JP2007111043A - 天然材料によるパン用品質改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然物だけで製造でき、化学合成添加物が使用されないパン用品質改良剤に関し、特に、焼上がり形状がよく、ボリューム感があり、ソフトな食感(老化抑制)に優れ、さらに戻り臭といわれる油脂の酸化臭を抑制した風味に優れ、着色のないパンを得ることができるパン用品質改良剤、この品質改良剤を用いた、種生地、パンを提供する。
【解決手段】大豆とゴマとの乳酸発酵物、並びにカテキンおよび/または食物酢を含有するパン用品質改良剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、天然物だけで製造でき、化学合成添加物が使用されないパン用品質改良剤に関し、特に、戻り臭といわれる油脂の酸化臭を抑制し、老化しにくいパンを得ることができるパン用品質改良剤、この品質改良剤を用いた、種生地、パンに関する。
本来パンは、小麦粉に水を混ぜて捏ね、パン酵母で発酵した後に焼成したものであるが、塩や砂糖を捏ね合わせることでそれぞれ小麦粉のグルテン架橋形成や酵母の発酵が効率的に行える。また工業的には水質の差異による発酵のばらつきを無くし一定の製品を得るためにイーストフードや機械による捏ね工程で生地の機械耐性を高めるために様々な化学合成添加物が用いられてきた。しかし昨今の健康志向から化学合成添加物からの脱却が望まれ、これまでの製パン法から化学合成添加物を使用していない製品を求める傾向が市場からますます強まってきている。
パンの風味、焼き上がり形状、食感などを改善するために、パン生地に用いられる添加物として、たとえば糖類、さらには糖化酵素、麹などを添加することによりパン酵母が資化する糖を供給してパン酵母の活性を高める方法が知られている。さらに香付けとして、酒粕、乳酸発酵物、果実などを添加することも知られている。一方で種生地製造時には、柔かい食感を出すなどのためにイーストフードとして微量とはいえ決して無害とは言えないブロメート化合物などの化学合成品が添加されているという現状がある。またイーストフードとともに乳化剤なども添加されるが、特にグリセリドなどの乳化剤は、化学合成品の方が入手しやすいことおよび製品の均質性の面などから商業的に多用されている。
パンは高い頻度で喫食される主食であって、微量では無害だからとはいえ化学合成添加物を使用することは本来望ましくない。しかし、従来、化学合成添加物を全く使用せず、天然素材だけで、特に種生地製造時のイーストフード、乳化剤などの機能を充分に果たすものが知られていない。そのため、例えば、界面活性剤の機能を得るために、大豆、ソラマメおよびゴマ、その中でも特に大豆、のような豆類をパン用品質改良剤として使用する場合は、その機能を補うために、さらに単離されたレシチンのような乳化剤(化学合成添加物)を使用しなければならなかった。
そこで、現在多用されているこれら化学合成添加物に代えても所望の品質のパンが得られ、また生産性を低下させることなく商業的なパンの生産においても利用しうる天然素材のみから得られるパン用品質改良剤の開発が進められている。
また、これら油糧種子(上記豆類)を利用した場合、通常の使用状態では、ほとんど感じられないが、嗅覚に非常に敏感な人に感じられる程度で油脂の酸化臭(戻り臭)が発生する場合がある。この酸化臭は、パン用品質改良剤に含有される不飽和脂肪酸の酸化により発生するものと考えられているが、この臭気を抑制する天然素材のパン用品質改良剤の開発が望まれている。
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決し、天然物だけで製造でき、化学合成添加物を使用せず、天然素材が本来持つ力を利用して、焼上がり形状がよく、ボリューム感があり、ソフトな食感(老化抑制)に優れ、さらに、戻り臭といわれる油脂の酸化臭を抑制し、着色のないパンを得ることができるパン用品質改良剤を提供することにある。
本発明は、以下の各発明を提供することにより、従来技術の問題点を解決し、化学合成物を使用することなく天然物だけで製造でき、焼上がり形状がよく、ボリューム感があり、ソフトな食感(老化抑制)に優れ、着色のない、特に、油脂の酸化臭を抑制した商業的パンを得ることができるパン用品質改良剤、この品質改良剤を用いた、種生地、パンを提供する方法を見出した。
