JP2007130439A - 揮散器 - Google Patents

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Masayuki Kono
真之 河野
Kenji Noyori
賢次 野依
Kiyofumi Tani
清郁 谷
Hideko Matsuda
英子 松田
Kazuko Muraki
和子 村木
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Abstract

【課題】吸液部材を介して供給される溶液を揮散体の広範囲に均一に浸透・拡散させることができ、溶液の揮散性を持続安定させることができる揮散器を提供する。
【解決手段】溶液12を収容する容器11と、溶液12に浸漬される吸液部材13と、吸液部材13を介して溶液12が供給され、溶液12を揮散させる揮散体14と、を備え、揮散体14は、平織、綾織及び朱子織から選ばれる何れかの織物からなることを特徴とする揮散器10。
【選択図】図1

Description

本発明は、揮散器に関し、特に、溶液の浸透性・拡散性がよく、揮散性を持続安定させることができる揮散体を備える揮散器に関する。
従来、吸液部材(吸液芯)と揮散体(蒸発部)とを有し、溶液中の揮発成分を揮散させる揮散器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載の揮散器は、溶液を収容する容器と、容器上部の開口部で中栓によって保持され、容液を吸い上げる吸液部材と、吸液部材の上部に位置し吸い上げた溶液を放散させる揮散体と、を備え、揮散体の一部又は全部を布又はプラスチック製の造花で覆われている。
登録実用新案第3095098号公報
しかしながら、特許文献1に記載の揮散器では、揮散体の一部又は全部が布又はプラスチック製の造花で覆われているため、吸液部材を介して供給される溶液の揮散性が十分ではなく、改善の余地があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸液部材を介して供給される溶液を揮散体の広範囲に均一に浸透・拡散させることができ、溶液の揮散性を持続安定させることができる揮散器を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 溶液を収容する容器と、溶液に浸漬される吸液部材と、吸液部材を介して溶液が供給され、溶液を揮散させる揮散体と、を備える揮散器であって、揮散体は、平織、綾織及び朱子織から選ばれる何れかの織物からなることを特徴とする揮散器。
(2) 揮散体の厚さは、145μm〜320μmであることを特徴とする(1)に記載の揮散器。
(3) 揮散体は、朱子織からなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の揮散器。
(4) 揮散体は、少なくとも一部が花形状を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の揮散器。
そして、香料を含む溶液を収容する容器と、溶液に浸漬される吸液部材と、吸液部材を介して溶液が供給され、溶液を揮散させる揮散体(平織、綾織及び朱子織をも含む)と、を備える揮散器に使用される香料であって、この香料としては、1)香質及び香りの強度の官能評価、2)目視による液性状、3)PHメータにて測定されるPH、4)白濁化剤が含有されている場合に、1cm×1cmの石英セルに滴下して波長700nmの光を照射した際の透過光を検出して測定される透過率、5)分光光度計にて測定される吸光度、の条件について、以下の基準をそれぞれ満たすものが好適である。
基準:1)3ヶ月間で、著しい香質の変化が起こらないこと。
2)3ヶ月間で、沈殿物、異物の発生がなく、透明性が維持されること。
3)3ヶ月間で、初期値に対する変動幅が±1であること。
4)3ヶ月間で、透過率が5〜30T%であること。
5)3ヶ月間で、初期値に対する変動幅が±10であること。
また、(1)〜(4)に記載の揮散器に用いる溶液であって、アルキレングリコールを含有することを特徴とする溶液。
本発明の揮散器によれば、揮散体として、平織、綾織及び朱子織から選ばれる何れかの織物とすることで、吸液部材を介して供給される溶液を揮散体の広範囲に均一に浸透・拡散させることができ、溶液の揮散性を持続安定させることができる。また、アルキレングリコールを含有する溶液を用いることで、香料等の揮散をより持続させることができる。
