JP2007073972A - 半導体製造装置用セラミックスヒーター - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱処理時に割れが生じることなく、セラミックスヒーターに載置されたウエハの外周面からの熱輻射を抑え、ウエハ表面の均熱性を高めた半導体製造装置用セラミックスヒーターを提供する。
【解決手段】 セラミックス基板2a、2bの表面又は内部に抵抗発熱体3を有する半導体製造装置用セラミックスヒーター1であって、ウエハを載置する側の面に、ウエハを収容載置できる凹部からなるウエハポケット5を有する。このウエハポケット5は、その外周内側面と底面とがなす角度が90°を超え170°以下であり、及び/又はその外周内側面と底面とを連接する底部外周縁の曲率が0.1mm以上である。セラミックスヒーター1は、セラミックス基板2a、2bの表面又は内部に、更にプラズマ電極が配置されていても良い。
【選択図】 図2
【解決手段】 セラミックス基板2a、2bの表面又は内部に抵抗発熱体3を有する半導体製造装置用セラミックスヒーター1であって、ウエハを載置する側の面に、ウエハを収容載置できる凹部からなるウエハポケット5を有する。このウエハポケット5は、その外周内側面と底面とがなす角度が90°を超え170°以下であり、及び/又はその外周内側面と底面とを連接する底部外周縁の曲率が0.1mm以上である。セラミックスヒーター1は、セラミックス基板2a、2bの表面又は内部に、更にプラズマ電極が配置されていても良い。
【選択図】 図2
Description
本発明は、半導体製造工程においてウエハに所定の処理を行う半導体製造装置に使用され、ウエハを保持して加熱するセラミックスヒーターに関する。
従来から、半導体製造装置に使用されるセラミックスヒーターに関しては、種々の構造が提案なされている。例えば、特公平6−28258号公報には、抵抗発熱体が埋設され、容器内に設置されたセラミックスヒーターと、このヒーターのウエハ加熱面以外の面に設けられ、反応容器との間で気密性シールを形成する凸状支持部材とを備えた半導体ウエハ加熱装置が提案されている。
また、最近では、製造コスト低減のために、ウエハの外径は8インチから12インチヘ大ロ径化が進められており、これに伴ってウエハを保持するセラミックスヒーターも直径300mm以上になってきている。同時に、セラミックスヒーターで加熱されるウエハ表面の均熱性は±1.0%以下、更に望ましくは±0.5%以下が求められている。
特公平06−028258号公報
このような均熱性向上の要求に対して、セラミックスヒーターに設ける抵抗発熱体の回路パターンの改良等などが研究されてきた。しかしながら、ウエハ及びセラミックスヒーターの大口径化に伴い、ウエハ表面の均熱性に対する上記要求の実現は困難になりつつある。
例えば、セラミックスヒーターのウエハを載置する面は単一な平面で形成されており、その平らなウエハ載置面上に半導体ウエハを保持して加熱している。しかし、セラミックスヒーターに載置されたウエハの外周面からも熱輻射があるため、ウエハ外周部はウエハ内部と比較して温度が低くなりやすい。そのため、このウエハ外周面からの熱輻射によってもウエハ表面の均熱性が阻害されやすく、ウエハの大口径化が進むにつれて顕著になっていた。
また、セラミックスヒーターにネジ穴等の加工を施すと、ウエハの加熱処理時に、その部分を起点として割れが発生しやすい。そのため、特にウエハを載置する側の面は、特別な加工を施さず、ウエハとの隙間をなくす点からも単一な平面とされていた。
本発明は、このような従来の事情に鑑み、加熱処理時に割れが発生せず、しかもセラミックスヒーターに載置されたウエハの外周面からの熱輻射を抑え、ウエハ表面の均熱性を高めた半導体製造装置用セラミックスヒーターを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、セラミックス基板の表面又は内部に抵抗発熱体を有する半導体製造装置用セラミックスヒーターであって、該セラミックスヒーターのウエハを載置する側の面に、ウエハを収容載置できる凹部を有し、該凹部の外周内側面と底面とがなす角度が90°を超え170°以下であり、及び/又は該凹部の外周内側面と底面とを連接する底部外周縁の曲率が0.1mm以上であることを特徴とする半導体製造装置用セラミックスヒーターを提供するものである。
上記本発明の半導体製造装置用セラミックスヒーターにおいて、前記セラミックス基板は、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸窒化アルミニウム、炭化珪素から選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。
また、上記本発明の半導体製造装置用セラミックスヒーターにおいて、前記抵抗発熱体は、タングステン、モリブデン、白金、パラジウム、銀、ニッケル、クロムから選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。
