JP2007134440A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換粒子の使用量を低減し、また全入射角度の光を有効利用した、高い光電変換効率を有する低コストで高性能な信頼性の高い光電変換装置を提供することである。
【解決手段】結晶半導体粒子2のそれぞれに光を集光させる透光性集光層7を形成し、前記結晶半導体粒子2間の間隔が、前記結晶半導体粒子2の直径の80%以下であることによって、全入射角度において有効に光を結晶半導体粒子2に屈折させ、高い変換効率を得ることができる光電変換装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽光発電に使用される光電変換装置に関し、特に結晶半導体粒子を用いた光電変換装置に関する。
最近、光電変換手段の構成要素として粒状シリコンを用いた太陽電池が注目されており、この粒状シリコンを作製する方法として、シリコン原料を赤外線や高周波コイルを用いて容器内で溶融し、その後この溶融物を自由落下させて粒状シリコンを得る技術が知られている。
このような方法で製造された球状等の形状の粒状シリコンは、従来のように、高価な半導体グレードのシリコン材料を用いて、CZ(チョクラルスキー)法で作製された単結晶シリコンや鋳造法で作製された多結晶シリコンのように、300μm程度の薄い基板になるように研削加工する必要がないため、ダイシング工程や研削工程において高価なシリコン材料を無駄にすることがなく、製造コストの低減が厳しく要求される太陽電池への適用が期待されている。
しかし、球状の粒状シリコンを整列させた光電変換装置では最密構造に配設したとしても粒状シリコン間に発電に寄与しない領域が残るため、変換効率が低いという問題があった。さらにシリコン材料の使用量低減のため粒状シリコン球の間隔を広げることが望まれているが、変換効率がより低下することが問題となる。これらの問題を解決するために、粒状シリコン間に下向きに凹形をなす樹脂を基板上に形成することにより、入射光を屈折させ粒状シリコンへ導く方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、粒状シリコン上に等厚なコート膜を形成し、粒状シリコン間に急激な角度変化をもつ「カスプ」をもつことにより、光を集める効果をもたらし、変換効率を向上させる光電変換装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第5466301号明細書 米国特許第5419782号明細書
しかしながら、前記した集光層の形成方法では、依然として十分な集光性をもった集光層を得るのは困難であり、また全入射角度の光を十分に有効利用できないなどの問題があった。また、前記従来技術を、多量の光電変換粒子を使用する大面積の光電変換装置に適用するには、製造コストの面から困難である。
本発明の課題は、光電変換粒子としての結晶半導体粒子の使用量を低減すると共に、全入射角度の光を有効利用し、高い光電変換効率を有する低コストで高性能な信頼性の高い光電変換装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、結晶半導体粒子表面に、光を集光させる透光性集光層を形成し、かつ前記結晶半導体粒子同士を所定の間隔を設けて配設することにより、光電変換粒子の使用量を抑えると共に、全入射角度にわたって光を有効利用でき、高い変換効率を得ることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明における光電変換装置は、以下の構成を有する。
(1)導電性基板上に、表層に第2導電型の半導体部が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子の複数個が、互いに間隔をあけて接合されるとともに、該結晶半導体粒子間に絶縁体が形成され、前記結晶半導体粒子および前記絶縁体上に透光性導電層が形成され、該透光性導電層上に前記結晶半導体粒子のそれぞれに光を集光させる透光性集光層が形成された光電変換装置であって、前記結晶半導体粒子間の間隔は、前記結晶半導体粒子の直径の80%以下であることを特徴とする光電変換装置。
(2)前記結晶半導体粒子間の間隔は、前記結晶半導体粒子の直径の5%以上であることを特徴とする(1)に記載の光電変換装置。
