JP2007055730A - 用紙反転装置 - Google Patents

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義高 田中
Hiroshi Naito
拓 内藤
Akikatsu Mori
昭功 森
Akira Nakamura
明 中村
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Abstract

【課題】 用紙を高速反転させることができる用紙反転装置を提供する。
【解決手段】 搬入用搬送手段13と搬入用吸引手段14と搬出用搬送手段15及び搬出用吸引手段16を備え、用紙反転スペースSに導き入れた用紙Pを反転位置で搬入用搬送手段13から搬出用搬送手段15に乗り移らせ、乗り移った用紙Pを用紙反転スペースSから搬出することによって用紙Pの表裏を反転させる用紙反転装置10において、用紙反転スペースSより下流位置に、用紙Pの先端を搬出用搬送手段15の搬送面より更に遠ざかる方向に導いて用紙Pの先端側を撓ませた状態で移動を阻止する反転用突き当て部材17を設け、搬入用吸引手段14の搬送面に形成された吸引孔20a,20bの開口パターンを、用紙Pが反転位置に達する手前までは用紙Pへの吸引力が強く、用紙Pが反転位置に達すると用紙Pへの吸引力が弱くなるように設定した。
【選択図】 図5

Description

本発明は、画像形成装置(印刷装置、複写機)等に設置され、用紙の両面に画像を形成したり、画像形成した面の上下向きを変えて用紙を排出したりするために、搬送する用紙の表裏を反転させる用紙反転装置に関する。
この種の従来の用紙反転装置として、図14と図15に開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。この用紙反転装置100は、図14(a),(b)と図15(a),(b)に示すように、用紙反転スペースSの一方面側に配置され、用紙Pを用紙反転スペースSの搬入方向Aに搬送する搬入用搬送手段101と、この搬入用搬送手段101の搬送面に用紙Pを吸引する搬入用吸引手段102と、用紙反転スペースSの他方面側に配置されて搬入用搬送手段101に対向配置され、用紙Pを用紙反転スペースSの搬出方向Bに搬送する搬出用搬送手段103と、この搬出用搬送手段103の搬送面に用紙Pを吸引する搬出用吸引手段104と、用紙反転スペースSの一方面側に配置され、搬入用搬送手段101側から搬出用搬送手段103側に空気流を吹き出す乗り移り用吐出手段105とを備えている。
搬入用搬送手段101と搬出用搬送手段103は、間隔をおいて配置された一対のローラ101a,103aと、これら一対のローラ101a,103a間に掛け渡された無限端の搬送ベルト101b,103bからそれぞれ構成されている。
上記構成において、図14(a)に示すように、通常搬送経路から用紙反転スペースSに導き入れた用紙Pを搬入用吸引手段102の吸引力で搬送面に吸引し、搬送面に吸引した用紙Pを搬入用搬送手段101の駆動(矢印a方向)によって用紙反転スペースSの搬入方向Aに搬送する。用紙Pが反転位置まで搬入すると、搬入用搬送手段101の駆動が停止される。
そして、図14(b)に示すように、搬出用吸引手段104が吸引を開始し、且つ、図15(a)に示すように、乗り移り用吐出手段105が空気流の吐出を開始する。これら空気流によって用紙Pが搬入用搬送手段101の搬送面から搬出用搬送手段103の搬送面に乗り移る。次に、図15(b)に示すように、搬出用搬送手段103の駆動(矢印b方向)が開始され、用紙Pが搬出方向Bに搬送して通常搬送経路に戻される。以上により、用紙Pの表裏が反転させる。
つまり、前記従来の用紙反転装置100では、乗り移り用吐出手段105と搬出用吸引手段104の送風機(図示せず)をオン・オフ制御することによって反転位置の用紙Pを搬入用搬送手段101から搬出用搬送手段103に乗り移らせている。
特開2000−26001号公報
しかしながら、前記送風機をオフからオンに切り換えた場合、直ちに所望の送風力が得られるわけではなく若干の時間を要した。従って、反転位置に達した用紙Pを搬入用搬送手段101から搬出用搬送手段103に直ちに乗り移らせることができないため、用紙Pを高速反転させることができないという問題があった。
