JP2007012448A - 光電変換素子 - Google Patents

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顕一 岡田
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
Takayuki Kitamura
隆之 北村
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Abstract

【課題】 窓極において多孔質酸化物半導体層が透明導電膜から剥離することに起因して、発電特性の低下をまねくことのない、光電変換素子を提供する。
【解決手段】 本発明に係る光電変換素子1(1A)は、第一基材2と該第一基材の一面に配された透明導電膜4とを備えてなる窓極8、第二基材3と該第二基材の一面に配されて少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層6とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記窓極の透明導電膜側に対向して配置される作用極9、及び、前記窓極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層10、から構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池に代表される湿式太陽電池などの光電変換素子の構造に関する。
色素増感太陽電池(DSC;Dye-Sensitized Solar Cell) に代表される湿式太陽電池は、図4に示すように、通常、透明基材102の一面に透明導電膜104と色素を担持させた酸化チタン等の多孔質半導体層106を順に重ねて作用極108とし、一方、白金等の導電層107を一面に設けた基材103を対極109として、この両者(作用極108、対極109)間に、例えば電解質層110としてヨウ素電解液(もしくは電解質ゲル)を挟み込んだ構造をしている。すなわち、従来の光電変換素子101においては、多孔質半導体層106が作用極108側の透明導電膜104上に形成されており、作用極108側から光を入射させる構成ゆえ、作用極108は窓側電極(または窓極)として機能するものであった(例えば、特許文献1参照)。
図4に示すような色素増感太陽電池においては、多孔質酸化物半導体の膜厚を厚くするほど多孔質酸化物半導体に担持させる色素の量を増加させることができるので、光の吸収効率が高くなり、発電特性の向上が図れる。
しかしながら、作用極108を構成する多孔質酸化物半導体層と透明導電膜と透明基材の間にはそれぞれ、異種材料からなる界面が存在するため密着性が弱まる傾向にあり、初期には密着性が確保されていても、経時的に密着性が弱まり、発電特性の低下を招く虞があった。
また、例えば多孔質酸化物半導体の粒子がチタニアナノ粒子の場合、チタニアナノ粒子は焼成により収縮応力を生むため、その膜厚が厚くなると透明導電膜から剥離しやすくなり、単純にその膜厚を増やすことは難しいという問題もあった。
特開平10−255863号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、窓極において多孔質酸化物半導体層が透明導電膜から剥離することに起因して、発電特性の低下をまねくことのない、光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る光電変換素子は、第一基材と該第一基材の一面に配された透明導電膜とを備えてなる窓極、第二基材と該第二基材の一面に配されて少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記窓極の透明導電膜側に対向して配置される作用極、及び、前記窓極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、から構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光電変換素子は、請求項1において、前記第二基材は、少なくとも前記多孔質酸化物半導体層を載置する面が金属体からなることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る光電変換素子は、請求項2において、前記金属体は、その主成分がチタンであることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る光電変換素子は、請求項3において、前記多孔質酸化物半導体層は、チタニアナノ多孔質体であることを特徴とする。
本発明に係る光電変換素子は、光が入射する窓極に対向して配置される作用極側に、多孔質酸化物半導体層を備える構成としたことにより、窓極において多孔質酸化物半導体層が透明導電膜から剥離することに起因して、発電特性の低下をまねくことのない光電変換素子が得られる。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、光が入射する窓極と対向する側に多孔質酸化物半導体層を形成することにより、窓極の構造を簡素化し、窓極側からの入射光量を増やし、発電効率の向上を図るようにした。すなわち、本発明に係る光電変換素子は、多孔質酸化物半導体層が形成された、窓極と対向する側を作用極とし、窓極を対極として構成したものである。
