JP2007017291A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る温度センサを提供する。
【解決手段】 サーミスタ素子20と、サーミスタ素子20と接合されるサーミスタ信号取り出し用電極30とを備え、サーミスタ素子20から出力される信号をサーミスタ信号取り出し用電極30により外部へ取り出す温度センサにおいて、サーミスタ信号取り出し用電極30は、内側に位置する電極部30aと、電極部30aの外側に位置し、サーミスタ素子20の硬度の7/10倍以下である材料よりなる電極層30bと、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 サーミスタ素子20と、サーミスタ素子20と接合されるサーミスタ信号取り出し用電極30とを備え、サーミスタ素子20から出力される信号をサーミスタ信号取り出し用電極30により外部へ取り出す温度センサにおいて、サーミスタ信号取り出し用電極30は、内側に位置する電極部30aと、電極部30aの外側に位置し、サーミスタ素子20の硬度の7/10倍以下である材料よりなる電極層30bと、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は温度センサに関する。
近年、内燃機関や排気フィルタの保護、或いは、制御等を目的とし、排気ガスの温度を検知する小型のサーミスタ素子を内蔵した温度センサが使用されている。
このような温度センサでは、サーミスタ素子から出力される信号を外部に取り出すリード線が細径、小型である為、内燃機関等に装着した場合に、過大な振動が加わり、サーミスタ素子から取り出されるリード線が破断されるという問題が起きる。そこで、リード線に用いる材料に小量のジルコニアを添加した強化白金材料を使用することによって、リード線の強度を向上する温度センサが提案されている。(特許文献1)
特開2002−340692
しかし、特許文献1に示す従来技術では、リード線の硬度がサーミスタ素子よりもかなり高く、焼結時にサーミスタ素子に発生する収縮応力を吸収することが出来ない為、サーミスタ素子にクラックが生じるという問題があった。本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、その目的は、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る温度センサを提供することである。
本発明においては、サーミスタ素子と、前記サーミスタ素子と接合されるサーミスタ信号取り出し用電極とを備え、前記サーミスタ素子から出力される信号を前記サーミスタ信号取り出し用電極により外部へ取り出す温度センサにおいて、前記サーミスタ信号取り出し用電極は、内側に位置する電極部と、前記電極部の外側に位置し、前記サーミスタ素子の硬度の7/10倍以下である材料よりなる電極層と、を備えることを特徴とする温度センサを提供する。
これによると、サーミスタ信号取り出し用電極は、内側に位置する電極部と、前記電極部の外側に位置し、前記サーミスタ素子の硬度の7/10倍以下である材料よりなる電極層と、を備える為、焼結時において、サーミスタ素子に発生する収縮応力を電極層により吸収することが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
また、請求項2に記載の発明のように、前記電極部は、1400℃における引張り強度が、前記電極層よりも強い材料よりなり、
前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度が、前記サーミスタ素子よりも小さく、且つ、前記電極部よりも小さい材料よりなると、好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記電極部は、1400℃における引張り強度が、前記電極層の2倍以上である材料よりなり、前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、前記電極部の4/5倍以下である材料よりなると、更には、請求項4に記載の発明のように、前記電極部は、1400℃における引張り強度が、30MPa以上の材料よりなり、前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、100Hv以下の材料よりなると、更には、請求項5に記載の発明のように、前記電極部の材料は、白金又は白金合金に、金属酸化物が添加されていると、更には、請求項6に記載の発明のように、前記金属酸化物は、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニアから選択された少なくとも1種よりなると、更には、請求項7に記載の発明のように、前記白金合金は、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウム、イリジウムから選択された少なくとも1種が含有されたものであると、電極層は、焼成温度(例えば1400℃)における耐熱性に優れている。