JP2007097481A - 細胞搬送容器、培養装置および安全キャビネット装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部の清浄度を高く維持することなく、細胞や培養容器等を高い清浄度に維持したまま細胞を所定の培養条件下に配し、設備コストおよびランニングコストを低減する。
【解決手段】培養装置に収容可能な細胞搬送容器1であって、細胞を収容した培養容器6を収容する容器本体3と、該容器本体3の開口部5を密封する着脱可能な蓋体4とを備え、容器本体3に、気体および水蒸気の流通を可能とし塵埃等の汚染物質の流通を阻止するフィルタ10が備えられている細胞搬送容器1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】培養装置に収容可能な細胞搬送容器1であって、細胞を収容した培養容器6を収容する容器本体3と、該容器本体3の開口部5を密封する着脱可能な蓋体4とを備え、容器本体3に、気体および水蒸気の流通を可能とし塵埃等の汚染物質の流通を阻止するフィルタ10が備えられている細胞搬送容器1を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、細胞搬送容器、培養装置および安全キャビネット装置に関するものである。
従来、培養処理を無菌環境下で行うために、自動培養装置内は、例えば、クラス100程度の高い清浄度が要求される。自動培養装置には、細胞を収容した培養容器を収容して所定の培養条件下に配置する炭酸ガスインキュベータのような培養装置と、培養容器の蓋を開けて内部の細胞に対して培地交換等の所定の処理を施す培養処理部とが備えられ、両者間では開閉可能な開口部を介して培養容器が出し入れされる(例えば、特許文献1参照。)。
このような自動培養装置においては、コンタミネーションの発生を防止するために、培養装置内および培養処理部内がいずれも高い清浄度に維持される。
特開2002−262856号公報
このような自動培養装置においては、コンタミネーションの発生を防止するために、培養装置内および培養処理部内がいずれも高い清浄度に維持される。
しかしながら、培養装置あるいは培養処理部内には、細胞や培養容器を外部から供給する必要があり、外部の清浄度が低い場合には、塵埃等が付着した培養容器等が培養装置あるいは培養処理部内に導入されることになるという不都合がある。これを回避するには、培養装置および培養処理装置の外部も培養装置等の内部と同様の清浄度に管理しておくことが必要となる。しかしながら、培養装置等の外部をも内部と同等の清浄度に維持することは、設備コストおよびランニングコストの観点から負担が大きく不経済であるという不都合がある。また、培養容器等を供給する短い期間のみに培養装置等の外部の清浄度を高くすることも考えられるが、清浄度が高くなるまでに長時間を要し、非効率であるという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、外部の清浄度を高く維持することなく、細胞や培養容器等を高い清浄度に維持したまま培養装置内に出し入れすることができる細胞搬送容器および、細胞や培養容器等を高い清浄度に維持したまま出し入れ可能な培養装置および安全キャビネット装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、培養装置に収容可能な細胞搬送容器であって、細胞を収容した培養容器を収容する容器本体と、該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備え、前記容器本体に、気体および水蒸気の流通を可能とし塵埃等の汚染物質の流通を阻止するフィルタが備えられている細胞搬送容器を提供する。
本発明は、培養装置に収容可能な細胞搬送容器であって、細胞を収容した培養容器を収容する容器本体と、該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備え、前記容器本体に、気体および水蒸気の流通を可能とし塵埃等の汚染物質の流通を阻止するフィルタが備えられている細胞搬送容器を提供する。
