JP2007095197A - 磁気記録ディスクの製造方法、および磁気記録ディスク製造装置 - Google Patents

磁気記録ディスクの製造方法、および磁気記録ディスク製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気記録ディスク用基板に加熱を行う際に温度ばらつきが発生するのを防止可能な磁気記録ディスクの製造方法、および磁気記録ディスク用基板加熱装置を提案すること。
【解決手段】 4枚の磁気記録ディスク用基板10に対して4つのヒータ面440を対向させた状態で加熱する際、4つのヒータブロック410を加熱装置400の磁気記録ディスク用基板10との対向面の中心位置を中心に回転させ、かつ、4つのヒータブロック410の各々について自転させる。このため、ヒータ面440上に温度ばらつきがあっても、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、磁気記録ディスクの製造方法および磁気記録ディスク製造装置に関するものである。特に成膜工程での加熱技術に関するものである。
磁気記録ディスクは、ガラス基板や金属基板などの非磁性基板の表面に少なくとも磁性層、保護層、および潤滑層がこの順に積層された構造になっており、これらの薄膜は、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などにより形成される。このような成膜を行う磁気記録ディスク製造装置としては、磁気記録ディスク用基板の搬送方向に沿って、各薄膜を形成する複数の成膜エリアが順番に配置されている枚葉式のものが知られており、かかる枚葉式の装置で成膜する際には、成膜を開始する前、あるいは成膜と成膜との間で磁気記録ディスク用基板に対して加熱装置のヒータ面を対向させて、磁気記録ディスク用基板を加熱する。
磁気記録ディスクについては、外径寸法が3.5インチや3.0インチから2.5インチ、さらには近年、1.0インチのものが採用されるようになっている。このような磁気記録ディスクのうち、外径寸法が比較的、小さな磁気記録ディスクを製造する際、既存の磁気記録ディスク製造装置などをそのまま使用できるように、外径寸法が大きな磁気記録ディスク用基板の基板ホルダを改造して、小さな磁気記録ディスク用基板を複数枚、保持できるようにした基板ホルダが提案されている(特許文献1参照)。
このような基板ホルダを用いた場合、複数枚の磁気記録ディスク用基板の全てに対向可能なサイズのヒータ面で複数枚の磁気記録ディスク用基板を一括して加熱する。
特開2001−11625号公報
しかしながら、磁気記録ディスク用基板に対して加熱装置のヒータ面を対向させて、磁気記録ディスク用基板を加熱すると、ヒータ面上での温度分布が原因で磁気記録ディスク用基板の温度がその面内位置によってばらつくという問題点がある。特に、特許文献1に開示の基板ホルダを用いて複数枚の磁気記録ディスク用基板を一括して加熱すると、複数枚の磁気記録ディスク用基板の間で温度がばらつき、かつ、個々の磁気記録ディスク用基板ではその面内位置によって温度がばらつくという問題点がある。このような温度ばらつきは、成膜速度のばらつきに起因する膜厚むらや、薄膜のグレインサイズ(結晶粒径)のばらつきなどといった膜質むらの原因となるため好ましくない。特に磁性層において結晶粒径のばらつきは、磁気記録ディスクの面内において静磁気特性がばらつく原因となるので、好ましくない。図11は、従来の方法で磁性層を形成した磁気記録ディスクの半径7mm、8.5mm、10mmの位置での0°、90°、180°、270°の各角度位置における保磁力Hcを測定した結果のグラフであり、このグラフに示すように、従来の方法では、保磁力Hcのばらつきが300Oe以上であり、磁性層の結晶粒径にばらつきが発生していることが分かる。
また、記録密度を高めるために垂直磁気記録方式用の磁性層を形成するにあたって磁性層をグラニュラー構造とした場合には、磁性粒子を微細化する必要があるため、結晶粒径に対して高い精度が求められる。このため、従来の加熱方法では、垂直磁気記録方式用の磁性層を安定して形成するのが困難であるという問題点がある。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、磁気記録ディスク用基板に加熱を行う際に温度ばらつきが発生するのを防止可能な磁気記録ディスクの製造方法、および磁気記録ディスク製造装置を提案することにある。
また、本発明は、垂直磁気記録方式用の磁性層を形成するのに適した磁気記録ディスクの製造方法、および磁気記録ディスク用基板加熱装置を提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、加熱した磁気記録ディスク用基板の表面に下地層、磁性層、および保護層のうちの少なくとも1層を形成する成膜工程を有する磁気記録ディスクの製造方法において、前記成膜工程では、前記磁気記録ディスク用基板を加熱する際、ヒータ面に対して前記磁気記録ディスク用基板を対向させるとともに、対向状態を保持したまま、前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させることを特徴とする。
本発明では、加熱した磁気記録ディスク用基板の表面に下地層、磁性層、および保護層のうちの少なくとも1層を形成する磁気記録ディスク製造装置において、前記磁気記録ディスク用基板に対向するヒータ面と、対向状態を保持したまま、前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させる回転駆動装置とを有していることを特徴とする。
本発明では、加熱装置のヒータ面と磁気記録ディスク用基板とを対向させた状態で磁気記録ディスク用基板を加熱する際、ヒータ面を磁気記録ディスクに対して相対回転させるため、ヒータ面上に温度ばらつきがあっても磁気記録ディスク用基板の温度がその面内位置でばらつくのを防止できる。従って、成膜速度にばらつきが発生しないので膜厚むらが発生するのを防止でき、かつ、薄膜のグレインサイズ(結晶粒径)のばらつきなどといった膜質むらの発生も防止できる。
