JP2007130780A - インクジェット被記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明度が高く、発色性が良好で鮮明な印字画像が得られ、印字画像部分にひび割れが発生することなく、インク受理層と基材との密着性が良好でインク受理層の剥離が生じにくいインクジェット被記録材料を提供する。
【解決手段】透明基材と、その一方に形成されたインク受理層を有するインクジェット被記録材料において、透明基材とインク受理層との間に、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を設けてなることを特徴とするインクジェット被記録材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット被記録材料に関する。さらに詳しくは、本発明は、透明度が高く、発色性が良好で鮮明な印字画像が得られ、印字画像部分にひび割れが発生することなく、インク受理層と基材との密着性が良好でインク受理層の剥離が生じにくいインクジェット被記録材料に関する。
インクジェット記録方式は、インクをノズルから微細な液滴として被記録材料に吹き付けて印字画像を形成する方式であり、インクジェットプリンターは、ドットインパクトプリンターに比べると騒音が少なく、ページプリンターに比べると機構が簡単で低価格である。被記録材料のサイズが異なっても、ヘッドの移動距離の増減によって対応し得るために、業務用の大型機から家庭用の小型機まで普及が進んでいる。
インクジェット記録方式の開発の初期には、被記録材料として主として紙が用いられていたが、近年は、被記録材料として透明なプラスチックフィルムも用いられるようになり、印刷面の裏面から印字画像を観賞するディスプレイとしての用途や、OHPフィルムや第2原図用フィルムとしての用途が拡がってきた。このような用途には、インクジェット被記録材料の画像鮮明性や、印刷面の安定性に加えて、被記録材料の透明度が高いことが要求される。
従来は、透明なインクジェット被記録材料のインク受理層として、アルミナゾル、水溶性ポリマーなどを主体とする構成が採用されていたが、これらの構成ではインク吸収性が満足し得る水準に達していなかった。このために、インク吸収性と透明性の高いインクジェット被記録材料の開発が試みられてきた。
例えば、インク吸収性及び透明性が高いインクジェット記録材料の製造方法として、透明支持体上に気相法シリカを含有するインク受理層を塗布し乾燥するインクジェット記録材料の製造方法において、塗布されたインク受理層を20℃以下の雰囲気下で冷却したのち乾燥するインクジェット記録材料の製造方法が提案されている(特許文献1)。また、
インク吸収性及び透明性の高いインクジェット記録材料として、透明支持体上に気相法シリカを含有するインク受理層を有するインクジェット記録材料において、インク受理層が多価金属の水溶性化合物を含有するインクジェット記録材料が提案されている(特許文献2)。しかし、これらのインクジェット記録材料は、インク受理層にシリカを配合しているので、ヘイズ値が10%を超え、透明性が不足している。
特開2001−96900号公報(第2頁) 特開2001−113817号公報(第2頁)
本発明は、透明度が高く、発色性が良好で鮮明な印字画像が得られ、印字画像部分にひび割れが発生することなく、インク受理層と基材との密着性が良好でインク受理層の剥離が生じにくいインクジェット被記録材料を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、透明基材とインク受理層との間に、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を設けることにより、高い透明度を維持したまま、鮮明な印字画像が得られ、印刷面にひび割れが発生せず、インク受理層が剥離しにくいインクジェット被記録材料が得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)透明基材と、その一方に形成されたインク受理層を有するインクジェット被記録材料において、透明基材とインク受理層との間に、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を設けてなることを特徴とするインクジェット被記録材料、
(2)インク受理層が、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート及びポリビニルブチラールよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物からなる(1)記載のインクジェット被記録材料、及び、
(3)透明基材が、全光線透過率80%以上、ヘイズ2%以下の高透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを素材とする(1)記載のインクジェット被記録材料、
を提供するものである。
本発明のインクジェット被記録材料は、全光線透過率が高く、ヘイズが小さく、透明性に優れているので、印刷面の裏面から印字画像を観賞するディスプレイとしての用途や、OHPフィルムや第2原図用フィルムとしての用途などに好適に用いることができる。また、発色性が良好であり、インクジェット印刷により鮮明な印字画像を形成することができる。さらに、印刷後のインク受理層にひび割れを生ずることがなく、インク受理層と基材との密着性が良好であり、カッティングなどに際して過酷な取り扱いを受けても、インク受理層が損傷を受けるおそれがない。
本発明のインクジェット被記録材料は、透明基材と、その一方に形成されたインク受理層を有するインクジェット被記録材料において、透明基材とインク受理層との間に、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を設けてなるインクジェット被記録材料である。
