JP2007063094A - 石英管の内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法 - Google Patents

石英管の内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 地球温暖化ガスの排出量を抑制しながら石英管内の内面処理が可能な石英管内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法を提供する。
【解決手段】 石英管10の内面処理方法は、塩素を含むガスを石英管10内に供給しながら石英管10を1800℃以上に加熱して、塩素によって石英管10の内面10aを処理する内面処理工程S10を備える。この場合、地球温暖化ガスを使用せずに、1800℃以上に石英管10を加熱することで塩素により石英管10の内面10aを処理しているので、石英管10の内面処理工程S10で知勇温暖化ガスの排出が抑制される。その結果、地球温暖化防止に適した処理方法となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石英管の内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法に関するものである。
低損失な光ファイバを得るためには、光ファイバ母材を製造する工程において、光導波領域のガラス界面を不純物の少ない状態に仕上げる必要がある。また、ガラス界面が光導波領域でない場合でも、気泡や異物が界面に残ると、光ファイバの信頼性が低下する。
そこで、低損失で信頼性の高い光ファイバを得るために、光ファイバ母材の製造に利用する石英管の内面処理が実施されている。従来、このような石英管の内面処理としては、CFガスやSFガスを利用した気相エッチングが用いられている。
特公昭59−6261号公報 特開昭55−90430号公報
しかしながら、エッチングプロセスではCFガスやSFガスが完全に消費されることはなく、一部が未反応CFガスやSFガスとして排気される。このCFガス及びSFガスは地球温暖化ガスに指定されており、その使用量の削減が望まれている。
そこで、本発明は、地球温暖化ガスの排出量を抑制しながら石英管内の内面処理が可能な石英管の内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために、ガラス表面に存在する不純物や水分を除去する効果を有する塩素に着目した。そして、本発明者らは、塩素雰囲気下でガラスを1800℃以上の高温にすることによってガラスの表層の一部を除去できることを見出して本発明に至った。
すなわち、本発明に係る石英管の内面処理方法は、塩素を含むガスを石英管内に供給しながら石英管を1800℃以上に加熱して、塩素によって石英管の内面処理する内面処理工程を備えることを特徴とする。
上記方法では、1800℃以上で石英管を加熱しながら塩素を含むガスを石英管内に供給していることから、塩素によって石英管の内面を処理する(例えば、内面の一部を気相化除去する)ことができる。その結果として、石英管の内面上の不純物等がより確実に除去されることになる。このように塩素を利用して石英管の内面を処理することから、SFガスやCFガスを全く使用しなかったり、その使用を低減することが可能である。
また、本発明に係る石英管の内面処理方法では、抵抗炉又は誘導炉を熱源として石英管を加熱することが好適である。抵抗炉や誘導炉を利用して輻射熱によって石英管を加熱することで、1800℃以上で石英管を加熱しても石英管の変形を抑制できる。
更に、本発明に係る石英管の内面処理方法では、石英管内を陽圧にして石英管を加熱することが好ましい。この場合、石英管内が石英管の外よりも圧力が高くなるので、加熱による石英管の変形が抑制される。これは、石英管の肉厚が薄い場合に特に有効である。
また、本発明に係る石英管の内面処理方法では、塩素を含むガスを石英管内に供給しながら1800℃より低い温度で石英管を加熱した後に、内面処理工程において石英管を1800℃以上で加熱することが好ましい。
内面処理工程での加熱温度より低い温度で石英管を加熱しながら石英管内に塩素を含むガスを導入することによって、石英管の内面上の不純物の一部を除去することが可能である。内面処理工程では、1800℃以上で石英管を加熱しているので、石英管の内面に粘性流動が生じる場合もある。このように粘性流動が生じても、上記のように内面処理工程の前に内面上に存在する不純物の一部をあらかじめ除去しているので、石英管内面の表層内に不純物等が取り込まれにくい。よって、内面処理された石英管を利用して製造された光ファイバでは、その内部に含まれる不純物等の量が更に低減されることになる。
