JP2007051075A - 植物体抽出物調製方法、並びに植物体抽出物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植物体を浸水させ、浸水させたこの植物体を蒸し、蒸したこの植物体を粉砕し、粉砕したこの植物体を煮ることによって、植物体抽出物を調製する。具体的には、タモギタケを水に浸し(浸水工程)、このタモギタケを温度約85℃、湿度約90%に設定した恒温槽へ移しインキュベートする(蒸す工程)。その後、浸水工程で用いた水、恒温槽内にあるタモギタケ、及び蒸す工程で発生した恒温槽内の水を約40℃に設定した粉砕機に入れ粉砕する。次いで、粉砕したタモギタケを容器内の温度が約85〜90℃になる条件下で煮る。また、本発明の調製方法によって抽出されたタモギタケ抽出物又は山人参抽出物を、適当な形態で用いることにより、発毛剤、育毛剤、化粧品、食品、又は機能性食品として提供する。
【選択図】なし
Description
本発明の一実施形態である植物体から抽出物を調製する方法は、主に浸水工程、蒸す工程、粉砕工程、及び煮る工程を含む。なお、本発明の方法は、任意の種類の植物体を使用することができ、特に細胞壁の成分などのために抽出の難しいキノコや地下茎などにも適用可能である。
この工程では、抽出対象の植物体を水に浸す。この工程は、植物体に水を浸透させる作用がある。
ここで使用する水は、ミネラルを多く含んでいることが好ましく、例えば、地下水等を使用できる。また、使用する水の量、浸水時間は、植物体の種類によって適宜変更することが好ましい。例えば、タモギタケ又は山人参を植物体として用いる場合には、タモギタケ又は山人参:水=1:5の比率又はそれ以上の比率の水を用いることが好ましく、浸水時間は18〜24時間であることが好ましい。また、水温は4〜6℃であることが好ましい。
この工程では、浸水させた植物体を、所定の湿度と温度で蒸す。この工程は、植物体の細胞壁をやわらかく、壊れやすくする作用がある。ここで、「蒸す」というのは、所定の温度の水蒸気中で、所定時間インキュベートすることを意味する。
この工程では、浸水させた植物体に付着する水を除去し、次いで、恒温槽(インキュベータ)にてこの植物体をインキュベートする。この工程で用いる水は、前述の浸水工程において使用した水でもよく、新しい水を用いてもよい。
さらに、植物体をインキュベート後、恒温槽をオフにし、適当な時間、この中で植物体を放置してもよい。この時の恒温槽内の温度、放置時間は植物体の種類によって適宜変更することが好ましい。例えば、タモギタケ又は山人参を植物体として用いる場合には、温度は65℃〜85℃、時間は30分〜60分であることが好ましく、約85℃で20分間程度放置することが好ましい。
この工程では、インキュベートした植物体を細かく粉砕する。これは、細胞壁などを壊し、植物体に存在する成分を抽出する作用がある。
まず、インキュベートした植物体を、浸水工程で使用した水とともに粉砕する。浸水工程で使用した水を用いるのが好ましいが、新たな地下水、蒸留水、水道水等を代用してもよい。粉砕は、例えば、攪拌機等を用いて行ってもよいが、ハサミ等で細かく刻んでもよい。粉砕時の温度は約40℃であることが好ましいが、特に限定されない。また、粉砕時間は特に制限されず、植物体が粥状(平均1mmくらいの大きさ)になるまで粉砕することが好ましい。
この工程では、粉砕した植物体を水で煮る。この工程は、植物体から水に有効成分を抽出する作用がある。
まず、粉砕した植物体に対し、2倍容〜5倍容の水で煮る。この時、水が蒸発しないように容器に軽く蓋をして煮ることが好ましく、水の温度は約85〜90℃であることが好ましい。また、煮る時間は植物体の種類によって適宜変更することが好ましいが、例えば、タモギタケ又は山人参を植物体として用いる場合には、煮る時間は40分〜60分であることが好ましく、特に約40分間であることが好ましい。
植物体を煮て得られた抽出液を、さらに濾過したり殺菌したりしてもよい。抽出液を濾過することによって、抽出液から固体部分を除去することができる。例えば、漏斗等を用いて液体と固体を分離してもよいが、目の細かいフィルター(例えば、0.45μm以下のフィルター)を用いれば、同時に濾過滅菌することもできるので、フィルターを用いて濾過することが好ましい。フィルターとしては、例えば、100、50、10、5、1、0.45、0.2μmのサイズがあるが、濾過を行う場合には、多段階の濾過を行い、その際、目詰まりを防ぐため、フィルターのサイズを除々に小さくしていくことが好ましい。なお、濾過後の植物体を再度煮て、再び濾過することによって、この植物体に残存する有効成分を抽出してもよい。