本発明では、前記成膜工程において、前記ヒータ面に対して前記磁気記録ディスク用基板を複数枚、対向させる場合があり、このような場合、対向状態を保持したまま、当該複数枚の磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させる。
本発明において、前記加熱装置は、前記磁気記録ディスク用基板との対向面上に前記ヒータ面を1つあるいは複数備え、前記ヒータ面を自転させて前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させる構成を採用することができる。
本発明において、前記加熱装置は、前記磁気記録ディスク用基板との対向面上に前記ヒータ面を1つあるいは複数備え、当該ヒータ面を前記対向面の中心位置を中心に公転させて前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させてもよい。この場合、前記加熱装置は、前記ヒータ面を前記対向面の中心位置を中心に公転させながら自転させてもよい。
本発明は、前記成膜工程では、少なくとも磁性層を形成する場合に適用すると効果的である。磁性層を形成する際、磁気記録ディスク用基板に温度ばらつきがあると、グレインサイズ(結晶粒径)のばらつきなどが発生し、静磁気特性がばらつく原因となるが、本発明を適用すれば、かかるばらつきの発生を防止することができる。
特に本発明は、前記磁性層として、個々の磁性粒子の間に非磁性の分離母材が導入されているグラニュラー薄膜を形成する場合に適用すると効果的である。垂直磁気記録方式用の磁性層を形成するにあたって、磁性層をグラニュラー構造とした場合には、磁性粒子を微細化する必要があるため、結晶粒径に対して高い精度が求められるが、本発明によれば、かかる要求に十分、対応することができる。
本発明では、加熱装置のヒータ面と磁気記録ディスク用基板とを対向させた状態で磁気記録ディスク用基板を加熱する際、ヒータ面を磁気記録ディスクに対して相対回転させるため、ヒータ面上に温度ばらつきがあっても磁気記録ディスク用基板の温度がその面内位置でばらつくのを防止できる。従って、成膜速度にばらつきが発生しないので膜厚むらが発生するのを防止でき、かつ、薄膜のグレインサイズ(結晶粒径)のばらつきなどといった膜質むらの発生も防止できる。例えば、磁性層を形成する際に本発明を適用すると、磁性層のグレインサイズにばらつきなどが発生するのを防止でき、磁気記録ディスクの静磁気特性のばらつきを防止することできる。特に、グラニュラー薄膜からなる磁性層を形成する場合に本発明を適用すると、微細な結晶粒子の粒径に対して高い精度を得ることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態を説明する。なお、参照する各図において、図面上で認識容易とするために各層や各部材ごとに縮尺や倍率を相違させてある。
[実施の形態1]
(磁気記録ディスクおよびその製造方法の概略)
図1(a)および(b)はそれぞれ、磁気記録ディスクを示す平面図、および磁気記録ディスクの概略断面図である。これらの図に示すように、本形態の磁気記録ディスク1は、中心穴111を備えた円形の非磁性基板11の表面11aに下地層12、磁性層13、保護層14、および潤滑層15をこの順に積層した構造を有している。
非磁性基板11は、例えば、アルミノシリケートガラスなどの化学強化ガラスからなり、1.0インチ型の場合、外径が27mm、内径(中心穴111の直径)が7mm、および厚さが0.381mmである。また、非磁性基板11の表面11aは、表面粗さがRaで0.3nm以下、Rmaxで3nm以下となるように鏡面研磨が施されている。
このような磁気記録ディスク1の製造工程の概略を説明しながら、各薄膜の構成を以下に説明する。磁気記録ディスク1を製造するには、詳しくは後述するように、まず、非磁性基板11を所定温度になるまで加熱し、しかる後に、非磁性基板11の表面11aに対してDCマグネトロンスパッタリング法などの物理気相成長法により第1の下地層121を形成する。第1の下地層121は、例えばAlRu合金薄膜である。次に、第1の下地層121の上層に対してDCマグネトロンスパッタリング法などにより第2の下地層122を形成する。第2の下地層122は、例えばCrMoTi合金薄膜である。第1の下地層121および第2の下地層122からなる下地層12は、磁性層13の結晶構造を良好にするために形成される。
次に、下地層12(第2の下地層122)の上層に対してDCマグネトロンスパッタリング法などの物理気相成長法により磁性層13を形成する。磁性層13は、例えば厚さが15nmのCoCrB合金薄膜である。
次に、磁性層13の上層に対してプラズマCVD法などにより保護層14を形成する。保護層14は、例えば、厚さが4nmのアモルファスのダイヤモンドライクカーボンからなり、耐摩耗性を向上させて磁性層13を保護する機能を担っている。
次に、保護層14の表面に潤滑層15をディップ法により形成する。潤滑層15は、例えば、厚さが1.2nmの薄いパーフルオロポリエーテル層などから構成され、磁気ヘッドとの接触した際の衝撃を緩和するなどの機能を担っている。
(磁気記録ディスク製造装置の全体構成)
図2(a)および(b)は各々、本発明に係る枚葉式磁気記録ディスク製造装置を模式的に示す説明図、および別の磁気記録ディスク製造装置を模式的に示す説明図である。図3(a)および(b)は、基板ホルダを示す平面図、およびそのI−I′線で切断した部分の縦断面図である。
本形態においては、非磁性基板11の表面11aに下地層12、磁性層13および保護層14を形成するにあたって、例えば、図2を参照して以下に説明する磁気記録ディスク製造装置200A、200Bが用いられる。
