JP2007122696A - 癌化学療法管理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 癌治療のための複数の薬剤の一般的な使い方に相当する複数の療法をそれぞれ入力する療法入力手段と,上記療法入力手段により入力された複数の療法をそれぞれ記憶する療法記憶手段と,上記療法記憶手段に記憶された療法を参照して具体的患者の症状に適応する薬剤の処方および投与計画を作成する癌化学療法プロトコール作成手段と,上記癌化学療法プロトコール作成手段により作成された薬剤の処方および投与計画を記憶する癌化学療法プロトコール記憶手段と,を備えてなる癌化学療法管理システム。
【選択図】図17
Description
このような抗癌剤を用いた癌の治療に関する研究は徐々に進みつつあるとはいえ,いまだ人類は完璧な抗癌剤を得ていない。そのため種々の抗癌剤が試行の途中にあり,抗癌剤の開発手法としては,試行中の抗癌剤を実際の癌の治療に適用し,適用された抗癌剤についての効能の経験を積み重ねつつ症状にあった抗癌剤を発見するという手法がとられている。
そのような抗癌剤の研究開発と組み合わされた治療の実態にあって重要なことは,上記のように試行中の抗癌剤を症状に適用した場合に,適用の条件とその条件に適用された抗癌剤の効果との因果関係を明瞭に抽出するための手法がとられなければならないことである。特に抗癌剤の開発に当たっては,上述のように実際の治療と組み合わされて始めて前進するものであるが,実際の治療は生身の患者の時々刻々変化する健康状態に適応しなければならないため,前記抗癌剤の適用条件とその効果との因果関係を明瞭に抽出することが極めて難しいのが実情である。
そのため従来より,抗癌剤自体と,その開発された抗癌剤に適用される好適な療法とが,同時に開発されるのが実情である。即ち,抗癌剤を用いた治療においては,いかなる抗癌剤を入手するかという抗癌剤の開発の問題と,選択された抗癌剤をどのように使って治療を行うかという抗癌剤を用いた療法の開発の問題があり,この両者があいまって効果的な抗癌作用が達成されるというのが現在の抗癌剤開発及び癌治療の現場における常識となっている。
しかしながら,一般の薬剤と違い抗癌剤の分野では,上記したように実際の治療の現場での試行錯誤の結果を薬剤の開発にフィードバックさせることによる薬剤の開発手法が定着しているため,患者の容態を離れた抗癌剤ごとの一般的な療法については,薬剤開発者側が開発し,その情報をたとえば仕様書の形で医療機関側に伝えるという慣習が成立しており,医師などの医療機関側では,化学療法プロトコールを作成しようとする都度,そのような仕様書の記載などを参考にして,医師が具体的患者への適用のデータ,即ち癌化学療法プロトコールを作成するという手順が実行されている。
例えば,先行する特許文献1には,前記癌化学療法プロトコールについてのデータベースを持った抗癌剤の処方支援システムが記載されている。
この従来公知のシステムでは,医師等がこのシステムを使用することにより,各癌患者に施す癌化学療法,その癌化学療法で施用する抗癌薬,抗癌薬を施用する複数の施用日,各施用日の施用回数等を含む癌化学療法プロトコールを作成できるようになり,また,薬剤師等がこのシステムを使用することにより,各癌患者に対して作成された癌化学療法プロトコール,その癌化学療法プロトコールに基づく処方情報を確実且つ迅速にチェックすることができるようになる,とされている。
なお,特許文献1においては,癌化学療法プロトコールデータとは,患者ID,登録日,区分,患者の氏名と性別と生年月日と年齢,区分が入院の場合は患者の病棟と病室,診療科,担当の医師,種別,患者の身長と体重と体表面積とCCR,病名と癌化学療法名等の情報と共に,施用する抗癌薬,各抗癌薬の施用日,各抗癌薬の各回の投与量,更に,併用剤を併用する場合には,施用する併用剤,併用剤の施用日,併用剤の各回の投与量の情報を備えているとされる。
またこの特許文献1では,上記化学療法プロトコールに関する化学療法データファイルに記憶された各抗癌薬のマスタ係数を用いて各施用時の投与量を算出して決定しているが,各癌化学療法情報のマスタ係数については,そのデフォルト値又は読み出した値を適当な数値に変更(補正)することができるとしている(第45段落参照)。
具体的には,癌化学療法プロトコールが作成された後,施用日,施用回数,投与量,マスタ係数等を変更可能であり,この変更を行う場合(S13;Yes ),S10へ移行し,施用日,施用回数,投与量が決定し直される。尚,病名や癌化学療法も変更可能である(第73段落参照)。との記載があり,更に,「医師等がこのシステムを使用することにより,各癌患者に施す癌化学療法,その癌化学療法で施用する抗癌薬,抗癌薬を施用する複数の施用日,各施用日の施用回数等を確実且つ迅速に決定して,癌化学療法プロトコールを作成することができて,抗癌剤の処方支援を行うことが可能になる。医師等は,癌化学療法プロトコールの作成の際,適宜,抗癌薬の施用パターンやマスタ係数を変更して,各癌患者に最適な癌化学療法プロトコールを作成することができる(第84段落参照)」と記載されている。
このように従来公知の抗癌剤を用いた治療の場では,抗癌剤の具体的患者への適用のデータ,即ち癌化学療法プロトコールを具体的事例に即して変更することにより,上記癌化学療法プロトコールデータの適切化を図ると共に蓄積を促し,薬剤開発者側へのフィードバック情報の豊富化を図っている。
前記のように「療法」は本来的に医師などの医療機関側が開発,改善すべきものであるが,現状では前述のように医療機関側には「療法」のデータベースを蓄積するシステムがなく,「療法」に関する開発や改良には限界があった。
しかしながら,上記抗癌剤の一般的適用の仕方として捉えられる療法は,それを適用する医師の経験に基づくと,種々の好ましい「療法」がありえて当然であり,そのような「療法データベース」の豊富化及び適切化を図ることで,「療法」の適用事例である癌化学療法プロトコールの豊富化及び適切化を一挙に促進することも出来る。
また上記のような「療法データベース」を持つことで,療法に不慣れな若年の医師も,ベテラン医師によって作成された優れた療法に積極的に触れることができ,癌医療技術の著しい高度化を迅速に図ることができると思われる。
癌治療のための複数の薬剤の一般的な使い方に相当する複数の療法をそれぞれ入力する療法入力手段と,
上記療法入力手段により入力された複数の療法をそれぞれ記憶する療法記憶手段と,
上記療法記憶手段に記憶された療法を参照して具体的患者の症状に適応する薬剤の処方および投与計画を作成する癌化学療法プロトコール作成手段と,
上記癌化学療法プロトコール作成手段により作成された薬剤の処方および投与計画を記憶する癌化学療法プロトコール記憶手段と,
を備えてなる癌化学療法管理システムである。
また,上記療法記憶手段に記憶された療法は,改変できないが,当該療法を複写することおよびこの複写された療法を改変して新たな療法として記憶することは可能である。
ただし,療法の新規作成,複写,改変およびその療法記憶手段への記憶(登録)は,所定の資格を持つ医師のみが実行できる。
さらに,上記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画における薬剤の投与量は,任意に変更可能である。上記投与量の相対的変化(増加,減少,あるいは変化なし)をシンボル化した投与マークを薬剤の投与日に表示しておくことが望ましい。
このような主薬Aの機能を補うもので,それ自身としては癌化学療法への効果がないが,主薬投与に先立って投与するものを前処置薬という。種類としては,上記生理食塩水やブドウ糖のようなものが挙げられる。
このような生理食塩水やブドウ糖の投与は,主薬である抗がん剤とは直接関係が無いので,一般的には化学療法には含まれない扱いになっている。
そのため,投与計画の変更,例えば,クール期間のシフトを行っても,こういった前処置薬は追従することがない。
そこで,こういった前処置薬を主薬と関連付けて薬剤投与計画に反映させることが望ましい。
