度50〜120℃の条件下にて、ポリオレフィンフィルムを縦横各2〜10倍に延伸するのが好ましい。なお、上記延伸温度とは延伸する直前のポリオレフィンフィルムの温度のことをいう。
そして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを用いた被包装体の包装方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、商品などの被包装体を多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムによって多少のゆとりをもって包装してなる熱収縮性包装体をL型シール包装機に供給し、この熱収縮性包装体を130〜160℃に加熱することによって、熱収縮性包装体の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを熱収縮させ、フィルムを被包装体の形状にぴったりと沿って密着させて、被包装体を多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムにより包装してなる熱収縮包装体を得る方法が挙げられる。
本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、密度0.909g/cm以下のポリエチレン系樹脂75〜90重量%及びポリプロピレン系樹脂10〜25重量%を含有する樹脂組成物からなる中間層の両面に、密度0.915〜0.930g/cmのポリエチレン系樹脂からなる両表面層が積層一体化された構成をとることから、ポリエチレン系樹脂の特長である低温収縮性を有しており、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを用いて被包装体を包装する際の熱収縮温度が比較的低温であっても、未収縮部が生じることがなく、緊迫性に優れた熱収縮包装体を得ることができる。従って、上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは高温条件下では変質してしまうプラスチック成形品、生肉、冷凍食品などの商品の包装に好適に用いられる。
又、本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムには、上述のように、フィルムの中間層に所定量のポリプロピレン系樹脂が含有されていることから、ポリプロピレン系樹脂の特長である製膜安定性及び耐熱性が付与されている。上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、製膜安定性が付与されることによって、製造されるフィルムの厚さ精度が向上されているので、厚さムラを生じることがない。更に、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、耐熱性が付与されることによって、フィルムを熱収縮させるのに適した温度範囲が広くなっていることから、包装機内の温度を厳密に管理しなくても、被包装体の形状にぴったり沿って密着させて包装することができると共に、熱収縮性包装体を高温で加熱することで熱収縮にかかる時間を短縮させて行なう高速包装を実施した場合においても、得られる熱収縮包装体の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの表面に溶融破れを生じることがない。
このように、本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、厚さ精度が良好で、熱収縮適正温度の範囲が広く、高速包装にも適していることから、包装機適性に優れている。従って、本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムによれば、外観性に優れた熱収縮包装体を生産性良く得ることができる。
又、上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、中間層及び表面層を構成するポリエチレン系樹脂の密度差が小さいので、中間層と表面層とが層間剥離することがなく、得られる熱収縮包装体の表面にピンホールが生じないので、ヒートシール性に優れている。更に、上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、機械的強度及びホットスリップ性にも優れていることから、熱収縮包装体を移送する際に、熱収縮包装体の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの表面に傷つきや破れを生じてしまうこともない。
そして、本発明の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、フィルムを構成する樹脂成分が架橋されていないことから、フィルムの製膜時に、不適合品やフィルム端部のトリミングなどから生じるスクラップを再生利用することができ、省資源性に優れている。更に、上記多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムは、フィルムを構成する樹脂成分にポリ塩化ビニルが含有されていないので、廃棄処理の際に燃焼させてもダイオキシンなどの有害ガスが発生することがなく、環境衛生にも優れている。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンA(密度:0.905g/cm、MFR:0.8g/10分)80重量%及びポリプロピレン系樹脂であるプロピレン−エチレン共重合体(MFR:2.0g/10分、融点:142℃)20重量%からなる樹脂組成物を中間層用として用意する一方、直鎖状低密度ポリエチレンB(密度:0.920g/cm、MFR:1.0g/10分)を両表面層用として用意した。
これらの樹脂材料を、円形の多層ダイスが取り付けられた3機の押出機を用いて、水冷インフレーション法により、直鎖状低密度ポリエチレンA及びプロピレン−エチレン共重合体からなる中間層の両面に、直鎖状低密度ポリエチレンBからなる表面層がそれぞれ積層一体化されたポリオレフィンフィルムを製膜した。
次に、得られたポリオレフィンフィルムをチューブラー2軸延伸装置に供給し、縦横方向にそれぞれ5倍に延伸して、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを得た。
なお、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの全体厚さは15μmであった。そして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの両表面層の厚さは同一であって、中間層と表面層との厚さ比(中間層/表面層)は4であった。
(比較例1)
中間層を構成する樹脂材料として、直鎖状低密度ポリエチレンA(密度:0.905g/cm、MFR:0.8g/10分)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例2)