ここで、未成膜の非磁性基板11も含む製造途中品(以下、磁気記録ディスク用基板10という)は、図3(a)および(b)に示すような基板ホルダ300によって複数枚(本形態では4枚)、保持された状態で磁気記録ディスク製造装置200A、200B内を搬送されるようになっている。本形態で用いた基板ホルダ300は、3.5インチ型の基板ホルダを改造して、1.0インチ型の磁気記録ディスク用基板10を4枚、保持できるようにしたものである。基板ホルダ300は、3.5インチ型用の基板ホルダであった円盤状のベース301の同一面上に、4枚の1.0インチ型の磁気記録ディスク用基板10を周方向に等角度間隔で保持可能に構成されている。ベース301は、チタン製であり、外径が95mmである。ベース301には、磁気記録ディスク用基板10より径が大きい4つの貫通穴310が周方向に等角度間隔で形成されており、この貫通穴310の開口縁部分には、磁気記録ディスク用基板10の外周端部を挟持する外周チャッキング機構331を備えた基板保持部303が固定されている。従って、基板保持部303の外周チャッキング機構331に磁気記録ディスク用基板10をチャッキングすると、磁気記録ディスク用基板10は貫通穴310と同芯状態に保持される。
図2(a)に示す枚葉式磁気記録ディスク製造装置200Aは、回転搬送型のものであり、加熱チャンバ220で所定の温度にまで加熱された磁気記録ディスク用基板10を、反応チャンバ230内で、その表面11aに下地層12(第1の下地層121、第2の下地層122)、および磁性層13を形成することが可能な枚葉式の磁気記録ディスク製造装置である。従って、反応チャンバ230内には、基板ホルダ300の回転搬送方向に沿って各層のターゲット231、232、233が配置されている。ターゲット231は第1の下地層121を形成するためのAlRuターゲットであり、ターゲット232は第2の下地層122を形成するためのCrMoTiターゲットであり、ターゲット233は磁性層13を形成するためのCoCrBターゲットである。なお、各ターゲット231、232、233が配置されている空間は、必要に応じて、基板ホルダ300の移動を許容しつつ仕切られている。各ターゲット231〜233は、反応チャンバ230内において、搬送されてくる基板ホルダ300(磁気記録ディスク用基板10)を挟むように、上側と下側の両側に配置されている。反応チャンバ230の上流側に配置された加熱チャンバ220内には、詳しくは後述する基板加熱装置400が上下に設置されている。
このように構成した磁気記録ディスク製造装置200Aでは、加熱チャンバ220の基板加熱装置400で所定の温度にまで加熱された磁気記録ディスク用基板10を、反応チャンバ230内のターゲット231〜233に順次、対向配置させ、DCマグネトロンスパッタリング法などの物理気相成長法を用いて磁気記録ディスク用基板10上に下地層12(第1の下地層121、第2の下地層122)、磁性層13を形成した後、磁気記録ディスク用基板10を反応チャンバ230から排出する。なお、磁気記録ディスク製造装置200Aでは、保護層14をプラズマCVD法などにより形成するためのプラズマCVD室も形成されることがある。
磁気記録ディスク製造装置としては、図2(b)に示すように、直線搬送型の枚葉式磁気記録ディスク製造装置200Bを用いることも可能である。この磁気記録ディスク製造装置200Bは、基板ホルダ300の搬送方向に向かって上流側から仕込室210と、基板加熱装置400が設置された加熱チャンバ220と、ターゲット231、232、233が上下に配置された反応チャンバ230と、プラズマCVD室240と、取出室250と備えた構造となっている。
なお、基板加熱装置400は、上記構成のように、成膜を開始する前に磁気記録ディスク用基板10を加熱する構成の他、成膜エリアと成膜エリアとの間に配置されて、各々の成膜処理を行う直前に磁気記録ディスク用基板10を加熱することもある。
(基板加熱装置400の構成)
図4(a)および(b)は、本発明の実施の形態1に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置400の構成を模式的に示す平面図、およびそのII−II′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。なお、加熱チャンバ220内において上下に配置されている基板加熱装置400は同一構成であるので、本形態では、下側の基板加熱装置400を例に挙げて説明することにして、上側の基板加熱装置400については説明を省略する。
図4(a)および(b)に示すように、本形態の基板加熱装置400は、磁気記録ディスク用基板10との対向面401の側に1つのヒータブロック410を有しているとともに、このヒータブロック410を面内で自転可能に保持しているヒータホルダ420を有している。ヒータブロック410は線状の発熱体430を内蔵しており、基板ホルダ300が搬送される搬送路の側にヒータ面440を向けた円盤形状を備えている。ヒータブロック410の外径寸法は120mmであり、外径寸法が95mmである基板ホルダ300よりも大きい。このため、ヒータブロック410のヒータ面440は、基板ホルダ300に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10に対向している。ヒータホルダ420は、加熱チャンバ220の底板部分221などに固定された環状枠体421と、ヒータブロック410の底面を支持する底板422とを備えており、環状枠体421は、ヒータブロック410の外周面部分を直接あるいはベアリング軸受(図示せず)などを介して保持している。
本形態において、ヒータブロック410には回転駆動装置450が機構的に連結されている。この回転駆動装置450は、ヒータブロック410の下方に配置されたモータ内蔵の駆動部453と、その出力軸452に減速歯車機構などを介して接続された回転出力部451とを備えており、回転出力部451の上端部は、ヒータブロック410の下面の中心位置に固定されている。従って、駆動部453のモータを起動させて、回転出力部451を例えば時計周りCWに回転させると、ヒータブロック410は時計周りCWに自転し、ヒータ面440は磁気記録ディスク用基板10に対して相対回転する。なお、発熱体430に対する給電は、その配線途中にスリッピング方式のロータリジョイントなどの給電器を配置すれば、ヒータブロック410が自転しても配線の巻き付きなどを防止できる。