本発明は、以下の各発明を提供する。
(1)大豆とゴマとの乳酸発酵物、およびカテキンおよび/または食物酢を含有するパン用品質改良剤。
(2)大豆とゴマとを乳酸発酵させ、さらに酵母発酵をして得られるパン用品質改良剤。
(3)ゴマをリゾプス属(Rhizopus sp.)の粗酵素で分解する際に食物酢を加える上記(1)または上記(2)のパン用品質改良剤。
(4)乳酸発酵物である上記(1)のパン用品質改良剤。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかのパン用品質改良剤、製パン用穀粉、パン酵母を混合して捏上げ、一次発酵させた種生地。
(6)上記(5)の種生地をさらに二次発酵させ、またはさせずに焼き上げて得られるパン。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかのパン用品質改良剤を含むパン。
(8)単離されたレシチンなどの乳化剤を使用しない上記(7)のパン。
本発明のパン用品質改良剤は、化学合成添加物を使用せず天然物だけで製造できる。このパン用品質改良剤を用いると、本来天然素材が持っている力を利用して、焼上がり形状がよく、ボリューム感、ソフトな食感(老化抑制)があり、さらに、油脂の酸化臭を抑制し、着色のない、香味に優れたパンを得ることができる。
本発明は、大豆とゴマの乳酸発酵物を主体とするパン用品質改良剤であり、この品質改良剤を使うことで、焼き上がりのボリュームと形状が良く、ソフトな食感(老化抑制)に優れ、さらに、酸化臭(戻り臭)を抑制したパンを得ることができる。
<本発明のパン用品質改良剤>
本発明に係るパン用品質改良剤は、大豆とゴマの乳酸発酵物を主体とする。本発明のパン用品質改良剤は、以下に示す1)〜6)の工程により、製造される。
1)カテキン存在下での大豆とゴマの粉砕工程
大豆とゴマを粉砕する際に抗酸化剤であるカテキンが存在すると大豆とゴマの油脂分の酸化が最小限に抑えられる。本発明で使用するカテキンは、カテキン類として精製されたものでもよいが、茶葉の粗精製品を用いてもよい。また、緑茶やイチョウの葉のようなカテキン類を多く含む天然植物を凍結乾燥したものでもよいし、さらに粒子状および/または粉末状に加工したものでもよい。
カテキン類は、茶の味の成分で渋味または苦味のもとであり、これが多いと飲み口が渋い茶になることで知られている。エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4種類が知られているが、本発明では、カテキンの種類は限定されない。エピガロカテキンまたはエピガロカテキンガレートを用いれば、パンへの着色が抑えられるので好ましい。
カテキンの添加量は、大豆とゴマとを総重量90gに対して、0.01〜0.5gであれば、好ましい。この範囲であれば、パン製造時、混捏中の生地の伸展性が強化され、ソフト感(老化抑制)のある焼き上がりのパンを得ることができる。また、この範囲を超えると焼き上がったパンに着色が見られることがある。
カテキン存在下、大豆とゴマを水に分散させるために、また乳酸発酵しやすくするために大豆とゴマを粉砕する。本発明では粉砕時にカテキンを存在させるので、大豆、ゴマの特に油脂分の酸化が抑えられ、酸化臭(戻り臭)が抑制される。
なお、大豆とゴマとカテキンをそれぞれ別に、または混合して粉砕する。カテキンは大豆とゴマとをそれぞれ別に、またはすべてを混合して粉砕する。大豆粉にゴマを混合して粉砕しても良い。
大豆とゴマの割合は、1:2〜2:1の範囲が好ましい。焼き上がりパンのボリュームと形状、ソフトな食感(老化抑制)に生かせるパン用品質改良剤としての効果が高い。
煎りゴマと未焙煎ゴマを併用すると、パンの焼き上がりが程よく香ばしいゴマ臭のするパンを得ることができる。なお、ゴマは、皮むきゴマであっても、なくてもよい。
2)リゾプス属(Rhizopus sp.)の粗酵素による分解
まず、1)で製造したカテキン存在下で粉砕した大豆とゴマに90度以上の仕込み水を加え、分散させる。水の添加量は限定されないが、大豆とゴマの混合粉砕物90gに対して100cc〜1000ccが好ましい。混合液を40度以下に冷却後、植物細胞破壊作用をもつリゾプス属(Rhizopus sp.)の粗酵素を混合し、撹拌する。
