ところが、スロットマシン等の回胴式遊技機では、上記の各賞についての抽選に当選しないと該当する賞に対応するシンボル図柄の組み合わせを揃えることができない。多くの場合、上記のいずれの賞にも当選しないハズレとなることが蓋然的に増えることになる。すると必然的に遊技者はハズレ(ハズレとなる図柄の組み合わせ)を目にする機会が増えることになる。このハズレが度重なると、遊技者はもはやゲームに楽しみを感じなくなり、途中でゲームを投げ出してしまうことさえある。
またせっかくいずれかの賞に当選したときでも、上記の比較的利益の小さな賞であった場合、遊技者にとってはさほど嬉しく思えず、ひたすら大きな利益が付与される賞に当選するまで楽しみを感じられないといったことが問題視されている。
本発明は、このような問題に鑑みて考え出されたものであり、遊技者が比較的利益の小さな賞に当選した際に起こる興趣の低下を抑えることのできる技術を提供しようとするものである。
本発明の技術は、上記課題を解決するために以下の手段を採った。
(解決手段1)
解決手段1は、複数種類の図柄を含む図柄列を形成した帯が付された複数の可動表示体と、前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部とを備え、1回ごとのゲームについて所定数の遊技価値を掛けた状態で遊技者による始動操作を受け付けると、複数の前記可動表示体を一方向に回転させて図柄の表示を変動させ、この後、遊技者による複数回の停止操作を順次受け付けると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体の回転を1つずつ停止させ、全ての前記可動表示体の回転が停止すると、前記図柄表示部内での図柄の表示態様に基づいて1回のゲームごとに結果を判断する遊技機において、1回のゲームごとに所定の内部抽選を行なう内部抽選手段と、前記内部抽選手段により行なわれる前記内部抽選に通常の抽選確率を適用して当落の結果を判断する通常抽選当落判断手段と、前記通常抽選当落判断手段とは別に、前記内部抽選手段により行なわれる前記内部抽選に前記通常抽選当落判断手段により適用される通常の抽選確率に比して高い抽選確率を適用して内部抽選の当落の結果を判断する高抽選当落判断手段と、前記可動表示体の回転を個々に停止させるべく個々の前記可動表示体について前記停止操作を受け付ける停止操作手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内に表示される個々の図柄の停止位置のうち、複数の前記可動表示体にまたがる図柄の組み合わせとして有効となる表示位置を前記可動表示体のそれぞれについて規定する有効表示位置規定手段と、前記内部抽選の当選結果として、特別当選種類を規定する特別当選種類規定手段と、前記内部抽選の当選結果として、遊技価値の付与を伴う複数の小役を規定する小役規定手段と、前記内部抽選の当選結果として、前記小役とは遊技者に付与される特典の異なる特殊小役を規定する特殊小役規定手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に全て同じ特別な種類の図柄が停止した結果、特別な表示態様となると、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に前記特別な種類の図柄とは別の1種類以上の図柄が停止した結果、所定の表示態様となると、前記小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与する遊技価値付与手段と、前記内部抽選の当選結果として前記特殊小役が得られた場合、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に表示される表示態様を前記小役と同じ所定の表示態様とするべく前記可動表示体の停止位置を制御する特殊停止制御手段と、前記特殊停止制御手段により前記可動表示体の停止位置の制御が行なわれた結果、前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に表示された表示態様が、前記所定の表示態様となると、前記小役とは別に前記特殊小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与して前記内部抽選に適用される抽選確率を通常の抽選確率から高い抽選確率へ変更する抽選確率変更手段と、前記抽選確率変更手段により前記抽選確率が変更されると、前記通常抽選当落判断手段により前記通常の抽選確率の適用された前記内部抽選が実行されている通常確率遊技状態から前記高抽選当落判断手段により前記高い抽選確率の適用された前記内部抽選が実行される高確率遊技状態に遊技状態を移行させる制御を行なう高確率遊技状態制御手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、遊技価値を掛けた状態で遊技者が始動操作をすると複数の可動表示体が回転し、この後、遊技者の停止操作によって全ての可動表示体の回転が停止すると、図柄表示部内に停止した図柄群から構成される図柄の組み合わせ態様によってゲームの結果が判断される。つまり、本発明の遊技機における1回のゲームは、遊技価値を掛けた状態にし、次いで停止している状態の可動表示体を回転させ、この後、可動表示体の回転を停止させ、そして、全ての可動表示体の停止時に必ず結果を判断するという一連の過程から成り立っている。したがって、全ての可動表示体の停止時に結果の判断が1度行われると、この後に遊技価値を掛けた状態にしたり、可動表示体を回転させたりする過程は、その次の回のゲームということになる。また、全ての可動表示体の停止時に特別当選種類に対応した図柄が規定の表示態様となった場合、遊技価値を付与することなく今回のゲームが終了するが、特別当選種類に対応した図柄が規定の表示態様となったと判断された時点で遊技状態が特別遊技状態に制御されるので、その次の回のゲームで遊技価値を掛ける際は既に特別遊技状態に移行している。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の始動操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、そして1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を、予め規定されている当り値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の当選結果が用意されており、これら当選結果の種類別に乱数の当り値が割り当てられている。当り値には種類別に幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当り値の範囲内にあれば、その当り値に対応する種類に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値に占める当り値の数の割合から当選結果の種類別の当選確率が規定される。
上記の内部抽選では通常の抽選確率を適用した抽選が行なわれる場合と、通常の抽選確率に比べて高い抽選確率を適用した抽選が行われる場合がある。上記の内部抽選は通常のゲーム(特別遊技状態で行なわれるゲーム以外のゲーム)ではいずれかの抽選確率が適用された抽選が行なわれる。ここで、高い抽選確率が適用された内部抽選では通常の抽選確率が適用された内部抽選と比べて、先に述べた当選種類の乱数の当り値を大きく(幅広く、幅を大きく)変更することができる。従って、乱数の当り値の幅が広く変更された分だけ取得された乱数が該当する当り値の範囲内に合致する可能性が高まる。
1回のゲームで行われた内部抽選の当選結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。複数種類の当選結果のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄される種類もあれば、次回以降のゲームまで持ち越される種類もある。
内部抽選の当選結果として、本発明の遊技機では少なくとも遊技価値の付与を伴う小役が規定されている。また、このような小役とは別に、当選結果として特別当選種類が規定されている。これら小役および特別当選種類には、それぞれ対応する小役図柄および特別当選図柄があり、これら図柄は上記の可動表示体にそれぞれ割り当てられている。つまり、可動表示体に付された図柄列のなかには、当選結果の種類に対応付けられた図柄が含まれている。また「図柄」は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り字等を意味する。また、これらの図柄は遊技者が当該遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体を停止させる際の目安)になる。また、全ての可動表示体が停止したときの表示態様を複数通り作り出すことができる。これは小役図柄、特別当選図柄を夫々複数種類持つことで様々なバリエーションを持たせて遊技者の目を楽しませることが可能となる。
図柄表示部内は、各可動表示体の図柄列中の所定数の図柄を表示することが可能であり、図柄表示部内に表示される図柄の最大個数は、「所定数×可動表示体の数」として表すこともできる。ここで所定数をNとした場合、Nの値が大きくなればなるほど図柄表示部内に表示される図柄の個数が増えることとなり、さまざまな図柄を表示態様として遊技者に見せることができる。
また図柄表示部内でさまざまな図柄から構成される表示態様のうち、図柄の組み合わせとして有効となる表示位置を決めることで、遊技者が図柄表示部内のどこに、どの図柄が表示されれば組み合わせとして有効になるのかの目安とすることができる。ここで「有効となる表示位置」とは、内部抽選で当選結果として得られた当選種類に対応した特典を付与することができる図柄表示部内の表示位置のことをいう。なお内部抽選の当選結果にはいずれの当選種類にも当選しない場合(ハズレ)が含まれるが、ハズレの際は、特典が付与されることはない。
「有効となる表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並びのことをいう。また水平及び斜め以外には、組み合わせとして自由に決めることができる。組み合わせとしては、各々の可動表示体から1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせがある。この組み合わせの中で直線的な組み合わせが並びである。更に並び以外にもへの字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となるような組み合わせや、直線の一端あるいは両端が直線の並びからずれた組み合わせ等がある。これらの全ては、各可動表示体の1個ずつの図柄に注目すれば組み合わせが有効になったことを視認することができる。
また、組み合わせは、各々の可動表示体から1個より多い図柄を抜き出した構成をとることもできる。これは各々の可動表示体から夫々2個の図柄を抜き出して構成される組み合わせや、1つの可動表示体は3個の図柄を抜き出して、その他の可動表示体からは1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせ等、少なくとも1つの可動表示体は複数の図柄を抜き出して構成された組み合わせをとることが可能である。前述した各々の可動表示体から1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせと比べると、どの組み合わせが有効になったかを視認しづらくすることが可能となる。
全ての可動表示体の停止時に、小役図柄が特定の表示態様となった場合、規定数の遊技価値が遊技者に付与される。ここでいう「特定の表示態様」とは、図柄表示部内での図柄の停止位置、並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがって対応する図柄が水平または斜めに揃っていることをいう。なお、小役図柄のなかには、少なくとも特定の可動表示体について対応する小役図柄が決まった位置に停止しているだけでよいものがある。いずれにしても、ゲーム回数を重ねていくうちに、遊技者が掛けた遊技価値の総数よりも付与された総数の方が多くなると、遊技者は差数分の遊技価値を得たことになり、そこに喜びを見出すことができる。
上記の小役は、小役図柄が特定の表示態様となると、規定数の遊技価値を遊技者に付与するものであるが、これとは別に本発明の遊技機では、特別当選図柄が特定の表示態様となると、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行が行なわれる。この特別遊技状態では、通常のゲームと比較して、より多くの遊技価値を獲得できる機会が遊技者に与えられる。更に本発明の遊技機では、特別当選図柄が特定の表示態様となった場合、遊技者に遊技価値を付与することなく今回のゲームを終了させることができる。そして次回のゲームより遊技状態を特別遊技状態に移行させることになる。このため本発明の遊技機では、いかにして特別遊技状態に移行する回数を多くすることができるかが勝負の分かれ目となり、それゆえ遊技者の興味は、特別当選種類に対応した図柄をいつ、どのような場面で揃えることができるかに集中する傾向にある。
本発明の遊技機では、小役、特別当選種類とは別に特殊小役が規定されている。この特殊小役は全ての可動表示体の停止時に、小役と同じ小役図柄が特定の表示態様で図柄表示部内の有効となる表示位置に停止制御を行なうことで特殊小役に対応した図柄の特定の表示態様とする。つまり遊技者には小役図柄が揃ったのと全く同じに見える。特殊小役に当選した場合、この特殊小役図柄(実際は小役図柄)が揃うと、先ず規定数の遊技価値が遊技者に付与される。ここで規定数の遊技価値とは、小役が揃った場合の規定数と同じにするので遊技者には特殊小役に当選したのかそれとも小役に当選したのか判別(または見分け、識別、区別)はできない。
更に特殊小役は遊技価値の付与に加えて、内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であった場合、高い抽選確率へ変更させる特典を備えている。抽選確率が高い抽選確率に変更された内部抽選が実行される高確率遊技状態では、小役、特別当選種類を含めた複数の当選種類の当選確率が高くなるので、通常の抽選確率での内部抽選が実行される通常確率遊技状態に比べて遊技価値の付与される機会が増えることになる。遊技価値の付与機会が増えれば、それだけ遊技価値が増える可能性が高くなるといえる。一方、通常確率遊技状態でのゲームでは遊技価値の増加は望めず、遊技価値を消費することが多くなるので、少なくとも遊技価値をほとんど減らさず(または増やす期待も持てる)ゲームができる高確率遊技状態は遊技者にとって魅力の大きいものである。従って遊技者にとって特殊小役に当選することは特別当選種類に当選することと同じように喜ばしいことである。
更に本発明の遊技機では、特殊小役に対応する図柄の特定の表示態様を小役のそれと同じとすることができる。これは小役には遊技価値の付与がその場限りで行なわれるだけといった遊技者の従来の小役に抱いていた印象(または、イメージ、評価)を大きく変えることになる。同じ特定の表示態様とすることで、遊技者には小役が揃ったのか、特殊小役が揃ったのか判断ができない。これは払出される遊技価値の数も等しくすることで更に分からないものとなる。またいずれの小役についての特定の表示態様とも重複することができるので、遊技者がいずれの小役に当選しても遊技価値の払出しだけでなく、それ以上の期待をいずれの小役に当選した場合でも抱きながらゲームを行なうことができる。
(解決手段2)
解決手段2は、解決手段1に記載の遊技機において、全ての前記可動表示体の停止時に前記特別当選種類に対応した図柄が前記特別な表示態様となった場合、前記抽選確率を前記通常の抽選確率から前記高い抽選確率へ変更するか否かを決定する抽選確率変更決定手段を更に備え、前記高確率遊技状態制御手段は、前記抽選確率変更決定手段により前記抽選確率を前記通常の抽選確率から前記高い抽選確率へ変更することが決まると、前記通常確率遊技状態から前記高確率遊技状態へ遊技状態を制御することを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機は、特別当選図柄が揃った場合にも内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であったときに、その抽選確率を高い抽選確率へ変更させることが可能である。ただしこの場合、抽選確率を変更するか否かが先ず決められる。そして抽選確率を変更すると決められたときのみ抽選確率を高い抽選確率へ変更させることができる。