そこで、本発明は、用紙を高速反転させることができる用紙反転装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、用紙反転スペースの一方面側に配置され、用紙を前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送する搬入用搬送手段と、この搬入用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬入用吸引手段と、前記用紙反転スペースの他方面側に配置されて前記搬入用搬送手段に対向配置され、前記用紙を前記用紙反転スペースの搬出方向に搬送する搬出用搬送手段と、この搬出用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬出用吸引手段とを備え、前記用紙反転スペースに導き入れた前記用紙を前記搬入用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬入用搬送手段によって前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送し、反転位置で前記用紙を前記搬出用搬送手段の搬送面に乗り移らせ、この乗り移った用紙を前記搬出用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬出用搬送手段によって搬出方向に搬送することによって前記用紙の表裏を反転させるようにした用紙反転装置において、前記用紙反転スペースより下流位置に、前記搬入用搬送手段によって搬送されて来る前記用紙の先端を前記搬出用搬送手段に対して更に遠ざかる方向に導いて前記用紙の先端側を撓ませ、且つ、前記用紙の移動を反転位置で阻止する反転用突き当て部材を設け、前記用紙が搬入過程で反転位置に達するまでは、前記用紙に対する吸引力が強く、前記用紙が反転位置に達すると、前記用紙に対する吸引力が弱くなるように設定されたことを特徴とする。
請求項2の発明は、用紙反転スペースの一方面側に配置され、用紙を前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送する搬入用搬送手段と、この搬入用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬入用吸引手段と、前記用紙反転スペースの他方面側に配置されて前記搬入用搬送手段に対向配置され、前記用紙を前記用紙反転スペースの搬出方向に搬送する搬出用搬送手段と、この搬出用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬出用吸引手段とを備え、前記用紙反転スペースに導き入れた前記用紙を前記搬入用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬入用搬送手段によって前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送し、反転位置で前記用紙を前記搬出用搬送手段の搬送面に乗り移らせ、この乗り移った用紙を前記搬出用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬出用搬送手段によって搬出方向に搬送することによって前記用紙の表裏を反転させるようにした用紙反転装置において、前記用紙反転スペースより下流位置に、前記搬入用搬送手段によって搬送されて来る前記用紙の先端を前記搬出用搬送手段に対して更に遠ざかる方向に導いて前記用紙の先端側を撓ませ、且つ、前記用紙の移動を反転位置で阻止する反転用突き当て部材を設け、前記搬入用吸引手段は、搬送面側のほぼ全域に亘って多数の吸引孔が形成された吸引ボックスと、この吸引ボックス内を減圧する吸引ファンとを有し、前記多数の吸引孔の開口パターンは、前記用紙が搬入過程で反転位置に達するまでは、前記用紙によって塞がれない前記吸引孔のトータル開口面積が小さくて吸引力が強く、前記用紙が反転位置に達すると、前記用紙によって塞がれない前記吸引孔のトータル開口面積が大きくて吸引力が弱くなるように設定されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、用紙反転スペースの一方面側に配置され、用紙を前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送する搬入用搬送手段と、この搬入用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬入用吸引手段と、前記用紙反転スペースの他方面側に配置されて前記搬入用搬送手段に対向配置され、前記用紙を前記用紙反転スペースの搬出方向に搬送する搬出用搬送手段と、この搬出用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬出用吸引手段とを備え、前記用紙反転スペースに導き入れた前記用紙を前記搬入用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬入用搬送手段によって前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送し、反転位置で前記用紙を前記搬出用搬送手段の搬送面に乗り移らせ、この乗り移った用紙を前記搬