そのために,前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤投与計画で使用される主薬に関連して,該主薬についての前処置薬及び該前処置薬の投与計画を入力する前処置薬追加入力手段を採用する。そして,上記前処置薬追加入力手段により入力された前処置薬の投与計画を前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された前記薬剤の処方および投与計画に反映させて前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画を更新する。この更新処理を行うのが癌化学療法プロトコール更新手段である。
これによって,薬剤の投与計画に変動があった場合でも,それと一緒に前処置薬の投与計画もシフトされるので,前処置薬の働きが適切となり,患者の苦痛を和らげるなどの前処置薬の効果が間違いなく発揮される。
上記のような総薬剤投与量は,本発明における癌化学療法プロトコール記憶手段における各薬剤の使用量の合計であるから,癌化学療法プロトコール記憶手段を用いる本発明では,その管理が極めて容易である。
しかしながら,このことは本システムで管理されている薬剤についてのみ言えることであり,例えば,別の病院の別のシステムで管理されていた患者を途中から受け入れた場合には,データの互換性が無いので,そのままでは総投与量を管理することが出来ない。
そこでこの発明では,上記のような薬剤グループについての投与量限界値が投与量限界値記憶手段に予め記憶される。
また,前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画が反映された薬剤の投与量履歴を含むデータについては薬歴マスタのような薬歴記憶手段に記憶される。
そして,上記のような他の病院でのデータような過去の投薬量に関するデータは,上記薬歴記憶手段に記憶された薬剤の投与量履歴とは別に,このシステムに入力される。この手順を果たすのが,履歴外薬剤投与量入力手段である。
その結果,上記薬剤グループについて,上記薬歴記憶手段に記憶された薬剤の投与量と,上記履歴外薬剤投与量入力手段により入力された薬剤の投与量を合算することで,この患者におけるこの薬剤グループのこれまでの使用量が算出される。医師としては,これが,この薬剤グループにおける総投薬量の限界を超えないように注意する必要がある。そのため,この発明では,上記合算値と上記投与量限界値記憶手段に記憶された投与量限界値とを表示部にあわせて表示することで,医師の注意を喚起することにしている。
さらに,この合算値がもし上記総投薬量の限界を超えそうな場合には,警告を発して医師に注意することが望ましい。
本発明における薬剤投与量限界警告表示手段はこのような警告を表示するためのものである。
このように,具体的な患者あるいはその症状と切り離して規定される薬剤ごとの療法が,具体的患者の症状に適応する薬剤の処方および投与計画を作成する癌化学療法プロトコールとは別個にデータベース化して記憶されるので,癌化学療法プロトコールの作成時に,いちいち薬剤の仕様書を確認する必要がなく,迅速に癌化学療法プロトコールを作成できる。
また,ある薬剤について改良された薬剤が入手され,それについての療法を改めて構築する必要が生じたときに,以前の薬剤についての療法の一部を修正して新たな療法とすればよいような場合もあり,そのような場合に,上記療法記憶手段に記憶された療法を複写することおよびこの複写された療法を改変して新たな療法として記憶することを可能(請求項3)とすれば,医師は簡単に新しい療法を構築することができ,忙しい医師の手間を少なくすることができる。
ただし,療法は癌科学治療の基本になる情報であるから,療法の新規作成,複写,改変およびその療法記憶手段への記憶(登録)は,所定の資格を持つ医師のみが実行できるようにするべきである(請求項4)。このように療法へのアクセスに規制をかけることで,療法の構築ミスや改変の間違いなどが未然に防止される。
ただし,基本的に療法記憶手段に記憶された療法自体については,一切変更できない(請求項2)ようにして,療法の改ざんを防止することが望ましい。
ここに,図1は,本発明の一実施形態にかかる癌化学療法管理システムに用いられるコンピュータシステム全体の概念図,図2は,本発明の一実施形態にかかる癌化学療法管理システムへの入り口で入場を規制するログイン画面を示す図,図3は,本発明の一実施形態にかかる癌化学療法管理システムのメニュー画面を示す図,図4は,療法一覧画面を示す図,図5は,化学療法名入力画面を示す図,図6は,疾患名入力画面を示す図,図7は,診療科名入力画面を示す図,図8は,医師名,登録者名などの入力画面を示す図,図9は,処方入力画面を示す図,図10は,レシピ詳細入力画面を示す図,図11は,薬品分類 選択画面を示す図,図12は,薬品選択画面を示す図,図13は,薬品投与方法の入力画面を示す図,図14は,薬品投与経路入力画面を示す図,図15は,薬品用法入力画面を示す図,図16は,処方日割り当て画面を示す図,図17は,処方日割り当て手順を示す図,図18は,処方日割り当て手順を示す図,図19は,割り当てクール一覧画面を示す図,図20は,割り当てクールの新規追加手順における療法選択画面を示す図,図21は,割り当てクールの新規追加手順における療法割り当て画面を示す図,図22は,割り当てクールの新規追加手順における療法割り当て手順の一部を示す図,図23は,割り当てクールの新規追加手順における療法割り当て手順の一部を示す図,図24は,割り当てクールの新規追加手順における療法割り当て手順の一部を示す図,図25は,割り当てクールの変更手順における割り当てクール一覧画面を示す図,図26は,割り当てクールの変更手順における処方画面を示す図。図27は,割り当てクールの変更手順における処方量変更 画面を示す図,図28は,割り当てクールの変更手順における処方日変更画面一例を示す図,図29は,割り当てクールの変更手順における処方日変更画面のほかの例を示す図,図30は,割り当てクールの変更手順におけるカレンダ画面の一例を示す図,図31は,割り当てクールの変更手順における処方日変更画面のほかの例を示す図,図32は,割り当てクールの変更手順における処方日のシフト前後の画面を示す図,図33は,使用者マスタテーブルの内容を示す図,図34は,療法マスタテーブルの内容を示す図,図35は,患者療法マスタ属性テーブルの内容を示す図,図36は,患者療法マスタ処方明細テーブルの内容を示す図,図37は,投薬要求のチェック処理の手順を示すフロー図,図38は,前処置薬の追加に伴う投与計画更新の手順を示すフロー図,図39は,療法登録の画面を示す図,図40は,療法登録の画面を示す図,図41は,前処置薬入力画面を示す図,図42は,前処置薬入力画面を示す図,図43は,前処置薬入力画面を示す図,図44は,療法登録の画面で前処置薬が入力されていることを示す図,図45は,薬剤グループの過去分入力と限度額を表示する手順を示すフロー図,図46は,薬剤グループマスタを示す図,図47は,薬品マスタを示す図,図48は,薬剤の過去分を入力するための投与計画画面を示す図,図49は,累積投与量における薬剤グループ名を選択入力する画面を示す図,図50は,薬剤の過去分が入力されたことを示す投与計画 画面の図,図51は,追加された過去分が反映された療法登録の画面を示す図,図52は,総投与量とその限度額についての警告を示す図である。
また,図53は,癌化学療法管理システムへのログイン手順を示すフロー図,図54は,疾患名,療法などの入力手順を示すフロー図,図55は,療法入力手順を示すフロー図,図56は,処方方法,手技などの入力手順を示すフロー図,図57は,用法などの入力手順を示すフロー図,図58は,クール計画のカレンダへの入力手順を示すフロー図,図59は,療法選択手順などを示すフロー図,図60は,癌化学療法プロトコールの割り当て手順を示すフロー図,図61は,処方の修正手順を示すフロー図である。
以下,本発明の癌化学療法管理システムを実行するコンピュータ装置の概要を図1に示す。
図1に示すシステムは,1つの病院内の癌化学療法の管理を司るものであるが,当然のことながら,複数の病院をインターネットなどの広域あるいは地域的ネットワークで接続し,個別の病院とは独立したサーバを設けて管理データを集中的に取り扱うようにしてもよい。
