JP2007111840A - 切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被加工物の表面に切削屑が付着することをより確実に防止することが可能な切削装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る切削装置10は,切削ブレード22と,切削ブレード22および被加工物12の加工点に切削液を供給する切削液供給手段30と,切削ブレード22の外周を覆うように配設されたブレードカバー26とを備え,切削ブレード22のスピンドル24軸方向両側に切削ブレード22を挟むようにして対向配置され,切削ブレード22の両側から被加工物12の表面における加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体を噴射する切削屑制御手段40をさらに備え,切削屑制御手段40は,液体の噴射により,被加工物12の切削により生じた切削屑がスピンドル24軸方向に飛散しないように切削ブレード22の両側に切削方向に沿った液体の壁を形成するとともに,噴射された液体の流れにより切削屑を被加工物12の表面から離隔させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は,切削装置に関し,特に,被加工物の表面に切削屑が付着することを防止可能な切削装置に関する。
例えば,半導体デバイス製造工程においては,略円板形状である半導体ウェハなどの被加工物の表面に格子状に形成されたストリート(切断ライン)によって区画された複数の領域にIC,LSI等の回路を形成し,該回路が形成された各領域をストリートに沿って分割することにより半導体チップを製造している。このようにして製造された半導体チップは,パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
このような半導体ウェハなどの被加工物を分割する分割装置としては一般にダイシング装置としての切削装置が用いられている。この切削装置は,一般にダイヤモンド砥粒からなる切削砥石部を有する切削ブレードを回転しつつ,ストリートに沿って相対的に切削送りさせることにより切削する。
ところが,かかる切削装置では,切削ブレードを高速回転させて被加工物を切削加工する際に,切削ブレードと被加工物との間に生じる摩擦熱が,切削ブレードの磨耗や破損を早め,被加工物の切削溝におけるチッピング発生などの要因となる。このため,切削ブレードや加工点に対して切削液(切削水等)を供給して,冷却する方法が採用されている。
加工点に供給された切削液は,切削加工によって生じた切削屑と共に,排液となって被加工物の表面上に流出するので,当該切削屑が被加工物の表面に付着してしまうおそれがある。特に,被加工物がCCD(Charge Couple Device)やC−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子である場合には,当該被加工物に対する切削屑の付着力が強い。このため,上記切削屑が当該被加工物の表面に付着してしまうと,自然に剥離しないばかりでなく,上記切削加工後の洗浄工程(スピンナー洗浄等)においても当該付着した切削屑を容易に剥離することができない,という問題があった。
かかる理由から,切削ブレードの回転によって切削液が飛散する側に,切削屑を含む切削液の排液を被加工物の表面から分離して排出する排出ガイド部材を設けて,被加工物の表面に切削屑が付着することを防止する切削装置が提案されている(例えば,特許文献1を参照)。
特開平4−74607号公報 実開平5−41144号公報
しかしながら,上記特許文献1に記載の発明では,切削ブレードの回転によって切削液の排液が飛散する側,すなわち,切削ブレードの加工点における回転方向側については,被加工物の表面に切削屑が付着することを防止していると言えるものの,切削ブレードの両側面側に流出する切削屑を含む排液については考慮されていない。
確かに,切削ブレードの加工点における回転方向側に切削屑が最も飛散すると考えられるが,この方向側だけにすべての切削屑が飛散するわけでないので,切削ブレードの両側面側に流出する切削屑を含む排液によって,被加工物の表面に切削屑が付着してしまうという問題があった。
また,一般に,切削装置では,切削ブレードによって被加工物を賽の目状に切削する場合に,第1の方向の切削ライン(第1切削ライン)をすべて切削した後に,第1の方向と直交する第2の方向の切削ライン(第2切削ライン)をすべて切削するという手順で行なっている。しかし,第1切削ラインを切削した後に,直交する第2切削ラインを切削する際に,第1切削ラインの切削によって,すでに溝が形成されている第1の方向の切削溝が,切削ブレードの正面側と背面側の方向に延びているので,切削屑が切削ブレードの両側面側に流出してしまうと,流出した切削屑が上記第1の方向の切削溝に堆積しやすくなる。その結果,さらに切削屑が除去し難くなるという問題もあった。
さらに,このように切削装置によって分割された半導体チップに切削屑が付着したまま次の工程に移動させると,その切削屑が製品の回路上に落下して,製品不良を引き起こす原因となっていた。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,被加工物の表面に切削屑が付着することをより確実に防止することが可能な,新規かつ改良された切削装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,スピンドルの先端部に装着され,被加工物を切削する切削ブレードと,切削ブレードおよび被加工物の加工点に切削液を供給する切削液供給手段と,切削ブレードの外周を覆うように配設されたブレードカバーと,を備えた切削装置が提供される。
上記切削装置は,切削ブレードのスピンドル軸方向両側に切削ブレードを挟むようにして対向配置され,切削ブレードの両側から被加工物の表面における加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体を噴射する切削屑制御手段をさらに備え,切削屑制御手段は,上記液体の噴射により,被加工物の切削により生じた切削屑がスピンドル軸方向に飛散しないように切削ブレードの両側に切削方向に沿った液体の壁を形成するとともに,噴射された液体の流れにより,切削屑を被加工物の表面から離隔させることを特徴とする。
このように,切削屑制御手段から切削ブレードの両側から被加工物の表面における加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体を噴射して液体の壁を形成することによって,切削屑を含む排液が切削ブレードの正面側の方向および背面側の方向へ流出することを防止することができる。また,切削屑制御手段から噴射された液体の流れにより,切削屑を被加工物の表面から離隔させることで,排液に含まれる切削屑の大部分を切削屑排出手段に導いて排出することができる。したがって,被加工物の表面に切削屑が付着することをより確実に防止でき,その結果,製品不良の発生を防止することができる。
また,上記一対の切削屑制御手段は,被加工物の表面および切削ブレードに対して平行に延設され,液体が噴射される液体噴射口を有するノズルであり,上記液体噴射口から噴射された液体の進行方向と被加工物の表面に対する垂線とのなす角が23度より大きく72度より小さくなり,噴射された液体が被加工物の加工点から1.0mmより大きく5.5mmより小さい距離だけ離隔した位置で被加工物の表面に衝突するように,上記液体噴射口が設けられることが好ましい。
このように切削屑制御手段を構成することにより,より好適に,切削屑を含む排液が切削ブレードの正面側の方向および背面側の方向へ流出することを防止したり,切削屑制御手段から噴射された液体の流れにより,切削屑を被加工物の表面から離隔させることができる。
また,上記液体噴射口は,被加工物の表面および切削ブレードに対して平行な方向に延びる連続した直線状のスリットであることが好ましい。
