JP2007053925A - ペットの手帳又はカード - Google Patents

Abstract

【課題】 製紙工程中にペットの毛を投入又は混入した特殊紙を利用する手帳又はカードを提供してペットの生の情報が得られるようにする。
【解決手段】和紙又は洋紙の製紙工程中で植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入して毛模様形体を有する特殊紙とし、この特殊紙を用いてペットの名前、生年月日、性別、狂犬病の予防接種、その他ペットに関する情報と飼主の情報を記載したペットの手帳とした。また、製紙工程中で、植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入した特殊紙上にペット及び飼主の情報を記載し、この紙を透明の極薄プラスチックス板と一体化するか、プラスチックス板に内蔵して成型したペットのカードとした。
【選択図】図１

Description

本発明は和紙又は洋紙の製紙工程中に、主として犬猫等のペットから採集される動物の毛を投入又は混入して毛模様による独特な形体を有する特殊紙を利用したペットの手帳又はカードに関する。

より詳しくは紙の表面に毛模様の膨出部又は透視部を設けた特殊紙とし、この特殊紙を用いてペットの名前、出生から今日までの経歴、予防接種等の記録その他動物及び飼主の情報を記載すると共にペットの組織を有する資料となり、ペットと飼主との関連性を明確にして常時飼主が愛用できる記録帳に関するものである。

上記製紙工程中でペットの毛を投入又は混入した独特な特殊紙は手帳の全体に用いてもよく、またページの一部にこのような特殊紙を挿入するようにしてもよい。

従来から愛玩動物の情報を記録するには、ノートや手帳を用い、又首輪にカードを挿入できる部分を形成する等していた。しかし、ノートではサイズが大きく記載の順序や内容にもそれぞれ相違点があり、ペットの毛のような動物組織を含んでいないので、血統や毛並み等を検証する資料とはならない。また首輪では飼主の手元に記録が残らず、ペットが走り去って、行方不明になる等の不詳事が発生した時には取り扱いに不便であった。
実用新案登録第３０２７３２８号公報「犬用札入れ」 実開平６-７９２５０号公報 「犬の鑑札・狂犬病予防注射済票装着ケース」 特開２００２-５８３７８号公報 「ペット情報総合管理システム及び方法

解決しようとする問題点は、従来の手帳や首輪、その他の管理システムでは直接的にペットの生の情報としての血統、毛並みや組織等が得られなかった点である。

ペットと飼主とは、飼主がペットを慈しみ愛情をかけて育て上げることによってペットが懐き、命令や支持に従うと共に飼主にとっても癒しの対象となる。

従来、首輪や電子総合情報管理システム等を用いて間接的に管理することは行われて来た。しかし、首輪ではペットが現実に飼主の手元にいなくては確認することができない。ペットが戸外にいて、飼主が室内にいる等両者が離れている場合、或いはペットが手元をすり抜けて遠く永く戻らない場合には、飼主は電子システムによる情報だけで満足できずまた癒しの対象ともならない。

手帳又はカードを作成する前提として、製紙工程中に植物繊維と共にペットの毛を投入又は混入して毛模様形体を有する紙とした特殊紙を設けることにより、飼主及び獣医その他の人は紙の表面に現れた膨出部又は透視部を見て、毛色、毛並み、太さ、長さと共に記載された情報によりペットの状態を直接感じ取ることができるようになる。

さらにペットの毛が実際に入っていることによりＤＮＡ鑑定や血統、毛並み等が確かな資料として提示され、上記のような課題が解決される。

製紙工程中に毛を投入又は混入する場合、感染症の予防のための処置をすることもでき、動物組織の含有により特殊紙そのものの補強効果となり、保存性及び安全性が強化される。

第１発明は和紙又は洋紙の製紙工程中で植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入して毛模様形体を有する特殊紙とし、この特殊紙を用いてペットの名前、生年月日、性別、狂犬病の予防接種、その他ペットに関する情報とペットの飼主の情報を記載したペットの手帳とした。

第２発明では、毛模様形体を有する特殊紙が、紙や再生紙の表面に毛模様の膨出部又は透視部として現れるようにした。

第３発明では、植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入し毛模様形体を有する特殊紙上にペットの名前、愛称、血統、年齢、写真、成長記録その他のペット情報を記載した区画 (a) と、特殊紙又はペットの毛を混入しない紙又は再生紙上に飼主の氏名、住所、電話その他の飼主の情報を記載した区画（b）と、特殊紙又はペットの毛を混入しない紙又は再生紙上にペットの病歴、獣医師のコメントを記載した区画（c）とを設けたペットの手帳とした。