また、本発明に係る母材製造方法は、本発明に係る石英管の内面処理方法によって内面処理された石英管を利用して光ファイバ母材を製造することを特徴とする。本発明に係る内面処理方法によって内面が処理された石英管を利用しているので、不純物等がより少ない光ファイバ母材を製造することができる。
また、本発明に係る光ファイバ製造方法は、本発明に係る母材製造方法によって製造された光ファイバ母材を線引きすることによって光ファイバを製造することを特徴とする。この場合、本発明に係る光ファイバ母材製造方法により製造された光ファイバ母材を利用して光ファイバを製造しているので、光ファイバ内に不純物等が含まれにくく、伝送損失の低減が図られ信頼性の高い光ファイバを製造することができる。
本発明の石英管の内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法によれば、地球温暖化ガスの排出を抑制しながら石英管の内面処理が可能である。
以下、本発明に係る石英管の内面処理方法、光ファイバ母材製造方法及び光ファイバ製造方法の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る光ファイバの製造方法の一実施形態のフローチャートである。図1に示した光ファイバ製造方法では、ロッドインチューブ法により作製された光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造するものであり、内面処理工程S10と、母材製造工程S11と、線引工程S12とを備えている。以下、各工程についてより具体的に説明する。
内面処理工程S10では、ロッドインチューブ法で利用する石英管の内面(内壁面)を清浄化する。先ず、図2に示すように、クラッド領域となる石英管10を旋盤にセットする。この際、石英管10の両端にダミーパイプを接続し、石英管10を、その中心軸周りに回転可能に旋盤にセットする。石英管10の材料としては、純石英ガラス、フッ素添加石英ガラス、塩素添加石英ガラスなどが例示される。石英管10を高温で加熱することによる石英管10の変形を抑制する観点から、石英管10の肉厚dは約15mm以上であることが好ましい。
石英管10を旋盤にセットした後、旋盤が有する熱源としての誘導炉21によって、石英管10の温度が1800℃以上となるように加熱しながら塩素ガスを石英管10の一端から他端に向けて流す。なお、石英管10の温度とは、石英管10の外表面の温度を意味する。このとき、石英管10をその中心軸周りに回転させながら、誘導炉21を石英管10の長手方向(塩素ガスの流れ方向)に移動させる。
内面処理工程S10では、塩素ガスを流しながら1800℃以上となる温度で石英管10を加熱することによって、石英管10の内面処理が施されている。より具体的には、石英管10の内面10aの表層の一部が気相化され、除去されている。また、1800℃以上の高温で処理するため、ガラス表面の粘性流動による平滑化も進行しており、後工程での気泡の発生が抑制された内表面が形成される。この平滑化を促進する観点から、石英管10には、フッ素及び塩素の少なくとも一方が添加されていることが好ましい。フッ素や塩素の少なくとも一方が添加されていることでガラスの粘性が低下する。これにより、石英管10の平滑化温度が低くなり、平滑化が生じやすくなる。
なお、石英管10の温度が1800℃以上となるように石英管10を加熱する前に、石英管10内に塩素ガスを流しながら、気相化除去や平滑化が生じない温度(1800℃より低い温度)で石英管10を加熱することは好適である。1800℃より低い温度(例えば、500℃)で加熱した場合、内面10aの気相化や粘性流動は生じないが、内面10a上の不純物の一部は塩素ガスによって除去される。そして、一度塩素ガスにより不純物の一部を除去しているので、その後に1800℃以上の高温での加熱処理によって内面10aに粘性流動が生じても、不純物が石英管10の内面10aの表層内に取り込まれにくい。その結果として、内面処理された石英管10を利用して製造される光ファイバの伝送損失の低減や信頼性の向上が図られることになる。
内面処理工程S10に続く母材製造工程S11では、内面処理が施された石英管10を利用して光ファイバ母材を作製する。母材製造工程S11は、ロッド挿入工程S11Aと、塩素処理工程S11Bと、コラプス工程S11Cとを有する。まず、ロッド挿入工程S11Aでは、内面処理が施された石英管10内に、石英管10の内径より小さい外径を有する石英ガラスロッドを挿入する。この石英ガラスロッドは、コア領域となるものであり塩素が添加されている。