ポリエチレン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン密度A(密度:0.905g/cm、MFR:0.8g/10分)60重量%及びポリプロピレン系樹脂であるプロピレン−エチレン共重合体(MFR:2.0g/10分、融点:142℃)40重量%からなる樹脂組成物を中間層用として用意したこと以外は、実施例1と同様にして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例3)
中間層を構成するポリエチレン系樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン密度B(密度:0.920g/cm、MFR:1.0g/10分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例4)
表面層を構成するポリエチレン系樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレンA(密度:0.905g/cm、MFR:0.8g/10分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例5)
表面層を構成するポリエチレン系樹脂として、直鎖状中密度ポリエチレン(密度:0.940g/cm、MFR:1.8g/10分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを得た。
上記実施例及び比較例で得られた多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムについて、熱収縮性、製膜安定性、ヒートシール性、ホットスリップ性、包装性について下記に示す要領で評価し、その結果を表1に示した。
(熱収縮性)
多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムにおける100℃、110℃及び120℃での縦方向及び横方向の熱収縮率(%)を、JIS Z1709「収縮包装用フィルム」に準拠して測定し、この熱収縮率を多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの熱収縮性の評価の指標とした。なお、縦方向とは、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの製造時における押出方向をいい、横方向とは、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの表面に沿い且つ押出方向に直交する方向をいう。
(製膜安定性)
製膜安定性については、押出機を稼動させてから安定した多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムが得られるまでの操作が容易であること、バブルの揺れによる多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの変形がほとんど見られないこと、延伸後の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムの厚さ精度が良好であることの3条件を満たすものを○、上記3条件のうち何れか1つの条件でも満たさなかったものを×と評価した。
(ヒートシール性)
L型シール包装機(ハナガタ社製 商品名「HP−10」)を用いて、直方体形状の木箱(縦130mm×横170mm×高さ50mm)10個をそれぞれ全体的に、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムによって130℃にて連続的に熱収縮包装した。
次に、各木箱を包装している多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムをそれぞれ目視観察し、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムに生じている最も大きな孔(ピンホール)の孔径を測定した。
そして、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムにピンホールがないものを5点、ピンホールの孔径が2mm未満のものを3点、ピンホールの孔径が2mm以上で且つ5mm未満のものを1点、ピンホールの孔径が5mm以上のものを0点として50点満点で採点し、下記基準によりヒートシール性を評価した。なお、ピンホールの孔径とは、ピンホールを包囲しうる真円の最小径とした。
○:合計点が40点以上であった。
△:合計点が35点以上40点未満であった。
×:合計点が35点未満であった。
(ホットスリップ性)
L型シール包装機(ハナガタ社製 商品名「HP−10」)を用いて、直方体形状の木箱(縦130mm×横170mm×高さ50mm)2個をそれぞれ全体的に、多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムによって130℃にて連続的に熱収縮包装した。次に、熱収縮包装された直後の2個の木箱を互いに擦り合わせ、その際の滑性状況を官能評価し、滑性が良好であったものを○、滑性が不良であったものを×とした。
(包装性)
L型シール包装機(ハナガタ社製 商品名「HP−10」)を用いて、このL型シール包装機のトンネル温度を10℃刻みで140℃から160℃まで変化させ、各温度において、木箱(縦140mm×横170mm×高さ×50mm)を1個ずつ熱収縮包装した。
次に、各木箱を包装している多層熱収縮性ポリオレフィンフィルムを目視観察して、下記基準に基づいて包装性を評価した。
○:収縮不足や加熱溶融破れなどは認められず、仕上がり状態は良好であった。
△:収縮不足は若干認められたが、実用面での支障はなかった。
×:収縮不足や加熱溶融破れなどが認められ、仕上がり状態が悪かった。
Figure 2007136990

Claims (4)

  1. 密度0.909g/cm以下のポリエチレン系樹脂75〜90重量%及びポリプロピレン系樹脂10〜25重量%を含有する樹脂組成物からなる中間層の両面に、密度0.915〜0.930g/cmのポリエチレン系樹脂からなる表面層が積層一体化されてなることを特徴とする多層熱収縮性ポリオレフィンフィルム。
  2. 中間層を構成するポリエチレン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルム。
  3. 表面層を構成するポリエチレン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルム。
  4. 中間層と表面層の厚さ比(中間層/表面層)が、3〜8であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の多層熱収縮性ポリオレフィンフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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