本発明によれば、清浄度の高い環境下において、細胞を収容した培養容器を容器本体内に収容し、蓋体により容器本体の開口部を密封することにより、細胞を収容した培養容器を高い清浄度に維持したまま、清浄度の低い空間内で搬送することができる。容器本体にはフィルタが設けられており、フィルタは塵埃や微生物等の汚染物質の流通を阻止するので、清浄度の低い空間内に配置しても、汚染物質が細胞搬送容器内に浸入することがなく、細胞の清浄度が維持される。
この場合において、フィルタは気体および水蒸気の流通を許容するので、細胞搬送容器をそのまま培養装置内に収容することにより、内部の細胞を培養装置により達成される所定の培養条件下に配することができる。すなわち、培養装置内のCO2濃度5%、湿度100%、温度37℃を細胞搬送容器内に配される細胞に対して達成することができる。したがって、細胞搬送容器内に配置したままの状態で細胞を培養することが可能となる。そして、培養を終了した細胞は細胞搬送容器のまま培養装置から取り出されて清浄度の高い空間まで搬送され、そこで、細胞搬送容器から取り出されて使用される。
したがって、本発明によれば、培養装置等の外部環境を高い清浄度に管理する必要がないとともに、培養装置内をも高い清浄度に維持する必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減でき、しかも、コンタミネーションの発生を未然に防止することができる。
上記発明においては、前記蓋体が、培養装置の取付口に嵌合される外径寸法を有し、前記容器本体に、前記蓋体が前記取付口に嵌合された状態で、取付口外周に設けられたシール面との間で、全周にわたって配置されるシール部材を挟むフランジ面が備えられていることとしてもよい。
培養装置の取付口に蓋体を嵌合させて容器本体を培養装置に取り付けることにより、取付口外周に設けられたシール面とフランジ面との間でシール部材を挟み、蓋体を培養装置内の空間から密封状態に隔離することができる。この状態で、取付口側を高清浄度の状態に管理された空間として、取付口側から蓋体を開くことにより、細胞搬送容器内部を清浄度の低い培養装置内に開放することなく、清浄度の高い空間に開放することができる。その結果、取付口側の清浄度の高い空間に細胞搬送容器内の培養容器を取り出し、あるいは清浄度の高い空間から細胞搬送容器内の培養容器にアクセスして、培養容器内の細胞に対し、培地交換や薬液投与等の種々の処置を施すことが可能となる。
また、上記発明においては、容器本体が、培養すべき細胞を収容した培養容器を複数収容可能な収容棚を備えることとしてもよい。
このようにすることで、一度に複数の培養容器を清浄な状態に維持しつつ搬送し、培養装置内において培養することができる。
このようにすることで、一度に複数の培養容器を清浄な状態に維持しつつ搬送し、培養装置内において培養することができる。
また、本発明は、上記細胞搬送容器を収容可能な収容部を備え、該収容部に、前記蓋体を嵌合させる取付口が備えられている培養装置を提供する。
本発明によれば、細胞搬送容器内に収容されて高清浄度に維持された状態で搬送されてきた培養容器を、細胞搬送容器ごと収容部内に収容し、収容部内を所定の培養条件に設定することにより、培養容器内の細胞を高清浄度に維持された環境下で培養することができる。この場合に、培養装置外部の空間のみならず収容部内の空間の清浄度を高くする必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減することができる。
本発明によれば、細胞搬送容器内に収容されて高清浄度に維持された状態で搬送されてきた培養容器を、細胞搬送容器ごと収容部内に収容し、収容部内を所定の培養条件に設定することにより、培養容器内の細胞を高清浄度に維持された環境下で培養することができる。この場合に、培養装置外部の空間のみならず収容部内の空間の清浄度を高くする必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減することができる。
また、蓋体を取付口に嵌合させることにより、フランジ面とシール面との間でシール部材を挟み、蓋体を培養容器内の空間から密封状態に隔離できる。したがって、取付口側の空間の清浄度を高く設定しておくことにより、取付口側から蓋体を開けば、細胞搬送容器内部の空間を清浄度の低い空間に開放することがなく、細胞および培養容器に対し、清浄度の高い環境下で種々の処理を行うことができる。