出用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬出用搬送手段によって搬出方向に搬送することによって前記用紙の表裏を反転させるようにした用紙反転装置において、前記用紙反転スペースより下流位置に、前記搬入用搬送手段によって搬送されて来る前記用紙の先端を前記搬出用搬送手段に対して更に遠ざかる方向に導いて前記用紙の先端側を撓ませ、前記用紙の移動を反転位置で阻止する反転用突き当て部材を設け、前記搬入用吸引手段は、搬送面側のほぼ全域に亘って多数の吸引孔が形成された吸引ボックスと、吸引ボックス内を減圧する吸引ファンと、前記多数の吸引孔を開閉できるシャッタプレートとを有し、前記用紙が搬入過程で反転位置に達するまでは前記吸引孔を開き、前記用紙が反転位置に達すると前記吸引孔を閉じるように前記シャッタプレートを制御するようにしたことを特徴とする。
請求項1及び請求項2の発明によれば、用紙反転スペース内に搬入された用紙が反転位置に達すると、用紙の後端側に発生する撓み復帰力と搬入用搬送手段の吸引力の減衰とによって、搬出用吸引手段の吸引力が作用する搬出用搬送手段の搬送面に用紙が乗り移る。ここで、用紙の撓み復帰力と搬入用吸引手段の吸引力減衰は、用紙が反転位置に達すると同時に発生するため、用紙が高速で乗り移る。従って、用紙を高速反転させることができる。また、用紙の乗り移りを行うための制御が一切必要ないという利点もある。
請求項3の発明によれば、用紙反転スペース内に搬入された用紙が反転位置に達すると、シャッタプレートが移動して搬入用吸引手段の吸引力が消滅することによって、搬出用吸引手段の吸引力が作用する搬出用搬送手段の搬送面に用紙が乗り移る。ここで、シャッタプレートの移動は一瞬であり、搬入用吸引手段の吸引力も一瞬で消滅するため、用紙が反転位置に達すると同時に高速で乗り移る。従って、用紙を高速反転させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は本発明の用紙反転装置を印刷装置に適用した第1実施形態を示し、図1は印刷装置の要部構成図、図2は搬入用搬送手段と搬入側吸引手段の斜視図、図3は搬出用搬送手段と搬出用吸引手段の斜視図、図4は用紙が用紙反転スペースに搬入される状態を示す用紙反転装置の断面図、図5は用紙が反転位置に達した状態を示す用紙反転装置の断面図、図6は用紙が搬入用搬送手段の搬送面から搬出用搬送手段の搬送面に乗り移った状態を示す用紙反転装置の断面図、図7は用紙が用紙反転スペースから搬出される状態を示す用紙反転装置の断面図、図8は用紙の先端側が第1ガイドプレートに接触しないで搬入されることを説明するための要部拡大構成図、図9は搬入コーナ部に強く吸着されることを説明するための要部拡大構成図、図10(a)は用紙が反転位置より上流を搬送中である場合の吸引口の開口状態を示す図、図10(b)は用紙が反転位置に位置する場合の吸引孔の開口状態を示す図である。
図1に示すように、印刷装置1は、第1ドラム2及び第1プレスロール3を有する第1印刷部4と、第2ドラム5及び第2プレスロール6を有する第2印刷部7と、第1印刷部4と第2印刷部7の搬送経路Rの途中に配置された用紙反転装置10とを備えている。
第1ドラム2は、第1プレスロール3との間に給紙された用紙Pの上面に例えば孔版印刷手法によって印刷を施すように構成されている。第2ドラム5も同様に、第2プレスロール6との間に給紙された用紙Pの上面に例えば孔版印刷手法によって印刷を施すように構成されている。
図1〜図4に示すように、用紙反転装置10は、第1印刷部4の下流と第2印刷部7の上流間の搬送経路Rの一部を構成し、用紙Pをスイッチバックさせるための用紙反転スペースSと、第1ドラム2の下流側から用紙Pを用紙反転スペースSにガイドする第1ガイドプレート11と、用紙反転スペースSから第2ドラム5の上流側に用紙Pをガイドする第2ガイドプレート12と、用紙反転スペースSの一方面側に配置され、用紙Pを用紙反転スペースSの搬入方向Aに搬送する搬入用搬送手段13と、この搬入用搬送手段13の搬送面に用紙Pを吸引する搬入用吸引手段14と、用紙反転スペースSの他方面側に配置され、用紙Pを用紙反転スペースSの搬出方向Bに搬送する搬出用搬送手段15と、この搬出用搬送手段15の搬送面に用紙Pを吸引する搬出用吸引手段16と、用紙反転スペースSの下流に配置された反転用突き当て部材17とを備えている。
搬入用搬送手段13は搬出用搬送手段15に一定の間隔をおいて対向配置されている。搬入用搬送手段13は、間隔をおいて配置された一対のローラ13a,13aと、この一対のローラ13a,13a間に掛け渡された無限端の搬送ベルト13bと、一方のローラ13aに回転力を出力するモータ13cとを備えている。搬送ベルト13bには、搬入用吸引手段14の吸引力を遮断しないための多数の孔13dが形成されている。そして、搬入用搬送手段13の搬送面は、用紙反転スペースS側を移動する搬送ベルト13bの面である。