以下、本発明に係る揮散器の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明に係る揮散器の第1実施形態を説明する。
図1は本発明に係る揮散器の第1実施形態を説明するための正面図、図2は図1に示す揮散体の組織図、図3は揮散体の第1変形例を示す組織図、図4は揮散体の第2変形例を示す組織図である。
本実施形態の揮散器10は、図1に示すように、揮散成分を含有する溶液12を収容する容器11と、溶液12に浸漬される吸液部材13と、吸液部材13を介して溶液12が供給され、溶液12の揮散成分を揮散させる揮散体14と、を備えている。
容器11は、樹脂のブロー成形によって薄肉状で中空の壷形状に形成されていて上方が開放されており、この開放部分にキャップ15がねじ込まれることで開放部分が閉塞される。そして、キャップ15の中央部には、長尺の円柱状に形成された吸液部材13が嵌挿されており、この吸液部材13は、下端部が溶液12に浸漬されて容器11の内部底面に接近又は接触した状態で配され、上端部がキャップ15から外部に露呈した状態で配置される。なお、容器11の材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ガラス、陶器等を挙げることができる。
溶液12は、揮散成分や色素等を含有し、本実施形態では、溶液12の全容量を130mlとして、揮散成分である芳香成分3重量%、色素である水溶性色素0.01重量%を含有する。また、溶液12は、これら揮散成分と色素とを1.0重量%の界面活性剤を添加して、溶媒(脱イオン水、アルコール系溶媒等)に溶解させている。なお、芳香成分は1〜5重量%、水溶性色素は0.0001〜0.1重量%、界面活性剤は0.1〜5重量%の範囲で調整可能である。
芳香成分(香料)としては、水性、油性のいずれでもよく、例えば、ツバキ、バラ、キク、マツ、スギ、オオバコ等から得られるエキス、ハッカオイル、ペパーミントオイル、ユーカリオイル、ティーツリーオイル、ラベンダーオイル、ローズマリーオイル、ベルガモットオイル、ボアドローズ、薄荷オイル、リセアキュベバ、マジョラムオイル、スペアミントオイル、α−ピネン、青葉アルコール、青葉アルデヒド、ゲラニオール、サビネン、リナロール、テルピネオール、ラズベリーケトン、クミンアルデヒド、ヒノキチオール、シトロネロール、シトロネラール、1,8−シネオール、ボルネオール、α−カジオール、L−メントール、チモール、シトラール、バニリン、ベンズアルデヒド、安息香酸、カンファー、リナリルアセテート、フローラル、イグサ、ヒノキ、シトロネラ、レモン、レモングラス、オレンジ等の植物精油、この他、合成香料、調合香料、フィトンチッド等を挙げることができる。具体的には、ローズ、フルーティフローラル、フローラルシトラス、サクラ、梅の花、水仙(長谷川香料社製);ローズ、ローズフローラル、フルーティフローラル、サクラ、モモ、ツバキ、ラン、スズラン、キキョウ、グリーンアップル、ラズベリー(小川香料社製);フルーティフラワー、ホワイトフラワー、クリスマス(塩野香料社製);クールフローラル、アクアフローラル、ミントフローラル、SAKURA、緑茶、SNOW(高砂香料社製);サクラ、TUTUJI、TUBAKI、MUGUET[スズラン]、ORCHID、クリスマス(稲畑香料社製)等を挙げることができる。これらの具体的に挙げた芳香成分は、香りの持続性、安定性に優れており、本発明の揮散器に好適なものである。また、少なくとも1カ月〜3ヶ月間香りの安定性が持続することが確認済みである。
揮散成分としては、芳香成分の他に、例えば、消臭成分、忌避成分、医薬品成分、化粧品成分、殺虫成分、殺菌成分、殺ダニ成分、アロマテラピー等に用いる成分等の薬剤(薬液)を挙げることができる。具体的には、緑茶抽出エキス(例えば、カテキン、タンニン、ポリフェノール等)、グレープフルーツエキス、柿抽出エキス、シソ抽出エキス、マッシュルームエキス、竹抽出エキス、シャンピニオンエキス、納豆抽出エキス、除虫菊エキス等の植物抽出エキス、消臭剤(例えば、商品名「スーパーピュリエール」(松下電工社製)、商品名「フレッシュシライマツ」(白井松新薬社製)、商品名「スメラル」(環境科学開発社製)、商品名「パンシル」(リリース科学社製))、メタクリル酸ラウリル、メチル化サイクロデキストリン等を用いることができる。
色素としては、水性、油性のいずれでもよく、不揮発性で溶媒に溶けるものであればよい。具体的には、赤色102号、赤色225号、青色1号、黄色4号等の色素、タール色素、ベンガラ色素、天然色素等を挙げることができる。なお、本実施形態では、色素は溶液12に含有されているが、これに限定されず、揮散体14に予め含有させてもよいし、溶液12及び揮散体14の両方に予め含有させてもよい。