また、本発明は、容器本体と、該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備える搬送容器と、該搬送容器を着脱可能に取り付ける取付口を有する装置本体とを備え、前記蓋体が、前記取付口に嵌合される外径寸法を有し、前記容器本体に、前記蓋体が前記取付口に嵌合された状態で、取付口外周に設けられたシール面との間で、全周にわたって配置されるシール部材を挟むフランジ面が備えられ、前記取付口に、該取付口を開閉する開閉扉が備えられ、前記装置本体に、前記フランジ面とシール面との間にシール部材が挟まれて両者間が密閉された状態で、前記蓋体を前記容器本体から着脱する着脱装置が備えられている培養装置を提供する。
本発明によれば、高清浄な環境下で容器本体内に細胞や培養容器その他の培養用具を収容してその開口部を蓋体により密封することにより、搬送容器によって清浄度の低い空間内で培養用具を搬送することができる。そして、搬送されてきた搬送容器を取付口に取り付ける際に、搬送容器の蓋体を取付口に嵌合させ、取付口外周のシール面と容器本体のフランジ面との間でシール部材を挟むことにより、蓋体を清浄度の低い空間から密封状態に隔離することができる。
この状態で、開閉扉を作動させて取付口を開放し、装置本体に設けられた着脱装置の作動により、蓋体を容器本体から装置本体内側に取り外すことにより、装置本体内の空間に搬送容器内の空間が開放される。したがって、装置本体内の空間を高清浄度に維持しておくことにより、搬送容器内の空間の清浄度を高く維持したまま、培養用具を装置本体内に取り出し、あるいは、容器本体内の細胞を所定の培養条件下に配することができる。
この場合において、本発明によれば、培養装置外の空間の清浄度を高くする必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減することができる。
この場合において、本発明によれば、培養装置外の空間の清浄度を高くする必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減することができる。
また、本発明は、容器本体と、該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備える搬送容器と、該搬送容器を着脱可能に取り付ける取付口を有するキャビネット本体とを備え、前記蓋体が前記取付口に嵌合される外径寸法を有し、前記容器本体に、前記蓋体が前記取付口に嵌合された状態で、取付口外周に設けられたシール面との間で、全周にわたって配置されるシール部材を挟むフランジ面が備えられ、前記取付口に、該取付口を開閉する開閉扉が備えられ、前記キャビネット本体に、前記フランジ面とシール面との間にシール部材が挟まれて両者間が密閉された状態で、前記蓋体を前記容器本体から着脱する着脱装置が備えられている安全キャビネット装置を提供する。
本発明によれば、高清浄な環境下で容器本体内に細胞、培養容器その他の培養用具を収容してその開口部を蓋体により密封することにより、搬送容器によって清浄度の低い空間内で細胞を搬送することができる。そして、搬送されてきた搬送容器を取付口に取り付ける際に、搬送容器の蓋体を取付口に嵌合させ、取付口外周のシール面と容器本体のフランジ面との間でシール部材を挟むことにより、蓋体を清浄度の低い空間から密封状態に隔離することができる。
この状態で、開閉扉を作動させて取付口を開放し、キャビネット本体に設けられた着脱装置の作動により、蓋体を容器本体からキャビネット本体内側に取り外すことにより、キャビネット本体内の空間に搬送容器内の空間が開放される。したがって、キャビネット本体内の空間を高清浄度に維持しておくことにより、キャビネット本体内から搬送容器内の細胞、培養容器その他の培養用具等を高清浄度の環境下で取り扱うことが可能となる。
この場合において、本発明によれば、安全キャビネット装置外の空間の清浄度を高くする必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減することができる。
この場合において、本発明によれば、安全キャビネット装置外の空間の清浄度を高くする必要がなく、設備コストおよびランニングコストを低減することができる。
本発明によれば、外部の清浄度を高く維持することなく、細胞や培養容器等を高い清浄度に維持したまま細胞を所定の培養条件下に配することができ、設備コストおよびランニングコストを低減することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る細胞培養容器1および培養装置2について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞培養容器1は、図1および図2に示されるように、容器本体3と蓋体4とを備えている。
