JP2007028761A - 圧電アクチュエータ、これを備える駆動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動先端部の振幅が大きく、捻り振動がない、振動の対称性が優れる圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータを備えた、小型化、薄型化が可能な駆動機構を提供する。
【解決手段】圧電アクチュエータ10は、圧電素子20を含み、振動の不動点Gの近傍から平面方向に放射状に延在され、平面方向に屈曲振動する複数の振動体12〜15と、振動体12,13及び14,15が、振動の不動点を通る直線上にそれぞれが対向して配置されるとともに、隣り合う振動体の2本を1対として偶数対で構成され、振動の不動点Gの近傍において振動体の断面方向両側を支持する支持軸43が設けられる支持部材40を備え、振動体12〜15の駆動先端部12g〜15gが、それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるとともに、複数の振動体12〜15の駆動先端部の少なくとも一つがロータ60の側面に当接し、ロータ60を回転する。
【選択図】 図5
【解決手段】圧電アクチュエータ10は、圧電素子20を含み、振動の不動点Gの近傍から平面方向に放射状に延在され、平面方向に屈曲振動する複数の振動体12〜15と、振動体12,13及び14,15が、振動の不動点を通る直線上にそれぞれが対向して配置されるとともに、隣り合う振動体の2本を1対として偶数対で構成され、振動の不動点Gの近傍において振動体の断面方向両側を支持する支持軸43が設けられる支持部材40を備え、振動体12〜15の駆動先端部12g〜15gが、それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるとともに、複数の振動体12〜15の駆動先端部の少なくとも一つがロータ60の側面に当接し、ロータ60を回転する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、複数の振動体を有する圧電アクチュエータと、これを備える駆動機構に関する。
従来、被駆動体としてのロータと、このロータの外周面または内周面に多数個配置するとともに、2個の超音波振動子(圧電素子)を直交配置した駆動子(振動体)と、この駆動子を前記ロータの外周面または内周面に押し付ける与圧手段と、前記2個の超音波振動子に接続される位相の異なる交流電源を備える超音波モータ(圧電アクチュエータ)というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、正方形断面を有する角棒が中央部で直交する構造を持つ十字形弾性体のそれぞれの角棒の隣り合う長方形面に圧電体を接着して十字形振動体を構成し、この十字形振動体のそれぞれの角棒が交差する中央部を介して固定することにより平面内に十字形振動体を複数配列し、圧電体に電圧を印加して角棒に直交する2次の撓み振動を同時に励振して、十字形振動体の撓み振動の腹近傍の位置から、機械出力を取り出す平面型超音波アクチュエータというものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような特許文献1では、2個の超音波振動子を直交配置した駆動子を被駆動体の外周面または内周面に複数配置し、しかも複数の駆動子それぞれに与圧手段を備えているために、部品数が増加することからコスト低減が困難である他、小型化が困難であるという課題を有している。
また、この駆動子を駆動する方法としては、駆動子の被駆動体との接点部位を楕円回転軌跡で回転力を得るために、2個の超音波振動子それぞれに位相の異なる電荷を印加する必要があり、駆動回路が複雑になるという課題もある。
また、前述した特許文献2による駆動形態は、直交する十字形弾性体の平面外(断面方向)振動による駆動形態であり、被駆動体は、この十字形弾性体において搬送されるため、薄型化をはかることが困難であり、さらに、被駆動体を駆動(搬送)するためには、この十字形弾性体を多数個配置しなければならず、小型化やコストの低減が困難であるという課題を有している。
さらに、特許文献1では、2個の超音波振動子の直交部位が駆動点であり、特許文献2では、十字形弾性体の直交部位を固定支持しているために、共に振動の反作用による繰り返しの振動の交番荷重が加わることから、疲労破壊が発生しやすいことが予測される。
本発明の目的は、上述の課題を解決することを要旨とし、駆動先端部の振幅が大きく捻り振動がなく、振動の対称性が優れる長寿命の圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータを備えた、小型化、薄型化が可能な駆動機構を提供することである。
本発明の圧電アクチュエータは、圧電素子を含み、振動の不動点の近傍から平面方向に放射状に延在され、平面方向に屈曲振動する複数の振動体を備える圧電アクチュエータであって、前記振動体が、前記振動の不動点を通る直線上に配置されるとともに、隣り合う振動体の2本を1対として偶数対で構成され、前記振動の不動点の近傍において前記振動体の断面方向両側を支持する支持軸が設けられる支持部材を備え、前記複数の振動体の駆動先端部が、それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるとともに、前記複数の振動体の駆動先端部の少なくとも一つが被駆動体の側面に当接することによって、被駆動体を回転させることを特徴とする。
この発明によれば、複数の振動体が振動の不動点から平面方向に放射状に延在し、前記振動体の不動点を通る直線上に配置され、且つ、振動体が偶数対で構成されていることから振動が対称性を有し、振動体に捻り振動が発生せず、また、この不動点近傍を支持部材で支持していることから支持部近傍において振動の反作用による抗力の集中がなく疲労破壊が発生しにくいので、安定した振動を長時間にわたって継続することができる。
また、複数の振動体の駆動先端部が、それぞれの回転方向の等しい楕円軌跡で回転されるため、仮に複数の駆動先端部(例えば、2個または4個)を被駆動体に当接させることによって、駆動トルクを大きくすることができ、後述する駆動機構の駆動トルクに対する制限を少なくすることができる。
また、前記複数の振動体のそれぞれが、前記振動体の主面の平面内において屈曲振動し、前記隣り合う振動体の振動が逆位相振動であり、前記振動の不動点に対して対向する2本の振動体の振動が同位相振動であることが好ましい。
このような構造によれば、仮に隣り合う振動体の二つが回転体である被駆動体に当接する構造では、隣り合う振動体の振動を逆位相振動にすることにより、楕円回転軌跡の回転方向を一致させることができる。また、このようにすることで、あたかも不動点を基部とする音叉型振動体と同じような振動形態となり、高効率振動を実現することができる。
また、振動の不動点に対して対向する2本の振動体の振動を同位相振動とすることで、対向する振動体を一本の棒状振動体とみなすことができ、この場合、振動の不動点に対して点対称の振動形態となるため、振動のバランスがとれ振動減衰が小さい高効率振動を実現することができる。
また、本発明では、前記複数の振動体のそれぞれが、前記振動の不動点の近傍で接合されていることが好ましい。
本発明では、複数の振動体それぞれが圧電素子を含み、複数の振動体を不動点近傍で接合する構造を採用することで、振動体一つ一つを同じ形状、構成の振動体で形成することができ、圧電アクチュエータは、これらの接合する製造方法で形成することができるので、製造効率がよく、また、寸法や振動特性のばらつきが小さい圧電アクチュエータを提供することができる。
また、前記複数の振動体が、前記振動の不動点を通り直交する直線上に延在され、前記振動体の前記駆動先端部の反対側の端部が、前記振動の不動点の近傍で同じ平面内において接合されることによって、前記複数の振動体が十文字形状に形成され、前記複数の振動体の駆動先端部のうち、少なくとも一つが被駆動体に当接されて前記被駆動体を回転することが好ましい。