このスリットは,例えば0.1〜2.0mmの幅を有する切削方向に略平行な直線状のスリットであり,連続した直線となっていることが好ましい。断続的なスリットや,縦方向に複数のスリットを形成すると,切削方向における液体供給が不均一となるため,切削屑を除去する効果が低下してしまうためである。
また,上記ブレードカバーの被加工物の加工点における切削ブレードの回転方向側に取り付けられ,切削屑制御手段を支持する支持部材をさらに備え,支持部材の内部には,切削屑制御手段により被加工物の表面から離隔された切削屑が排出されるように案内する排出ガイド部を有する切削屑排出手段が設けられ,切削屑を含む排液は,被加工物の表面に付着する前に,切削ブレードの回転に起因して排液が飛散する力によって,排出ガイド部から排出されるように構成してもよい。
これにより,切削屑を含んだ排液は,切削ブレードの回転によって切削液が飛散する側にある支持部材と一体構成された切削屑排出手段に導かれて,切削屑を含む排液を被加工物の表面から容易に除去することができる。特に,1チャンネルを切削した後に,2チャンネルを切削する場合に,加工点から発生した切削屑が,1チャンネルの切削溝に沿って広がらずに,切削屑排出手段に導かれて,支持部材の外部に排出されるため,切削屑が被加工物の表面に付着することをより確実に防止することができる。
また,上記支持部材には,切削ブレードの外周を囲むように形成された排出側溝部を有する切削屑除去手段がさらに設けられ,排出側溝部には,切削ブレードの外周の両側面に対して切削液を噴射する排出側噴射口が配設されてもよい。
このようにして切削ブレードの外周部に切削液を供給することによって,切削時に切削ブレードの外周上に存在する切削屑を含んだ切削液の回流を,切削ブレードに近接した位置から回流に対して切削液を直接噴射させて回流の流れを遮断させることができる。また,排出側噴射口から切削液が切削ブレードの正面と背面の回流に当たることによって渦流が発生し,切削液に含まれる切削屑が排出側噴射口のある溝部に衝突しやすい状態となるので,切削屑の除去を促すこととなる。さらに,排出側噴射口から供給された切削液により,排出側溝部の壁面と切削ブレードとから形成される狭い空間が満たされりことになるため,この空間内に満たされた切削液によって回流が妨げられ,一層回流の遮断効果が高まる。
また,上記切削屑制御手段と上記切削屑除去手段とは,支持部材に一体的に取り付けられていてもよい。
このように,切削屑制御手段が取り付けられた支持部材を改良し,切削屑除去手段を一体的に取り付けることにより,切削屑除去手段を設けるための余分なスペースをほとんど必要としないため,切削ブレードカバーの大きさを変えずにすむ。
また,上記切削屑除去手段は,支持部材の内部に形成された排出経路をさらに有し,この排出経路は,切削屑制御手段の液体噴射口から噴射された液体および切削屑除去手段の排出側噴射口から噴射された切削液を外部に排出するように構成してもよい。
かかる排出経路は,支持部材の内部に形成された複数の隔壁と,排出ガイド部とで区切られた空間として構成されている。このように,支持部材の内部に上記隔壁が設けられていることにより,支持部材の内部に流入した切削液を受け止めて,周囲に切削屑を含んだ切削液を拡散しないようにさせることができる。
また,上記切削液供給手段は,上記ブレードカバーの被加工物の加工点における切削ブレードの回転方向と反対側に設けられ,切削ブレードの外周を囲むように形成された供給側溝部内に切削液を供給し,供給側溝部に供給された切削液が切削ブレードの回転力によって供給側溝部から加工点を含む範囲に向けて排出されるように供給側溝部が形成されていてもよい。
このとき,上記供給側溝部は,切削ブレードの径よりも大きな同心円の円弧状に形成される第1供給側溝部と,第1供給側溝部の切削ブレードの回転方向側に連続して形成される第2供給側溝部とからなり,第2供給側溝部は,該第2供給側溝部から排出された切削液が加工点を含む範囲に向けて供給されるように,第2供給側溝部が,第1供給側溝部とは異なる中心を有する円弧状,または,被加工物の加工面に対して所定の角度を有する直線状に形成されるようにしてもよい。
このように,切削液供給部材に形成された溝部の形状を上述したように工夫することにより,被加工物の厚さや切削ブレードの回転速度に影響を受けることなく,被加工物の加工点に確実に切削液を供給することができる。したがって,加工点における温度上昇を抑制し,切削溝の縁部で発生するクラックやチッピングの大きさを抑えることができるので,切削ブレードによる切削品質を向上させることができる。また,被加工物の切削を行ない易くなるので,切削速度(切削ブレードを進行させる送り速度)も速めることができ,製品の生産性を向上させることができる。
また,上記供給側溝部には,切削ブレードの外周の両側面に対して切削液を噴射する複数の供給側噴射口が配設され,この複数の供給側噴射口は,加工点に近いほど切削液の噴射量が多くなるように配設されることが好ましい。
このように,加工点に近い噴射口ほど流量を多くして大量の切削液を噴射することにより,加工点に対して効率的に切削液を供給することができる。具体的には,例えば,供給側噴射口に切削液を供給する切削液供給経路を,複数の供給側噴射口を下方から上方へと連通するように配設して,切削液が下方から上方へ流れるようにすることなどにより,加工点に近い供給側噴射口ほど流量を多くすることができる。
本発明によれば,切削屑を含む排液が切削ブレードの両側面側に流出することを防止し,当該排液に含まれる切削屑の大部分を切削屑排出手段に導いて排出することが可能な切削装置を提供することができる。したがって,被加工物の表面に切削屑が付着することをより確実に防止でき,その結果,製品不良の発生を防止することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態に係る切削装置の一例であるダイシング装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態に係るダイシング装置10の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように,ダイシング装置10は,例えば,被加工物12を保持する保持手段の一例であるチャックテーブル15と,被加工物12を切削加工する切削手段である切削ユニット20と,切削ユニット移動機構(図示せず)と,チャックテーブル移動機構(図示せず)とを主に備える。
被加工物12は,例えば,CCDやC−MOS等の撮像素子が複数形成された基板や,複数の半導体回路が形成された半導体ウェハなどである。この被加工物12は,例えば,ウェハテープ13を介してフレーム14に支持された状態で,チャックテーブル15上に載置される。
チェックテーブル15は,例えば,その上面が略平坦な円盤状のテーブルであり,その上面に真空チャック(図示せず)を備えている。チャックテーブル15は,この真空チャック上に載置された被加工物12を真空吸着して安定的に保持する。
切削ユニット20は,スピンドルの先端部に装着された切削ブレード22を備えている。この切削ユニット20は,スピンドルにより切削ブレード22を高速回転させながら被加工物12に切り込ませることにより,被加工物12を切削して極薄のカーフ(切溝)を形成する。
切削ユニット移動機構は,切削ユニット20をY軸方向に移動させる。このY軸方向は,切削方向(X軸方向)に対して直行する水平方向であり,切削ユニット20内に延設されたスピンドルの軸方向と一致する。切削ユニット20をY軸方向に移動させることにより,切削ブレード22の刃先を被加工物12の切削位置(切削ライン)に位置合わせすることができる。さらに,この切削ユニット移動機構は,切削ユニット20をZ軸方向(垂直方向)にも移動させる。これにより,被加工物12に対する切削ブレード22の切り込み深さを調整することができる。
チャックテーブル移動機構は,切削加工時に,被加工物12を保持したチャックテーブル15を切削方向(X軸方向)に往復移動させて,被加工物12に対し切削ブレード22の刃先を直線的な軌跡で作用させる。