本実施形態に係る細胞培養容器1は、図1および図2に示されるように、容器本体3と蓋体4とを備えている。
容器本体3は、図1に示されるように、一側面方向に開口部5を有する略直方体の箱状の部材であって、内部に、複数の培養容器6を取り出し可能に収容する収容棚7を備えている。また、容器本体3には、その開口部5近傍の外周に、全周にわたって外方に突出する鍔状のフランジ部8が設けられている。
また、容器本体3には、その側壁を貫通する貫通孔9が設けられ、該貫通孔9全体を覆うようにフィルタ10が配置されている。フィルタ10は、例えば、HEPAフィルタのように、気体および水蒸気の通過を許容し、塵埃や微生物等の汚染物質の通過を阻止するようになっている。図中、符号11は台座部である。
また、蓋体4は、前記容器本体3の開口部5を開閉するように、開口部5周囲に着脱可能に嵌合されるキャップ状に形成され、図示しない着脱機構によって着脱されるようになっている。蓋体4の先端には、全周にわたってシール部材12が配置されており、容器本体3に嵌合されると、前記フランジ部8のフランジ面8aとの間にシール部材12が挟まれて、容器本体3と蓋体4とが気密状態に密閉されるようになっている。
次に、本発明の一実施形態に係る培養装置2について、図3および図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養装置2は、図3および図4に示されるように、清浄度が比較的低い第1の空間S1と、清浄度が比較的高い第2の空間S2との間に配置されている。培養装置2は、上記細胞搬送容器1を出し入れ可能に収容する収容部13と、該収容部13の第1の空間S1側に開口する第1の開口部14を開閉する第1の開閉扉15と、収容部13の第2の空間S2側に開口する第2の開口部16を開閉する第2の開閉扉17とを備えている。また、培養装置2には、収容部13内の空間を所定の培養条件、例えば、温度37℃、湿度100%、CO2濃度5%に設定する図示しない加温装置、加湿装置およびCO2供給装置が備えられている。
本実施形態に係る培養装置2は、図3および図4に示されるように、清浄度が比較的低い第1の空間S1と、清浄度が比較的高い第2の空間S2との間に配置されている。培養装置2は、上記細胞搬送容器1を出し入れ可能に収容する収容部13と、該収容部13の第1の空間S1側に開口する第1の開口部14を開閉する第1の開閉扉15と、収容部13の第2の空間S2側に開口する第2の開口部16を開閉する第2の開閉扉17とを備えている。また、培養装置2には、収容部13内の空間を所定の培養条件、例えば、温度37℃、湿度100%、CO2濃度5%に設定する図示しない加温装置、加湿装置およびCO2供給装置が備えられている。
前記収容部13の第2の開口部16には、前記第1の開口部14から収容部13内に挿入された細胞搬送容器1を取り付ける取付口18が備えられている。該取付口18は、前記細胞搬送容器1の蓋体4を嵌合させる嵌合部19と、該嵌合部19の外周に全周にわたって配置され、該嵌合部19に蓋体4が嵌合された状態で細胞搬送容器1のフランジ部8のフランジ面8aに対向し、該フランジ面8aとの間に挟まれるシール部材20が備えられたシール面21とを備えている。
第1の開閉扉15は、第1の空間S1に対して収容部13を開放することで、細胞搬送容器1の出し入れを可能とし、第1の空間S1に対して収容部13を閉鎖することで、収容部13内の培養条件を維持することができるように構成されている。第1の開閉扉15は、特に、第1の空間S1に対して収容部13を密封状態に閉塞する必要はない。
第2の開閉扉17は、第2の開口部16の外側に配置され、閉鎖される際に、第2の開口部16の外周縁との間に外周縁全周にわたる環状のシール部材22を挟むことにより、第2の開口部16を気密状態に密閉することができるようになっている。
また、第2の開閉扉17には、前記シール部材22の内側に隣接して環状の内側シール部材23が配置され、取付口18の嵌合部19に嵌合された細胞搬送容器1の蓋体4側面との間で内側シール部材23を挟んで両者間を密封するようになっている。さらに、第2の開閉扉17には、内側シール部材23が第2の開閉扉17と蓋体4側面との間で挟まれた状態で、蓋体4を第2の開閉扉17に着脱する着脱機構24が備えられている。