次に、塩素処理工程S11Bにおいて、石英ガラスロッドと石英管10との隙間に塩素ガスを流し、内面処理工程S10での1800℃よりも低い温度で加熱処理を施す。これにより、コア領域となる石英ガラスロッドの表面の不純物が除去される。次いで、コラプス工程S11Cにおいて、石英ガラスロッドが挿入された石英管10の片端を溶着して完全に封止した後、酸素雰囲気下、減圧条件で加熱一体化(コラプス)して光ファイバ母材11とする。
続いて、線引工程S12では、母材製造工程S11で製造された光ファイバ母材11を、図3に示すように、線引炉30にセットして線引きすることで、光ファイバ12を得る。
上記光ファイバ製造方法では、塩素ガスを石英管10内に供給しながら石英管10の温度が1800℃の高温となるように加熱することで内面10aの清浄化を実施していることが重要である。図4を利用して、塩素ガスによって石英管10の内面の一部を気相化除去できることを示す。
図4は、塩素ガス雰囲気下におけるSiOからのSi化合物の生成をシミュレーションした結果を示す図である。より具体的には、SiO:1molとCl:1molとを1atm下で共存させた場合の平衡時の生成物をその量に関する化学平衡計算を実施した結果を示しており、気相のSi化合物の生成量の温度依存性を示している。
図4に示すように、1800℃以上では、気相のSi化合物が多く生成される。より詳細に説明すると、SiOとClとの化学反応による生成物は、気相のSi化合物であるSiCl(xは1,2,3,4)及びSiOである。SiClは塩素との反応により生成されるものであり、1800℃〜2000℃で最も多くなる。SiOは、昇華反応により生成されるものであり、温度依存性が高く、2200℃以上では気相生成物として支配的となる。
図4を利用して説明したように、塩素雰囲気下で石英管10の温度が1800℃以上となるように加熱することで石英管10の内面10aの表層の一部は、塩素ガスによって気相化され、除去されることになる。これにより、石英管10の内面10aが清浄化され、内面10a上の不純物や水分などをより確実に除去できる。よって、内面処理が施された石英管10を利用して製造された光ファイバ12では、不純物や水分などに起因する伝送損失が低減されることになる。
従来では、SFガスやCFガスを利用した気相エッチングによって石英管の内面処理を実施していたため、光ファイバ母材を製造するときに、地球温暖化ガスとしてのSFガスやCFガス等が排出されていた。これに対して、図1に示した光ファイバ製造方法では、SFガスやCFガスを全く利用せずに塩素ガスを利用して内面処理を実施しているので、地球温暖化ガスが排出されることがなく、地球環境に優しい製造方法となっている。
この塩素ガスによって石英管10の内面10aの一部を気相化除去するには、前述したように、石英管10の温度が1800℃以上となるように石英管10を加熱する必要がある。従来は、1800℃以上の高温で石英管を加熱すると石英管が変形すると考えられていた。これに対して、図1に示した光ファイバ製造方法では、図2に示すように、誘導炉21による輻射熱で石英管10の加熱を行っているので、石英管10の変形を抑制できている。
(第2の実施形態)
図5は、本発明に係る光ファイバ製造方法の他の実施形態のフローチャートである。図5に示した光ファイバ製造方法では、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法を利用して光ファイバ母材を作製し、得られた光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造しており、内面処理工程S20、母材製造工程S21及び線引工程S22を備える。
内面処理工程S20では、先ず、クラッド領域の一部となる石英管40をMCVD装置の旋盤にセットする。石英管40は、例えば、純石英ガラスから形成されている。その後、図6に示すように、石英管40の温度が1800℃以上となるように、熱源としての酸水素バーナ22で石英管40の外周を加熱しながら、石英管40内に塩素ガスを流す。この際、石英管40をその中心軸周りに所定の回転速度で回転させ、更に、石英管40の長手方向に酸水素バーナ22を所定の速度で移動させる。また、石英管40の変形を防止するために、MCVD装置に通常備え付けられている内圧制御機構を利用して石英管40内の内圧を石英管40外より高い陽圧とする。このように石英管40内を陽圧にすることは、石英管40の肉厚が例えば6mmなどのように薄いときに特に有効である。