又、電極部は、引張り強度が強い為、リード線の強度を向上出来る。又、電極層は、ビッカース硬度がサーミスタ素子及び電極部よりも小さい為、焼結時にサーミスタ素子に発生する収縮応力を吸収することが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度が、前記サーミスタ素子よりも小さく、且つ、前記電極部よりも小さい材料よりなると、好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記電極部は、1400℃における引張り強度が、前記電極層の2倍以上である材料よりなり、前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、前記電極部の4/5倍以下である材料よりなると、更には、請求項4に記載の発明のように、前記電極部は、1400℃における引張り強度が、30MPa以上の材料よりなり、前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、100Hv以下の材料よりなると、更には、請求項5に記載の発明のように、前記電極部の材料は、白金又は白金合金に、金属酸化物が添加されていると、更には、請求項6に記載の発明のように、前記金属酸化物は、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニアから選択された少なくとも1種よりなると、更には、請求項7に記載の発明のように、前記白金合金は、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウム、イリジウムから選択された少なくとも1種が含有されたものであると、電極層は、焼成温度(例えば1400℃)における耐熱性に優れている。又、電極部は、引張り強度が強い為、リード線の強度を向上出来る。又、電極層は、ビッカース硬度がサーミスタ素子及び電極部よりも小さい為、焼結時にサーミスタ素子に発生する収縮応力を吸収することが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
また、請求項8に記載の発明のように、前記電極層の材料は、白金、ロジウム、パラジウムから選択された少なくとも1種よりなると、好ましくは、請求項9に記載の発明のように、前記電極層の厚さは、2μm以上であると、サーミスタ素子に発生する応力を吸収することが出来る。白金(Pt)よりなる電極層の厚さが2μm未満である場合、白金(Pt)本来の柔らかさが少なく、サーミスタ素子に発生する応力を吸収することが出来ない。
<概要>
以下、本発明の実施形態について図1及び図2に従って説明する。図1は、本発明の実施形態に係る温度センサの全体構成を示す概略断面図であり、図2は、図1におけるC部のD矢視拡大図である。図2aは、サーミスタ素子20近傍の拡大図であり、図2bは、サーミスタ信号取り出し用電極30の拡大図である。図1及び図2に示すように本実施形態の温度センサは概略以下のように構成される。即ち、信号取り出し用のシースピン50には、有底筒状の金属カバー10が被せられており、この金属カバー10の底部側には、円柱状のサーミスタ素子(ディスクタイプのサーミスタ素子)20が収納されている。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2に従って説明する。図1は、本発明の実施形態に係る温度センサの全体構成を示す概略断面図であり、図2は、図1におけるC部のD矢視拡大図である。図2aは、サーミスタ素子20近傍の拡大図であり、図2bは、サーミスタ信号取り出し用電極30の拡大図である。図1及び図2に示すように本実施形態の温度センサは概略以下のように構成される。即ち、信号取り出し用のシースピン50には、有底筒状の金属カバー10が被せられており、この金属カバー10の底部側には、円柱状のサーミスタ素子(ディスクタイプのサーミスタ素子)20が収納されている。
サーミスタ素子20には、サーミスタ信号取り出し用電極30が埋設されている。一対のサーミスタ信号取り出し電極30は、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置され、金属カバー10の開口部側へ向かってサーミスタ素子20から引き出されている。