第４発明では、製紙工程中の和紙手漉工程で、犬又は猫の毛解きで生じた毛玉をほぐして植物繊維中に投入した。

第５発明では、製紙工程中で、紙の表面に毛模様の膨出部又は透視部を有する特殊紙とし、これに加えて塩又はニガリその他の防腐剤、感染症を防止する薬剤等を追加投入した特殊紙を用いた。

第６発明として、製紙工程中で、植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入した特殊紙上にペット及び飼主の情報を記載し、この紙を透明の極薄プラスチックス板と一体化したペットのカードとするか、プラスチックス板に内蔵して成型したペットのカードとした。

本発明は、製紙工程中に植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入することにより毛模様による独特な形体を表出し、紙自体が補強され、植物繊維だけの紙とは異なった風合いを出現させることができた。直接動物組織を含んでいるので、ＤＮＡ鑑定や毛並み、血統表示が容易且つ確実に検証できる資料となった。

手帳又はカード自体にペットの毛が混入されているので、他のペットとの比較対照が容易となり、飼主にとってペットの一部を常に身近に保持していることになり、愛着をさらに増幅することができる。

感染症の防止として、手帳の記載事項により狂犬病ワクチンの接種の有無及び時期が明確になる。通常感染の経路として、咬傷が挙げられ、それ以外に唾液からの空気伝染もあるとみられているが、本発明のように製紙工程中に一部投入又は混入した状態では、このような危険が生じない。

製紙工程中で塩又はニガリその他の防腐剤、感染症を防止する薬剤等を追加投入することにより、より安全性が高まりパスツレラ症やサルモネラ症などの発症原因がなくなり、安心して愛好家同士の情報交換も可能である。

手帳又はカードとして、携帯、保存に便利であり、毛の混入状態、紙の表面の膨出部又は透視部から毛色、毛並み等が判明し、ペットを中心とした情報が確認できる貴重な資料を提供することになる。手帳を構成するページの一部又は全体の外観が趣向に富み、興趣をそそることもできる。

製紙工程中にペットの毛を投入又は混入し、表面に独特な毛模様の膨出部又は透視部を有する特殊紙を提供した。この特殊紙を用いてペットの名前、生年月日、性別、狂犬病の予防接種、その他ペットに関する情報と飼主の情報を記載した手帳又はカードとする。

製紙工程としては、原料としてコウゾミツマタ・ガンピなどの植物から直接取り出した繊維を用いるのが和紙であり、日本伝統の器具を用いて原料を煮て繊維を取り出し、叩き、すのこなどですき上げ、水を切り、乾燥させる。また洋紙では木材の繊維が使われ、木材を機械的にすりつぶしたり、薬品で煮たりして繊維を取り出す。

このような製紙工程中にペットの毛を紙の表面に膨出部又は透視部が出現するように投入又は混入する。ペットの毛の状態によれば、一部を毛の塊としてそのまま混入することもできる。混入する割合は、植物繊維による紙としての成型を崩さない程度とし、約３０％が好適である。

和紙と洋紙では、柔らかさや強度、風合いに相当の違いがあるが、ペットの毛の投入量が５０％を越えなければ紙としての形態と性質を保持することができる。再生紙の場合も同様である。

製紙工程中であれば、特に投入の時点を限定するものではない。漉き工程も手漉きや機械漉き、浸漬させる工程などもあり、どの段階に投入しても製紙に影響しない程度とするのが好ましい。

手帳とするにはこのようなペットの毛を投入又は混入した紙のページを複数枚綴合わせればよく、各ページの全体に毛を混入したもの、一部に混入したもの、毛によって図柄を浮き立たせたもの等が形成できる。

各ページには、ペット情報と飼主の情報を羅列するか、又これらの情報を纏める区画をそれぞれ設けて記載又は表示するようにしてもよい。

製紙工程中に投入又は混入するペットの毛は、特に犬又は猫の毛解きで生じた毛玉をほぐして使用することができる。またペットの毛として犬猫に限定するものではなく、他の動物で比較的柔らかい毛を持つもの、例えば鳥類、馬等につい和紙の製造工程で投入又は混入することができる。

以下、実施例につき説明する。
図１は、手帳の一部を見開きした斜視図である。手帳１は特殊紙２で構成され、数ページある。３はペットの写真、４はペットの毛、５は情報を示している。

図２は紙の表面に毛模様形体を有する特殊紙として、特に植物繊維６の表面に膨出部７又は透視部８、その両者を現出した独特な特殊紙とした。 ペットの毛はページ全体に広く拡散した状態、一部にかためて表出している場合等があり、図示した形態に限定されない。