次に、母材製造工程S21において、内面40aが処理された石英管40を利用して光ファイバ母材を作製する。母材製造工程S21は、ガラス層形成工程S21Aと中実化工程S21Bとを有する。ガラス層形成工程S21Aでは、内面処理された石英管40の内面40a上にクラッド領域となるべきガラス層、及び、コア領域となるべきGe添加ガラス層を順次堆積する。そして、続く中実化工程S21Bにおいて中実化を行い、中実化して得られたロッドをオーバクラッディングして光ファイバ母材41とする。
線引工程S22では、図3に示すように、母材製造工程S21で製造された光ファイバ母材41を線引炉30で線引きすることで、光ファイバ42を得る。
図5に示した光ファイバ製造方法においても、地球温暖化ガスであるSFガス及びCFガス等を全く利用せずに、塩素ガスを利用して石英管40の内面処理を実施しているので、光ファイバ母材41及び光ファイバ42の製造工程において地球温暖化ガスが排出されず、地球環境に適した製造方法となっている。また、1800℃以上の温度で石英管40を加熱しながら塩素ガスを石英管40に供給しているので、石英管40の内面の一部を気相化除去できている。これにより、光ファイバ42でのクラッド領域中に不純物や水分などが含まれることが抑制され、結果として、伝送損失が低減され信頼性の高い光ファイバ42を製造することができている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、熱源として第1の実施形態では誘導炉21を利用しており、第2の実施形態では酸水素バーナ22を利用しているが、石英管10,40の温度が1800℃以上になるように石英管10,40を加熱できればよく、誘導炉21及び酸水素バーナ22の他、抵抗炉も例示される。石英管10,40の変形を防止することや表層の吹き飛びを抑制する観点から、輻射熱によって石英管10,40を加熱する誘導炉や抵抗炉が好ましい。
更に、内面処理工程S10,S20において、石英管10,40内に導入するガスは、SFガスやCFガスが含まれていない塩素ガスとしたが、塩素が含まれているガスであればよい。石英管10,40の内面10a,40aに炭素を含む不純物が付着している場合には、石英管10,40内に導入するガスに酸素を含めることが好ましい。これにより、不純物を酸化気相化させて除去することができるからである。なお、この酸素による処理は、内面処理工程で、1800℃以上となる温度で加熱する前に予め行っていても良い。また、石英管10,40内に導入するガスには、石英管10,40との反応により消費され未反応ガスが生じない程度で有ればSFガスやCFガスを含ませることも可能である。
また、石英管10,40を準備するときには、機械加工によって中実の石英ガラスに貫通孔を形成して管状とした後、それを延伸する。よって、内面処理工程S10,S20は、石英管10,40を延伸するときに同時に行うことは好適である。石英管10,40を延伸させる場合は、石英管10,40を加熱する温度は1800℃以上であるので気相化除去が可能であり、延伸と同時に行うことから生産性の向上が図られる。
以下、本発明に係る石英管の内面処理方法、及び、その内面処理方法で処理された石英管を利用した光ファイバ母材製造方法、光ファイバ製造方法の具体的な実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例1及び実施例2に限定されるものではない。
(実施例1)
第1の実施形態に示した方法により光ファイバを製造した。光ファイバの製造方法を具体的に説明する。先ず、比屈折率差が−0.33%となるようにフッ素が添加された石英ガラスからなるロッドに、機械加工によって孔を開けて、外径が75mmφ、内径が8mmφの石英管10とした。次に、機械加工時の切削液を除去するためにHF水溶液で石英管10の内面及び外面を所定時間処理した後、両端にダミーパイプを接続して、旋盤にセットした。続いて、石英管10の温度が1800℃以上となる温度で誘導炉21で加熱しながら、石英管10内に塩素ガスを1000sccmで流した。このとき、誘導炉21の移動速度(トラバース速度)は、塩素ガスの流れ方向において上流側から下流側に向けて25mm/分として5回繰り返した。また、旋盤による石英管10の回転数は30rpmとした。
次に、ロッド挿入工程S11Aにおいて、塩素が添加された外径5mmφの石英ガラスロッドを石英管内10に挿入した。この石英ガラスロッドの比屈折率差は0.06%であり、VAD(Vapor-phase axial deposition)で合成されたスス体をSiClを含む雰囲気下で脱水焼結し、抵抗炉の無水雰囲気下で加熱延伸して作製した。
