JP2007117273A - 気管内痰の吸引装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】患者の気管内に、吸引カテーテルと、痰が収集される収集容器と、負圧力を発生するポンプ手段と前記収集容器がホースを介して連通し、前記吸引カテーテルと前記ポンプ手段が前記収集容器を介して連通する気管内痰の吸引装置であって、さらに気管カニューレとを備えたものは、痰吸引器として吸引流量が低量のシリンジポンプ方式を採用し、シリンジ式ポンプの吸気弁と排気弁の開放圧力を20kpa以上にし、吸引路の一部に絞り部を設け吸引路の圧力幅を常時計測する。
【選択図】図1
Description
痰の処置方法の汎用例としては、まず介護者が気管カニューレからアダプタ部を外し、
気管カニューレの開口部に吸引カテーテルを挿入して痰を吸引する方法が知られている。しかしながら、気管内痰の吸引は1〜2時間おきに必要で、この方法では介護者に昼夜を問わぬ労働を強いること及び気管閉塞等の事故を起こすことの危険性が大きく、本人や介護者への負担が大きかった。
その結果、人工呼吸器による患者の呼吸の確保と、痰吸引器(気管内痰の吸引装置)による気管内の痰の吸い出しとを行うことができる。人工呼吸吸引両用アダプタを用いることにより、それまでの痰処置法であった、呼吸管のアダプタを介護者が外して人工呼吸を短時間休止し、その合間に吸引カテーテルにより痰を吸い取るという手間が省ける。
(非特許文献1 在宅人工呼吸マニュアル 発行 日本在宅医療福祉協会・在宅医療部会 発行者 保志順一。 非特許文献2 NEW人工呼吸器ケアマニュアル 出版 学研)
この痰吸引器は、ダイヤフラムにより内部空間が上下に仕切られ、ダイヤフラムが3000回/分程度の往復動することで負圧を発生する装置である。この場合に、吸引流量が10L/分〜40L/分と大きい流量を発生する。
負圧ケーシングは、ダイヤフラムの上下動に応じて上部空間が負圧化する時に排気弁が閉じた状態で吸気弁開き、内部空間を負圧化する。この排気弁と吸気弁は、約2kpa以下で開弁する。
る短尺な管部材である。気管カニューレは、内部通路が1つしかないものでも、複数ある
ものでもよい。また、気管カニューレの気管側の端部の外周囲には、気管と気管カニュー
レとの隙間を塞ぐため、空気の出し入れにより拡縮自在なカフを取り付けてもよい。
正常な痰吸引圧力は、患者個体により適正な圧力をあらかじめ設定したものであり、通常、5〜15Kpaの範囲である。
痰の吸引中、例えば痰により吸引チューブが詰まって吸引圧が痰吸引の正常植より高まった場合には、それを圧力センサが検出し、これに基づいてシリンジ式ポンプの吸引力を高める。その結果、痰吸引中の異常事態を回避し、気管閉塞事故などを自動的に防止することができる。また、圧力センサにより吸引チューブの内圧を検出するようにしたので、痰の有無を確実かつ即座に検出することができるという利点がある。
外筒11の両端は隔壁110と空室111を設け、隔壁110には吸気弁112が設けられ、バネ113により一定圧力がかかると開弁する。なお、吸気弁112は材質を弾性ゴム等の弾性材料にして、バネ113を用いずに一定圧力で開弁してもよい。
空室111の先端にチューブ114を接続して吸気を取り込む吸引路115に接続される。外筒11の両端が上記構造を形成し、吸引路115に接続されている。
ポンプ部10から延出された吸引路115は、分岐管112を介して圧力センサ30と、ホース116を介して収集容器40とに連通されている。
気管カニューレ70は、患者80の気管切開部82を通して気管部81に配置され、気管カニューレ70の基部71は人工呼吸器60から延出された呼吸管61を通して接続アダプタ62で接続され、人工呼吸器60により吸気と排気をしている。
吸引カテーテル52は、気管カニューレ70の内部を貫通し気管部81に配設され、吸引カテーテル52の先端部521は、気管内の痰81aを吸引する位置に配設されている。制御部20は回転手段15と圧力センサ30に回路接続され、回転手段15の回転制御と圧力センサ30の信号を取り込み、設定圧力を超えると回転手段15の回転数を上げ、アラーム信号出力の制御をする。