図1に示すシステムでは,病院内で完結するシステムを取り扱い,以下に説明する療法マスタ,患者マスタ,病院設備マスタ,病院人事マスタ,などを記憶したデータサーバ1と,このデータサーバ1に接続された管理サーバ3が設けられる。上記療法マスタ,病院設備マスタ,病院人事マスタなどはそれらの総称であり,実際には,療法マスタは,診療科マスタ,単位マスタ,療法マスタ属性(図34),療法マスタ処方属性,療法マスタ処方明細,療法マスタ処方薬品補足,療法マスタ処方用法,療法マスタ処方コメントなどを含む。
病院設備マスタは,病棟・病室マスタ,その他を含む。
病院人事マスタは,使用者マスタ(図33),承認マスタなどを含む。
A.療法新規登録手順
〈ログイン〉
まず最初に上記端末5において,上記癌化学療法管理システムが立ち上げられると,制御部7は図2に示すログイン画面1aをモニターに表示する(S1)。
上記ログイン画面1aには,利用者のコードと,利用者のパスワードの各入力窓1b,1cが表示されている。利用者が上記利用者コードとパスワードを入力し,OKボタン1dを押すと,制御部7は上記入力された利用者コードおよびパスワードを,前記データサーバ1に記憶された利用者マスタの利用者コードフィールド及びパスワードフィールドに記憶された利用者コード及びパスワードと照合する(S3)。
このように制御部7は,前記データサーバ1内の種々のマスタテーブルを参照し,またそれに書き込みを行うが,以下の説明中,特に重要な使用者マスタテーブル(図33),療法マスタ属性テーブル(図34),患者療法マスタ属性テーブル(図35)および患者療法マスタ処方明細テーブル(図36)についてのみ図示し,それ以外は図示を省略する。
一致しない場合には,制御部7は,「入力データが間違っています。正しいデータを入力してください。」などのコメント共に上記図2に示したログイン画面1aを再表示する。
図3に示したメニュー画面2aの左側には,処方・投与計画の手順に進むための処方・投与計画ボタン2bが表示されている。また右側には,療法登録の手順に進むための療法登録ボタン2cが表示されている。
上記療法登録ボタン2cが押されると(S7でYES),制御部7は図4に示す療法一覧画面3aをモニタに表示する(S9)。
上記療法一覧画面3aの上部には,療法の内容を示す療法名,疾患名,診療科名,1単位の療法を行う日数(1クール日数)の入力窓3b,3c,3d,3zが設けられている。
また下部には,新規ボタン3e,使用可ボタン3f,未確認ボタン3g,確認済ボタン3h,使用不可ボタン3i,全て表示ボタン3j,戻るボタン3kが表示されている。
ここでは新規の療法を登録する手順を入力する場面であるので,操作者は新規ボタン3eを押す(S11でYES)。
新規ボタン3eが押された信号は,制御部7に伝達され,これを受けた制御部7は,図5に示す療法登録画面4aを表示する(S13)。
この時,上記療法登録画面4aの上段の療法名入力窓3b,疾患名入力窓3c,診療科名入力窓3d,1クール日数入力窓3z,標準クール数入力窓3s,最大クール数入力窓3t,および申請医師入力窓3u,承認医師入力窓3v,登録者入力窓3w,登録確認者入力窓3xが表示され,制御部7は,更にこの療法の使用開始日入力窓3yをアクティブにする。
また制御部7は,下段の登録ボタン4b,レシピ追加ボタン4c,使用中止ボタン4d,及び終了ボタン4cをアクティブにする。
更に中段には,処方タブ4g,検査タブ4h,副作用タブ4iにより切り替え表示可能な処方表示部4j,検査表示部4k,副作用表示部4mのいずれか1つが表示可能となっている。
このようにして化学療法名が医師により入力されると,続いて操作者(医師)は疾患名の入力窓3cにポインタを置き,右クリックする(S17)。
上記疾患名入力窓3cにおける右クリック信号を受けた制御部7は,疾患名マスタの疾患名コードと疾患名称,疾患グループの各フィールドを参照して図6に表示されたツリー状の疾患名リスト4−2aを前記療法登録画面に重ねて表示する(S19)。
従って操作者は,上記疾患名リスト4−2a内の各診療科名(例えば,内科,呼吸器科,…など)の枝に含まれる疾患名の中から1つの疾患名を選択し,選択された疾患名をダブルクリックするか,OKボタン4−2bを押す(S21)。
上記各疾患名におけるダブルクリック信号あるいはOKボタン押下信号を受信した制御部7は,選択された疾患名を疾患名入力窓3cに表示する(S23)。
この右クリック操作信号を受けた制御部7は,図7に示された診療科名リスト画面4−3aを,診療科マスタの診療科コードフィールドおよび診療科名称フィールドを参照して表示する(S27)。
ここで操作者が再度前記診療科リスト画面4−3a内の適用される診療科名を選択し,その場で右クリック操作する(S29でYES)と,制御部7は選択された診療科に属する医師名リスト画面4−4aを図8に示すように表示する(S31)。
このとき制御部7は,図33に示す使用者マスタの使用者コードフィールドと職種フィールドとを参照すると共に前記図2のログオン画面において入力された利用者コードとパスワードに基づいて前記利用者コードと職種を絞り込み,この絞り込まれた1名の医師を上記のように表示する。
上記のようにログイン画面における利用者コードとパスワードと共に,利用者マスタにあらかじめ登録された申請権限のある医師が参照されるので,療法について申請権限のある医師のみが,療法の登録を行いうるようになり,療法入力の正確性が保たれる。
このOKボタン4−4bの押下信号を受けた(S33でYES)制御部7は,選択された診療科名を診療科名入力窓3dに表示すると共に,選択された医師名を申請医師入力窓3uに表示する(S35)。
療法登録画面4aにおける登録者は,上記のようにこの登録画面4aに入力を行う者であり,多くの場合上記申請医師である。従って,申請医師の入力が終わると,登録者入力窓3wにも,申請医師の名前が表示される。
ここで療法の申請(作成)とそのマスタへの登録に関する権限について説明しておく。
療法及びその具体的適用である癌化学療法プロトコールは,治療の基本的情報であるので,ご入力や間違った改変があると医療ミスの原因となり極めて問題である。
従って,この癌化学療法管理システムにおいては,入力された療法について2重の確認あるいは承認手順を設けている。
まず,このシステムでは,療法の作成即ち申請と,それを療法マスタに登録する手順を別にしている。つまり,療法を作成する段階でのチェック手順と,作成された療法を最終的に療法マスタに登録する段階でのチェック手順を設けている。
療法については,それを作成することが出来るのは,医師に限ることはすでに述べた。
医療機関には医師のほかに薬剤師や看護士なども介在するが,療法については特に重要なので,医師に限ると共に,医師についても申請権限を設定して権限のある医師以外はログイン画面から療法作成の手順に入れないようになっている。このような申請者などの権限については,図33の使用者マスタに5段階に設定されている。
そのうち3段階が必須の権限であり,
○療法登録の権限
○割り当て登録の権限
○マスタ登録の権限
がある。
割り当て登録の権限は,後記する処方・投与計画を新規に作成したり,あるいはそれを改変することに関する権限であり,医師のうちでも処方・投与計画を作成することが認められた者にのみ設定される。
ただし,処方・投与計画については,個々の医師に任せて問題ないので,2重チェックの対象ではないが,権限が設定された医師のみが,登録することが出来る。もちろん,上記処方・投与計画についても2重チェックの対象とすることは可能である。手法としても療法についてのチェックと同様でよい。
さらにマスタ登録の権限は,上記のように作成された療法について,それを療法属性マスタに最終的に登録する権限である。
マスタ登録への手順は,特に新しいものではないので説明は省略されるが,作成された療法について登録確認者入力窓3xで右クリックをしたときに,マスタ登録の権限のある医師のリストが表示され,表示されたリストから選択された医師のID及びパスワードがログイン画面で入力されたID及びパスワードと一致すれば,マスタへの登録を許可するようになっている。
なお,図5で示した療法登録画面4aには承認医師の入力窓3vがあるが,これは,申請された療法についての登録の承認者の入力窓であるから,実質的に前記登録確認者と同じ人が入力することになる。
続いて,図9の処方入力の手順に移る。