ここで抽選確率を変更させるか否かの決定方法として、抽選等による決定方法がある。抽選等で決定する場合、抽選確率を変更させるか否かの割振り(または割合、振分け)の度合いにより遊技者に与えるゲーム内容の印象は変わってくる。つまり、抽選確率を変更させる場合の割振りを大きく(限りなく10割に近く)すれば、過剰な遊技価値を遊技者に与えてしまうことが危惧される。反対にこの割振りを小さく(限りなく0割に近く)すれば、遊技者にとって魅力の乏しい遊技機になってしまうことが危惧される。
上記の場合のうち、抽選確率を変更させる場合の割振りを大きく(限りなく10割に近く)する場合、遊技者の利益とホールの利益バランスを取ることができるよう終了条件等を設けることができる。終了条件としては、所定回数のゲームを経て高確率遊技状態を終了させることなどがあり、終了条件を設けることで遊技者がゲームの予測(高確率遊技状態がいつまで続くか)をしやすくすることができる。また高確率遊技状態が終了し易い終了条件とすればホールの著しい不利益も抑えることができる。
また、抽選確率を変更させる場合の割振りを小さく(限りなく0割に近く)する場合、仮に抽選確率が変更されたときは、特別当選種類に所定回数当選するまで抽選確率を変更は行なわれないことにすると遊技者が魅力を感じる内容とすることができる。
上記のように両極端な割振りではなく、抽選確率を変更させる割振りを約1/2とする場合、遊技者に過剰な期待を持たせず、かつ、ホールに不利益を多大に与えることも回避することができる。
上記で抽選確率を高い抽選確率に変更することが決まると、特別遊技状態が終了した次回のゲームから遊技状態が高確率遊技状態へ移行することになる。高確率遊技状態となると、遊技者は短いゲーム回数で再度特別当選種類に当選することを期待しながらゲームを進めていくことになる。また高確率遊技状態では、遊技価値をほとんど減らさずにゲームができるばかりではなく、若干増えることも期待できる。従って遊技者は、特別遊技状態で大量の遊技価値を獲得できた喜びも冷めぬうちに更に高確率遊技状態に移行した喜びを味わうこととなる。
(解決手段3)
解決手段3は、解決手段1または2に記載の遊技機において、前記抽選確率変更決定手段により前記抽選確率に前記通常の抽選確率を引き続き適用することが決められた場合、前記通常確率遊技状態を変えずに続行させる通常確率遊技状態不変手段を更に備えたことを特徴とする遊技機である。
この場合、特別遊技状態が終了した次回のゲームから通常確率遊技状態に再び遊技状態が戻ることになる。そして遊技者は次なる特別当選種類に当選することを願って、次こそは高確率遊技状態へ移行したいと望んでゲームを行なうこととなる。また通常確率遊技状態では特殊小役に当選することで突然に高確率遊技状態に移行する楽しみがあり、高確率遊技状態に移行しなかったことを残念がるよりも、積極的に特殊小役あるいは特別当選種類に当選しようと思う気持ちが強くなる。
(解決手段4)
解決手段4は、解決手段1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記抽選確率変更決定手段により前記抽選確率を前記高い抽選確率から前記通常の抽選確率へ変更することが決まると、前記高確率遊技状態から前記通常確率遊技状態へ遊技状態を制御する通常確率遊技状態制御手段を更に備えたことを特徴とする遊技機である。
この場合、特別遊技状態が終了した次のゲームから遊技状態が、高確率遊技状態から通常確率遊技状態へ遊技状態が変わることになる。通常確率遊技状態では、遊技者は再度高確率遊技状態に移行する可能性のある特別当選種類に当選することを期待しながらゲームを行なうことになる。また特殊小役に当選した場合には高確率遊技状態に必ず移行するので遊技者は特別当選種類か特殊小役のいずれかに当選することを願うようになる。
(解決手段5)
解決手段5は、解決手段1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技価値付与手段により付与される前記小役に対応した数の遊技価値と同等の数の遊技価値を特殊小役に対応した数の遊技価値として遊技者に付与する特殊小役遊技価値付与手段を更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、小役に対応した遊技価値の付与数と特殊小役に対応した遊技価値の付与数を同じとすることができる。これにより遊技者に特殊小役と小役の区別(または識別、見分け)を難しくすることができる。すると、遊技者は小役図柄が特定の態様となった場合にも、特殊小役だったのではないかという期待を持つことになる。小役は特殊小役に比べて高い割合で当選する可能性が高いといえるので、小役図柄が揃うたびにワクワクどきどきする興奮を覚える。
(解決手段6)
解決手段6は、解決手段1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記通常確率抽選当落判断手段は、前記内部抽選で前記小役に当選する確率よりも前記特殊小役に当選する確率を低く設定することを特徴とする遊技機である。
この場合、通常の抽選確率が適用された内部抽選での当選確率に特殊小役と小役について差が設けられている。特殊小役は小役に比べて通常確率遊技状態での内部抽選で当選する確率が低くなっている。これは特殊小役が内部抽選に適用されている抽選確率を通常の抽選確率から高い抽選確率へ変更する特典を備えた遊技者にとって小役を上回る有利な価値を遊技者に与える当選種類だからである。従って遊技者が通常確率遊技状態でのゲームで特殊小役に小役以上に高い頻度で当選する期待は持てないが、その分、特殊小役に当選したときの遊技者の喜びは大きなものとなる。
(解決手段7)
解決手段7は、解決手段1から6のいずれかに記載の遊技機において、前記高確率抽選当落判断手段は、前記内部抽選で前記小役に当選する確率よりも前記特殊小役に当選する確率を低く設定することを特徴とする遊技機である。
この場合、高い抽選確率が適用された内部抽選での当選確率に特殊小役と小役について差が設けられている。特殊小役は小役に比べて高確率遊技状態での内部抽選で当選する確率が低くなっている。これは特殊小役が通常確率遊技状態で当選してはじめて遊技者に有利な特典を付与することができるものであり、高確率遊技状態では実質、小役と同じ役割しか持たないからである。従ってできるだけ特殊小役に当選する確率を相当に低くすれば、高確率遊技状態で特殊小役に当選して運を無駄に使ってしまったと遊技者を落胆させることがなくなる。
(解決手段8)
解決手段8は、解決手段1から7のいずれかに記載の遊技機において、前記特殊小役は、前記通常確率抽選当落判断手段における特殊小役に当選確率と前記高確率抽選当落判断手段における特殊小役に当選する確率が同じであることを特徴とする遊技機である。
この場合、通常の抽選確率が適用された内部抽選及び高い抽選確率が適用された内部抽選ともに特殊小役の当選確率が同じである。これは特殊小役が通常確率遊技状態で当選してはじめて遊技者に有利な特典を付与することができるものであり、高確率遊技状態では実質、小役と同じ役割しか持たないからである。また、通常確率遊技状態では、特殊小役に当選することに期待を持てる程度の当選確率として遊技者の興趣を惹きつけることができる。また小役に複数の種類を設けた場合、特殊小役の当選確率を小役の中で一番当選確率の低い小役と同程度あるいはそれ以下となるようにすれば、遊技者は稀にしか揃わない小役図柄が揃ったときに、もしかしたら特殊小役に当選したのかもといった喜びを見出すことができる。
(解決手段9)
解決手段9は、解決手段1から8のいずれかに記載の遊技機において、前記内部抽選の当選結果として、前記小役とは異なる再遊技当選種類を規定する再遊技当選種類規定手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に全て再遊技当選種類に対応した図柄が停止した結果、所定の表示態様となると、改めて遊技価値を掛けることなく次回のゲームを実行可能とする再遊技実行手段と、前記小役規定手段により規定される前記複数の小役として、一般小役と普通小役とに更に規定し、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に全て同じ種類の一般小役に対応した図柄が停止した結果、所定の表示態様となると、前記一般小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与する一般小役遊技価値付与手段とを更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、内部抽選の当選結果として、再遊技当選種類が規定されている。再遊技当選種類には対応する図柄として再遊技図柄があり、小役図柄または特別当選図柄と同様、上記の可動表示体にそれぞれ割り当てられている。
再遊技図柄が図柄表示部内で特定の表示態様として停止すると、再遊技状態に移行する。ここで、「再遊技状態」とは、遊技者が今回のゲームと同じ遊技価値を掛けた状態で、かつ次回のゲームを行なうにあたり、遊技価値を改めて掛けることなくゲームを行なうことができる状態のことをいう。従って遊技者は遊技価値を消費することなく再度ゲームを行なうことができて、かつ遊技価値の消費を抑えることも可能である。
また小役は、一般小役と普通小役とに更に分けることもできる。そして一般小役は対応した図柄(一般小役図柄)が図柄表示部内で特定の表示態様として停止すると、一般小役に対応した遊技価値を遊技者に付与するものである。更に一般小役も複数種類持つことができる。当選種類の数を多くすると、それだけハズレが増えることを極力抑制することになる。また複数種類の小役を設けることは、従来のスロットマシン等の回胴式遊技機に慣れ親しんだ遊技者にとっても受け入れ易いものである。
(解決手段10)
解決手段10は、解決手段9に記載の遊技機において、全ての前記可動表示体の停止時に、少なくとも特定の前記可動表示体について前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に普通小役に対応した図柄が停止した結果、所定の表示態様となると、少なくとも前記一般小役に対応した数の遊技価値に比べて少ない数の遊技価値を前記普通小役に対応した数の遊技価値として遊技者に付与する普通小役遊技価値付与手段を更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、内部抽選の当選結果として普通小役が規定されている。普通小役には対応する図柄として普通小役図柄があり、一般小役図柄または特別当選図柄と同様、上記の可動表示体にそれぞれ割り当てられている。
一般小役図柄または特別当選図柄と違い、普通小役図柄の場合、少なくとも特定の可動表示体について普通小役図柄が決まった位置に停止しているだけでよい。従って普通小役は一般小役と比べても遊技価値の獲得が比較的容易である。それだけに普通小役は一般小役と比べて付与される遊技価値の数が少なくなっているか、あるいは当選確率が一般小役に比べて低く抑えられている。普通小役の特典として付与される遊技価値の数を増やしたり、普通小役の当選確率を一般小役よりも高くしたりすると、特定の可動表示体だけを正確に狙って停止操作を行なえば他の可動表示体は適用に停止させてもよいことになってしまう。そうすると遊技者の興趣は特定の可動表示体にのみ注がれることとなってしまい、全ての可動表示体を狙ってその結果(停止時の表示態様)を楽しむというスロットマシン等の回胴式遊技機の面白さを半減させてしまうことになるからである。
ただし、毎回のゲームで全ての可動表示体を正確に狙って停止操作を行なわせることは遊技者に多大な疲労を強いることになる。従って、普通小役を設けることにより遊技者の疲労を軽減させることが可能となる。
(解決手段11)
解決手段11は、解決手段9または10に記載の遊技機において、前記特殊停止制御手段により前記可動表示体の停止位置の制御が行なわれた結果、前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に表示される表示態様として、前記一般小役に対応した前記所定の表示態様または前記普通小役に対応した前記所定の表示態様または前記再遊技当選種類に対応した前記所定の表示態様のいずれかを選択できることを特徴とする遊技機である。
この場合、特殊小役に対応した図柄の特定の表示態様は、一般小役図柄の組み合わせから構成される所定の表示態様、普通小役図柄の組み合わせから構成される所定の表示態様または再遊技図柄の組み合わせから構成される特定の表示態様のいずれかを選択的に決めることができる。選択的に決める方法としては、特殊小役に当選となるごとにいずれにするかを決定したり、予めホールで特殊小役図柄とする該当小役図柄を決めておいたり、遊技機の電源投入時(ホール開店時)に当該遊技機で特殊小役図柄とする該当小役図柄を決めたりすることが挙げられる。その際にいずれの図柄の組み合わせにするかの割合(割振り)についても決めることができる。この割合は全て均等としたり、特定のものが選び出されやすいようにしたりすることができる。従って遊技者にはいずれの小役図柄が特殊小役に当選したときに揃うのかますます分からないものとなり、特定の小役の当選以外に期待が持てないといった事態を解消することができる。
(解決手段12)
解決手段12は、解決手段1から11のいずれかに記載の遊技機において、前記特別当選種類規定手段により規定される前記特別当選種類を、第1特別当選種類と第2特別当選種類とに更に分け、前記第1特別当選種類に対応した図柄の規定の表示態様を第1の特別の表示態様と、前記第2特別当選種類に対応した図柄の規定の表示態様を第2の特別の表示態様とする特別当選種類表示態様規定手段と、前記特別遊技状態制御手段により制御される前記特別遊技状態を、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とに更に分け、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別の表示態様となった場合に、前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記第1特別遊技状態に制御する第1特別遊技状態制御手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の特別の表示態様となった場合に、前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記第2特別遊技状態に制御する第2特別遊技状態制御手段とを更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機は、特別当選種類として第1特別当選種類と第2特別当選種類とを更に備える。全ての可動表示体の停止時に第1特別当選種類に対応した図柄の組み合わせから構成される特別な表示態様(第1の特別の表示態様)となった場合、第1特別遊技状態に移行することになる。また全ての可動表示体の停止時に第2特別当選種類に対応した図柄の組み合わせから構成される第1の特別の表示態様とは別の特別な表示態様(第2の特別の表示態様)となった場合、第2特別遊技状態に移行することになる。第1の特別の表示態様となった場合、第2の特別の表示態様となった場合ともに遊技価値の付与はされずに該当ゲームは終了することになるが、その次の回のゲームで遊技価値を掛ける際は既に夫々の第1特別遊技状態、第2特別遊技状態に移行している。つまり、第1の特別の表示態様または第2の特別の表示態様を目にした遊技者は、大量の遊技価値が獲得できる機会が到来したことに喜び、速やかにその機会を得ることができる。
(解決手段13)
解決手段13は、解決手段12に記載の遊技機において、前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とでゲーム内容において格差を設定するゲーム内容設定手段を更に備え、前記ゲーム内容設定手段は、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別の表示態様となり、前記第1特別遊技状態に移行した場合に行なわれるゲーム内容として、第1のゲーム内容と、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の特別の表示態様となり、前記第2特別遊技状態に移行した場合に行なわれるゲーム内容として、第2のゲーム内容とを規定し、前記ゲーム内容設定手段は、前記第2のゲーム内容に比較して前記第1のゲーム内容を遊技者に有利な内容に設定することを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、第1の特別の表示態様となった場合に移行するゲーム内容と、第2の特別の表示態様となった場合に移行するゲーム内容をそれぞれ第1のゲーム内容と、第2のゲーム内容として規定し、更に第2のゲーム内容に比較して第1のゲーム内容を遊技者に有利な内容(価値が高い)としている。ここでいう価値が高いとは、夫々のゲームで獲得できる遊技価値の数についての差であったり、夫々のゲームの難易度についての差であったりする。
