実施の形態1
図1は、本発明に係わるカラー記録装置を示す。カラー記録装置1は、4つの画像形成部2B、2Y、2M、2Cを有する。画像形成部2B、2Y、2M、2Cは、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの画像を形成する電子写真式LED印刷機構であり、記録媒体の挿入側から排出側へ向かって順に並べて配設される。この印刷機構は、感光ドラム6B、6Y、6M、6C、帯電ローラ7B、7Y、7M、7C、LEDヘッド3B、3Y、3M、3C、各色の現像部12B、12Y、12M、12C及び転写ローラ4B、4Y、4M、4Cからなる。感光ドラム6B、6Y、6M、6Cは、矢印方向に回転し、帯電ローラ7B、7Y、7M、7Cは、各感光ドラムの表面を一様に帯電させる。LEDヘッド3B、3Y、3M、3Cは、帯電された感光ドラムの表面を画像データに従って露光し、静電潜像を形成する。現像部12B、12Y、12M、12Cは、現像ローラ9B、9Y、9M、9Cと、現像ブレード10B、10Y、10M、10Cと、スポンジ11B、11Y、11M、11Cと、トナーカートリッジ200B、200Y、200M、200Cから構成され、対応の色の静電潜像を現像して、感光ドラム上にトナー像を形成する。転写ローラ4B、4Y、4M、4Cは、感光ドラム上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。各画像形成部2B、2Y、2M、2Cは、図示せぬ個別のモータにより駆動される。各モータは、印刷時に正転する。画像形成部をアップ位置へ移動するときは、シアンモータを逆転させて、スライドリンク60をアップ方向(図14のB方向)に移動させる。図1では、スライドリンク60を省略してある。
本発明のトナーカートリッジについて以下に説明する
図2(a)は、一例としての黒トナーのトナーカートリッジ200Bの構造を示す。トナーカートリッジ200Bはシャッタレバー210を有し、シャッタレバー210を揺動操作してカートリッジ内部に収容されたトナーを排出する。シャッタレバー210には、窓210aが設けてある。図2(b)は、トナーカートリッジ200Bが装着される画像形成部2Bを示す。画像形成部2Bは、画像形成装置の本体側のフレーム3の案内溝3bと3c、フレーム4の案内溝4cと4dによりガイドされ、画像形成装置内に位置決めされている。フレーム3には、反射型フォトセンサであるトナーセンサ25が設けられていて、トナーカートリッジ200Bを画像形成部2Bに正しく装着すると、トナーカートリッジ側の窓210aとトナーセンサ25が対向する(図4(b))。
図3は、トナーカートリッジ200Bの構成を示す分解斜視図である。アウタケース200cの長手方向の一端から、スポンジプレート200dが装着され、更にその外側から、プレート200eがアウタケース200cに被嵌している。プレート200eには、動力を外部から得るためのギア19が回転可能に設けられ、ギア19の回転はボスAに伝達される。アウタケース200cの長手方向の他端から、シャッタ215が回転可能に挿入される。シャッタ215の内部には、攪拌シャフト18が、シャッタ215の長手方向に延出している。攪拌シャフト18の一方の端は、ボスAに回転可能に支持され、他方の端は、シャッタ215に挿入された軸受部Bに回転可能に支持される。ギア19が回転すると、ボスAを介して、攪拌シャフト18が回転駆動される。シャッタ215の長手方向の一端部には、キャップ215aが嵌合し、シャッタ215を閉じて、トナーの漏洩を防ぐ。
センサレバー21は、キャップ215aの近くにおけるシャッタ215の外壁上に、支点21aにて、揺動可能に支持される。シャッタ215には、シャッタレバー210が取り付けられ、後述されるように、内部にセンサレバー収容室200b(図6)を形成し、このセンサレバー収容室200b内に、センサレバー210が収容される。シャッタレバー210には、窓210aが設けられている。センサレバー21の長手方向の一端にはマグネット22が取り付けられ、長手方向の他端には反射板23が設けられる。攪拌シャフト18が回転して、クランク部18bが、マグネット22に近づいて吸引されるとき、センサレバー21が揺動し、反射板23は窓210aと整列しない。クランク部18bが、マグネット22から遠ざかると、マグネット22が攪拌シャフト18に吸引されなくなり、反射板23は窓210aと整列する。
図4(a)と図4(b)は、シャッタレバー210の回転位置と、フレーム3側に設けたトナーセンサ25との位置関係を示す。図4(a)は、トナーカートリッジを画像形成部に載置した直後の状態を示す。図4(a)に示す状態では、画像形成装置側の突起3dがキャップ215aの凹部210cに進入してガイドの役目をする。このとき、窓210aは、まだ、フレーム3側に設けたトナーセンサ25と整列していない。図4(a)において、操作部210bを、矢印Kの方向に、ストッパ200cに当たるまで、回転させると、図4(b)のように、窓210aが、フレーム3側に設けたトナーセンサ25と整列する。図4(b)に示す位置にて、トナーをトナーカートリッジから排出するとともに、トナーカートリッジの画像装置への装着が完了する。これにより、トナーセンサ25は、反射板23へ光を出射して、その反射光を受光して、トナーの残量を検出できる。トナーカートリッジが画像形成装置に装着が不良であった場合や、操作部210bが図4(b)の位置にない場合は、反射型のトナーセンサ25が、反射板23からの反射光を正常に受光できないことを利用して、トナーカートリッジの画像形成部への装着不良や、トナーカートリッジの未装着などを検出できる。図4(b)に示す位置にて、攪拌シャフト18を所定の期間だけ回転駆動を続けると、クランク部18bがマグネット22に近づいたり遠ざかったりするので、トナーセンサ25の出力は、断続的に変化する。この所定期間内にトナーセンサ25の出力が断続的に変化しなければ、トナーカートリッジの装着状態が異常であると判定する。カートリッジが装着されていても、シャッタレバー210bが図4(a)の位置にあれば、トナーセンサ25から出射された光が、シャッタレバー210やカートリッジの一部により反射されて、トナーセンサ25に戻るので、少ない量の反射光が受光される。しかし、トナーセンサ25の出力は断続的な変化をしない。トナーカートリッジが装着されていない場合は、トナーセンサ25に戻ってくる反射光はほとんどないから、トナーセンサ25の出力は、ローレベルのままであり、断続的な変化をしない。したがって、トナーセンサ25の出力の大きさと、断続的な変化とを利用して、カートリッジの装着不良や未装着をオペレータに報知することができる。センサの出力を直接アラーム出力としてもよい。