このように振動体を十文字形状に接合することにより、4本の振動体を接合する位置が振動の不動点となり、この振動の不動点に対して各振動体が点対称に形成されるため、被駆動体がロータ形状の回転体のとき、その外周面または内周面のどちらにも配設可能な圧電アクチュエータを実現することができる。
また、十文字形状の中心部が不動点となり、前述したように、不動点に対して対向する振動体が同位相の振動をするため捻り応力が発生しないので、疲労破壊することがなく、信頼性が高い長寿命の圧電アクチュエータを提供することができる。さらに、十文字形状にすることで、簡単な構造ながら1点駆動の他、4点駆動など多点駆動の圧電アクチュエータを実現することができる。
また、本発明では、前記複数の振動体のそれぞれの振動形態が、振動の不動点に対して点対称となる屈曲振動であり、前記振動体を前記振動の不動点の近傍で直交積層して接合し、前記複数の振動体の駆動先端部のうち、少なくとも一つが被駆動体に当接されて前記被駆動体を回転することを特徴とする圧電アクチュエータ。
このような構造では、振動体は、単純な棒状の振動体であり、この棒状の振動体を不動点近傍で直交積層して接合することで、前述した振動体の端部を接合する十文字形状の圧電アクチュエータよりも振動体1本分の厚みが増すが、2本の振動体を直交積層する単純な構造で、十文字形状の圧電アクチュエータを実現することができ、前述した4本の振動体を振動の不動点近傍で接合する圧電アクチュエータと同様な効果を奏することができる。
また、本発明の圧電アクチュエータは、前記直交積層して接合される一方の振動体の接合面の反対側に、前記一方の振動体に直交する他方の振動体を前記不動点の近傍でさらに直交積層して接合し、前記直交接合される振動体の駆動先端部のうち、少なくとも一つが被駆動体に当接されて前記被駆動体を回転することが好ましい。
この構造は、複数の振動体を交互に直交積層する構造であって、つまり、1本の振動体の表裏両面に直交する他の振動体を積層する、さらに、その上面に、不動点において直交する振動体を積層して接合する構造であって、この積層階層の数は限定されない。
このような構造にすることで、被駆動体を回転する振動体の数が増すことで、駆動の信頼性を高め、且つ、駆動トルクを高めることができる。また、被駆動体との接触面積を増すことができ、駆動の信頼性を高めることができる。この積層階層の数は、被駆動体の厚みや必要駆動トルクから任意に設定することが可能である。
また、本発明では、前記複数の振動体のそれぞれの振動形態が、振動の不動点に対して点対称となる屈曲振動であり、2本の振動体が、長手方向が平行に離間して配置され、前記2本の振動体それぞれの前記振動の不動点近傍を接続する接続腕を備えることによってH字形状の振動体が形成され、前記接続腕の中心近傍において前記振動体の断面方向両側を支持する支持軸が設けられる支持部材を備え、前記振動体の駆動先端部それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるとともに前記振動体の駆動先端部の少なくとも一つが被駆動体の側面に当接されることによって被駆動体を回転させることが望ましい。
このようなH型形状の圧電アクチュエータは、一対の棒状振動体の振動の不動点近傍を接続腕で接続する構造であり、接続腕の中央部を支持部材で支持するため、支持部材の振動への影響を最小限に排除することができ、構造を単純化することができる。このようなH型形状の振動体は、圧電素子の分極を厚み方向にし、振動体の長手方向を機械軸にそろえることで実現できる。
また、本発明の駆動機構は、前述した圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータによって回転される被駆動体と、前記圧電アクチュエータの駆動先端部を被駆動体に所定の付勢力で付勢するための付勢手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、付勢手段としては、例えば、圧電アクチュエータを被駆動体に対して半径方向に付勢するか、または、断面方向に付勢する構造があり、駆動機構の構造に対応して選択することが可能である。
ここで、付勢手段としては、例えば、圧電アクチュエータを被駆動体に対して半径方向に付勢するか、または、断面方向に付勢する構造があり、駆動機構の構造に対応して選択することが可能である。
この発明によれば、前述した圧電アクチュエータによる効果を駆動機構で具現化できる他、圧電アクチュエータを回転体である被駆動体に、付勢手段によって、所定の方向から、所定の付勢力を付勢するため、圧電アクチュエータの駆動先端部と被駆動体の当接を確実に行えるので、構成部材の個別の寸法のばらつきを付勢手段で吸収することができ、簡単な構造で、小型化、薄型化、低コスト化を可能にする駆動機構が実現でき、このことによって、駆動機構を備える装置に幅広く応用展開することを可能にする。
また、前記被駆動体が、前記圧電アクチュエータを挟んで対向する位置に備えられる第1の被駆動体と第2の被駆動体とから構成され、前記圧電アクチュエータを構成する振動体の駆動先端部を前記第1の被駆動体を駆動する位置、または前記第2の被駆動体を駆動する位置に切換える切換え機構を備えることを特徴とする。
このようにすることで、二つの被駆動体を任意に切換え駆動することができ、駆動源としての圧電アクチュエータ一つで、二つの駆動系列を備える駆動機構を実現できる。また、前述した圧電アクチュエータの構造から、二つの被駆動体それぞれの回転方向は同じになるが、被駆動体以降に噛合する伝達車を適宜組み合わせ構成することで、最終段の被駆動体を逆回転駆動させることが可能になる。
また、前記駆動先端部が、前記被駆動体の外周側面に付勢され、前記被駆動体を回転させることが好ましい。
この構造は、被駆動体が回転体であり、この外周側面に駆動先端部を当接し回転運動を伝達する構造であるため、構造を簡単にすることができ、また上述した切換え機構が容易に搭載できる。
また、本発明は、前記被駆動体がリング形状をなし、前記圧電アクチュエータが、前記振動体の被駆動体の内側に配置され、前記駆動先端部が、前記被駆動体の内周側面に当接することによって前記被駆動体を回転することを特徴とする。
前述した圧電アクチュエータは、リング形状の被駆動体の内側に容易に配設することが可能であり、このことから駆動機構を小型化することができる。さらに、被駆動体の内周側面に当接する駆動先端部を一つまたは複数に設定することもでき、必要とされる駆動トルクに対応して一点駆動か多点駆動かを適宜選択することを可能にする。
また、前記被駆動体の内周側面が円錐形状の斜面を有し、前記駆動先端部の全てが前記円錐形状の斜面に当接するまで、前記圧電アクチュエータを断面方向に付勢する付勢手段を備えていることが好ましい。
ここで、円錐形状の斜面としては、例えば、圧電アクチュエータを組み込む入り口方向は広い開口部、付勢される方向は狭い開口部、つまり、圧電アクチュエータが途中で停止する狭い開口部の斜面が形成される。
ここで、円錐形状の斜面としては、例えば、圧電アクチュエータを組み込む入り口方向は広い開口部、付勢される方向は狭い開口部、つまり、圧電アクチュエータが途中で停止する狭い開口部の斜面が形成される。
本発明の圧電アクチュエータは、振動の不動点近傍から放射状に延在される振動体が複数本設けられ、それぞれに駆動先端部が形成されているので、これら駆動先端部を被駆動体の内周側面に当接させる場合、内周径と駆動先端部の外周径との寸法に製造上のずれが発生した場合において、駆動先端部が内周側面に当接しないことや、被駆動体に圧電アクチュエータが組み込みができない状態が発生することが考えられるが、被駆動体の内周側面が円錐形状の斜面を有しており、付勢手段によって、駆動先端部が円錐形状の斜面に当接するまで移動させることによって、駆動先端部と被駆動体との当接を確実に行うことができる。
また、前記圧電アクチュエータを支持する支持部材が、前記圧電アクチュエータが振動した際に、前記圧電アクチュエータが自転しないための回転防止手段を備えていることが好ましい。
ここで、回転防止手段としては、詳しくは実施の形態において説明するが、支持部材に設けられる支持軸を角形状に形成する方法を選択することができる。
ここで、回転防止手段としては、詳しくは実施の形態において説明するが、支持部材に設けられる支持軸を角形状に形成する方法を選択することができる。