(3)前記透光性集光層は、前記結晶半導体粒子のそれぞれの上方に凸状の曲面形状に形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の光電変換装置。
(4)前記凸状の曲面形状は、非球面形状であることを特徴とする(3)に記載の光電変換装置。
本発明の光電変換装置は、上記(1)および(2)によれば、結晶半導体粒子表面に、光を集光させる透光性集光層を形成し、かつ前記結晶半導体粒子同士の間隔を、該結晶半導体粒子の直径の5〜80%の範囲にすることにより、全入射角度において有効に光を結晶半導体粒子に屈折させ、高い変換効率を得ることができる。さらに、前記結晶半導体粒子同士間に間隔を設けることにより、前記結晶半導体粒子の単位面積あたりの個数が少なくてすむので、光電変換装置に用いられる結晶量が削減でき、省資源かつコスト低減をもたらすことができる。
また、上記(3)および(4)によれば、前記透光性集光層を、前記結晶半導体粒子のそれぞれの上方に非球面形状に形成することによって、簡便な構造で全入射角度、とりわけ低い入射角度においても有効に光を結晶半導体粒子に屈折させることができ、高い変換効率を得ることができる。
以上のように、本発明の光電変換装置によれば、光電変換粒子の使用量を低減し、光の全入射角度にわたって高い変換効率が実現できる。
以下、本発明の光電変換装置について図を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る光電変換装置の一実施形態を示す断面図である。図1において、1は導電性基板(以下、基板ともいう)、2は結晶半導体粒子、3は絶縁体、4は結晶半導体粒子2とは逆の導電型を呈する半導体層、5は透光性導電層、6は基板1と結晶半導体粒子2との合金層、7は透光性集光層である。
基板1は、例えば、アルミニウム単体もしくはアルミニウムの融点以上の融点を有する金属やセラミックを下地基板とし、その上にアルミニウムからなる電極層を形成した複合体を用いることができる。
基板1上には、図1に示すように、第1導電型の結晶半導体粒子2を多数配設する。この結晶半導体粒子2は、例えばSiにp型を呈するB、Al、Ga等、またはn型を呈するP、As等の微量元素が含まれているものである。結晶半導体粒子2の断面形状としては多角形をなすもの、曲面をなすもの等、いずれの形状でもよいが、凸状の曲面を持つことが好ましい。凸状の曲面によって光の入射角度による依存性を少なくした集光性を得ることができる。また、粒径分布としては均一、不均一のいずれでもよいが、均一の場合は粒径を揃えるための工程が必要になるため、より安価にするためには不均一な分布である方が有利であり、好ましい。
結晶半導体粒子2の平均粒径としては、0.2〜1.0mmが好ましい。平均粒径が1.0mmを越えると、切削部も含めた従来の結晶板型の光電変換装置のシリコン使用量と変わらなくなり、結晶半導体粒子2を用いるメリットが少なくなる。また、0.2mmよりも小さいと、基板1へのアッセンブルがしにくくなるという問題が発生する。より好ましくはシリコン使用量の関係から0.2〜0.6mmがよい。
多数の結晶半導体粒子2を基板1上に配設する方法としては、例えば結晶半導体粒子2を基板1の表面に散布したり、互いに所定の間隔で設置されるように治具を用いて基板1の表面に設置した後、一定の荷重を結晶半導体粒子2上にかけながら、基板1のアルミニウムと結晶半導体粒子2のシリコンとの共晶温度577℃以上に加熱することによって、基板1と結晶半導体粒子2との間に合金層6を形成させる方法等がある。該合金層6を介して基板1と結晶半導体粒子2を接合することができる。
なお、合金層6に接触している第1導電型の領域では、基板1の材料であるアルミニウムが拡散してp+層を形成している。ここで、単に導電性拡散領域を形成するのであれば、AlとSiとの共晶温度である577℃以下でも可能である。しかしながら、577℃以下では基板1と結晶半導体粒子2の接合が弱くなるため、基板1から結晶半導体粒子2が離脱し、太陽電池としての構造を維持できなくなる。したがって、前記接合を確保する上で、577℃以上が好ましく、より好ましくは580〜650℃である。
第2導電型を呈する半導体部としての半導体層4は、例えば、Siから成り、気相成長法等で例えばシラン化合物の気相にn型を呈するリン系化合物の気相、またはp型を呈するホウ素系化合物の気相を微量導入して形成する。半導体層4の膜質としては結晶質、非晶質、および結晶質と非晶質とが混在するもののいずれでもよいが、光透過率の観点から、好ましくは結晶質、または結晶質と非晶質とが混在するものがよい。