続いて、塩素処理工程S11B及びコラプス工程S11Cを施して光ファイバ母材11とした。次いで、線引工程S12を実施して光ファイバ12を作製し、その光ファイバ12の伝送損失を評価した。
そして、従来と同様に、SFガスを利用したエッチングにより石英管10の内面処理を実施する以外は同様の条件で作製された光ファイバの伝送損失と比較した。その結果、光ファイバ12において、金属不純物が起因となる波長1.55μm帯での伝送損失の増分は見られなかった。また、OH吸収に起因する波長1.38μm帯の伝送損失の差分は0.2dB/kmであり、良好な値を示した。
(実施例2)
第2の実施形態に示した方法により光ファイバを製造した。光ファイバの製造方法を具体的に説明する。先ず、外径が25mmφ、肉厚が6mmの石英管40を出発管としてMCVD装置にセットした。次いで、酸水素バーナ22を利用して石英管40の温度が1800℃となるように石英管40をその外周から加熱しながら、石英管40内に塩素ガスを500sccmで流した。この時、石英管40の変形を防止するため、MCVD装置が有する内圧制御機構を利用して石英管40内を陽圧に制御した。また、酸水素バーナ22のトラバース速度は、塩素ガスの流れ方向において上流側から下流側に向けて50mm/分として4回繰り返した。また、旋盤による石英管10の回転数は30rpmとした。
この内面処理完了後、ガラス層形成工程S21A及び中実化工程S21Bを実施して得られたロッドを、オーバークラッディングして光ファイバ母材41を作製した。そして、得られた光ファイバ母材41を線引工程S22において線引炉30で線引きし、光ファイバ42を得て、伝送損失を評価した。
そして、従来と同様に、SF6を利用したエッチングにより石英管40の内面処理を実施する以外は同様の条件で作製された光ファイバの伝送損失と比較した。その結果、光ファイバ42において、金属不純物が起因となる波長1.55μm帯での伝送損失の増分は見られなかった。また、OH吸収に起因する波長1.38μm帯の伝送損失の差分は0.3dB/kmであり、良好な値を示した。
本発明に係る光ファイバ製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 図1に示した内面処理工程を示す図である。 線引工程を示す模式図である。 塩素雰囲気下におけるSiOからの気相化合物生成のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る光ファイバ製造方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 図5に示した内面処理工程を示す図である。
符号の説明
10…石英管、10a…石英管の内面、11…光ファイバ母材、12…光ファイバ、21…誘導炉(熱源)、22…酸水素バーナ(熱源)、40…石英管、40a…石英管の内面、41…光ファイバ母材、42…光ファイバ、S10,S20…内面処理工程。

Claims (6)

  1. 塩素を含むガスを石英管内に供給しながら前記石英管を1800℃以上に加熱して、前記塩素によって前記石英管の内面を処理する内面処理工程を備えることを特徴とする石英管の内面処理方法。
  2. 抵抗炉又は誘導炉を熱源として前記石英管を加熱することを特徴とする請求項1に記載の石英管の内面処理方法。
  3. 前記石英管内を陽圧にして前記石英管を加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の石英管の内面処理方法。
  4. 塩素を含むガスを前記石英管内に供給しながら1800℃より低い温度で前記石英管を加熱した後に、前記内面処理工程において前記石英管を1800℃以上で加熱することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の石英管の内面処理方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の石英管の内面処理方法によって内面処理された石英管を利用して光ファイバ母材を製造する光ファイバ母材製造方法。
  6. 請求項5に記載の光ファイバ母材製造方法によって製造された前記光ファイバ母材を線引きすることによって光ファイバを製造する光ファイバ製造方法。
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