被駆動体の内周側面が円錐形状の斜面を有し、前記駆動先端部の全てを前記円錐形状の斜面に当接させる構造では、当接する駆動先端部の全てが同じ方向の楕円回転軌跡を有することから、圧電アクチュエータを駆動(振動)させた場合、圧電アクチュエータ自身が回転してしまうことが考えられる。そこで、本発明のように支持部材に圧電アクチュエータの回転防止手段を備えることにより、圧電アクチュエータの自転を防止することができる。また、この回転防止手段として仮に支持部材の支持軸を角形状に形成する方法を選択すれば、部品数を増加せずに自転しない簡単な構造の駆動機構を実現できる。
さらに、本発明の駆動機構は、前記被駆動体がリング形状をなし、前記圧電アクチュエータが、前記被駆動体の内側に配置され、前記駆動先端部の一つ、または隣り合う前記駆動先端部の二つが、前記被駆動体の内周側面に当接するまで半径方向に前記圧電アクチュエータを付勢する付勢手段を備えていることが望ましい。
このようにすれば、圧電アクチュエータが、駆動先端部の一つまたは二つが被駆動体の内周側面に対して確実に付勢されるため、駆動先端部と被駆動体の内周側面との確実な当接の実現と、圧電アクチュエータの自転を防止し、安定したリング形状の被駆動体への駆動力を確実に伝達することを可能にする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る圧電アクチュエータを示し、図2は実施形態2、図3は実施形態3、図4は実施形態4に係る圧電アクチュエータを示している。図5は、実施形態5に係る駆動機構、図6は実施形態6、図7は実施形態7、図8は、実施形態8に係る駆動機構である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る圧電アクチュエータを示し、図2は実施形態2、図3は実施形態3、図4は実施形態4に係る圧電アクチュエータを示している。図5は、実施形態5に係る駆動機構、図6は実施形態6、図7は実施形態7、図8は、実施形態8に係る駆動機構である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る圧電アクチュエータの1例を示し、(a)は、その平面図、(b)は、図1(a)のP−P切断面を示す断面図である。図1(a)、(b)において、圧電アクチュエータ10は、振動体12,13,14,15の端部が十文字形状に接合部26で接合され、その接合部26周縁をインサート成形によって形成される支持枠40とから構成されている。
振動体12〜15は、それぞれ、主面の表面側に励振電極、裏面側にアース電極(GND電極)が形成された圧電素子20を補強板50の表裏両面に接合して形成されている。補強板50と圧電素子20とは同じ外形形状をしており、長手方向の一方の端部は、楔形状に形成された短冊状の板状部材である。この楔形状の端部を付き合わせ接合することで、一つの十文字形状の圧電アクチュエータが形成される。
これら4本の振動体12〜15の接合は、剛性を有する接合剤を用いて行われ、この接合剤が電導性を有する材料の場合には、後述する励振電極との間を分離する。この接合部26は、図1(a)に示すように、十文字形状をしており、その交差部中央が、各振動体を接合したときの振動の不動点Gである。
まず、振動体12の電極の構成について説明する。圧電素子20の一方の主面は、長手方向に沿って幅方向に3等分に分割された領域があり、その中央部の領域には励振電極12b、その右側には励振電極12aが形成されている。左側の領域には電極は形成されない。この励振電極12a,12bとの間は、それぞれの電極を分離するための溝25が設けられている。
他方の主面(裏面)にはアース電極12dが形成され(図1(b)、参照)、アース電極12dは、補強板50に接続される。従って、補強板50はアース電位である。補強板50を挟んで対向する圧電素子は、電極の構成を含めて、補強板50に対して面対称である。
振動体12の延長線上には不動点Gを挟んで振動体13が配設されており、圧電素子20に形成されている励振電極13a,13bは、不動点Gに対して励振電極12a、12bとは点対称の関係である。また、振動体13の裏面側(励振電極が形成される反対側の面)には、全面電極13dが形成されている。つまり、振動体12と振動体13とは、不動点Gの近傍周囲を基部とした一本の棒状の振動体にみなすことができ、振動体12,13は同位相の振動を行う。従って、励振電極12a,12b及び励振電極13a,13bに励振交流電位を印加することで、図中、破線30,31が連続したような振動形態で振動体12,13の主面の平面内において屈曲振動する。
この際、励振電極12a,12b、及び励振電極13a,13bの領域は伸縮を繰り返すが、励振電極が形成されていない領域12c,13cは伸縮しない。従って、振動体12,13の先端部の角部の駆動先端部12g,13gは、矢印Hで示す方向に楕円回転軌跡で駆動する。
一方、振動体12,13に直交して設けられる振動体14,15も同様な構造で形成されている。つまり、振動体14には、励振電極14a,14b、アース電極(図示せず)、振動体15には、励振電極15a,15b、アース電極(図示せず)が形成され、それぞれ電極が形成されない領域14c,15cが設けられている。振動体14,15とは不動点Gに対して点対称の関係にあり、振動体12,13と同様に破線32,33で表される振動形態で振動体14,15の主面の平面内において屈曲振動を繰り返す。
振動体14,15は、不動点Gの近傍周囲を基部とした一本の棒状の振動体にみなすことができ、振動体14,15は同位相の振動を行う。従って、振動体14,15の先端部の角部の駆動先端部14g,15gは、矢印Hで示す方向に楕円回転軌跡で駆動する。
このような電極構成によって、振動体12,13が伸張(図中、矢印A)するとき、振動体14、15は収縮(図中、矢印B)する逆位相の振動を行う。従って、隣り合う振動体12,14とは、接合部26を基部と考え、この基部から一対の振動腕が延在される音叉型振動子と同じ振動形態をしていると考えることができ、高い振動効率が得られる。
隣り合う振動体13と振動体15も同様に接合部26を基部と考え、この基部から一対の振動腕が延在される音叉型振動子と同じ振動形態をしていると考えられる。従って、本実施形態では、二対の振動椀を有している圧電アクチュエータといえる。
なお、隣り合う振動体12,15を一対、振動体13,14を一対の振動腕として考えることもできる。
なお、隣り合う振動体12,15を一対、振動体13,14を一対の振動腕として考えることもできる。
このように十文字形状に形成された振動腕は、接合部26で接合された後、インサート成形されて支持枠40と一体化される。支持枠40は、十文字形状の交差位置周囲を取り巻く枠部41と、枠部41から振動体の表裏両面に断面方向に突出される支持軸43が形成されている。
表面側の支持軸43と枠部41との間には、後述する付勢部材(図5、参照)が当接する付勢部42が形成されている。この支持軸43は、振動の不動点Gの断面方向延長上に形成され、この支持軸43によって、圧電アクチュエータ10は、振動体の断面方向両側を第1の機枠71と第2の機枠75に遊嵌関係を有して支持される(図5(b)、参照)。従って、この枠部41と振動体12〜15の接触の範囲を上述の各振動体の基部と考えることもできる。
なお、前述した本実施形態による圧電アクチュエータ10は、補強板50とその両面に圧電素子20を接合した振動体12〜15を接合部26で接合し、一体化した構造を示しているが、十文字形状の一枚の補強板の所定の位置に、図1(a)に表す形状の圧電素子を接合する構造とすることができる。
また、図1(a)に二点鎖線で表される支持部材の枠部41の平面形状に相当する圧電素子からなる基部を形成し、その基部の4辺に振動体12〜15を接合させて構成することも可能である。このような構造では、基部の構成を同様な形状の補強板の両面に圧電素子を接合して、各振動体と同じ厚みにしても、基部を各振動腕の総厚みに形成し、補強板を含む振動体を各辺から延在させる構造にすることもできる。
さらに、振動体12〜15の先端部の被駆動体に当接する位置に、ジルコニア等の硬質材料からなる半円柱形状の駆動先端部材を設ける構造を採用することもできる。