また、第2の開閉扉17には、前記シール部材22の内側に隣接して環状の内側シール部材23が配置され、取付口18の嵌合部19に嵌合された細胞搬送容器1の蓋体4側面との間で内側シール部材23を挟んで両者間を密封するようになっている。さらに、第2の開閉扉17には、内側シール部材23が第2の開閉扉17と蓋体4側面との間で挟まれた状態で、蓋体4を第2の開閉扉17に着脱する着脱機構24が備えられている。
このように構成された本実施形態に係る細胞搬送容器1および培養装置2の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る細胞搬送容器1によれば、清浄度の高い空間において、培養すべき細胞を収容した複数の培養容器6を、容器本体3の収容棚7に収容し、容器本体3の開口部5を蓋体4によって閉塞することにより、細胞を高清浄度の状態に維持することができる。
本実施形態に係る細胞搬送容器1によれば、清浄度の高い空間において、培養すべき細胞を収容した複数の培養容器6を、容器本体3の収容棚7に収容し、容器本体3の開口部5を蓋体4によって閉塞することにより、細胞を高清浄度の状態に維持することができる。
すなわち、容器本体3の開口部5は蓋体4に設けられたシール部材12が蓋体4とフランジ面8aとの間に挟まれることにより密閉されるとともに、容器本体3の側壁に設けられた貫通孔9はフィルタ10によって覆われれているので、外気に含まれる塵埃等はフィルタ10によって容器本体3内に侵入することが阻止される。したがって、蓋体4によって開口部5を閉塞した状態で、清浄度の比較的低い第1の空間S1内を搬送しても、細胞が塵埃等に晒される不都合がない。
そして、図4(a)に示されるように、培養装置2の第1の開閉扉15を開いて収容部13を第1の空間S1側に開放することで、搬送されてきた細胞搬送容器1を収容部13内に収容することが可能となる。
この場合に、細胞搬送容器1を蓋体4側から収容部13内に挿入し、図4(b)に示されるように、収容部13内に設けられている取付口18の嵌合部19に蓋体4を嵌合させる。蓋体4が嵌合部19に十分に嵌合されると、容器本体3のフランジ部8と取付口18のシール面21との間、および蓋体4と第2の開閉扉17との間にそれぞれシール部材20,23が挟まれて潰れ、収容部13内の空間から蓋体4が密封状態に隔離されるとともに、蓋体4の側面4aが第2の開閉扉17によって密封される。そして、第2の開閉扉17に設けられた着脱機構24を作動させることにより、蓋体4を第2の開閉扉17に係合して一体化させる。
この場合に、細胞搬送容器1を蓋体4側から収容部13内に挿入し、図4(b)に示されるように、収容部13内に設けられている取付口18の嵌合部19に蓋体4を嵌合させる。蓋体4が嵌合部19に十分に嵌合されると、容器本体3のフランジ部8と取付口18のシール面21との間、および蓋体4と第2の開閉扉17との間にそれぞれシール部材20,23が挟まれて潰れ、収容部13内の空間から蓋体4が密封状態に隔離されるとともに、蓋体4の側面4aが第2の開閉扉17によって密封される。そして、第2の開閉扉17に設けられた着脱機構24を作動させることにより、蓋体4を第2の開閉扉17に係合して一体化させる。
この状態で、図4(c)に示されるように、第1の開閉扉15を閉じて第1の開口部14を閉塞する。これにより、収容部13内の空間を所定の培養条件に維持する。収容部13内の温度は熱伝導によって細胞搬送容器1内の空間に伝達され、収容部13内の湿度およびCO2ガスはフィルタ10を介して細胞搬送容器1内に入る。これにより、細胞搬送容器1内に収容されている細胞が、収容部13内と同等の所定の培養条件下に配置され、細胞搬送容器1内に収容されたままの状態で培養されることになる。
このとき、収容部13内の気体および水蒸気のみがフィルタ10の通過を許容され、塵埃等の汚染物質はフィルタ10の通過を阻止されているので、収容部13内の清浄度が比較的低い状態であっても、細胞の収容されている容器本体3内の空間の清浄度が高い状態のまま維持される。したがって、細胞が塵埃や微生物等の汚染物質によって汚染される不都合の発生が未然に防止され、細胞の健全性が維持される。