更に、上記本発明の半導体製造装置用セラミックスヒーターは、前記セラミックス基板の表面又は内部に、更にプラズマ電極が配置されていても良い。
本発明によれば、セラミックスヒーターにウエハを収容載置するウエハポケットを設け、その形状を工夫することによって、加熱処理時にセラミックスヒーターに割れがなく、載置されたウエハの外周面からの熱輻射を抑えることができ、ウエハ載置面の均熱性を高めた半導体製造装置用セラミックスヒーターを提供することができる。
本発明者らは、ウエハ外周面からの熱輻射を抑える手段を検討した結果、半導体製造装置用セラミックスヒーターへのウエハ載置方法に着目し、セラミックスヒーターのウエハを載置する側の面に、ウエハを収容載置できる凹部(以下、ウエハポケットとも称する)を設けることとした。尚、ウエハポケットの形状に関しては、セラミックスヒーターのウエハ載置面よりも一段低く窪んでいて、且つウエハを収容載置できる大きさの平らな底面を有していれば良く、例えばウエハと略同一の外径を有する円形の凹状であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
例えば、図1に示すように、セラミックスヒーターにウエハ6の厚さとほぼ同じ程度の深さと、ウエハ6を収容できる大きさの外径を有する凹部からなるウエハポケット5を設ける。このウエハポケット5の平らな底面5a上にウエハ6を載置することによって、ウエハ6はウエハポケット5内に収容されると共に、ウエハ6の外周面の全て又は大部分がウエハポケット5の外周内側面5bと対向する状態になるため、ウエハ6の外周面からの熱輻射を低減させて均熱性を高めることができる。
その結果、本発明においては、ウエハ及びセラミックスヒーターが大口径であっても、加熱処理時におけるウエハ表面の均熱性を改善向上することができる。具体的には、ウエハ表面の均熱性を、熱伝導率100W/mK以上のセラミックスヒーターでは±0.5%以下、及び10〜100W/mKのセラミックスヒーターでは±1.0%以下とすることができる。
しかしながら、このようなウエハポケットをセラミックスヒーターに新たに設けると、ヒーター使用温度である500℃以上に昇温したとき、ウエハポケットの段差部を基点としてセラミックスヒーターに割れが生じやすい。この割れは、ウエハポケットの外周内側面とウエハとの間隙が小さいため、ウエハポケットの段差部に熱が集中し、その熱応力によって生じるものと考えられる。
そこで、ウエハ表面の均熱性を確保しつつ、セラミックスヒーターに割れの生じないウエハポケットの形状を検討した。その結果、図1に示すように、ウエハポケット5の外周内側面5bと底面5aとがなす角度θが90°を超え170°以下であるとき、所要のウエハ表面の均熱性を維持しながら、ウエハポケット5の段差部を基点としたセラミックスヒーター1の割れを防止することができた。また、ウエハポケット5の外周内側面5bと底面5aとを連接する底部外周縁5cの曲率Rを0.1mm以上とした場合にも、同様の効果が得られた。
次に、本発明によるセラミックスヒーターの具体的な構造を、図2〜図3により説明する。図2に示すセラミックスヒーター1は、セラミックス基板2aの表面上に所定回路パターンの抵抗発熱体3が設けてあり、その表面上に別のセラミックス基板2bがガラス又はセラミックスからなる接着層4により接合されている。尚、抵抗発熱体3の回路パターンは、例えば線幅と線間隔が5mm以下、更に好ましくは1mm以下になるように形成されている。
また、図3に示すセラミックスヒーター11は、その内部に抵抗発熱体13と共にプラズマ電極16を備えている。即ち、図2のセラミックスヒーターと同様に、表面上に抵抗発熱体13を有するセラミックス基板12aとセラミックス基板12bを接着層14aで接合すると共に、そのセラミックス基板12aの他表面に、プラズマ電極16を設けた別のセラミックス基板12cがガラス又はセラミックスからなる接着層14bにより接合してある。
そして、上記図2及び図3のいずれのセラミックスヒーター1、11においても、そのウエハを載置する側の面には、ウエハを収容載置できる凹部(ウエハポケット5、15)が設けてある。
尚、図2及び図3に示したセラミックスヒーターの製造においては、それぞれのセラミックス基板を接合する方法以外にも、厚さ約0.5mmのグリーンシートを準備し、各グリーンシート上に導電性ペーストを抵抗発熱体及び/又はプラズマ電極の回路パターンを印刷塗布した後、これらのグリーンシート並びに必要に応じて通常のグリーンシートを所要の厚さが得られるよう積層し、同時に焼結して一体化しても良い。
窒化アルミニウム(AlN)粉末に、焼結助剤とバインダーを添加し、ボールミルによって分散混合した。この混合粉末をスプレードライ乾燥した後、直径380mm、厚み1mmの円板状にプレス成形した。得られた成形体を非酸化性雰囲気中にて温度800℃で脱脂した後、温度1900℃で4時間焼結することにより、AlN焼結体を得た。このAlN焼結体の熱伝導率は170W/mKであった。このAlN焼結体の外周面を外径330mmになるまで研磨して、セラミックスヒーター用のAlN基板2枚を準備した。