食物酢は、酢酸を含有する酸性調味料であり、米酢、果実酢などの醸造酢や醸造によらない合成酢酸を原料として調味加工した合成酢がある。本発明では特に限定されないが、化学合成添加物を使用せず天然物だけで製造することを目的としていることから、醸造酢が好ましい。
添加量は、カテキン、大豆とゴマの粉砕物、水、リゾプス属(Rhizopus sp.)の粗酵素の混合液が酸性条件下になるように食物酢を加える。混合液は、酸性下、好ましくはpH5〜5.5であればよい。上記pH値の範囲であれば、酸化臭(戻り臭)を抑えることができる。
3)乳酸発酵
さらに、2)の工程とともに、乳酸発酵をおこなう。
本発明で使用する乳酸菌としては、特に限定されず、動物性乳酸菌であっても植物性乳酸菌であってもよい。
上記動物性乳酸菌としては、ストレプトコッカス サーモフィリス(Streptococcus thermophilus)、ラクトコッカス ラクティス ラクティス(Lactococcus lactis subsp.lactis)、ラクトコッカス ラクティス クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ロイコノストック メセンテロイデス クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris)、ラクトバチルスデルブリッキ ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス アシドフィリス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ビフィドバクテリム ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリム ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリム ブレブ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリム ラクティス(Bifidobacterium lactis)、ロイコノストック メセンテロイデス メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、ラクトバチルス デルブリッキ デルブリッキ(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス デルブリッキ ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、などがあげられる。
上記植物性乳酸菌としては、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、テトラゲノコッカス・ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)、ラクトバチルス カルバタス(Lactobacillus curvatas)、ラクトバチルス フェーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ペディオコッカス ペントサセンス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・アシディラクティス(Pediococcus acidilactici)、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)、ラクトバチルス サケイ(Lactobacillus sakei)、ロイコノストック ラクティス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)、ラクトバチルス サンフランシスエンシス(Lactobacillus sanfranciscensis)、ヴァイセラ・ビリデスセンス(Weissella viridescens)、ラクトバチルス コモエンシス(Lactobacillus comoensis)、オエノコッカス オエニ(Oenococcus oeni)、ラクトバチルス ヴァクシノスタカス(Lactobacillus vaccinostercus)などがあげられる。