導電性については、半導体層4中の微量元素の濃度は高くてもよく、例えば1×1016〜1019atoms/cm程度である。
さらに、半導体層4は結晶半導体粒子2の表面形状に沿って形成することが望ましい。結晶半導体粒子2の表面に沿って形成することによってpn接合の面積を広くとることができ、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
前記結晶半導体粒子2は、これを基板1上に配設する前に、予め結晶半導体粒子2の表面に第2導電型を呈する半導体層4、例えばn型を呈するP、As等、またはp型を呈するB、Al、Ga等が微量含まれている半導体層4を形成させたものを用いてもよい。第2導電型を呈する半導体層4を予め形成する方法としては、例えば結晶半導体粒子2を800℃以上に加熱しながらオキシ塩化リンのガスに曝し、Pなどをその表面に拡散させる方法等が用いられる。
絶縁体3は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料からなり、実質的に透明な耐熱性有機高分子からなる。耐熱性高分子としては、ポリイミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリカルボシラン等を用いることができるが、耐薬品性や操作性の観点から、ポリイミドが望ましい。ポリイミドの硬化処理としては、光硬化型ポリイミドではUV照射を、熱硬化型ポリイミドでは加熱処理が用いられる。熱硬化型ポリイミドを用いる場合は、熱処理温度は250℃以下、好適には220℃以下が望ましい。そのためポリイミドの硬化温度も250℃以下、好適には220℃以下であることが望ましい。熱処理温度を250℃以下にすることで、すでに形成されている結晶半導体粒子2と第2導電型を呈する半導体層4との間のpn接合に熱的ダメージを与えることなく結晶半導体粒子2間にポリイミドから成る絶縁体3を充填できるので、pn接合を高品質に保つことができ、高い光電変換効率が得られる。逆に硬化温度が250℃より高いポリイミドでは熱処理温度も250℃以上となり、pn接合への熱的ダメージにより光電変換効率が劣化する。ポリイミドの硬化温度は通常、熱分析または赤外線ピーク比から求めるイミド化率で見積もれるが、イミド化率99%以上になる温度を実質的に硬化温度とみなすことができる。
耐熱性有機高分子の溶液または耐熱性有機高分子の前駆体溶液の塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、浸透法などを用いることができる。
透光性導電層5はスパッタリング法や気相成長法等の成膜方法あるいは塗布焼成等によって形成し、SnO、In、ITO、ZnO、TiO等から選ばれる1種または複数の酸化物系膜、またはTi、Pt、Au等から選ばれる1種または複数の金属系膜を形成する。なお、このような透光性導電層5は透明であることが必要である。
透光性導電層5は適切な膜厚を選べば反射防止膜としての効果も期待できる。さらに、透光性導電層5は半導体層4あるいは結晶半導体粒子2の表面形状に沿って形成することが望ましい。結晶半導体粒子2の表面に沿って形成することによって、結晶半導体粒子2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
また半導体層4あるいは透光性導電層5上に保護層(図示せず)を形成してもよい。このような保護層としては透明誘電体の特性を持つものがよく、CVD法やPVD法等で例えば酸化珪素、酸化セシウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化チタン、SiO−TiO、酸化タンタル、酸化イットリウム等を単一組成または複数組成で、単層または組み合わせて半導体層4または透光性導電層5上に形成する。保護層は、光の入射面に設けられるために、透明性が必要であり、また半導体層4または透光性導電層5と外部との間のリークを防止するために、誘電体であることが必要である。なお、保護層の膜厚を最適化すれば反射防止膜としての機能も期待できる。