本発明に用いる透明基材に特に制限はなく、例えば、プラスチックフィルム、セロハン、ガラスなどを挙げることができる。これらの中で、プラスチックフィルムを特に好適に用いることができる。プラスチックフィルムの材質に特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、セルローストリアセテートなどを挙げることができる。これらの中で、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明性が良好であり、強度と寸法安定性に優れるので特に好適に用いることができる。
本発明に用いる透明基材は、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、ヘイズは、2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.2%以下であることがさらに好ましい。全光線透過率が80%以上であり、ヘイズが2%以下である透明基材を用いることにより、透明度の高いインクジェット被記録材料を得ることができる。
本発明において、透明基材に用いるプラスチックフィルムには、必要に応じてコロナ放電処理などを施し、接着性を高めることができる。透明基材の厚さに特に制限はないが、10〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。透明基材の厚さが10μm未満であると、取り扱い作業性が低下するおそれがある。透明基材の厚さは200μm以下でインクジェット被記録材料に要求される性能を満たし、通常は厚さ200μmを超える透明基材は必要とされない。
本発明のインクジェット被記録材料は、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を有する。イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有するアクリルプレポリマーとの反応によっても、アクリル−ウレタン共重合体を得ることができるが、このようなアクリル−ウレタン共重合体では、インクジェット被記録材料の接着層として十分な効果が発現しない。
本発明において、ウレタンポリマーが有する重合性不飽和結合としては、特に制限されないが、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基由来のものが好適である。本発明において、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーの製造方法に特に制限はなく、例えば、(1)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、多価アルコールなどと、(2)イソシアネート基と反応し得る基及び重合性不飽和結合を有する化合物と、(3)ポリイソシアネート化合物と、を反応させることにより重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーを製造することができる。反応に際しては、必要に応じて、有機溶剤を用い、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミンなどのアミン触媒、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジメルカプチドなどの錫触媒などを添加することができる。
(2)イソシアネート基と反応し得る基及び重合性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、ビニルフェノール、ビニルアニリン、ビニルベンジルアミン、ビニルイソシアネート、アリルアルコール、アリルフェノール、アリルアミン、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。
本発明に用いるアクリルモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2,2−ジニトロプロピル、アクリロフェノン、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリルアルデヒド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸トリクロロエチルなどを挙げることができる。中でも、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好適である。
本発明において、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合する方法に特に制限はなく、例えば、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーの溶液に、アクリルモノマーと、必要に応じてさらに溶剤を添加し、不活性ガス雰囲気下に、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤を添加し、加熱することにより、アクリル−ウレタン共重合体を製造することができる。得られたアクリル−ウレタン共重合体溶液は、そのままで、あるいは、適当に濃度調整して、接着層を形成するための塗工液として使用することができる。
本発明において、アクリル−ウレタン共重合体からなる接着層の厚さは、1〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましく、5〜12μmであることがさらに好ましい。アクリル−ウレタン共重合体からなる接着層の厚さが1μm未満であると、透明基材とインク受理層の間に十分な接着強度が発現しないおそれがある。アクリル−ウレタン共重合体からなる接着層の厚さが20μmを超えると、透明基材との接着性は良好となるが、高価となる。アクリル−ウレタン共重合体溶液を透明基材に塗工する方法に特に制限はなく、例えば、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスコーター、スプレイコーター、スロットオリフィスコーターなどを用いて塗工することができる。
