JP2007119856A - 親水性ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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孝浩 藤井
Katsunori Babazono
勝典 馬場園
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Abstract

【課題】耐汚染性,メンテナンスフリー性に優れ、低コストで、しかもリサイクル性にも優れた親水性ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】C:1.0質量%以下,Si:0.20〜5.0質量%,Mn:2.0質量%以下,Ni:15.0質量%以下,Cr:10.0〜30.0質量%,Al:0.01質量%以下,Nb+Ti:2.0質量%以下(0を含む)を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有する冷延鋼板を、水素比率70体積%以上の水素−窒素混合ガス雰囲気にて、露点:−70〜−50℃、温度:800〜950℃の条件で仕上光輝焼鈍して、皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr,Mn,Nb及びTiの元素の総和に対してSi≧40原子%,Al≦:10原子%,Nb+Ti≦10原子%を満たす組成の酸化皮膜を生成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、業務用あるいは家庭用の冷蔵庫,冷凍庫,製氷機,流し台,テーブル,棚,ワゴンなどの厨房機器などに好適なステンレス鋼板であり、鋼板表面に付着する種々の汚れが目立ちにくく、かつ布巾などによる水拭きにより容易に除去できる親水性ステンレス鋼板に関するものである。
従来、ステンレス鋼板は耐食性に優れるとともに、研磨仕上や光沢仕上などによる様々な意匠性を持つ美麗な外観と清潔感を有することから、各種業務用あるいは家庭用の厨房機器などに使用されている。
しかし、これらの用途においては、人の手肌による接触にさらされるために手垢などの汚れが付着しやすく、また食材,調味料などにより汚れる機会が多くなっている。このため、洗剤を用いた清掃などのメンテナンスを常に心がけないと、外観上の美麗さを失うばかりでなく、汚れを起点とした錆の発生を招きやすいという問題があった。
このような問題を解決する手段の一つとして、付着した汚れを簡単な水洗で除去できるように、ステンレス鋼板の表面を親水化する技術がある。
ステンレス鋼板の表面を親水化する手段としては、非金属である樹脂やセラミックスを被覆することが一般的に用いられているが、他物質を被覆することはコスト増に繋がるばかりでなく、リサイクル性を低下させ、環境負荷を大きくすると言った問題点を有している。
そこで、ステンレス鋼板の表面に適度な凹凸を形成して親水性を高める方法、あるいは熱処理によりステンレス鋼板の表面に特定の元素を濃化させて親水性を付与する方法などが提案されている。
例えば、特許文献1には、酸洗により表面に微細な凹凸を形成することで親水性を高めた高強度複相組織のステンレス鋼板が示されている。また特許文献2には、塩化第二鉄液のスプレーエッチングにより粗化面を形成することによって親水性を付与したオフセット印刷機用ステンレス平板が示されている。
さらに、特許文献3には、研磨仕上したステンレス鋼板を光輝焼鈍して、表面酸化皮膜中の原子濃度比(Cr+Si+Al)/Feを0.4以上にするとともに、研磨目に直角方向の中心線粗さRaを0.30μm以下とすることにより汚れ除去性を改善することが示されている。
さらにまた、本出願人は特許文献4で、光輝焼鈍することによりステンレス鋼板の表面に形成された皮膜を、Cを除きSi:15原子%以上,Nb:5原子%以下,N:3原子%以下,残部がAl,Mn,Cr,Fe,Oからなる組成を有するSiO2主体の酸化物からなるものとし、しかも鋼板表面における結晶面方位を特定することによって、耐汚染性,メンテナンスフリー性に優れた親水性ステンレス鋼板を低コストで提供することを提案した。
特開平11−279706号公報 特開平9−39426号公報 特開平10−259418号公報 特開2005−163102号公報
しかしながら、特許文献1,2で提案されている技術では、表面の凹凸形態を調整することにより親水性を付与する方法であるため、研磨仕上や鏡面仕上などの外観上の意匠性が要求される用途には適用できない。
また、特許文献3で提案された技術では、研磨目の粗さを細かくすることにより汚れ除去性を改善しようとしているが、近年の厳しい要求に対しては必ずしも十分と言えず、付着した汚れが目立ちやすいという欠点を有している。さらにまた、特許文献4で提案した技術も、低コストで親水性ステンレス鋼が得られるものの、耐汚染性という点では、必ずしも十分ではない。