溶媒としては、水性、油性のいずれでもよく、例えば、精製水、脱イオン水、ケロシン、アルコール(エタノール、グリコール、メトキシブタノール等)、アルコールと水との混合溶媒等を挙げることができる。なお、溶媒の沸点は、約100℃〜200℃の範囲とすることが好ましい。
溶液12の界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤が好ましく、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、PEG脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POE・POPブロックポリマー等を用いることができ、具体的には、商品名アクチノールHC−40A、商品名アクチノールF−7(松本油脂製薬社製)、商品名エマノーンCH−60(花王社製)、商品名ニッコールHCO50(日光ケミカルズ社製)、商品名EMALEX1820(日本エマルション社製)等が挙げられる。この他にも、POEラウリルエーテルとスルホコハク酸ジオクチルナトリウムとの混合物等を用いることができ、具体的には、商品名マーポンSG200(松本油脂製薬社製)が挙げられる。
さらに、溶液12には、アルキレングリコールを含有することができる。
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールアルキルエーテル、ジエチレングリコールアルキルエーテル等が挙げられ、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテルが好ましい。
これらのアルキレングリコールを溶液12に配合することで、香料等の揮散成分の持続期間を延長したりして目標とする持続期間を調整することができる。
例えば、本発明の揮散体の総揮散面積が300〜500cm、厚さ145〜320μmである場合には、香料等の揮散成分の揮散を2倍程度まで持続化させるには、溶液中にアルキレングリコールを1〜10重量%配合させればよい。
吸液部材13は、材質がポリプロピレン・ポリエチレン複合繊維で、芯径をφ7mm、長さを7cm、気孔率を約70%としている。また、吸液部材13は、揮散体14に供給する溶液12の量を調整可能であり、揮散体14は、供給された溶液12によって着香及び着色した箇所が模様として識別できるように構成される。つまり、溶液12は、吸液部材13に吸収され、吸液部材13と揮散体14が接触する箇所を介して揮散体14に供給される。そして、揮散体14において、供給された溶液12に含まれる、不揮発性の色素を除く、芳香成分(揮散成分)及び溶媒が揮発すると、揮散体14における、色素が残留した着色部16が色づく。言い換えれば、着色部16から芳香成分が揮散していると捉えることができる。これにより、揮散体14に基づいて揮散器10における芳香成分の揮散状態を確認することができる。
吸液部材13の材質としては、無機材料、有機材料のいずれを使用してもよいが、樹脂を使用する方が好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンの1種又は2種以上を挙げることができ、ポリプロピレン・ポリエチレンの複合繊維、ポリエステル、ポリアクリルがより好ましい。
揮散体14は、バラの花弁形状(花形状)を模して形成されており、吸液部材13の外部に露呈した側の端部(図1の上端部)の外周面に接触するように取り付けられている。そして、揮散体14は、朱子織(satin weave)の織物からなり、その厚さは、145μm〜320μmに形成されている。なお、揮散体14は、重量を130g/m、総揮散面積を385cmとしている。
また、揮散体14には、その周囲に造花である花弁部17及び葉部18が取り付けられており、花弁部17は、マーガレットの花弁形状を模して形成され、葉部18は、バラの葉形状を模して形成されている。これにより、揮散体14は、バラの花弁形状の周りにマーガレットの花弁形状である花弁部17及びバラの葉形状である葉部18を配置することになり、バラを中心としたブーケ形状を形成する。
