JP2007053134A - 回路基板の製造方法、プリント回路板の製造方法およびプリント回路板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材101と、基材101の一方の面側に設けられた第一の金属層102と、基材101の他方の面側に設けられた第二の金属層103と、を含む基板100を用意する工程と、第一の金属層102および基材101を選択的に除去し、第二の金属層103に達する有底孔106、206、307、407をレーザ光処理により形成する有底孔形成工程と、を含む回路基板の製造方法であって、有底孔形成工程は、トレパニング加工とパンチング加工と、を含む複数の加工工程からなることを特徴とする回路基板の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
前記第一の金属層および前記基材を選択的に除去し、前記第二の金属層に達する有底孔をレーザ光処理により形成する工程と、を含む回路基板の製造方法であって、
前記有底孔形成工程は、トレパニング加工とパンチング加工を含む複数の加工工程からなることを特徴とする回路基板の製造方法が提供される。
次にレーザを用いて、第一の金属層102側からレーザ加工を行う。本発明のレーザ加工による有底穴形成工程は、トレパニング加工とパンチング加工と、を含む複数の加工工程からなる。
初めに、有底穴開口側の第一の金属層102の除去を行う。第一の加工工程で用いるレーザ光のエネルギー分布は、ガウシアン分布で、金属層の溶融限界エネルギーよりも高エネルギーのレーザ光を用いる。また、レーザ光の焦点は、第一の金属層102の表面に合せ、1パルスで加工される穴の加工直径303、403は、有底穴の直径301よりも加工直径の小さなレーザ光を用いる。1パルスで加工される穴の加工直径303、403は、有底穴の直径301に対して0.05倍以上、1倍以下であり、0.1倍以上、1倍以下の範囲がより好ましい。これらの範囲内で行うことにより生産性良く加工を行うことが可能となる。さらに、加工方法及び加工軌道は、円軌道302もしくは螺旋軌道402のトレパニング加工とし、第一の加工工程での開口径が目的とする有底穴直径となるように加工軌道を設定する。トレパニング加工では、各パルスでのレーザ光は、それぞれの一部が重なるように加工する。
第二の加工工程として、開口部の基材を概ね除去する加工を行うが、第一の加工軌道中心304と同一点へのパンチング加工を行う方法か、もしくは第一の加工軌道中心と同一点を中心とする円軌道もしくは螺旋軌道のトレパニング加工を行う方法がある。まずは第二の加工工程として、第一の加工軌道中心と同一点へのパンチング加工を行う方法について説明を行う(図1(c−1)、(c−2)、図2(c−1)、(c−2))。
加工方法及び加工軌道は、第一の加工軌道の中心304と同一点へのパンチング加工とし、レーザ光の照射面積が第一の加工工程の照射面積の0.3倍以上、2倍以下、好ましくは0.6倍以上1倍以下の範囲が良い。1パルスで加工される加工直径がこの範囲内にあれば、一般に基材として用いられるポリイミドやエポキシ系樹脂の加工に最適なエネルギー密度を得ることができる。また、照射面積をこの範囲内とすることにより、開口穴内にエネルギーを集中し、効率よく、高速に基材の除去を行うことができる。また、エネルギー密度は、0.1J/cm2以上、20J/cm2以下であり、好ましくは0.5J/cm2以上、5J/cm2以下の範囲が良い。この範囲内のエネルギー密度とすることにより、高速に基材の除去が可能であり、かつ基材への熱ダメージがなく、過剰なスミアの発生を防ぎ、穴品質を向上させることができる。
この工程では、第一の実施形態の図1(b−1)、(b−2)、図2(b−1)、(b−2)で説明したのと同様の手順により加工する。
第二の加工工程(図3(c−1)、(c−2)、図4(c−1)、(c−2))は、第一の加工軌道中心と同一点を中心とする円軌道323もしくは螺旋軌道423のトレパニング加工を行う。この方法では、開口部に残っている基材の加工を進め、有底穴底面円周部の金属層を露出することを目的とする。