このように、従来の技術では親水性を付与することによりコストアップを招いたり、リサイクルの観点から環境負荷を増加させたりする場合が多かった。また、上記技術で得られる親水性のレベルは、近年要求されてきている耐汚染性やメンテナンスフリー性に対して必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、耐汚染性,メンテナンスフリー性に優れ、低コストで、しかもリサイクル性にも優れた親水性ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
本発明の親水性ステンレス鋼板は、その目的を達成するため、C:1.0質量%以下,Si:0.20〜5.0質量%,Mn:2.0質量%以下,Ni:15.0質量%以下,Cr:10.0〜30.0質量%,Al:0.01質量%以下,Nb+Ti:2.0質量%以下(0を含む)、さらに必要に応じてCu,Mo及びNのうちのいずれか一種又は二種以上を合計で5.0質量%以下を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、仕上光輝焼鈍により表面に形成された皮膜が、当該皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr,Mn,Nb及びTiの元素の総和に対してSi:40原子%以上,Al:10原子%以下,Nb+Ti:10原子%以下であることを特徴とする。
このような皮膜が形成されたステンレス鋼板は、前記の組成を有する冷延鋼板を、水素比率70体積%以上の水素−窒素混合ガス雰囲気にて、露点:−70〜−50℃、温度:800〜950℃の条件で仕上光輝焼鈍することにより得られる。
本発明者等は、まず、ステンレス鋼板を光輝焼鈍したときに鋼板表面に生成する酸化皮膜に着目して調査・研究を行った結果、表面酸化皮膜の組成を適正化することにより、親水性を著しく向上できることを見いだした。
そして、表面酸化皮膜の組成の適正化が、鋼板成分組成の調整並びに仕上光輝焼鈍時の雰囲気含有水素量,温度及び露点の調整で行えることを見いだしたものである。
したがって、本発明により、鋼板成分組成と光輝焼鈍条件の調整という簡便な手段のみで、親水性に優れたステンレス鋼板を得ることが可能になる。これにより、鋼板表面に付着する種々の汚れが目立ちにくく、かつ布巾などにより水拭きにより容易に除去できるので、各種厨房機器などに好適なステンレス鋼板を低コストで提供することが可能となる。
以下に、本発明の特徴を詳しく説明する。
まず、表面に優れた親水性を付与するためには、表面酸化皮膜の組成を適正化する必要がある。皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr及びMnの元素の総和に対してSi:40原子%以上,Al:10原子%以下であることを必須とする。さらにはNb,Tiを含有する場合には、Nb,Tiを含めた元素の総和に対してSi:40原子%以上,Al:10原子%以下,Nb+Ti:10原子%以下であることを必須とする。
なお、酸化皮膜を構成する元素比率の特定は、X線光電子分光法(XPS)による鋼板最表面における各元素のピークの積分強度を原子%に換算することに行うことができる。
ステンレス鋼板を光輝焼鈍するとき、Fe,Cr及びSiの酸化物を主体とした酸化皮膜が形成されるが、この内、SiO2が多くなるほど優れた親水性を発揮すると言われている。
すなわち、SiO2は酸化物の中ではイオン結合性が比較的大きいと言われている。また酸化物ではその最表面において分極した−OH基が配列している。このため、イオン結合性が大きいSiO2主体の酸化皮膜では分極した水分子との間に大きな引力が働くことにより親水性を示す。反対に、イオン結合の小さいCr,Fe等の酸化物を主体とした酸化皮膜では水分子との親和力が低く親水性が得られない、と考えられている。
そこで、本発明においては、鋼板の成分組成及び光輝焼鈍条件を適正化することにより、主としてSiO2から構成される酸化皮膜を生成させ、Si以外の酸化物、すなわちAl23,Fe23,Cr23,MnO、或いはさらにNb25やTiO2などの酸化物の存在量を規制したものである。
後記の実施例で詳述するが、各種実験から、生成された酸化皮膜中のSi元素の量が、皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr,Mn,Nb及びTiの元素の総和に対して40原子%以上であれば、優れた親水性を呈することが確認できた。好ましくは、55原子%以上である。
本発明者等はまた、主としてSiO2からなる酸化皮膜であっても、Al酸化物の存在比率が高くなると親水性が低下することを見出した。Al23はイオン結合性が大きく単体では親水性を示す傾向があるものの、SiO2主体の酸化物に対して混入する割合が大きいほど親水性が低下する。この原因については明らかではないが、混合酸化物となることでイオン結合性が低下するものと推測される。