1枚の上記AlN基板の表面上に、タングステン粉末と焼結助剤をバインダーに混練したペーストを印刷塗布し、所定の発熱体回路パターンを形成した。このAlN基板を非酸化雰囲気中にて温度800℃で脱脂した後、温度1700℃で焼成して、Wの抵抗発熱体を形成した。更に、残り1枚の上記AlN基板の表面に、Y2O3系接着剤とバインダーを混練したペーストを印刷塗布し、温度500℃で脱脂した。このAlN基板の接着剤の層を、上記AlN基板の抵抗発熱体を形成した面に重ね合わせ、温度800℃に加熱して接合した。
接合後、ウエハを載置する側の面に、ウエハ厚さ0.8mmと同じ深さで、直径が315mmの凹部(ウエハポケット)を加工した。その際、試料ごとにウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θを、下記表1に示す所定の角度となるように加工した。また、幾つかの試料については、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とを連接する底部外周縁を、表1に示す曲率Rを有する曲面に加工した。このようにして、下記表1に示す各試料のAlN製のセラミックスヒーター(図2の構造)を得た。
得られた各試料のセラミックスヒーターについて、ウエハ載置面の反対側表面に形成した2つの電極から、200Vの電圧で抵抗発熱体に電流を流すことにより、セラミックスヒーターの温度を500℃まで昇温した。その際、セラミックスヒーターのウエハポケットに厚み0.8mm、直径304mmのシリコンウエハを載せ、その表面の温度分布を測定して均熱性を求めた。得られた結果を、試料毎に下記表1に示した。
上記表1に示す結果から分るように、窒化アルミニウム製のセラミックスヒーターにおいて、ウエハ載置面にウエハポケットを形成し、そのウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θを90°<θ≦170°とするか、又はウエハポケットの底部外周縁に曲率RがR≧0.1mmの曲面を設けることによって、セラミックスヒーターに割れを生じることなく、ウエハ加熱時におけるウエハ表面の均熱性を±0.5%以下にすることができた。
窒化珪素(Si3N4)粉末に、焼結助剤とバインダーを添加して、ボールミルによって分散混合した。この混合粉末をスプレードライ乾燥した後、直径380mm、厚み1mmの円板状にプレス成形した。この成形体を非酸化性雰囲気中にて温度800℃で脱脂した後、温度1550℃で4時間焼結することによって、Si3N4焼結体を得た。得られたSi3N4焼結体の熱伝導率は20W/mKであった。このSi3N4焼結体の外周面を外径330mmになるまで研磨して、セラミックスヒーター用のSi3N4基板2枚を準備した。
1枚の上記Si3N4基板の表面上に、タングステン粉末と焼結助剤をバインダーにて混練したペーストを印刷塗布し、非酸化性雰囲気中にて温度800℃で脱脂した後、温度1650℃で焼成して抵抗発熱体を形成した。また、残り1枚の上記Si3N4基板の表面にはSiO2系接着剤の層を形成し、温度500℃で脱脂した後、上記Si3N4基板の抵抗発熱体を形成した面に重ね合わせ、温度800℃に加熱して接合した。
接合後、ウエハを載置する側の面に、ウエハ厚さ0.8mmと同じ深さで、直径が315mmのウエハポケットを加工した。その際、実施例1と同様に加工して、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θと、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とを連接する底部外周縁の曲率Rを、試料毎に下記表2に示すように変化させた。
このようにして得られたSi3N4製のセラミックスヒーターについて、ウエハ載置面の反対側表面に形成した2つの電極から、200Vの電圧で抵抗発熱体に電流を流すことにより、セラミックスヒーターの温度を500℃まで昇温した。その際、セラミックスヒーターのウエハポケットに厚み0.8mm、直径304mmのシリコンウエハを載せ、その表面温度分布を測定して均熱性を求めた。得られた結果を、試料毎に下記表2に示した。
上記表2から分るように、窒化珪素製のセラミックスヒーターにおいても、ウエハ載置面に形成したウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θを90°<θ≦170°とするか、又はウエハポケットの底部外周縁の曲率RをR≧0.1mmとすることによって、セラミックスヒーターに割れを生じることなく、ウエハ加熱時におけるウエハ表面の均熱性を±1.0%以下にすることができた。