図5は、窓210aが、フレーム3側に設けたトナーセンサ25と整列したときの状態を示す。画像形成装置がカラー画像用である場合は、複数色のトナーを使用する。トナーカートリッジの誤装着を防止するために、内部に収容したトナーと同じ色で、トナーカートリッジの外壁の一部を着色してもよい。しかし、外壁に設けた着色部の影響で、トナーセンサ25の出力が変動しないようにする必要がある。画像形成装置の本体側のフレーム3や4の色は、どのトナー色に関しても共通なので、トナーセンサ25の出力レベルに与える影響は、各トナー色に共通である。しかし、センサレバー21の反射板23から反射してくる光の強度が、上記外壁に着色した色による影響を受け難くするために、フレーム3側の開口3aを小さくする。すなわち、窓210aの縦寸法H1と横寸法のL1と、フレーム3に設けたトナーセンサ25を取り付けるための開口部3aの縦寸法H2と横寸法のL2の関係が、H1>H2及びL1>L2となるように選択する。また、窓210aと開口部3aを円形とする場合も、同様に、窓210aの直径D1と開口部3aが直径D2とが、D1>D2の関係となるように選択する。
センサレバー21が、シャッタ215の外壁に配置されるので、トナーが収容されているトナー室が外部に対してシールされた状態で、トナー残量を検出できる。反射型センサを使用するので、トナーセンサ25とセンサレバー21とが互いに接触しないで動作する。これにより、透過型センサを使用した場合と異なり、光路を遮断するための遮蔽板をセンサレバー21から突出させる必要がない。したがって、トナーカートリッジが装着された画像形成部を画像形成装置に対して着脱したり、画像形成部に対してトナーカートリッジを着脱するのが容易である。
更に、トナー残量の検出が光によるので、電磁気的な問題からは開放され、画像形成装置の本体側のフレーム3や4の材質を特に限定する必要がない。本実施例では、上記トナー残量検出機構をトナーカートリッジ側に設けたが、例えば、現像ユニットに攪拌シャフト18と反射型のトナーセンサ25との組み合わせを適用すれば、同様に、現像ユニット内のトナー残量を検出できる。
本発明のトナー残量検出機構について更に詳しく説明する。図6と図7は、縦断面図である。図8は、図6と図7に示すボスAの突起部と攪拌シャフト18との係合関係の詳細を示す。各色のトナー残量検出機構は同じ構造なので、ブラックのトナー残量検出機構を例として説明する。
図6は、センサレバー21の反射板23が、光センサであるトナーセンサ25と対向していないときを示しており、図7は、センサレバー21の反射板23が、トナーセンサ25と対向する位置にあるときを示す。図8は、ボスAの突起部と攪拌シャフトとの係合関係の詳細を示す。トナーセンサ25は、反射板23へ向けて光を出射し、反射板23からの反射光を受光する。ブラックのトナーカートリッジ200Bはトナー収容室200aと、トナー収容室200aに隣接するセンサレバー収容室200bからなる。トナー収容室200aは長手方向に延出するとともに、内部には、トナー収容室の長手方向に延出する攪拌シャフト18を有する。攪拌シャフト18は、強磁性体からなり、第1クランク部18aと第2のクランク部18bで形成されている。トナー収容室200aの長手方向の一端部には、回転するボス部Aが設けられ、他端部には、軸受部Bが設けられている。攪拌シャフト18の回転軸は、一端が前記ボス部Aに、また他端が前記軸受部Bに、自由回転できるように支持される。前記ボス部Aが、外部からの駆動源により、ギヤ19を介して回転されると、図8に示すように、ボス部Aの突起部27が攪拌シャフト18の第1クランク部18aに当接して、攪拌シャフト18を回転させる。
第1クランク部18aは、第2クランク部18bよりも寸法が大きいので、第1クランク部18aの重量は、第2クランク部18bよりも大きい。攪拌シャフト18の回転軸は、自由回転できるように支持されているので、第1クランク部18aがボス部Aとともに回転して上死点を過ぎると、自重で回転して、トナーの上に落下する。トナーの残量が少ない場合は、第1クランク部18aは下死点近くまで落下して、回転するボス部Aにより再び回転駆動されるまで下死点付近で停止している。
トナーカートリッジ200Bのセンサレバー21収容室200bには、攪拌シャフト18と連動してトナー残量を検出するセンサレバー21が設けられている。センサレバー21は、その中間部で揺動可能に支持され、一端にはマグネット22が埋め込まれており、他端には、反射板23が設けられている。攪拌シャフト18が回転し、第2のクランク18b部がマグネット21に近づくと、マグネット22が第2のクランク部18bに、磁力により引き寄せられる。このとき、センサレバー18は、図6で示す姿勢となり、反射板23が開閉窓24を開放する。攪拌シャフト18が更に回転し、第2のクランク部18bがマグネット22から遠ざかると、マグネットが第2のクランク部18bとの間に作用する磁力から解放される。このとき、センサレバー21が、図7で示す姿勢となり、反射板23が、トナーカートリッジ200Bに設けられた開閉窓24を閉塞する。装置本体側には、トナーカートリッジ200Bの開閉窓24と対向する位置にトナーセンサ25及びセンサ基板26が取りつけられている。
攪拌シャフト18が回転をしている間は、センサレバー21の揺動運動を繰り返すので、反射板23が、開閉窓24を閉塞してトナーセンサ25からの光を反射する位置(図7)と、開閉窓24を開放してトナーセンサ25の光を反射しない位置(図6)との間で揺動運動を繰り返す。トナーセンサ25は反射型センサを使用し、反射板23が光を反射するときと、反射しないときとで異なるレベルの検出信号を出力する。
トナー残量検出動作について説明する。図9は、本発明の画像形成装置の制御ブロックを示す。図10(a)から図10(d)は、トナー残量が多いときのクランク部の動作を示す。図11(a)から図11(c)は、トナー残量が少ないときのクランク部の動作を示す。図12は、トナー残量が多い場合と少ない場合とにおける、クランク部の回転位置とトナーセンサの出力の関係を示す。
まず、トナーカートリッジのトナー残量が十分にあるときのトナー残量検出動作を、図10(a)から図10(d)と、図12とを参照して説明する。攪拌シャフト18の第1クランク部18aがボス部Aの突起部27に押されて図10(a)に示す上死点を過ぎるまで回転すると、第1クランク部18aが自重で落下するようにして回転し、トナーの頂上に着陸して停止する。その後、定速度で回転しているボス部Aの突起部27が、再び、第1クランク部18aを押すまで、攪拌シャフト18は回転せずにトナーの上で停止している。図10(a)の位置では、第2クランク部18bが、点線で示す検出領域(マグネット22が第2クランク部18bを吸引している)には到達していないので、反射板23は開閉窓24を閉じており(トナーセンサ25からの光を反射する状態)、このとき、トナーセンサ25の検出出力はローレベルである。