各種実験から、生成された酸化皮膜中のAl元素の量が、皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr,Mn,Nb及びTiの元素の総和に対して10原子%を超えると、親水性が著しく低下したことが確認できている。好ましくは、5原子%以下である。
ところで、ステンレス鋼では、一般に耐食性や溶接性などを改善するためにNb,Tiを添加する場合が多いが、Nb,Tiを含有したステンレス鋼板を光輝焼鈍すると、生成する酸化皮膜中にNb,Tiの酸化物が混入されることになる。これらの酸化物も、SiO2を主とする酸化皮膜の親水性を低下させる。Nb25やTiO2はある程度イオン結合性を有すると考えられるが、前述のAl23の場合と同様に複合化されるとSiO2主体の酸化皮膜の親水性を阻害するものと思われる。
各種実験から、生成された酸化皮膜中のNb,Ti元素の量が、皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr,Mn,Nb及びTiの元素の総和に対して10原子%を超えると、親水性が著しく低下したことが確認できている。好ましくは、5原子%以下である。
次に光輝焼鈍で形成される表面酸化皮膜の組成を適正化するために必要な原板の化学的成分組成について説明する。
上記したように、ステンレス鋼板の表面に親水性を持たせるためには、光輝焼鈍後の表面皮膜中のSiO2量を多くすることが好ましい。一般的には、原板であるステンレス鋼板としては、含有Si量が多いものほど好ましいことになる。鋼中に含まれるSi量が少ないと、皮膜中のSi比率が低くなりSiO2を主体とした酸化皮膜は形成されなくなる。Si比率40原子%以上の酸化皮膜を形成して親水性を得るためには、後述の焼鈍条件を考慮しても、原板としてはSi含有量0.2質量%以上のものを用いる必要がある。より好ましいSi含有量は0.5質量%以上である。
なお、Si含有量が5.0質量%を超えると冷間加工性が低下するため、原板としてはSi含有量の上限を5.0質量%とする。
また、ステンレス鋼板表面の親水性を低下させないためには、光輝焼鈍後の表面皮膜中のAl比率を小さくする、すなわち原板鋼に含まれるAl量を少なくする必要がある。光輝焼鈍時に生成する酸化皮膜中のAl比率を10原子%以下にして優れた親水性を確保するためには、後述の焼鈍条件を考慮しても、原板としてはAl含有量を0.01質量%以下としたものを用いる必要がある。より好ましいAl含有量は0.005質量%以下である。
Mn,Niはオーステナイト形成元素であり、ステンレス鋼のその組織制御上必要に応じてその含有量を調整することができる。
Mnは多量に添加すると光輝焼鈍後の酸化皮膜中に濃化してSiO2の生成を妨げる。そのため、Mn含有量は2.0質量%を上限とする。酸化皮膜に及ぼすNiの影響は小さい。従来法により工業的に製造される各種ステンレス鋼に通常含まれる上限である15質量%以下の範囲で添加することができる。
C,Crはフェライト形成元素であり、ステンレス鋼のその組織制御上必要に応じてその含有量を調整する。
Cは原板の強度等、機械的特性を調整する上でも重要な元素であるが、多量に含まれると粗大な共晶炭化物が生成して加工性の低下を招くことになる。そのため、C含有量は1.0質量%を上限とする。Crは原板の耐食性を改善する上で重要な元素であり、所望の耐食性を得るには少なくとも10.0質量%を必要とする。しかしながら、30.0質量%を超えて含有させた場合には靭性低下により加工性が損なわれる。このため、Cr含有量の上限は30.0質量%とする。
前記したように、ステンレス鋼では、一般に耐食性や溶接性などを改善するためにNb,Tiを添加する場合が多い。その改善効果を得るためには、Nb,Tiの一種又は二種をその合計量が0.10質量%以上になるように添加することが好ましい。Nb+Ti量が0.10質量%に満たない場合には、光輝焼鈍時に生成される酸化皮膜への混在量が著しく低いため親水性を劣化させることは殆んどない。本発明にあっては、Nb,Tiは必ずしも含有させる必要はないが、原板鋼中のNb,Ti含有量が多くなると、酸化皮膜中のNb,Ti比率が大きくなってその親水性を低下させるので、含有させる場合も、原板鋼中のNb+Ti含有量は2.0質量%を上限とする。
ステンレス鋼では、また、耐食性,耐候性,加工性などを向上させることを目的とし、必要に応じてCu,Mo,Nなどが添加されている。
これらの成分も、その合計量が5.0質量%までであれば光輝焼鈍時に生成される酸化皮膜中への混入は少なく、酸化皮膜の親水性に及ぼす影響は殆んどない。したがって、本発明においても、Cu,Mo及びNの一種又は二種以上を、それらの合計の上限値5.0質量%で添加してもよい。
次に、上記のような表面特性を有するステンレス鋼板の製造方法について説明する。
通常通りに均熱後に熱間圧延したステンレス鋼の熱延鋼帯を、焼鈍後、冷間圧延し、仕上げの光輝焼鈍を行う。
ステンレス鋼板の表面に形成される皮膜の組成に最も影響を及ぼすのは、仕上光輝焼鈍を行う際の焼鈍条件である。水素−窒素からなる雰囲気ガス中の水素比率が小さくなるとSiO2主体の酸化皮膜が生成しにくく、Cr,Al等の窒化物の生成を招きやすくなって親水性が低下する。親水性に優れる酸化皮膜組成を得るためには、水素比率が70体積%以上の水素−窒素混合ガス雰囲気中で焼鈍を行う必要がある。