(磁気記録ディスク1の製造方法)
このように構成した磁気記録ディスク製造装置を用いて、非磁性基板11の表面に、下地層12(第1の下地層121、第2の下地層122)、磁性層13を成膜するにあたって、まず、精密研磨及び化学強化された1.0インチ型の磁気記録ディスク用基板10(非磁性基板11)を4枚、保持した基板ホルダ300を、自動搬送装置(図示せず)にセットして、所定の仕込室から加熱チャンバ220内に導入する。基板ホルダ300は所定の搬送速度で搬送され、基板ホルダ300がヒータホルダ420に略同芯状態に対向配置された状態で、磁気記録ディスク用基板10に対する加熱が行なわれる。その結果、磁気記録ディスク用基板10は、例えば300℃、1分間、加熱される。その際、基板加熱装置400では、回転駆動装置450によりヒータブロック410を所定の速度で自転させる。
次に、基板ホルダ300を反応チャンバ230内に導入する。基板ホルダ300は所定の搬送速度で搬送され、基板ホルダ300が各ターゲット231〜233に略同芯状態に対向設置された状態で成膜が行われる(成膜工程)。このようにして非磁性基板11の両面に、膜厚が5nmのAlRu層などの第1の下地層121、および膜厚が50nmのCrMoTiなどの第2の下地層122からなる下地層12と、膜厚が15nmのCoCrBなどからなる磁性層13とを形成する。ここで、反応チャンバ230内のスパッタリング条件は、例えば、スパッタ圧力が5mTorrであり、スパッタ雰囲気がアルゴンの不活性ガスである。
このようにして成膜が終了した基板ホルダ300は、図2(a)に示した磁気記録ディスク製造装置200Aの外部に構成したプラズマCVD室、あるいは図2(b)に示した磁気記録ディスク製造装置200BのプラズマCVD室240に搬送される。そして、磁気記録ディスク用基板10に対しては、磁性層13の上層に対してプラズマCVD法などにより保護層14を形成する。しかる後には、カーボン保護層14の上層にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤をディップ法により塗布することにより潤滑層15を形成する。パーフルオロポリエーテル系潤滑剤としては、例えば、Solvay Solexis社製のFomblin−Z−Tetraol(商品名)を用いることができ、潤滑剤の塗布後、磁気記録ディスク用基板10は、オーブンを用いて100℃で1時間、加熱処理が施され、潤滑層15を磁気記録ディスク用基板10の最表層に定着させる。ここで、潤滑層15の膜厚をフーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)で測定したところ1.2nmであった。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ヒータブロック410を自転させて4枚の磁気記録ディスク用基板10に対してヒータ面440を相対回転させながら4枚の磁気記録ディスク用基板10を一括して加熱する。このため、ヒータ面440上に温度ばらつきがあっても、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができる。従って、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10内で膜厚ばらつきや膜質ばらつきが発生するのを防止できる。特に磁性層13については、温度ばらつきのない状態で成膜できるので、磁性層13の結晶粒径を均一にすることができる。
それ故、本発明を適用した製造方法によって製造された各磁気記録ディスク1の半径7mm、8.5mm、10mmの位置での0°、90°、180°、270°の各角度位置における保磁力Hcを、基板ホルダ300の各位置に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10から製造された磁気記録ディスク1の各々について測定したところ、図5に示す結果が得られた。なお、1つの基板ホルダ300に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10から製造した各磁気記録ディスク1は略同一の結果であったので、図5には半径7mm、8.5mm、10mmの位置での保磁力Hcを各々、実線L10、点線L8.5、一転鎖線L7で示してある。
その結果、4枚の磁気記録ディスク用基板10の間において保磁力Hcのばらつきは小さく、かつ、磁気記録ディスク用基板10の面内での保磁力Hcのばらつきが小さいことが確認できた。すなわち、本発明を適用した製造方法によって製造された各磁気記録ディスク1では、保磁力Hcのばらつきは100Oe以下であるのに対して、従来の製造方法では、図11に示したように保磁力Hcのばらつきが300Oe以上であった。
また、本形態によれば、磁性層13で膜厚や膜質のばらつきが小さいので、再生出力のばらつきも極めて小さいことが確認できた。すなわち、再生出力は、残留磁化をMrとし、磁性層13の厚さをtとしたとき、(Mr×t)に比例するので、この(Mr×t)を比較すれば、再生出力を比較評価できる。その結果、本発明を適用した製造方法によって製造された各磁気記録ディスク1では、(Mr×t)のばらつきが0.1memu/cm2以下であったのに対して、従来の製造方法によって製造された磁気記録ディスク1では(Mr×t)のばらつきが0.2memu/cm2以上であった。
よって、本形態は、垂直磁気記録方式の磁気記録ディスク1を製造する際、磁性層13として垂直磁気記録方式用の磁性層を形成する場合に効果的である。特に、磁性層13として、個々の磁性粒子の間に非磁性の分離母材が導入されているグラニュラー薄膜を、複合ターゲットを用いてスパッタ法などにより形成する際には、磁性粒子を微細化する必要があるため、結晶粒径に対して高い精度が求められる。かかる精度は従来の製造方法では実現できなかったが、本形態によれば、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができるので、膜厚精度および膜質の均一性を向上することができ、磁気特性に優れたグラニュラー薄膜を形成することができる。