揮散体14を形成する朱子織の織物は、図2(a)に示すように、横2飛びタイプの朱子織で、横糸21が縦糸22に対して横方向に2つずつの飛び数で組織点をもつものである。この横2飛びタイプの朱子織は、横糸21と縦糸22との交錯点が少ないため、表面に横糸21だけが現れ、縦糸22が目立たない。また、横糸21が規則正しく並列に並んで浮いているように見えるため、きれいな光沢があって意匠面で優れている。なお、本実施形態では、揮散体14を形成する織物に、横2飛びタイプの朱子織を採用した場合を示したが、これに限定されず、横3飛びタイプ(図2(b)参照。)、縦2飛びタイプ(図2(c)参照。)、縦3飛びタイプ(図2(c)参照。)の朱子織りを採用してもよい。
このように構成される揮散器10では、揮散体14の色づく着色部16は、揮散体14の先端(溶液の到達した最先端)から濃く着色されていき、使用開始から所定時間(例えば90分)経過後には揮散体14の全体が着色される。着色部16の形状(模様)は、揮散体14に供給される溶液12の量に応じて面積が変化し、また、時間の経過によって大きくなる傾向にある。
このとき、揮散体14に付与される模様は、揮散体14の吸液性と溶媒の揮発性とによって形状及び形状の変化を調節することができる。つまり、溶液12が揮散体14に吸収され、揮散体14の先端に行き届く前に揮発するような溶媒を用いると、溶液12に含まれる色素が先端まで達することがない。すると、先端になる手前で濃い着色を付与することができる。この場合の揮散体14としては、平織が特に好ましく、その厚さは、145μm〜170μmとするのが好ましい。
一方、溶液12が揮散するよりも先に揮散体14の先端に達するまで吸液されると、色素は揮散体14の先端に十分な量だけ供給されるため、揮散体14の先端で濃い着色が付与されることとなる。つまり、色素は不揮発性であり、溶媒が揮発するまで溶媒とともに吸液部材13及び揮散体14の内部を移動する。従って、吸液速度と揮発速度とを適宜調整することで、揮散体14に付与される模様を決定することができる。この場合の揮散体14としては、朱子織及び綾織が特に好ましく、その厚さは、175μm〜290μmとするのが好ましい。
溶液12の溶媒は、蒸気圧又は沸点における揮発性に基づいて選択することで、揮発する速度を調整してもよい。また、吸液部材13及び揮散体14は、吸液速度を予め測定して材料を選択してもよい。また、吸液部材13については、その長さや径等の寸法、材質、気孔率等に基づいて吸液する速度を調整してもよい。
従って、本実施形態の揮散器10によれば、揮散体14は、朱子織の織物からなるため、揮散体14を構成する横糸21及び縦糸22を介して溶液12を揮散体14の広範囲に均一に浸透・拡散させることができ、溶液12の揮散性を持続安定させることができる。
また、本実施形態の揮散器10によれば、揮散体14の厚さは、145μm〜320μmに形成されるため、揮散体14の体積(厚さ)が大きくなるので、揮散体14を構成する横糸21及び縦糸22に目詰まりが生じることを防止することができる。これにより、溶液12を揮散体14の広範囲に均一に浸透・拡散させることができ、溶液12の揮散性を持続安定させることができる。また、揮散体14の吸液速度を一定にして、溶液12の揮散性を安定化できるので、溶液12の揮散持続性をさらに向上することができる。
また、本実施形態の揮散器10によれば、揮散体14の周りにマーガレットの花弁形状である花弁部17及びバラの葉形状である葉部18を配置するため、揮散体14をバラを中心としたブーケ形状に形成することができる。これにより、揮散体10を部屋のアクセントに利用できると共に、揮散体10に癒しの効果を付与することができる。
さらに、本実施形態の揮散器10によれば、揮散体14は、平織、綾織及び朱子織から選ばれる何れかの織物からなるため、揮散体14にカーテンや壁紙等の周辺物が接触したとしても、揮散体14に浸透・拡散している溶液12がその周辺物に移行し難いので、揮散器10の周辺物に揮散体14の接触によるシミが付くことを防止又は軽減することができる。
なお、本実施形態の第1変形例として、揮散体14は、図3に示すように、綾織(twill weave)の織物からなる。この綾織は、綾文織とも言われ、横糸21又は縦糸22が2本以上並んで、横糸21や縦糸22に交錯して組み合わされた組織図を有する。斜め方向に畦が現れる特徴があり、地合いが柔らかで伸びやすく皺寄りが少なく自由感がある。
また、本実施形態の第2変形例として、揮散体14は、図4に示すように、平織(plain weave)の織物からなる。この平織は、横糸21と縦糸22との交錯点が多いので組織力に優れている。また、地合いは硬いが耐久性に富み、実用性に優れる織物である。
(第2実施形態)
次に、図5を参照して、本発明に係る揮散器の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、その説明を省略或いは簡略化する。