一方、金属カバー10の開口部側においては、シースピン50内に一対のシースピン信号線40a、40bが、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置されている。そして、引き出された一対のサーミスタ信号取り出し電極30は、それぞれシースピン信号線40a、40bの一端側に溶接により接続されている。さらに、シースピン信号線40a、40bの他端側は、それぞれ外部と接続するためのリード線60a、60bに接続されている。
この温度センサは、サーミスタ素子20が収納された金属カバー10の部分(感温部)を測定環境下にさらした状態で、シースピン50の外側に配設された取付部材80を介して、被測定部材(図示せず)に取り付けられる。そして、サーミスタ素子20を介した一対のサーミスタ信号取り出し電極30間の抵抗値変化に基づく電気信号がサーミスタ信号として、シースピン信号線40a、40b、リード線60a、60bを介して外部へ出力されるようになっている。
<特徴>
以下、本発明の特徴部分について説明する。本実施形態に係る温度センサでは、サーミスタ信号取り出し電極30は、高温(例えば1400℃程度)で焼成(焼きばめ)されることにより、サーミスタ素子20に埋設成形され、サーミスタ素子20に接続される。このとき、サーミスタ素子20は、焼結時において、約20%収縮する。
以下、本発明の特徴部分について説明する。本実施形態に係る温度センサでは、サーミスタ信号取り出し電極30は、高温(例えば1400℃程度)で焼成(焼きばめ)されることにより、サーミスタ素子20に埋設成形され、サーミスタ素子20に接続される。このとき、サーミスタ素子20は、焼結時において、約20%収縮する。
通常、電極が白金系材料よりなる場合は、電極の硬度がサーミスタ素子20の硬度よりも小さい為に収縮応力を電極が微小変形することで吸収することが出来る。
ところが、強化白金よりなる電極とサーミスタ素子20とが直接焼きばめされる場合には、電極は、硬度が大きい為にサーミスタ素子20に発生する収縮応力を吸収することが出来ない。その為、電極とサーミスタ素子20とのクリアランスが無くなった以降に発生する応力は、サーミスタ素子20自身に直接加わることになり、その結果、応力がサーミスタ素子の素子強度を越え、サーミスタ素子にクラックが発生してしまう。
しかしながら、本発明によれば、サーミスタ信号取り出し電極30は、内側に位置する電極部30aと、電極部30aの外側に位置し、サーミスタ素子20よりも硬度の小さい材料よりなる電極層30bと、を備える為、焼結時にサーミスタ素子20に発生する収縮応力を電極層30bにて吸収することが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
<実施例1>
以下、本実施形態の詳細について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る温度センサS1の全体構成を示す図であり、図2は、図1中のC部を矢印D方向から視たときの拡大断面図である。本センサS1は、例えば自動車の排気系統に取り付けられ、排気温センサとして使用可能である。
以下、本実施形態の詳細について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る温度センサS1の全体構成を示す図であり、図2は、図1中のC部を矢印D方向から視たときの拡大断面図である。本センサS1は、例えば自動車の排気系統に取り付けられ、排気温センサとして使用可能である。
10は、ステンレス等の耐熱性に優れた金属よりなる金属カバーであり、本例では、一端側に底部を有し、他端側に開口部を有する有底円筒状をなしている。金属カバー10の一端側(底部側)の内部には、円柱状のサーミスタ素子20が収納されている。
本例では、サーミスタ素子20は、高温(例えば1000℃以上)での使用に耐えうるものであり、αY(Cr、Mn)O3と、(1−α)Y2O3との混合物を主成分とする半導体材料(サーミスタ材料)等よりなる焼結成形体である。
このサーミスタ素子20には、サーミスタ信号(抵抗(R)−温度(T)特性を用いた出力信号)を取り出すための一対のサーミスタ信号取り出し電極30が、接続されている。
サーミスタ素子20及び各サーミスタ信号取り出し電極30の接合方法は以下の通りである。まず、αY(Cr、Mn)O3と、(1−α)Y2O3との混合物を主成分とする半導体成形体(サーミスタ成形体)に挿入穴を形成する。次に、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置された状態で、各サーミスタ信号取り出し電極30を、半導体成形体に形成した挿入穴に挿入する。最後に、高温(例えば1400℃程度)で焼成(焼きばめ)する。これにより、サーミスタ成形体よりサーミスタ素子20を得ることが出来ると共に、サーミスタ成形体は、焼結時において、約20%収縮する。その為、挿入穴の径は縮小する為、各サーミスタ信号取り出し電極30とサーミスタ素子20が強固に接合することとなる。