また、培養途中の適当な時期に、図4(d)に示されるように、第2の開閉扉17を第2の空間S2側に開くことにより、第2の開閉扉17とともに蓋体4を第2の空間S2側に移動させ、第2の開口部16および細胞搬送容器1の開口部5を第2の空間S1側に開放することができる。この場合に、フランジ部8とシール面21との間にシール部材20が挟まれた状態で容器本体3が取付口18に固定され、両者間が気密状態に密閉されているので、比較的清浄度の低い収容部13内の空間が清浄度の高い第2の空間S2に対して開放されることがなく、塵埃等が第2の空間S2に流入することが防止される。
また、清浄度の低い第1の空間S1内を搬送されてきた細胞搬送容器1の蓋体4の側面4aも第2の開閉扉17にシール部材23によって密封状態に結合されているので、蓋体4の表面に付着している塵埃等も第2の空間S2内に流入することが防止される。
そして、第2の空間S2に対して細胞搬送容器1の容器本体3内の空間が開放されることにより、比較的清浄度の高い空間どうしが接続され、第2の空間S2側から容器本体3内の培養容器6を取り出し、第2の空間S2内において細胞に対して培地の交換や継代等の処理を施し、再度容器本体3内に収容することが可能となる。その後、蓋体4を結合した第2の開閉扉17によって第2の開口部16を閉鎖することにより、細胞搬送容器1を密封し、収容部13を閉塞して、再度所定の培養条件を達成し、細胞の培養を継続することができる。
このように、本実施形態に係る細胞搬送容器1および培養装置2によれば、培養装置2外部の第1の空間S1内の清浄度を高くしなくても、細胞に対して、塵埃等により汚染されることなく健全な状態で、培養あるいは種々の処理を施すことができる。また、培養装置2外部の第1の空間S1のみならず、培養装置2の収容部13内の空間においても清浄度を高く設定する必要がない。したがって、清浄度を高くするための設備に要するコストを削減することができるとともに、清浄度を高くするために必要とされるランニングコストを削減することができるという利点がある。
次に、本発明の第2の実施形態に係る培養装置30について、図5および図6を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る細胞搬送容器1および培養装置2と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る細胞搬送容器1および培養装置2と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る培養装置30は、図5に示されるように、細胞を収容した培養容器6を搬送する細胞搬送容器31と、該細胞搬送容器31を着脱可能に取り付ける取付口18を有する装置本体32とを備えている。
前記細胞搬送容器31は、第1の実施形態に係る細胞搬送容器1とは異なり、容器本体33の側面に貫通孔9およびフィルタ10を備えておらず、容器本体33の内部空間は蓋体4を閉塞することによって気密状態に密閉されるようになっている。
前記細胞搬送容器31は、第1の実施形態に係る細胞搬送容器1とは異なり、容器本体33の側面に貫通孔9およびフィルタ10を備えておらず、容器本体33の内部空間は蓋体4を閉塞することによって気密状態に密閉されるようになっている。
前記装置本体32は、その内部空間S2が高い清浄度に管理されるとともに、所定の培養条件を達成することができるように、図示しない加温装置、加湿装置およびCO2供給装置を備えている。また、装置本体32の側面には、搬送されてきた細胞搬送容器31を載置する載置台34と、細胞搬送容器31の蓋体4を嵌合させる取付口18とが備えられている。載置台34に載置された細胞搬送容器31を蓋体4側に移動させることで、蓋体4を取付口18の嵌合部19に嵌合させ、シール面21とフランジ面8aとの間および蓋体4と開閉扉17との間でそれぞれシール部材20,23を挟んで密封することができるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る培養装置30の作用について以下に説明する。
清浄度の高い空間において、培養すべき細胞を収容した複数の培養容器6を、容器本体33の収容棚7に収容し、容器本体33の開口部5を蓋体4によって閉塞することにより、細胞を高清浄度の状態に維持することができる。
清浄度の高い空間において、培養すべき細胞を収容した複数の培養容器6を、容器本体33の収容棚7に収容し、容器本体33の開口部5を蓋体4によって閉塞することにより、細胞を高清浄度の状態に維持することができる。