図5は本発明に係る揮散器の第2実施形態を説明するための斜視図である。
本実施形態の揮散器20は、図5に示すように、容器11及びキャップ15を箱型に形成し、キャップ15の天面板に容器11内部と連通する複数本の筒部23を形成している。また、容器11の内部に不図示の仕切り板を設けることにより複数に区画し、複数種類の溶液12を収容している。そして、複数本の吸液部材13を複数本の筒部23にそれぞれ嵌挿すると共に、容器11の複数の区画にそれぞれ配置させて、複数種類の溶液12にそれぞれ浸漬させている。なお、筒部23は、複数本形成されていればよく、その本数、形成位置は任意である。また、容器11の内部は、仕切り板を設けて複数に区画しなくてもよく、その区画数、区画形状は任意である。また、溶液12は、少なくとも1種類使用されていればよく、その種類数は任意である。また、容器11及びキャップ15は、キャップ12に筒部23を複数本形成できればよく、その形状は任意である。さらに、揮散体14は、吸液部材13の上端部の外周面に接触するように取り付けられていればよく、その形状、大きさは任意である。
従って、本実施形態の揮散器20によれば、容器11に複数種類の溶液12を収容して、各溶液12を個別に吸液部材13に吸収させるため、揮散体14から複数種類の溶液12を同時に揮散することができる。これにより、複数の揮散成分を同時に揮散させることができると共に、揮散体14に様々な色を付与することができる。
その他の構成及び作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図6を参照して、本発明に係る揮散器の第3実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、その説明を省略或いは簡略化する。
図6は本発明に係る揮散器の第3実施形態を説明するための正面図である。
本実施形態の揮散器30は、図6に示すように、容器11及びキャップ15を包装部材31で包み込み、包装部材31をキャップ15の近傍においてリボン32で固定している。また、キャップ15の天面板の挿入孔(不図示)には、複数本の吸液部材13が挿入されており、この複数本の吸液部材13の上端部には、桜の花弁形状(花形状)を模した揮散体14がそれぞれ取り付けられる。また、キャップ15には、桜の葉形状を模した造花の葉部が揮散体14の周囲に配置されるように着脱自在に取り付けられる。
包装部材31としては、不織布を使用することが好適で、具体的には、綿、麻、竹、パルプ、羊毛、絹等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート等の化学繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ビニリデン、ポリウレタン等の合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維等の無機繊維等の不織布を挙げることができる。
従って、本実施形態の揮散器30によれば、揮散体14は、平織、綾織及び朱子織から選ばれる何れかの織物からなり、包装部材31は、不織布からなるため、揮散体14と包装部材31が接触したとしても、揮散体14に浸透・拡散している溶液12が包装部材31に移行し難いので、包装部材31にシミが付くことを防止又は軽減することができ、美観を損なうことがない。不織布としては、化学繊維、合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、無機繊維、これらの混合繊維を用いることがよい。
その他の構成及び作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
例えば、本実施形態では、揮散体は、朱子織、綾織、平織の何れかの織物からなるが、これに限定されず、織り方により浸透性・拡散性を微妙に異ならせたり、着色の差を持たせて外観を向上させたりするなどの目的で上記織物の2種又は3種を混合させてもよい。
また、揮散器の容器に外部から溶液を注入するための注入孔を設けてもよい。これにより、用事に溶液を注入したり、または、使用とともに溶液が不足した場合に適宜溶液を注ぎ足したりすることができる。
さらに、本実施形態では、溶液が揮散体にのみ供給されているが、これに限定されず、揮散体の周囲に設けられる花弁部及び葉部を、揮散体を形成する平織、綾織及び朱子織のいずれかの織物で形成して、これら揮散体、花弁部及び葉部のすべてに溶液を供給するようにしてもよい。