また、本実施形態では、十文字形状の振動体12〜15を備え、隣り合う振動腕を一対とし、二対からなる振動腕の構成について説明したが、振動腕の数は偶数対であれば、さらに多数対の振動体で構成しても、本発明を成立させることができる。
従って、前述した実施形態1によれば、4本の振動体12〜15が振動の不動点Gから平面内に放射状に延在し、振動の不動点Gを通る直線上に振動体12,13と振動体14,15とがそれぞれ対向して配設され、且つ、振動体が偶数対で構成されていることから、振動が不動点Gに対して対称性を有し、振動体12〜15に捻り振動が発生せず、また、この不動点G近傍を支持枠40で支持していることから支持部26の近傍において、振動の反作用による抗力の集中がなく疲労破壊が発生しにくいので、安定した振動を長時間にわたって継続することができる。
また、4本の振動体の駆動先端部12g〜15gが、それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるため、複数の駆動先端部(例えば、12g,14g)を被駆動体としてのロータ60の側面に当接させることによって(図5(b)、参照)、駆動トルクを大きくすることができ、後述する駆動機構の駆動トルクに対する制限を少なくすることができる。
また、隣り合う振動体12,14、あるいは振動体13,15の振動を逆位相振動にすることにより、楕円回転軌跡の回転方向を一致させることができ、このようにすることで、あたかも不動点Gを基部とする音叉型振動体と同じような振動形態となり、音叉型振動体に近い高効率振動を実現することができる。
また、不動点Gに対して対向する振動体12,13、あるいは振動体14,15の振動を同位相振動とすることで、対向する振動体を一本の棒状振動体とみなすことができ、この場合、不動点Gに対して点対称の振動形態であるため、振動の振幅を大きくすることができる他、振動のバランスがとれ振動減衰が小さい高効率振動を実現することができる。
さらに、振動体12〜15のそれぞれが圧電素子20を含み、複数の振動体を不動点G近傍で接合する構造を採用することで、振動体一つ一つを同じ形状、構成の振動体で形成することができ、本発明の圧電アクチュエータは、これらの振動体12〜15を接合するという製造方法で形成することができるので製造効率がよく、また、寸法や振動特性のばらつきが小さい圧電アクチュエータを提供することができる。
本実施形態では、振動体を十文字形状に接合することにより、4個の振動体12〜15を接合する位置が振動の不動点Gとなり、この振動の不動点Gに対して各振動体が点対称に形成されるため、被駆動体がロータ形状の回転体のとき、その外周面駆動または内周面駆動のどちらにも対応可能な圧電アクチュエータを実現することができる。
また、十文字形状の中心部が不動点Gとなるので、捻り振動による捻り応力が発生しないので、疲労破壊することがなく、信頼性が高い長寿命の圧電アクチュエータを提供することができる。さらに、十文字形状にすることで、簡単な構造ながら後述する1点駆動の他、2点駆動、4点駆動などにより高トルク駆動機構を実現することができる。
(実施形態2)
(実施形態2)
続いて、本発明に係る実施形態2について図面を参照して説明する。本実施形態は、2本の棒状の振動体を直交積層し接合したところに特徴を有する。
図2は、本実施形態2に係る圧電アクチュエータ100を示し、(a)は平面図、(b)は図2(a)のP−P切断面を示す断面図である。図2(a)、(b)において、圧電アクチュエータ100は、2本の断面形状が四角形の振動体112,113が、それぞれの振動の不動点Gの周囲において直交積層し接合されて形成されている。
図2は、本実施形態2に係る圧電アクチュエータ100を示し、(a)は平面図、(b)は図2(a)のP−P切断面を示す断面図である。図2(a)、(b)において、圧電アクチュエータ100は、2本の断面形状が四角形の振動体112,113が、それぞれの振動の不動点Gの周囲において直交積層し接合されて形成されている。
振動体112,113は、同じ形状、同じ構成であり、振動体112,113は、補強板50の表裏両面に圧電素子20が接合されて構成されている。代表して振動体112を例にあげ詳しく説明する。振動体112の圧電素子20の一方の主面(表面)は、長手方向に沿って幅方向に3等分された領域を有し、幅方向両側の領域は、さらに中央で2等分された領域を有している。
この分割された領域に励振電極112a,112c,112dが形成される。他の領域112b,112eには電極を形成しないか、検出電極が形成されている。これら励振電極は溝25で分離されている。また、振動体112の他方の主面(裏面)には、全面電極112fが形成されている。この全面電極112fはアース電極(GND電極)であり、補強板50に接合されることで、補強板50は全面電極112fと同電位となる。補強板50の裏面側には、その主面に対して面対称となる振動体112が接合されている。
振動体113も同様に分割された各領域を有し、圧電素子20の表面には、励振電極113b,113c,113eが形成され、他の領域113a,113dには電極を設けないか、検出電極が形成され、さらに裏面側には、全面電極(図示せず)が形成されている。
すなわち、振動体112と振動体113とは、励振電極の配置が異なるだけで同じ形状、構成である。
すなわち、振動体112と振動体113とは、励振電極の配置が異なるだけで同じ形状、構成である。
この振動体112,113は、振動の不動点Gで直交され、高剛性の絶縁性接合剤で積層接合される。この接合部近傍においてインサート成形により、振動体112,113を囲むように支持枠140が形成される。支持枠140は、実施形態1と同様に、枠部141と支持軸143と付勢部142とが設けられている。
ここで、このように構成された圧電アクチュエータ100の振動形態について図2(a)を参照して説明する。圧電素子20は、厚み方向に分極されており、平面的に形成された励振電極に交流電圧を印加することで伸縮振動を行う。振動体112では、励振電極112a,112c,112dに励振電圧を印加することで伸縮振動するが、電極が形成されていない領域(または検出電極)112b,112eには電圧は印加されない。従って、この検出電極112b,112eの領域の圧電素子は伸縮しないため、図中、破線で表されるような屈曲振動を繰り返す。
振動体113も同様に、励振電極113b、113c、113eに交流電圧を印加することで伸縮振動し、図中、破線で表すような屈曲振動を繰り返す。このような振動形態は、振動体112と振動体113とが逆位相の振動形態をしていることを示している。
従って、振動体112,113の先端部の駆動先端部112g,113gは、矢印Hで表される楕円回転軌跡で振動し、被駆動体としてのロータ60の外周部側面に当接して、ロータ60を回転駆動する。ロータ60は、図2(b)に示すように、振動体112,113を合わせた厚みを有している。
従って、前述した実施形態2によれば、振動体112及び振動体113は、単純な棒状の振動体であり、この棒状の振動体を不動点近傍で直交積層して接合することで、前述した実施形態1による圧電アクチュエータよりも振動体1枚分の厚みが増すが、単純形状の2本の振動体112,113を直交積層する単純な構造で、十文字形状の圧電アクチュエータを実現することができ、前述した実施形態1と同様な効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、2本の振動体112,113とを直交して形成しているが、この技術思想によれば、振動体の数は2本に限らず3本でも4本でもよいが、特に、ロータ60との関係から選択可能であり、隣り合う振動体が逆位相の振動をするように励振電極を組み合わせることで、高トルクで被駆動体を回転駆動することができる。
(実施形態3)
(実施形態3)
続いて、本発明に係る実施形態3について図面を参照して説明する。本実施形態は、前述した実施形態2に対して振動体をさらに直交積層し接合したところに特徴を有し、振動体の一つ一つの形状、構成は、実施形態2による(図2(a)、参照)振動体112,113と同じ形状、同じ電極構成であるため詳細な説明と詳細な図を省略し、同じ符号を附して説明する。