酸窒化アルミニウム(AlON)粉末に、焼結助剤とバインダーを添加し、ボールミルによって分散混合した。この混合粉末をスプレードライ乾燥した後、直径380mm、厚み1mmの円板状にプレス成形した。この成形体を非酸化性雰囲気中にて温度800℃で脱脂した後、温度1770℃で4時間焼結することによって、AlON焼結体を得た。このAlON焼結体の熱伝導率は20W/mKであった。得られたAlON焼結体の外周面を外径330mmになるまで研磨して、セラミックスヒーター用のAlON基板2枚を準備した。
1枚の上記AlON基板の表面上に、タングステン粉末と焼結助剤をバインダーに混練したペーストを印刷塗布し、所定の発熱体回路パターンを形成した。このAlON基板を非酸化雰囲気中にて温度800℃で脱脂した後、温度1700℃で焼成して、抵抗発熱体を形成した。また、残り1枚の上記AlON基板の表面に、Y2O3系接着剤とバインダーを混練したペーストを印刷塗布して、温度500℃で脱脂した。このAlON基板の接着の層を、上記AlON基板の抵抗発熱体を形成した面に重ね合わせ、温度800℃に加熱して接合した。
接合後、ウエハを載置する側の面に、ウエハ厚さ0.8mmと同じ深さで、直径が315mmのウエハポケットを加工した。その際、実施例1と同様に加工して、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θと、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とを連接する底部外周縁の曲率Rを、試料毎に下記表3に示すように変化させた。
このようにして得られたAlON製のセラミックスヒーターについて、ウエハ載置面の反対側表面に形成した2つの電極から、200Vの電圧で抵抗発熱体に電流を流すことにより、セラミックスヒーターの温度を500℃まで昇温した。その際、セラミックスヒーターのウエハポケットに厚み0.8mm、直径304mmのシリコンウエハを載せ、その表面温度分布を測定して均熱性を求めた。得られた結果を、試料毎に下記表3に示した。
上記表3から分るように、酸窒化アルミニウム製のセラミックスヒーターにおいても、ウエハ載置面に形成したウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θを90°<θ≦170°とするか、又はウエハポケットの底部外周縁の曲率RをR≧0.1mmとすることによって、セラミックスヒーターに割れを生じることなく、ウエハ加熱時におけるウエハ表面の均熱性を±1.0%以下にすることができた。
実施例1と同様の方法により、窒化アルミニウム焼結体からなる外径330mmのセラミックスヒーター用のAlN基板を2枚作製した。この2枚のAlN基板を用いてセラミックスヒーターを作製する際に、1枚のAlN基板の表面上に設ける抵抗発熱体の材料をMo、Pt、Ag−Pd、Ni−Crに変化させ、それぞれのペーストを印刷塗布して非酸化性雰囲気中で焼き付けた。
次に、残り1枚のAlN基板の表面には、SiO2系接合ガラスを塗布し、非酸化性雰囲気にて温度800℃で脱脂した。このAlN基板のガラス層を、上記AlN基板の抵抗発熱体を形成した面に重ね合わせ、温度800℃に加熱して接合することにより、それぞれ抵抗発熱体の材質が異なるAlN製のセラミックスヒーターを得た。
各セラミックスヒーターのウエハを載置する側の面に、ウエハ厚さ0.8mmと同じ深さで、直径が315mmのウエハポケットを加工した。その際、実施例1と同様に加工して、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θと、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とを連接する底部外周縁の曲率Rを、試料毎に下記表4に示すように変化させた。
このようにして得られたセラミックスヒーターについて、ウエハ載置面の反対側表面に形成した2つの電極から、200Vの電圧で抵抗発熱体に電流を流すことにより、セラミックスヒーターの温度を500℃まで昇温した。その際、セラミックスヒーターのウエハポケットに厚み0.8mm、直径304mmのシリコンウエハを載せ、その表面温度分布を測定して均熱性を求めた。得られた結果を、試料毎に下記表4に示した。
上記表4に示すように、抵抗発熱体がMo、Pt、Ag−Pd、Ni−Crからなるセラミックスヒーターにおいても、実施例1に示したWの抵抗発熱体の場合と同様に、ウエハ載置面に形成したウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θを90°<θ≦170°とするか、又はウエハポケットの底部外周縁の曲率RをR≧0.1mmとすることによって、セラミックスヒーターに割れを生じることなく、ウエハ加熱時におけるウエハ表面の均熱性を±0.5%以下にすることができた。
窒化アルミニウム(AlN)粉末に焼結助剤、バインダー、分散剤、アルコールを添加混練したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ約0.5mmのグリーンシートを得た。