搬入用吸引手段14は、搬送面側のほぼ全域に亘って多数の吸引孔20a,20bが形成された吸引ボックス14aと、この吸引ボックス14a内を減圧する吸引ファン14bとを備えている。吸引孔20a,20bの開口パターンは、図2に示すように、搬送面の上流側の吸引孔20aが大径に、搬送面の下流側の吸引孔20bが小径にそれぞれ設定されている。これにより、図10(a)に示すように、用紙Pが搬入過程で反転位置に達するまでは、用紙Pによって塞がれない吸引孔20a,20bのトータル開口面積が小さくて吸引力が強く、図10(b)に示すように、用紙Pが反転位置に達すると、用紙Pによって塞がれない吸引孔20a,20bのトータル開口面積が大きくて吸引力が弱くなるように設定されている。
また、図2に示すように、第1印刷部4と用紙反転スペースSの間の搬送経路Rは、吸引ボックス14aの搬入コーナ部14cによって形成されている。この搬入コーナ部14cには補助吸引孔21が形成され、ここを通過する用紙Pが補助吸引孔21によって吸引されるようになっている。
搬出用搬送手段15は、間隔をおいて配置された一対のローラ15a,15aと、この一対のローラ15a,15a間に掛け渡された無限端の搬送ベルト15bと、一方のローラ15aに回転力を出力するモータ15cとを備えている。搬送ベルト15bには、搬出用吸引手段16の吸引力を遮断しないための多数の孔15dが形成されている。そして、搬出用搬送手段15の搬送面は、用紙反転スペースS側を移動する搬送ベルト15bの面である。
搬出用吸引手段16は、搬送面側のほぼ全域に亘って多数の吸引孔22が形成された吸引ボックス16aと、この吸引ボックス16a内を減圧する吸引ファン16bとを備えている。搬出用吸引手段16側の多数の吸引孔22は、搬送面のいずれの位置でも同じ径で、且つ、同じ密度に設定されている。
反転用突き当て部材17は、搬入用搬送手段13の搬送面より退出した面に沿って下方に延設された搬入側の側板17aと、搬出用搬送手段15の搬送面に沿って下方に延設された搬出側の側板17bと、双方の側板17a,17b間を連結し、搬入側が低くなる方向に傾斜された傾斜板17cとを備えている。そして、搬入用搬送手段13によって搬送されて来る用紙Pの先端が傾斜板17cに突き当たると、用紙Pの先端側が傾斜板17cによって搬出用搬送手段15に対して更に遠ざかる方向に導かれ、用紙Pの先端が傾斜板17cの下方エッジ17dに突き当たり、用紙Pの移動が阻止される。用紙Pの先端が下方エッジ17dに突き当たる位置が用紙Pの反転位置に設定される。反転用突き当て部材17は、上下方向に移動自在に設定され、用紙Pの大きさによって反転位置を調整できるようになっている。
次に、上記印刷装置1の用紙反転装置10の反転動作を中心に説明する。
この用紙反転装置10は、その搬入用搬送手段13が矢印a方向に,搬出用搬送手段が矢印b方向にそれぞれ駆動され、且つ、搬入用吸引手段14及び搬出用吸引手段16の各吸引ファン14b,16bがそれぞれ回転駆動されている。
第1印刷部4によって上面に印刷が施された用紙Pは、吸引ボックス14aの搬入コーナ部14cに向かって搬送される。用紙Pの先端側が搬入コーナ部14c上に差し掛かると、用紙Pは補助吸引孔21からの吸引力によって下方に撓みながら反転スペースSへと導かれる。図4に示すように、用紙反転スペースSに導き入れられた用紙Pは、搬入用吸引手段14の吸引力で搬送面に吸引され、搬送面に吸引された用紙Pが搬入用搬送手段13によって用紙反転スペースSの搬入方向Aに搬送される。用紙反転スペースSへの搬送が進むと、用紙Pの先端が反転用突き当て部材17の傾斜板17cに突き当たり、傾斜板17c上を摺動する。そして、図5に示すように、用紙Pの先端が傾斜板17cの下方エッジ17dに突き当たると、これ以上の用紙Pの移動が阻止される。これによって、用紙Pが大きく撓み、用紙Pの後端側には撓み復帰力が発生する。また、搬入用吸引手段14による用紙吸引力は、図10(a)に示すように、用紙Pが反転位置に達する前までは大きいが、図10(b)に示すように、反転位置に達すると小さくなる。以上により、用紙Pが反転位置に達すると、用紙Pの後端側に発生する撓み復帰力と搬入用搬送手段13の吸引力の減衰とによって、用紙Pは、図6に示すように、搬出用吸引手段16の吸引力が作用する搬出用搬送手段15の搬送面に乗り移る。
図7に示すように、乗り移った用紙Pは、搬出用吸引手段16の吸引力で搬送面に吸引され、搬送面に吸引された用紙Pが搬出用搬送手段15によって搬出方向に搬送される。搬出方向Bの搬送が進むと、用紙Pの先端が第2ガイドプレート12にガイドされて第2印刷部7の上流側に搬出され、用紙Pの表裏が反転される。表裏が反転された用紙Pは、第2印刷部7に給紙され、用紙Pの上面に印刷が施される。以上により、用紙Pには両面印刷が施されることになる。