そして、各サーミスタ信号取り出し電極30は、サーミスタ素子20から金属カバー10の他端側(開口部側)へ引き出されている。
また、金属カバー10の他端側(開口部側)には、サーミスタ信号取り出し電極30からのサーミスタ信号を外部に取り出すための配線部材としてのシースピン50が、その一端側を金属カバー10の開口部から挿入することにより、配置されている。
このシースピン50は、ステンレス等の金属よりなる一対のシースピン信号線40a、40bを、ステンレス等の金属よりなる外筒51内に収納し、シースピン信号線40a、40bと外筒51との間にマグネシア等の絶縁粉末を充填してなるものである。
ここで、シースピン50と金属カバー10とは、金属カバー10の他端側をシースピン50の外筒51に対して、かしめを行い、そのかしめ部を全周溶接することにより、接合固定されている。これにより、金属カバー10の内部は外部環境にさらされないようになっている。
そして、シースピン50の一端側(金属カバー10への挿入端側)では、外筒51から一対のシースピン信号線40a、40bが突出しており、突出した一対のシースピン信号線40a、40bは、金属カバー10の他端側にて互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置されている。
さらに、一対のシースピン信号線40a、40bの突出先端側と一対のサーミスタ信号取り出し電極30の引き出し側とは、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合され、電気的に接続されている。本例では、両線は、一対のサーミスタ信号取り出し電極30の両方を、各シースピン信号線40a、40bに対して同一方向から重ね合わせ、この重なり部を溶接している。
また、シースピン50の他端側には、一対のシースピン信号線40a、40bが突出しており、各シースピン信号線40a、40bは、それぞれ外部と接続するためのリード線60a、60bに電気的に接続されている。このリード線60a、60bは図示しない外部回路と電気的に接続されるもので、このリード線60a、60bを介して、温度センサS1と上記外部回路とが、信号のやり取りが可能なように連絡される。
各リード線60a、60bとシースピン50の各シースピン信号線40a、40bとは、接続端子62を介して電気的に接続されている。例えば、各シースピン信号線40a、40bと接続端子62とは溶接により接合され、各リード線60a、60bと接続端子62とは、接続端子62のかしめにより接合される。
また、シースピン50のうち金属カバー10への挿入部以外の部位は、ステンレス等の金属よりなる段付円筒状の保護チューブ70の内部に収納され、この保護チューブ70に被覆されている。ここで、保護チューブ70は、シースピン50の外筒51と、かしめや溶接等により接合されている。
また、リード線60a、60bとシースピン50のシースピン信号線40a、40bとの接合部は、ステンレス等の金属チューブ64にて被覆保護されている。この金属チューブ64は、リード線60a、60b側においては、リード線60a、60bの周囲に設けられたゴム等よりなるブッシュ66を介して、リード線60a、60bに、かしめ固定される。また、金属チューブ64のシースピン50側においては、保護チューブ70に挿入され、かしめや溶接により固定されている。
さらに、保護チューブ70の外側には、取付部材80が嵌合されている。本例では、この取付部材80は、外周面にネジ部81およびナット部82を有するものであり、被測定部材(自動車の排気管等)に形成された取付穴にネジ結合されるものである。
この温度センサS1は、例えば、次のようにして組み付けることができる。なお、各部の接続や取付は、各部に応じて上記したかしめ、溶接等を用いて行うことができる。
シースピン50の外周に、保護チューブ70及び取付部材80を取り付けるとともに、シースピン50とリード線60a、60bとを、接続端子62を介して接続し、当該接続部の外側にブッシュ66とともに金属チューブ64を取り付ける。一方、サーミスタ素子20と一体化したサーミスタ信号取り出し用電極30を、シースピン50のシースピン信号線40a、40bと接続する。
こうして、図1に示す温度センサS1が出来上がる。
なお、温度センサS1は、例えば、上記した自動車の排気管の取付穴(図示せず)に金属カバー10側を先端にして挿入され、保護チューブ70のテーパ部71と当該取付穴とが当たって位置決めが行われるとともに、取付部材80を介して当該取付穴へネジ結合されることにより、上記排気管に脱着可能に取り付けられる。