なお、上記乳酸菌のなかでも、入手の容易さの点から、ラクトバチルスブルガルクス(Lactobacillus bulgaricus)とストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)が好ましい。また、上記乳酸菌を使用している市販ヨーグルトを用いても良い。
乳酸発酵時間は、12〜30時間が好ましく、その中でも、15〜20時間がより好ましい。温度は、25〜45度、好ましくは、30〜40度である。
上記方法で乳酸発酵を行えば、大豆、ゴマの、特にゴマの油脂分の酸化臭(戻り臭)を抑制し、程よく香ばしいゴマの風味に優れたパンを得るためのパン用品質改良剤を得ることができる。
また、さらに、上記範囲以上の乳酸発酵時間であれば、乳酸菌が有するリパーゼなどの酵素作用により、ゴマに含まれるトリグリセリドが、乳化剤として使用されているジグリセリド、モノグリセリドに分解が促進され、パン製造時にレシチンのような乳化剤を添加しなくとも、生地に伸展性があり、ボリューム感があり、ソフトな食感に優れ、老化しにくいパンを得るためのパン用品質改良剤を得ることができる。
なお、乳酸発酵前のゴマの油分には、すでにジグリセリド、モノグリセリドがわずかに含まれているが、さらに上記時間範囲の乳酸発酵により、ゴマの油分の主成分であるトリグリセリドを加水分解し、ジグリセリド、モノグリセリドを得ることが出来る。
乳酸発酵の好ましい時間は、乳酸菌が動物性乳酸菌であっても植物性乳酸菌であっても同様であるが、植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌に比べ、至適温度が低いことから、動物性乳酸菌による発酵時間を1.5〜2.0倍にすることが好ましい。
4)酵母発酵
3)の乳酸発酵で得られた発酵液を酵母による発酵を行えば、さらに酸化臭(戻り臭)を抑制するパン用品質改良剤を得ることができる。酵母の添加量は大豆とゴマとを粉砕した乾燥物90gに対して1〜5g加え、発酵時間は1時間〜5時間が好ましい。温度は25〜45度、好ましくは、30〜40度、より好ましくは、35〜40度が好ましい。酵母発酵終了時のpH値は、酸性下、pH4.0〜4.5が好ましい。
上記酵母としては、サッカロマイセス・セリビジェーを使用するが、サッカロマイセス・パストリアヌス、サッカロマイセス・インタメディウス、サッカロマイセス・ヴァリドウス、サッカロマイセス・エリプソイデウス、サッカロマイセス・マリ リスラー、サッカロマイセス・マンシュリカス、サッカロマイセス・フォルデルマニ、サッカロマイセス・ペーカー、サッカロマイセス・シアシング、サッカロマイセス・ピリフォルミス、サッカロマイセス・アナメンシス、サッカロマイセス・カルティラギノースス、サッカロマイセス・アワモリ、サッカロマイセス・バタタエ、サッカロマイセス・コレアヌス、サッカロマイセス・ロブストウス、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス、サッカロマイセス・モナセンシス、サッカロマイセス・マルキシアヌス、チゴサッカロミセス・マヨール、サッカロマイセス・ラクテイス、サッカロマイセス・ルクシー、ハンゼヌーラ・アノマーラなどが挙げられる。
上記の1)〜3)の工程は、すべて行ってもよいが、特許第3261075号公報に記載されているように、ゴマをリゾプス属(Rhizopus sp.)粗酵素で分解し、イソロイシンが生成しないうちに、乳酸発酵して得られる大豆とゴマとの乳酸発酵物を得る工程を工程2)と工程3)の代わりに行ってもよい。また、工程1)におけるカテキンの添加は、工程2)のリゾプス属の粗酵素と食物酢を添加する際に行っても良い。
また、工程4)を行わなくても、酸化臭(戻り臭)をかなり低減することができる。工程4)を行えば、さらに酸化臭(戻り臭)を低減することができる。
5)殺菌
1)〜4)の工程で製造された発酵液は、乳酸発酵物に通常用いられる高温殺菌もしくは低温殺菌を行なう。
6)凍結乾燥
1〜5)の結果、得られたパン用品質改良剤を乾燥し、粉末とするには、噴霧乾燥で行えば、生産コスト的に負担が少なく好ましいが、天然素材としての能力をより精査に維持するには発酵液を凍結乾燥とすることが好ましい。さらに、得られる粉末を小麦粉に混ぜてパン用品質改良剤とすれば、取扱性に優れる。
<本発明のパンの製造>