図3は、実施形態3に係る圧電アクチュエータ200を示し、(a)は、その平面図、(b)は、図3(a)のP−P切断面を示す断面図である。
図3は、実施形態3に係る圧電アクチュエータ200を示し、(a)は、その平面図、(b)は、図3(a)のP−P切断面を示す断面図である。
図3(a)、(b)において、圧電アクチュエータ200は、振動体113に直交する振動体112が、振動体113の表裏両面に直交積層し接合されて形成されている。すなわち、振動体113の振動体112との接合面の反対側にもう一つの振動体112を接合して構成されている。振動体112,113に形成される励振電極、電極が構成されない領域(または検出電極)、全面電極(アース電極)の構成は、実施形態2と同じ構成である。振動体112は、振動の不動点Gの位置で、振動体113に直交し、交差部11が絶縁性を有する高剛性の接合剤で接合される。そして、接合後、インサート成形によって接合部周囲を囲む支持部材140が形成されて一体化されている。
振動体113の表裏両面に接合された振動体112の間には空間27が形成される。振動体112,113の先端部には、ジルコニア等の硬質材からなる駆動先端部材51が接合されており、この駆動先端部材51を含んで圧電アクチュエータ200は、振動の不動点Gに対して平面形状が点対称で構成される。駆動先端部材51は、2本の振動体112の先端部にわたって配設されている。振動体113に配設される駆動端部材は、振動体113の厚みと同じ厚みである。
振動体112と振動体113とは、前述した実施形態2と同じ構成の励振電極が形成されているため、駆動先端部112g,113gは、実施形態2(図2(a)、参照)と同じ楕円回転軌跡を有して回転し、被駆動体(ロータ60)を回転駆動することができる。
なお、二つの振動体112の間の空間27には、振動体112の振動を妨げない程度の柔軟性を有する充填材を充填することができる。
また、振動体112,113の先端部に接合される駆動先端部材51は、必ずしもなくてもよく、振動体112,113の先端部を直接、被駆動体に当接する構造にしてもよい。
さらに、本実施形態では、振動体113の表裏両面に一対の振動体112を直交積層し接合しているが、振動体112の一方の表面に、直交する振動体113をさらに接合して、2枚構成の振動体113にする構成にすることも可能で、このようにすれば、二対の直交した振動体構成となり、それぞれの振動及び駆動トルクが同じとなり安定性を増す。また、振動体112と振動体113を一対の組み合わせとし、複数対の組み合わせとすることも可能であり、さらに、振動体112,113を同様に積層することも可能であり、積層数は限定されない。
従って、実施形態3によれば、被駆動体を回転する振動体112,113の数を増すことで、駆動の信頼性を高め、且つ、駆動トルクを高めることができる。この積層階層の数は、被駆動体の厚みや必要駆動トルクから任意に設定することが可能である。
また、駆動端部材51を設けることで、耐久性を増すことができる。
(実施形態4)
また、駆動端部材51を設けることで、耐久性を増すことができる。
(実施形態4)
続いて、本発明の実施形態4に係る圧電アクチュエータ300について図面を参照して説明する。実施形態4は、2本の棒状の振動体それぞれの長手方向を平行に離間して備え、これら振動体を接続腕で接続したH字形状の振動体であることを特徴としている。
図4は、実施形態4に係る圧電アクチュエータ300を示し、(a)は、その平面図、(b)は、図4(a)のP−P切断面を示す断面図である。
図4は、実施形態4に係る圧電アクチュエータ300を示し、(a)は、その平面図、(b)は、図4(a)のP−P切断面を示す断面図である。
図4(a)、(b)において、圧電アクチュエータ300は、振動体312と振動体313とを接続腕16でH字形状に接続し、接続腕16の中心近傍を支持枠40でインサート成形して構成されている。振動体312,313は、H字形状の補強板350の表裏両面に、補強板350と平面形状が同じ圧電素子320が接合されて形成されている。
振動体312と振動体313とは、前述した実施形態2(図2(a)、参照)に示す振動体112,113とほぼ同じ形状で、同様な電極が形成されているので詳しくは説明しないが、振動体312,313は、圧電素子320の機械軸Yに平行に離間して設けられる。なお、X軸は圧電素子における電気軸で、Z軸は光学軸である。Z軸方向に分極されている。
振動体312の表面には、励振電極312a,312c,312dと電極が形成されない領域312b,312e(または検出電極)が設けられており、振動体313の表面には、励振電極313a,313c,313dと電極が形成されていない313b,313e(または検出電極)とが設けられている。これらの励振電極に交流電圧を印加することで、振動体312,313はそれぞれ、図中、破線で表す振動形態で振動を繰り返す。
この際、振動体312と振動体313は逆位相の関係にある振動形態を有して振動し、駆動先端部312g,313gが、矢印Hで表される楕円回転軌跡で振動し、被駆動体としてのロータ60を回転駆動する。振動体312,313は、それぞれの長手方向中央部に振動の不動点を有しているために、駆動先端部312g,313gと反対側の端部の振動形態は不動点に対して点対称の振動形態である。
このような振動形態のとき、接続腕16の中央部は、圧電アクチュエータ300全体の不動点Gであるため、この不動点Gの周囲を支持枠40で覆っても振動には影響しない。圧電アクチュエータ300は、駆動先端部312g,313gが共にロータ60に当接するまで、付勢手段(図示せず)によって矢印C方向に付勢される。
支持枠40には、前述した実施形態1,2に示す機能を有する枠部41と支持軸43と、付勢手段が当接する付勢部42と、が形成されている。
従って、この実施形態4によるH字形状の圧電アクチュエータ300は、一対の棒状振動体312,313の振動の不動点近傍を接続腕16で接続する構造であり、接続腕の中央部(圧電アクチュエータ300の不動点)を支持部材40で支持するため、支持部材40の振動への影響を最小限に排除することができ、構造を単純化することができる。
また、振動体312,313が同じ平面内に形成されるため、薄型化には好適な構造である。
(実施形態5)
また、振動体312,313が同じ平面内に形成されるため、薄型化には好適な構造である。
(実施形態5)
次に、本発明に係る駆動機構について図面を参照して説明する。実施形態5に係る駆動機構には、前述した実施形態1〜実施形態4に記載の圧電アクチュエータを駆動源として搭載して構成することが可能であるが、どれも応用範囲のうちに含まれるので、実施形態1(図1、参照)に示す圧電アクチュエータ10を搭載する例をあげ説明する。
図5は、実施形態5による駆動機構1を示し、(a)は、部分平面図、(b)は、図5(a)の矢印D方向から視認した部分側面図である。
図5は、実施形態5による駆動機構1を示し、(a)は、部分平面図、(b)は、図5(a)の矢印D方向から視認した部分側面図である。
図5(a)、(b)において、駆動機構1は、基本構成として圧電アクチュエータ10と、被駆動体としてのロータ60と、ロータ60に圧電アクチュエータ10を付勢する付勢手段としてのバネ80と、を備えて構成されている。図5(b)に示すように、圧電アクチュエータ10とロータ60とは、第1の機枠71と第2の機枠75とによって軸支されている。
圧電アクチュエータ10は、第1の機枠71と第2の機枠75のそれぞれに開設される長孔72と長孔76とによって軸支されるが、長孔72,76は、圧電アクチュエータ10の中心(不動点G)とロータ60の回転中心62を結ぶ直線方向に長く、幅は、圧電アクチュエータ10の支持軸43の直径より僅かに大きく形成されている。つまり、圧電アクチュエータ10は、ロータ60の回転中心Fの方向に移動可能である。また、ロータ60は、支持軸62が第1の機枠71及び第2の機枠75とによって回転可能に軸支される。
圧電アクチュエータ10の支持枠40に形成されている付勢部42には、付勢手段としてのバネ(コイルバネ)80が当接され、圧電アクチュエータ10の駆動先端部12g,14gを、ロータ60の外周側面61に所定の付勢力で付勢している。