[実施の形態2]
図6(a)および(b)は、本発明の実施の形態2に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置400の構成を模式的に示す平面図、およびそのIII−III′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。なお、本形態および以下に説明する各形態3〜6の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、以下、共通する部分には同一の符号を付して図示することにして、それらの説明を省略する。
図6(a)および(b)に示すように、本形態の基板加熱装置400も、実施の形態1と同様、磁気記録ディスク用基板10との対向面401の側に1つのヒータブロック410を有しているとともに、このヒータブロック410を面内で自転可能に保持するヒータホルダ420とを有している。ヒータブロック410は、円盤形状を備えており、ヒータブロック410のヒータ面440は、基板ホルダ300に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10に対向している。ヒータホルダ420は、加熱チャンバ220の底板部分221などに固定された環状枠体421と、ヒータブロック410の底面を支持する底板422とを備えており、環状枠体421は、ヒータブロック410の外周面部分を直接あるいはベアリング軸受(図示せず)などを介して保持している。本形態においても、実施の形態1と同様、ヒータブロック410には、回転駆動装置450が機構的に連結されている。従って、駆動部453のモータを起動させて、回転出力部451を例えば時計周りCWに回転させると、ヒータブロック410は時計周りCWに自転し、ヒータ面440は、磁気記録ディスク用基板に対して相対回転する。
本形態において、ヒータブロック410の内部には、磁気記録ディスク用基板10との対向面401の中心位置から一方に偏った位置にメインの発熱体436が配置されている一方、反対側には補助の発熱体437が配置されている。この場合も、発熱体436、437に対する給電は、その配線途中にスリッピング方式のロータリジョイントなどの給電器を配置すれば、ヒータブロック410が自転しても配線の巻き付きなどを防止できる。
このように構成した磁気記録ディスク製造装置でも、ヒータブロック410を自転させて4枚の磁気記録ディスク用基板10に対してヒータ面440を相対回転させながら4枚の磁気記録ディスク用基板10を一括して加熱するため、ヒータ面440上に温度ばらつきがあっても、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができる。従って、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10内で膜厚ばらつきや膜質ばらつきが発生するのを防止できる。特に磁性層13については、温度ばらつきのない状態で成膜できるので、磁性層13の結晶粒径を均一にすることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
[実施の形態3]
図7(a)および(b)は、本発明の実施の形態3に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置400の構成を模式的に示す平面図、およびそのIV−IV′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。
図7(a)および(b)に示すように、本形態の基板加熱装置400は、磁気記録ディスク用基板10との対向面401の側に、周方向に並ぶ4つのヒータブロック410を有している。また、本形態の基板加熱装置400は、4つのヒータブロック410に外周側で接して、これら4つのヒータブロック410を支持する環状枠体421からなるヒータホルダ420を有しており、ヒータホルダ420は、加熱チャンバ220の底板部分221などに固定されている。4つのヒータブロック410はいずれも円盤形状を備えており、内部に発熱体430を備えている。ヒータホルダ420の外径寸法は基板ホルダ300よりもわずかに大きく、基板ホルダ300に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10にはヒータブロック410のヒータ面440が対向している。
ヒータブロック410に対しては回転駆動装置450Aが構成されている。この回転駆動装置450Aは、まず、ヒータブロック410の下方位置にモータ内蔵の駆動部453を備えており、その出力軸452には減速歯車機構などを介して回転出力部451Aが接続されている。ここで、回転出力部451Aは、周方向に並ぶ4つのヒータブロック410の中心に位置し、回転出力部451の外周面は4つのヒータブロック410の各外周面に接している。また、回転駆動装置450Aでは、出力軸452の外側には出力軸452に対して同心状に円筒状の支持筒454が軸線周りに回転可能に配置され、この支持筒454の上端部では、円盤状あるいは腕状の支持板455がヒータブロック410の中心位置の真下位置まで伸びている。さらに、支持板455から上方には、4つのヒータブロック410の各中心位置に向けて支軸456が突出している一方、4本の支軸456は各々、ヒータブロック410の下面で開口する軸穴457に嵌っている。このため、4つのヒータブロック410は各々、支軸456周りに回転可能である。