第三の加工工程で用いるレーザ光のエネルギー分布は、ガウシアン分布で、金属層の溶融限界エネルギーよりも低エネルギーのレーザ光を用いる。また、レーザ光の焦点は、有底穴第一の金属層102の表面から厚み方向へ±5mm移動し、1パルスで加工される穴の加工直径401が第一の加工工程での1パルスで加工される穴の直径と等しいか5倍以下となるように移動量を調節する。この際、好ましくは第一の加工工程の1パルスで加工される穴の加工直径に対し、第三の加工工程の加工直径が2〜4倍の範囲が良く、焦点の移動方向は有底穴第一の金属層から離れる方向が良い。前記と同様に、1パルスで加工される加工直径がこの範囲内にあれば、一般に基材として用いられるポリイミドやエポキシ系樹脂の加工に最適なエネルギー密度を得ることができる。
実施例に使用するレーザはNd:YVO4の第三高調波で波長355nm、パルス幅が25nmのパルスレーザを用いた。
図1を用いて本発明による実施例を説明する。第一の金属層102、第二の金属層103として厚さが12μmの銅箔と、基材101がポリイミドフィルムで厚み25μmの2層両面板100に、第一の加工工程として開口側銅箔表面に焦点を合せ、銅箔に対して1パルスで加工される穴の直径を25μmとし、パワー2.0W、周波数24kHz、螺旋軌道の旋回数4回、螺旋開始直径50μm、開口径100μm、加工軌道を描く速度135mm/秒、すなわちエネルギー密度12.6J/cm2となる螺旋軌道とし、第一の加工を行った後、第二の加工工程として焦点を開口側銅箔表面から離れる方向へ2mm移動し、ポリイミドフィルムに対して1パルスで加工される穴の直径を90μmとし、パワー1.2W、周波数40kHz、すなわちエネルギー密度1.1J/cm2であるレーザ光にて照射回数35回、第一の加工工程の螺旋軌道の中心と同一点へパンチング加工を行った。次いで、第三の加工工程として焦点を開口側銅箔表面から離れる方向へ2mm移動し、1パルスで加工される穴の直径を90μmとしたまま、パワー1.2W、周波数40kHz、螺旋軌道の旋回数3回、螺旋開始直径70μm、レーザ光照射部直径160μm、加工軌道を描く速度210mm/秒、すなわちエネルギー密度1.0J/cm2となる螺旋軌道として加工を行い、有底穴を形成した。
図2を用いて本発明による実施例を説明する。第一の金属層102、第二の金属層103として厚さが12μmの銅箔と、基材101がポリイミドフィルムで厚み25μmの2層両面板200に、第一の加工工程として開口側銅箔表面に焦点を合せ、銅箔に対して1パルスで加工される穴の直径を25μmとし、パワー2.0W、周波数24kHz、螺旋軌道の旋回数4回、螺旋開始直径50μm、開口径100μm、加工軌道を描く速度135mm/秒、すなわちエネルギー密度12.6J/cm2となる螺旋軌道とし、第一の加工を行った後、第二の加工工程として焦点を開口側銅箔表面から離れる方向へ2mm移動し、ポリイミドフィルムに対して1パルスで加工される穴の直径を90μmとし、パワー1.4W、周波数40kHz、螺旋軌道の旋回数3回、螺旋開始直径70μm、レーザ光照射部直径160μm、加工軌道を描く速度210mm/秒、すなわちエネルギー密度1.2J/cm2となる螺旋軌道として加工を行った。次いで、第三の加工工程として焦点を開口側銅箔表面から離れる方向へ2mm移動し、1パルスで加工される穴の直径を90μmとしたまま、パワー1.4W、周波数40kHz、すなわちエネルギー密度1.3J/cm2であるレーザ光にて照射回数30回、第一の加工工程の螺旋軌道の中心と同一点へパンチングパンチング加工を行い、有底穴を形成した。
図6に示す、1段階の加工工程のみの場合を例として挙げる。まず、第一の金属層102、第二の金属層103として厚さが12μmの銅箔と、基材101がポリイミドフィルムで厚み25μmの2層両面板100に、第一の加工工程として開口側銅箔表面に焦点を合せ、銅箔に対し1パルスで加工される穴の直径を25μmとし、パワー2.0W、周波数24kHz、螺旋軌道の旋回数4回、螺旋開始直径50μm、開口径100μm、加工軌道を描く速度135mm/秒、すなわちエネルギー密度23.6J/cm2となる螺旋軌道の加工を行い、有底穴を形成した。