上記の方法によって得られた液体の抽出物は、自然乾燥して粉末にしてもよく、フリーズド・ドライ(freezed-dry)によって、乾燥粉末にしてもよい。
本明細書に記載する「毛髪成長促進」とは、発毛促進、育毛促進、脱毛予防・防止、養毛促進、又は毛髪を太くする等の作用を含む。
本発明の毛髪成長促進剤は、山人参抽出物、又は本発明の調製方法によって抽出されたタモギダケ抽出物を含有する。山人参抽出物は、本発明の調製方法によって抽出してもよい。なお、本発明の毛髪成長促進剤は、例えば、クマザサ抽出物又はウコン抽出物を含有していてもよい。
本剤は、ヒト又はヒト以外の脊椎動物において、例えば、円形脱毛症、多発性円形脱毛症、悪性脱毛症、瀰慢性脱毛症、粃糠性脱毛症、壮年性脱毛症、又は症候性脱毛症の予防又は治療に用いることができる。また、本剤は、ヒト又はヒト以外の脊椎動物において、例えば、育毛促進、養毛促進、薄毛の予防、脱毛の予防にも用いることができる。本剤は、ヒト又はヒト以外の脊椎動物に対して、経皮投与であることが好ましい。
本剤は、頭皮又は毛髪をすこやかに保つための化粧品としても用いることができる。この場合、本剤の濃度を適宜調節して用いることが好ましい。
本明細書に記載する「機能性食品」は、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、いわゆる健康食品を含む。
タモギタケ抽出物は、以下のように調製した。
まず、5kgのタモギタケを5Lの地下水(温度20℃)に20時間浸した(浸水工程)。
次いで、浸水させたタモギタケに付着する水分を除去し、その後、タモギタケを温度85℃、湿度90%に設定した恒温槽へ移し、30分間インキュベートした(蒸す工程)。30分後、恒温槽の火を止めて恒温槽内を約85℃に保ち、タモギタケを30分間放置した。
20分後、浸水工程で用いた水、恒温槽内にあるタモギタケ、及び蒸す工程で発生した恒温槽内の水を約40℃に設定した粉砕機に入れ、タモギタケが粥状になるまで攪拌機(回転数:1200rpm、)を用いて、20分間粉砕した(粉砕工程)。
次いで、粉砕したタモギタケを、攪拌機内の抽出液とともに蓋付の容器へ移し、容器に蓋をして、容器内の温度が約85℃〜90℃になる条件下で約40分間煮た(煮る工程)。
次いで、100μmのフィルターを用いて、煮た後の抽出液を濾過した。濾過は、フィルターのサイズを50、10、5、1、0.2μmへと除々に小さくしながら行い、最終的に濾液を得た。また、各濾過で生じたフィルター上の残存物を別な容器に入れ、この容器に水を2L入れ、40分間煮て(温度約85℃〜90℃)、上記と同様に濾過を行い、得られた濾液を先に得られた濾液と混ぜ合わせた。
また、上記と同様な方法を用いて、山人参抽出物も調製した。
10週齢Wister系統雄ラットを屠殺し、そのラットのひげ部分をハサミで切り取り、実体顕微鏡下で毛包を一つずつ摘出した。各毛包に対し、ツベルクリン用注射針(27G)を用いて毛乳頭組織から毛乳頭を実体顕微鏡下で単離した。
得られた毛乳頭を、2mg/ml硫酸カナマイシン(明治製菓株式会社)を含むD−PBS(−)(通常使用する濃度の10倍の濃度を調製)に移し、30〜40分間静置した。
このプレートごと、ウエルの底に毛乳頭を早く沈降させるために、遠心(800〜1000rpm、5分間)し、37℃、5%CO2の条件で、3〜5週間培養した。なお、培養中にプレート中の周囲のウエルが乾燥しないように、周囲のウエルにはD-PBS(−)を1〜2ml/ウエルずつ入れた。この間、培地交換(1回/7日)を除き、プレートを動かさなかった。
従って、本発明のタモギタケ抽出物は、毛乳頭細胞に作用することにより、発毛又は育毛に有効であると考えられる。
従って、山人参抽出物も、毛乳頭細胞に作用することにより、発毛又は育毛に有効であると考えられる。
10週齢Wister系統雄ラットを屠殺し、そのラットのひげ部分をハサミで切り取り、実体顕微鏡下で毛包を一つずつ摘出した。
次いで、ポリカーボン膜3(Corning社、Transwell(登録商標)、製品番号:3422、膜部分:直径6.5mm・孔径8.0μm)を敷いた直径1.5cmの培養皿4に1mlの培地(10%FCS含有Amino Max C−100)を入れ、このポリカーボン膜の上に毛包を置き(図3を参照のこと)、37℃、5%CO2の条件下で10日間培養し、ひげの伸長を測定した。