このように構成した回転駆動装置450Aにおいて、駆動部453のモータを起動させて、回転出力部451Aを例えば時計周りCWに回転させると、ヒータブロック410は各々反時計周りCCWに自転する。その際、4つのヒータブロック410を外周側で支持する環状のヒータホルダ420は加熱チャンバ220の底板部分221などに固定されているため、4つのヒータブロック410は各々、反時計周りCCWに自転しながら、回転出力部451(磁気記録ディスク用基板10との対向面401の中心位置)の周りで時計周りCWの方向に公転する。その際、支持板455も4つのヒータブロック410の公転に追従し、回転することになる。なお、発熱体430に対する給電は、支軸456内にスリッピング方式のロータリジョイントなどの給電器を配置すれば、ヒータブロック410が公転および自転を行っても配線の巻き付きなどを防止できる。
このように構成した磁気記録ディスク製造装置でも、4つのヒータブロック410に自転と公転とを行わせ、4枚の磁気記録ディスク用基板10に対してヒータ面440を相対回転させながら4枚の磁気記録ディスク用基板10を一括して加熱する。このため、ヒータ面440上に温度ばらつきがあっても、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができる。従って、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10内で膜厚ばらつきや膜質ばらつきが発生するのを防止できる。特に磁性層13については、温度ばらつきのない状態で成膜できるので、磁性層13の結晶粒径を均一にすることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
なお、本形態では、回転出力部451Aおよびヒータホルダ420を固定する一方、支持筒454および支持板455を回転させても、4つのヒータブロック410に自転と公転とを行わせることができる。
[実施の形態4]
図8(a)および(b)は、本発明の実施の形態4に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置400の構成を模式的に示す平面図、およびそのV−V′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。
図8(a)および(b)に示すように、本形態の基板加熱装置400も、実施の形態3と同様、磁気記録ディスク用基板10との対向面401の側に、周方向に並ぶ4つのヒータブロック410を有している。また、基板加熱装置400は、これら4つのヒータブロック410に外周側で接して、これら4つのヒータブロック410を外周側で支持する環状枠体421からなるヒータホルダ420を有している。4つのヒータブロック410はいずれも円盤形状を備えており、内部に発熱体430を備えている。ヒータホルダ420の外径寸法は基板ホルダ300よりもわずかに大きく、基板ホルダ300に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10にはヒータブロック410のヒータ面440が対向している。本形態において、ヒータホルダ420は、加熱チャンバ220の底板部分221などにベアリング軸受424などを介して固定され、周方向に回転可能な状態にある。
ここで、ヒータブロック410に対しては回転駆動装置450Bが構成されている。この回転駆動装置450Bは、加熱チャンバ220の底板部分221などから突出する軸部459の上端部に円柱状の受け部458を備えている。この受け部458は、周方向に並ぶ4つのヒータブロック410の中心で4つのヒータブロック410の各外周面に接し、ヒータホルダ420との間に4つのヒータブロック410を挟持した状態にある。また、回転駆動装置450Bでは、軸部459の外側に軸部459に対して同心状に円筒状の支持筒454が軸線周りに回転可能に配置され、この支持筒454の上端部では、円盤状あるいは腕状の支持板455がヒータブロック410の中心位置の真下位置まで伸びている。さらに、支持板455から上方には、4つのヒータブロック410の各中心位置に向けて支軸456が突出している一方、4本の支軸456は各々、ヒータブロック410の下面で開口する軸穴457に嵌っている。このため、4つのヒータブロック410の各々、支軸456周りに回転可能である。
さらに、ヒータホルダ420の斜め下方位置にはモータ内蔵の駆動部453を備えており、その出力軸452には減速歯車機構などを介して回転出力部451Bが接続されている。ここで、回転出力部451Bは、ヒータホルダ420の外周面に接している。
このように構成した回転駆動装置450Bにおいて、駆動部453のモータを起動させて、回転出力部451Bを例えば時計周りCWに回転させると、ヒータホルダ420は反時計周りCCWに回転する。その際、受け部458は固定されているので、ヒータブロック410は、受け部458の周りで反時計周りCCWに自転しながら、受け部458(磁気記録ディスク用基板10との対向面401の中心位置)を中心に反時計周りCCWに公転する。なお、発熱体430に対する給電は、支軸456内にスリッピング方式のロータリジョイントなどの給電器を配置すれば、ヒータブロック410が公転および自転を行っても配線の巻き付きなどを防止できる。
このように構成した磁気記録ディスク製造装置でも、4つのヒータブロック410に自転と公転とを行わせ、4枚の磁気記録ディスク用基板10に対してヒータ面440を相対回転させながら4枚の磁気記録ディスク用基板10を一括して加熱する。このため、ヒータ面440上に温度ばらつきがあっても、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができる。従って、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10内で膜厚ばらつきや膜質ばらつきが発生するのを防止できる。特に磁性層13については、温度ばらつきのない状態で成膜できるので、磁性層13の結晶粒径を均一にすることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
[実施の形態5]