バネ80は、第2の機枠75に設けられたバネ案内壁73から突設されたバネ案内軸74に装着され、平面位置、断面位置が規制されている。
なお、本実施形態では、振動体12と振動体14の2箇所がロータ60に当接する例を示しているが、振動体12〜15の駆動先端部12g〜15gは、同じ方向に楕円回転軌跡を有するため、隣り合う振動体であればどの組み合わせでロータ60に当接しても、回転駆動の伝達は可能である。
また、上述したような、振動体12と振動体14のような一対の組み合わせによる駆動の他、例えば、振動体12の駆動先端部12gを単独でロータ60に当接しても、ロータ60を回転駆動することが可能である。このような場合は、バネ80による圧電アクチュエータ10の付勢方向は、圧電アクチュエータ10の不動点Gと駆動先端部12gとロータ60の回転中心62とが概ね直線上にのるように設定することが最も駆動力の伝達効率を高めることができる。
従って、前述した実施形態5による駆動機構1によれば、前述した圧電アクチュエータ10が奏する効果を駆動機構1で実現できる他、圧電アクチュエータ10を被駆動体であるロータ60に、バネ80によって、所定の方向から、所定の付勢力を付勢するため、構成部材の個別の寸法のばらつきをバネ80で吸収することができ、駆動先端部12g,14gとロータ60との当接をバランスよく確実に行えるため、簡単な構造で、小型化、薄型化、低コスト化を可能にする駆動機構1が実現でき、このことによって、駆動機構を備える装置に幅広く応用展開することを可能にする。
なお、ロータ60の形状は、図5(b)では厚さが一様であるが、ロータ60を間歇駆動する場合には、外周側面61の厚みを残し、他の中実部の厚みを薄くするなどにより、軽く、慣性を小さくすることで起動性を高めることができる。また、ロータ60の慣性を大きくすれば、定速回転を継続する場合に慣性車として用いることも可能である。
(実施形態6)
(実施形態6)
続いて、本発明の駆動機構に係る実施形態6について図面を参照して説明する。実施形態6は、被駆動体を2個備え、前述した圧電アクチュエータ一つで2個の被駆動体を切換え駆動するための切換え機構を備えるところに特徴を有している。ここでは、圧電アクチュエータとして実施形態1に記載の圧電アクチュエータ10を用いた例を示して説明する。
図6は、実施形態6に係る駆動機構2を示し、(a)は、その部分平面図、(b)は、図6(a)において矢印D方向から視認した部分側面図である。図6(a)、(b)において、本実施形態の駆動機構2は、基本構成として、第1の被駆動体としてのロータ60と、第2の被駆動体としてのロータ63と、このロータ60,63の間に配設される圧電アクチュエータ10と、この圧電アクチュエータ10をロータ60またはロータ63の方向に位置を切換えるための切換え機構とから構成されている。
切換え機構は、揺動レバー90と、揺動レバー90を軸止する揺動レバー軸92(図6(b)参照)と、揺動レバー軸92に噛合する揺動レバー駆動車95と、図示しないモータとから構成されている。揺動レバー軸92は、第1の機枠71と第2の機枠75との間で軸支されており、歯車94を備えている。また歯車94の上部には揺動レバー固定軸部93が設けられ、この揺動レバー固定軸部93に揺動レバー90の一方の端部が軸止されている。
揺動レバー90は、短冊形状の板部材からなり、揺動レバー固定軸部93に軸止される反対側の端部には、長手方向に長い長孔91が開設されている。この長孔91は、幅方向は、圧電アクチュエータ10の支持軸44が挿着され、幅方向は、圧電アクチュエータ10の移動を規制し、長手方向においては、この長孔91内を圧電アクチュエータ10が移動可能な寸法に設定されている。
圧電アクチュエータ10の基本構成は、前述した実施形態1(図1、参照)と同じであるが、一方(図中、下方側)の支持軸43は、第1の機枠71に開設される長孔72に軸支され、他方(図中、上方側)の支持軸44は、前述した揺動レバー90の長孔91によって軸支されている。第1の機枠71に開設される長孔72は、ロータ60及びロータ63それぞれの回転中心Fを結ぶ直線上に長く、その幅は、圧電アクチュエータ10の幅方向への移動を規制するように設定されている。なお、ロータ60,63は共に第1の機枠71、第2の機枠75によって回転可能に軸支されている。
次に、切換え機構による圧電アクチュエータ10の切換え駆動について説明する。
まず、図示しないモータを回転し、揺動レバー駆動車95を反時計回りに回転する。揺動レバー駆動車95に設けられる歯車96と揺動レバー軸92に設けられる歯車94とは噛合しているので、揺動レバー軸92は時計回りに回動し、揺動レバー90によって圧電アクチュエータ10がロータ60に当接するまで揺動する。
まず、図示しないモータを回転し、揺動レバー駆動車95を反時計回りに回転する。揺動レバー駆動車95に設けられる歯車96と揺動レバー軸92に設けられる歯車94とは噛合しているので、揺動レバー軸92は時計回りに回動し、揺動レバー90によって圧電アクチュエータ10がロータ60に当接するまで揺動する。
圧電アクチュエータ10は、駆動先端部12g,14gがロータ60の外周側面に当接する。駆動先端部12g,14gは、前述したように矢印Hに示す楕円回転軌跡で振動し、ロータ60を反時計回り(矢印J方向)に回転する。この際、駆動先端部12g,14gは、図示しないモータによって所定の押圧力が加えられている。
次に、図示しないモータを回転し、揺動レバー駆動車95を時計回りに回転する。揺動レバー駆動車95の歯車96と揺動レバー軸92の歯車94とは噛合しているので、揺動レバー軸92は反時計回りに回動し、揺動レバー90によって圧電アクチュエータ10がロータ63に当接するまで揺動する。
この際、圧電アクチュエータ10は、駆動先端部13g,15gがロータ63の外周側面に当接する(図中、二点鎖線で表す)。駆動先端部13g,15gは、前述したように矢印Hに表される楕円回転軌跡で振動し、ロータ63を反時計回り(矢印L方向)に回転する。この際、駆動先端部13g,15gは、図示しないモータによって所定の押圧力が加えられている。
ロータ60,63は、共に反時計回りに回転するが、ロータ以降に設けられる伝達歯車(図示しない)の数を偶数にするか、奇数にするか選択することで、最終段の被駆動体の回転方向を逆にすることが可能である。
切換え機構による圧電アクチュエータ10の位置切換えは、ユーザーが手動スイッチなどで、モータの回転方向を切換える方法や、予め用意されたプログラムに沿って自動的に切換え駆動をする方法によって行うことができ、モータに所定の付加トルクが付加されたときに停止させることで、圧電アクチュエータ10のロータ60,63への付勢力を一定に保持することができる。
従って、前述した実施形態6による駆動機構2は、切換え機構によって、二つのロータ60,63を任意に選択的に切換え駆動することができ、一つの圧電アクチュエータ10で二つの駆動系列を備える駆動機構を実現できる。また、前述した圧電アクチュエータの構造から、ロータ60,63それぞれの回転方向は同じになるが、ロータ以降に設けられる伝達歯車(図示しない)の数を偶数にするか、奇数にするか選択することで、最終段の被駆動体の回転方向を逆にすることが可能な駆動機構を実現できる。
(実施形態7)
(実施形態7)
続いて、本発明の実施形態7に係る駆動機構について図面を参照して説明する。実施形態7は、前述した実施形態1,2が被駆動体(ロータ)の外周側面に圧電アクチュエータ10を当接する外周駆動型の駆動機構であるのに対して、内周駆動型であることを特徴としている。
図7は、実施形態7に係る駆動機構を示し、(a)は、その平面図で、第1の機枠71、第2の機枠75を省略している。(b)は、図7(a)のP−P切断面を示す断面図である。図7(a)、(b)において、この駆動機構3は、リング形状の被駆動体としてのロータ160と、ロータ160の内側に配設される圧電アクチュエータ400とから構成されている。
図7は、実施形態7に係る駆動機構を示し、(a)は、その平面図で、第1の機枠71、第2の機枠75を省略している。(b)は、図7(a)のP−P切断面を示す断面図である。図7(a)、(b)において、この駆動機構3は、リング形状の被駆動体としてのロータ160と、ロータ160の内側に配設される圧電アクチュエータ400とから構成されている。