かかる構成のダイシング装置10は,高速回転する切削ブレード22を被加工物12に切り込ませながら,切削ユニット20とチャックテーブル15とを相対移動させることにより,被加工物12の格子状に配置された複数の切削ライン(ストリート)を切削する。これにより,被加工物12をダイシング加工して,複数のチップに分割することができる。
次に,図2に基づいて,本実施形態に係る切削ユニット20の構成について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態に係る切削ユニット20を示す正面図である。
図2に示すように,切削ユニット20は,例えば,被加工物12を切削する切削ブレード22と,切削ユニット22が装着されるスピンドル24と,切削ブレード22の外周を覆うように配設されるブレードカバー26と,切削ブレード22および加工点に切削液を供給する切削液供給部材30と,切削ブレード22の両側に切削ブレード22を挟むようにして対向配置される切削屑制御ノズル40と,ブレードカバー26に取り付けられ,切削屑制御ノズル40を支持する支持部材50と,支持部材50に連結された排出部材60と,排出部材60に連結された排出補助部材62と,を主に備える。
切削ブレード22は,例えば,ダイヤモンド等の砥粒をボンド剤で結合して形成された極薄の切削砥石を有し,例えば,図示しない固定手段(ボルトまたはナット等)により,スピンドル24の先端部に装着される。本実施形態では,この切削ブレード22は,例えば,ブレード外周部に配されるリング形状の切削砥石部と,当該切削砥石部を支持する基台部とが一体構成されたハブブレードで構成されている。しかし,かかる例に限定されず,切削ブレードとして,リング形状の切削砥石である所謂ワッシャーブレードを用いて,その両側をフランジで挟持することにより,スピンドル24に軸着する構成であってもよい。
また,スピンドル24は,例えば,モータ(図示せず)の回転駆動力を切削ブレード22に伝達するための回転軸であり,装着された切削ブレード22を例えば30,000rpmで高速回転させることができる。このスピンドルの大部分は,スピンドル24を回転可能に支持するスピンドルハウジング(図示せず)に覆われているが,その先端部は,スピンドルハウジングから露出しており,かかる先端部に上記切削ブレード22等が装着される。なお,このスピンドル24は,切削方向(X軸方向)に対して直行するY軸方向に延設されている。
ブレードカバー26は,切削ブレード22の外周を覆うようにして配設され,スピンドルハウジングの先端部に固定される。このブレードカバー26は,切削ブレード22を保護するとともに,切削加工に伴う切削液や切削屑,破損した切削ブレード22の破片などが,切削ユニット20外部に飛散することを防止する。このブレードカバー28には,支持部材40が取り付けられる。
切削液供給部材30は,ブレードカバー26の加工点における切削ブレード22の回転方向に対して反対側,すなわち,X軸正方向側に設けられ,切削ブレード22の回転力を利用して切削液を被加工物12の加工点に供給するための部材である。
本実施形態においては,切削ブレード22による被加工物12の加工点に切削液を供給する手段として,上記加工点付近で切削ブレード22の正面側と背面側とから切削液を供給する一対の切削液供給ノズルではなく,切削ブレード22を覆うブレードカバー26に,被加工物12の加工点から見た場合に切削ブレード22の回転方向と反対側,すなわち,X軸正方向側に,切削液供給部材30が設けられる。なお,切削ブレード22の正面とは,切削ブレード22の側面のうち,スピンドル24の軸方向先端側(Y軸正方向側)の側面であり,一方,切削ブレード22の背面とは,スピンドル24の軸方向奥側(Y軸負方向側)の側面である。
なお,本発明に係る切削ユニットにおいては,切削ブレード22による被加工物12の加工点に切削液を供給する手段として,本実施形態に係る切削液供給手段ではなく,従来からあるような,加工点付近で切削ブレード22の正面側と背面側とから切削液を供給する一対の切削液供給ノズルを設けてもよい。
切削屑制御ノズル40は,切削ブレード22の両側から被加工物12の表面12aにおける加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体(例えば,純水等)を噴射する切削屑制御手段の一例である。切削屑制御ノズル40は,図2に示すように,例えば,切削ブレード22の下部に隣接して略水平に配設される直線状のノズルである。この切削屑制御ノズル40は,切削ブレード22の両側面側(正面側と背面側)に,切削ブレード22を挟むようにして対向配置される。各切削屑制御ノズル40は,例えば,切削ブレード22と対向する側に被加工物12の表面12aおよび切削ブレード22に対して平行な方向に延びる直線状のスリットである液体噴射口(図示せず)を備えており,この液体噴射口から,被加工物12の表面12aにおける加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体を噴射する。なお,切削屑制御ノズル40は,本実施形態に係る切削ユニット20の特徴的構成要素であり,詳細については後述する。
支持部材50は,上記切削屑制御ノズル40を支持する支持部材であり,切削ブレード22の回転に起因して切削液が飛散する側(すなわち,加工点における切削ブレード22の回転方向側,図2の例では切削ブレード22の左側)に,切削ブレード22の外周と対向するように配置される。
支持部材50の下部の切削ブレード22側には,上記一対の切削屑制御ノズル40が取り付けられており,支持部材50は,この一対の切削屑制御ノズル40を支持する。また,支持部材50の上部には,図示しない液体供給源(例えば,工場設備の水道設備など)と接続された2つの液体供給口48が設けられている。さらに,支持部材50の内部には,この2つの液体供給口48と上記一対の切削屑制御ノズル40とをそれぞれ連通させる例えばL字形の液体供給路42が形成されている。かかる構成により,各液体供給口48から流入した液体は,各液体供給路42を流れて各切削屑制御ノズル40に供給されて,各切削屑制御ノズル40の液体噴射口から,被加工物12の表面12aにおける加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体が噴射されるようになる。
また,本実施形態に係る支持部材50には,切削時に切削ブレードの外周部に付着した切削屑を除去するための切削屑除去手段(詳細は後述)や,切削加工に使用された切削液の排液に含まれる切削屑の排出をガイドする排出ガイド部72を有する切削屑排出手段が設けられている。
本実施形態に係る切削屑排出手段は,支持部材50をX軸方向に貫通するように支持部材50内に貫通形成された排液排出口70として構成されている。排液排出口70は,加工点における切削ブレード22の回転方向の背後であって,切削ブレード22の回転力により切削液の排液が飛散しやすい箇所に形成されている。かかる排液排出口70の切削ブレード22側は切削液の排液の入口となり,一方,排液排出口70の切削ブレード22と反対側は,当該排液の出口となり,上記排出部材60と連通している。
より詳細には,このような排液排出口70の下面は,排出ガイド部72となっており,この排液排出口70の切削ブレード22側の下端部は,排液排出口74となっている。
排出ガイド部72は,例えば,切削ブレード22に向かって下るように傾斜した傾斜ガイド面である。この排出ガイド部72は,上記排液の排出をガイドして,排出部材60内に流出させる。また,排液排出口74は,上記排出ガイド部72の切削ブレード22側の先端(即ち,排出ガイド部72と支持部材50の底面との接合部)に配置された断面が鋭角状の部分である。この排液排出口74は,切削ブレード22の回転に起因して排液が飛散する側に,切削ブレード22及び被加工物12に隣接して位置づけられる。この排液排出口74は,加工点近傍の被加工物12の表面12a上にある排液をすくいあげて排出ガイド部72に導く。
このような排出ガイド部72と排液排出口74は,上記切削ブレード22の回転により排液が飛散する力を利用して,被加工物12の表面12a上にある排液を直ちに被加工物12の表面12aから排出させる。