本発明のインクジェット被記録材料においては、インク受理層が、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート及びポリビニルブチラールよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物からなることが好ましい。使用するセルロースアセテートブチレート又はセルロースアセテートプロピオネートの数平均分子量は、50,000〜100,000であることが好ましく、60,000〜80,000であることがより好ましい。使用するセルロースアセテートの数平均分子量は、10,000〜50,000であることが好ましく、20,000〜40,000であることがより好ましい。使用するポリビニルブチラールは、ポリビニルブチラールを完全ケン化して得られるポリビニルアルコールの平均重合度が500〜2,000のポリビニルブチラールであることが好ましく、該平均重合度が700〜1,500のポリビニルブチラールであることがより好ましい。ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K 6726に従って測定することができる。
セルロースアセテートブチレート若しくはセルロースアセテートプロピオネートの数平均分子量が50,000未満、セルロースアセテートの数平均分子量が10,000未満、又は、ポリビニルブチラールを完全ケン化して得られるポリビニルアルコールの平均重合度が500未満であると、インク受理層の発色性が悪く、印字画像の鮮明性が低下するとともに、印刷面にひび割れを生じやすく、印刷後のインク受理層が透明基材から剥離しやすくなるおそれがある。セルロースアセテートブチレート若しくはセルロースアセテートプロピオネートの数平均分子量が100,000を超え、セルロースアセテートの数平均分子量が50,000を超え、又は、ポリビニルブチラールを完全ケン化して得られるポリビニルアルコールの平均重合度が2,000を超えると、溶解、塗工などの作業性が低下するとともに、インク受理層にインクが弾かれ、インクがインク受理層に入りにくくなって、印字画像の鮮明性が低下するおそれがある。また、インク受理層が硬くなって、ひび割れが生じやすく、透明基材への密着性が低下するおそれがある。
本発明において、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート又はポリビニルブチラールを含有するインク受理層を透明基材上の接着層の上に形成する方法に特に制限はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート又はポリビニルブチラールを有機溶剤に溶解した塗工液を透明基材上の接着層に塗工し、乾燥することによりインク受理層を形成することができる。セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート又はポリビニルブチラールを溶解する溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート又はポリビニルブチラールを溶解した塗工液には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などを添加することができる。
セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート又はポリビニルブチラールを溶解した塗工液を基材に塗工する方法に特に制限はなく、例えば、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスコーター、スプレイコーター、スロットオリフィスコーターなどを用いて塗工することができる。
本発明において、インク受理層の厚さは、15〜70μmであることが好ましく、20〜40μmであることがより好ましい。インク受理層の厚さが15〜70μmであると、インク受理層としての機能を十分に発揮することができる。インク受理層の厚さが15μm未満であると、印字画像の記録に必要な量のインクを吸収し得ないおそれがある。インク受理層の厚さが70μmを超えると、印字画像の鮮明性が損なわれるおそれがある。
図1は、本発明のインクジェット被記録材料の一態様の部分断面図である。透明基材1の上に、接着層2が設けられ、さらにその上にセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート又はポリビニルブチラールにより構成されたインク受理層3が設けられている。インクジェットプリンターから吹き出されたインクの微細な液滴は、インク受理層により速やかに吸収され、インク受理層の表面で拡散することがないので、鮮明な印字画像が形成される。インク受理層は、強度が大きく、適度な硬さを有し、アクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を介して透明基材に積層されているので、印刷後もインク受理層の印刷面にひび割れを生じたり、インク受理層が透明基材から剥離するおそれがない。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、インクジェット被記録材料の評価は、下記の方法により行った。
(1)全光線透過率及びヘイズ
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に従って測定した。
(2)インクジェット記録