圧電アクチュエータ400は、振動体12〜15の構成は前述した実施形態1(図1、参照)と同じであるが、先端部には、駆動先端部12g〜15gに相当する位置に駆動端部材151が設けられているところが異なる。従って、駆動端部材151も前述した実施形態と同様な楕円回転軌跡を描いて振動する。
ロータ160は、リング形状で、ロータ160の内周側面には斜面161が形成されている。斜面161は、圧電アクチュエータ400の装着方向(図中、上方)が広く、装着先方向(図中、下方)が狭い円錐形状を有している。また、ロータ160の外周部には歯車162が形成され、伝達車65の歯車66と噛合している。
なお、歯車162は、ロータ160が駆動機構の最終段である場合には必要としない。
なお、歯車162は、ロータ160が駆動機構の最終段である場合には必要としない。
圧電アクチュエータ400は、前述した実施形態と同様に支持部材240によって、第1の機枠71と第2の機枠75とによって支持されている。ここで、支持部材240に設けられる第1の機枠71と嵌合する支持軸243は、外周部が四角形に形成されて、第1の機枠に開設される四角孔に挿着され、支持軸243と四角孔とは遊嵌の関係にあり、第1の機枠71との間で、支持軸243の軸方向には移動可能で、圧電アクチュエータ400の回転を防止する機能を備える。
支持軸243とは振動体を挟んで逆方向に設けられる支持軸242は、円柱状の軸であり、第2の機枠に75に軸支されるが、軸方向(断面方向)には移動可能で、圧電アクチュエータ400が断面方向に移動する範囲において、第2の機枠75との嵌合が外れない程度の長さを有する。
支持部材240に形成されている支持軸242には、円盤状のバネ85が挿着されており、第2の機枠75を組み込むことで、圧電アクチュエータ400が斜面に沿って断面方向に移動し、圧電アクチュエータ400を斜面161に付勢する。ロータ160の平面位置は、振動体12〜15の先端に設けられる駆動端部材151の全てが斜面161に当接することで規制されるように、半径方向に移動可能となっている。つまり、ロータ160の平面位置は圧電アクチュエータ400によって規制されている。
なお、4箇所の駆動端部材151が斜面161に当接するときに接触線Mは、ほぼ水平になるように設定される。また、バネ85で圧電アクチュエータ400を斜面161に対して付勢することで、各振動体とロータ160との当接関係が一様となり、また、付勢力が一定範囲内で概ね一定となり、安定した駆動力を伝達することができる。
また、ロータ160の上下面は、第1の機枠71及び第2の機枠75に設けられるリング状の凸部によって支持されているため、ロータ160と第1の機枠71、第2の機枠75との接触面積を減らし、摩擦負荷を減ずることを可能にしている。
駆動端部材151は、実施形態1で表す楕円回転軌跡を描くため、ロータ160は、時計回りに回転し、歯車160と噛合する伝達車65を反時計回りに回転させる。
なお、ロータ160が、被駆動体として最終段にある場合には、外周部の歯車162や伝達車65は不要である。
なお、ロータ160が、被駆動体として最終段にある場合には、外周部の歯車162や伝達車65は不要である。
従って、前述した実施形態7によれば、リング形状のロータ160の内側に圧電アクチュエータ400が配設されるため、小型化を容易にする。
また、振動体12〜15のそれぞれに設けられる駆動端部材151をロータ160の内周側面に当接させる場合、内周径と駆動端部材151の外周径との寸法に製造上のずれが発生した場合において、駆動先端部材が内周側面に当接しないことや、ロータ160に圧電アクチュエータ10の組み込みができない状態が発生することが考えられるが、ロータ160の内周側面が円錐形状の斜面161を有しており、ばね85によって、駆動端部材151を斜面161に当接するまで移動させることによって、駆動端部材151とロータ160との当接を確実に行うことができる。
また、振動体12〜15のそれぞれに設けられる駆動端部材151をロータ160の内周側面に当接させる場合、内周径と駆動端部材151の外周径との寸法に製造上のずれが発生した場合において、駆動先端部材が内周側面に当接しないことや、ロータ160に圧電アクチュエータ10の組み込みができない状態が発生することが考えられるが、ロータ160の内周側面が円錐形状の斜面161を有しており、ばね85によって、駆動端部材151を斜面161に当接するまで移動させることによって、駆動端部材151とロータ160との当接を確実に行うことができる。
また、駆動端部材151の全てを斜面161に当接させる構造において、当接する駆動端部材151の全てが同じ方向の楕円回転軌跡を有することから、圧電アクチュエータ400を駆動(振動)させた場合、圧電アクチュエータ400自身が回転(自転)してしまうことが考えられる。そこで、本実施形態のように支持部材240に圧電アクチュエータ400の回転防止手段としての四角形の支持軸243を備えることにより、部品数を増やさずに圧電アクチュエータ10の自転を防止することができる。
さらに、圧電アクチュエータ400を構成する4本の振動体12〜15の全てがロータ160に当接して回転駆動するため、高効率駆動が実現でき、高出力トルクの駆動機構を提供することができる。
(実施形態8)
(実施形態8)
続いて、本発明の実施形態8について図面を参照して説明する。実施形態8は、前述した実施形態7(図7、参照)の技術思想を基本とし、圧電アクチュエータの隣り合う一対の振動体をロータに内接させて回転駆動することを特徴とし、圧電アクチュエータは実施形態1(図1、参照)に示す圧電アクチュエータ10を例示し説明する。
図8は、本実施形態に係る駆動機構を示し、(a)は平面図、(b)は、図8(a)のP−G−P切断面を示す断面図である。
図8は、本実施形態に係る駆動機構を示し、(a)は平面図、(b)は、図8(a)のP−G−P切断面を示す断面図である。
図8(a)、(b)において、駆動機構4は、基本構成として、被駆動体としてのリング形状のロータ260と、ロータ260の内側に配設させる圧電アクチュエータ10と、圧電アクチュエータ10をロータ260の内側側面261に付勢する付勢手段としてのバネ80とから構成されている。圧電アクチュエータ10は、実施形態1において説明した圧電アクチュエータ10と、駆動端部材151を付設する以外は同じであるため、詳しい説明を省略し、同じ符号を附している。
ロータ260は、リング形状をしており、内周側面261と、外周部に歯車262が形成されて、第1の機枠71と第2の機枠75それぞれに設けられる平面視円形のロータ案内壁77,78によって外周部が案内されている。圧電アクチュエータ10は、バネ80によって、振動体12,14それぞれに付設させる駆動端部材151が、ロータ260の内周側面261に当接するよう付勢されている。
第1の機枠71と第2の機枠75には、圧電アクチュエータ10が、付勢される方向(図中、矢印C方向)に沿って長孔72,76がそれぞれ開設されており、圧電アクチュエータ10がC方向前後に移動可能な構成としている。
バネ80は、第2の機枠75に設けられるバネ案内壁73から突設されるバネ案内軸74に装着され、ほぼ一定の付勢力で圧電アクチュエータ10をロータ260に付勢している。振動体12,14それぞれの駆動端部材151は、実施形態1と同じ楕円回転軌跡で振動するため、ロータ260は時計まわり(図中、矢印方向)に回転される。ロータ260の回転に従い、伝達車65が反時計回りに回転される。
なお、本実施形態では、振動体12,14でロータ260を駆動した例を説明しているが、このような内接型の駆動機構では、駆動先端部材のうちの一つをロータ260に当接させる構造も可能であり、この場合、バネ80による付勢方向を振動の不動点Gと駆動先端部材を結ぶ直線上にすることで、安定した回転駆動力をロータに与えることができる。