また、直列抵抗値を低くするために、半導体層4または透光性導電層5の上に一定間隔のフィンガーやバスバーといったパターン電極(図示せず)を設けて直接的または間接的に半導体層4と接続し、変換効率を向上させることも可能である。
透光性集光層7は、あらゆる入射角の光線を効率的に結晶半導体粒子2に取り込むことを目的とした非球面形状からなり、実質的に透明な耐候性樹脂からなる。耐候性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む合成樹脂等を用いることができるが、耐候性、接着性、透湿性、耐薬品性や操作性の観点から一般に用いられている、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂が特に望ましい。
前記透光性集光層7は、各結晶半導体粒子2上に形成した透光性導電層5上に、縦断面における輪郭形状が結晶半導体粒子2よりも直径が大きな略半円状であって高さよりも横方向の半径が小さい略半円状である凸部形状により形成される。
具体的には、透光性集光層7の凸部は、図3に示すように、非球面形状であり、好ましくは、凸部の頂部が結晶半導体粒子2の曲率と同じ球面状であり、凸部の縦断面における輪郭形状の頂部以外の両側部が結晶半導体粒子2よりも直径が大きな円弧13から成る。また、凸部は、その中心を通る垂線(鉛直線)を回転軸Vとした、非球面形状(縦置きしたラグビーボール状)の回転体である。
すなわち、前記凸部は、縦断面において、頂部以外の両側部が結晶半導体粒子2よりも曲率が大きな円弧13となっており、その円弧13は、導電性基板1の主面に平行で結晶半導体粒子2の中心を通る水平線H上に中心を持つ、結晶半導体粒子2の円10よりも曲率が大きい2つの円の円弧13である。また、凸部の頂部は、回転軸V上に中心をもつとともに、その断面形状が結晶半導体粒子2の直径と略同じ直径を有する円の円弧12となっている。従って、凸部は、縦断面において、頂部の円弧と両側部の円弧とがつながった形状を有する。
また、凸部の縦断面における両側部の円弧は、図3に示すように、左右でそれぞれ同じ直径の2つの円の一部であるが、それら2つの円の直径(図3中に示すC)は、結晶半導体粒子2の円の直径の2〜2.5倍程度の大きさを有する。
図3のような縦断面における輪郭形状11を有する透光性集光層7の凸部の集光性は、モンテカルロ法による非逐次光線追跡解析法等の公知の解析法に基づいたコンピュータシミュレーションにより求めることができる。
また、この他にも、前記コンピューターシミュレーションにより、前記半球面形状よりも高い集光効率の非球面形状を設計することができる。この場合、凸部と凸部に囲まれた谷間が浅くなるように設計することが集光効率をより向上させるために好ましい。
上記透光性集光層7の光透過率は、85%以上が好ましい。加工性、透過率の点から、厚みは100μm〜1mmが望ましい。より好ましくは200〜600μmである。また、透光性集光層7の大きさは、少なくとも導電性基板1上に接合された結晶半導体粒子2の大半を被覆することが好ましく、横方向において光電変換装置より大きくてもよい。
なお、透光性集光層7は複数層が積層されて成るものであってもよい。その場合、光入射側の層の屈折率と、結晶半導体粒子2側の層の屈折率は異なっていてもよい。さらに、光入射側に反射防止層を形成してもよい。
また、透光性集光層7を形成する方法としては、上記の樹脂から成る樹脂シートを圧縮成形、射出成形等を用いることであらかじめ集光レンズ形状の樹脂シートを作製した後、再度導電性基板1および結晶半導体粒子2等から成る光電変換素子と同時に加熱圧縮し一体化させる方法が用いられる。その際、光電変換素子と集光レンズ形状の樹脂シートを密着させるためにEVAシート等の接着剤を用いることが望ましい。
図2に基板1上の結晶半導体粒子2間の間隔(図1に示すL)を広げたときの光電変換装置の光利用効率の変化を示す。前記間隔が結晶半導体粒子2の直径の80%を超えると、光入射角度を0〜180°まで変化させたときの光利用効率は90%未満となりその後急激に低下する。この低下は、樹脂シートの屈折率が2以下のものが大半であることから、光の屈折角度の限界に起因するものと考えられる。また、前記間隔が5%未満の場合、結晶半導体粒子2の下部周辺にある絶縁体3において結晶半導体粒子2間で毛管現象による這い上がりが生じ、絶縁体3が盛り上がるために所望の集光構造がうまくとれない。さらに、フィンガー電極を結晶半導体粒子2の隙間に塗布できないことから光利用効率は90%未満となる。したがって、前記間隔を5%以上とすることにより、絶縁体3は毛管現象による這い上がりが低減されるので透光性集光層7を精度よく配置することが可能となる。以上の理由から、基板1上の結晶半導体粒子2の間隔は、結晶半導体粒子2の直径の5〜80%が好ましい。より好ましくは、20〜70%である。