また,排出部材60は,支持部材50に取り付けられた管状の部材である。また,排出補助部材62は,この排出部材60に着脱自在に係合する管状の部材である。この排出部材60及び排出補助部材62は,図10に示すように,上記支持部材50の排液排出口70から流入した排液Dを,被加工物12に接触させないように外部に排出する排出経路として機能する。この排出補助部材62のX軸方向の長さは,被加工物12の切削時に切削ブレード22がX軸方向のどのような位置にあっても,排出される排液Dが被加工物12に接触しないような長さに調整されている。
次に,図2,図3および図4に基づいて,本実施形態に係る切削ユニット20の特徴的構成要素である切削屑制御ノズル40の構成について詳細に説明する。なお,図3は,本実施形態に係る切削屑制御ノズル40を示す正面図(a)および背面図(b)であり,図4は,本実施形態に係る切削屑制御ノズル40を示すYZ平面で切断した断面図である。
上述したように,切削屑制御ノズル40は,切削ブレード22の両側から被加工物12の表面12aにおける加工点から所定距離dだけ離隔した位置Wに向けて液体を噴射する切削屑制御手段の一例であり,切削ブレード22の両側面側(正面側と背面側)に,切削ブレード22を挟むようにして対向配置される。この切削屑制御ノズル40は,その内部に外部の液体供給源(図示せず)から供給される液体が通る液体供給路42が設けられている。また,切削屑制御ノズル40は,例えば,切削ブレード22と対向する側に被加工物12の表面12aおよび切削ブレード22に対して平行な方向に延びる直線状のスリットである液体噴射口44を備えている。切削屑制御ノズル40は,この液体噴射口44から噴射された液体の進行方向(図4の破線で示した方向)と被加工物12の表面12aに対する垂線(図4の一点鎖線で示した線)とのなす角がθとなるように,液体噴射口44から,被加工物12の表面12aにおける加工点から所定距離dだけ離隔した位置Wに向けて,液体を噴射する。
このように,本実施形態においては,切削ブレード22の正面側と背面側とから液体を供給する一対の切削屑制御ノズル40を,これまでのように加工点に切削液を供給する手段として使用するのではなく,被加工物12の切削加工によって発生した切削屑が,切削液(排液)に含まれた状態で切削ブレード22の両側(正面側および背面側)の方向に流出しないようにするために,加工点から所定距離離れた位置に液体の壁を形成させる切削屑制御手段として使用する。すなわち,本実施形態に係る切削屑制御ノズル40は,排液の流れを抑制する手段であるとともに,加工点付近の切削屑を被加工物の表面から浮き上がった状態にすることができる部材である。
すなわち,本実施形態に係る一対の切削屑制御ノズル40は,これまでのように液体噴射口44の出口を切削ブレード22と被加工物12が接触する加工点に向けるのではなく,加工点から切削ブレード22の正面側方向と背面側方向に所定距離dだけ離れた被加工物12の表面12a上に向ける。
具体的には,一対の切削屑制御ノズル40は,被加工物12の表面12aおよび切削ブレード22に対して略並行に配置され,被加工物12の表面12aから,それぞれ2〜20mmの高さに位置するように配置される。また,液体を噴射する液体噴射口44は,該液体噴射口44から噴射された液体の進行方向と被加工物12の表面12aに対する垂線とのなす角θが23度より大きく72度より小さい角度となり,かつ,液体噴射口44から噴射された液体が,被加工物12の加工点から1.0mmより大きく5.5mmより小さい距離だけ離れた位置Wで被加工物12の表面12aに衝突するように,切削ブレード22に向かってそれぞれ設けられる。
また,液体噴射口44は,被加工物12の表面および切削ブレード22に対して平行な方向に延びる直線状のスリットとして形成されている。このスリットは,例えば0.1〜2.0mmの幅を有する切削方向に略平行な直線状のスリットであり,連続した直線となっていることが好ましい。断続的なスリットや,縦方向に複数のスリットを形成すると,切削方向における液体供給が不均一となるため,切削屑を除去する効果が低下してしまうためである。
このように液体噴射口44を配置することによって,被加工物12の切削によって生じた切削屑を含む切削液(排液)が切削ブレード22の正面側の方向と背面側の方向に流出することを抑制することができるとともに,液体噴射口44から噴射された液体の流れにより,切削屑が被加工物12の表面12aから離隔させた状態にすることができる。
以下,図5に基づいて,このような切削屑制御ノズル40の動作等について詳細に説明する。なお,図5(a)は,従来の切削ユニットにおける切削屑の流れを示す説明図であり,図5(b)は,本実施形態に係る切削ユニット20における切削屑の流れを示す説明図である。
図5(a)は,従来の切削ユニットにおいて,切削ブレード22によって第1の方向の切削ライン(第1切削ライン)を切削した後に,第1の方向に直交する第2の方向の切削ライン(第2切削ライン)を切削する場合の切削屑の流れを示している。この場合,第2切削ラインの切削により生じた切削屑は,第2切削ラインの切削により形成された切断溝Gから,被加工物12の上面に浮き上がり,切削液供給ノズル28から噴射された切削液に含まれた排液Dとなる。この切削屑を含む排液Dは,第1切削ラインの切削により形成された切断溝Gに沿って,矢印で示したように,切削ブレード22の正面側の方向および背面側の方向へ流出してしまうため,被加工物12の表面に切削屑が付着することとなる。
一方,図5(b)は,本実施形態に係る切削ユニット20において,切削ブレード22によって第1切削ラインを切削した後に,第1切削ラインに直交する第2切削ラインを切削する場合の切削屑の流れを示している。この場合,切削屑制御手段40の液体噴射口44は,斜め下方(被加工物の表面)に向かって液体を噴射しているので,噴射された液体は,第1切削ラインの切削により形成された切断溝Gの底面に衝突する。また,液体噴射口44は,上述したように,被加工物12の表面および切削ブレード22に対して平行な方向に延びる直線状のスリットとして形成されているので,液体噴射口44から噴射された液体により,切削ブレードの両側に切削方向に沿った液体の壁が形成される。したがって,従来(図5(a))の場合と異なり,切断溝Gからの切削屑を含む排液Dは,上記液体の壁によって,切削ブレード22の正面側の方向および背面側の方向への移動が妨げられるため,上記切断溝Gに沿って切削ブレード22の正面側の方向および背面側の方向へ流出することはない。
また,液体噴射口44から噴射された液体の流れにより,上記切削屑は,図5(b)の矢印で示したように,被加工物12の表面から離隔した位置に移動する。さらに,切削屑制御ノズル40は,切削ブレード22の両側から,被加工物の表面と切削屑との間に絶え間なく液体を供給するため,切削屑をほぼ常に被加工物から離隔した位置に存在させることができる。なお,切削屑制御ノズル40から供給される液体により,上記液体の壁の外側の水面Wの高さよりも,液体の壁の内側の水面Wの高さの方が高くなる。このため,切削屑を被加工物の表面から容易に離隔させることができ,切削屑をより確実に排出することができる。
なお,本実施形態において,切削屑制御ノズル40から供給される液体は,切削液と同じ純水を想定しているが,純水に限られるものではない。
次に,図6および図7に基づいて,支持部材50内に設けられた切削液排出手段を用いた排液Dの排出動作について詳細に説明する。なお,図6は,本実施形態に係る切削ユニット20における排液の排出動作を示す正面図であり,図7は,本実施形態に係る切削ユニット20における排液Dの排出動作を説明するための要部拡大図である。