また、本発明においては、多孔質酸化物半導体層が形成される作用極を構成する基材が、少なくとも該多孔質酸化物半導体層を載置する面を金属体とする構成が好ましい。これにより、金属体からなる面を多孔質酸化物半導体層の成長面とすることにより、この成長面上に形成される多孔質酸化物半導体層と作用極を構成する基材との間の密着性が著しく改善され、多孔質酸化物半導体層の膜厚の増大が可能となる。この膜厚の増大は、多孔質酸化物半導体層に担持される色素の量の増加をもたらすので、発電量の大きな光電変換素子が得られる。
次に、本発明に係る光電変換素子の第一の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る光電変換素子の構造例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の光電変換素子1Aは、第一基材2と該第一基材の一面に配された透明導電膜4とを備えてなる窓極8、第二基材3と該第二基材の一面に配されて少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層6とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記窓極の透明導電膜側に対向して配置される作用極9、及び、前記窓極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層10、から構成されている。
第一基材2は、表面に導電材料からなる膜(層)を形成することにより電気を通す導電性を有し、光透過性の高い透明な部材であれば何でも良く、特に制限されない。この第一基材2としては、ガラス板を使用するのが一般的であるが、ガラス板以外にも、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチック等を用いることができる。ここで、表面とは、基材面のうち透明導電膜4等を形成し、作用極9として作用する多孔質酸化物半導体層6と対向して配置される面をいう。
ただし、第一基材2は、透明導電膜を設けた上に対極5として含白金溶液、カーボンペースト等を焼成する場合は、500℃程度の高熱に耐える導電性耐熱ガラスが望ましい。
透明導電層4は、第一基材2上に形成された導電材料からなる光透過率の高い導電性の膜である。透明導電層4としては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO)や酸化スズ(SnO)、フッ素添加スズ(FTO)などの透明な酸化物半導体を単独で、もしくは複数種類を複合化して用いることもできるが、特に限定されるものではなく、光透過率や導電性の点で使用目的に適合するものを選べば良い。また、導電補助(集電)効果を与えるために、光透過性を著しく損ねない範囲で金属配線等を追加しても良い。
対極5は、作用極9との間で起電力を生じさせる電極であり、例えば、白金や化学的に安定なカーボンを用いることができる。対極5の形成方法に関しては、例えば、対極5が白金からなる場合、スパッタ法や蒸着法といった真空製膜法、基板表面に塩化白金酸溶液などの含白金溶液を塗布後に熱処理を加える湿式製膜法などが用いておこなうことができる。
また、第二基材3は、作用極9に用いる多孔質酸化物半導体層6が載置される面を有する基板となるものであり、例えばチタン(Ti)合金やニッケル(Ni)合金など電解液に溶解せず、電解液に対して過電圧の高い金属材料とすることが好ましく、特に、その主成分がチタンであることが最も望ましい。第二基材3がチタンであると、その表面にTiOからなる酸化膜3aが形成され、多孔質酸化物半導体層6がチタニアナノ多孔質体である場合に、非常に密着性が高いものとなる。
第二基材3として、このようなチタンからなる基板を採用した構成とすることにより、次に示す4つの長所をもつことが可能となる。
(1)ガラスや透明セラミックからなる基板より軽量で、薄くしても破損せず、加工も容易で、可撓性を有するものとすることができる。
(2)また、耐熱温度が、100〜200℃であるプラスチック基板はもちろん、500〜600℃であるガラス基板よりも高い1000℃以上であるため、例えばチタニア多孔質などの多孔質酸化物半導体の高温焼成が可能となり、密着性及び多孔質ナノ粒子同士のネッキングが向上する。
(3)また、チタン基板の表面は不導体として緻密なチタニア膜を持っており、表面に形成されるチタニア多孔質膜との密着性が高くなり、変換効率が向上する。
(4)さらに、チタニア多孔質膜の熱膨張率は77×10−7/Kであり、これに対してチタン基板の熱膨張率は84×10−7/Kである。ゆえに、両者の熱膨張係数はほぼ同じであるため、熱応力などによる剥離の発生が抑制される。
これにより、軽量で、可撓性に優れるとともに、高い密着性も併せ持ち、高い変換効率が得られる光電変換素子の提供が可能となる。