図9(a)および(b)は、本発明の実施の形態5に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置400の構成を模式的に示す平面図、およびそのVI−VI′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにして、それらの説明を省略する。
図9(a)および(b)に示すように、本形態の基板加熱装置400は、実施の形態3と同様、磁気記録ディスク用基板10との対向面401の側に、周方向に並ぶ4つのヒータブロック410を有しているとともに、これら4つのヒータブロック410を外周側で支持するヒータホルダ420を有している。ヒータホルダ420は、ヒータブロック410を囲む環状枠体421と底板422とを備えており、加熱チャンバ220の底板部分221などに固定されている。4つのヒータブロック410はいずれも円盤形状を備えており、内部に発熱体430を備えている。ヒータホルダ420の外径寸法は基板ホルダ300よりもわずかに大きく、基板ホルダ300に保持された4枚の磁気記録ディスク用基板10にはヒータブロック410のヒータ面440が対向している。
ここで、ヒータブロック410に対しては回転駆動装置450Cが構成されている。この回転駆動装置450Cは、まず、ヒータブロック410の下方位置にモータ内蔵の駆動部453を備えており、その出力軸452には減速歯車機構などを介して回転出力部451Aが接続されている。ここで、回転出力部451Aは、周方向に並ぶ4つのヒータブロック410の中心に位置し、回転出力部451の外周面は4つのヒータブロック410の各外周面に接している。また、回転駆動装置450Aでは、ヒータホルダ420の底板422から上方には、4つのヒータブロック410の各中心位置に向けて支軸456が突出している一方、4本の支軸456は各々、ヒータブロック410の下面で開口する軸穴457に嵌っている。このため、4つのヒータブロック410は各々、支軸456周りに回転可能である。
このように構成した回転駆動装置450Cにおいて、駆動部453のモータを起動させて、回転出力部451Aを例えば時計周りCWに回転させると、ヒータブロック410は各々反時計周りCCWに自転する。なお、発熱体430に対する給電は、支軸456内にスリッピング方式のロータリジョイントなどの給電器を配置すれば、ヒータブロック410が公転および自転を行っても配線の巻き付きなどを防止できる。
このように構成した磁気記録ディスク製造装置でも、4つのヒータブロック410に自転を行わせ、4枚の磁気記録ディスク用基板10に対してヒータ面440を相対回転させながら4枚の磁気記録ディスク用基板10を一括して加熱する。このため、ヒータ面440上に温度ばらつきがあっても、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10の面内位置で温度ばらつきが発生するのを防止することができる。従って、各磁気記録ディスク用基板10の間、および磁気記録ディスク用基板10内で膜厚ばらつきや膜質ばらつきが発生するのを防止できる。特に磁性層13については、温度ばらつきのない状態で成膜できるので、磁性層13の結晶粒径を均一にすることができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
[実施の形態6]
上記形態1〜5では、ヒータ面440を磁気記録ディスク用基板10に対して相対回転させるにあたって、ヒータ面440を回転させたが、磁気記録ディスク用基板10の方を回転させてもよい。この場合には、基板ホルダ300を図10に示すように構成すればよい。
図10(a)および(b)は、本発明を適用した基板ホルダ300の平面図、およびそのそのIa−Ia´線で切断した部分の縦断面図である。
図10(a)および(b)において、本形態の基板ホルダ300は、3.5インチ型の基板ホルダを改造して1.0インチ型の磁気記録ディスク用基板10を4枚、保持できるようにしたものである。基板ホルダ300は、3.5インチ型用の基板ホルダであった円盤状のベース301(基板ホルダ本体)の同一面上に、4枚の1.0インチ型の磁気記録ディスク用基板10を周方向に等角度間隔で保持可能に構成されている。ベース301は、例えばチタン製であり、外径が95mmである。ベース301には、磁気記録ディスク用基板10より径が大きい4つの貫通穴310が周方向に等角度間隔で形成されている。ベース301の上面には、貫通穴310の開口縁を囲むように取り付けられたベアリング302を介して、磁気記録ディスク用基板10の外周端部を挟持する外周チャッキング機構331を備えた基板保持部303が回転自在の状態で配置されている。この基板保持部303は円形輪郭を備えている。基板保持部303の外周チャッキング機構331に磁気記録ディスク用基板10をチャッキングすると、磁気記録ディスク用基板10は貫通穴310と同芯状態に保持される。
また、ベース301には、その中心位置に回転駆動部305が配置されている。回転駆動部305は、4つの基板保持部303の外周面の各々に外周面が接触している円盤状の駆動伝達部材351を備え、この駆動伝達部材351は、減速歯車列などを介して、ベース301に固定されたモータ352の出力軸に連結されている。
従って、基板保持部303に磁気記録ディスク用基板10を保持した状態で、モータ352を起動させて、駆動伝達部351を例えば時計周りCWに回転させると、4枚の磁気記録ディスク用基板10は各々、面内で反時計周りCCWに自転する。ここで、モータ352は、例えば、内蔵電池によって駆動されるようになっており、磁気記録ディスク用基板10を1分間に100回転(100rpm)させるように、減速歯車列などが設定されている。
なお、磁気記録ディスク用基板10を1枚保持する場合や、磁気記録ディスク用基板10を公転させる場合には、実施の形態1〜5で説明した構造を応用すればよい。
[その他の実施の形態]