すなわち、容器本体33の開口部5は蓋体4に設けられたシール部材12が蓋体4とフランジ面8aとの間に挟まれることにより密封されるので、容器本体33の内部空間は気密状態に密閉される。したがって、蓋体4によって開口部5を閉塞した状態で、清浄度の比較的低い外部空間S1内を搬送しても、細胞が塵埃等に晒される不都合がない。
そして、図6(a)に示されるように、搬送されてきた細胞搬送容器31を、図6(b)に示されるように、載置台34に載置し、取付口18の嵌合部19に蓋体4を嵌合させる。蓋体4が嵌合部19に十分に嵌合されると、容器本体33のフランジ部8と取付口18のシール面21との間、および蓋体4と開閉扉17との間にそれぞれシール部材20,23が挟まれて潰れるので、外部空間S1から蓋体4が密封状態に隔離されるとともに、蓋体4の側面4aが開閉扉17によって密封される。そして、開閉扉17に設けられた着脱機構24を作動させることにより、蓋体4を開閉扉17に係合して一体化させる。
この状態で、図6(c)に示されるように、開閉扉17を内部空間S2側に開くことにより、開閉扉17とともに蓋体4を内部空間S2側に移動させ、第2の開口部16および容器本体33の開口部5を内部空間S2側に開放することができる。この場合に、フランジ部8とシール面21との間にシール部材20が挟まれた状態で容器本体33が取付口18に固定され、両者間が気密状態に密閉されているので、比較的清浄度の低い外部空間S1が清浄度の高い内部空間S2に対して開放されることがなく、塵埃等が内部空間S2に流入することが防止される。
また、清浄度の低い外部空間S1内を搬送されてきた細胞搬送容器31の蓋体4も開閉扉17にシール部材23によって密封状態に結合されているので、蓋体4の側面4aに付着している塵埃等も内部空間S2内に流入することが防止される。
内部空間S2内は、高い清浄度に管理されているとともに、所定の培養条件が達成されているので、容器本体33の開口部5が内部空間S2に開放されることにより、容器本体33内の空間が培養室の一部となって内部空間S2と同様の環境となる。したがって、容器本体33内に収容されている細胞が所定の培養条件下に配され、細胞が培養されることになる。
このように、本実施形態に係る培養装置30によれば、培養装置30外部の外部空間S1内の清浄度を高くしなくても、塵埃等により汚染されることなく健全な状態で、細胞を培養することができる。したがって、清浄度を高くするための設備に要するコストを削減することができるとともに、清浄度を高くするために必要とされるランニングコストを削減することができるという利点がある。
なお、本実施形態に係る培養装置30においては、細胞を搬送する細胞搬送容器31を取付口18に取り付けることにより、細胞搬送容器31の容器本体33内の空間を培養室の一部として使用することとしたが、これに代えて、細胞以外の培養用具、例えば、空の培養容器6や、培地等の分注に際してノズルの先端に取り付けられる使い捨てのチップ等(図示略)を培養装置30内に供給する際の搬送容器を取付口18に取り付けることとしてもよい。このようにすることで、培養装置30外部の外部空間S1内の清浄度を高くしなくても、塵埃等により汚染されることなく必要な培養用具を搬送して培養装置30内に供給することができる。したがって、同様に、清浄度を高くするための設備に要するコストを削減することができるとともに、清浄度を高くするために必要とされるランニングコストを削減することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、細胞を培養し、あるいは細胞に対して所定の処理を施すための培養装置30を例に挙げて説明したが、これに代えて、同様の機構を安全キャビネット装置に適用することにしてもよい。安全キャビネット装置は、例えば、グローブボックスのように機能し、内部の空間から隔離された状態の操作者が、内部の培養容器6等の器具を取り扱うことができる。この場合に、安全キャビネット装置の内部空間S2を、操作者のいる外部空間S1よりも高い清浄度に維持することとすれば、上記と同様の搬送容器および取付口18を有する機構により、外部空間S1を搬送されてきた器具を内部空間S2の清浄度を下げることなく内部空間S2に供給することができる。したがって、操作者のいる外部空間S1の清浄度を高く設定する必要がなく、設備コストおよびランニングコストの削減を図ることができる。