また、一方の端部に底を有する円筒状のカバーを、吸液部材の外周側を覆うように設けた揮散器としてもよい。これにより、用事前まで吸液部材が溶液に浸されないため揮散成分が外部に揮散されてしまうことを防止することができる。また、このような構造を有する揮散器において、用事には吸液部材からカバーを外すか、または、吸液部材における鋭角状に設けられた部位でこのカバーを破断させることで吸液部材を溶液に浸漬させる構成とすることができる。
また、容器を花瓶の形状を有するようにしてもよい。これにより、花形状を模した揮散体をこの容器に取り付けた場合に、揮散器は実際に花が生けてあるような外観を有しているので装飾性がより一層向上する。そして、このような構造の揮散器を居室、トイレ等の室内及び自動車等に配置することで、これらに素敵なアクセントを付与することができると共に、芳香することができる。さらに、容器をスイングボトル形式として、自動車の揺れと共に揮散させたり、容器を小型化して、携帯できるようにしたり、容器を倒立させたりしてもよい。
以下に、本発明の揮散器の作用効果を確認するために行った各試験について説明する。
各試験に使用する揮散体には、表1に示すように、(A)〜(G)の7種類の織物の揮散体を使用する。ここで、揮散体の厚さとは、ロール状に巻かれた生地の先端縁において、生地の一辺の一端から他端までを任意に10箇所測定した平均値である。なお、表1の( )内に測定値の範囲を示した。
Figure 2007130439
各試験に使用する溶液は、芳香成分(レモン)3重量%、色素(黄色4号)0.01重量%、界面活性剤1.0重量%、アルコール系溶媒であるメトキシブタノール20重量%を含有し、溶媒であるイオン交換水を加えて全体を100重量%としたものである。
[浸透性・拡散性試験]
本試験では、表1に示した(A)〜(G)の揮散体を使用した揮散器を1個ずつ用意し、20℃・60%RHの試験条件下でのそれぞれの浸透性・拡散性を測定した。ここで、浸透性・拡散性とは、揮散体の広範囲に均一に溶液が浸透・拡散したかを示し、良好なものに「○」を付した。また、揮散体に浸透・拡散した溶液の割合(%)を1日経過後目視にて確認した。結果を表2に示す。
本試験に使用する揮散器は、溶液が17ml充填された容量20mlの容器と、材質がポリプロピレン・ポリエチレン複合繊維で、芯径φ7mm、長さ7cm、気孔率約70%の吸液部材と、総揮散面積60cmの揮散体と、を備えるものである。
Figure 2007130439
表1及び表2から明らかなように、揮散体(A)〜(G)を使用したいずれの揮散器においても、揮散体に浸透した溶液の割合が80%〜100%であることから、浸透性・拡散性が良好なことがわかった。また、揮散体(B)〜(F)を使用した揮散器では、揮散体の厚さを175μm〜320μmにすることにより揮散体の先端部まで溶液を均一に浸透・拡散できることがわかった。一方、揮散体(A)を使用した揮散器では、揮散体の厚さを145μm〜170μmにすることにより揮散体の先端部の手前まで溶液を均一に浸透・拡散できることがわかった。なお、揮散体の織物として綾織を採用した場合でも、朱子織とほぼ同様の傾向がみられた。
[揮散持続性試験]
本試験では、表1に示した(A)〜(G)の揮散体を使用した揮散器を1個ずつ用意し、20℃・60%RHの試験条件下でのそれぞれの揮散持続日数を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007130439
本試験に使用する揮散器は、図1に示した揮散器10と同様のもので、溶液12が130ml充填された容器11と、材質がポリプロピレン・ポリエチレン複合繊維で、芯径φ7mm、長さ7cm、気孔率約70%の吸液部材13と、総揮散面積385cmの揮散体14と、を備えるものである。
表3から明らかなように、揮散体(A)〜(G)を使用したいずれの揮散器においても、揮散持続日数が15日以上であることから、揮散持続性が良好なことがわかった。また、揮散体(A)〜(F)を使用したいずれの揮散器においても、揮散持続日数が30日以上であることから、揮散持続性が特に良好なことがわかった。なお、揮散体の織物として綾織を採用した場合でも、朱子織とほぼ同様の傾向がみられた。
[シミの付着試験]
本試験では、表1に示した(B)の揮散体を使用した揮散器を4個用意し、それぞれの揮散器の揮散体を壁面(塩ビクロス、不織布、木、タイル)に接触させて、その接触部を目視により確認した。なお、実験室の室温は25℃に設定した。また、壁面に全くシミが付かなかったものに「◎」、僅かにシミが付いたものに「○」を付した。結果を表4に示す。