図6および図7に示すように,切削加工時には,高速回転する切削ブレード22の下端(刃先)を被加工物12に対して切り込ませながら,上記切削液供給部材30により切削ブレード22の下部及び加工点に向けて切削液が噴射・供給される。そして,この切削液により,切削ブレード22及び加工点が冷却されながら,切削ブレード22により被加工物12が切削されて,切削溝G,Gが形成される。この結果,加工点付近では,切削液供給部材30から供給された切削液に,切削ブレード22による被加工物12の切削により生じた切削屑が混入されて排液Dとなる。この時点では,切削屑は,当該排液D中を浮遊しており,被加工物12の表面12aに付着することはない。なお,排液Dは,上記切削液供給部材30により加工点に供給された切削液や,上記切削屑制御ノズル40により供給された液体に,切削ブレード22による被加工物12の切削加工により生じた切削屑が混入された液体である。
このような切削屑を含む排液Dは,高速回転する切削ブレード22の回転力により,切削ブレード22の回転方向側(図6,7の左側)に移動させられて,当該方向に飛散しようとする。この結果,かかる排液Dが飛散しようとする力によって,当該排液Dは,上記支持部材50の下端部先端にある排液排出口74によって,被加工物12の表面12aからすくい上げられて排液排出口70内に流入し,さらに,排出ガイド部72によりガイドされつつ排出ガイド部72上を上昇し,上記排出部材60内に流入して排出される。
このとき,切削屑制御ノズル40の液体噴射口44からは,切削ブレード22による加工点から所定距離離れた位置に,液体(例えば水)が噴射されている。これにより,切削屑を含む排液Dが,切断溝G1に沿って,切削ブレード22の正面側の方向および背面側の方向へ流出することがない。また,液体噴射口44から噴射された液体の流れにより,切削屑は,被加工物12の表面から離隔した位置に浮上する。また,被加工物12の表面から離隔された切削屑を含む排液Dは,切削ブレード22の回転により生じた液流に乗って,加工点における切削ブレード22の回転方向側(図6,7の左側)へ流され,排液排出口74を通り,排出ガイド部72を上昇して,排出部材60に排出される。
また,上述したように,切削屑制御ノズル40から供給される液体により,上記液体の壁の外側の水面Wの高さよりも,液体の壁の内側の水面Wの高さの方が高くなっており,また,排液Dに含まれる切削屑のほとんどは,液体噴射口44からの液流により,水面Wの表面付近の被加工物12の表面から離隔した位置に存在している。さらに,排液Dを排出するための排液排出口74は,水面Wの高さよりも高く,水面Wの高さよりも低い高さに設けられているので,切削屑のほとんどを含む排液Dを排出ガイド部72を利用して容易に支持部材50の外部に排出することができる。すなわち,切削屑を含む排液Dを,切削ブレード22の回転により生じる液流を利用して,排液排出口74に導くことにより,切削屑制御ノズル40によって被加工物12の表面から離隔した状態で,かつ拡散しないように制御し,排出され易くなった切削屑を被加工物12の表面上から容易に除去することができる。一方,切削屑をほとんど含まない液体の水面Wは,排液排出口74よりも低い位置にあるため,排出ガイド72を介して支持部材50の外部には排出されず,被加工物12の表面に残る。
したがって,切削屑を含んだ排液Dは,切削ブレード22の回転によって切削液が飛散する側にある支持部材50と一体構成された切削屑排出手段に導かれて,切削屑を含む排液Dを被加工物12の表面から容易に除去することができる。特に,1チャンネル(第1切削ライン)を切削した後に,2チャンネル(第2切削ライン)を切削する場合に,1チャンネルの切削溝に沿って加工点から発生した切削屑が,図7の黒塗りの矢印で示したように,切削屑排出手段に導かれて,支持部材50の外部に排出されるため,切削屑が被加工物12の表面に付着することを防止することができる。
以上のようにして,切削屑を含む排液Dは,切削屑が被加工物12の表面12aに付着する前に,被加工物12の表面12aから回収されて,排出ガイド部72から排出部材60及び排出補助部材62を通過して外部に排出される。このとき,排出補助部材62のX軸方向の長さは,上記のように被加工物12よりも十分に長いので,切削加工中に切削ブレード22が,被加工物12上の任意の位置に移動しても,排出補助部材62から排出される排液Dが被加工物12に接触することがない。
ただし,かかる排出補助部材62は,被加工物12の大きさが比較的小さい(例えば2インチ程度)ときには有効であるが,被加工物12の大きさが比較的大きい(例えば8インチ程度以上)になると,排出補助部材62が長くなり過ぎて支持することが困難になり,また,排出補助部材62内に排液Dが停滞して好適に排出されない場合がある。
そこで,このような場合には,上記排出補助部材62に代えて,吸引ポンプ等で構成される吸引手段(図示せず)と,この吸引手段と排出部材60とを連通する管状の連結部材(図示せず)とを設けてもよい。かかる構成により,吸引手段によって連結部材内の排液Dを強制的に吸引して排出することができるので,被加工物12が大きい場合であっても,排液Dを好適に排出できる。また,上記排出補助部材62と連結部材とを交換して排出部材60に接続可能にすることで,同一の支持部材50を用いて,多様な大きさの被加工物12に対応できるようになる。
なお,上述したように,本実施形態においては,切削ブレード22の外周部に付着した切削屑を除去し,被加工物12の表面に付着しないようにするための切削屑除去手段が設けられている。
そこで,図2,図8および図9に基づいて,本実施形態に係る切削屑除去手段について説明する。なお,図8は,本実施形態に係る切削屑除去手段の構成を示す斜視図であり,図9は,本実施形態に係る切削屑除去手段における切削液を含む排液の排出経路59を示す断面斜視図である。
図8および図9に示すように,本実施形態に係る切削液除去手段は,排出側溝部52と,排出側噴射口54と,切削液供給路56と,隔壁58と,排出経路59などとから,構成されている。
排出側溝部52は,支持部材50の切削ブレード22と対向する側(X軸正方向側)に,切削ブレードの外周を囲むように,略V字形状に形成されている。さらに,この排出側溝部52の複数箇所に,切削ブレード22の外周の両側面(正面および背面)に対して切削液を直接当てるように供給する一対の排出側噴射口54a〜54c(以下,まとめて「排出側噴射口54」という場合がある)が配設されている。この一対の排出側噴射口54a〜54cは,図8に示すように,切削ブレード22の外周の正面および背面に対して略垂直方向(Y軸方向)から切削液を噴射できる位置に配置されており,高さ方向に複数配置される(本実施形態では3箇所)。この排出側噴射口54a〜54cの数は特に限定されず,切削条件(例えば,回転数等)によって自由に選択できる。
また,排出側噴射口54が設けられる排出側溝部52の形状は,本実施形態におけるような略V字型には限定されないが,排出側噴射口54から噴射された切削液が切削ブレード22に当たって,排出側溝部52と切削ブレード22との間の空間に切削液が満たされた場合に,略V字型の方が,切削屑が排出側溝部52の壁に衝突して,後述する排出経路(図4参照)から外部に排出されやすい,と考えられる。
また,排出側噴射口54と切削ブレード22との距離が1mm未満であると,排出側噴射口54から噴射されて切削ブレード22に衝突して跳ね返った切削液が排出側噴射口54に戻ってくるため,効果的に切削液を噴射できず,5mm超であると,切削液の水圧が弱くて回流遮断効果が十分ではなくなってしまうと考えられるため,排出側噴射口54と切削ブレード22との距離は,1〜5mmの範囲になるようにすることが好ましい。
また,切削液供給路56は,支持部材50の内部に,一端が排出側噴射口54に連通さ他端が支持部材50の外部に設けられた切削液供給源(図示せず)に連結されるように形成されている。
切削液供給路56は,第1経路562と,第2経路564と,1対の第3経路566と,1対の第4〜第6経路568a〜568cとからなり,第4〜第6経路568a〜568cは,それぞれ,排出側噴射口54a〜54cに連通している。上記切削液供給源から供給された切削液は,図3の矢印で示したように,まず,第1経路562を垂直方向下方に向かって流れた後,第1経路562と第2経路564との接合部で水平方向右方(切削ブレード22側)に向かって流れる。第2経路564を通った切削液の一部は,第4経路568aを通り,排出側噴射口54aから噴射される。また,第4経路568aに向かわなかった残りの切削液は,第3経路566を経由して,第5,第6経路568b,568cを通り,排出側噴射口54b,54cのそれぞれから噴射される。