図10(b)に示すように、ボス部Aの突起部27が第1クランク部18aに達すると、突起部27は第1クランク部18aを押し、攪拌シャフト18の回転を開始する。ボス部Aが更に回転を続け、図10(c)に示すように、第2クランク部18bが点線で示す検出領域に入ると、マグネット22が第2クランク部18bを吸引するので、センサレバー21が揺動して、反射板23は開閉窓24を開放し、トナーセンサ25からの光を反射しないようになる。このとき、トナーセンサ25の検出出力は、図12に示すようにハイレベルとなる。その後、定速度で回転するボス部Aの突起部27に押され、第1クランク部18aが回転し、第2クランク部18bが検出領域を出ると(図10(d))、マグネット21が第2クランク部18bを吸引しなくなるので、センサレバー21が揺動して、反射板23は開閉窓24を閉じて、トナーセンサ25からの光を反射する。このときのトナーセンサ25の検出出力は、図12に示すようにローレベルとなる。このようにトナー残量が十分に多いときは、トナーセンサ25の検出出力がハイレベルとなる期間(TH)は、ローレベルの期間よりも短くなる。
次に、トナー残量が少ないときの動作を、図11(a)から図11(c)と、図12とを参照して説明する。攪拌シャフト18の第1クランク部18aは、回転するボス部Aの突起部27に押されて回転する。攪拌シャフト18の第1クランク部18aがボス部Aの突起部27に押されて上死点を過ぎるまで回転すると、第1クランク部18aが自重で落下するようにして回転し、図11(a)に示すトナーの頂上に着陸して停止する。このとき、第2クランク部18bは、トナーセンサの検出領域内に入っているので、マグネット21が第2クランク部18bを吸引する。したがって、センサレバー21が揺動して、反射板23が開閉窓24を開放状態(トナーセンサ25からの光を反射しない状態)にし、トナーセンサ25の検出出力は図12に示すようにハイレベルとなる。その後、定速度で回転しているボス部Aの突起27が第1クランク部18aに達するまで、攪拌シャフト18は回転せずに停止している。ボス部Aが回転を続け、突起部27が第1クランク部18aに達すると(下死点の近く、図11(b))、突起部27が第1クランク部18aを押して攪拌シャフト18を再び回転させる。そして、第2クランク部18bが検出領域を出るまで(図11(c))、定速度で回転する突起部27に押されて、第1クランク部18aが回転を続ける。第2クランク部18bが検出領域を出ると、マグネット21が第2クランク部18bを吸引しなくなる。したがって、センサレバー21が揺動して、反射板23は開閉窓24を閉じ、反射板23は、トナーセンサ25からの光を反射する。このときのトナーセンサ25の検出出力は、図12に示すようにローレベルとなる。このようにトナー残量が少ないときは、トナーセンサ25の検出出力がハイレベルとなる期間(TL)は、ローレベルの期間よりも長くなる。
上述のように、マグネット21が第2クランク部18bを吸引している期間は、トナー残量が多いときは短く、トナー残量が少ないときは長い。トナーセンサ25の出力がハイベルからローレベルへ切り換わるときの突起部27の回転位置は、トナーの残量が多い場合と、少ない場合とで同じである。制御部32は、トナーセンサ25の検出出力がハイレベルである時間長(TH)又はローレベルである時間長(TL)をタイマ30等で測定し、この時間長からトナー残量の検出を行っている。
画像形成手段のアップ/ダウン機構について説明する。図13は、画像形成手段がダウン位置に置かれた状態を示す。図14はアップ/ダウン機構の斜視図である。図15は画像形成手段がアップ位置におかれた状態を示す。
太陽ギヤとしてのギヤ37、37(図13には1つのみを示す)を固着した回転シャフト33は、ブラケット65、65の一端に回転自在に軸支されている。スライドリンク60、60には、矢印B−C方向に伸びる長孔60a、60bが設けられていて、これら長孔60a、60bを、回転シャフト33及びギヤ63、63の支軸が貫通する。長孔60a、60bは矢印B−C方向に長くなっているので、スライドリンク60、60が矢印B−C方向に移動する際、回転シャフト33及びギヤ63、63の支軸が、スライドリンク60、60の移動を邪魔しない。
スライドリンク60、60は、カム面70を有し、このカム面70は、ガイド面70aと、ガイド面70bと、ガイド面70aとガイド面70bとを繋ぐ斜面70cとからなり、黒印刷用の感光ドラムシャフト20aが係合する。また、スライドリンク60、60は、更に、3つのカム面71を有し、各カム面71は、ガイド面71a、ガイド面71b、ガイド面71aとガイド面71bとを繋ぐ斜面71cとからなる。各カム面71には、対応するカラー印刷用の感光ドラムシャフト20aが係合する。ガイド面70aは略平坦であり、ガイド面71aは略V字形である。ガイド面71aは、スライドリンク60の移動方向(図15のB方向とC方向)に、ガイド面70bより長く、画像形成手段16の感光ドラムシャフト20aが第1のガイド面70aに支持されているとき、画像形成手段17−19の感光ドラムシャフト20aが第1のガイド面71aに支持されている。
非印刷時(アップ動作時)には、駆動モータ38を矢印のD方向に回転させ、ギヤ列40−42をそれぞれ矢印方向に回転してギヤ37を矢印E方向に回転させる。ギヤ37が矢印E方向に回転すると、回転シャフト33、遊星ギヤ61、61も一体に回転し、ブラケット65、65が矢印I方向に回動して遊星ギヤ61、61をラック64に噛み合わせ、スライドリンク60、60を予め定めた距離だけ矢印B方向に移動させる。
図15において、スライドリンク60、60が矢印B方向に移動すると、画像形成手段2B、2Y、2M、2Cの感光ドラムシャフト20aが、カム面70とカム面71及びガイド溝28に沿ってガイドされて矢印F方向に移動する。このとき、画像形成手段2B、2Y、2M、2Cの側壁から突出したシャフト16a−19aも、ガイド溝29に沿って矢印F方向に移動する。これにより、画像形成手段2B、2Y、2M、2Cを搬送ベルト13から所定の距離だけ持ち上げる(アップ位置)。
シャフト20aが、カム面70のガイド面70bと、カム面71のガイド面71aに支持されている位置で、駆動モータ38を停止させ、駆動モータ38に適正な保持電流を流すことにより、スライドリンク60、60をこの位置に保持する)。
黒印刷をする場合は、駆動モータ38を矢印G方向に回転させ、ギヤを矢印H方向に回転させる。ギヤ37が矢印H方向に回転すると、回転シャフト33、遊星ギヤ61、61も一体に回転し、ブラケット65、65が矢印J方向に回動して遊星ギヤ61、61をラック62に噛み合わせ、スライドリンク60、60を予め定めた距離だけ矢印C方向に移動させる。