以上、上記用紙反転装置10では、用紙Pを反転位置で所定方向に撓ませてその移動を阻止する反転用突き当て部材17を設けると共に、用紙Pが反転位置に達すると吸引孔20a,20bの吸引力が減衰する開口パターンに設定したので、用紙反転スペースSに搬入された用紙Pが反転位置に達すると、用紙Pの後端側に発生する撓み復帰力と搬入用搬送手段13の吸引力の減衰とによって、用紙Pは搬出用吸引手段16の吸引力が作用する搬出用搬送手段15の搬送面に乗り移る。そして、用紙Pの撓み復帰力と搬入用吸引手段14の吸引減衰は、用紙Pが反転位置に達すると同時に発生するため、用紙Pが高速で乗り移る。従って、用紙Pを高速反転させることができる。また、上記用紙反転装置10では、用紙Pの乗り移りを行うための制御が一切必要ない。
この第1実施形態では、用紙反転スペースSの入口の搬入コーナ部14cには、補助吸引口21が設けられたので、図8の実線で示すように、用紙Pの先端側が第1ガイドプレート11に接触させることなく用紙Pの先端側が用紙反転スペースSに導かれる。従って、用紙Pの印刷面が第1ガイドプレート11に接触することによる画像擦れを防止できる。尚、図8の仮想線は補助吸引孔21を設けなかった場合の用紙Pの搬送状態を示す。
また、図9に示すように、吸引ボックス14aの搬入コーナ部14cを通過する用紙Pには、補助吸引口21からの吸引力cと第1ガイドプレート11の内側に侵入する空気流のエアー押圧力dとが作用するため、用紙Pには搬入コーナ部14cに吸着する強い吸着力が作用し、用紙Pを用紙反転スペースSにスムーズに導き入れることができる。
尚、前記第1実施形態では、吸引孔20a,20bの径を大小2種類にする開口パターンによって吸引力を調整したが、設置面積当たりの吸引孔の密度によって吸引力を調整するようにしても良く、或いは、径の大小と密度の両方によって吸引力を調整するようにしても良い。
図11〜図13は本発明の第2実施形態を示し、図11は搬入用搬送手段と搬入側吸引手段の斜視図、図12はシャッタプレートの開閉動作の概念図、図13(a)は第1ドラムの回転角度とシャッタプランジャの駆動タイミングを示すタイミングチャート、図13(b)は第1ドラムの回転角度と用紙センサとシャッタプランジャの駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
この第2実施形態は、前記第1実施形態と比較するに、搬入用吸引手段14の吸引孔20の開口パターンが相違すると共に搬入用吸引手段14には吸引孔(図示せず)を開閉するシャッタプレート23が付設されている点が相違する。
つまり、図11に示すように、吸引ボックス14aの搬送面側に形成された多数の吸引孔(図示せず)は、全て同じ径に設定されている。また、吸引ボックス14aの搬送面上にはシャッタプレート23がスライド自在に配置されている。シャッタプレート23には孔23aが形成され、吸引ボックス14a側の吸引孔とシャッタプレート23の孔23aが重なる開口位置と、吸引ボックス14a側の吸引孔がシャッタプレート23によって閉塞される閉口位置との間で変移される。シャッタプランジャ24がオンされると、シャッタプレート23が開口位置から閉口位置にスライドされ、シャッタプランジャ24がオフされると、シャッタプレート23がスプリング25のスプリング力によって閉口位置から開口位置にスライドされる。
シャッタプランジャ24は、図13(a)に示すように、第1ドラム2(図1に示す)の回転角度位置と用紙Pの移動位置とが同期することを利用し、第1ドラム2の回転角度がA度(用紙Pの反転位置)に達すると、シャッタプレート23を全開位置から全閉位置にスライドし、回転角度がB度に達すると、シャッタプレート23を全閉位置から全開位置に戻すようにシャッタプランジャ24がオン・オフ制御されるようになっている。また、図13(b)に示すように、用紙Pが反転位置まで搬送されたことを検出する用紙センサ(図示せず)を設け、用紙センサの検出結果によってシャッタプランジャ24をオン・オフ制御するようにしても良い。尚、他の構成は、前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
この第2実施形態では、用紙反転スペースSに搬入された用紙Pが反転位置に達すると、シャッタプレート23が全開位置から全閉位置に移動して搬入用吸引手段14の吸引力が消滅するため、用紙Pが搬出用吸引手段16の吸引力によって搬出用搬送手段15に乗り移る。ここで、シャッタプレート23の移動は一瞬であり、搬入用吸引手段14の吸引力も一瞬で消滅するため、用紙Pが反転位置に達すると同時に高速で乗り移る。従って、用紙Pを高速反転させることができる。