する装置である。呼吸管61は、人工呼吸器60の送排気口と気管カニューレ70の元部に装着された接続アダプタ62を連通している。呼吸管61の途中には、排気を行う排気弁63が設けられている。
気管カニューレ70は、気管切開手術により患者の気管部81に形成された孔に挿入される賂Jの宇形状に湾曲したプラスチック製の管である。気管カニューレ70の内径は9mmであり、先端は気管内に開口している。
このときに吸気弁112と排気弁123の開放圧が20kpa以上になるようにバネ113とバネ124の弾性力を設定しているために、人工呼吸器60からの吸気が漏洩することはない。
痰の吸引時には、図4に示すように吸引カテーテル52の先部521にある吸引口522で、表面張力により痰の膜が断続的に生じる。この現象は、吸引口522に痰が接触し人工呼吸器60の換気動作で痰81aが流動するときに起きやすい。これら痰81aの膜81bを、従来のダイヤフラム式の痰吸引器によって吸引しようとすると、図5に示すように、その速い吸引流速で痰の膜81bが破れ、吸引カテーテル52の内周壁に飛散し、空気のみを吸引するようになり、低量で連続的に痰吸引することができない。
その際、痰の吸引時に限らず、気管カニューレ70の内部通路と人工呼吸器60とは常に連通しているので、痰の吸引中でも常時呼吸は確保される。また、吸引器1の吸引流量は低量で人工呼吸器60の換気量に影響することもなく、呼吸に悪影響をすることがない。
痰の詰まりやチューブの折れ曲がり等で圧力センサの検出値が高くなる。該吸引圧が上限設定値20kpaを超え、一定時間t1を超えた時に、制御部20に電気的に接続されたアラーム手段により、警報音とナースコール信号とを発する。ここで、一定時間t1は患者個体により異なるが、呼吸停止による危険な時間を超えない時間であればよいが、15〜40S、好ましくは20〜30Sである。
10 ポンプ部
15 回転手段
115 吸引路、
116 ホース
112 分岐
20 制御器
30 圧力センサ
40 収集容器
401 収集口
50 吸引チューブ
51 絞り弁
52 吸引カテーテル
521 先部
522 吸引口
60 人工呼吸器
61 呼吸管
62 アダプタ
63 呼気弁
70 吸引カテーテル
71 基部
80 患者
81 気管部
81a 痰
81b 膜
82 気管切開部
Claims (4)
- 患者の気管内に先端部が留置され痰を吸引する吸引カテーテルと、
吸引した痰が収集される収集容器と、
前記吸引カテーテルが吸引チューブを介して連通し、負圧力を発生するポンプ手段と、
前記収集容器がホースを介して連通し、前記吸引カテーテルと前記ポンプ手段が前記収集容器を介して連通する気管内痰の吸引装置であって、
前記収集容器から配した吸引チューブと吸引カテーテルの間に流路の開口面積を調節する絞り部を設けたことを特徴とする気管内痰の吸引装置。 - 請求項1に記載の気管内痰の吸引装置において、ポンプ手段と収集容器の流路に分岐管を設けて圧力センサに連通し、該圧力センサにより吸引路の内圧を計測し、前記圧力センサの計測値が設定値を超えたときに、前記ポンプ手段の吸引量を増加する制御手段を設けたことを特徴とする気管内痰の吸引装置。
- 請求項1または請求項2に記載の気管内痰の吸引装置において、上記圧力センサによる計測値が、正常な痰吸引圧力から一定幅で超えかつ一定時間超えたとき、または、一定幅で下回りかつ一定時間超えたときに、アラーム信号を発生する制御手段を設けたことを特徴とする気管内痰の吸引装置。
- 人工呼吸システムに利用される、外部の人工呼吸器から延出された呼吸管に連通される、患者の気管に挿入される気管カニューレをさらに具えた気管内痰の吸引装置であって、
前記ポンプ手段は、シリンジ構造でシリンジ外筒とシリング外筒内を往復動する隔壁とからなり、シリンジ外筒に吸気弁を設け、隔壁に排気弁を設け、前記吸気弁と前記排気弁が、負圧力20kpa以上で開弁するポンプ手段であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の気管内痰の吸引装置。
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