ここでは操作者はまず前記1クール日数,標準クール数,最大クール数をそれぞれ1クール日数入力窓3z,標準クール数入力窓3s,最大クール数3tにテキスト入力する。
これらの値は,その後それぞれの入力窓に表示される(S37)。
その後操作者は,中段の処方表示部4jの1つの欄にポインタを置いて,ここでダブルクリックする。
上記ダブルクリック操作信号は,制御部7に伝達される。
ダブルクリック操作信号を受信した(S39でYES)制御部7は,図10に示されたレシピ詳細入力画面5aを前記療法登録画面4aに重ねて表示する(S41)。
上記レシピ詳細入力画面5aには,最上段にレシピNo.入力窓5bが設けられ,その右側に該当する薬剤が内服薬であるか,注射であるか,あるいは外用薬であるかを選択するための薬種選択部5cが表示されている。
操作者はここで該当する薬種にチェックをいれ,その下段に設けられた薬品入力欄5dにポインタを置いて右クリック操作を行う。
上記右クリック操作信号を受けた(S45でYES)制御部7は,更に図11に示された薬品リスト画面5−2aを前記レシピ詳細入力画面5aに重ねて表示する(S45)。
この時制御部7は,薬剤区分マスタの薬剤区分コードフィールド,薬剤区分名称フィールドと,薬品マスタの薬品コードフィールド,薬品名称フィールド及び薬剤区分コードフィールドを参照して,前記薬品リスト画面5−2aを表示する。
上記薬品リスト画面5−2aに表示された薬品リストは,薬品の種類(消化器系薬剤,ホルモン剤,補液,抗癌剤,準抗癌剤,抗癌剤(プロトコール用),準抗癌剤(プロトコール用),溶解・希釈(プロトコール用))などの分類を上位概念として,その下位概念に具体的薬品が配列されるツリー構造となっている。
ここでは新しい抗癌剤についての療法を登録する場面であるので,操作者は薬品分類としての抗癌剤(プロトコール用)を選択し,画面下部のOKボタン5−2bを押す。
上記このボタン押下信号に応じて制御部7は,図12に示すように抗癌剤(プロトコール用)の下位概念に属する各抗癌剤をリスト表示した抗癌剤リスト画面5−3aを表示する(S47,49)。
このOKボタン押下信号を受けた(S51でYES)制御部7は,前記選択された抗癌剤名を前記レシピ入力詳細画面5aの薬品名入力欄5dに図13のように表示する。
こうして薬品名が入力されると,次に操作者は図13の中段右側に表示されたDOSE,最大量及びそれらの単位を入力する。
DOSEはその薬品の処方量であり,これらの処方量は,薬剤開発者側から仕様書などによって提供された標準的な処方量を入力することもできるが,医師が自己の経験や薬品に対する知識に基づいて,別の値を入力することも可能である。
また,その単位についても医師が自らの知見に基づいて,適切なものを入力することができる。
ただし,上記のようなDOSE,処方限界量である最大量,さらにはそれらの単位については,きわめて重要な情報であり,制御部が参照する薬品マスタの第1単位コード,第2単位コード,第3単位コードおよびAUC対象区分の各フィールドを参照するとともに,単位マスタにおける単位コードフィールド,単位名称フィールドを参照することにより,適切に設定される。
さらにこのような応用性,柔軟性に基づいて,経験の浅い医師であっても,ベテラン医師が設定した優れた療法を迅速に取り入れることができ,療法技術の著しい発展に寄与することができる。
次に医師は上記薬品・DOSE欄の下部に形成された投与方法入力窓5−5aにポインタを置いて,右クリックする。上記右クリック操作信号を受信した(S57でYES)制御部7は,投与方法・経路マスタにおける投与方法フィールド・経路区分フィールド,コードフィールド,および名称フィールドを参照して,図13に示すようにレシピ詳細入力画面5aと重ねて,手技リスト画面5−5bを表示する(S59)。
ここで表示される手技リストは,たとえば,静注,点滴静注,点滴静注(精密機械),皮下注,筋肉注,動注(内臓)…などを含む薬品の投与方法の一覧を表示するものであり,操作者は,この手技リストの中から適切な投与方法を選択して,画面下部に表示された登録ボタン5−5jを押す。
上記登録ボタン5−5jの押下信号を受信した(S61でYES)制御部7は,さらに選択された手技の経路を具体化したルートリスト画面5−5cを,投与方法・経路マスタの投与方法・経路フィールド,コードフィールド,および名称フィールドを参照して,図14に示すように,レシピ詳細入力画面5aに重ねて表示する(S63)。
ルートは,たとえばメイン1,メイン2,サブ1,サブ2などで表示される。
ここで操作者が,適切なルートを選択しそこでダブルクリックするか画面下部の登録ボタン5−5hを押すことにより(S65でYES),図15に示すように投与方法とその投与経路が,投与方法入力窓5−5aおよび投与経路入力窓5−5dに,制御部7により表示される(S67)。
上記手順によって投与経路が入力されると,続いて前記投与経路の右側に表示された用法入力窓5−5eへの用法入力が行われる。
ここで操作者は,用法入力窓5−5eの用法欄5−5fにポインタを置いて右クリックする。
この右クリック操作信号を受けた(S69でYES)制御部7は,図15に示すように,用法マスタの用法区分フィールド,投与区分フィールド,用法コードフィールド,用法名称フィールドを参照して,適用可能な用法を用法リスト画面5−5gに表示する(S71)。
ここでは投与方法が注射であるから,「1回」が表示されているが,内服薬であれば,分1,分2,分3(朝・昼・夕食後)などの用法が表示される。上記のように用法が複数ある場合には,ツリー構造に展開される。
こうして薬品についての投与方法,投与経路,用法が入力されると,操作者は,前記レシピ詳細入力画面5aの下段に設けられた登録ボタン5eを押す。
こうして登録ボタン5eの押下信号が,制御部7に伝えられる(S77でYES)と,制御部7は,画面を図16に示された療法登録画面4aに戻す。この時,制御部7は,療法登録画面4aの右下に処方日割り当て欄6aを表示する(S79)。
以上の入力処理によって療法に関する入力と,使用する薬品に関する入力,および申請者に関する入力が,完了するので,続いてこの薬品についての処方日やその周期について入力する手順に移る。
上記のような処方日の割り当ては,図16の下段に示した処方欄4jの右半分の前記処方日割り当て欄6aを用いて行われる。
この処方日割り当て欄6aは,基本的に前記1クール日数できまる1つの日数間における選択された薬剤の投与スケジュールを表すものである。
従って原則的には,操作者がこの右半分の処方割り当て欄6aを用いて,薬剤を投与すべき日に該当する枠に投薬の印を付し,それを記憶することによって,達成されるが,ここでは,入力の簡易化を図るべく,以下に述べる改良されたカレンダ表示による入力方法が採用される。
上記カレンダ入力画面6−1aは,たとえば図示のように1クール日数が28日である場合,「28」を適当に割り切れる整数,たとえば図示の場合「7日」を1周期として28日間を4段に分割して表示する。
このカレンダ入力画面6−1aの第1の機能は,たとえば図17のように枠6−1pで示す縦1列の日付を選択して,その下部に設けられた登録ボタン6−1bを押す(S85でYES)と,上記選択された日に,図18に示すように,下向き矢印で表示される投薬日マーク6−1cが表示される(S87)点である。
すなわち,医師がこの薬剤について7日ごとに薬剤の投与を行うようにしたい場合には,前記図17に示すように,横方向に7日1周期のカレンダ入力画面6−1aを作成し,1から7までの所望の投薬開始日を始点として,そこから下方向に向かって縦一列の日取りを選択し,登録ボタン6−1bを押すことにより,任意の開始日から7日間隔の投薬日を上記処方割り当て画面に一挙に入力・表示することができる点である。
即ち,「投薬日のみ表示」ボタン6−1dが押されると,制御部7は,図18に示すように,上記投薬日マーク6−1cが付された日のみを図18の右側に示すように詰めて表示する。
これにより,医師などは,薬剤投与の状況を一目で確認することが出来る。
なお,「投薬日のみ表示」ボタン6−1dが押されると,画面は図18の右側のように変わるが,その画面には「全て表示ボタン」6−1eが表示されており,操作者がこの「全て表示ボタン」6−1eを押すと(S93でYES),そのボタン押下信号を受けた制御部7は,画面を図18の左側の全クール日数を表示する画面に変更する(S95)。