従って、第1の特別の表示態様となった場合、その表示態様を見た遊技者は、いきおい第1特別当選種類に当選したことを実感し、わくわくどきどきとした興奮を覚える。このように、本発明の遊技機では第2の特別の表示態様となった場合よりも、第1の特別の表示態様となった場合により高い価値を持たせていることで、遊技者に第1特別当選種類に当選することにより大きな期待を持たせることができる。
(解決手段14)
解決手段14は、解決手段12または13に記載の遊技機において、前記通常確率抽選当落判断手段は、前記内部抽選で前記第1特別当選種類に当選する確率よりも前記第2特別当選種類に当選する確率を低く設定することを特徴とする遊技機である。
この場合、通常確率遊技状態、つまり通常の抽選確率が適用された内部抽選における第1特別当選種類と第2特別当選種類の当選確率について差が設けられている。第2特別当選種類に対して第1特別当選種類は通常確率遊技状態での内部抽選で当選する確率が高くなっている。これにより遊技者は第2特別当選種類に当選することよりも第1特別当選種類に当選することが多くなることを予想しながらゲームを行なうこととなる。これは遊技者に大量の遊技価値の獲得を期待させるものである。
(解決手段15)
解決手段15は、解決手段12から14のいずれかに記載の遊技機において、前記高確率抽選当落判断手段は、前記内部抽選で前記第1特別当選種類に当選する確率よりも前記第2特別当選種類に当選する確率を低く設定することを特徴とする遊技機である。
この場合、高確率遊技状態、つまり高い抽選確率が適用された内部抽選における第1特別当選種類と第2特別当選種類の当選確率について差が設けられている。第2特別当選種類に対して第1特別当選種類は高確率遊技状態での内部抽選で当選する確率が高くなっている。これにより遊技者は第2特別当選種類に当選することよりも第1特別当選種類に当選することが多くなることを想定することができる。しかし、第1特別当選種類に当選した場合、高確率遊技状態が終了してしまう可能性があり、遊技者は第1特別当選種類に当選するよりも第2特別当選種類にできるだけ多く当選したいと願うようになる。こうした場合に、第1特別当選種類に比べて第2特別当選種類に当選する確率が低くされていることで、第2特別当選種類に当選する割合(回数)を過度にならないよう抑えることができる。
(解決手段16)
解決手段16は、解決手段12から15のいずれかに記載の遊技機において、前記抽選確率変更決定手段は、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別の表示態様となった場合に前記抽選確率を通常の抽選確率から高い抽選確率に変更させるか否かを決定することを特徴とする遊技機である。
第1の特別の表示態様となった場合、内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であったときに、その抽選確率を高い抽選確率へ変更させることが可能である。ただしこの場合、抽選確率を変更する否かが先ず決められる。そして抽選確率を変更すると決められたときのみ抽選確率を高い抽選確率へ変更させることができる。ここで抽選確率を変更させるか否かは抽選等により決めることができる。抽選等で決める場合に、本発明の遊技機では、遊技者が十分に期待を持てる程度の当り割合(抽選確率を変更することが選ばれる割合)とすることができる。
遊技者が十分に期待を持てる程度とは、
(1)約1/2で抽選確率を変更する場合。
この場合は、遊技者は第1特別当選種類に当選するごとに高確率遊技状態に移行するか否かを期待半分不安半分な気持ちで迎えることとなる。従って遊技者に過度な期待を持たせることなく、遊技者には受け入れ易い程よいバランスがとれる。
(2)必ず抽選確率を変更する場合。
この場合は、遊技者は絶対的な安堵感を持って第1特別当選種類に当選した後にも高確率遊技状態への移行という喜びを味わうことができる。しかし一度高確率遊技状態に移行すると、通常確率遊技状態へ移行する可能性がなくなってしまうことでは、ホールに著しい不利益を与えることとなるので、そういった事態を回避できるよう終了条件等を設ける必要が生じる。終了条件としては、所定回数のゲームを経て高確率遊技状態を終了させることなどがあり、終了条件を設けることで遊技者がゲームの予測(高確率遊技状態がいつまで続くか)をしやすくすることができる。またホールの著しい不利益も回避できる。
(3)ほぼ抽選確率の変更を行なわない場合。
この場合は、遊技者が高確率遊技状態に移行する期待を持つことができない。つまり第1特別当選種類に当選しても特別遊技状態へ移行して遊技価値を獲得できるだけであり、その他の付加価値(付加される特典)がない味気ない内容となってしまう。また稀に(相当低い割合で)抽選確率を変更することとした場合、第1特別当選種類に所定回数当選するまでは高確率遊技状態が維持されるなどの遊技者に魅力を感じさせる内容にする必要がある。
(解決手段17)
解決手段17は、解決手段12から16のいずれかに記載の遊技機において、前記抽選確率変更決定手段は、前記抽選確率変更手段及び前記抽選確率変更決定手段により前記内部抽選で適用されている抽選確率が高い抽選確率に変更されている状態で、全ての前記可動表示体の停止時に前記第1の特別の表示態様となった場合、前記抽選確率を前記高い抽選確率から前記通常の抽選確率へ変更するか否かを決定することを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機は、内部抽選で適用されている抽選確率が高い抽選確率に変更されている状態で第1の特別の表示態様となった場合、内部抽選で適用されている抽選確率を高い抽選確率から通常の抽選確率へ変更するか否かを決めることができる。ここで抽選確率を通常の抽選確率に変更しない、つまり高い抽選確率をそのまま維持することが決められると、第1特別遊技状態が終了した次回のゲームからも高確率遊技状態が維持されることになる。また抽選確率をそれまで適用されていた高い抽選確率から通常の抽選確率に変更することが決められると、第1特別遊技状態が終了した次回のゲームから通常確率遊技状態に遊技状態が移行することになる。
本発明の遊技機では、高確率遊技状態となって当選した第1特別当選種類で高確率遊技状態をいかに継続させることができるか、つまり抽選確率が高い抽選確率に変更された条件での当選(第1特別当選種類または第2特別当選種類)をどれだけ多く得られるかが勝負の分かれ目であり、遊技者の最大の興味の対象となる。
(解決手段18)
解決手段18は、解決手段12から17のいずれかに記載の遊技機において、前記抽選確率変更手段及び前記抽選確率変更決定手段により前記内部抽選で適用されている抽選確率が高い抽選確率に変更されている状態で、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の特別の表示態様となった場合、前記抽選確率を変更せずに維持する抽選確率維持手段を更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機は、第2の特別の表示態様となった場合、内部抽選で適用されている抽選確率が高い抽選確率に変更されていたときに高い抽選確率をそのまま維持することができる。この場合、抽選確率を変更させるか否かの決定は行なわれず、内部抽選で適用されている高い抽選確率をそのまま維持させることとなる。つまり、これは一度、高確率遊技状態に移行すると、第2特別当選種類に当選しても遊技状態が変化しないことを意味する。従って遊技者は高確率遊技状態では第1特別当選種類に当選するよりも第2の特別当選種類に当選することを望むようになる。
(解決手段19)
解決手段19は、解決手段12から18のいずれかに記載の遊技機において、前記内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であり、かつ、全ての前記可動表示体の停止時に前記第2の特別の表示態様となった場合、前記抽選確率を変えずに続行させる抽選確率不変手段を更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機は、第2の特別の表示態様となった場合、内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であったときには通常の抽選確率をそのまま維持する。この場合、抽選確率を変更させるか否かの決定は行なわれず、内部抽選で適用されている通常の抽選確率をそのまま適用させることとなる。これは第2特別当選種類は当選しても遊技状態に変化を及ぼさないことを意味する。また、遊技価値の付与機会も第1特別当選種類に比べて少ないので、ホールにとって遊技者との利益バランスを取る役割を持たせることもできる。
(解決手段20)
解決手段20は、解決手段1から19のいずれかに記載の遊技機において、遊技機の外部に向けて複数の演出表示態様を表示するための表示手段と、前記表示手段による演出表示態様を前記内部抽選の当選結果に基づいて所定の演出表示態様を実行させる演出表示態様実行手段と、前記演出表示態様実行手段が実行する前記演出表示態様として、前記通常確率遊技状態である可能性が高いことを示唆する通常演出、前記内部抽選の当選結果を遊技者が停止操作を行なう際に案内する当選案内演出、前記特別当選種類に当選したことを告知する告知演出、前記高確率遊技状態であるかまたは前記特別当選種類に当選した可能性が高いことを示唆する高期待演出を規定する演出表示規定手段と、前記演出表示態様実行手段に前記演出表示態様のいずれかを実行させるかを決定する演出表示態様決定手段とを更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、特に外部に向けて様々な演出表示態様を表示させる表示手段を備える。これは、遊技者に当該遊技機でのゲームを視覚、聴覚を十分に楽しませることができるものである。この演出表示態様には、現在の遊技状態が通常遊技状態である可能性が高いことを示唆する内容の通常演出と、内部抽選の当選結果を遊技者が全ての可動表示体の停止操作を行なう前までに案内(または示唆、誘導、ナビゲーション)して該当する当選結果(一般小役、再遊技当選種類等)を揃える手助けをする内容の当選案内演出と、特別当選種類に当選したことを告知(または教示、報知)する内容の告知演出と、高確率遊技状態に遊技状態が変化したか、あるいは特別当選種類(第1特別当選種類、第2特別当選種類)に当選した可能性が高いことを示唆する内容の高期待演出がある。
上記の各演出表示態様は、当該遊技機の遊技状態に基づいていずれかの演出が選択される。選択された演出が演出表示態様として表示手段により表示されることになる。遊技者は表示された演出表示態様から当該遊技機の現在の遊技状態あるいは内部抽選の当選結果を推し量ることができる。また上記の演出表示態様は、必ずしも遊技状態と対応した演出が選択されない場合もある。また対応した演出がその結果と異なる場合(全ての可動表示体の停止時の表示態様)には、遊技者にとって歓迎すべき遊技状態高確率遊技状態に移行)または当選結果(特別当選種類に当選)が得られたこととすれば、遊技者は演出内容とその結果が異なることを願いながら演出に注目することとなる。
(解決手段21)
解決手段21は、解決手段1から20のいずれかに記載の遊技機において、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、前記停止操作手段により受け付けられた順番に従って前記可動表示体を停止させる制御を行なう停止制御手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記全ての可動表示体の停止時における図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与える遊技価値付与手段と、前記特別遊技状態移行手段により遊技状態が前記遊技状態へと移行すると、遊技者に付与する遊技価値の付与機会を通常遊技状態に比して増加させる遊技価値付与機会増加手段とを更に備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明は、遊技者が1回のゲームを行なうのに必要な遊技価値(メダル、コインなど)の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前記可動表示体は回転を停止させるスロットマシン等の遊技機に適用することができる。遊技者により始動操作が行なわれた後、遊技者により停止操作がなされない限り、前記可動表示体は回転を続ける。また全ての前記可動表示体が停止すると、図柄表示部に表示された図柄の表示態様から、必要に応じて遊技価値が遊技者に付与される。遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させて停止させるという一連の操作を繰り返しながら遊技を進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部に表示された表示態様によっては、特別遊技状態という遊技価値を通常確率遊技状態に比べて大量に獲得することができる遊技状態に移行することができる。この特別遊技状態では、遊技価値の付与が集中して行なわれることとなり、遊技者は特別遊技状態に移行することを期待しながらゲームを進行させていくことになる。
(解決手段22)
解決手段22は、複数種類の図柄を含む図柄列を形成した帯が付された複数の可動表示体と、前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部とを備え、1回ごとのゲームについて所定数の遊技価値を掛けた状態で遊技者による始動操作を受け付けると、複数の前記可動表示体を一方向に回転させて図柄の表示を変動させ、この後、遊技者による複数回の停止操作を順次受け付けると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体の回転を1つずつ停止させ、全ての前記可動表示体の回転が停止すると、前記図柄表示部内での図柄の表示態様に基づいて1回のゲームごとに結果を判断する遊技機において、1回のゲームごとに所定の内部抽選を行なう内部抽選手段と、前記内部抽選手段により行なわれる前記内部抽選に通常の抽選確率を適用して当落の結果を判断する通常抽選当落判断手段と、前記通常抽選当落判断手段とは別に、前記内部抽選手段により行なわれる前記内部抽選に前記通常抽選当落判断手段により適用される通常の抽選確率に比して高い抽選確率を適用して内部抽選の当落の結果を判断する高抽選当落判断手段と、前記可動表示体の回転を個々に停止させるべく個々の前記可動表示体について前記停止操作を受け付ける停止操作手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内に表示される個々の図柄の停止位置のうち、複数の前記可動表示体にまたがる図柄の組み合わせとして有効となる表示位置を前記可動表示体のそれぞれについて規定する有効表示位置規定手段と、前記内部抽選の当選結果として、特別当選種類を規定する特別当選種類規定手段と、前記内部抽選の当選結果として、遊技価値の付与を伴う複数の小役を規定する小役規定手段と、前記内部抽選の当選結果として、前記小役とは遊技者に付与される特典の異なる特殊小役を規定する特殊小役規定手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に全て同じ特別な種類の図柄が停止した結果、特別な表示態様となると、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に前記特別な種類の図柄とは別の1種類以上の図柄が停止した結果、所定の表示態様となると、前記小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与する遊技価値付与手段と、前記内部抽選の当選