次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥した後、タングステン粉末と焼結助剤をバインダーにて混練したペーストを、1枚のグリーンシートの表面上に印刷塗布して、所定回路パターンの抵抗発熱体層を形成した。更に、別の1枚のグリーンシートを同様に乾燥し、その表面上に上記タングステンペーストを印刷塗布して、プラズマ電極層を形成した。これら2枚の導電層を有するグリーンシートと、導電層が印刷されていないグリーンシートを合計50枚積層し、70kg/cm2の圧力をかけながら温度140℃に加熱して一体化した。
得られた積層体を非酸化性雰囲気中にて600℃で5時問脱脂した後、100〜150kg/cm2の圧力と1800℃の温度でホットプレスして、厚さ3mmのAlN板状体を得た。これを直径380mmの円板状に切り出し、その外周部を直径330mmになるまで研磨した。
その後、ウエハを載置する側の面に、ウエハ厚さ0.8mmと同じ深さで、直径が315mmのウエハポケットを加工した。その際、実施例1と同様に加工して、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θと、ウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とを連接する底部外周縁の曲率Rを、試料毎に下記表5に示すように変化させた。このようにして、内部にWの抵抗発熱体とプラズマ電極を有するAlN製のセラミックスヒーター(図3の構造)を得た。
得られたセラミックスヒーターについて、ウエハ載置面の反対側表面に形成した2つの電極から、200Vの電圧で抵抗発熱体に電流を流すことにより、セラミックスヒーターの温度を500℃まで昇温した。その際、セラミックスヒーターのウエハポケットに厚み0.8mm、直径304mmのシリコンウエハを載せ、その表面温度分布を測定して均熱性を求めた。得られた結果を、試料毎に下記表5に示した。
上記表5から分るように、抵抗発熱体とプラズマ電極を有する窒化アルミニウム製のセラミックスヒーターであっても、ウエハ載置面に形成したウエハポケットの外周内測面とウエハポケットの底面とがなす角度θを90°<θ≦170°とするか、又はウエハポケットの底部外周縁の曲率RをR≧0.1mmとすることによって、セラミックスヒーターに割れを生じることなく、ウエハ加熱時におけるウエハ表面の均熱性を±0.5%以下にすることができた。
本発明によれば、セラミックスヒーターにウエハを収容載置するウエハポケットを設け、その形状を工夫することによって、加熱処理時にセラミックスヒーターに割れがなく、載置されたウエハの外周面からの熱輻射を抑えることができ、ウエハ載置面の均熱性を高めた半導体製造装置用セラミックスヒーターを提供することができる。
1、11 セラミックスヒーター
2a、2b、12a、12b、12c セラミックス基板
3、13 抵抗発熱体
4、14a、14b 接着層
5、15 ウエハポケット
5a 底面
5b 外周内側面
5c 底部外周縁
6 ウエハ
16 プラズマ電極
2a、2b、12a、12b、12c セラミックス基板
3、13 抵抗発熱体
4、14a、14b 接着層
5、15 ウエハポケット
5a 底面
5b 外周内側面
5c 底部外周縁
6 ウエハ
16 プラズマ電極
Claims (4)
- セラミックス基板の表面又は内部に抵抗発熱体を有する半導体製造装置用セラミックスヒーターであって、該セラミックスヒーターのウエハを載置する側の面に、ウエハを収容載置できる凹部を有し、該凹部の外周内側面と底面とがなす角度が90°を超え170°以下であり、及び/又は該凹部の外周内側面と底面とを連接する底部外周縁の曲率が0.1mm以上であることを特徴とする半導体製造装置用セラミックスヒーター。
- 前記セラミックス基板が、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸窒化アルミニウム、炭化珪素から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1に記載された半導体製造装置用セラミックスヒーター。
- 前記抵抗発熱体が、タングステン、モリブデン、白金、パラジウム、銀、ニッケル、クロムから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載された半導体製造装置用セラミックスヒーター。
- 前記セラミックス基板の表面又は内部に、更にプラズマ電極が配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載された半導体製造装置用セラミックスヒーター。
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JP2009218242A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Hitachi High-Technologies Corp | プラズマ処理装置の製造方法 |
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