従って、前述した実施形態8によれば、振動体12,14に付設される二つの駆動端部材151が、ロータ260に対して半径方向に確実に付勢されるため、駆動端部材151とロータ260の内側側面261との確実な当接を実現する。また、隣り合う2本の振動体12,14でロータ260を付勢し、また、隣り合う振動体が逆位相で振動することから、圧電アクチュエータ10は自転せず、リング形状のロータ260への駆動力を確実に伝達することを可能にする。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものでないから、それらの形状、材質、組み合わせなどの限定の一部もしくは全部の限定をはずした部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、実施形態5〜実施形態8で示した駆動機構には、実施形態1で示した圧電アクチュエータ10を基本形として例示しているが、実施形態2〜実施形態4で示した圧電アクチュエータを採用することが可能である。
さらに、前述の実施形態1〜実施形態4では、二対の振動体を有する圧電アクチュエータを例示したが、前述したように、隣り合う振動体の振動を逆位相にすること、振動の不動点に対して対向する振動体の振動を同位相にするという条件を満たせば、多数対の振動体を有する圧電アクチュエータも実現でき、これらの圧電アクチュエータを用いる駆動機構を実現できる。
また、隣り合う振動体の振動の位相は、圧電素子の表面に形成する励振電極の構成(組み合わせ)を変えることで実現しているが、励振電極の構成は変えずに、印加する交流電圧の位相を変えることで、逆位相の振動を得ることができる。
従って、前述の実施形態1〜実施形態4によれば、駆動先端部の振幅が大きく、捻り振動がなく、振動の対称性が優れ、このことから長寿命の圧電アクチュエータを提供できる。また、この圧電アクチュエータを備えることで、小型化、薄型化、高効率駆動が可能な駆動機構を提供することができる。
1〜4…駆動機構、10,100,200,300,400…圧電アクチュエータ、12〜15,112,113,312,313…振動体、20…圧電素子、40…支持部材、43…支持軸、12g〜15g…駆動先端部、60…被駆動体としてのロータ、80,85…付勢手段としてのバネ。
Claims (14)
- 圧電素子を含み、振動の不動点の近傍から平面方向に放射状に延在され、平面方向に屈曲振動する複数の振動体を備える圧電アクチュエータであって、
前記振動体が、前記振動の不動点を通る直線上に配置されるとともに、隣り合う振動体の2本を1対として偶数対で構成され、
前記振動の不動点の近傍において前記振動体の断面方向両側を支持する支持軸が設けられる支持部材を備え、
前記複数の振動体の駆動先端部が、それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるとともに、前記複数の振動体の駆動先端部の少なくとも一つが被駆動体の側面に当接することによって、被駆動体を回転させることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記複数の振動体のそれぞれが、前記振動体の主面の平面内において屈曲振動し、
前記隣り合う振動体の振動が逆位相振動であり、
前記振動の不動点に対して対向する2本の振動体の振動が同位相振動であることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記複数の振動体のそれぞれが、前記振動の不動点の近傍で接合されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記複数の振動体が、前記振動の不動点を通り直交する直線上に延在され、
前記振動体の前記駆動先端部の反対側の端部が、前記振動の不動点の近傍で同じ平面内において接合されることによって前記複数の振動体が十文字形状に形成され、
前記複数の振動体の駆動先端部のうち、少なくとも一つが被駆動体に当接されて前記被駆動体を回転することを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記複数の振動体のそれぞれの振動形態が、振動の不動点に対して点対称となる屈曲振動であり、
前記振動体を前記振動の不動点の近傍で直交積層して接合し、
前記複数の振動体の駆動先端部のうち、少なくとも一つが被駆動体に当接されて前記被駆動体を回転することを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項5に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記直交積層して接合される一方の振動体の接合面の反対側に、前記一方の振動体に直交する他方の振動体を前記不動点の近傍でさらに直交積層して接合し、
前記直交接合される振動体の駆動先端部のうち、少なくとも一つが被駆動体に当接されて前記被駆動体を回転することを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1に記載の圧電アクチュエータにおいて、
前記複数の振動体のそれぞれの振動形態が、振動の不動点に対して点対称となる屈曲振動であり、
2本の振動体が、長手方向が平行に離間して配置され、
前記2本振動体それぞれの前記振動の不動点近傍を接続する接続腕を備えることによってH字形状の振動体が形成され、
前記接続腕の中心近傍において前記振動体の断面方向両側を支持する支持軸が設けられる支持部材を備え、
前記振動体の駆動先端部が、それぞれの回転方向が等しい楕円軌跡で回転されるとともに前記振動体の駆動先端部の少なくとも一つが被駆動体の側面に当接されることによって、
被駆動体を回転させることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータによって回転される被駆動体と、
前記圧電アクチュエータの駆動先端部を被駆動体に所定の付勢力で付勢するための付勢手段と、
を備えることを特徴とする駆動機構。 - 請求項8に記載の駆動機構において、
前記被駆動体が、前記圧電アクチュエータを挟んで対向する位置に備えられる第1の被駆動体と第2の被駆動体とから構成され、
前記圧電アクチュエータを構成する振動体の駆動先端部を前記第1の被駆動体を駆動する位置、または前記第2の被駆動体を駆動する位置に切換える切換え機構を備えることを特徴とする駆動機構。 - 請求項8または請求項9に記載の駆動機構において、
前記駆動先端部が、前記被駆動体の外周側面に付勢され、前記被駆動体を回転させることを特徴とする駆動機構。 - 請求項8に記載の駆動機構において、
前記被駆動体がリング形状をなし、前記圧電アクチュエータが、前記被駆動体の内側に配置され、
前記振動体の駆動先端部が、前記被駆動体の内周側面に当接することによって前記被駆動体を回転することを特徴とする駆動機構。 - 請求項11に記載の駆動機構において、
前記被駆動体の内周側面が円錐形状の斜面を有し、
前記駆動先端部の全てが前記円錐形状の斜面に当接するまで、前記圧電アクチュエータを断面方向に付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする駆動機構。 - 請求項12に記載の駆動機構において、
前記圧電アクチュエータを支持する支持部材が、前記圧電アクチュエータが振動した際に、前記圧電アクチュエータが自転しないための回転防止手段を備えていることを特徴とする駆動機構。 - 請求項8または請求項11に記載の駆動機構において、
前記被駆動体がリング形状をなし、前記圧電アクチュエータが、前記被駆動体の内側に配置され、
前記駆動先端部の一つ、または隣り合う前記駆動先端部の二つが、前記被駆動体の内周側面に当接するまで前記圧電アクチュエータを半径方向に付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする駆動機構。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005205807A JP2007028761A (ja) | 2005-07-14 | 2005-07-14 | 圧電アクチュエータ、これを備える駆動機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2005
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