そして、上記排気管内に突出する金属カバー10に測定流体(排気ガス等)が当たると、その測定流体の温度に応じた信号が、サーミスタ素子20を介した一対のサーミスタ信号取り出し電極30間の抵抗値変化に基づく電気信号として発生する。この電気信号は、サーミスタ信号として、シースピン50のシースピン信号線40a、40b、リード線60a、60bを介して外部へ出力されるようになっている。
ところで、本実施形態に係る温度センサにおけるサーミスタ素子20及び各サーミスタ信号取り出し電極30の接合方法は以下の通りである。まず、αY(Cr、Mn)O3と、(1−α)Y2O3との混合物を主成分とする半導体成形体(サーミスタ成形体)に挿入穴を形成する。次に、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置された状態で、各サーミスタ信号取り出し電極30を、半導体成形体に形成した挿入穴に挿入する。最後に、高温(例えば1400℃程度)で焼成(焼きばめ)する。これにより、サーミスタ成形体よりサーミスタ素子20を得ることが出来ると共に、サーミスタ成形体は、焼結時において、約20%収縮する。その為、挿入穴の径は縮小する為、各サーミスタ信号取り出し電極30とサーミスタ素子20が強固に接合することとなる。
ここで、通常、電極が白金系材料よりなる場合は、電極の硬度がサーミスタ素子20の硬度よりも小さい為に収縮応力を電極が微小変形することで吸収することが出来る。
ところが、強化白金よりなる電極とサーミスタ素子20とが直接焼きばめされる場合には、電極は、硬度が大きい為にサーミスタ素子20に発生する収縮応力を吸収することが出来ない。その為、電極とサーミスタ素子20とのクリアランスが無くなった以降に発生する応力は、サーミスタ素子20自身に直接加わることになり、その結果、応力がサーミスタ素子の素子強度を越え、サーミスタ素子にクラックが発生してしまう。
しかしながら、本発明によれば、サーミスタ信号取り出し電極30は、内側に位置する電極部30aと、電極部30aの外側に位置し、サーミスタ素子20よりも硬度の小さい材料よりなる電極層30bと、を備える為、焼結時にサーミスタ素子20に発生する収縮応力を電極層30bにて吸収することが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
好ましくは、電極部30aは、1400℃における引張り強度が、30MPa以上の材料、例えば、白金又は白金合金に対して金属酸化物が添加されたものであると良い。ここで、金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニア等から選択された少なくとも一種を用いることができる。また、上記白金合金としては、例えば、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウム等から選択された少なくとも一種が含有されたものを用いることができる。このような強化白金とすることにより、サーミスタ信号取り出し電極30自体の強度を向上させることができる。
また、電極層30bは、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、100Hv以下の材料、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属材料であると良い。
また、電極層30bは、めっきによって厚さ3μmに形成する。電極層30bの他の形成方法としては、電極部30に対して、蒸着によって形成しても良い。或いは、電極部30a及び電極層30bをクラッド後、伸線加工して形成しても良い。
<実施例2>
以下、サーミスタ信号取り出し電極30に用いられる各種材料について図3乃至6を使用して説明する。サーミスタ信号取り出し電極30は、高温(例えば1400℃程度)で焼成(焼きばめ)される為、高温下での耐熱性が求められる。図3乃至5は、高温下での耐久性に優れる貴金属及びサーミスタ材料の特性を表す表である。図3は、各種材料のビッカース硬さを表す表であり、各種材料に対して1400℃で熱処理を施した後にビッカース硬さを測定した結果であり、図4は、各種材料の引張り強度を表す表であり、各種材料に対して1400℃で熱処理を施した後に引張り強度を測定した結果であり、図5は、サーミスタ信号取り出し電極に用いられる各種材料の1400℃下におけるクリープ破断試験結果を示す表である。また、図6は、クリープ破断試験方法の例である。クリープ破断とは、高温下で材料に一定応力が加わり続けることにより、時間と共に変形量が増大して行き、破断に至ることであり、常温では起こり得ない低応力で破壊する現象である。
