JP2007084949A - 導電性繊維材料、導電性塗料、導電性繊維材料の製造方法及び面状発熱体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリウレタン100重量部、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部からなる導電性組成物を、繊維材料に被覆してなることを特徴とする導電性繊維材料。この導電性繊維材料を有することを特徴とする面状発熱体。
Description
1.ポリウレタン100重量部、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部からなる導電性組成物を、繊維材料に被覆してなることを特徴とする導電性繊維材料;
2.前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gのカーボンブラックであることを特徴とする、1に記載の導電性繊維材料;
3.ポリウレタン100重量部に、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部及び溶媒500〜1500重量部を配合してなる導電性塗料;
4.前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gのカーボンブラックであることを特徴とする、3に記載の導電性塗料;
5.ポリウレタン100重量部に、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部及び溶媒500〜1500重量部を配合してなる導電性塗料を、繊維材料に塗布することを特徴とする、導電性繊維材料の製造方法;
6.前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gのカーボンブラックであることを特徴とする、5に記載の導電性繊維材料の製造方法;
7.1又は2に記載の導電性繊維材料を有してなることを特徴とする面状発熱体;
が提供される。
前記カーボンブラックの具体例としては、アセチレンブラック;ケッチェッンブラック;チャンネルブラック;ファーネスブラック;酸化カーボン等の変性カーボン;などが挙げられるが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gであるカーボンブラックが好ましく、ジブチルフタレート吸油量が150〜200ml/100gであるカーボンブラックがより好ましい。
カーボンブラックの使用量は、前記ポリウレタン100重量部に対して、通常、30〜60重量部、好ましくは35〜55重量部である。
また、前記ポリウレタン100重量部に対するカーボンブラックの使用量が30重量部未満では、導電性繊維材料、すなわち、導電性組成物の電気抵抗値が高くなり過ぎ、一定電圧下においては導電性に劣ると共に、導電性繊維材料等の導電性発熱素子として使用する際に発熱量が小さくなる傾向がある。他方、その使用量が60重量部を超えると、導電性繊維材料、すなわち、導電性組成物の電気抵抗値が低くなり過ぎ、所定の抵抗値の導電性繊維材料が得られない。
導電性繊維材料の単位長さあたりの電気抵抗値が前記の範囲にあることにより、適正な電圧での通電が可能であり、過電流による過度な発熱を生じることがなく、また導電性に劣ることもないので発熱量も適正範囲となる。
カーボンブラックのDBP吸油量は下記の試験方法で測定した値である。
カーボンブラックの乾燥試料1.00±0.01gを平滑なガラス板上に置く。粒状の場合は、へらで適度の圧力をかけ粒を砕く。ビュレットから必要なDBP量の約1/2をガラス板上に静かに注ぎ加え、DBPを円状に均等に広げてから前記試料を少しずつDBPの上に移して分散させ、へらで小円形を描く操作で練る。へらに付着した試料は、他のへらで取り除き、更にDBP約1/3〜1/4を加え、同一操作を繰り返して混合物が均一になるようにする。終点に近くなったら1滴ずつ加えて、更に終点近くなったら1/2滴ずつ加え、全体が一つの締まった塊状となった点を終点とする。この操作は、10〜15分で終わるようにする。操作終了後3分経過してからビュレット中のDBP滴下量を読み、次式によって吸油量を算出する。
OA=(V/W)×100
(OA:吸油量(ml/100g)、V:終点までに用いたDBPの使用量(ml)、W:乾燥試料の重さ(g))
導電性組成物の電気抵抗値は下記の試験方法で測定した値である。
(1) 試験用フィルム作成
50μm厚のポリエチレンテレフタレート製フィルム上に導電性塗料を塗布し、ベーカー式アプリケーター(理学工業(株)社製)で均一な厚みのフィルムとする。それを40℃のホットプレート上で5分間乾燥させ、その後、80℃のホットプレート上で5分間乾燥させる。
(2) 電気抵抗値測定
(1)で作製した試験用フィルムを、(5cm±0.5mm)×(6cm±0.5mm)に切り取り、短辺側両端5mmをそれぞれ幅5cmのステンレス製クリップで留める。両端にあるクリップにテスターを接続し、フィルム(5cm±0.5mm)×(5cm±0.5mm)の表面電気抵抗値r(Ω)を測定する。フィルムの厚みを、厚み計で測定し、以下の式により導電性組成物の電気抵抗値ρ(Ω・cm)を算出する。
ρ=r×(T×5)/5=r×T
(ρ:導電性組成物の電気抵抗値(Ω・cm)、T:フィルムの厚み(cm)、r:表面電気抵抗値(Ω))
導電性繊維材料の単位長さあたりの電気抵抗値は下記の試験方法で測定した値である。
(5cm±0.5mm)間隔の電極間に導電性繊維材料をたるみのないように張り、この電極間に一定電圧を印加する。
同電極間に張り渡した導電性繊維材料の電気抵抗値R1(Ω)をテスターにて読み取り、以下の式により、導電性繊維材料の単位長さあたりの電気抵抗値R(Ω/cm)を算出する。
R=R1/L
(R:導電性繊維材料の単位長さあたりの電気抵抗値(Ω/cm)、L:導電性繊維材料の長さ(cm))
塗料の貯蔵安定性の指標となる塗料抵抗変化率x(%)は、作成直後の塗料から作成する導電性組成物の抵抗値(R0)と室温(23℃)保管2週間後の塗料から作成する導電性組成物の抵抗値(R2)を測定法1と同様にそれぞれ求め、以下の式により算出する。
x=100×(R2−R0)/R0 (%)
温度上昇による導電性繊維材料の電気抵抗値の変化率は下記の試験方法で測定した結果である。