従って、本発明のタモギタケ抽出物は、毛の伸長作用の面からも、発毛又は育毛に有効であると考えられる。
2 毛乳頭
3 ポリカーボン膜
4 培養皿
Claims (23)
- 植物体から抽出物を調製する方法であって、
前記植物体を浸水させる工程と、
浸水させた前記植物体を蒸す工程と、
蒸した前記植物体を粉砕する工程と、
粉砕した前記植物体を煮る工程と、
を含むことを特徴とする調製方法。 - 前記植物体が、タモギタケ又は山人参であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記植物体が、さらにクマザサ又はウコンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記植物体を浸水させた水又は前記蒸す工程で残存した水の少なくとも一部を、前記植物体を破砕するために使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 浸水させた前記植物体を温度約85℃、湿度約90%で蒸すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 蒸した前記植物体を温度約40℃で粉砕することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 粉砕した前記植物体を温度約85℃〜90℃の水で煮ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 植物体を浸水させ、
浸水させた前記植物体を蒸し、
蒸した前記植物体を粉砕し、
粉砕した前記植物体を煮ること、
によって調製された植物体抽出物。 - 前記植物体が、タモギタケ又は山人参であることを特徴とする請求項8に記載の植物体抽出物。
- 前記植物体は、クマザサ又はウコンをさらに含有していることを特徴とする請求項8又は9に記載の植物体抽出物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって抽出されたタモギダケ抽出物を含有する毛髪成長促進剤。
- 山人参抽出物を含有する毛髪成長促進剤。
- 請求項1〜7のいずかに記載の方法によって抽出された山人参抽出物を含有する毛髪成長促進剤。
- さらにクマザサ抽出物又はウコン抽出物を含有することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の毛髪成長促進剤。
- 経皮投与することを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の毛髪成長促進剤。
- ヒト以外の脊椎動物において、育毛促進、養毛促進、薄毛の予防、脱毛の予防に用いられることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の毛髪成長促進剤。
- ヒト以外の脊椎動物において、円形脱毛症、多発性円形脱毛症、悪性脱毛症、瀰慢性脱毛症、粃糠性脱毛症、壮年性脱毛症、又は症候性脱毛症の予防又は治療に用いられることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の毛髪成長促進剤。
- 発毛剤、育毛剤、又は化粧品であることを特徴とする請求項11〜17のいずれかに記載の毛髪成長促進剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって抽出されたタモギタケ抽出物又は山人参抽出物を含有し、毛髪成長促進作用を有する機能性食品。
- 前記機能性食品は、保健機能食品を含むことを特徴とする請求項19に記載の機能性食品。
- さらにクマザサ抽出物又はウコン抽出物を含有することを特徴とする請求項19又は20に記載の機能性食品。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって抽出されたタモギタケ抽出物又は山人参抽出物を含有し、毛髪成長促進作用を有し、毛髪成長促進のために用いられるものである旨の表示を付した食品。
- さらにクマザサ抽出物又はウコン抽出物を含有することを特徴とする請求項22に記載の食品。
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