以下、サーミスタ信号取り出し電極30に用いられる各種材料について図3乃至6を使用して説明する。サーミスタ信号取り出し電極30は、高温(例えば1400℃程度)で焼成(焼きばめ)される為、高温下での耐熱性が求められる。図3乃至5は、高温下での耐久性に優れる貴金属及びサーミスタ材料の特性を表す表である。図3は、各種材料のビッカース硬さを表す表であり、各種材料に対して1400℃で熱処理を施した後にビッカース硬さを測定した結果であり、図4は、各種材料の引張り強度を表す表であり、各種材料に対して1400℃で熱処理を施した後に引張り強度を測定した結果であり、図5は、サーミスタ信号取り出し電極に用いられる各種材料の1400℃下におけるクリープ破断試験結果を示す表である。また、図6は、クリープ破断試験方法の例である。クリープ破断とは、高温下で材料に一定応力が加わり続けることにより、時間と共に変形量が増大して行き、破断に至ることであり、常温では起こり得ない低応力で破壊する現象である。
図3から分かるように、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のビッカース硬度(アニール後)は100Hv以下となっている。また、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のビッカース硬度(アニール後)は、強化白金のビッカース硬さの4/5以下となっている。図4から分かるように、強化白金の引張り強度は50MPa以上となっている。また、強化白金の引張り強度は、白金(Pt)又はロジウム(Rh)の2倍以上となっている。図5に示すように、白金(Pt)や白金ロジウム合金(20Rh80Pt、10Rh90Pt)に比べて、強化白金は、高温下においても破断し難い。また、図6に示すように、クリープ破断試験は、頂面1に吊るされ、所定形状である材料2と、材料2を周囲に位置し、材料2を所定温度に加熱するヒータ3と、材料2に吊るされる所定の重さの重り4を備える試験装置により測定する。
ところで、サーミスタ信号取り出し電極30は、電極部30aに、1400℃における引張り強度が電極部30bの2倍以上である材料を使用し、電極層30bに、1400℃におけるビッカース硬度(アニール後)がサーミスタ素子20の7/10倍以下であり、1400℃におけるビッカース硬度(アニール後)が電極部30aの4/5倍以下である材料を使用すると良い。(請求項1、3)
そのような材料としては、図3乃至5から分かるように、電極部30aに、1400℃における引張り強度が30MPa以上の強化白金系材料を使用し、電極層30bに、1400℃におけるビッカース硬度(アニール後)が100Hv以下の白金系材料を使用すると良い。
そのような材料としては、図3乃至5から分かるように、電極部30aに、1400℃における引張り強度が30MPa以上の強化白金系材料を使用し、電極層30bに、1400℃におけるビッカース硬度(アニール後)が100Hv以下の白金系材料を使用すると良い。
これによると、電極層30bは、1400℃におけるビッカース硬度(アニール後)がサーミスタ素子20の7/10倍以下であり、1400℃におけるビッカース硬度(アニール後)が電極部30aの4/5倍以下である為、高温下での耐熱性に優れていると共に、焼結時に変形を生じることが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生する収縮応力を吸収することが出来、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
<実施例3>
図7は、白金(Pt)よりなる電極層30bの厚さと発生応力の関係を示す表である。なお、サーミスタ信号取り出し電極30の外径は300μm一定とする。図7に示すように、白金(Pt)よりなる電極層30bの厚さが2μm以上の場合、焼結時にサーミスタ素子20に発生する応力が低減する。これは、白金(Pt)よりなる電極層30bの厚さが2μm未満である場合、白金(Pt)本来の柔らかさが少なく、サーミスタ素子20に発生する応力を吸収することが出来ない為である。
図7は、白金(Pt)よりなる電極層30bの厚さと発生応力の関係を示す表である。なお、サーミスタ信号取り出し電極30の外径は300μm一定とする。図7に示すように、白金(Pt)よりなる電極層30bの厚さが2μm以上の場合、焼結時にサーミスタ素子20に発生する応力が低減する。これは、白金(Pt)よりなる電極層30bの厚さが2μm未満である場合、白金(Pt)本来の柔らかさが少なく、サーミスタ素子20に発生する応力を吸収することが出来ない為である。
以上述べたように本発明の実施形態に係る温度センサでは、サーミスタ信号取り出し用電極30は、内側に位置する電極部30aと、電極部30aの外側に位置し、サーミスタ素子20の硬度の7/10倍以下である材料よりなる電極層30bと、を備える為、焼結時において、サーミスタ素子に発生する収縮応力を電極層により吸収することが出来る。よって、焼結時にサーミスタ素子に発生するクラックを抑制することが出来る。