一方、導電性基板1上に接合される結晶半導体粒子2の数は、間隔を広げていくほど少なくなる。例えば、間隔が結晶半導体粒子2の100%となると使用する粒子数は半分となる。原料となる半導体材料は高価であり、使用量の低減は直接低コストに結びつく。さらに、太陽電池の市場の伸びは著しく、太陽電池材料の生産規模は、集積回路素子等に使用される半導体材料規模に近づいてきており、いずれは原料不足が生産の伸びを抑制することに繋がってくるため、原材料の使用量を半分にできる本発明は産業の発展に寄与しうるものである。
また、従来の最密構造の場合には、半導体層4または透光性導電層5の上に一定間隔で形成されたフィンガー電極やバスバー電極といったパターン電極が結晶半導体粒子2の上部を覆うので、これにより光利用効率の低下を招いていた。しかしながら、本発明では、基板1上の結晶半導体粒子2の間隔を広げることにより、前記光利用効率の低下を回避することができ、その結果高い変換効率が得られる。
以上のように、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、高い変換効率と高い生産性が実現できる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の光電変換装置を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
厚み0.5μmのn型シリコン半導体層4を表面に拡散法により形成したp型シリコン粒子2をアルミニウム基板1上に多数設置した後、p型シリコン粒子2が動かないように、共晶点温度より10℃高めたSUS(ステンレススチール)からなる熱板を用いて、一定の荷重(1.5kg重/cm)をかけて押し付けた。この状態で、窒素雰囲気下630℃で10分間加熱処理してp型シリコン粒子2をアルミニウム基板1に接合させた(接合層6)。p型シリコン粒子2直径の平均粒径は400μmで粒子間の隙間は平均で280μm(シリコン粒子直径の70%)であった。
硬化温度が230℃である熱硬化性ポリイミド樹脂のN−メチルピロリドン15質量%溶液を、上記p型シリコン粒子2を接合したアルミニウム基板1上にディスペンサーを用いた浸透法で塗布した後、窒素雰囲気下250℃で1時間加熱処理し、p型シリコン粒子2間にポリイミド樹脂の絶縁体3を形成した。次に、その上にスパッタリング法によって厚み85nmのITO膜による透光性導電層5を作製した。
その後、フィンガー電極およびバスバー電極からなるパターン電極を設け、集光構造のない状態の光電変換装置を作製した。
次に、断面形状の側面がp型シリコン粒子2直径の2倍の直径の二つの円と、頂上部がシリコン粒子直径と同径で側面の二つの円と接する円で囲まれた断面形状で中心軸中心に回転させた凸形状(図3参照)で設計された金型を用いて、ポリカーボネート樹脂で非球面形状の透光性集光層7を作製した。この透光性集光層7の厚みは300μmで、この透過率は92%であった。
最後に、前記得られた透光性集光層7を、光電変換装置上部にEVAフィルムを介して190℃で熱圧着接合し、集光構造を有する光電変換装置を作製した。
〔実施例2〕
p型シリコン粒子2の粒子間の隙間が平均で20μm(p型シリコン粒子2直径の5%)であること以外は実施例1と同様な方法で光電変換装置を作製した。
〔比較例1〕
前記透光性集光層7に代えて、平板なポリカーボネ―ト製の樹脂カバーを光電変換装置の上部に接合した以外は実施例1と同様な方法で光電変換装置を作製した。
〔比較例2〕
p型シリコン粒子2の粒子間の隙間が平均で400μm(p型シリコン粒子2直径の100%)であること以外は実施例1と同様な方法で光電変換装置を作製した。
〔比較例3〕
p型シリコン粒子2の粒子間の隙間が平均で16μm(p型シリコン粒子2直径の4%)であること以外は実施例1と同様な方法で光電変換装置を作製した。
(測定方法)
上記で作製した光電変換装置について、p型シリコン粒子2の平均粒径、粒子間の隙間および光利用効率を、以下の方法により求めた。