その手法は種々のものがあるが,たとえば,上記カレンダ入力画面6−1aの左右いずれかの縦の辺6−1n又は6−1mにポインタを合わせると(S97でYES),ポインタが左右方向向きの矢印に変化し(S99),この状態で右クリックをしたまま,ポインタを移動させる(S101)ことにより,上記カレンダ入力画面6−1aの横および縦方向の長さを変化させる(S103)ようにした点である。
これによりたとえば当初7日1周期に設定されていたカレンダ入力画面6−1aをそれより長い,8日,9日,10日,…あるいはそれより短い6日,5日,4日…を1周期とするカレンダのように変更させうる。
上記のような周期の変更は,カレンダ入力画面6−1aの上端6−1xもしくは下端6−1yにポインタを置いた時に,そのポインタを上下方向の矢印に変化させ,その状態でポインタを上もしくは下方向に移動させることによって,カレンダ入力画面6−1aの上下方向の幅を変更させ,もって周期自体を変更させうるようにしてもよい。
こうして割り当てが完了すると,操作者は療法登録画面4a下部の登録ボタン4bを押す。登録ボタン4bが押されると(S105でYES),制御部7は,図4〜図18で設定した療法に関するすべての要素,例えばクール日数,標準クール数,最大クール数(図5で設定),使用する抗癌剤などの薬剤(図13で設定)およびその薬剤の処方量,最大処方量およびそれらの単位(図12で設定),その薬剤の投与方法(図13で設定),投与経路(図14で設定),用法(図15で設定),割り当てられた処方日(図16〜図17で設定)を療法マスタ属性テーブル(図34)の各フィールドに記憶し,保存する(S107)。
ただし,この保存内容を複写し,複写したものを改変することは可能である。このように複写された療法について別名保存することでその後の修正を可能として,さらに新しい療法を開発する基礎とすることで,療法独自の改良が可能となる。その結果,随時新しい情報に即した新しい療法の迅速な作成が可能となり,またそれを使った新しい化学療法プロトコールを簡単かつ迅速に作成することができるので,療法に不慣れな医師にとっても,最新の療法に随時接することができ,医療の進歩に大きく貢献することができる。
続いて,前記のようにして登録された療法を具体的患者の治療計画に適用する手順,すなわち癌化学療法プロトコールの作成手順について,図19以下の図面を参照して説明する。
この処方・投与計画に入るには,前記図2のログイン画面1aにおいて,利用者コードおよびパスワードを入力し,OKボタンを押すことにより,前記図3のメニュー画面2aに入り,該メニュー画面2aの左側に配置された処方・投与計画ボタン2bを押すことにより始まる。
従って,前記のように事前に設定された申請が認められた医師,あるいは承認権限が認められた医師のみが,この手順に入ることができる。
以下は,処方・投与計画の新規作成の手順である。
処方・投与計画手順が開始されると,図19の割り当てクール一覧画面13aが制御部7により表示される(S121)。
この割り当てクール一覧画面13aは,上段に患者番号入力窓13bおよび患者名称欄13cが形成され,処方・投与計画を作成する最初の段階で,操作者は,患者番号を入力する(S123でYES)。
患者番号が入力されると,処方・計画が既登録であるか否かが制御部7により判断される(124)。判断は図34に示す患者療法マスタ属性テーブルの記載を参照して行われる。この場合,新規作成であるから,判断はNOであり,次のS125でこの患者番号が制御部により患者マスタの患者番号フィールドおよび患者名称フィールドと参照され,患者名称が抽出されて,患者名称欄13cに表示される(S125)。
図19では患者番号700が入力されて,患者名称「湯山 和男」が表示されている。
このように患者番号と患者名称が確定すると,制御部7は割り当てクール一覧画面13aの下部に設けられた新規追加ボタン13dをアクティブにする。
操作者によって上記新規追加ボタン13dが押される(S127でYES)と,制御部7は,図20の療法選択画面14aを表示する(S129)。
この療法一覧画面14aは,診療科表示部14bと,疾患名表示部14cからなり,診療科タブ14dを押すと診療科表示部14bが,疾患名タブ14eを押すと,疾患名表示部14cが,制御部7によって,それぞれ切り替え表示される。
このとき,制御部7は,図34に示す療法マスタ属性テーブルの診療科コードフィールドおよび診療科名称フィールドを参照して診療科名を表示し,疾患名コードフィールドおよび疾患名称フィールドを参照して,疾患名をそれぞれ表示する。
操作者は,このページで,適宜の診療科を選択してその下位の療法を展開表示させ,展開表示された療法中から任意の療法を選択する。
また疾患名タブ14eを押して疾患名表示部14cを表示させ,任意の疾患名を選択する。
選択された療法名と疾患名は,療法一覧画面14aの上段に表示される(S13)。
こうして療法と疾患名の選択が完了した後,操作者は,療法一覧表示画面14aの下部に設けられた選択ボタン14fを押す。この選択ボタン14fの押下信号は制御部7に伝達され(S133でYES),制御部7は,画面を図21の療法割り当て画面14−2aに切り替える(S135)。
こうして療法名,疾患名,診療科が決定されると,この療法名,疾患名,診療科で定義づけられる図4〜図18で設定した療法に関するすべての要素が,利用可能となる。
これらの要素を例示すると,クール日数,標準クール数,最大クール数(図5で設定),使用する抗癌剤などの薬剤(図19で設定)およびその薬剤の処方量,最大処方量およびそれらの単位(図12で設定),その薬剤の投与方法(図19で設定),投与経路(図14で設定),用法(図15で設定),割り当てられた処方日(図16〜図17で設定)などである。
図21は,療法割り当てのためのスケジュールをカレンダ14−2bで表示したものである。このカレンダ14−2bに療法を割り当てるためには,操作者は,まず割り当ての開始日と,割り当てのクール回数とを図21の開始日入力窓14−2cおよび回数入力窓14−2dに入力する。
上記開始日入力窓14−2cは,選択入力により,また回数入力窓14−2dはテキスト入力により入力される。
図21の開始日のプルダウンボタン14−2eが押される(S137でYES)ことにより,制御部7が,図22に示す日付入力用カレンダ14−3aを表示する(S139)。操作者がこのカレンダ14−3aにおける任意の日付を選択して実行ボタン14−3bを押すと(S141でYES),制御部7は,選択された日付を開始日入力窓14−2cに表示する(S143)とともに,カレンダ14−2bに,1クール期間の日数(ここでは21日)を参照して,図23に示されたような1クールごとに色分けしたカレンダ14−4aを表示する(S145)。
このカレンダ14−4aは,図23の右端に示した右向き又は左向きの矢印ボタン14−4b又は14−4cをクリックすることにより右又は左方向にカレンダ内容をシフトさせて表示することができる。
登録された内容は,図35に示す患者療法マスタ属性テーブルに書き込まれ,保存される(S149)。
なお上記のようなカレンダ14−4aを表示するために制御部7は,患者療法マスタ処方投与テーブル,患者療法マスタ処方明細テーブル(図36参照),患者療法マスタ処方用法テーブル,患者療法マスタ処方コメントテーブルを参照する。
また当然ながら操作者は,前記クール回数14−2d(図24では4回)を任意に変更することができる。
と,図25に示す割り当てクールの一覧画面15aが表示される(S150)。
この割り当てクール一覧画面15aには,左から順に「状況」,「クール期間」,「療法名称」,および「クール目」が表示されている。
これらの割り当て計画が,いまだ適用されていない,すなわち現在,クール期間に入っていない場合には,状況項目は「予定」と表示される。
上記のようにして表示されたクール一覧の中で,その予定表を確認したり変更したりしたい場合には,まず操作者は変更あるいは確認したい割り当てクールを選択し,図25の割付クール変更画面15aの下段に表示されたいずれかのボタンを押す。