スライドリンク60、60が矢印C方向に移動すると、黒印刷用の画像形成手段16の感光ドラムシャフト20aが第1のガイド面70aに支持され、カラー印刷用の画像形成手段2Y、2M、2Cの感光ドラムシャフト20aが第2のガイド面71aに支持される。このとき、駆動モータ38を停止させ、適正な保持電流を駆動モータ38に流すことにより、スライドリンク60、60をこの位置(黒印刷用の画像形成手段のダウン位置)に保持する。したがって、黒印刷用の画像形成手段2Bの感光ドラム20は搬送ベルト13に圧接し、カラー印刷用の画像形成手段2Y、2M、2Cの感光ドラム20は搬送ベルト13から所定距離だけ持ち上がっている。この状態で、黒印刷が可能となる。
カラー印刷をする場合は、スライドリンク60、60を、更に、矢印C方向に移動する。黒印刷用の画像形成手段16の感光ドラムシャフト20aがガイド面70aに支持され、カラー印刷用の画像形成手段2Y、2M、2Cの感光ドラムシャフト20aがガイド面71bに支持されている位置までスライドリンク60、60が移動したら、駆動モータ38を停止させる。その後、適正な保持電流を駆動モータ38に流すことによりスライドリンク60、60をこの位置(カラー印刷用の画像形成手段のダウン位置)に保持する。この状態で、全ての画像形成手段2B、2Y、2M、2Cの感光ドラム20が搬送ベルト13に圧接し、カラー印刷が可能になる。
画像形成手段のアップ位置とダウン位置の検出を説明する。スライドリンク60、60の動作が正常に行われていれば、各画像形成部2B、2Y、2M、2Cは、アップ位置及びダウン位置に正しく位置決めされる。何らかのトラブルが発生すると、スライドリンク60、60が移動しても、各画像形成部が正しく位置決めされるとは限らない。したがって、各画像形成部をアップ位置及びダウン位置に移動する度に、正しく位置決めされたかどうかを確認する必要がある。例えば、保守サービス等を行う際に、画像形成部を戻し忘れた場合、アラームを発生することができる。
画像形成手段のアップ位置/ダウン位置の検出は、画像形成手段が上下に移動する動きをトナーセンサ25で読みとることにより行う。本実施の形態では、本体側に固定したトナーセンサ25が、反射板23を検出することにより、画像形成手段の上下動を検出する。更に、低反射性領域としては、画像形成手段の外壁構造を使用する。
図17(a)と図17(b)は、ダウン位置にあるときの画像形成手段を点線で示し、アップ位置にあるときの画像形成手段を実線で示す。図17(a)は側面図であり、図17(b)は、正面図である。トナーセンサ25は、本体側の固定位置に設けられている。
図16は、高反射性を示す(例えば明るい色)反射板23と、反射板23のすぐ隣に位置する低反射性(例えば暗い色)の外壁部2aとを示す。低反射性を示す材料としては、外壁部2aを構成しているモールドに黒色塗料(例えば、マンセルN1.5の濃度)を混合したものなどがある。コストの点では高いが、つや消し黒色塗料による表面塗装も考えられる。トナーセンサ25により検出される外壁部にのみ非反射性シールを貼ってもよい。トナーセンサ25は、画像形成手段がダウン位置からアップ位置へ上昇するときは、「明るい色」→「暗い色」の順に受光の変化を検出し、画像形成手段がアップ位置からダウン位置へ下降するときは、「暗い色」→「明るい色」の順に受光の変化を検出する。
アップ/ダウン動作の制御について説明する。本実施の形態によるアップ/ダウン制御では、下記のような制約がある。反射板23は、各画像形成手段を駆動するためのモータにより駆動されている。しかし、トナー残量及び機構の寸法ばらつき等が原因で、各画像形成手段の反射板23は、少しずつ異なるタイミングで駆動される。したがって、本実施例で、カラーの画像形成手段を搬送ベルト13から持ち上げたり、搬送ベルト13上に降ろしたりするときは、複数の画像形成手段のうち1つを代表して検出することにより、アップ/ダウン動作の制御を行う。更に、カラー印刷用の画像形成手段と、黒印刷用の画像形成手段とは、アップ/ダウン動作の制御を別々に行う。すなわち、アップ動作の制御では、カラー印刷用の画像形成手段のアップ動作をした後、黒印刷用の画像形成手段のアップ制御を行う。ダウン動作の制御では、黒印刷用の画像形成手段についてダウン動作の制御をした後、カラー印刷用の画像形成手段についてダウン動作の制御を行う。
アップ動作の制御を説明する。黒印刷を行うときには、印刷開始前に、シアン用のカラー画像形成部の駆動モータを逆転させることにより、スライドリンク60、60を図15のB方向へ予め定めた距離だけスライドさせて、各カラー画像形成部をアップ位置に持ち上げる。
画像形成手段の側壁には、図1で示したように開閉窓24が設けてあり、攪拌シャフト18が回転すると、反射板23が開閉窓24を開閉する。アップ動作に先だって、反射板23が開閉窓24を閉じる位置まで、駆動モータを正転させる。反射板23が開閉窓24を完全に閉じる位置まで移動したら、駆動モータを停止させる。この位置では、トナーセンサ25から出た光は、反射板23に反射されてトナーセンサ25へ入射する。次に、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転し、アップ動作を開始する。画像形成手段は、徐々に上昇し、トナーセンサ25の視軸上に反射板23が現れ、トナーセンサ25は反射板23から反射される光の読み取りを開始する。画像形成手段が更に上昇すると、反射板23がトナーセンサ25の視軸から外れ、代わりに、画像形成手段の外壁部2aが、トナーセンサ25の視軸上に現れる。しかし、画像形成手段の外壁部1aは反射性が低いので、トナーセンサ25には、充分な反射光が入射しない。すなわち、トナーセンサ25は、画像形成手段がダウン位置からアップ位置へ上昇するときは、「明るい色」→「暗い色」の順に受光の変化を検出する。したがって、画像形成手段がアップ位置に到達すると、トナーセンサ25の検出出力はローレベルとなり、画像形成手段のアップ動作を完了したことになる。反射板23が開閉窓を閉塞したまま、画像形成手段は、アップ位置に固定される。
更に、黒印刷用の画像形成手段もアップさせる場合は、黒印刷用の画像形成手段の反射板23が開閉窓24を閉じる位置まで、黒印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させる。反射板23が開閉窓24を完全に閉じたら、駆動モータを停止させる。その後、カラー印刷用の画像形成手段のアップ動作と同様に、シアンモータを逆転させることにより、黒印刷用の画像形成手段をアップ動作させる。