多孔質酸化物半導体層6の素材、形成法などについて特に限定されるものは無いが、例えば、二酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などを単独、または2種以上を複合させた、平均粒径5nm〜30nmの酸化物半導体粒子を主成分とする多孔質の薄膜であり、特に、第二基材3自体がチタンである場合は、チタニアナノ多孔質体とすると望ましい。
また、第二基材3が金属体であっても、多孔質酸化物半導体層6が第二基材3とは異質の材料からなる場合は、必要に応じて、第二基材3上に形成する多孔質酸化物半導体層6と同質の材料からなる膜を形成してから、多孔質酸化物半導体層6を形成するようにしても良い。具体的には、例えば多孔質酸化物半導体層6がチタニアナノ多孔質体であり、第二基材3がチタンからなる同質の材料の場合は、第二基材上にそのままチタニアナノ多孔質体を形成すれば良いが、第二基材3が金属体であってもチタンで無い異質の材料の場合は、チタニアナノ多孔質体と同質のチタン膜を形成し、このチタン膜を介してチタニアナノ多孔質体を形成するようにしても良い。
そして、この多孔質酸化物半導体層6は、市販の微粒子やゾル−ゲル法により得られたコロイド溶液などから得ることができる。
多孔膜化の手法としては、例えばコロイド溶液や分散液(必要に応じて添加剤を含む)を、スクリーンプリント、インクジェットプリント、ロールコート、ドクターブレード、スピンコート、スプレー塗布など、種々の塗布法を用いて塗布する他、微粒子の泳動電着、発泡剤の併用などによるものでも構わない。この多孔質酸化物半導体層6には、増感色素が担持されている。
増感色素は、例えば、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体をはじめ、エロシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素なども使用することができ、用途、使用する半導体多孔質膜によって適当なものを、特に限定されることなく選ぶことができる。
また、電解液10は、電解質が液中で解離して陽イオンと陰イオンを生じる電導性を有する水溶液をいう。この電解液10としては、例えば、酸化還元対を含む有機溶媒や、イオン性液体(室温溶融塩)などを用いることができる。
酸化還元対も特に限定されるものでは無いが、例えばヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオンなどを選ぶことができ、前者であればヨウ化物塩(リチウム塩、四級化イミダゾリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などを単独、あるいは複合して用いることができる)とヨウ素を単独、あるいは複合して添加することにより与えることができる。
有機溶媒としては、アセトニトリルやメトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いた揮発性電解液が例示される。
また、イオン性液体としては、例えば、四級化イミダゾリウム誘導体や四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体といった四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした室温で液体の常温溶融性塩がある。電解液としてイオン性液体を用いることで、一層発電効率が向上したものとすることができる。
また、このような電解液10を適当なゲル化剤、充填剤を導入することにより流動性を抑えた疑似固体化したもの、いわゆるゲル電解質を用いても構わない。
電解液10には、更に必要に応じてリチウム塩やtert−ブチルピリジンなど種々の添加物を加えても構わない。更に、このような電解液と同様に電荷輸送能力を有する高分子固体電解質などを用いても構わない。
このように、本実施形態によれば、光が入射する窓極と対向する側に多孔質酸化物半導体層を形成することで作用極とし、しかも、多孔質酸化物半導体層が形成される作用極側基材の多孔質酸化物半導体層側の面を金属体からなるものとすることで、作用極側基材と多孔質酸化物半導体層との密着性を低下させずに多孔質酸化物半導体層が厚く形成されることを可能とし、この厚く形成された多孔質酸化物半導体層に担持される色素量を増加させることにより、変換効率を向上させるものとすることが可能になる。
上記第一の実施の形態では、第二基材自体を金属体とすることで、第二基材上に多孔質酸化物半導体層が形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されず、第二基材の多孔質酸化物半導体層側の面に金属膜(層)を形成して金属面とし、この金属膜(層)上に多孔質酸化物半導体層が形成されるものとすることができる。以下、その場合を、本発明の光電変換素子の第二の実施形態として説明する。
図2は、本発明の光電変換素子の第二の構造を示す概略図である。
図2に示すように、本発明の光電変換素子1Bは、第一基材2と透明導電膜4からなる二層構造の透明基板を光が入射する窓極8とし、第二基材13と金属膜(層)7と多孔質酸化物半導体層6とからなる作用極9とで、電解液(もしくは電解質ゲル)10を挟み込んだ構成とするものである。そして、必要に応じ、第一基材2上に透明導電層4を形成することで窓極用基板とした該透明導電層4上に、さらに、対極5を形成する。