尚、前記各実施形態では、搬入用搬送手段13と搬出用搬送手段15は、搬送ベルト13b、15bによるベルト搬送であるが、用紙Pを搬送できる手段(例えばローラ搬送)であればこれに限定されるものではない。また、前記各実施形態では、用紙反転装置10を印刷装置1に用いたが、印刷装置1以外に設置しても良い。さらに、両面印刷を行うために用紙反転装置を用いたが、用紙反転装置の利用の仕方はこれに限定されないことは勿論である。
本発明の第1実施形態を示し、印刷装置の要部構成図である。 本発明の第1実施形態を示し、搬入用搬送手段と搬入側吸引手段の斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、搬出用搬送手段と搬出用吸引手段の斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、用紙が用紙反転スペースに搬入される状態を示す用紙反転装置の断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、用紙が反転位置に達した状態を示す用紙反転装置の断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、用紙が搬入用搬送手段の搬送面から搬出用搬送手段の搬送面に乗り移った状態を示す用紙反転装置の断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、用紙が用紙反転スペースから搬出される状態を示す用紙反転装置の断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、用紙の先端側が第1ガイドプレートに接触しないで搬入されることを説明するための要部拡大構成図である。 本発明の第1実施形態を示し、用紙が搬入コーナ部に強く吸着されることを説明するための要部拡大構成図である。 本発明の第1実施形態を示し、(a)は用紙が反転位置より上流を搬送中である場合の吸引口の開口状態を示す図、(b)は用紙が反転位置に位置する場合の吸引孔の開口状態を示す図である。 本発明の第2実施形態を示し、搬入用搬送手段と搬入側吸引手段の斜視図である。 本発明の第2実施形態を示し、シャッタプレートの開閉動作の概念図である。 本発明の第2実施形態を示し、(a)は第1ドラムの回転角度とシャッタプランジャの駆動タイミングを示すタイミングチャート、(b)は第1ドラムの回転角度と用紙センサとシャッタプランジャの駆動タイミングを示すタイミングチャートである。 従来例を示し、(a)は用紙が用紙反転スペースに導かれる状態を示す断面図、(b)は用紙反転位置の用紙に対し搬出用吸引手段による吸引を開始した状態を示す断面図である。 従来例を示し、(a)は用紙反転位置の用紙に対し乗り移り用吐出手段の吐出を開始した状態を示す断面図、(b)は搬出用搬送手段の駆動を開始した状態を示す断面図である。
符号の説明
10 用紙反転装置
13 搬入用搬送手段
14 搬入用吸引手段
14a 吸引ボックス
14b 吸引ファン
15 搬出用搬送手段
16 搬出用吸引手段
17 反転用突き当て部材
20a,20b 吸引孔
23 シャッタプレート
A 搬入方向
B 搬出方向
P 用紙
S 用紙反転スペース

Claims (3)

  1. 用紙反転スペースの一方面側に配置され、用紙を前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送する搬入用搬送手段と、この搬入用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬入用吸引手段と、前記用紙反転スペースの他方面側に配置されて前記搬入用搬送手段に対向配置され、前記用紙を前記用紙反転スペースの搬出方向に搬送する搬出用搬送手段と、この搬出用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬出用吸引手段とを備え、前記用紙反転スペースに導き入れた前記用紙を前記搬入用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬入用搬送手段によって前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送し、反転位置で前記用紙を前記搬出用搬送手段の搬送面に乗り移らせ、この乗り移った用紙を前記搬出用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬出用搬送手段によって搬出方向に搬送することによって前記用紙の表裏を反転させるようにした用紙反転装置において、
    前記用紙反転スペースより下流位置に、前記搬入用搬送手段によって搬送されて来る前記用紙の先端を前記搬出用搬送手段に対して更に遠ざかる方向に導いて前記用紙の先端側を撓ませ、且つ、前記用紙の移動を反転位置で阻止する反転用突き当て部材を設け、前記用紙が搬入過程で反転位置に達するまでは、前記用紙に対する吸引力が強く、前記用紙が反転位置に達すると、前記用紙に対する吸引力が弱くなるように設定されたことを特徴とする用紙反転装置。