結果として前記特殊小役が得られた場合、全ての前記可動表示体の停止時に前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に表示される表示態様を前記小役と同じ所定の表示態様とするべく前記可動表示体の停止位置を制御する特殊停止制御手段と、前記特殊停止制御手段により前記可動表示体の停止位置の制御が行なわれた結果、前記図柄表示部内で前記有効表示位置規定手段により規定された有効となる表示位置に表示された表示態様が、前記所定の表示態様となると、前記小役とは別に前記特殊小役に対応した数の遊技価値を遊技者に付与して前記内部抽選に適用される抽選確率を通常の抽選確率から高い抽選確率へ変更する抽選確率変更手段と、前記抽選確率変更手段により前記抽選確率が変更されると、前記通常抽選当落判断手段により前記通常の抽選確率の適用された前記内部抽選が実行されている通常確率遊技状態から前記高抽選当落判断手段により前記高い抽選確率の適用された前記内部抽選が実行される高確率遊技状態に遊技状態を移行させる制御を行なう高確率遊技状態制御手段と、全ての前記可動表示体の停止時に前記特別当選種類に対応した図柄が前記特別な表示態様となった場合、前記抽選確率を前記通常の抽選確率から前記高い抽選確率へ変更するか否かを決定する抽選確率変更決定手段と、前記抽選確率変更決定手段により前記抽選確率を前記通常の抽選確率から前記高い抽選確率へ変更することが決まると、前記通常確率遊技状態から前記高確率遊技状態へ遊技状態を制御する高確率遊技状態移行制御手段と、前記抽選確率変更決定手段により前記抽選確率を前記通常の抽選確率から前記高い抽選確率へ変更せずに前記通常の抽選確率をそのまま適用させることが決まると、前記通常確率遊技状態をそのまま継続させる通常確率遊技状態継続手段と、前記抽選確率変更決定手段により前記抽選確率を前記高い抽選確率から前記通常の抽選確率へ変更することが決まると、前記高確率遊技状態から前記通常確率遊技状態へ遊技状態を制御する通常確率遊技状態制御手段と、前記遊技価値付与手段により付与される前記小役に対応した数の遊技価値と同等の数の遊技価値を特殊小役に対応した数の遊技価値として遊技者に付与する特殊小役遊技価値付与手段と、前記通常確率抽選当落判断手段により前記内部抽選に適用される通常の抽選確率における前記特殊小役に当選する確率を前記小役に当選する確率より低く設定する通常抽選確率設定手段と、前記高確率抽選当落判断手段により前記内部抽選に適用される高い抽選確率における前記特殊小役に当選する確率を前記小役に当選する確率より低く設定する高抽選確率設定手段と、前記通常の抽選確率における前記特殊小役の当選確率と前記高い抽選確率における特殊小役の当選確率を同一の当選確率とする特殊小役当選確率不変手段と、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、前記停止操作手段により受け付けられた順番に従って前記可動表示体を停止させる制御を行なう停止制御手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記全ての可動表示体の停止時における図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与える遊技価値付与手段と、前記特別遊技状態移行手段により遊技状態が前記遊技状態へと移行すると、遊技者に付与する遊技価値の付与機会を通常遊技状態に比して増加させる遊技価値付与機会増加手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
本発明は、遊技者が1回のゲームを行なうための遊技価値(メダル、コインなど)の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前記可動表示体は回転を停止させるスロットマシン等の遊技機に適用することで遊技者が興趣を低下させてしまうことを抑制することが可能になる。スロットマシンでは、遊技者により始動操作が行なわれた後、遊技者により停止操作がなされない限り、前記可動表示体は回転を続ける。また全ての前記可動表示体が停止すると、図柄表示部に表示された図柄の表示態様から、必要に応じて遊技価値が遊技者に付与される。遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させて停止させるという一連の操作を繰り返しながら遊技を進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部に表示された表示態様によっては、特別遊技状態という遊技価値を通常確率遊技状態に比べて大量に獲得することができる遊技状態に移行することができる。この特別遊技状態では、遊技価値の付与が集中して行なわれることとなるため、遊技者は特別遊技状態に移行することを期待しながらゲームを進行させていくことになる。
本発明が適用されたスロットマシンでは、遊技価値を掛けた状態で遊技者が始動操作をすると複数の可動表示体が回転し、この後、遊技者の停止操作によって全ての可動表示体の回転が停止すると、図柄表示部内に停止した図柄群から構成される図柄の組み合わせ態様によってゲームの結果が判断される。つまり、本発明の遊技機における1回のゲームは、遊技価値を掛けた状態にし、次いで停止している状態の可動表示体を回転させ、この後、可動表示体の回転を停止させ、そして、全ての可動表示体の停止時に必ず結果を判断するという一連の過程から成り立っている。したがって、全ての可動表示体の停止時に結果の判断が一度行われると、この後に遊技価値を掛けた状態にしたり、可動表示体を回転させたりする過程は、その次の回のゲームということになる。また、全ての可動表示体の停止時に特別当選種類に対応した図柄が規定の表示態様となった場合、遊技価値を付与することなく今回のゲームが終了するが、特別当選種類に対応した図柄が規定の表示態様となったと判断された時点で遊技状態が特別遊技状態に制御されるので、その次の回のゲームで遊技価値を掛ける際は既に特別遊技状態に移行している。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の始動操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、そして1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を、予め規定されている当り値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の当選結果が用意されており、これら当選結果の種類別に乱数の当り値が割り当てられている。当り値には種類別に幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当り値の範囲内にあれば、その当り値に対応する種類に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値に占める当り値の数の割合から当選結果の種類別の当選確率が規定される。
上記の内部抽選では通常の抽選確率を適用した抽選が行なわれる場合と、通常の抽選確率に比べて高い抽選確率を適用した抽選が行われる場合がある。上記の内部抽選は通常のゲーム(特別遊技状態で行なわれるゲーム以外のゲーム)ではいずれかの抽選確率が適用された抽選が行なわれる。ここで、高い抽選確率が適用された内部抽選では通常の抽選確率が適用された内部抽選と比べて、先に述べた当選種類の乱数の当り値を大きく(幅広く、幅を大きく)変更することができる。従って、乱数の当り値の幅が広く変更された分だけ取得された乱数が該当する当り値の範囲内に合致する可能性が高まる。
1回のゲームで行われた内部抽選の当選結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。複数種類の当選結果のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄される種類もあれば、次回以降のゲームまで持ち越される種類もある。
内部抽選の当選結果として、本発明の遊技機では少なくとも遊技価値の付与を伴う小役が規定されている。また、このような小役とは別に、当選結果として特別当選種類が規定されている。これら小役および特別当選種類には、それぞれ対応する小役図柄および特別当選図柄があり、これら図柄は上記の可動表示体にそれぞれ割り当てられている。つまり、可動表示体に付された図柄列のなかには、当選結果の種類に対応付けられた図柄が含まれている。また「図柄」は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り字等を意味する。また、これらの図柄は遊技者が当該遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体を停止させる際の目安)になる。また、全ての可動表示体が停止したときの表示態様を複数通り作り出すことができる。これは小役図柄、特別当選図柄を夫々複数種類持つことで様々なバリエーションを持たせて遊技者の目を楽しませることが可能となる。
図柄表示部内は、各可動表示体の図柄列中の所定数の図柄を表示することが可能であり、図柄表示部内に表示される図柄の最大個数は、「所定数×可動表示体の数」として表すこともできる。ここで所定数をNとした場合、Nの値が大きくなればなるほど図柄表示部内に表示される図柄の個数が増えることとなり、さまざまな図柄を表示態様として遊技者に見せることができる。
また図柄表示部内でさまざまな図柄から構成される表示態様のうち、図柄の組み合わせとして有効となる表示位置を決めることで、遊技者が図柄表示部内のどこに、どの図柄が表示されれば組み合わせとして有効になるのかの目安とすることができる。ここで「有効となる表示位置」とは、内部抽選で当選結果として得られた当選種類に対応した特典を付与することができる図柄の組み合わせが表示される位置のことをいう。なお内部抽選の当選結果にはいずれの当選種類にも当選しない場合(ハズレ)が含まれるが、ハズレの際は、特典が付与されることはない。
「有効となる表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並びのことをいう。また水平及び斜め以外には、組み合わせとして自由に決めることができる。組み合わせとしては、各々の可動表示体から1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせがある。この組み合わせの中で直線的な組み合わせが並びである。更に並び以外にもへの字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となるような組み合わせや、直線の一端あるいは両端が直線の並びからずれた組み合わせ等がある。これらの全ては、各可動表示体の1個ずつの図柄に注目すれば組み合わせが有効になったことを視認することができる。
また、組み合わせは、各々の可動表示体から1個より多い図柄を抜き出した構成をとることもできる。これは各々の可動表示体から夫々2個の図柄を抜き出して構成される組み合わせや、1つの可動表示体は3個の図柄を抜き出して、その他の可動表示体からは1個
の図柄を抜き出して構成される組み合わせ等、少なくとも1つの可動表示体は複数の図柄を抜き出して構成された組み合わせをとることが可能である。前述した各々の可動表示体から1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせと比べると、どの組み合わせが有効になったかを視認しづらくすることが可能となる。
全ての可動表示体の停止時に、小役図柄が特定の表示態様となった場合、規定数の遊技価値が遊技者に付与される。ここでいう「特定の表示態様」とは、図柄表示部内での図柄の停止位置、並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがって対応する図柄が水平または斜めに揃っていることをいう。なお、小役図柄のなかには、少なくとも特定の可動表示体について対応する小役図柄が決まった位置に停止しているだけでよいものがある。いずれにしても、ゲーム回数を重ねていくうちに、遊技者が掛けた遊技価値の総数よりも付与された総数の方が多くなると、遊技者は差数分の遊技価値を得たことになり、そこに喜びを見出すことができる。
上記の小役は、小役図柄が特定の表示態様となると、規定数の遊技価値を遊技者に付与するものであるが、これとは別に本発明の遊技機では、特別当選図柄が特定の表示態様となると、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行が行なわれる。この特別遊技状態では、通常のゲームと比較して、より多くの遊技価値を獲得できる機会が遊技者に与えられる。更に本発明の遊技機では、特別当選図柄が特定の表示態様となった場合、遊技者に遊技価値を付与することなく今回のゲームを終了させるものである。そして次回のゲームより遊技状態を特別遊技状態に移行させることになる。このため本発明の遊技機では、いかにして特別遊技状態に移行する回数を多くすることができるかが勝負の分かれ目となり、それゆえ遊技者の興味は、特別当選種類に対応した図柄をいつ、どのような場面で揃えることができるかに集中する傾向にある。
本発明の遊技機では、小役、特別当選種類とは別に特殊小役が規定されている。この特殊小役は全ての可動表示体の停止時に、小役と同じ小役図柄が特定の表示態様で図柄表示部内の有効となる表示位置に停止制御を行なうことで特殊小役に対応した図柄の特定の表示態様とする。つまり遊技者には小役図柄が揃ったのと全く同じに見える。特殊小役に当選した場合、この小役図柄(特殊小役図柄)が揃うと、先ず規定数の遊技価値が遊技者に付与される。ここで規定数の遊技価値とは、小役が揃った場合の規定数と同じにするので遊技者には特殊小役に当選したのかそれとも小役に当選したのか判別(または見分け、識別、区別)はできない。
更に特殊小役は遊技価値の付与に加えて、内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であった場合、高い抽選確率へ変更させる特典を備えている。抽選確率が高い抽選確率に変更された内部抽選が実行される高確率遊技状態では、小役、特別当選種類を含めた複数の当選種類の当選確率が高くなるので、通常の抽選確率での内部抽選が実行される通常確率遊技状態に比べて遊技価値の付与される機会が増えることになる。遊技価値の付与機会が増えれば、それだけ遊技価値が増える可能性が高くなるといえる。一方、通常確率遊技状態でのゲームでは遊技価値の増加は望めず、遊技価値を消費することが多くなるので、少なくとも遊技価値をほとんど減らさず(または増やす期待も持てる)ゲームができる高確率遊技状態は遊技者にとって魅力の大きいものである。従って遊技者にとって特殊小役に当選することは特別当選種類に当選することと同じように喜ばしいことである。
更に本発明の遊技機では、特殊小役に対応する図柄の特定の表示態様を小役のそれと同じとして、更に付与される遊技価値の数も同じとすることができる。これは小役には遊技価値の付与がその場限りで行なわれるだけといった遊技者の従来の小役に抱いていた印象(または、イメージ、評価)を大きく変えることになる。小役と特殊小役が同じ特定の表示態様で、かつ、遊技価値の付与数も同じとなれば、遊技者には小役が揃ったのか、特殊小役が揃ったのか判断ができない。またいずれの小役についての特定の表示態様とも重複することができるので、遊技者がいずれの小役に当選しても遊技価値の払出しだけでなく、それ以上の期待をいずれの小役に当選した場合でも抱きながらゲームを行なうことができる。
また本発明の遊技機では、特殊小役を、通常確率遊技状態、高確率遊技状態いずれについても当選確率が不変であり、小役に比べてその当選確率を低くすることができる。これは高確率遊技状態で特殊小役に当選する可能性を低く抑え、特殊小役に当選しても十分な特典を得られない(高確率遊技状態では遊技価値の付与だけしか遊技者が受ける実質的な特典がないので)といった遊技者の不満を極力回避することができる。
更に通常確率遊技状態ではレアな小役(複数ある小役の中でも一番当選確率の低い小役)と同程度か、あるいはそれ以下の当選確率とすることで、特殊小役に当選したときの遊技者の喜びを一層高めることができ、通常確率遊技状態、高確率遊技状態を通して、特殊小役を遊技者にとって価値ある存在とすることができる。