図３に示すようにラブラドール レトリーバ犬のような細く短い毛の場合、ある程度の毛塊を形成してペットの毛９として和紙に混入するほうが一見して特長が見え、この種の犬であることが形体から直ちに判明できる効果がある。１０は区画(a)で、情報記載部とペットの毛投入部とを設けた。

図４はアメリカン ショートヘアー猫の毛１１であり、毛の塊が一箇所に形成されるようにすると同時にページの中央には情報５、区画（a）１０、区画（b）１２に分けて各情報を表示した例である。

図では、成長記録が２行のみ表示されているが、１ページ全体又は数ページをこの記録部として割り当てることもできる。

図５に示したのは、ペットの毛が混入していない部分の情報記載部として区画（c）１３を設けた和紙１４を示している。病歴及び獣医師のコメント等はページを変えて数ページに亙るようにする場合もある。

図６の（イ）、（ロ）、（ハ）において、（イ）と（ロ）は特殊紙２を採用したが、（ハ）は普通の和紙１４を採用した例である。１０、１２，１３はそれぞれ情報を分けて記載する区画を示す。（ロ）のペットの毛４は帯状に配列した例である。

図７、図８に示したのは、製紙工程中で植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入した毛模様を有する特殊紙２上にペット及び飼主の情報５を記載し、この紙を透明の極薄プラスチックス板で溶着一体化したカード１５とするか、又は紙を内蔵してプラスチックス板のカード１６に成型した例である。

製紙工程中に植物繊維に加えてペットの毛のような動物組織を用いることにより、紙の表面に毛模様の膨出部又は透視部を現出するよう独特な紙製造部門を設ける。また紙自体が動物組織で補強され、飼主とペットとの関連性を情報として記録され、ペットの毛により組織情報を提供する等飼主及び獣医として使い勝手のよい特殊紙製の手帳又はカードであり、これらの製造販売事業を開拓できる。

数ページに亘る手帳としての見開き斜視図。 図１のＡ−Ａ線による断面図。 細く短いペットの毛を一部塊として和紙中に混入した例の平面図。 ペットの毛の混入部分と情報の区画部を設けて見易くした平面図。 ペットの毛を混入しない紙に情報の区画部を設けた平面図。 （イ）（ロ）は特殊紙を用いたページ、（ハ）は普通の和紙を用いたページを分離して示した平面図。 カードを形成した例を示す平面図。 成型されたプラスチックス板のカードを示す平面図。

符号の説明

１： 手帳
２： 特殊紙
３： 写真
４： ペットの毛
５： 情報
６： 植物繊維
７： 膨出部
８： 透視部
９、１１： ペットの毛
１０、１２、１３： 区画
１４： 和紙
１５： カード
１６： プラスチックス板のカード

Claims (6)

1. 和紙又は洋紙の製紙工程中で、植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入して毛模様形体を有する特殊紙とし、この特殊紙を用いてペットの名前、生年月日、性別、狂犬病の予防接種、その他ペットに関する情報とペットの飼主の情報を記載したことを特徴とするペットの手帳。
2. 毛模様形体を有する特殊紙が、紙又は再生紙の表面に毛模様の膨出部又は透視部を設けたものである請求項１記載のペットの手帳。
3. 植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入した毛模様形体を有する特殊紙上にペットの名前、愛称、血統、年齢、写真、成長記録その他のペット情報を記載した区画（a）と、特殊紙又はペットの毛を混入しない紙又は再生紙上に飼主の氏名、住所、電話その他の飼主の情報を記載した区画（b）と、ペットの毛を混入しない紙又は再生紙上にペットの病歴、獣医師のコメントを記載した区画（c）とを設け、各ページを綴合わせたことを特徴とする請求項１記載のペットの手帳。
4. 製紙工程中の和紙手漉工程で、犬又は猫の毛解きで生じた毛玉をほぐして植物繊維中に投入し表面に毛模様の膨出部又は透視部を有する特殊紙としたことを特徴とする請求項１記載のペットの手帳。
5. 製紙工程中で、塩又はニガリその他の防腐剤、感染症の原因となることを防止する薬剤等を追加投入した特殊紙を用いた請求項１記載のペットの手帳。
6. 製紙工程中で、植物繊維に加えてペットの毛を投入又は混入した特殊紙上にペット及び飼主の情報を記載し、この紙を透明の極薄プラスチックス板と一体化するか、プラスチックス板に内蔵して成型したペットのカード。

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