本発明のパンに用いられる製パン用穀粉は、小麦粉、ライ麦粉等の通常パンに用いられる穀物の粉であれば限定されない。小麦粉としては、強力粉、中力粉等のいずれでもよいし、これらの混合物でも良い。製パン用穀粉に、糖分、油分、塩、酵母、水、上記で得られたパン用品質改良剤を捏ねて、発酵させ焼き上げた本発明のパンは、ボリューム、香味ともに良い。本発明のパン用品質改良剤を用いれば、従来製パン時に添加されていた種々の化学合成品を添加する必要がない。
本発明のパン用品質改良剤の製パン用穀粉への添加量は大豆とゴマ分として(5)で得られた殺菌後の発酵液を小麦粉100gに対して、0.6〜2%の添加量とするのが好ましい。この範囲であると、焼き上がりのパンにボリューム感があり、ソフトな食感(老化抑制)が得られる。
生地を製造する方法として、製パン原材料(製パン用穀粉、糖分、油分、塩、酵母、水、パン用品質改良剤)のすべてを一度に混ぜ合わせる直捏法と一部の製パン用穀粉に酵母と水を混ぜて発酵させ、中種を作った後に残りの材料を混ぜ合わせてパン製造する中種法があげられるが、本発明のパン用品質改良剤はどちらの方法を使用しても、ボリューム感、ソフトな食感(老化抑制)があり、酸化臭(戻り臭)の抑制された香味のよいパンが得られる。本発明のパン用品質改良剤を有するパンはレシチンなどの乳化剤を添加しなくても焼き上がり形状がよく、ボリューム感があり、ソフトな食感(老化抑制)に優れ、酸化臭(戻り臭)がない。
種生地は、そのままあるいは、さらに製パン用穀粉を加えて発酵させ(二次発酵)、焼成する。直捏法(ストレート法)であれば、例えば、食塩と糖を含む種生地を分割・丸め、ベンチタイム後、成形してホイロにいれ、焼成する。中種法であれば、食塩および糖を含まない種生地(中種)へと食塩、糖、製パン用穀粉等その他の材料を加えて本捏し、上記の直捏法と同様に焼成製造すればよい。
以下の実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.パン用品質改良剤の製造
煎りゴマと未焙煎ゴマが混合しているゴマ30gと大豆粉40gにカテキン0.05gを添加し、粉砕した。
さらに大豆粉20g、醸造酢0.4g、リゾプス属(Rhizopus sp.)の粗酵素0.27g、水400g、市販ヨーグルト60gを加え、pH5〜6、38度、15時間、大豆とゴマの分解および乳酸発酵を行った。次いで、酵母4g、水20gを添加し、引き続き38度、2時間の発酵をおこないパン用品質改良剤を得た。酵母発酵終了時、pHは、4.0〜4.3であった。
2.パンの製造
小麦粉全量を100として、それに対して糖分対粉6%、油分対粉4%、塩対粉2%、乾燥酵母対粉1%、水対粉60%、上記で得られたパン用品質改良剤対粉1%にて、4時間中種法で焼成したパンは、ボリューム、香味ともに良い結果が得られた。なお、他の実施例および比較例ともに同様に4時間中種法にて行った。
なお、ここで用いる対粉%は、製パン業で用いるもので小麦粉の量を100gとして、それぞれの成分量を小麦粉100g量に対しての質量で表現し、総量は小麦粉量100gに成分量分が加算された量である。一般的な百分率とは異なり、小麦粉100質量部に対する成分の質量部が対粉%と表示されている。
まず、小麦粉(対粉70%)、乾燥酵母、水(対粉40%)、パン用品質改良剤を混ぜて24度に練り上げた後、27度で4時間(湿度75%)発酵させて中種を終点で29度となるように作成する。次いで、中種に、小麦(対粉30%)、糖分、油分、塩、水(対粉20%)を混合する本捏ねで27度に捏ね上げ、27度、15〜40分寝かせる。次いで、生地を二等分に分割した後、さらに27度で20分寝かせ、ケースに入れて、38度(湿度85%)のホイロに60分程度を目安として入れ(生地が箱の中で約8分目程度まで膨張したらホイロを終了させる)、200〜230度で15〜30分焼成し、食パンを製造した。
3.パンの評価
上記記載の方法で得られたパン用品質改良剤を使用して混捏した生地の伸展性、焼き上がりの食パンの酸化臭、ソフト感(老化抑制)、着色の有無を評価した。評価方法は下記の通り行い、結果を表2に示した。
混捏した生地の伸展性の評価
得られたパン用品質改良剤を使用して混捏した生地の伸展性の評価は10名の専門パネラーにより、以下の3段階で判定し、パネラー10名が評価した値の平均値で示した。得られた結果は、表2に示した。

<生地の伸展性の評価>
点数 生地の伸展性
0 生地に伸展性がない
1 生地に伸展性が少しある
2 生地に伸展性がある
焼き上がりのパンの各評価