更に本発明の遊技機は、特別当選図柄が揃った場合にも内部抽選で適用されている抽選確率が通常の抽選確率であったときに、その抽選確率を高い抽選確率へ変更させることが可能である。ただしこの場合、抽選確率を変更するか否かが先ず決められる。そして抽選確率を変更すると決められたときのみ抽選確率を高い抽選確率へ変更させることができる。
ここで抽選確率を変更させるか否かは抽選等により決めることができる。抽選等で決める場合に、本発明の遊技機では、遊技者が十分に期待を持てる程度の当り割合(抽選確率を変更することが選ばれる割合)とすることができる。
遊技者が十分に期待を持てる程度とは、
(1)約1/2で抽選確率を変更する場合。
この場合は、遊技者は第1特別当選種類に当選するごとに高確率遊技状態に移行するか否かを期待半分不安半分な気持ちで迎えることとなる。従って遊技者に過度な期待を持たせることなく、遊技者には受け入れ易い程よいバランスがとれる。
(2)必ず抽選確率を変更する場合。
この場合は、遊技者は絶対的な安堵感を持って第1特別当選種類に当選した後にも高確率遊技状態への移行という喜びを味わうことができる。しかし一度高確率遊技状態に移行すると、通常確率遊技状態へ移行する可能性がなくなってしまうことでは、ホールに著しい不利益を与えることとなるので、そういった事態を回避できるよう終了条件等を設ける必要が生じる。終了条件としては、所定回数のゲームを経て高確率遊技状態を終了させることなどがあり、終了条件を設けることで遊技者がゲームの予測(高確率遊技状態がいつまで続くか)をしやすくすることができる。またホールの著しい不利益も回避できる。
(3)ほぼ抽選確率の変更を行なわない場合。
この場合は、遊技者が高確率遊技状態に移行する期待を持つことができない。つまり第1特別当選種類に当選しても特別遊技状態へ移行して遊技価値を獲得できるだけであり、その他の付加価値(付加される特典)がない味気ない内容となってしまう。また稀に(相当低い割合で)抽選確率を変更することとした場合、第1特別当選種類に所定回数当選するまでは高確率遊技状態が維持されるなどの遊技者に魅力を感じさせる内容にする必要がある。
上記で抽選確率を高い抽選確率に変更することが決まると、特別遊技状態が終了した次回のゲームから遊技状態が高確率遊技状態へ移行することになる。高確率遊技状態となると、遊技者は短いゲーム回数で再度特別当選種類に当選することを期待しながらゲームを進めていくことになる。また高確率遊技状態では、遊技価値をほとんど減らさずにゲームができるばかりではなく、若干増えることも期待できる。従って遊技者は、特別遊技状態で大量の遊技価値を獲得できた喜びも冷めぬうちに更に高確率遊技状態に移行した喜びを味わうこととなる。
一方、抽選確率を高い抽選確率に変更しないことが決まると、特別遊技状態が終了した次回のゲームから通常確率遊技状態に再び遊技状態が戻ることになる。そして遊技者は次なる特別当選種類に当選することを願って、次こそは高確率遊技状態へ移行したいと望んでゲームを行なうこととなる。また通常確率遊技状態では特殊小役に当選することで突然に高確率遊技状態に移行する楽しみがあり、高確率遊技状態に移行しなかったことを残念がるよりも、積極的に特殊小役あるいは特別当選種類に当選しようと思う気持ちが強くなる。
また、高確率遊技状態で特別当選種類に当選した場合に抽選確率を変更する(この場合は抽選確率を高い抽選確率から通常の抽選確率へ戻す)をとが決まると、特別遊技状態が終了した次のゲームから遊技状態が、高確率遊技状態から通常確率遊技状態へ遊技状態が変わることになる。通常確率遊技状態では、遊技者は再度高確率遊技状態に移行する可能性のある特別当選種類に当選することを期待しながらゲームを行なうことになる。また特殊小役に当選した場合には高確率遊技状態に必ず移行するので遊技者は特別当選種類か特殊小役のいずれかに当選することを願うようになる。
本発明により、単に遊技価値を付与するだけであった当選種類からも遊技者にとって有利な特典が付与されることになり、絶えず期待を高めながらゲームを行なうことができる。
以下、本発明を回動式遊技機に適用した一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(一実施形態の概要)
図1は、一実施形態の回胴式遊技機であるスロットマシン1を示している。図1のスロットマシン1は、遊技媒体として例えばメダル、コイン等を用いるタイプのものである。なお、その他にも回胴式遊技機には遊技球を用いるタイプのものもあり、こちらのタイプも実施形態として好適である。また本発明の実施にあたり、いずれのタイプを適用しても本質的な差違は生じない。
スロットマシン1は遊技者に相対する前面に前面扉4を有しており、この前面扉4の奥に箱型の本体部分2を有する。本体部分2の左側壁の内面と前面扉4の左側端部の背面とは上下2つの蝶番(図示しない)を介して相互に連結されている。この蝶番を軸として、前面扉4はその右側端に位置する鍵穴48にスロットマシン1専用の鍵を入れて時計回りに回すことで、片開き形式に手前に開閉することができ、前面扉4が閉じた状態で、蝶番は前面扉4の背後に隠れるようにして本体部分2の内側に収容される。
また前面扉4は、上半分の部分に液晶表示部58を有するほか、この液晶表示部58の下方に平坦な透明板(遊技パネル)6を有している。前面扉4の下半分の部分は遊技パネル6から前方に突出するように形成されており、この突出部にはメダル投入口26やベットボタン12,14,16(掛け数決定手段)、始動レバー18(始動操作手段)、左、中、右の各停止ボタン20,22,24(停止操作手段)等が遊技パネル6の下縁に沿って配設されている。その他、前面扉4の下半分には貯留精算ボタン46及び化粧板50が配設されており、更に化粧板50の下には受け皿54が設けられている。
液晶表示部58は、遊技の進行に伴う演出としての映像や後述するボーナスゲームでの獲得メダル枚数等を表示させることで遊技者の遊技の進行を補助する役割をしている。な液晶表示部は、表示手段の一つに相当し、各種演出表示態様を表示させるものである。
遊技パネル6には、その略中央の位置に矩形の表示窓8(図柄表示部)が形成されており、この表示窓8を通してスロットマシン1に内設された可変回転体10a,10b,10cを透視することができる。また遊技パネル6には、表示窓8の周囲を取り巻くようにして表示領域38,40や表示部30,32,34等が形成されている。正面から見て表示窓8の右側に位置する表示領域40には、各種文字情報や図柄情報が付されており、反対の左側に位置する表示領域38にはベットランプ42及びボーナス告知ランプ44等の点灯表示部が配列されている。
また遊技パネル6には、表示領域38の下側に位置するスタートランプ28の他、クレジット枚数表示部30、ゲーム数表示部32、払出し枚数表示部34及びメダルインランプ36がそれぞれ設けられている。なお各ランプは遊技パネル6の背後の図示しないランプユニットのことである。各ランプの発光は遊技パネル6上で遊技者が視認することが可能である。上記の各ランプ、各表示部は表示手段の一つとして各種演出表示態様を表示することもできる。
メダルインランプ36は、遊技者が遊技を開始する前に点滅(または点灯)し、遊技者にメダル投入口26へメダルの投入を促す役割をしている。
ベットランプ(有効ラインランプ)42は、遊技者によりメダル投入口26より投入されたメダルの枚数に対応して1ベット、2ベット、3ベット(それぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けともいう)に対応したランプを点灯表示させて遊技者に掛け数を知らせる役割をしている(図中のベットランプ42の1は1ベット、2は2ベット、3は3ベットに対応している)。なおベットボタン12,14,16の押下操作はそれぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けに対応している。特に3枚掛けについては1回のゲームでの最大掛け数となることからMAXベット(ベットボタン12,14,16をそれぞれ1ベットボタン、2ベットボタン、MAXベットボタンと呼ぶ)と呼ぶ。
スタートランプ28は、始動レバー18の操作が有効になった場合に点灯(または点滅)し、遊技者にゲームのスタートを促す役割をしている。また払出枚数表示部34は、メダルの払出しを伴う当選種類が図柄の組み合わせとして表示された場合にその払出枚数を表示するほか、スロットマシン1に発生した各種の異常、遊技の進行に起因して発生した異常を表示するエラー表示器としても機能する。以下では必要に応じて払出枚数表示部34をエラー表示部34ともいう。
クレジット枚数表示部30は、最大掛け数(例えば3ベット)を超えるメダルの貯留がある場合に貯留されている枚数として遊技者に貯留枚数を知らせる役割をしている。クレジット枚数表示部30の表示は、貯留精算ボタン46を1回操作することで貯留が解除され、メダルの貯留(クレジット)の精算を行なうことも可能である。
クレジットは最大で50まで貯留することができる。クレジットに貯留された枚数から、次回ゲームへのベット数を、ベットボタン12,14,16を操作することによって選択することで遊技をスムーズに進行することができる。クレジットからベットされた場合、ベットされた数だけクレジットとして貯留された枚数から減算されていく。なおメダルの払出しに伴い、最大クレジット数を超えた場合のメダルは払出口52を通じて受け皿54に払い出される。
ボーナスフラグ告知ランプ44は、遊技者に後述するボーナス等に当選したことを知らせる役割をしている。ボーナスフラグ告知ランプ44も表示手段に相当する。
ゲーム数表示部32は、後述するボーナスゲームでのメダルの払出しが集中して行われる特典の回数等の状況を表示させて、遊技者のボーナスゲームの遊技をスムースに進行させる役割をしている。
図1では特に描かれていないが、化粧板50にはスロットマシン1の機種名称やイラストなどが描かれている。化粧板50は前面扉4を装飾したり、遊技者の目を引きつけて遊技意欲を掻き立てたりする役割をしている。
鍵穴48は、スロットマシン1専用の鍵(以下では専用鍵として統一する)を入れて左右にそれぞれ約45度回す(捻る)ことが可能となっており、右回りに回すことで前面扉4の施錠を解錠することができ、また左回りに回すことでスロットマシン1の遊技が中段した状態を遊技再開が可能な状態に戻す(リセットする)ことができる。なお、このリセットする操作については、後述するリセットスイッチ74を押下することでも同様の処理ができる。
払出口52の左右には2個のスピーカ56が設けられており、これらスピーカ56からは遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等が出力される。
その他、液晶表示部58の左右にランプ64、及びスロットマシン1の外周に沿ってランプ60,62,66が配置されており、これらランプ60,62,64,66は遊技状態に応じた発光装飾による演出を実施することができる。これらランプ60,62,64,66も表示手段の一つとして各種演出表示態様を表示(発光等の演出)することができる。
図1中に破線で示される5本の有効ライン68a,68b,68cは、表示窓8内に表示される図柄の配列を1つの組み合わせとして見るための方向を規定したものであり、それぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けのベット数に対応して有効化されるライン(一直線)となっている。具体的には、1枚掛けの遊技では中段位置にある水平な有効ライン68aが1本だけ有効化され、2枚掛けになると、これに加えて上段と下段の位置にある2本の水平な有効ライン68bが有効化されて都合3本となる。そして3枚掛けの遊技では、更に斜めの有効ライン68cが2本とも有効化され、合計5本の有効ライン68a,68b,68cのすべてが有効となる。いずれにしても、そのときの掛け数に応じて有効化されているライン68a〜68cに沿って並んだ図柄の配列を1つの組み合わせとしてみることができる。
図2はスロットマシン1の本体部分2の内部構造を示している。この図2では前面扉4を取り外した状態が示されている。本体部分2の上半分の部分には、前述の可変回転体10a,10b,10cを有する可変図柄表示装置10が設置されている。本体部分2の内面には、可変図柄表示装置の周囲をサブ制御基板94、メイン制御基板92、外部端子板96が取り囲むように取り付けられている。また本体部分2の下半分の部分には、図2でみて左側の内壁面に沿って電源ユニット70が設置されているほか、本体部分2の底の略中央位置にホッパ装置(ホッパユニット)134が設置されており、このホッパ装置134の右脇の位置には遊技メダル補助収納庫84が設置されている。
ここで本実施形態のスロットマシン1は、機械的な可変図柄表示装置(回転装置)が3つの可変回転体から構成されている。これら3つの可変回転体は同形状であり、いずれも筒型の骨組に複数種の図柄(ベル、スイカ、チェリー等)が印刷された透光性を有する図柄帯(図3に示す)が張られたことにより筒状の形態を成している。前記筒状の形態を成した可変回転体はスロットマシン等の遊技機においてはリール、またはドラムと呼ばれている(以下では前記可変回転体をリールとして統一する)。リールは回転させたり、停止させたりしても、周方向でみてリールに付された帯状の図柄列の配置関係を常に保持している。
各々のリール10a,10b,10cにはステッピングモータからなるリール駆動モータ88a,88b,88c(可動表示体駆動手段)がそれぞれ設けられている。このため各リール10a,10b,10cは独立して回転、停止することができ、その回転時には表示窓8にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。また各リール10a,10b,10cの回転軸は水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。各リール10a,10b,10cには表示窓8から視認される位置に移動した図柄をリールの内周側から照らすためのリール内ランプ90a,90b,90cが設けられており、表示窓8より視認可能なリールの上段部分、中段部分、下段部分を各リール10a,10b,10c別に独立して点灯させることが可能に構成されている。これら各リール10a,10b,10cは、前面扉4を閉めることで外側から直接触れることができなくなる。この各リール10a,10b,10c、リール駆動モータ88a,88b,88c、リール内ランプ90a,90b,90c、後述するリール位置センサ(左リール位置センサ106a、中リール位置センサ106b、右リール位置センサ106c)をリール装置10(またはリールユニット)と総称する。
メイン制御基板92は、スロットマシン1の遊技の進行を行なうための中枢機器であり、このメイン制御基板92は、メダルの投入や払出し等、前記リール装置10の回転と停止等及び各表示部28,30,32,34,36,42,44による表示等の遊技の進行に直接関わる動作を管理している。
サブ制御基板94は、スロットマシン1の遊技の進行を補助するための液晶表示部58への演出の表示及び各ランプ60,62,64,66の管理を行っている。
外部端子板96は、スロットマシン1とホールコンピュータ等を接続する場合の各種の情報の出入り口としての役割をしている。
メイン制御基板92は、サブ制御基板94及び外部端子板96と図示しない配線及びコネクタ等により接続されている。そのためメイン制御基板92から各種情報の伝達がサブ制御基板94及び外部端子板96へ行われることを可能としている。
電源ユニット70内には、設定キースイッチ72、リセットスイッチ74、電源スイッチ76を有しており、スロットマシン1の設定を変更したり、異常が発生した際のエラー状態の解除を行ったり、電源のON−OFFを行なうことができる。また電源ユニット70は、前記メイン制御基板92を含め各種基板に電力を供給するために配線及びコネクタ等により接続されている。なお電源ユニット70は、スロットマシン1の外部からの不正な手段により直接触れることを防止するためのプラスチック等の合成樹脂で形成されたカバー(図示はしない)が施されている。
ホッパ装置134は、常時メダルを貯留させておくことで、メダルの払出しが行われる場合の供給源としての役割をしている。なおホッパ装置134の内部には図示しないがホッパモータ78を備えており、メダルの払出しが行われる場合はこのホッパモータ78が回転することにより、ホッパ装置134内に貯留されているメダルが払出し口80から払出される。ホッパ装置134内に貯留されているメダルは一定数量に達するとオーバーフロー状態となり、一定数量を超えた分のメダルは、オーバーフロー吐き出し口82から遊技メダル補助収納庫84に導かれて遊技メダル補助収納庫84へ貯留されていく。