図5に示す、2段階の加工工程からなり、且つ第一の加工工程と第二の加工工程の加工軌道を同じとした場合を例として挙げる。まず、第一の金属層102、第二の金属層103として厚さが12μmの銅箔と、基材101がポリイミドフィルムで厚み25μmの2層両面板100に、第一の加工工程として開口側銅箔表面に焦点を合せ、銅箔に対し1パルスで加工される穴の直径を25μmとし、パワー2.0W、周波数24kHz、螺旋軌道の旋回数4回、螺旋開始直径50μm、開口径100μm、加工軌道を描く速度135mm/秒、すなわちエネルギー密度12.6J/cm2となる螺旋軌道とし、第一の加工を行った後、第二の加工工程として焦点を開口側銅箔表面へ合わせたまま、1パルスで加工される穴の直径も25μmのまま、パワー1.0W、周波数40kHz、螺旋軌道の旋回数3回、螺旋開始直径50μm、レーザ光照射部直径100μm、加工軌道を描く速度135mm/秒、すなわちエネルギー密度3.7J/cm2となる螺旋軌道として加工を行い、有底穴を形成した。
101:基材
102:第一の金属層
103:第二の金属層
104、204、314、404、504:開口部分
105、205:底部上に残る基材
106、206、307、407、505、605:有底穴
110、210、310、410、510、610:有底穴付き両面プリント回路板
301:有底穴の直径
302:円軌道
303:1パルスで加工される穴の加工直径
304:加工軌道の中心(加工穴中心)
305、405:金属層が露出した状態
306、406:基材の残渣
323:円軌道
401:1パルスで加工される穴の加工直径
402:螺旋軌道
403、421:1パルスで加工される穴の加工直径
423:螺旋軌道
502:従来の円軌道
503:従来の1パルスで加工される穴の加工直径
507、607:残渣
521:従来の円軌道
523:従来の1パルスで加工される穴の加工直径
601:従来のパンチング加工
Claims (9)
- 基材と、前記基材の一方の面側に設けられた第一の金属層と、前記基材の他方の面側に設けられた第二の金属層と、を含む基板を用意する工程と、
前記第一の金属層および前記基材を選択的に除去し、前記第二の金属層に達する有底孔をレーザ光処理により形成する有底孔形成工程と、
を含む回路基板の製造方法であって、
前記有底孔形成工程は、トレパニング加工とパンチング加工と、を含む複数の加工工程からなることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 前記有底孔形成工程は、
円軌道または螺旋軌道のトレパニング加工を行う第一の加工工程と、
前記有底孔のほぼ中心へのパンチング加工を行う第二の加工工程と、
前記第一の加工工程と略同一軌道とする円軌道または螺旋軌道のトレパニング加工を行う第三の加工工程と、
を含む請求項1に記載の回路基板の製造方法。 - 前記第二の加工工程での前記レーザ光の照射面積は、前記第一の加工工程での前記レーザ光の照射面積の0.3〜2倍であり、前記第三の加工工程での前記レーザ光の照射面積は、前記第一の加工工程での前記レーザ光の照射面積の1〜5倍である請求項2に記載の回路基板の製造方法。
- 前記有底孔形成工程は、
円軌道または螺旋軌道のトレパニング加工を行う第一の加工工程と、
前記第一の加工工程の略同一軌道とする円軌道または螺旋軌道のトレパニング加工を行う第二の加工工程と、
前記有底孔のほぼ中心へのパンチング加工を行う第三の加工工程と、
を含む請求項1に記載の回路基板の製造方法。 - 前記第二の加工工程での前記レーザ光の照射面積は、前記第一の加工工程での前記レーザ光の照射面積の1〜5倍であり、前記第三の加工工程での前記レーザ光の照射面積は、前記第一の加工工程での前記レーザ光の照射面積の0.3〜2倍である請求項4に記載の回路基板の製造方法。
- 前記レーザ光処理は、紫外線レーザ光を用いる請求項1ないし5のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 前記トレパニング加工は、前記レーザ光の一部が重なるようにレーザ光照射位置をずらしながら加工するものである、請求項1ないし6のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の方法により得られた回路基板を用意する工程と、前記回路基板の金属層をエッチング加工して導体回路を形成する工程と、を含むことを特徴とするプリント回路板の製造方法。
- 請求項8に記載の方法により得られるプリント回路板。
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