(5cm±0.5mm)間隔の電極間に導電性繊維材料をたるみのないように張り、同電極間に張り渡した導電性繊維材料の電気抵抗値をテスターにて読み取る(R3とする)。
次にこの電極間に一定電圧を印加して80℃にて30分間加熱し、そのときの導電性繊維材料の電気抵抗値をテスターにて読み取る(R4とする)。
以下の式により、温度上昇による導電性繊維材料の電気抵抗値の変化率y(%)を算出する。
y=100×(R4−R3)/R3 (%)
導電性組成物の表面の平滑性を示す指標としてフィルムの動摩擦係数を用いる。測定法1にて作成した試験用フィルムを用い、JIS K 7125に準じて動摩擦係数を算出し、導電性組成物の表面の平滑性とする。
接着性は下記の試験方法にて判定した。
ポリエステル製の基糸に導電性組成物が被覆されている導電性繊維材料を台上に置き、その上からJIS Z 1522規格に適合した幅8mmのセロハンテープを貼り付け、その上で750gのローラーを繊維材料の長さ方向に1往復させる。その後セロハンテープをゆっくり剥がす。導電性組成物が基糸から剥がれ、セロハンテープに移った導電性組成物の量から、接着性の優劣を判断する。
○:導電性組成物がセロハンテープに移る量が全体の半分以下である。
△:導電性組成物がセロハンテープに移る量が全体の半分以上であるが、基材そのものは露出しない。
×:導電性組成物の殆どが剥がれてセロハンテープに移り、基材そのものが露出する。
繊維材料としてポリエステル製のマルチフィラメントの糸(1100デシテックスのもの)を基糸として用い、その糸に、前記の方法で得た導電性塗料を塗布した後、乾燥し、基糸1mあたり0.04gの導電性組成物で被覆された糸、すなわち、導電性繊維材料を作製した。
作製した導電性組成物の電気抵抗値を前記〔測定法2〕で測定したところ、1.1Ω・cmであった。また作製した導電性繊維材料の単位長さあたりの電気抵抗値を前記〔測定法3〕で測定したところ、3770Ω/cmであった。また、塗料抵抗変化率を前記〔測定法4〕で測定したところ、+2.8%であった。また、温度上昇による導電性繊維材料の電気抵抗値の変化率を前記〔測定法5〕にて測定したところ、5.2%であった。また、導電性組成物の表面の平滑性(動摩擦係数)を〔測定法6〕で測定したところ、0.9であった。また、導電性組成物で被覆された糸における、ポリエステル製の基糸と導電性組成物との接着性を前記〔測定法7〕にて測定したところ、判定は○であり接着性に優れていることが分かった。結果を表1に示す。
カーボンブラックとしてデンカブラックを40重量部用いる代わりに90重量部用い、タルクを用いなかった他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
タルクを用いず、THFを860重量部用いる代わりに640重量部用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
タルク L−1を50重量部用いる代わりに80重量部用い、THFを860重量部用いる代わりに1000重量部用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
タルク L−1を50重量部用いる代わりに15重量部用い、THFを860重量部用いる代わりに700重量部用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
タルク L−1を50重量部用いる代わりに、タルク MSKY(1次平均粒子径25μm:日本タルク(株)社製)を50重量部用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
タルク L−1を50重量部用いる代わりに、分級タルク〔SG−2000(1次平均粒子径1.0μm:日本タルク(株)社製)を分級処理したもの;1次平均粒子径0.7μm〕を50重量部用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
タルクを用いず、カーボンブラックとしてデンカブラックを40重量部用いる代わりに、ジブチルフタレート吸油量が45ml/100gのカーボンブラックである三菱カ−ボンブラック#45Lを10重量部用い、更に、グラファイトカーボン J−CPB(日本黒鉛工業(株)社製)を90重量部用い、THFを860重量部用いる代わりに900重量部用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性塗料及び導電性繊維材料を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
4… 発熱層
6… 絶縁層
8… 電極
10… 側端部
Claims (7)
- ポリウレタン100重量部、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部からなる導電性組成物を、繊維材料に被覆してなることを特徴とする導電性繊維材料。
- 前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gのカーボンブラックであることを特徴とする、請求項1に記載の導電性繊維材料。
- ポリウレタン100重量部に、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部及び溶媒500〜1500重量部を配合してなる導電性塗料。
- 前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gのカーボンブラックであることを特徴とする、請求項3に記載の導電性塗料。
- ポリウレタン100重量部に、カーボンブラック30〜60重量部、及び1次平均粒子径が1〜20μmのタルク30〜60重量部及び溶媒500〜1500重量部を配合してなる導電性塗料を、繊維材料に塗布することを特徴とする、導電性繊維材料の製造方法。
- 前記カーボンブラックが、ジブチルフタレート吸油量が100〜250ml/100gのカーボンブラックであることを特徴とする、請求項5に記載の導電性繊維材料の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の導電性繊維材料を有してなることを特徴とする面状発熱体。
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