なお、その構造について、上記第一の実施形態と同様の説明は省略しながら説明する。
第二基材13は、上記第一の実施形態の場合と同様に、例えばチタン(Ti)合金やニッケル(Ni)合金などとすることもできるが、ガラス板やポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチックシート、アルミナなどセラミックスの研磨板などとすることもできる。
ただし、第二基材13は、金属膜(層)7を設けた上に作用極9としてチタンを焼成する場合は、500℃程度の高熱に耐える導電性耐熱ガラスが望ましい。
金属膜(層)7は、その上に形成される多孔質酸化物半導体層6と同質の材料からなるものが望ましい。具体的には、例えば多孔質酸化物半導体層6をチタニアナノ多孔質とする場合は、同質の材料の酸化チタン膜とする。
このように、本実施形態によれば、第二基材と、その上に形成される多孔質酸化物半導体層とが異質の材料からなる場合であっても、多孔質酸化物半導体層6と同質の材料からなる金属膜(層)を設けることで、第二基材と多孔質酸化物半導体層との密着性を低下させずに多孔質酸化物半導体層が増大して形成されることを可能とし、この多孔質酸化物半導体層に担持される色素量を増加させることにより、変換効率を向上させるものとすることが可能になる。
次に、作用極基材を金属体とした光電変換素子1Aの製造方法の一例について説明する。
まず、ガラス板などの第一基材2上に透明導電膜4を形成することで電極用基板を構成する。透明導電膜4は、光電変換素子1Aにおいて窓極として機能する。この透明導電膜4の形成方法としては、透明導電膜4の材料に応じて公知の方法を用いて行えば良く、例えば、スパッタ法やCVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法などにより、スズ添加酸化インジウム(ITO)などの酸化物半導体からなる薄膜を形成する。これにより、一面のみ導電性を有する基板(電極用基板)が構成される。そして、この電極用基板を通して太陽光(図1にhνと表記)を光電変換素子内部に入射させる場合、透明導電膜は、厚過ぎると光透過性が劣り、一方、薄過ぎると導電性が劣ってしまうこととなるため、光透過性と導電性の機能を両立させることを考慮すると、0.1μm〜1μm程度の膜厚範囲が好ましい。
次いで、透明導電膜4の上に、例えば白金ペーストを塗布し、焼成することでシースルー白金対極5を形成する。シースルー白金対極5形成方法としては、例えば、スパッタ法により厚さが10nm以下の薄膜を形成する方法や、Pt錯体をペースト化して塗布・焼成する方法などが挙げられる。
一方、チタン(Ti)板などの金属体からなる第二基材3上に、多孔質酸化物半導体層6を形成することで作用極を構成する。多孔質酸化物半導体層6を形成方法としては、例えば、二酸化チタン(TiO)の粉末を分散媒と混ぜてペーストを調整し、これをスクリーンプリント法やインクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法などを用い、導電性基板上に塗布する方法が挙げられる。そして、この多孔質酸化物半導体層6は、増感色素が適量担持(表面吸着)されるように膜厚範囲を設定すればよく、その膜厚が5μmより薄い場合には利用されない光が多くなり、30μmより厚い場合には利用されない色素が多くなるので、5μm〜30μm程度の膜厚範囲に形成するのが好ましい。
そして、多孔質酸化物半導体層6が形成された作用極を色素液に浸漬することにより多孔質酸化物半導体層6に色素を担持させ、さらに、窓極8の透明導電膜4と作用極9の多孔質酸化物半導体層6と対向して配置し、その間に電解液10を挟み込むことにより、軽量で、変換効率を向上させた光電変換素子1Aとして色素増感太陽電池が製造される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、第一基材として10mm×10mm×1.1mmの洗浄した硼珪酸ガラス(TEMPAX #8330)を用い、その上面にSPD法(スプレー熱分解堆積法)にて、シート抵抗10Ω/□のスズ添加酸化インジウム(ITO)膜を透明導電層として60nmの厚さに形成した。一方、第二基材として、10mm×10mm×200μmの洗浄した圧延チタン箔を用意した。
次いで、実施例として、第一基材の上面に形成された透明導電層の上に、白金ペースト(Pt-catalyst T/SP :Solaronix社製)をバーコート法で、厚さ4μm塗布し、450℃にて焼成したものを対極とした。また、第二基材の上に、セロハンテープをスペーサとして貼付し、酸化チタンペースト(Ti-nanoxide T:Solaronix社製)をバーコート法で塗布し、セロハンテープの除去後、乾燥させ、450℃にて焼成することにより、膜厚が、それぞれ4、8、12、16、20、24、28μmとなる多孔質酸化物半導体層を形成した。そして、多孔質酸化物半導体層が形成された第二基材を、N3色素(Ruthenium 535:Solaronix社製)のエタノール溶液に浸漬し、それぞれの膜厚を有する作用極とした。