遊技メダル補助収納庫84は、前述した通り、ホッパ装置134内にてオーバーフローしたメダルを受け入れるため、メダルの貯留の補助的な役割をしている。
(スロットマシンの内部構成)
図4は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板92を有しており、このメイン制御基板92にはCPU110をはじめROM112、RAM114、入出力インタフェース116等が実装されている。
前述したベットボタン12,14,16や始動レバー18、停止ボタン20,22,24、貯留精算ボタン46等はいずれもメイン制御基板92に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン制御基板92に出力することができる。具体的には、始動レバー18は前述の3つのリール10a〜10cを始動させる操作信号をメイン制御基板92に出力し、停止ボタン20,22,24はリール10a,10b,10cをそれぞれ停止させる操作信号をメイン制御基板92に出力する。鍵穴48は、専用鍵を挿入した後に左回りに回すことで、鍵穴48奥に設置されたエラー解除センサ100(図1では図示しない)よりリセット信号をメイン制御基板92に出力することができる。また右回りに回すことで前面扉4が開放されると、図示しない前面扉4の裏に設けられた扉開放センサ132により開放信号がメイン制御基板へ出力される。扉開放センサ132はエラー解除センサ100と隣接して設置されており、前面扉4が開放されると、前面扉4と本体部分2とが離れたことを検出することができる。
またスロットマシン1にはメイン制御基板92とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン制御基板92に各種の信号が入力されている。機器類には、前述の3つのリール10a〜10cを擁するリール装置10のほか、ホッパ装置134等がある。
リール装置10は各リール10a,10b,10cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサを有しており、これら位置センサ(各リールに対応してそれぞれ左リール位置センサ106a、中リール位置センサ106b、右リール位置センサ106cと呼ぶ)からの検出信号(インデックス信号)がメイン制御基板92に入力されている。またメダル投入口26の奥には図示しない投入センサ104及びロックアウトソレノイド102が設置されている。このうち投入センサ104は、メダル投入口26から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン制御基板92に出力することができる。一方のロックアウトソレノイド102は、前面扉4の内側でメダル投入口26の奥に配置されたメダルセレクタ(図示されていない)の通路をロックアウトする(塞ぐ)役割を果たす。ロックアウトソレノイド102は、ノーマル(非作動)の状態でメダルセレクタの通路をロックアウトしているが、作動時にはこの通路を開き(ロックアウト解除)、メダルの投入を受け付け可能な状態にする。また、投入されたメダルは投入センサ104で検出される。逆に、ロックアウトソレノイド102が非作動状態になるとメダルセレクタがロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、そのまま吐き出されて受け皿54に返却される。また、このとき合わせて投入センサ104の機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはクレジット加算のいずれも行われなくなる。
ホッパ装置134は、払出し口80内に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ98を有しており、この払出センサ98からメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン制御基板92に入力されている。また、遊技メダル補助収納庫84にはメダル満タンセンサ86が設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン制御基板92に出力することができ、液晶表示部58等により遊技機の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者等に報知されることとなっている。
一方、メイン制御基板92からは、リール装置10やホッパ装置134に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール10a,10b,10cを回転させるための各リール駆動モータ88a,88b,88cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン制御基板92から出力される。またホッパ装置134には、組み合わせが表示された図柄の種類に応じてメイン制御基板92から駆動信号が入力され、これを受けてホッパ装置134はメダルの払い出し動作を行なう。このときホッパ装置134内に払出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、メダルが全く無い状態であると、払出しセンサ98による枚数検出が滞ることとなり、所定時間経過(例えば3秒間)すると、払出しセンサ98より払出しメダルの異常信号がメイン制御基板92へ出力され、これを受けてメイン制御基板92は、メダルの払出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラー表示部34や液晶表示部58等に表示させる。
スロットマシン1は、メイン制御基板92の他にサブ制御基板94を備えており、このサブ制御基板94にはCPU118やROM120、RAM122、入出力インタフェース130、VDP124、音源IC128、オーディオアンプ126等が実装されている。サブ制御基板94はメイン制御基板92から各種の指令信号を受け、液晶表示部58や各ランプ60,62,64,66それぞれの点灯または点滅及びスピーカ56の作動を制御している。
メイン制御基板92やサブ制御基板94等は、いずれも樹脂製の基板ボックスに収容された状態で本体部2内に設置されている。基板ボックスは、外側から各基板への接触を阻害する保護ケースとなる。特にメイン制御基板92の基板ボックスは、機械的な封印部92a(ワンウェイねじによる締結部)によって開封不能に閉止されている。このためメイン制御基板92に不正チップ等を組み込もうとしても、基板ボックスを破壊しない限り改変はできないので、不正改造等を試みた場合にその痕跡をはっきり残すことができる。さらに、基板ボックスには本体締結部92bが形成されており、基板ボックス全体が本体締結部92を介して本体部分2に対して強固に締結されている。したがって、不正目的で基板ボックスそのものを本体部分2から取り外すことはできないし、もしも取り外しを試みた場合はその痕跡がはっきりと残されることになる。
更に、メイン制御基板92には外部端子板96が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子板96を介して遊技場のホールコンピュータ108に接続されている。外部端子板96はメイン制御基板92から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ108に中継する役割を担っている。
その他、スロットマシン1の内部には電源ユニット70が収容されており、この電源ユニット70は外部電源から電力を取り込んでスロットマシン1の作動に必要な電力を生成する。ここで生成された電力は、電源ユニット70から各ユニットに供給されている。
また電源ユニット70には、設定キースイッチ72やリセットスイッチ74、電源スイッチ76等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、前面扉4を開くことで始めて操作可能となる。このうち電源スイッチ76は、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ72はスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ74はスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ72とともに設定を変更する際にも操作される。
(ゲーム処理)
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板92のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
(1.回胴遊技処理)
図5は、スロットマシン1における基本的な1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を一通り示している。1回のゲームは、まず始動処理(ステップS10)から始まる。この始動処理はリール10a,10b,10cの回転を開始させるための処理であり、ここではメダルの投入またはベットボタン12,14,16の操作を受け付けたり、始動レバー18の操作を契機とした乱数抽選を行ったりする処理が行われる。なお、始動処理(ステップS10)の詳細については、更に別のフローチャートを用いて詳しく後述する。
1回のゲームでは始動処理(ステップS10)に続いて停止処理(ステップS20)が実行される。この停止処理は、各リール10a〜10cの回転を停止させるとともに各リール10a〜10cの停止位置を制御するものである。これは、「リール制御」と称される処理に該当する。リール制御を用いた停止処理には、例えば当選種類と停止ボタンが押された位置の2つを参照して最終停止位置を決定するテーブル方式と、最大限当選種類を引込むコントロール方式の2つの方式があり、ここではどちらを用いる態様であってもよい。なお当選種類については、後述する始動処理にて説明する。リール制御を用いた停止処理についても別のフローチャートを用いて後述する。
リール制御によって停止処理を終えると、次に判定処理(ステップS30)が実行される。この判定処理は全リール10a,10b,10cの停止時に表示された図柄の表示態様(出目)から図柄の組み合わせが有効ラインに表示されたか否かを判断し、組み合わせが表示された場合はそれに応じた遊技結果を提供するためのものである。遊技結果のうち主な特典はメダルの払い出しであるが、メダルの払出しがなくとも、表示された組み合わせ図柄(第1特別当選図柄、第2特別当選図柄等)の種類に応じてボーナスゲームに移行する特典が与えられたり、あるいはメダルの払出しとは別に内部状態(各種モード)を変更させる契機となったりするものがある。なお判定処理の具体的な内容については停止処理の後で説明する。
(2.始動処理)
図6は、上記の始動処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、メダルの投入またはベットボタン12,14,16の操作が待ち受けられる(ステップS101)。遊技者がベット操作またはメダル投入をしないうちは(No)、始動レバー18が有効化されないため、ステップS104の判断が否定(No)されて待ち受け状態(ステップS101)がループされ続ける。ベット操作またはメダル投入があると、これを受けて受付処理(ステップS102)が行われ、ベット数に応じた有効ラインランプの点灯が行われる。また受付処理(ステップS102)では、メイン制御基板92からメダル投入コマンドまたはベットコマンドがサブ制御基板94に送信される。
受付処理(ステップS102)に続いて始動レバー有効処理(ステップS103)が行われ、ここで初めて始動レバー18の操作が実質的に有効化される。この状態で遊技者が始動レバー18を操作すると、ステップS104の判断が肯定(Yes)されて次に始動レバー無効処理(ステップS105)が行われる。
始動レバー18の操作があると、これを契機として乱数の抽出(乱数抽選)が行われる(ステップS106)。また、始動レバー18の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは特に規定されておらず、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
次のフラグ処理(ステップS107)では、抽出された乱数値から当選または落選が判断され(通常確率抽選実行手段あるいは高確率抽選実行手段により内部抽選が実行される)、当選の場合は当選種類(第1特別当選種類、第2特別当選種類、一般小役、再遊技当選種類等)の種類に応じたフラグがONにされるとともに、メイン制御基板92から当選フラグコマンドがサブ制御基板94に送信される。また、通常確率抽選実行手段により通常の当選確率が適用された内部抽選が行われている遊技状態を通常遊技状態、高確率抽選実行手段により通常の当選確率に比べて高い当選確率が適用された内部抽選が行われている遊技状態を高確率遊技状態と呼ぶ。
また、落選の場合は、いずれの当選種類(第1特別当選種類、第2特別当選種類、一般小役、再遊技当選種類等)も揃えることのできないハズレフラグがONにされる。当選または落選したフラグ(いわゆる、成立フラグ)は、該当するフラグがONになっている時に該当図柄を揃えることではじめて特典(遊技特典)が得られるものである。各々の特典については、判定処理にて別のフローチャートを用いて後述する。
上記のフラグ処理(ステップS107)が行われると、前回の始動処理でスタートされたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かが判断される(ステップS108)。タイムアップ(Yes)が確認されると、各リール10a,10b,10cが始動され(ステップS109)、ここから次回の始動までのウェイトタイマがスタートされる(ステップS110)。なお、フラグ処理については後述で詳細な説明をする。
(2−1.当選種類と当選図柄)
図7は、スロットマシン1の各種当選種類に対応した当選図柄の構成を示したものである。各々の当選図柄は全てのリールの停止時に表示窓8内に図柄の組み合わせ態様として有効ラインに揃うことでそれぞれの特典を得ることができるものである。
(2−1−1.特別当選図柄〔ボーナス図柄〕:特別当選種類)
当選種類が特別当選種類〔Nanaボーナス(NB)、Chibiボーナス(CB)〕である場合に対応する図柄がNB図柄及びCB図柄のボーナス図柄である。NB図柄の組み合わせ態様「7−7−7」が表示窓8内の有効ラインに停止すると「NBゲーム」が開始される。あるいは、CBの図柄(子供が描かれた図柄、以下ではC図柄と呼ぶ)「C−C−C」が表示窓8内の有効ラインに停止すると「CBゲーム」が開始される。
つまり、ボーナス図柄が揃うと「NBゲーム」もしくは「CBゲーム」のいずれかの特典が得られることになる。この「NBゲーム」、「CBゲーム」ともに、複数回のゲーム機会が集中して行なわれることで、大量のメダルを獲得することができる特典を有している。それゆえ、NBまたはCBは他の当選種類に比べて内部抽選で当選し辛くなっており(例えばNBは1/256程度、CBは1/512程度)、NB図柄、CB図柄それぞれ各リール10a,10b,10cに配置数が少なくなっている(概ね各リールに1〜2個配置される程度)。
またNB図柄、CB図柄ともに揃った場合には、そのゲームでメダルの払い出しは行なわない。これは後述するNBゲーム、CBゲームの特典によりメダルを大量に獲得できる機会が付与されることからあえてNB図柄、CB図柄が揃ったときにメダルの払い出しを伴わない内容としているが、NB図柄、CB図柄が揃ったときにメダルの払い出しを行なってもよい。ただし、上記の場合にメダルの払い出しを行なう際は、NBゲーム、CBゲームでのメダルの獲得枚数の合計(総獲得枚数)が上記の払い出しにより増加し過ぎることを防ぐことが必要である。
(2−1−2.再遊技図柄〔リプレイ図柄〕:再遊技当選種類)
当選種類が再遊技当選種類(リプレイ)である場合に対応する図柄が、再遊技図柄(リプレイ図柄)である。リプレイに対応する図柄の組み合わせ態様「リプレイ−リプレイ−ベル」が表示窓8内の有効ラインに停止すると「リプレイゲーム」が開始される。ここで「リプレイゲーム」とは、あらためてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲーム時を再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃ったゲームの有効ラインと同じラインとなる。