図18(a)は、画像形成手段がダウン位置にあるときの光センサ25の検出出力を示す。攪拌シャフトの回転周期に従って、反射板23が周期的に開閉窓24を開閉する。したがって、光センサ25は、反射板23からの反射光を検出するので、光センサ25の検出出力は、ハイレベルとローレベルの周期的な繰り返しとなる。図18(b)は、画像形成手段がアップ位置にあるときの光センサ25の検出出力を示す。開閉窓24は、トナーセンサ25の視軸より充分上方にあるので、トナーセンサ25は、反射板23からの反射光を検出しない。したがって、トナーセンサ25の検出出力は、ローレベルのままである。
次に、ダウン動作の制御を説明する。黒印刷用の画像形成手段のみをダウンさせる場合は、スライドリンクを図15のC方向に予め定めた距離だけ移動させて、黒印刷用の画像形成部をダウン位置に降ろす。
すなわち、シアン用の画像形成手段の駆動モータを正転し、ダウン動作を開始する。このとき、トナーセンサ25の視軸上には、画像形成手段の外壁部2aがある。しかし、画像形成手段の外壁部2aは反射性が低いので、トナーセンサ25には、充分な反射光が入らず、センサ出力はない。画像形成手段は、更に、徐々に下降する。やがて、トナーセンサ25の視軸上に反射板23が現れ、トナーセンサ25は反射板23により反射される光の読み取りを開始する。画像形成手段が、更に下降すると、反射板23がトナーセンサ25の視軸から外れ、代わりに、黒印刷用の画像形成手段の外壁部2aが、トナーセンサ25の視軸上に再び現れる。すなわち、画像形成手段がアップ位置からダウン位置へ下降するときは、「暗い色」→「明るい色」の順に受光の変化を検出する。
すなわち、トナーセンサ25の検出出力は、黒印刷用の画像形成手段をアップさせた場合とは、逆に変化する。ダウン動作の場合は、反射板23からの反射光を検出できても、シアン画像形成手段の駆動モータをすぐには停止させず、更に、予め定めた駆動パルス数だけ、駆動モータの回転を続行し、黒印刷用の画像形成手段を正しいダウン位置へ設定する。
黒印刷用の画像形成手段のダウン動作を完了した後、カラー用画像形成手段も、ダウン位置へ移動する場合は、黒印刷用の画像形成手段と同様に、トナーセンサ25の出力波形を監視しながらダウンさせる。
図19(a)と図19(b)は、実施例1の動作を示すフローチャートである。
図19(a)はアップ動作を示す。図19(a)を参照して、アップ動作を詳細に説明する。ステップS1にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段をダウン位置にセットする。ステップS2にて、シアンのトナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS3にて、トナーセンサ25が、反射板23の揺動による反射光の有無の繰り返し(図18(a))を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS13ヘ進み、YESなら、ステップS4へ進む。このとき反射板による反射光が有る状態で止める。ステップS4にて、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転させ、アップ動作を開始する。ステップS5にて、トナーセンサ25が外壁部2aによる反射光(暗い色)を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS14へ進み、YESなら、ステップS6へ進む。ステップS6にて、カラー印刷用の画像形成手段のアップ動作が完了したことを確認する。
ステップS7にて、黒印刷用の画像形成手段用の駆動モータとベルトモータを回転させる。ステップS8にて、黒のトナーセンサ25に入射する光の強度を検出し、ステップS9にて、トナーセンサ25が、反射板23の揺動による反射光の有無の繰り返し(図18(a))を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS15ヘ進み、YESなら、ステップS10へ進む。このとき反射板による反射光が有る状態で止める。ステップS10にて、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転させ、アップ動作を開始する。ステップS11にて、トナーセンサ25が外壁部による反射光(暗い色)を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS16ヘ進み、YESなら、ステップS12へ進む。ステップS12にて、カラー印刷用の画像形成手段のアップ動作が完了したことを確認する。
図19(b)はダウン動作を示す。図19(b)において、ステップS17にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒用の画像形成手段の駆動モータと、シアン用の画像形成手段の駆動モータとを正転させ、ダウン動作を開始する。ステップS18において、黒のトナーセンサ25に入射する光の強度を検出し、ステップS19にて、トナーセンサ25が、反射板23による反射光を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS25ヘ進み、YESなら、ステップS20へ進む。ステップS20にて、更に、予め定めたパルス数だけ、シアン用の画像形成手段の駆動モータを正転させた後、黒用の画像形成手段のダウン動作を終了する。
更に、ステップS21にて、ベルトモータと、黒の画像形成手段及びカラーの画像形成手段の駆動モータを正転させる。ステップS22にて、シアン用画像形成手段のトナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS23にてトナーセンサ25が、反射板23による反射光を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS26ヘ進み、YESなら、ステップS24へ進む。ステップS24にて、更に、予め定めたパルス数だけ、シアン用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、カラー印刷用の画像形成手段のダウン動作を完了とする。
画像形成手段のアップ位置とダウン位置の検出精度を向上させるために、反射板23の表面にバーコードを設けて、トナーセンサ25が受光する光をコード化してもよい。図20は1つのバーコード例を示し、図21はもう一つのバーコード例を示す。