その後、対極の白金ペースト側と作用極の多孔質酸化物半導体層側とが対向するように配置し、電解液(lodolyte PN50:Solaronix社製)を挟んで上下から押さえたオープンセルとし、これに光を照射してエネルギー変換効率を測定した。その結果を表1に示した。その際、光照射条件は、100mW/cmとした。
また、比較例として、上記第一基材の上に、セロハンテープをスペーサとして貼付し、酸化チタンペースト(Ti-nanoxide T:Solaronix社製)をバーコート法で塗布し、セロハンテープの除去後、乾燥させ、450℃にて焼成することにより、膜厚が、それぞれ4、8、12,16,20,24,28μmとなる多孔質酸化物半導体層を形成した。そして、多孔質酸化物半導体層が形成された第一基材を、N3色素(Ruthenium 535:Solaronix社製)のエタノール溶液に浸漬し、それぞれの膜厚を有する窓極とした。また、上記第一基材の上面に形成された透明導電層の上に、白金ペースト(Pt-catalyst T/SP :Solaronix社製)をバーコート法で、厚さ4μm塗布し、450℃にて焼成したものを対極とした。
その後、実施例同様に、窓極の多孔質酸化物半導体層側と、対極の白金ペースト側とが対向するように配置し、電解液(lodolyte PN50:Solaronix社製)を挟んで上下から押さえたオープンセルとし、これに光を照射してエネルギー変換効率を測定した。その測定結果を、併せて表1に示す。
Figure 2007012448
表1より、以下の点が明らかになった。
(1)実施例では、検討した全ての半導体層の膜厚において、エネルギー変換効率を測定することが可能であった。これに対して、比較例においては、半導体層の膜厚が16μm以上になると、基材と半導体層膜との間に剥離が生じてしまい、エネルギー変換効率を求めることはできなかった。
(2)また、実施例では、半導体層の膜厚が8μm〜28μmの全域において好ましいエネルギー変換効率が得られ、しかも、実施例における10μm〜24μmの範囲では、比較例で得られた最も優れたエネルギー変換効率(4.7%)を上回る数値が得られることが分かった。
以上の結果より、実施例では、基材に対する多孔質酸化物半導体層の密着性を良好なものとし、従来は困難であった厚膜化を図ることが可能となり、ひいては多孔質酸化物半導体層が担持する色素量の増加をもたらすことにより、優れたエネルギー変換効率を有する光電変換素子が得られることが確認された。
図3は、上述したエネルギー変換効率の測定結果から、多孔質酸化物半導体層の最も望ましい膜厚(実施例では16μm、比較例では8μm)に設計した光電変換素子について、電流電圧特性をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。
図3に示すように、光が入射する窓極と対向する側に多孔質酸化物半導体層を形成してなる実施例の光電変換素子は、600mV付近まで、比較例に比べて単位面積あたりの電流発生量が高く、エネルギー変換効率が著しく向上したことが分かった。
本発明に係る光電変換素子の第一の構造を示す概略面図である。 本発明に係る光電変換素子の第二の構造を示す概略面図である。 本発明に係る光電変換素子と従来の光電変換素子の電流−電圧特性を示す図である。 従来の光電変換素子の構造を示す概略面図である。
符号の説明
1、1A、1B 光電変換素子(色素増感太陽電池)、2 第一基材、3 第二基材、4 透明導電層、5 対極、6 多孔質酸化物半導体層、7 金属膜(層)、8 窓極(対極)、9 作用極、10 電解質層(電解液)。

Claims (4)

  1. 第一基材と該第一基材の一面に配された透明導電膜とを備えてなる窓極、
    第二基材と該第二基材の一面に配されて少なくとも色素を担持した多孔質酸化物半導体層とを備え、該多孔質酸化物半導体層が前記窓極の透明導電膜側に対向して配置される作用極、及び、
    前記窓極と前記作用極との間の少なくとも一部に配された電解質層、
    から構成されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第二基材は、少なくとも前記多孔質酸化物半導体層を載置する面が金属体からなることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記金属体は、その主成分がチタンであること特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記多孔質酸化物半導体層は、チタニアナノ多孔質体であること特徴とする請求項3に記載の光電変換素子。
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JP2000200627A (ja) * 1999-01-06 2000-07-18 Nikon Corp 色素増感型太陽電池及びその製造方法
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