このように,排出側噴射口54a〜54cから切削液が噴射される際に,下方から上方に向かって切削液を供給することにより,加工点に近い噴射口ほど多い流量を供給して,切削屑を含む回流の流れを効果的に遮断することができる。すなわち,例えば,全体の流量を1.2L/分としたときに,供給側噴射口54a〜54cの流量を,それぞれ,0.5L/分,0.4L/分,0.3L/分とすることが好ましい。
このようにして切削液を供給することによって,切削時に切削ブレード22の外周上に存在する切削屑を含んだ切削液の回流を,切削ブレード22に近接した位置から回流に対して切削液を直接噴射させて回流の流れを遮断させることができる。また,排出側噴射口54から切削液が切削ブレード22の正面と背面の回流に当たることによって渦流が発生し,切削液に含まれる切削屑が排出側噴射口54のあるV字形状の排出側溝部52に衝突しやすい状態となるので,切削屑の除去を促すこととなる。さらに,1対の排出側噴射口54があるエリアを複数設けることによって回流遮断効果をより高めることができる。加えて,供給された切削液は,排出側溝部52の壁面と切削ブレード22とから形成される狭い空間を満たすことになるため,一層回流の遮断効果が高まる。
このように回流の流れを遮断した結果,切削屑を含んだ切削液(排液)は,排出側噴射口54から噴出された切削液によって切削ブレード22に接触した後に,略V字形状の排出側溝部52の壁に接触して,該排出側溝部52溝の上方または下方にある空間に排出される。排出側溝部52から排出された排液は,図9に示すように,支持部材50の内部に形成され,2つの隔壁58,58と,後述する排出ガイド部72とにより区切られた排出経路59を通って支持部材50の外部に排出される。このとき,支持部材50の内部に隔壁58が設けられていることにより,支持部材50の内部に流入した切削液を受け止めて,周囲に切削屑を含んだ排液を拡散しないようにさせることができる。
以上のようにして,切削ブレード22の外周部に付着した切削屑を除去することにより,切削溝の縁部で発生するクラックやチッピングの大きさを抑えることができるので,切削ブレード22による切削品質を向上させることができる。また,被加工物12の切削が行い易くなるので,切削速度(切削ブレード22を進行させる送り速度)もでき,製品の生産性を向上させることができる。
なお,本実施形態においては,切削屑除去手段は,切削屑制御ノズル40を支持する支持部材50と一体的に構成されている。すなわち,支持部材50は,上側に切削屑除去手段が一体構成され,下側に切削屑制御ノズル40が取り付けられた構造となっている。このように,切削屑除去手段は,切削屑制御ノズル40が取り付けられた支持部材50を改良し,支持部材50と一体的に構成されるので,設置スペースを殆んど必要とせず,ブレードカバー26の大きさを変えずにすむ。
また,本実施形態においては,切削ブレード22による被加工物12の加工点に切削液を供給する手段として,従来のような一対の切削液供給ノズル(シリコンノズル)ではなく,切削液供給部材30が設けられている。
そこで,図2,図10および図11に基づいて,本実施形態に係る切削液供給部材30について詳細に説明する。なお,図10は,本実施形態に係る切削液供給部材30の外観および内部の構成を示す斜視図であり,図11は,本実施形態に係る切削供給部材30が被加工物12の加工点Mに切削液を供給する仕組みを示す説明図である。
図2および図10に示すように,基体部32の切削ブレード22と対向する側(X軸正方向側)に,切削ブレード22の外周の一部を囲むように,例えば略V字形状の供給側溝部33が形成されている。また,この溝部33には,切削ブレード22の外周の両側面(正面および背面)に対して切削液を噴射する一対の供給側噴射口34(34a〜34e)が複数箇所(本実施形態では5箇所)形成されている。このように,切削ブレード22の両側面側(正面側および背面側)から切削液を供給するのは,切削ブレード22の回転により生じる気流が外周付近の両側面上で最も強く発生するためであり,切削液を気流によって押し出し易くしている。
また,供給側噴射口34と切削ブレード22との距離が1mm未満であると,供給側噴射口34から噴射されて切削ブレード22に衝突して跳ね返った切削液が供給側噴射口34に戻ってくるため,効果的に切削液を噴射できず,5mm超であると,供給側噴射口34から噴射された切削液が気流によって弾かれてしまうと考えられるため,供給側噴射口34と切削ブレード22との距離は,1〜5mmの範囲になるようにすることが好ましい。
また,基体部32の内部には,一端が供給側噴射口34に連通される切削液供給路36が形成されており,切削液供給路36の他端は,供給孔38aに挿入されたホース連結部38を介して切削液供給部材30の外部に設けられた切削液供給源(図示せず)に連結される。
切削液供給路36は,第1経路362と,第2経路364と,1対の第3経路366と,1対の第4経路368と,1対の第5〜第9経路369a〜369eとからなり,第5〜第9経路369a〜369eは,それぞれ,供給側噴射口34a〜34eに連通している。上記切削液供給源から供給された切削液は,図10の矢印で示したように,まず,第1経路362を垂直方向下方に向かって流れた後,第1経路362と第2経路364との接合部で水平方向左右に分岐し,第3経路366を流れる。第3経路366を通った切削液の一部は,第5経路369aを通り,供給側噴射口34aから噴射される。また,第5経路369aに向かわなかった残りの切削液は,第4経路368を経由して,第6〜第9経路369b〜369eを通り,供給側噴射口34b〜34eのそれぞれから噴射される。
このように,供給側噴射口34から切削液が噴射される際に,下方から上方に向かって切削液を供給することにより,下方側の(加工点Mに近い)噴射口ほど,噴出される切削液の流量を多くすることができる。すなわち,例えば,全体の流量を1.5L/分としたときに,供給側噴射口34a〜34eの流量を,それぞれ,0.5L/分,0.4L/分,0.3L/分,0.2L/分,0.1L/分とすることが好ましい。このように,加工点Mに近い供給側噴射口34ほど流量を多くすることにより,加工点Mに対して効率的に切削液を供給することができる。
一方,供給側溝部33は,溝内部に供給された切削液を気流によって押し出すため,切削液を加速させるという意味においては切削ブレード22の同心円の円弧状の溝を,切削ブレード22の外周を囲むように設ければよい。しかし,供給側溝部33を切削ブレード22の同心円の円弧状の溝とした場合には,供給側溝部33の先端部(加工点に近い側の端部)から送出された切削液は,加工点Mには届かず,被加工物12の表面上に供給されることになる。このような状態で,被加工物12の厚さが厚い(例えば,400μm以上)の場合には,切削液を被加工物12の表面上に供給しても,加工点Mにまで切削液が到達しない。
かかる理由から,本実施形態では,供給側溝部33の先端部から切削液が送出されたときに,切削液が加工点Sに直接的に供給されるように,供給側溝部33の先端部付近での形状を工夫している。
具体的には,例えば,図11に示すように,上記供給側溝部33を,切削ブレード22の径よりも大きな同心円の円弧(PQ)状に形成される第1供給側溝部332と,第1供給側溝部332の切削ブレード22の回転方向側に連続して形成される第2供給側溝部334とからなるように形成する場合,供給側溝部33に供給された切削液が加工点Mを含む範囲に送出されるように,第2供給側溝部334が,第1供給側溝部332とは異なる中心を有する円の円弧(QR)状に形成されるように構成することができる。すなわち,第2供給側溝部334を,第1供給側溝部332とは異なる中心を有する円の円弧状に形成する場合,供給側溝部33の形状は,第2供給側溝部334を構成する円弧QRの端部であるR点における接線Lと,供給側溝部33上面側の先端部であるS点から引いた接線Lに平行な直線Lとが,加工点Mを含むように,円弧の径の大きさや弧の長さが設定される。