図20に示すバーコードは、細い低反射性部分と太い低反射部分とからなる。細い低反射性部分の幅は共通であり、画像形成手段が異なると低反射性部分の数が異なる。K、Y、M、Cの細い低反射性部分の数は、それぞれ、1、2、3、4である。太い低反射性部分の幅は、画像形成手段毎に異なる。しかし、どの画像形成手段でも、太い低反射性部分の幅は、細い低反射性部分の幅より大きい。細いパルス波形と太いパルス波形の持続期間を制御部のタイマで計測する。矢印aはダウン動作時の画像形成手段の移動方向(すなわち、バーコードの移動方向)を示し、矢印bはアップ動作時の画像形成手段の移動方向を示す。図21に示すバーコードは、細い低反射性部分と太い低反射部分とからなる。しかし、細い低反射性部分と太い低反射部分は、それらの幅と数がバーコード毎に異なり、規則性がない。
実施の形態1では、画像形成手段のアップ動作の制御と、ダウン動作の制御をするのに、トナーセンサ25を検出器として使用する。また、高い反射性を示す部材として、反射板23を使用する。低い反射性を示す部材としては、図16に示すように、画像形成手段の外壁2aを利用する。したがって、アップ/ダウン検出用の専用センサを設ける必要がないので、製造コストを下げることができる。また、バーコードによりアップ位置とダウン位置の検出精度を向上させることができる。
実施の形態2
図22は、画像形成手段の外壁をへこませた実施の形態2を示す斜視図である。
実施の形態1と異なる部分のみを説明する。実施の形態2では、画像形成手段のアップ動作の制御とダウン動作の制御をするのに、トナーセンサ25を検出器として使用する。高い反射性を示す部材として、反射板を使用する。低い反射性を示す部材としては、図22に示すように、画像形成手段の外壁をへこませて、トナーセンサ25と外壁との間の距離を、トナーセンサの焦点距離よりも大きく設定して、外壁からの反射光がトナーセンサに進入しないようにする。
実施の形態2によれば、バーコードやマークシートを画像形成手段の外壁2aに設ける必要がなくなり、部品点数の削減やマークシートなどを外壁に張りつける作業時間を削減できる。アップ動作の制御とダウン動作の制御は、図19(a)と図19(b)に示すフローチャートと同じなので説明は省略する。
実施の形態3
図23は画像形成手段の外壁にシボ処理を施した場合を示す。図24(a)は反射板23がセンサからの出力光を鏡面反射する場合を示し、図24(b)は、外壁がセンサからの出力光を乱反射する場合を示し、図24(c)は、図24(a)と、図24(b)におけるセンサの出力を示す。実施の形態3では、画像形成手段のアップ動作の制御とダウン動作の制御をするのに、トナーセンサ25を検出器として使用する。高い反射性を示す部材として、反射板23を使用する。低い反射性を示す部材としては、図23に示すように、画像形成手段の外壁2aにシボ処理を施す。シボ処理をした外壁部は、トナーセンサ25からの出力光を拡散反射するので、トナーセンサ25には充分な光量の反射光が入射せず、トナーセンサ25の検出出力はハイレベルとなる。
図23に示すように、開閉窓24の下方には、シボ処理された画像形成手段の外壁2aがある。画像形成手段がダウン位置にあるときは、図24(a)に示すように反射板23は、トナーセンサ25からの出力光を鏡面反射し、反射光は、センサ25に進入する。これにより、トナーセンサ25の検出出力は、図24(c)に示すようなローレベルとなる。画像形成手段がアップ位置にあると、トナーセンサ25からの出力光は、シボ処理された外壁により拡散反射される。したがって、反射光は、トナーセンサ25に進入しない。これにより、トナーセンサ25の検出出力は、図24(c)に示すようハイレベルとなる。
実施の形態4
装置の構造は、実施の形態3と同じなので、動作のみを説明する。実施の形態4では、駆動モータを予め定めた回転量だけ回転させることにより、画像形成手段をアップ位置からダウン位置へ移動したり、ダウン位置からアップ位置へ移したりする。図25は、実施の形態4におけるアップ動作の制御を示し、図26はダウン動作の制御を示す。
図25を参照して、アップ動作を説明する。図25において、ステップS50にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段のダウン位置にセットする。ステップS51にて、シアン用のトナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS52にて、各画像形成手段のトナーセンサ25が、対応する反射板23の揺動による反射光の有無の繰り返しを検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS58ヘ進み、YESなら、ステップS53へ進む。このとき、反射板による反射光が有る状態で止める。ステップS53において、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転させ、アップ動作を開始する。ステップS54にて、カラー印刷用の画像形成手段を予め定めた距離だけ上昇させる。ステップS55にて、再び、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段を駆動する。ステップS56にて、各画像形成手段のトナーセンサ25の検出出力に変化があったか否かを判定する。NOなら、ステップS57ヘ進み、YESなら、ステップS53へ進む。
ステップS60にて、ベルトモータと、黒印刷用の画像形成手段の駆動モータとを回転させる。ステップ61にて、黒用のトナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS62にて、トナーセンサ25が、反射板23の揺動による反射光の有無の繰り返しを検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS68へ進み、YESならステップS63へ進む。このとき、反射板による反射光が有る状態で止める。ステップS63にて、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転させて、アップ動作を開始する。ステップS64にて、黒画像形成手段を、予め定めた距離だけ上昇させる。ステップS65にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータ、黒印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させる。ステップS66にて、黒トナーセンサ25の検出信号に変化があったかどうかを判定する。NOなら、ステップS67へ進み、黒印刷用の画像形成手段のアップ動作を完了とする。YESならステップS69へ進む。