つまり、リプレイ図柄が揃うと「リプレイゲーム」という特典が得られることになる。また「リプレイゲーム」はメダルの払出しが行われない代わりにメダルを新たに消費する必要もない。そのため、当選頻度を高くして遊技者のメダルの消費量(一定時間当りにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選種類であるので、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ない。それゆえ、リプレイは、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑えることのできる非常に重要な当選種類としての役割を担っている。従ってリプレイに内部抽選において当選した場合には極力特典が得られるように、リプレイ図柄も各リール10a,10b,10cごと、それぞれ満遍なく配置されている(各リールとも概ね1〜4図柄おきに1個は配置する)。
(2−1−3.普通小役図柄〔チェリー図柄〕:普通小役)
当選種類が特定小役(チェリー)である場合に対応する図柄が、特定小役図柄(チェリー図柄)である。チェリー図柄は少なくとも1つのリール(左リール10a)の表示窓8内の有効ラインに停止する態様となっただけでメダルの払出し(3枚)が行なわれる。
つまり、チェリー図柄からは、3枚のメダルが払出されるという特典が得られることになる。左リール10aの停止態様だけで特典が得られるチェリー図柄は残りの中リール10b、右リール10cの図柄の組み合わせに影響されないため(つまり、中リール10b、右リール10cはどの図柄が停止した態様でもよい)、チェリー図柄の組み合わせとして「チェリー−ANY−ANY」と表されることもある。
また、チェリー図柄は左リール10aをよく狙って停止させれば当選した場合の特典を得ることができるため、全てのリールを目押ししなければならない他の当選図柄に比較して目押しの労力をさほど必要としない。このため、各リール10a,10b,10cごと、それぞれの配置は少なく(各リールとも概ね3〜5個配置される程度)、付与されるメダル数も他の当選種類に比べて少ない。このように、ある程度目押しをしないと取りこぼしが生じるようチェリー図柄の配置を少なくして、遊技者の目押しの技量が入る余地を持たせている
それでも左リール10aのチェリー図柄を正確に停止させることができれば当選したチェリーの特典を得られるため、リプレイに比べて内部抽選で当選し辛くなっているものの、リプレイと同様、ゲーム進行におけるメダルの大量消費を抑えることのできる重要な当選種類としての役割を持っている。
またチェリーを1つのリールの有効ラインに停止するだけで特典を付与させることにより他のリールの図柄にチェリー図柄以外の図柄をより多く配置することが可能となる(例えば前記の他のリールにはチェリー図柄を設けない)。このため、チェリー図柄以外の当選図柄の配置にバリエーションを多く持たせ、遊技者に豊富な出目を見せることが可能となる。
なお、チェリー図柄の特典が付与されるリールを必ずしも左リール10aに限定することはなく、中リール10bあるいは右リール10cの表示窓8内の有効ラインにチェリー図柄が停止した場合に特典が付与されることとしてもよい。つまり「ANY−チェリー−ANY」または「ANY−ANY−チェリー」となるとチェリーの特典が付与される。あるいは、左リール、中リール及び右リールの3つリールのうちいずれか2つのリールのチェリー図柄が表示窓8内の有効ラインに停止したときにチェリーの特典を付与することとしてもよい。つまり「チェリー−チェリー−ANY」、「チェリー−ANY−チェリー」、「ANY−チェリー−チェリー」となる態様となった場合である。
上記のいずれであっても、左リール、中リール及び右リールの3つのリールの内の少なくとも1つ(あるいは2つ)のリールのチェリー図柄を狙って停止操作を行なうだけで特典が得られることが望ましい。これは遊技者が3つのリール全てを毎ゲーム目押しして停止操作する負荷を軽減させることにもなるからである。
(2−1−4.一般小役図柄:一般小役)
当選種類が一般小役であった場合に対応する図柄が、一般小役図柄(ベル図柄またはスイカ図柄)である。ベルに対応する図柄の組み合わせ態様(以下ではベル図柄の組み合わせとして統一する)「ベル−ベル−ベル」が表示窓8内の有効ラインに停止すると12枚のメダルの払出しが行われる。また、スイカに対応する図柄の組み合わせ態様(以下ではスイカ図柄の組み合わせとして統一する)「スイカ−スイカ−スイカ」または表示窓8内の有効ラインに停止すると10枚のメダルの払出しが行われる。
つまり、ベル及びスイカという一般小役に対応した図柄の組み合わせが揃うと、それぞれに対応した枚数のメダル(それぞれ12枚、10枚)が払出されるという特典が得られることになる。従って一般小役は、ゲームを進めるうえで、メダルの増加が期待できる当選種類であるといえる。しかし、一般小役に過度に当選してしまうと、遊技者の獲得するメダルが過剰に増加してしまい、ホールとの利益バランスが崩れてしまう。それを回避するために、一般小役図柄は、各リール10a,10b,10cごとの配置を少なくして(各リールとも概ね3〜8図柄おきに1個配置する程度)、遊技者が各リールを正確に目押ししないと特典を得ることが難しくなっている。
なお、スロットマシン1では、一般小役はスイカとベルという複数の種類を用意している。そして、内部抽選での当選確率にスイカとベルとで差を設けている(例えば、ベルは当選し易く、スイカは当選し辛い)。更に、スイカは目押しの技量を相当発揮しないとスイカ図柄の組み合わせを取りこぼしてしまうものとし、一方、ベルは目押しの技量をほとんど必要とせずにベル図柄の組み合わせを揃えられるものとしている。このような形態とすると、ベルとスイカとの間に価値(付与される遊技価値の差に加えて目押しが必要とされる度合い)に差を設けることができ、初級の遊技者から上級の遊技者まで満足のできるゲーム性(目押しの難易度が楽しめる)を持たせることができる。なお、一般小役は上記以外にも更に複数の種類を設けてもよい。ただし一般小役があまりにも多数の種類になってしまうと、その分、それぞれの図柄の配置数が減ることになり、全ての一般小役(またはその他図柄も含む)に目押しが必要となってしまうことが危惧される。従ってベル、スイカを含めても3〜4種類程度に留めることが望ましい。
(2−1−5.特殊小役図柄:特殊小役)
当選種類が特殊小役であった場合に対応する図柄が、特殊小役図柄である。特殊小役に対応する図柄の組み合わせ態様(以下では特殊小役図柄の組み合わせとして統一する)は
、上記の一般小役図柄、普通小役図柄及び再遊技図柄と同じである。即ち、特殊小役には、対応する図柄として特殊小役専用の図柄は設けない。
更に特殊小役図柄が揃うと、一般小役図柄、普通小役図柄及び再遊技図柄が揃ったのと同じ特典が付与される。つまり一般小役図柄あるいは普通小役図柄が揃った場合と同じメダルの払出し、また再遊技図柄が揃ったときは「リプレイゲーム」の特典が得られることになる。ここまでは一般小役、普通小役及び再遊技当選種類と全く同じであるので、遊技者は特殊小役に当選したことに気付かない。特殊小役では、上記の特典に加えて更なる特典がある。それは、特殊小役図柄が揃ったことでメダルが払出された(あるいはリプレイゲーム終了後)直後のゲーム(つまり次ゲーム)から、内部抽選の当選確率を高く変更させることである。つまり遊技状態を通常確率遊技状態から高確率遊技状態へと変更させる特典のことを示している。この特典の具体的な説明については後述する。
また特殊小役図柄がいずれの図柄、つまり一般小役図柄、普通小役図柄及び再遊技図柄になるかは特殊小役に当選した際に、上記のいずれかに均等に振分けられるものである。
以上がスロットマシン1における当選種類である。もちろん上記の図柄の組み合わせが揃わなかった場合、「ハズレ」となりいずれの特典も得ることはできない。また本実施形態のスロットマシン1の当選種類は特徴として、特別当選図柄を除いた全ての図柄(一般小役図柄、普通小役図柄、再遊技図柄)のいずれにもその本来の特典以上の価値を持たせたように見せることができる。つまり遊技者には特別当選種類に当選しなくとも、いずれかの当選種類に当選すれば、もしかしたら特殊小役に当選したのではないかと期待を持ってゲームを行なうことになる。従って、遊技者は小役(一般小役、普通小役)、再遊技当選種類のいずれが揃うたびにワクワクドキドキしながらゲームを楽しむことができる。
(2−2.フラグ処理)
ここでは、フラグ処理について、図8から図10を用いて更に詳細に説明する。図8は、フラグ処理の具体的な内容を示している。先ずステップS201で現在の遊技状態が、NBゲーム中またはCBゲーム中であるかが判断される。ここでNBゲーム中、CBゲーム中のいずれでもないと判断されると(No)、続いてステップS202で、高確率遊技状態フラグがONであるかが判断される。高確率遊技状態フラグがONでないと判断されると(No)、ステップS204へと進み、通常確率判定テーブルが選択される。またステップS202で高確率遊技状態フラグがONであると判断されると(Yes)、ステップS203で高確率判定テーブルが選択される。上記で高確率判定テーブル、通常確率判定テーブルのいずれかが選択されると、それぞれの判定テーブルに基づいて、抽出乱数(先のステップS106で抽出された乱数のことを指す、以下では、この乱数のことを抽出乱数として統一する)がいずれの当選種類に該当するか否かが判定される。
ここで、通常確率判定テーブル及び高確率判定テーブルとは、抽出乱数がいずれの当選種類に該当するかを判断して該当する当選フラグを決定するための判断基準として、スロットマシン1の内部抽選を実行する際の各当選種類の当選確率(抽選にて当選する確率)が予め規定されているものである。高確率判定テーブルは、通常確率判定テーブルに比べて、NB、CB及び一般小役等の内部抽選での当選確率が高く変更されている。ここで内部抽選での当選確率を高く変更するというのは、内部抽選(乱数抽選)での当り値(いずれかの当選種類)の範囲(または幅)を大きく(または広く)変更することをいう。なお、上記の「当り値の範囲」のことを「当選許容値」ということもあり、以下では必要に応じて当選許容値と呼ぶ。従って、高確率判定テーブルが選択されることは、NBあるいはCBに当選する可能性について通常確率判定テーブルが選択された場合に比べると格段に高くなるので、遊技者にとって大変に有利であり魅力的であるといえる。
この判定テーブルデータを具体的に示したものが図9である。図9(a)の通常確率時の当選許容値(及び当選確率)と(b)の高確率時の当選許容値(及び当選確率)を比較してみると、NB及びCBが約10倍に当選許容値が増加している(及び当選確率も約10倍に高く変更されている)。またベルは約2倍、スイカは約2倍、リプレイは約2倍に当選許容値の範囲が増加している(つまり当選確率も夫々約2倍に高く変更されている)。それに対してハズレの当選許容値の範囲が約1/1.69に減少していることが分かる。また特殊小役とチェリーについては、当選確率が変更されない。特に特殊小役については、通常確率時に遊技者に有利なメリットを付与する役割が大きいこともあり、高確率時には特に当選確率を高く変更はしない。これは、後述するが、高確率時に特殊小役に当選しても、特殊小役の特典があまり遊技者に歓迎されない(喜ばしくない)印象を与えてしまうことを極力抑えることを考慮しているからである。なお、高確率判定テーブルが選択された場合を高確率時、通常確率判定テーブルが選択された場合を通常確率時と呼ぶ。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、当選許容値の範囲を0〜16383(214=16384個の乱数)としているが、0〜32767(215=32768個の乱数)または0〜65535(216=65536個の乱数)としてもよい。乱数値の数を増やせば、乱数抽選で抽出される乱数値の抽出範囲(または分母)が大きくなり、乱数値が偏って抽出されることを極力回避することが可能になる。
これらの内容を踏まえて、高確率時には、
〔 約8回に1回、ベルに当選、即ちメダル12枚の払出し 〕
〔 約16回に1回、スイカに当選、即ちメダル10枚の払出し 〕
〔 約128回に1回、チェリーに当選、即ちメダル3枚の払出し 〕
〔 約3.5回に1回、リプレイに当選、即ちメダル3枚の払出しと同等の利益 〕
となり、更に分かり易く統一すると、128回のゲーム試行の中で、
〔 ベルに16回当選(192枚メダル払出し)、スイカに8回当選(80枚メダル払出し)、チェリーに1回当選(3枚メダル払出し)、リプレイに36.6回当選(約110枚メダル払出しと同等の利益) 〕となり、合計で約385枚のメダルが払出されることになる。そして128回のゲーム試行で掛けられるメダル枚数は、128回×3枚=384枚となるので、385−384=1枚、つまり128回のゲームを行なうと約1枚メダルが増加することになる。従って高確率時にはほとんどメダルを減らさないで現状維持したままゲームを行なうことができる可能性が高いといえる。なお、リプレイではメダルの払出しは行われないが、次回のゲームでメダルを掛ける必要が無いことから上記ではメダル3枚の払出しと同等の利益が得られたものとしている。
また、通常確率時にも上記と同様に考えてみると、128回のゲーム試行で得られる合計メダル枚数は約193枚となり、193−384=−191枚、つまり128回のゲームを行なうとメダルが191枚減少することになる。従って通常確率時にはメダルが徐々に減っていくことになるといえる(またはメダルの増加が期待できない)。
再び、図8のステップS205では、NBフラグまたはCBフラグがONになっているかが判断される。これは後述する判定処理で詳細を説明するが、NBフラグ及びCBフラグは、その該当する図柄(NB図柄、CB図柄)が揃えられるまで当選フラグが持ち越されるからである。またこの当選フラグが持ち越されている場合、新たにNBまたはCBの抽選は行なわれない。スロットマシン1では、この当選フラグの持ち越しが行なわれている間に抽出乱数がNBまたはCBに該当した場合、ハズレとして処理を行なうこととなる。つまり、NBまたはCBの当選フラグが持ち越し可能とする代わりに、NB図柄またはCB図柄を揃えるまでは新たなNBまたはCBの抽選は行なわないということである。また上記の間、特殊小役についても抽選を行なわない。
ステップS206でNBフラグもCBフラグのいずれもONではないと判断されると(No)、ステップS205で抽出乱数が特殊小役の当選許容値に該当するかが判断される。特殊小役の当選許容値に該当すると判断されると(Yes)、特殊小役当選フラグがONされる(ステップS207)とともに、通常確率遊技状態フラグがONであった場合は、高確率遊技状態フラグがONにされて(ステップS219)、ステップS222のコマンド送信処理へと進む。
ステップS206で、抽出乱数が特殊小役の当選許容値に該当しないと判断されると(No)、ステップS208で抽出乱数がNBの当選許容値に該当するかが判断される。またここでも該当しないと判断されると(ステップS208=No)、ステップS213で抽出乱数がCBの当選許容値に該当するかが判断される。更にここでも該当しないと判断されると(ステップS213=No)、ステップS215で抽出乱数が小役(特殊小役以外の小役、ベル、スイカ、チェリー)のいずれかの当選許容値に該当するかが判断される。また更にここでも該当しないと判断されると(ステップS215=No)、ステップS217で抽出乱数がリプレイの当選許容値に該当するかが判断される。もしリプレイの当選許容値にも該当しないと判断されると(ステップS217=No、つまりハズレに該当)、ステップS222のコマンド送信処理へと進む。
ステップS208で抽出乱数がNBの当選許容値に該当すると判断された場合、ステップS209でNB当選フラグがONにされる。次いでステップS210で判定テーブル選択抽選が行われる。この判定テーブル選択抽選では、NBゲーム終了後からのゲームに高確率判定テーブルを適用するか、あるいは通常確率判定テーブルを適用するかいずれかを選択する抽選が行なわれる。この抽選ではそれぞれ1/2の割合でどちらかへ振分けが行なわれ、高確率判定テーブルが選択された場合(ステップS211=No)、ステップS219で高確率遊技状態フラグがONにされて、コマンド送信処理へ進む(ステップS222)。またステップS211で通常確率判定テーブルが選択された場合(ステップS211=Yes)、通常確率遊技状態フラグがONにされて(ステップS212)、コマンド送信処理へ進む(ステップS222)。