処方内容(処方量)に関する修正を行いたい場合には変更ボタン15bを,スケジュール計画を確認したい場合にはカレンダボタン15cを押す。なおスケジュール計画を確認した後,さらにスケジュール計画自体を修正したい場合にも,カレンダボタン15cを押す(S151)。
上記変更ボタン15bが押されると,制御部7は,画面を図26に示す処方画面16aに変える。
カレンダボタン15cが押されると,制御部7は図30のカレンダ画面17aに画面を変更する(S152)。
上記変更ボタン15bが押された場合,すなわち処方量についての修正を行う場合の,制御部7の処理手順について説明する。
この場合には制御部7によって前記のように図26に示す処方画面16aが表示される。このとき,図26の投与スケジュール表示部16bには,その薬剤の投与日に投与マーク16cが表示される。投与マーク16cは,薬剤の投与量の相対的変化をシンボルマークで表現したものであり,ここではその一例として横向き矢印で示されている。この矢印には,3つの種類がある。すなわち横向き矢印→,下向き矢印↓,上向き矢印↑のいずれかが表示される。投与マーク16cの表示のない日付には,その薬剤の投与がないことを示している。
ここに→は,その日の投与量が,前回の投与量と比べて変化がないことを意味している。
↑は,その日の投与量が,前回の投与量と比べて増加していることを意味している。
↓は,その日の投与量が,前回の投与量と比べて減少していることを意味している。
ただし,投与量の変化は,絶対的変化ではなく,対表面積などにより修正された相対的変化を問題とする。
逆に体表面積に応じた投与量に規定された薬剤について,体表面積が10%減少したにもかかわらず,医師において投与量を確保するために前回の投与量と同量となるように医師が変更した場合には,投与マークは,↑が表示される。
この画面の表示に当たって,制御部7は,患者に関するマスタとして,患者療法マスタ属性(図35参照),患者療法マスタ処方患者,患者療法マスタ処方投与,患者療法マスタ処方明細(図36参照),患者療法マスタ処方用法,患者療法マスタ処方コメントの各テーブルを参照する。
制御部7によって上記処方画面16aが表示されている状態において,操作者が薬剤の投与日欄の中の特定の投与日を選択すると(S153でYES),制御部7はその選択信号を受信して画面下部の処方量変更ボタン16d,処方日変更ボタン16eをアクティブにする(S154)。
この例では,7月22日に投与されるエンドキサンに関する投与量が表示されている。ここで表示される量は,当初設定された量を100%とした割合の値であり,投与量を変更する場合には,この100%の数字を表示した割合表示窓16−1b内の数値を任意の数字に変更することにより達成される。
このようにして変更された投与量(処方量)は,登録ボタン16−1eを押す(S157でYES)ことで図36の患者療法マスタ処方明細テーブルに書き込まれ,そこにおける投与量割合が変更される(S158)。
前記したように処方量が,前回の投与量と比べて相対値として変化した場合には,その変化が増加であれば↑が,減少であれば↓が,投与日の欄に→に代えて表示される。
このように薬剤の投与量の変化が,矢印などの記号により表示可能であるので,薬剤投与量の実質的な変化を目視で直感的に評価でき,忙しい医療の分野で投与量の変化に関する見間違いが極めて少なくなるという優れた効果を達成することができる。
また図27には,患者の身長や体重が表示されており,これらから計算された体表面積も表示されている。前記したように,処方された薬剤が,対表面積あたりの重量で計算されている場合には,患者の体表面積の変化に応じて薬剤の投与量が自動的に変更される。
つづいて制御部7による処方日の変更手順について説明する。
前記図26に示した処方画面における処方日変更ボタン16eが押されると(S159でYES),制御部7は,図28に示すような処方日変更画面16−2aを表示する(S160)。
ここでは処方日の変更が,今回のみであるか,今回以降のものであるかを設定する部分と,前回の表示,今回の表示16−2b,および次回の表示が並べて表示され,そのうち今回の表示が変更可能であり,今回の表示16−2bにおける日付を変更すると,前回,次回が自動的に変更される。
さらに処方日を変更するには,上記のような個々の日付(今回の表示16−2bに表示)を変更する方法のほか,シフトする日数を入力してもよい。処方日変更画面16−2aにはシフト日数を入力するシフト日数入力欄16−2cが表示されている。
さらに投薬については,投与を中止することについて今回のみであるか,今回以降の計画についてであるかを選択することができる。
上記処方日変更画面16−2aにおいて,今回の投与日のみを変更する場合には,「今回のみ」にチェックを付し,今回の日付を任意に変更するか,あるいはシフト日数を入力して変更する。
また投薬中止については,今回のみの中止であるか,次回以降も中止するかの入力を行う。
このとき制御部7は,上記処方日変更画面16−2aに記載された変更データに基づいて,患者療法マスタ属性テーブル(図35参照),患者療法マスタ処方患者テーブル,患者療法マスタ処方投与テーブル,患者療法マスタ処方明細テーブル(図36参照),患者療法マスタ処方コメントテーブルの処方日に関する内容を更新する(S163)。
なお,処方日については,変更したい薬剤の投与日欄を右クリックすることでも変更することができる。
上記のような投与日の変更は,前記図23に示したカレンダ画面14−4aにおいても行いうる。
たとえば図23と同様の図30に示された療法割り当てのカレンダ画面14−4aで,いずれかの投与日(星印が付された日)を選択すると,この選択信号を受けた制御部7は,処方日変更ボタン16eをアクティブにする。
この状態で操作者が処方日変更ボタン16eを押すと,制御部7はそのボタン押下信号を受けて図31の処方日変更画面17−1aを表示する。
ここでは前記図28における処方日変更画面16−2aと同じ画面が表示される。
従ってここでも処方日の変更が可能である。
以上述べた手順により,処方量の変更,処方日の変更などが完了すると,操作者は,療法割り当て画面17aの下部に表示された登録ボタン16fを押す(S165でYES)。これにより変更された内容によって図35の患者療法マスタ属性テーブルの内容が更新される(S167)。
一般的には,この取り揃え要求も管理サーバ3の記憶手段に蓄積される。患者と接している医師は,患者にあった投与計画を考えるが,考えた投与計画が,その患者について前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の投与計画と合致しなくなる場合がある。従って,医師による薬剤の取り揃え要求と,上記患者について前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の投与計画とを比較し,比較結果を表示することで医師が適切に対応できるようにすることが望ましい。このようなことのために,本発明の取り揃え要求−計画比較手段が採用される。
図37は前記制御部7による処理手順を示すものである。
医師は,自分の端末5を用いて,これから薬剤の投与をしようとするときに予め作成しておいた投薬のオーダ,即ち,薬剤の取り揃え要求を管理サーバ3から受信する(S301)。
このような取り揃え要求は,医師が事前に入力しておいたもので,データとしては,図26に示した投薬計画と同様,薬剤の量,形態,手技などを含むもので,管理サーバ3の記憶領域に記憶されているのを,患者名を入力することでダウンロードすることで取得される。
取り揃え要求が受信されると医師側の端末5の制御部7は,監査の必要性があるか否かを薬剤ごとに判断する(S302)。監査の必要性は薬剤ごとに予め定められ,薬剤マスタに薬剤と関連付けて記憶されている。
抗がん剤などのような場合は,ほとんどは必要であるが,念のため判断を入れている。
次に制御部7は,この取り揃え要求に対応する投与計画が登録されているか否かを,管理サーバ3内の記憶領域における癌化学療法プロトコール記憶手段を患者名によって検索する。
対応する投与計画があると判断された場合(S303でYES)には,次に上記患者についての上記薬剤の取り揃え要求と,上記患者について前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の投与計画とが比較される(S304)。