  2. 用紙反転スペースの一方面側に配置され、用紙を前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送する搬入用搬送手段と、この搬入用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬入用吸引手段と、前記用紙反転スペースの他方面側に配置されて前記搬入用搬送手段に対向配置され、前記用紙を前記用紙反転スペースの搬出方向に搬送する搬出用搬送手段と、この搬出用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬出用吸引手段とを備え、前記用紙反転スペースに導き入れた前記用紙を前記搬入用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬入用搬送手段によって前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送し、反転位置で前記用紙を前記搬出用搬送手段の搬送面に乗り移らせ、この乗り移った用紙を前記搬出用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬出用搬送手段によって搬出方向に搬送することによって前記用紙の表裏を反転させるようにした用紙反転装置において、
    前記用紙反転スペースより下流位置に、前記搬入用搬送手段によって搬送されて来る前記用紙の先端を前記搬出用搬送手段に対して更に遠ざかる方向に導いて前記用紙の先端側を撓ませ、且つ、前記用紙の移動を反転位置で阻止する反転用突き当て部材を設け、前記搬入用吸引手段は、搬送面側のほぼ全域に亘って多数の吸引孔が形成された吸引ボックスと、この吸引ボックス内を減圧する吸引ファンとを有し、前記多数の吸引孔の開口パターンは、前記用紙が搬入過程で反転位置に達するまでは、前記用紙によって塞がれない前記吸引孔のトータル開口面積が小さくて吸引力が強く、前記用紙が反転位置に達すると、前記用紙によって塞がれない前記吸引孔のトータル開口面積が大きくて吸引力が弱くなるように設定されたことを特徴とする用紙反転装置。
  3. 用紙反転スペースの一方面側に配置され、用紙を前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送する搬入用搬送手段と、この搬入用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬入用吸引手段と、前記用紙反転スペースの他方面側に配置されて前記搬入用搬送手段に対向配置され、前記用紙を前記用紙反転スペースの搬出方向に搬送する搬出用搬送手段と、この搬出用搬送手段の搬送面に前記用紙を吸引する搬出用吸引手段とを備え、前記用紙反転スペースに導き入れた前記用紙を前記搬入用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬入用搬送手段によって前記用紙反転スペースの搬入方向に搬送し、反転位置で前記用紙を前記搬出用搬送手段の搬送面に乗り移らせ、この乗り移った用紙を前記搬出用吸引手段の吸引力で搬送面に吸引し、この搬送面に吸引した用紙を前記搬出用搬送手段によって搬出方向に搬送することによって前記用紙の表裏を反転させる用紙反転装置において、前記用紙反転スペースより下流位置に、前記搬入用搬送手段によって搬送されて来る前記用紙の先端を前記搬出用搬送手段に対して更に遠ざかる方向に導いて前記用紙の先端側を撓ませ、前記用紙の移動を反転位置で阻止する反転用突き当て部材を設け、前記搬入用吸引手段は、搬送面側のほぼ全域に亘って多数の吸引孔が形成された吸引ボックスと、吸引ボックス内を減圧する吸引ファンと、前記多数の吸引孔を開閉できるシャッタプレートとを有し、前記用紙が搬入過程で反転位置に達するまでは前記吸引孔を開き、前記用紙が反転位置に達すると前記吸引孔を閉じるように前記シャッタプレートを制御するようにしたことを特徴とする用紙反転装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064812A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Riso Kagaku Corp 両面印刷装置
JP2011051774A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Riso Kagaku Corp 両面印刷装置

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