インクジェット被記録材料のインク受理層に、ピエゾ方式のインクジェットプリンター[ローランド ディー.ジー.(株)、SOLJET ProII SC−540EX]と、グリコールエーテルを主成分とする非水系溶媒中に顔料を分散してなる溶剤系顔料インク[ローランド ディー.ジー.(株)、ECO−SOL INK]を使用して、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのフルカラーで100mm×148mmの花柄を印刷し、乾燥したのち、さらにその上からホワイトによる印刷を行った。印刷して3日後に、画像鮮明性、ひび割れ及びインク受理層の密着性の評価を行った。
(3)画像鮮明性
記録された印字画像の品質を目視により観察し、下記の2段階で評価した。
○:発色性が良好で、印字画像が鮮明である。
×:発色性が悪く、印字画像が不鮮明である。
(4)ひび割れ
インクジェット被記録材料の印字画像がある面とは反対の面から蛍光灯をあて、印字画像部分における光の透過を目視で観察し、ひび割れの有無を調べた。
(5)密着性
JIS K 5600−5−6に準じて、印刷面の中央に1mm間隔で100個の升目を有する格子パターンのクロスカットを形成し、クロスカットした表面にセロハン粘着テープ[ニチバン(株)]を貼り付け、セロハン粘着テープを剥がしたときに剥離した升目の数を数えた。
合成例1(アクリル−ウレタン共重合体の製造)
撹拌機、窒素ガス導入口、温度計及び冷却器を備えた四つ口の反応容器に、ポリブチレンアジペートジオール[大日本インキ化学工業(株)、ODX−2054、数平均分子量600]67重量部、ヘキサメチレングリコール3重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5重量部、イソホロンジイソシアネート29重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート1重量部、ジブチル錫ジラウレート0.02重量部及び溶剤であるメチルエチルケトン100重量部を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で4時間反応させ、イソプロペニル基を有するウレタンポリマー溶液200.5重量部を得た。得られたウレタンポリマー溶液の固形分含有率は50重量%であり、25℃における粘度は15,000mPa・sであった。
次いで、このイソプロペニル基を有するウレタンポリマー溶液200.5重量部に、メタクリル酸メチル100重量部、アクリル酸n−ブチル20重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2重量部及び溶剤である酢酸エチル250重量部を加えて混合したのち、アゾビスイソブチロニトリル1.0重量部を加えて、窒素雰囲気下、80℃で3時間反応し、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.3重量部を加えて、窒素雰囲気下、80℃で2時間反応して、アクリル−ウレタン共重合体溶液を得た。得られたアクリリル−ウレタン共重合体溶液の固形分含有率は38重量%であり、25℃における粘度は7,000mPa・sであった。イソプロペニル基を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーの重量比は、100:121である。
合成例2(比較アクリル−ウレタン共重合体原料液の製造)
撹拌機、窒素ガス導入口、温度計及び冷却器を備えた四つ口の反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート89重量部とポリカプロラクトンジオール[ダイセル化学工業(株)、プラクセル308、数平均分子量850、ヒドロキシル価195mgKOH/g]20重量部を仕込み、窒素雰囲気下、100℃で1時間反応させた。得られたウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有量9.2重量%、25℃における粘度4,900mPa・sであった。
得られたウレタンプレポリマー10重量部とアクリルポリオール[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−80、ヒドロキシル価50mgKOH/g、ガラス転移点70℃]20重量部を、酢酸エチル8重量部、酢酸ブチル12重量部、トルエン12重量部及びキシレン8重量部からなる混合溶剤に溶解して、比較アクリル−ウレタン共重合体原料液を調製した。
実施例1
セルロースアセテートブチレート[イーストマンケミカル社、CAB381−20、数平均分子量70,000、アセチル化度13.5重量%、ブチリル化度37.0重量%、水酸基含有量1.3重量%、ガラス転移点141℃]100重量部と可塑剤[フタル酸ジイソデシル、大八化学工業(株)]20重量部を、メチルエチルケトン400重量部とジメチホルムアミド100重量部の混合溶剤に溶解して、インク受理層塗工液を調製した。
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4100、全光線透過率92%、ヘイズ0.9%]に、合成例1で得られたアクリル−ウレタン共重合体溶液を、フィルムアプリケーターを用いて、乾燥塗膜厚さが10μmとなるように塗工、乾燥し、次いで、その上に上記のインク受理層塗工液を、フィルムアプリケーターを用いて、乾燥塗膜厚さが25μmとなるように塗工、乾燥し、インクジェット被記録材料を得た。
得られたインクジェット被記録材料の全光線透過率は92.3%であり、ヘイズは1.25%であった。発色性が良好で、印字画面が鮮明であった。印刷面内に、ひび割れは認められなかった。密着性試験において、升目は剥離しなかった。
実施例2
ポリビニルブチラール[完全ケン化して得られたポリビニルアルコールの平均重合度1,000、ブチラール化度73モル%、ガラス転移点64℃]100重量部を、メチルエチルケトン400重量部とジメチルホルムアミド100重量部の混合溶剤に溶解した溶液をインク受理層塗工液として用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット被記録材料を作製した。