図26を参照して、ダウン動作を説明する。ステップS70にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータ、黒印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させる。ステップS71にて、黒印刷用の画像形成手段を予め定めた距離だけ下降させる。ステップS72にて、黒用のトナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS73にて、トナーセンサ25が、反射板23による反射光を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS79へ進み、YESなら、ステップS74へ進み、黒印刷用の画像形成手段のダウン動作を完了したものとする。ステップS75にて、カラー印刷用の画像形成手段を、予め定めた距離だけ下降させる。ステップS76にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させる。ステップS77にて、トナーセンサ25が、反射板23による反射光を検出したか否かを判定する。YESなら、ステップS78へ進み、カラー印刷用画像形成手段のダウン動作を完了する。NOなら、ステップS80へ進む。
実施の形態5
図27は、実施の形態5におけるマークを示す。実施の形態5では、図27に示すようなマークを、装置本体側に設けたトナーセンサ25に読み取らせて、画像形成手段のアップ動作やダウン動作を検出する。矢印aは、画像形成手段がトナーセンサ25に対して上昇方向に移動することを示す。矢印bは、画像形成手段がトナーセンサ25に対して下降方向に移動することを示す。画像形成手段のアップ動作が始まったことを認識する目的で、マークの端部に細いスリットを入れて短い期間内に信号が変化するようにしている。単純な黒ベタのマークで、画像形成手段のアップ動作の開始及び終了が読み取れれば、スリットはなくてもよい。マークの黒い部分が低反射性部であり、黒いマークの前後及び細いスリットの部分は、高反射性部である。
トナーセンサ25の検出出力の波形は、細いパルス波形と太いパルス波形の組み合わせである。細いパルス波形と太いパルス波形の持続期間を制御部のタイマで計測する。図27の例では、トナーセンサ25が、細い低反射部の後に太い低反射部を読み取ると、アップ動作が終了したものと判定する。また、トナーセンサ25が、太い低反射性部の後に細い低反射性部を読み取ると、ダウン動作が終了したものと判定する。
図28(a)と図28(b)は、実施の形態5による画像形成手段のアップ動作の制御とダウン動作の制御とを示すフローチャートである。図28(a)を参照してアップ動作を説明する。ステップS81にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段をダウン位置にセットする。アップ動作を開始する直前に、各画像形成手段がどんな位置にあっても、感光ドラムが1回転できる程度のモータの回転量で充分ダウン位置まで到達できる。ステップS82にて、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転させて、アップ動作を開始する。ステップS83にて、シアン用トナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS84にて、トナーセンサ25が、高反射性部→細い低反射性部→高反射性部を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS88ヘ進み、YESなら、ステップS85へ進む。ステップS85において、アップ動作が正常に進んでいるものとする。ステップS86にて、太い低反射性部→高反射性部が検出されたか否かを判定する。NOなら、ステップS89ヘ進み、YESなら、ステップS87へ進む。
図28(b)を参照してダウン動作を説明する。ステップS90にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段のダウン動作を開始する。ステップS91にて、トナーセンサ25が、高反射性部→太い低反射性部→高反射性部を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS97ヘ進み、YESなら、ステップS92へ進む。ステップS93にて、トナーセンサ25が、細い低反射性部→高反射性部を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS98ヘ進み、YESなら、ステップS94へ進む。ステップS94にて、ダウン動作が正常に進んでいるものとする。ステップS95にて、更に、予め定めたパルス数だけ、各モータを回転させて、各画像形成手段を十分にダウンさせる。ステップS96にて、ダウン動作を完了する。なお、アップ動作を開始する前に反射板の位置をセンサと対向する位置とさせておくことは前の実施の形態で説明した動作と同様である。
実施の形態6
実施の形態5と異なる点は、アップ/ダウン動作検出用のマークである。図29は、実施の形態6で使用するバーコードを示す。実施の形態5では、単純なマークで検出したが、実施の形態6では、バーコードを使用することで位置検出精度を高める。バーコードは、複数の低反射性部と複数の高反射性部との組み合わせであり、各画像形成手段に共通である。
実施の形態5を示す図27において、矢印aは、画像形成手段がトナーセンサ25に対して上昇方向に移動することを示す。矢印bは、画像形成手段がトナーセンサ25に対して下降方向に移動することを示す。画像形成手段が上昇又は下降すると、バーコードがトナーセンサ25の視軸を通過するので、トナーセンサ25は、バーコードを読み取ることができる。トナーセンサ25の検出出力のパルス数を、図9に示す制御部32を介してカウンタ31が、信号変化の開始から計数する。これにより画像形成手段のアップ/ダウン動作する上下方向の位置が分かる。
図29の例では、4つの細い低反射性部(黒い部分)と1つの太い低反射性部を読み取ると、画像形成手段のアップ動作が完了したものと判断する。4つの細い低反射性部の幅は、予め定められた個数の“1”と“0”信号が得られるように選択される。これら、4つの細い低反射性部の幅は、互いに少し異なっていてもかまわないが、太い低反射性部よりも充分細くしておく。トナーセンサ25の検出出力の波形は、パルス波形であるから、このパルス数を計数する。
アップ動作は、画像形成手段が、所定の距離以上にアップしていれば、多少の誤差は問題ではないが、ダウン動作では、正確にダウン位置に停止する必要がある。実施の形態5では、画像形成手段のアップ又はダウン動作する移動量が僅かに不足となり、アップ動作又はダウン動作がエラーとなることがあるが、実施の形態6のバーコードを使用すれば、アップ位置やダウン位置が正確に検出できるので、エラーを生じにくい。したがって、実施の形態6のバーコードを使用すれば、有利である。
図30(a)と図30(b)は、実施の形態6による画像形成手段のアップ動作の制御とダウン動作の制御を示すフローチャートである。