比較結果は表示される(S305)。一致は通常完全一致が採用される(S5)。
一致しなかった場合の表示が,重要である。
この場合,キロサイド500mgを2日目と3日目に投与する計画になっている。従って,合計1000mgを投与する計画となっているが,もし取り揃え要求に500mgが3本ということになっていれば,計画よりも多いということになる。
しかしながら,キロサイドという薬の投薬量は,患者の体表面積あたりの量で表されているので,もしこの計画を立てた時点よりも患者の体表面積が多くなっていれば,現在は計画量より多く与えても良いことになる。そこで医師は計画よりも多めに投与するように計画を変更する指示を行う事が出来る。このように,計画と要求とがずれることがありうる。
従って上記のように,S304の比較で一致しない場合が生じるものであり,一致しなくても医師がそれでよい,ということで承認を表すボタンを押せば取り揃え要求値が計画として採用される。即ち,投与計画側が書き換えられる。また取り揃え要求が間違っていれば,医師はキャンセルを示すボタンを押す。これによって,取り揃え要求が修正される。
例えば,容態急変などの緊急の場合には,計画を立てる暇が無いこともある。つまり医師が診断してすぐ処方(投与)ということもある。
そういう場合には,登録計画なし(プロトコールなし)の表示を出す(S306)。
そこで医師は,改めて投与計画を入力することが出来る(S307)。
そこで入力された計画と,現在受けている取り揃え要求とが,S304で比較チェックされる。
ここでは当然取り揃え要求と投与計画が一致しているはずであるが,入力ミスなどを回避するために,一応チェックしている。
このようにして厳重な投与が必要な抗がん剤の投与計画について,適切な投与が行われているかどうかをチェックすることが出来る。
このような主薬Aの機能を補うもので,それ自身としては癌化学療法への効果がないが,主薬投与に先立って投与するものを前処置薬という。種類としては,上記生理食塩水やブドウ糖のようなものが挙げられる。
このような生理食塩水やブドウ糖の投与は,主薬である抗がん剤とは直接関係が無いので,一般的には主薬と関係なく,必要に応じて医師が投与計画中に挿入しておく扱いになっている。
そのため,従来の癌化学療法計画システムでは,投与計画の変更,例えば,クール期間のシフトを行っても,こういった前処置薬は追従してシフトされることがない。
しかしながら,主薬の投与に関係の無い日に前処置薬が投与されたのでは,前処置薬投与の意味が無い。従って,こういった前処置薬を主薬と関連付けて薬剤投与計画に反映させることが望ましい。
そのために,この発明では,前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤投与計画で使用される主薬に関連させて前処置薬及び該前処置薬の投与計画を入力する前処置薬追加入力手段を採用する。そして,上記前処置薬追加入力手段により入力された前処置薬の投与計画を前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された前記薬剤の処方および投与計画に反映させて前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画を更新する。この更新処理を行うのが癌化学療法プロトコール更新手段である。
これによって,薬剤の投与計画に変動があった場合でも,それと一緒に前処置薬の投与計画もシフトされるので,前処置薬の働きが適切となり,患者の苦痛を和らげるなどの前処置薬の効果が間違いなく発揮される。
この処理も医師の端末5の制御部7が行う処理である。
医師が,問題となる主薬が含まれるプロトコール(投与計画)を選択する(S400)。
上記選択に応じてそのプロトコールが記載された投与計画を示す画面(図39)が開かれる(S402)。
図39の画面が開かれると,医師は,画面中の前処置薬ボタン39aを押す(S404)。
これに応じて図40の画面が開かれる(S406)。
クリックを検出すると,制御部7は,続いて,画面を図41で示される画面に移行させる(S410)。画面上部41aに前処置薬の処理画面が表示される。
この画面中の処方領域41bで右クリックする(S412)と,図11と同様科名リストが表示され,そこで科名を選択した後,図12の要領で更に表示される前処置薬を選択して,OKボタンを押すと,前処置薬が確定入力され(S414),画面は図41に戻る。
ここで医師は,画面の前処置薬処方期間の日数を前処置薬処方期間入力欄41cに入力する(S416)。すなわち,主薬の投与よりも何日前にこの前処置を行うかの日数を入力する。図42は,日数が入力された状態を示している。ここでは,「3日」が入力されている。この入力により,図42の期間表示部42aが投薬日前3日まで表示されるようになる。
ここでOKボタン42bを押すと(S418),図43の画面 に移行すると共に,選択された前処置薬,ここではブドウ糖がその投薬される計画と共にRpNo.7の処方欄に書き込まれる(S420)。また,別に必要な情報は手入力により書き込み可能である。
ここで更にOKボタン43aが押されると,制御部7は,図44の画面を表示する。こうして新しく追加的にブドウ糖が,Rpに表示され,前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画が更新される(S422)。
処方欄にはどの薬を主薬とする補助薬であるかが分かるように,主薬がRpNo.により記載されている。もちろん,前処置薬処方期間の日数(3日)も反映された投与計画に変更されていることが図面から理解される。
また,前処置薬のRpを選択することで,対応する主薬を高輝度表示してもよい。
医師は,これで問題なければ保存ボタン44aを押す。これにより,このデータが投与計画に反映される。
前処置薬が複数あれば複数入力することになる。
この発明では,上記のような薬剤グループについての投与量限界値が投与量限界値記憶手段に予め記憶される。
また,前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画が反映された薬剤の投与量履歴を含むデータについては薬歴マスタのような薬歴記憶手段に記憶される。
上記のような総薬剤投与量は,本発明における癌化学療法プロトコール記憶手段における各薬剤の使用量の合計であるから,癌化学療法プロトコール記憶手段を用いる本発明では,その管理が極めて容易である。
しかしながら,このことは本システムで管理されている薬剤についてのみ言えることであり,例えば,別の病院の別のシステムで管理されていた患者を途中から受け入れた場合には,データの互換性が無いので,そのままでは総投与量を管理することが出来ない。
そこで上記のような他の病院でのデータような過去の投薬量に関するデータは,上記薬歴記憶手段に記憶された薬剤の投与量履歴とは別に,このシステムに入力される。この手順を果たすのが,履歴外薬剤投与量入力手段である。
その結果,上記薬剤グループについて,上記薬歴記憶手段に記憶された薬剤の投与量と,上記履歴外薬剤投与量入力手段により入力された薬剤の投与量を合算することで,この患者におけるこの薬剤グループのこれまでの使用量が算出される。医師としては,これが,この薬剤グループにおける総投薬量の限界を超えないように注意する必要がある。そのため,この発明では,上記合算値と上記投与量限界値記憶手段に記憶された投与量限界値とを表示部にあわせて表示することで,医師の注意を喚起することにしている。
さらに,この合算値がもし上記総投薬量の限界を超えそうな場合には,警告を発して医師に注意する。
本発明における薬剤投与量限界警告表示手段はこのような警告を表示するためのものである。薬品マスタメンテナンス画面を開き(S500),図47に示す画面における累積投与グループ入力窓47aにポインタを当てて,薬剤グループを選択する。選択の方法は,図11に示したものと同様である。
まず医師が図47に示す療法割当画面を開き(S506),図48の過去分入力ボタン48aを押す。過去分入力ボタン48aが押される(S508)と,画面は図49に切り替わる(S510)。