p型シリコン粒子2の平均粒径および粒子間の間隔は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。また、光電変換効率は、JIS C 8913に基づいて、ソーラーシミュレーター(WACOM社製:WXS155S−19)により、所定の強度および所定の波長の光を照射して求めた。光利用効率は、モンテカルロ法による非逐次光線追跡解析法に基づくシミュレーションソフトを用いて、光入射角度を0〜180度まで変化させたときの透光性集光層7をもたない最密充填構造の光電変換装置の光利用効率に対する割合として求めた。
(評価試験および評価結果)
上記で作製した実施例1および2、比較例1〜3の透光性集光層7を有するものおよび透光性集光層のないもののそれぞれの光電変換装置について、それらの光電変換効率および光利用効率を調べた。
結果を表1および図2に示した。

Figure 2007134440
表1に示されるように、p型シリコン粒子2の粒子間の隙間が該シリコン粒子直径の100%である場合、透光性集光層7を有しても光電変換効率は6.9%で、光利用効率も60%と低い(比較例2)。また、粒子間の隙間が80%以内であっても本発明の透光性集光層7を有しない場合、光電変換効率は4.0%と低い(比較例1)。粒子間の隙間が5%未満になると、集光構造の効果は現われず、光電変換効率は改善されない(比較例3)。これに対して、粒子間の隙間が本発明の範囲内であり、かつ透光性集光層7を有する場合、10.6%以上の高い光電変換効率が得られ、また高い光利用効率が得られた。
以上により、本発明の光電変換装置によれば、光電変換粒子の使用量を低減でき、光の全入射角度にわたって高い光電変換効率を実現できることがわかった。
本発明の光電変換装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の光電変換装置において結晶半導体粒子の粒子間隔を変えたときの全入射光線の光利用効率を示すグラフである。 本発明の透光性集光層の凸部と結晶半導体粒子との位置関係を示す縦断面図である。 従来例の光電変換装置を示す断面図である。
符号の説明
1 導電性基板
2 第1導電型を呈する結晶半導体粒子
3 絶縁体
4 第2導電型を呈する半導体層
5 透光性導電層
6 アルミニウムとシリコンとの合金層
7 透光性集光層
21 第1導電型を呈する結晶半導体粒子
22 第2導電型を呈する半導体層
23 アルミ箔
24 絶縁膜
25 接続部
26 アルミ箔
27 等厚なコート層

Claims (4)

  1. 導電性基板上に、表層に第2導電型の半導体部が形成された球状の第1導電型の結晶半導体粒子の複数個が、互いに間隔をあけて接合されるとともに、該結晶半導体粒子間に絶縁体が形成され、前記結晶半導体粒子および前記絶縁体上に透光性導電層が形成され、該透光性導電層上に前記結晶半導体粒子のそれぞれに光を集光させる透光性集光層が形成された光電変換装置であって、前記結晶半導体粒子間の間隔は、前記結晶半導体粒子の直径の80%以下であることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記結晶半導体粒子間の間隔は、前記結晶半導体粒子の直径の5%以上であることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  3. 前記透光性集光層は、前記結晶半導体粒子のそれぞれの上方に凸状の曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記凸状の曲面形状は、非球面形状であることを特徴とする請求項3記載の光電変換装置。
JP2005324848A 2005-11-09 2005-11-09 光電変換装置 Pending JP2007134440A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011052508A1 (ja) * 2009-10-30 2011-05-05 住友化学株式会社 パイプ及び該パイプを備えた温水システム
KR20200029093A (ko) * 2018-09-07 2020-03-18 삼성디스플레이 주식회사 전자 장치

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