なお、本発明に用いられる構成は本発明の課題を達成出来るものであれば、本実施例の構成に限定されない。例えば、実施例では自動車に用いる温度センサを説明したが、他に給湯器等の燃焼温度を測定する温度センサであっても良く、サーミスタ素子20の形状は円柱状に限らず、角柱状であっても良く、サーミスタ信号取り出し電極30の形状は線状に限らず、板状であっても良い。
10 金属カバー
20 サーミスタ素子
30 サーミスタ信号取り出し用電極
40 シ−スピン信号線
50 シ−スピン
30a 電極部
30b 電極層
20 サーミスタ素子
30 サーミスタ信号取り出し用電極
40 シ−スピン信号線
50 シ−スピン
30a 電極部
30b 電極層
Claims (9)
- サーミスタ素子と、前記サーミスタ素子と接合されるサーミスタ信号取り出し用電極とを備え、前記サーミスタ素子から出力される信号を前記サーミスタ信号取り出し用電極により外部へ取り出す温度センサにおいて、
前記サーミスタ信号取り出し用電極は、内側に位置する電極部と、
前記電極部の外側に位置し、前記サーミスタ素子の硬度の7/10倍以下である材料よりなる電極層と、を備えることを特徴とする温度センサ。 - 前記電極部は、1400℃における引張り強度が、前記電極層よりも強い材料よりなり、
前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度が、前記サーミスタ素子よりも小さく、且つ、前記電極部よりも小さい材料よりなることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。 - 前記電極部は、1400℃における引張り強度が、前記電極層の2倍以上である材料よりなり、
前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、前記電極部の4/5倍以下である材料よりなることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度センサ。 - 前記電極部は、1400℃における引張り強度が、30MPa以上の材料よりなり、
前記電極層は、1400℃で熱処理後した後におけるビッカース硬度(アニール後)が、100Hv以下の材料よりなることを特徴とする請求項1乃至3に記載の温度センサ。 - 前記電極部の材料は、白金又は白金合金に、金属酸化物が添加されていることを特徴とする請求項4に記載の温度センサ。
- 前記金属酸化物は、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニアから選択された少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項5に記載の温度センサ。
- 前記白金合金は、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウム、イリジウムから選択された少なくとも1種が含有されたものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の温度センサ。
- 前記電極層の材料は、白金、ロジウム、パラジウムから選択された少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項1又は7に記載の温度センサ。
- 前記電極層の厚さは、2μm以上であることを特徴とする請求項1乃至8に記載の温度センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005199287A JP2007017291A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | 温度センサ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022060168A (ja) * | 2020-10-02 | 2022-04-14 | ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー | 温度センサを接触させるための白金組成物のワイヤ |
-
2005
- 2005-07-07 JP JP2005199287A patent/JP2007017291A/ja not_active Withdrawn
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JP7212739B2 (ja) | 2020-10-02 | 2023-01-25 | ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー | 温度センサを接触させるための白金組成物のワイヤ |
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