得られたインクジェット被記録材料の全光線透過率は91.6%であり、ヘイズは1.33%であった。発色性が良好で、印字画面が鮮明であった。印刷面内に、ひび割れは認められなかった。密着性試験において、升目は剥離しなかった。
実施例3
セルロースアセテートブチレートに代えて、セルロースアセテートプロピオネート[イーストマンケミカル社、CAP482−20、数平均分子量75,000、アセチル化度2.5重量%、プロピオニル化度46.0重量%、水酸基含有量1.8重量%、ガラス転移点147℃]を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット被記録材料を作製した。
得られたインクジェット被記録材料の全光線透過率は91.8%であり、ヘイズは1.27%であった。発色性が良好で、印字画面が鮮明であった。印刷面内に、ひび割れは認められなかった。密着性試験において、升目1個が剥離した。
実施例4
セルロースエステルアセテートブチレートに代えて、セルロースアセテート[イーストマンケミカル社、CA398−30、数平均分子量30,000、アセチル化度39.8重量%、水酸基含有量3.5重量%、ガラス転移点180℃]を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット被記録材料を作製した。
得られたインクジェット被記録材料の全光線透過率は92.1%であり、ヘイズは1.35%であった。発色性が良好で、印字画面が鮮明であった。印刷面内に、ひび割れは認められなかった。密着性試験において、升目2個が剥離した。
比較例1
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4100、全光線透過率92%、ヘイズ0.9%]に、接着層を設けることなく、実施例1で調製したインク受理層塗工液を、フィルムアプリケーターを用いて、乾燥塗膜厚さが25μmとなるように塗工、乾燥し、インクジェット被記録材料を作製した。
得られたインクジェット被記録材料の全光線透過率は91.9%であり、ヘイズは1.24%であった。発色性が良好で、印字画面が鮮明であった。印刷面内に、ひび割れは認められなかった。密着性試験において、升目76個が剥離した。
比較例2
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、コスモシャインA4100、全光線透過率92%、ヘイズ0.9%]に、合成例2で得られた比較アクリル−ウレタン共重合体原料を、乾燥塗膜厚さが10μmとなるように塗工、乾燥し、次いで、その上に実施例1で調製したインク受理層塗工液を、フィルムアプリケーターを用いて、乾燥塗膜厚さが25μmとなるように塗工、乾燥し、インクジェット被記録材料を得た。
得られたインクジェット被記録材料の全光線透過率は91.7%であり、ヘイズは1.20%であった。発色性が良好で、印字画面が鮮明であった。印刷面内に、ひび割れは認められなかった。密着性試験において、升目47個が剥離した。
実施例1〜4及び比較例1〜2の結果を、表1に示す。
Figure 2007130780
表1に見られるように、実施例1〜4及び比較例1〜2のインクジェット被記録材料は、全光線透過率が90%以上、ヘイズが1.5%以下であって、優れた透明性を有している。印字画像は鮮明であり、印刷面内にひび割れが認められず、画質が良好である。密着性試験において、イソプロペニル基を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を有する実施例1〜4のインクジェット被記録材料は、剥離した升目が100個中0〜2個であり、密着性が良好である。これに対して、アクリル−ウレタン共重合体からなる接着層がない比較例1のインクジェット被記録材料は、100個の升目のうち76個が剥離し、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有するアクリルプレポリマーとの反応により得られるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を有する比較例2のインクジェット被記録材料は、100個の升目のうち47個が剥離し、いずれも密着性が不良である。
本発明のインクジェット被記録材料は、全光線透過率が高く、ヘイズが小さく、透明性に優れているので、印刷面の裏面から印字画像を観賞するディスプレイとしての用途や、OHPフィルムや第2原図用フィルムとしての用途などに好適に用いることができる。また、発色性が良好であって、インクジェット印刷により鮮明な印字画像を得ることができる。さらに、印刷後のインク受理層にひび割れを生ずることがなく、インク受理層と透明基材との密着性が良好であり、カッティングなどに際して過酷な取り扱いを受けても、インク受理層が損傷を受けるおそれがない。
本発明のインクジェット被記録材料の一態様の部分断面図である。
符号の説明
1 透明基材
2 接着層
3 インク受理層

Claims (3)

  1. 透明基材と、その一方に形成されたインク受理層を有するインクジェット被記録材料において、透明基材とインク受理層との間に、重合性不飽和結合を有するウレタンポリマーとアクリルモノマーとを重合してなるアクリル−ウレタン共重合体からなる接着層を設けてなることを特徴とするインクジェット被記録材料。
  2. インク受理層が、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート及びポリビニルブチラールよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物からなる請求項1記載のインクジェット被記録材料。
  3. 透明基材が、全光線透過率80%以上、ヘイズ2%以下の高透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを素材とする請求項1記載のインクジェット被記録材料。
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