1,31 細胞搬送容器(搬送容器)
2,30 培養装置
3,33 容器本体
4 蓋体
5 開口部
6 培養容器
7 収容棚
8a フランジ面
10 フィルタ
13 収容部
17 第2の開閉扉(開閉扉)
18 取付口
20 シール部材
21 シール面
24 着脱機構(着脱装置)
32 装置本体
2,30 培養装置
3,33 容器本体
4 蓋体
5 開口部
6 培養容器
7 収容棚
8a フランジ面
10 フィルタ
13 収容部
17 第2の開閉扉(開閉扉)
18 取付口
20 シール部材
21 シール面
24 着脱機構(着脱装置)
32 装置本体
Claims (6)
- 培養装置に収容可能な細胞搬送容器であって、
細胞を収容した培養容器を収容する容器本体と、
該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備え、
前記容器本体に、気体および水蒸気の流通を可能とし塵埃等の汚染物質の流通を阻止するフィルタが備えられている細胞搬送容器。 - 前記蓋体が、培養装置の取付口に嵌合される外径寸法を有し、
前記容器本体に、前記蓋体が前記取付口に嵌合された状態で、取付口外周に設けられたシール面との間で、全周にわたって配置されるシール部材を挟むフランジ面が備えられている請求項1に記載の細胞搬送容器。 - 容器本体が、培養すべき細胞を収容した培養容器を複数収容可能な収容棚を備える請求項1または請求項2に記載の細胞搬送容器。
- 請求項2に記載の細胞搬送容器を収容可能な収容部を備え、
該収容部に、前記蓋体を嵌合させる取付口が備えられている培養装置。 - 容器本体と、該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備える搬送容器と、
該搬送容器を着脱可能に取り付ける取付口を有する装置本体とを備え、
前記蓋体が、前記取付口に嵌合される外径寸法を有し、
前記容器本体に、前記蓋体が前記取付口に嵌合された状態で、取付口外周に設けられたシール面との間で、全周にわたって配置されるシール部材を挟むフランジ面が備えられ、
前記取付口に、該取付口を開閉する開閉扉が備えられ、
前記装置本体に、前記フランジ面とシール面との間にシール部材が挟まれて両者間が密閉された状態で、前記蓋体を前記容器本体から着脱する着脱装置が備えられている培養装置。 - 容器本体と、該容器本体の開口部を密封する着脱可能な蓋体とを備える搬送容器と、
該搬送容器を着脱可能に取り付ける取付口を有するキャビネット本体とを備え、
前記蓋体が、前記取付口に嵌合される外径寸法を有し、
前記容器本体に、前記蓋体が前記取付口に嵌合された状態で、取付口外周に設けられたシール面との間で、全周にわたって配置されるシール部材を挟むフランジ面が備えられ、
前記取付口に、該取付口を開閉する開閉扉が備えられ、
前記キャビネット本体に、前記フランジ面とシール面との間にシール部材が挟まれて両者間が密閉された状態で、前記蓋体を前記容器本体から着脱する着脱装置が備えられている安全キャビネット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005291381A JP2007097481A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 細胞搬送容器、培養装置および安全キャビネット装置 |
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ID=38025042
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JP2005291381A Withdrawn JP2007097481A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 細胞搬送容器、培養装置および安全キャビネット装置 |
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-
2005
- 2005-10-04 JP JP2005291381A patent/JP2007097481A/ja not_active Withdrawn
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