得られたパン用品質改良剤を使用した焼き上がりのパンの各評価をした。官能評価は10名の専門パネラーにより、酸化臭(戻り臭)、ソフト感(老化抑制)の各評価を以下の3段階で判定し、パネラー10名が評価した値の平均値で示した。得られた結果は、表2に示した。

<酸化臭(戻り臭)>
点数 酸化臭(戻り臭)
0 酸化臭(戻り臭)がしない
1 酸化臭(戻り臭)が少しする
2 酸化臭(戻り臭)がする


<ソフト感(老化抑制)の評価>
点数 ソフト感
0 ソフト感がない
1 ソフト感が少しある
2 ソフト感がある
(実施例2)
乳酸発酵後の酵母発酵を行なわないこと以外は、実施例1と同様にしてパン用品質改良剤を製造した。得られた品質改良剤で実施例1と同様の配合でパンを製造し評価した結果を表2に示した。乳酸発酵終了時、pHは、4.0〜4.3であった。
(実施例3)
醸造酢を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にしてパン用品質改良剤を製造した。得られた品質改良剤を用いて実施例1と同様の配合でパンを製造し評価した結果を表2に示した。酵母発酵終了時、pHは、4.4〜4.7であった。
比較例
(比較例1)
実施例1のパン用品質改良剤の製造において醸造酢を加えず、酵母発酵を行なわなかった以外は、実施例1と同様の工程で、比較例のパン用品質改良剤を製造した。得られた比較例の品質改良剤を用いて実施例1と同様の配合と工程でパンを製造し同様に評価した結果を表2に示した。乳酸発酵終了時、4.4〜4.7であった。
(比較例2)
実施例1のパン用品質改良剤の製造において、乳酸発酵時間を6時間にした以外は、実施例1と同様の工程で、比較例のパン用品質改良剤を製造した。なお、酵母発酵終了時のpH値は、4.3〜4.6であった。得られた比較例の品質改良剤を用いて実施例1と同様の配合と工程でパンを製造し同様に評価した結果を表2に示した。
(比較例3)
実施例1のパン用品質改良剤の製造において、添加するカテキンの量を0.8gにした以外は、実施例1と同様の工程で、比較例のパン用品質改良剤を製造した。得られた比較例の品質改良剤を用いて実施例1と同様の配合と工程でパンを製造し同様に評価した結果を表2に示した。酵母発酵終了時のpH値は、4.3〜4.6であった。
(参考例)
実施例1のパン用品質改良剤の製造において、レシチン7gを添加し、ゴマの代りに大豆を30g添加した以外は、実施例1と同様の配合と工程で、比較例のパン用品質改良剤を製造した。得られた参考例の品質改良剤を用いて実施例1と同様の配合と工程でパンを製造し同様に評価した結果を結果2に示した。
表2に示すように、本発明のパン用品質改良剤を使用して製造されたパンは、混捏中の生地の伸展性に優れ、乳化剤がなくとも、焼き上がり形状がよく、ボリューム感があり、ソフトな食感(老化抑制)を有し、さらに、戻り臭といわれる油脂の酸化臭を抑制し、程よく香ばしいゴマの風味に優れ、着色のないパンが得られる。

Claims (7)

  1. 大豆とゴマとの乳酸発酵物、並びにカテキンおよび/または食物酢を含有するパン用品質改良剤。
  2. 大豆とゴマとを乳酸発酵させ、さらに酵母発酵をして得られるパン用品質改良剤。
  3. ゴマをリゾプス属(Rhizopus sp.)の粗酵素で分解する際に、食物酢を加える請求項1または請求項2に記載のパン用品質改良剤。
  4. 乳酸発酵物である請求項1に記載のパン用品質改良剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のパン用品質改良剤、製パン用穀粉、酵母を混合して捏上げ、一次発酵させた種生地。
  6. 請求項5に記載の種生地をさらに二次発酵させ、またはさせずに、焼き上げて得られるパン。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のパン用品質改良剤を含むパン。
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KR101815637B1 (ko) * 2014-12-16 2018-01-30 동신대학교산학협력단 발효 대두를 함유하는 고펩타이드 천연조미료 제조방법

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