図30(a)を参照してアップ動作を説明する。ステップS97において、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段をダウン位置にセットする。ステップS98にて、シアン用の画像形成手段の駆動モータを逆転させて、アップ動作を開始する。ステップS99にて、シアン用トナーセンサ25に入力する光の強度を検出し、ステップS100にて、トナーセンサ25が、予め定めた第1の数のパルスが検出できたか否かを判定する。ここで、第1の数のパルスとは、充分なアップ位置までのパルスカウント数をいう。YESなら、ステップS103へ進む。NOなら、ステップS101へ進み、トナーセンサ25が、予め定めた第2の数のパルスが検出できたか否かを判定する。ここで、第2の数のパルスとは、必要最小限のアップ位置までのパルスカウント数をいう。第1の数は第2の数より大きい。YESなら、ステップS103へ進み、アップ動作を終了とする。NOなら、ステップS102へ進む。
図30(b)を参照してダウン動作を説明する。ステップS104において、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段のダウン動作を開始する。ステップS105にて、ステップS100にて、トナーセンサ25が、予め定めた第1の数のパルスが検出できたか否かを判定する。YESなら、ステップS106へ進み、ダウン動作を終了とする。NOならステップS107へ進む。ダウン動作時は、画像形成手段は、あらかじめ定めた第1の数のパルスだけ移動する必要がある。検出パルスの数が少ないと、画像形成手段が正常な位置にダウンできていないので、動作不良を起こす可能性がある。なお、アップ動作を開始する前に反射板の位置をセンサと対向する位置とさせておくことは前の実施の形態で説明した動作と同様である。
次に実施の形態6の改変例を図31(a)から図31(d)を参照して説明する。図31(a)は、アップ動作の制御を示すフローチャートである。ステップS108にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段をダウン位置にセットする。ステップS109にて、シアン用の画像形成手段の駆動用モータを逆回転させて、アップ動作を開始する。ステップS200にて、トナーセンサ25に入射する光の強度を検出し、ステップS210にて、細いパルス波形と太いパルス波形の持続期間を制御部のタイマで計測するとともにパルス数をカウントすることにより、トナーセンサ25が、細い低反射性部分(幅の短い部分)を予め定めた数だけ検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS213ヘ進み、YESなら、ステップS211へ進む。ステップS211にて、太い手反射性部分を検出した否かを判定する。YESならステップS212へ進み、アップ動作終了となる。NOなら、ステップS213へ進む。
図31(b)は、ダウン動作の制御を示すフローチャートである。ステップS214にて、ステップS214にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータとを正転させ、ダウン動作を開始する。ステップS215にて、トナーセンサ25に入射する光の強度を検出し、ステップS216にて、細いパルス波形と太いパルス波形の持続期間を制御部のタイマで計測するとともに、トナーセンサ25が、太い低反射性部分(幅の長い部分)を検出したか否かを判定する。NOなら、ステップS219ヘ進み、YESなら、ステップS217へ進む。ステップS217にて、細いパルス数をカウントすることにより、細い低反射性部分を予め定めた数だけ検出した否かを判定する。YESならステップS218へ進み、ダウン動作終了となる。NOなら、ステップS219へ進む。
図31(c)は、アップ動作の別の制御を示すフローチャートである。ステップS220にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータを正転させて、全ての画像形成手段をダウン位置にセットする。ステップS221にて、シアン用の画像形成手段の駆動用モータを逆回転させて、アップ動作を開始する。ステップS222にて、トナーセンサ25に入射する光の強度を検出し、ステップS223にて、トナーセンサ25が、予め定めた回数(図29に示す予め定めたパルス列)の信号変化を検出したか否かを判定する。YESならステップS224へ進み、ダウン動作終了となる。NOなら、ステップS225へ進む。図31(d)は、ダウン動作の別の制御を示すフローチャートである。ステップS226にて、イニシャル動作を実行する。すなわち、ベルトモータと、黒印刷用及びカラー印刷用の画像形成手段の駆動モータとを正転させ、ダウン動作を開始する。ステップS227にて、トナーセンサ25に入射する光の強度を検出し、ステップS228にて、トナーセンサ25が、予め定めた回数(図19に示す予め定めたパルス列)の信号変化を検出したか否かを判定する。YESならステップS229へ進み、ダウン動作終了となる。NOなら、ステップS230へ進む。
実施の形態7
図32は、実施の形態7の側面図である。図33は、スライドリンク66に設けられたトナーセンサ25と画像形成手段との位置関係を示す。バーコード69のバーが、各画像形成手段の外壁2a上に、上下方向ではなく、斜め方向に並んでいる。バーコードの傾斜方向は、スライドリンク66の斜面70Cや斜面71Cと平行になるように選択してある。スライドリンク66の側面には、トナーセンサ25が設けられていて、スライドリンク66がB方向又はC方向にスライドしたときに、トナーセンサ25の視軸上をバーコード69が横切る。これにより、トナーセンサ25がバーコード69を読み取る。スライドリンク66のB方向又はC方向の移動量は、画像形成手段のアップ方向やダウン方向の移動量よりも大きいので、検出精度が高い。実際には、画像形成手段はアップ方向やダウン方向には、5mmくらいしか移動しない。黒印刷時に、カラー画像形成手段をアップ動作するのは、稼動しないカラー画像形成手段の回転を停止させるとともに、ドラムの汚染を防ぐためである。したがって、5mmくらいの僅かな距離でも、画像形成手段をベルト20から離隔させて、高圧制御信号から隔離されれば、十分である。スライドリンク66の移動量と、スライドリンク66の駆動源にかかる負荷とを最小限にするために、スライドリンク66の移動量を約10mmに選択している。
2a 外壁(低反射性領域)、 2Y、2M、2C、2B 画像形成手段、 6 像担持体、 18 攪拌シャフト(攪拌部材)、 20 搬送ベルト、 23 反射板(反射性領域)、 25 トナーセンサ、 60 スライドリンク。