Figure 2007130439
表4から明らかなように、不織布及び木の壁面と揮散体とを接触させると、壁面に僅かにシミが付いたが、ほとんど目立たず、また、塩ビクロス及びタイルの壁面と揮散体とを接触させると、壁面には全くシミが付かないことがわかった。この効果は、壁面に限らず、カーテン、クロス等であっても同素材のものであればシミは付かないものである。
[芳香持続性試験]
本試験では、表1に示した(D)の揮散体を使用した揮散器(図1に示したもの)を6個用意し、各揮散器の容器に表5に示した6種類の溶液をそれぞれ収容した。そして、常温(一般的な室温)での長期間の試験に代えて、短期間で効果を確認するために揮散速度が3〜4倍に相当する過酷条件下にて試験を行った。即ち、エアコンの送風条件下(強風条件で送風し、送風口から約2m離れた所)でのそれぞれの芳香持続日数を測定した。試験は3回繰り返して行い、その平均値を求め、結果を図7及び図8に示す。
Figure 2007130439
図7から明らかなように、溶液Aの芳香持続期間が溶液Dの約1.8倍で、溶液B,Cの芳香持続期間が溶液Dの約1.5倍であることから、プロピレングリコールを配合することにより芳香持続期間を延長することができると共に、芳香持続期間を調節することができるとわかった。これにより、目標とする芳香持続期間を有する揮散器を提供することが可能となる。また、プロピレングリコールを配合することで揮散の推移も直線的になるので、一定の芳香を安定して持続して提供でき、芳香成分を含有する揮散器の性質として好ましい。
図8から明らかなように、溶液Eの芳香持続期間が溶液Dの約1.5倍で、溶液Fの芳香持続期間が溶液Dの約1.3倍であることから、ジプロピレングリコールメチルエーテルを配合することにより芳香持続期間を延長することができると共に、芳香持続期間を調節することができるとわかった。これにより、目標とする芳香持続期間を有する揮散器を提供することが可能となる。
本発明に係る揮散器の第1実施形態を説明するための正面図である。 図1に示す揮散体の組織図である。 揮散体の第1変形例を示す組織図である。 揮散体の第2変形例を示す組織図である。 本発明に係る揮散器の第2実施形態を説明するための斜視図である。 本発明に係る揮散器の第3実施形態を説明するための正面図である。 プロピレングリコールを含有する溶液が収容される揮散器の芳香持続性試験の結果を表すグラフ図である。 ジプロピレングリコールメチルエーテルを含有する溶液が収容される揮散器の芳香持続性試験の結果を表すグラフ図である。
符号の説明
10,20,30 揮散器
11 容器
12 溶液
13 吸液部材
14 揮散体(花形状)
15 キャップ
16 着色部
17 花弁部
18 葉部
21 横糸
22 縦糸
23 筒部

Claims (6)

  1. 溶液を収容する容器と、前記溶液に浸漬される吸液部材と、前記吸液部材を介して前記溶液が供給され、前記溶液を揮散させる揮散体と、を備える揮散器であって、
    前記揮散体は、平織、綾織及び朱子織から選ばれる何れかの織物からなることを特徴とする揮散器。
  2. 前記揮散体の厚さは、145μm〜320μmであることを特徴とする請求項1に記載の揮散器。
  3. 前記揮散体は、朱子織からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の揮散器。
  4. 前記揮散体は、少なくとも一部が花形状を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の揮散器。
  5. 香料を含む溶液を収容する容器と、前記溶液に浸漬される吸液部材と、前記吸液部材を介して前記溶液が供給され、前記溶液を揮散させる揮散体(平織、綾織及び朱子織をも含む)と、を備える揮散器に使用される香料であって、
    前記香料が、下記の条件を満たすことを特徴とする揮散器用の香料。
    条件:1)香質及び香りの強度の官能評価
    2)目視による液性状
    3)PHメータにて測定されるPH
    4)白濁化剤が含有されている場合に、1cm×1cmの石英セルに滴下して波長700nmの光を照射した際の透過光を検出して測定される透過率
    5)分光光度計にて測定される吸光度
  6. 請求項1〜4に記載の揮散器に用いる溶液であって、
    アルキレングリコールを含有することを特徴とする溶液。
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