SiO2を主体とする酸化皮膜を形成するためには、上記雰囲気中において、露点:−70〜−50℃,温度:800〜950℃なる条件で焼鈍する必要がある。
露点が−50℃を超えると酸化皮膜がCr及びFe主体の酸化物となるとともに酸化皮膜が厚くなりすぎて干渉色による着色(テンパーカラー)を生じる。一方、露点が−70℃を下回る場合にはSiが還元されやすくなるためにSiO2を主体とする酸化皮膜が形成され難くなるとともに、皮膜中にAlが濃化しやすくなる。また、温度Tが800℃未満或いは950℃を超える場合にも、Siが酸化皮膜中に十分に濃化せず、SiO2を主体とする酸化皮膜が形成されない。
Nb,Tiを0.1質量%を超えて添加したステンレス鋼の場合には、上記適正条件範囲外で焼鈍すると、酸化皮膜中にNb,Tiが濃化しやすく、親水性に優れる酸化皮膜の形成を妨げる。
これらの条件は、各種予備実験を繰り返すことにより、実験的に確認したものである。
なお、本発明におけるステンレス鋼板には、一般的なステンレス鋼の分類による、オーステナイト系,フェライト系,マルテンサイト系,フェライト+マルテンサイト系,あるいはオーステナイト+フェライト系などのいずれの鋼種を適用してもよい。
表1に示すフェライト系ステンレス鋼を常法にて溶製し、鍛造及び熱間圧延により板厚3mmの熱延鋼帯にした。これに焼鈍と酸洗を施し、引き続き仕上冷延を施して板厚0.8mmとした後、表2に示す種々の条件による仕上光輝焼鈍を施した。各仕上光輝焼鈍板から切り板サンプルを採取した。
各サンプルについて、X線光電子分光法により酸化皮膜最表面での各元素ピークの積分強度から元素比率を求めた。
さらに、各サンプルについて、静滴法によりイオン交換水0.1mlの液滴との接触角を測定し、接触角が50度以下の場合を親水性が優れるものとして評価した。
Figure 2007119856
各サンプルの光輝焼鈍条件,酸化皮膜組成並びに接触角を表2に示す。
本発明例である試験No.1〜8では、Si比率の高い適正な酸化皮膜が形成されており、接触角が50度以下となって優れた親水性を示していた。
これに対して、比較例の試験No.9〜11では、光輝焼鈍の温度,湿度の条件が本発明範囲外であるために、酸化皮膜中におけるSi比率が低く、接触角が50度を超えるようになっている。また、比較例の試験No.12では、原板のAl含有量が本発明範囲を超えているため、光輝焼鈍後の酸化皮膜中のAl比率が高くなり、接触角が50度を超えるようになっている。さらに、比較例の試験No.13では、原板のSi含有量が本発明範囲を下回っているため、光輝焼鈍後の酸化皮膜中のSi比率が低くなり、接触角が50度を超えるようになっている。
このように、適正成分を有するステンレス鋼板を仕上光輝焼鈍する際に、鋼板表面に生成した酸化皮膜の組成を適正な範囲内に調整すると、親水性に優れたステンレス鋼板が得られることがわかる。
Figure 2007119856

Claims (4)

  1. C:1.0質量%以下,Si:0.20〜5.0質量%,Mn:2.0質量%以下,Ni:15.0質量%以下,Cr:10.0〜30.0質量%,Al:0.01質量%以下,Nb+Ti:0.10質量%未満(0を含む)を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、仕上光輝焼鈍により表面に形成された皮膜が、当該皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr及びMnの元素の総和に対してSi:40原子%以上,Al:10原子%以下であることを特徴とする親水性ステンレス鋼板。
  2. C:1.0質量%以下,Si:0.20〜5.0質量%,Mn:2.0質量%以下,Ni:15.0質量%以下,Cr:10.0〜30.0質量%,Al:0.01質量%以下,Nb+Ti:0.10〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、仕上光輝焼鈍により表面に形成された皮膜が、当該皮膜を構成するSi,Al,Fe,Cr,Mn,Nb及びTiの元素の総和に対してSi:40原子%以上,Al:10原子%以下,Nb+Ti:10原子%以下であることを特徴とする親水性ステンレス鋼板。
  3. さらに、Cu,Mo及びNのうちのいずれか一種又は二種以上を合計で5.0質量%以下を含むものである請求項1又は2に記載の親水性ステンレス鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成を有する冷延鋼板を、水素比率70体積%以上の水素−窒素混合ガス雰囲気にて、露点:−70〜−50℃、温度:800〜950℃の条件で仕上光輝焼鈍することを特徴とする親水性ステンレス鋼板の製造方法。
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