この制御は,制御部7が,図46に示される薬剤グループマスタと図47に示される薬剤マスタとを参照して薬剤グループリストの画面(図49)を開く処理である。図46に示される薬剤グループマスタは,薬剤グループを単に列挙したものであり,図47に示される薬剤マスタは,上記薬剤グループに含まれる個々の薬剤の単位,換算値などの内容をグループと関連させて記憶するためのマスタである。
医師はここで,過去のカルテから例えば塩酸ドキソルビシンの過去の投与量を手入力する(S512)。過去のカルテのデータとは,前記のように他の病院から来た患者の場合に,上記他の病院でのカルテに書かれたデータであったり,このシステムが立ち上げられる前に患者に与えられた薬剤量のデータなどが考えられる。従って,上記過去分のデータが電子データであれば,そこからデータを移行させてもよい。
入力される投与量は,体重・体表面積あたりではなく,実際の投与量である。
続いて医師が登録ボタン49aを押す(S514)と,患者ごとの薬歴マスタにおける投与量に反映される。即ち,図50の総投与量チェック欄50aに上限値と,投与済量とが表示される(S516)。
その結果,図51のプロトコール画面に示されるように,薬剤グループ「塩酸ドキソルビシン」に含まれる具体的薬剤「メイロン」について過去分との合算が行われ,限度オーバーか否かが制御部7によって判断され(S518),限度オーバーであれば,図52に示されるようなの警告画面が表示される(S520)。
図52に示す警告画面には,総投与量の上限値と,これまでの総投与量或いはこの総投与量とこれからの計画投与量との合計値が表示される。これらの合計値が,上限量を越えていればが,超えている旨の警告を表示する。
その際,計画量と上限値の両方が表示される。
これによって医師は,投与剤が総投与量の上限を超えていれば,剤の交代を考えるなどの処置を施す。もし体表面積が増大していれば,上限量も増大しているので,上限量の計算をやり直すようなこともありうる。
このような総投与量の自動チェックによって,投与薬剤がいつの間にか上限を超えて危険領域に入ってしまうようなミスの発生を未然に防止することが出来るようになる。
また他の医療機関での投与量を加算することが出来るので,総投与量の厳密管理が可能となるものである。
3…管理サーバ
5…端末
7…制御部
1a…ログイン画面
2a…メニュー画面
3a…療法一覧画面
4a…療法登録画面
4−3a…診療科名リスト画面
4−4a…医師名リスト画面
5a…レシピ詳細入力画面
5−2a…薬品リスト画面
5−3a…抗癌剤リスト画面
5−5b…手技リスト画面
5−5c…ルートリスト画面
5−5g…用法リスと画面
6−1a…カレンダ入力画面
13a…割り当てクール一覧画面
14a…療法一覧画面
14−2a…療法割り当て画面
14−4a…カレンダ
15a…割り当てクールの一覧画面
39a…前処理薬ボタン
40a…Rp指示画面
40b…処方(Rp)のNo.
41a…画面上部
41b…処方領域
41c…前処置薬処方期間入力欄
42a…疾患名リスト
42b…OKボタン
43a…OKボタン
44a…保存ボタン
47a…累積投与グループ入力窓
47b…薬品名窓
48a…過去分入力ボタン
49a…登録ボタン
50a…総投与量チェック欄
S300,〜…処理手順番号
Claims (12)
- 癌治療のための複数の薬剤の一般的な使い方に相当する複数の療法をそれぞれ入力する療法入力手段と,
上記療法入力手段により入力された複数の療法をそれぞれ記憶する療法記憶手段と,
上記療法記憶手段に記憶された療法を参照して具体的患者の症状に適応する薬剤の処方および投与計画を作成する癌化学療法プロトコール作成手段と,
上記癌化学療法プロトコール作成手段により作成された薬剤の処方および投与計画を記憶する癌化学療法プロトコール記憶手段と,
を備えてなる癌化学療法管理システム。 - 上記療法記憶手段に記憶された療法は,改変できないようにロック処理が施されてなる請求項1に記載の癌化学療法管理システム。
- 前記療法記憶手段に記憶された療法を複写する登録療法複写手段と,上記登録療法複写手段により複写された療法を改変したのち,改変された療法を新たな療法として前記療法記憶手段に記憶する改変療法記憶手段とをさらに備えてなる請求項1あるいは2のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。
- 前記療法の新規作成,複写,改変およびその療法記憶手段への記憶は,所定の資格を持つ医師のみが実行できるものである請求項1〜3のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。
- 前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画における薬剤の投与量が,任意に変更可能である請求項1〜4のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。
- 上記薬剤の投与量の相対的変化をシンボル化した投与マークを薬剤の投与日に表示する投与マーク表示手段をさらに備えてなる請求項5に記載の癌化学療法管理システム。
- ある患者についての医師による薬剤の取り揃え要求と,上記患者について前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の投与計画とを比較し,比較結果を表示する取り揃え要求−計画比較手段を更に備えてなる請求項1〜6のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。
- 比較すべき投与計画が存在しない場合に,改めて投与計画を作成する新投与計画作成手段を更に備えてなる請求項7記載の癌化学療法管理システム。
- 前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤投与計画で使用される主薬に関連させて,該主薬についての前処置薬及び該前処置薬の投与計画を入力する前処置薬追加入力手段と,
上記前処置薬追加入力手段により入力された前処置薬の投与計画を前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された前記薬剤の処方および投与計画に反映させて前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画を更新する癌化学療法プロトコール更新手段と,
を更に備えてなる請求項1〜8のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。 - 患者の現在の身長及び体重を含むバダルデータを入力するバイダルデータ入力手段と,
上記バイダルデータ入力手段により入力されたバイダルデータを記録更新するバイダルデータ記録更新手段と,
上記バイダルデータ記録更新手段に記録された最新の患者のバイダルデータと投与量限界値とに基づいて限界投与量を演算する限界投与量演算手段とを更に備えてなる請求項1〜9のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。 - 同じ効能を持つ薬剤を包括する薬剤グループについての投与量限界値を記憶する投与量限界値記憶手段と,
前記癌化学療法プロトコール記憶手段に記憶された薬剤の処方および投与計画が反映された薬剤の投与量履歴を含むデータを記憶する薬歴記憶手段と,
上記薬歴記憶手段に記憶された薬剤の投与量履歴とは別に,薬剤の投与量を入力する履歴外薬剤投与量入力手段と,
上記薬剤グループについて,上記薬歴記憶手段に記憶された薬剤の投与量と,上記履歴外薬剤投与量入力手段により入力された薬剤の投与量を合算し,合算値と上記投与量限界値記憶手段に記憶された投与量限界値とをあわせて表示する薬剤投与量表示手段を更に備えてなる請求項1〜10のいずれかに記載の癌化学療法管理システム。 - 上記合算値が上記投与量限界値記憶手段に記憶された投与量限界値に近くなったか或いはそれ以上になった場合に警告を表示する薬剤投与量限界警告表示手段を更に備えてなる請求項11に記載の癌化学療法管理システム。
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