また,供給側溝部33は,上記のように,2つの連続した円弧状の第1供給側溝部332と第2供給側溝部334とからなる構成に限らず,3以上の連続した円弧上の溝であってもよく,下側の先端部であるR点における接線と,供給側溝部33上面側の先端部であるS点から引いた上記接線に平行な直線とが,加工点Mを含むように構成されていればよい。
さらに,供給側溝部33の先端部付近の形状は,加工点Mに切削液を直接的に供給できる形状であれば良く,例えば,切削ブレード22と同心円の円弧状の溝に連続して,直線状の溝を形成しても良い。この場合,切削液は直線状の溝の延長方向に送出されることとなるが,この送出された切削液の上面と下面との間に加工点Mが位置するように,直線溝の加工面に対する角度や長さを調整する。
上述したような切削液供給部材30によって,加工点に対して切削液を供給する能力が,従来の3倍以上となることが本発明者らの研究により判明している。したがって,切削液の水量を増やすことなく,加工点における切削ブレードと被加工物に対する冷却効果を高められるとともに,加工点で発生した切削屑を効率よく押し流すことができる。
以下,実施例により本発明をさらに具体的に説明するが,本発明の範囲は下記実施例に限定されるものではない。
<液体噴射口の角度および噴射された液体の衝突位置>
本発明に係る切削屑制御手段の一例としての一対の液体供給ノズルに関しては,被加工物の表面からの高さ,供給する液体量,およびスリットの大きさなどは相対的に決まるもので,その範囲が限定されるものではない。しかし,液体を噴射する液体噴射口の角度と,液体噴射口から噴射された液体の被加工物の表面における衝突位置については,その他の条件が同じであったときに,適正と考えられる範囲が存在する。そこで,以下,図12および図13に基づいて,この液体噴射口の角度および液体噴射口から噴射された液体の被加工物表面における衝突位置の適正な範囲について説明する。
本発明に係る切削屑制御手段による被加工物の表面への切削屑の付着を防止する能力を調査する為,被加工物の表面の切削水圧力分布をシミュレーションにより解析を行った。シミュレーションには3次元衝撃・流体構造解析プログラム(MSC.Dytran)を使用し,構造物のモデル化に使用されるラグランジェ領域には有限要素法を,流体のモデル化に使用されるオイラー領域には有限体積法により解析を行い,時間積分法としては陽解法を用いた。このシミュレーションによる解析結果を基に判明した,従来方式のノズル(いわゆるシリコンノズル)と本発明に係る液体供給ノズルの切削屑付着防止能力の比較結果を図12および図13に示す。
図12は,液体噴射口の角度以外の条件を最適として,切削屑制御手段(液体供給ノズル)の液体噴射口の角度毎にノズル能力を算出したグラフである。噴射角度は,下側垂直のときの角度を0度とし,切削ブレード側に傾斜させたときの角度(液体噴射口から噴射された液体の進行方向と被加工物の表面に対する垂線とのなす角度)を表しており,これを横軸とする。縦軸は,破線で示した方が,排液に含まれる切削屑をノズルから噴射した液体によって排液の表面に浮上させる能力を表しており,実線で示した方が,切削屑を含んだ排液を加工点側に押し出す能力を表している。なお,縦軸は,従来のノズルの能力を1.0としたときの比率でノズルの能力を表している。
図13は,ノズルから噴射された液体が,被加工物の表面と衝突する位置と加工点との距離以外の条件を最適として,噴射された液体が被加工物の表面と衝突する位置と加工点との距離と,ノズル能力とを比較したグラフである。横軸は,噴射された液体が被加工物の表面と衝突する位置と加工点との距離を表している。縦軸は,破線で示した方が,加工点に供給された切削液が切削屑と一緒になって切削ブレードの側面側に広がるときに,切削液が噴射された液体によって形成された液体の壁を突破する確率を表しており,実線で示した方が,切削屑と一緒になって広がったときの切削液の被加工物の表面における接触面積を表している。
図12に示すように,液体噴射口の角度は,破線で示したグラフと実線で示したグラフとがともに従来の切削能力(単に加工点に対してシリコンノズルによって切削液を供給した状態,図12では点線で示してある)を上回っているときが,本発明の有効範囲と考えられることから,上記シミュレーションの結果,23〜72度の角度が好ましいということが判明した。
また,図13に示すように,破線で示したグラフの切削屑が混合された切削液が噴射された液体により形成された液体の壁を突破する確率を従来のシリコンノズルの確率である60%以下とし,かつ,切削液が被加工物の表面に接触する面積を従来のシリコンノズルの接触面積である300mm以下にすれば,切削屑が被加工物の表面に付着するおそれを回避できると考えられるため,上記シミュレーションの結果,1.0〜5.5mmが好ましいということが判明した。
<切削屑の付着量>
次に,従来の切削装置による被加工物(シリコンウェハ)の加工後の切削屑の付着状態と,従来の切削装置に一対の液体供給ノズル(切削屑制御手段)を追加した切削装置による被加工物の加工後の切削屑の付着状態を比較した実験を行った結果について説明する。
切削条件は下記に示す通りに行い,顕微鏡の暗視野により,光点として浮き上がらせて,被加工物の中央部と端部とでそれぞれ写真撮影を行った。
(従来の切削装置)
切削液供給手段から2.3L/minの流量の切削液(純水)を供給し,切削ブレードの回転速度を3000rpm,切削ブレードの送り速度を50mm/secとして,シリコンウェハの切削加工を行った。
(本発明の一実施例に係る切削装置)
従来の切削装置に一対の液体供給ノズル(切削屑制御手段)を取り付けた。一対の液体供給ノズルは,被加工物であるシリコンウェハの表面からそれぞれ2.0mmの高さに位置するように配置され,液体を噴出する液体噴射口を,水平方向から下側に40度の角度で,切削ブレードに向かってそれぞれ設け,シリコンウェハの加工点から2.5mm離れたシリコンウェハの表面に噴射されるように設けた。
以上の実験結果を図14および図15に示した。図14は,従来の切削装置によるシリコンウェハの表面における切削屑の付着状態を示す写真であり,(a)はシリコンウェハ中央部の状態,(b)はシリコンウェハ端部の状態を示している。また,図15は,本発明の一実施例に係る切削装置によるシリコンウェハの表面における切削屑の付着状態を示す写真であり,(a)はシリコンウェハ中央部の状態,(b)はシリコンウェハ端部の状態を示している。
上記実験の結果,図14および図15に示すように,本発明の実施例に係る切削装置によれば,従来の切削装置と比べ,被加工物の表面における切削屑の付着量が約1/10程度に軽減されるということが判明した。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した実施形態では,切削装置としてダイシング装置10の例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,スピンドル24により高速回転する切削ブレード22を用いて被加工物12を切削加工する装置であれば,例えば,ダイシング加工以外の切削加工を行う各種の切削装置であってもよい。
また,上述した実施形態では,切削屑制御手段の液体噴射口44としてスリットを用いたが,このスリットの大きさや,スリットから噴射される角度,およびスリットから噴射される液体の流量は,切削屑を含む排液が切削ブレード22の正面側の方向および背面側の方向へ流出することを防止できるものであれば,上記例に限定されるものではなく,任意に設計変更可能である。
また,上述した実施形態では,切削ブレード22の外周に付着した切削屑を除去するために,切削屑除去手段を設けていたが,必ずしも設ける必要はない。
また,上述した実施形態では,切削ブレード22および加工点Mに切削液を供給する切削液供給手段として切削液供給部材30を使用していたが,これには限られず,例えば,従来からあるような,切削ブレード22の加工点付近両側面側に配設される一対の切削液供給ノズル,所謂シリコンノズルを使用することもできる。この場合,このシリコンノズルと,切削屑制御ノズル40をともに使用する場合には,例えば,シリコンノズルに対して,上下方向または水平方向に並列して切削屑制御ノズル40を配置することができると考えられる。