上記形態では、磁性層13を物理気相成長法により形成する際、ターゲットとの位置関係に起因する膜厚の偏りを解消したが、例えば、下地層12その他の層をスパッタ法で成膜する際や、保護層14をプラズマCVD法で成膜する際に本発明を適用してもよい。
(a)および(b)はそれぞれ、磁気記録ディスクを示す平面図、および磁気記録ディスクの概略断面図である。 (a)および(b)は各々、本発明に係る枚葉式磁気記録ディスク製造装置を模式的に示す説明図、および別の磁気記録ディスク製造装置を模式的に示す説明図である。 (a)および(b)は、基板ホルダを示す平面図、およびそのI−I′線で切断した部分の縦断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態1に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置の構成を模式的に示す平面図、およびそのII−II′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。 本発明を適用した製造方法によって製造された磁気記録ディスクの半径7mm、8.5mm、10mmの位置で0°、90°、180°、270°の各角度位置における保磁力を、基板ホルダの各位置に保持された磁気記録ディスク用基板から製造された磁気記録ディスクについて測定した結果を示すグラフである。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態2に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置の構成を模式的に示す平面図、およびそのIII−III′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態3に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置の構成を模式的に示す平面図、およびそのIV−IV′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態4に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置の構成を模式的に示す平面図、およびそのV−V′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態5に係る磁気記録ディスク製造装置に構成した基板加熱装置の構成を模式的に示す平面図、およびそのVI−VI′線で切断した場合の様子を模式的に示す縦断面図である。 (a)および(b)は、本発明を適用した基板ホルダの平面図、およびそのIa−Ia´線で切断した部分の縦断面図である。 従来の方法で製造した磁気記録ディスクの半径7mm、8.5mm、10mmの位置で0°、90°、180°、270°の各角度位置における保磁力Hcを測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1 磁気記録ディスク
10 磁気記録ディスク用基板
11 非磁性基板
12 下地層
13 磁性層
14 保護層
15 潤滑層
200A、200B 磁気記録ディスク製造装置
300 基板ホルダ
400 基板加熱装置
410 ヒータブロック
430 発熱体
440 ヒータ面
450、450A、450B、450C 回転駆動装置

Claims (8)

  1. 加熱した磁気記録ディスク用基板の表面に下地層、磁性層、および保護層のうちの少なくとも1層を形成する成膜工程を有する磁気記録ディスクの製造方法において、
    前記成膜工程では、前記磁気記録ディスク用基板を加熱する際、ヒータ面に対して前記磁気記録ディスク用基板を対向させるとともに、対向状態を保持したまま、前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させることを特徴とする磁気記録ディスクの製造方法。
  2. 前記成膜工程では、前記ヒータ面に対して前記磁気記録ディスク用基板を複数枚、対向させるとともに、対向状態を保持したまま、当該複数枚の磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録ディスクの製造方法。
  3. 前記加熱装置は、前記磁気記録ディスク用基板との対向面上に前記ヒータ面を1つあるいは複数備え、前記ヒータ面を自転させて前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録ディスクの製造方法。
  4. 前記加熱装置は、前記磁気記録ディスク用基板との対向面上に前記ヒータ面を1つあるいは複数備え、当該ヒータ面を前記対向面の中心位置を中心に公転させて前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録ディスクの製造方法。
  5. 前記加熱装置は、前記ヒータ面を前記対向面の中心位置を中心に公転させながら自転させることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録ディスクの製造方法。
  6. 前記成膜工程では、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気記録ディスクの製造方法。
  7. 前記磁性層は、個々の磁性粒子の間に非磁性の分離母材が導入されているグラニュラー薄膜であることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録ディスクの製造方法。
  8. 加熱した磁気記録ディスク用基板の表面に下地層、磁性層、および保護層のうちの少なくとも1層を形成する磁気記録ディスク製造装置において、
    前記磁気記録ディスク用基板に対向するヒータ面と、対向状態を保持したまま、前記磁気記録ディスク用基板に対して前記ヒータ面を相対回転させる回転駆動装置とを有していることを特徴とする磁気記録ディスク製造装置。
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