また,上述した実施形態では,切削ブレード22の外周部に付着した切削屑を除去するための切削屑除去手段が設けられていたが,この切削屑除去手段は必ずしも設けられていなくてもよい。ただし,より確実に被加工物12の表面に切削屑が付着することを防止するためには,切削屑除去手段を設けることが好ましい。
本発明は,切削装置に適用可能であり,特に,被加工物の表面に切削屑が付着することを防止可能な切削装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係るダイシング装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削ユニットの構成を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体供給ノズルを示す図であり,(a)は正面図,(b)は背面図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体供給ノズルを示すYZ平面で切断した断面図である。 (a)は,従来の切削ユニットにおける切削屑の流れを示す説明図であり,(b)は,本発明の第1の実施形態に係る切削ユニットにおける切削屑の流れを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削ユニットにおける排液の排出動作を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削ユニットにおける排液の排出動作を説明するための要部拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削屑除去手段の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削屑除去手段における切削液を含む排液の排出経路を示す断面斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削液供給部材の外観および内部の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る切削供給部材が被加工物の加工点に切削液を供給する仕組みを示す説明図である。 本発明の一実施例に係る切削屑制御手段の液体噴射口の角度毎にノズル能力を算出したグラフである。 噴射された液体が被加工物の表面と衝突する位置と加工点との距離と,ノズル能力とを比較したグラフである。 従来の切削装置によるシリコンウェハの表面における切削屑の付着状態を示す写真であり,(a)はシリコンウェハ中央部の状態,(b)はシリコンウェハ端部の状態を示している。 本発明の一実施例に係る切削装置によるシリコンウェハの表面における切削屑の付着状態を示す写真であり,(a)はシリコンウェハ中央部の状態,(b)はシリコンウェハ端部の状態を示している。
符号の説明
10 ダイシング装置
12 被加工物
15 チャックテーブル
20 切削ユニット
22 切削ブレード
24 スピンドル
26 ブレードカバー
30 切削液供給部材
33 供給側溝部
34 供給側噴射口
40 液体供給ノズル
44 液体噴射口
50 支持部材
52 排出側溝部
54 排出側噴射口
59 排出経路
60 排出部材
72 排出ガイド部
332 第1供給側溝部
334 第2供給側溝部

Claims (10)

  1. スピンドルの先端部に装着され,被加工物を切削する切削ブレードと;前記切削ブレードおよび前記被加工物の加工点に切削液を供給する切削液供給手段と;前記切削ブレードの外周を覆うように配設されたブレードカバーと;を備えた切削装置であって:
    前記切削ブレードの前記スピンドル軸方向両側に前記切削ブレードを挟むようにして対向配置され,前記切削ブレードの両側から前記被加工物の表面における前記加工点から所定距離だけ離隔した位置に向けて液体を噴射する切削屑制御手段をさらに備え,
    前記切削屑制御手段は,前記液体の噴射により,前記被加工物の切削により生じた切削屑が前記スピンドル軸方向に飛散しないように前記切削ブレードの両側に切削方向に沿った液体の壁を形成するとともに,前記噴射された液体の流れにより,前記切削屑を前記被加工物の表面から離隔させることを特徴とする,切削装置。
  2. 前記一対の切削屑制御手段は,前記被加工物の表面および前記切削ブレードに対して平行に延設され,前記液体が噴射される液体噴射口を有するノズルであり,
    前記液体噴射口から噴射された前記液体の進行方向と前記被加工物の表面に対する垂線とのなす角が23度より大きく72度より小さくなり,前記液体が前記被加工物の加工点から1.0mmより大きく5.5mmより小さい距離だけ離隔した位置で前記被加工物の表面に衝突するように,前記液体噴射口が設けられることを特徴とする,請求項1に記載の切削装置。
  3. 前記液体噴射口は,前記被加工物の表面および前記切削ブレードに対して平行な方向に延びる直線状のスリットであることを特徴とする,請求項1または2に記載の切削装置。
  4. 前記ブレードカバーの前記被加工物の加工点における前記切削ブレードの回転方向側に取り付けられ,前記切削屑制御手段を支持する支持部材をさらに備え,
    前記支持部材の内部には,前記切削屑制御手段により前記被加工物の表面から離隔された前記切削屑が排出されるように案内する排出ガイド部を有する切削屑排出手段が設けられ,
    前記切削屑を含む排液は,前記被加工物の表面に付着する前に,前記切削ブレードの回転に起因して前記排液が飛散する力によって,前記排出ガイド部から排出されることを特徴とする,請求項1〜3に記載の切削装置。
  5. 前記支持部材には,前記切削ブレードの外周を囲むように形成された排出側溝部を有する切削屑除去手段がさらに設けられ,
    前記排出側溝部には,前記切削ブレードの外周の両側面に対して切削液を噴射する排出側噴射口が配設されていることを特徴とする,請求項4に記載の切削装置。
  6. 前記切削屑制御手段と前記切削屑除去手段とは,前記支持部材に一体的に取り付けられることを特徴とする,請求項5に記載の切削装置。
  7. 前記切削屑除去手段は,前記支持部材の内部に形成された排出経路をさらに有し,
    前記排出経路は,前記切削屑制御手段の前記液体噴射口から噴射された液体および前記切削屑除去手段の前記排出側噴射口から噴射された切削液を外部に排出することを特徴とする,請求項5または6に記載の切削装置。
  8. 前記切削液供給手段は,前記ブレードカバーの前記被加工物の加工点における前記切削ブレードの回転方向と反対側に設けられ,前記切削ブレードの外周を囲むように形成された供給側溝部内に切削液を供給し,前記供給側溝部に供給された切削液が前記切削ブレードの回転力によって前記供給側溝部から前記加工点を含む範囲に向けて排出されるように前記供給側溝部が形成されていることを特徴とする,請求項1〜7のいずれか1項に記載の切削装置。
  9. 前記供給側溝部は,前記切削ブレードの径よりも大きな同心円の円弧状に形成される第1供給側溝部と,前記第1供給側溝部の前記切削ブレードの回転方向側に連続して形成される第2供給側溝部とからなり,
    前記第2供給側溝部は,前記第2供給側溝部から排出された切削液が前記加工点を含む範囲に向けて供給されるように,前記第2供給側溝部が,前記第1供給側溝部とは異なる中心を有する円弧状,または,前記被加工物の加工面に対して所定の角度を有する直線状に形成されることを特徴とする,請求項8に記載の切削装置。
  10. 前記供給側溝部には,前記切削ブレードの外周の両側面に対して切削液を噴射する複数の供給側噴射口が配設され,
    前記複数の供給側噴射口は,前記加工点に近いほど切削液の噴射量が多くなるように配設されていることを特徴とする,請求項8または9に記載の切削装置。

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