ステップS213、ステップS215及びステップS217のいずれかでそれぞれの当選許容値に該当すると判断された場合(ステップS213=Yes、ステップS215=Yes及びステップS217=Yes)、それぞれステップS214、ステップS216及びステップS218へと進み、CBフラグ、小役フラグ及びリプレイフラグがONにされてステップS221のコマンド送信処理へと進む。なお、CB、小役(ベル、スイカ、チェリー)及びリプレイが当選した場合、特に遊技状態フラグのONまたはOFFは行なわれないものとしている。つまり、これらに当選した場合は、判定テーブルの変更が行なわれない。従って遊技者は、有利な遊技状態であれば、そのまま遊技状態が変化してしまうこと(転落抽選などの有利な遊技状態が終了してしまう条件)を気にせず安心してCB、小役(ベル、スイカ、チェリー)及びリプレイの特典を得ることができる。
先のステップS205でNBフラグまたはCBフラグのいずれがONであると判断されると(Yes)、ステップS215へ進む。これは前述した通り、NBまたはCBフラグが持ち越されている間は新たにNBまたはCB及び特殊小役にも当選することが無いからである。なおこの間に抽出乱数が本来であればNB、CB及び特殊小役のいずれかに該当している場合、ハズレとしてステップS215以下の処理が実行される。
また、ステップS201でNBゲーム中またはCBゲーム中であると判断された場合(ステップS201=Yes)、ステップS220にてNBゲーム遊技処理またはCBゲーム遊技処理で既に変更されている乱数抽選の当り値テーブルで抽出乱数が小役であるか否かが判断される。小役であると判断されると(ステップS220=Yes)、ステップS221で小役フラグがONにされてステップS222へと進む。また小役でないと判断された場合(ステップS220=No)もステップS222へと進み、当選フラグコマンド(またはハズレフラグコマンド)がサブ制御基板94へと送信されることになる。
ステップS222では、当選フラグ(またはハズレフラグ)及び高確率遊技状態フラグ(あるいは通常確率遊技状態フラグ)が情報コマンドとしてサブ制御基板94に送信される。なお、前述したが、CB、小役(特殊小役以外の小役)及びリプレイの当選フラグが情報コマンドとなる場合、高確率遊技状態フラグ(または通常確率遊技状態フラグ)は送信されない。ただし、上記の場合にも遊技状態フラグ(高確率遊技状態フラグ、通常遊技状態フラグ)を送信してもよいが、特に遊技状態フラグの変更がないのに余計なコマンドまでサブ制御基板94に送信することとなってしまい、メイン制御基板92の負荷が増えることになる。従って、メイン制御基板94の負荷を減らす観点からも不要なコマンドは極力送信を避けることが望ましい。
(3.リール停止処理:停止制御手段)
図10は、一例としてテーブル方式によるリール停止処理の内容を示している。リール制御については公知の技術を適用できるため、ここでは処理の流れを概略的に説明する。
リール停止処理では先ず、該当するゲームでの当落結果を表す成立フラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(ステップS301)。なお、リール制御テーブルは予め全ての当落結果について複数のパターンのものが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板92のROM112に格納されている。
適切なパターンのリール制御テーブルが選択された状態で、停止ボタン20,22,24が押されるまで待ち受け状態となる(ステップS302,S310,S317)。これらの待ち受け状態で、左リール10a、中リール10b及び右リール10cの各リールが既に停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグが立っていない状態(=0)であるか否かが判断されるとともに、あわせて左、中、右のいずれかの停止ボタン20,22,24が押されたか否かが判断される。いずれの停止ボタン20,22,24も押されていなければ、ステップS309の判断が否定(No)されてステップS302以降が繰り返される。
例えば、いわゆる「順押し」または「順はさみ押し」の手順に沿って最初に左の停止ボタン20が押されたとすると(ステップS302=Yes)、左の停止ボタン20が押された時点では第1リール停止フラグが立っていない(ステップS303=Yes)ため、左リール10aについて第1リール停止処理(ステップS304)が実行される。なお、ここでいう「第1リール停止処理」とは、1番目にリールを停止させる処理という意味である。
あるいは、いわゆる「中押し」の手順に沿って最初に中央の停止ボタン22が押されると(ステップS310=Yes,ステップS311=Yes)、中リール10bについて第1リール停止処理(ステップS312)が実行される。これ以外に、いわゆる「逆押し」または「逆はさみ押し」の手順に沿って最初に右の停止ボタン24が押された場合は(ステップS317=Yes、ステップS318=Yes)、右リール10cについて第1リール停止処理(ステップS319)が実行される。
左リール10a、中リール10b及び右リール10cのいずれかのリールについて第1リール停止処理(ステップS304,S312,S319)が行われると、該当する成立フラグに対応した複数パターンのリール制御テーブルのなかから、乱数値に基づいて1つのテーブルパターンが選択される。これは、例えば1つの当選役「ベル」について、リール10a〜10c上にある図柄「ベル」を有効ライン上に停止させるために予め複数パターンのリール制御テーブルが用意されているが、前記テーブルの中から1つのパターンが選択されることを意味する。そして、1つのパターンが選択されると、該当するリール制御テーブルに基づいてリール10aから10cの停止位置が制御される。これにより、例えば図柄「ベル」が有効ライン上のどこかで停止されることとなる。
例えば、順押し手順に沿って左リール10aが第1番目に停止されるパターンを例にとると、ステップS304で左リール10aについて第1リール停止処理が行われる。また、このときメイン制御基板92は、左リール10aの停止目を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)をサブ制御基板94に送信する。
次のステップS306では残りの中リール、右リール10b,10cについてそれぞれリール制御テーブル(停止テーブル)が乱数抽選によって決定される。具体的には、図1において左リール10aの停止時に図柄「ベル」が下段位置に停止されたとすると、停止された時点で図柄の組み合わせが表示されるラインとして下段ラインまたは右上がりラインの2通り(MAXベットの場合)が選択可能となるが、ここでは乱数抽選によっていずれか一方(例えば右上がりライン)が選択される。なお、乱数抽選の振り分け率は半々程度でよい。
なお、リール制御テーブルで当選した図柄を停止させるためのラインを予め決定する形態としてもよい。こうすると左リール10a(または第1リール)を停止させた時点では既にどの有効ラインに該当図柄を停止させるのか決定しているため、前記ステップS306に示した乱数抽選を行なう必要が無くなり、メイン制御基板92の負荷を軽減することができる。ただし、予め決定されたラインに該当図柄を停止させることにより、左リール10aについて、当選していないにも関わらずチェリー図柄が該当する有効ライン上に停止してしまう場合には、これを回避するために、予め決定されたラインを変更させて再度ラインを決めなおす乱数抽選等を行なうこととしてもよい。
以上の処理(ステップS306)が行われると、続いて第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに(ステップS307)、左リール停止フラグがON(=1)にされる(ステップS308)。左リール停止フラグがON(=1)になった段階では全てのリール10a〜10cが停止していないので、ステップS309の判断が否定(No)されてステップS302以降が実行される。
すると、このとき既に左リール10aが停止しているので(ステップS302=No)、順押し手順に沿って2番目に中央位置の停止ボタン12が押されると(ステップS310=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS311=No)を経て中リール停止処理(ステップS313)が実行される。中リール停止処理では、先に中リール10bについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される。これにより、上記の右上がりに図柄が組み合わせとして表示されるラインの例でいうと、中リール10b上の図柄「ベル」が中段位置に停止することとなる。また停止目上は、右上がりライン上で左リール、中リール10a,10bに図柄「ベル」が2つ揃った状態(いわゆる「右上がりテンパイ」)となる。このときメイン制御基板92は、中リール10bの停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)をサブ制御基板94に送信する。またこの場合、中リール10bは第2停止であるためステップS312,S314,S315は全て迂回され、ステップS316にて中リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
同様にして、最後に右の停止ボタン13が押されると(ステップS317=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS318=No)を経て、先に右リール10cについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される(ステップS320)。これにより、3番目の右リール10c上の図柄「ベル」が上段位置に停止するので、全リール停止時の出目は、右上がりライン上に図柄「ベル」が3つ揃った状態となる。このときメイン制御基板92は、右リール10cの停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)をサブ制御基板94に送信する。またこの場合、右リール10cは第3停止であるためステップS319,S321,S322は全て迂回され、ステップS323にて右リール停止フラグがON(=1)にされる。
ここまでの処理を経て全リール停止フラグがONになると、ステップS309の判断が肯定(Yes)されるため、メイン制御基板92による処理は本ルーチンを抜ける。
なお、上記のリール停止処理では、内部抽選にて当選した当選種類に該当する当選図柄が停止操作の受け付けられた時点から表示窓8内に引き込み可能な範囲(位置)にある場合は、必ず引き込んで該当当選図柄を表示窓8内に停止させようとする制御が行なわれる(引き込み制御)。引き込み可能な範囲とは、リールの停止操作が受け付けられてからリールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数(例えば、4コマ)のことをいう。つまり、図3のリール配列図によれば、リプレイ及びベルについては、各リールともにリプレイ図柄からリプレイ図柄までに最大で4つの他図柄(リプレイ図柄以外の図柄)を挟んでおり、ベル図柄からベル図柄までに最大で4つの他図柄(ベル図柄以外の図柄)を挟んで夫々配置されている。従って、引き込み制御によれば最大4図柄分の引き込み制御が行なわれることになりリプレイ及びベルは取りこぼしが生じることが無い。また、図3のリール配列図から、左リール10aのチェリー図柄が左リール10aの停止操作がどの位置で受け付けられたとしても表示窓8内に停止させることができる。これは前述した引き込み制御により可能である。
上記で取りこぼしが無いとしたことは「順押し」あるいは「順はさみ押し」によるリール停止操作が行なわれた場合のみいえることであり、上記以外のリール停止操作が行なわれた場合は、この限りではない。これはチェリー以外の当選種類に当選した場合、その該当する図柄を揃えようと表示窓8内に引き込み制御を行なう際に同時にチェリー図柄を引き込まないようにするリール停止制御が行われるからである。「順押し」あるいは「順はさみ押し」では、左リール10aが第1リール停止処理として停止制御されるので、チェリー図柄を表示窓8内に停止させない回避だけでよい。しかし左リール10aを第1リール停止処理以外で停止制御する場合(変則押しの場合)、特に中リール10aが停止した後に左リール10aを停止させる際には、中リール10bの有効ライン上に内部抽選で当選した小役(チェリーを除く)またはリプレイ図柄が停止していると、左リール10aでは、チェリー図柄を表示窓8内の有効ライン上に停止してしまうことを回避する必要が生じる。これにより、順押しであれば取りこぼすことのないリプレイ(ベル)をチェリー図柄を回避させたがために取りこぼしてしまう場合がある。
上記のことから、本実施形態のスロットマシン1は「順押し専用」、「順押しまたは順はさみ押しにて御遊技下さい」等の案内(または明示、教示、説明)の表示を遊技機本体で遊技者が視認できる箇所(ベットボタンの近傍やメダル投入口の付近等)にして順押し(または順はさみ押し)で遊技者にゲームを行なわせることが望ましい。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
(4.判定処理)
図11は、判定処理の内容を具体的に示している。上記のリール停止処理によって全てのリール10a,10b,10cが停止した状態となると、メイン制御基板92はそのとき表示されている出目を確認する処理を行なう(ステップS401)
次に、全リール停止時の出目から表示された図柄の組み合わせがNB図柄であるか(ステップS402)、CB図柄であるか(ステップS405)、特殊小役図柄であるか(ステップS408)、小役図柄(一般小役図柄または普通小役図柄)であるか(ステップS410)、リプレイ図柄(再遊技図柄)であるか(ステップS413)、それともいずれにも該当しないハズレ図柄であるかがそれぞれ判断される。そして、そのときに出目として表示された図柄の組み合わせがNB図柄に該当すると判断されると(ステップS402=Yes)、NB図柄が揃ったことを祝福する効果音コマンドがサブ制御基板94に送信される(ステップS403)。また、表示された図柄の組み合わせがCB図柄に該当すると判断されると(ステップS405=Yes)、CB図柄が揃ったことを祝福する効果音コマンドがサブ制御基板94に送信される(ステップS406)。
出目が特殊小役図柄に該当すると判断されると(ステップS408=Yes)、特殊小役に対応した枚数のメダル払出し動作がホッパ装置134に指示されるとともに、払出し音コマンドがサブ制御基板94に送信される(ステップS409)。小役図柄(一般小役図柄または普通小役図柄)に該当すると判断されると(ステップS410=Yes)、各小役図柄に対応した枚数のメダル払出動作がホッパ装置134に指示されるとともに、払出し音コマンドがサブ制御基板94に送信される(ステップS411)。あるいは、リプレイ図柄に該当すると判断される(ステップS413=Yes)と、リプレイゲーム処理(ステップS414)が実行される。ここでリプレイゲーム処理とは、あらためてメダルの投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲーム時を再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃ったゲームの有効ラインと同じラインとなる(例えば、3ベットしてゲームを開始した結果、リプレイが揃った場合、次ゲーム時に再遊技を開始するときも3ベット時のライン数が有効となる)。
NB図柄またはCBとなる図柄の組み合わせを表示することを許容された場合、つまり、図11のフラグ処理において、NBまたはCBの当選フラグがONとなった場合は、そのときに表示された組み合わせの図柄に応じてNBゲーム遊技処理(ステップS404)またはCBゲーム遊技処理(ステップS407)が実行されて判定処理は終了となる。
また特殊小役図柄、小役図柄、リプレイ図柄の組み合わせを表示させることを許容された場合は、そのときに表示された組み合わせの図柄に応じてメダルの払出しまたはリプレイゲーム処理が実行されて、小役またはリプレイの当選フラグがOFFにされ(ステップS412、S415)この処理は終了される。なお上記の図柄に応じてメダルの払出しが行われることは遊技価値付与手段の一例に相当する。また、ハズレフラグONの時や成立フラグに対応する図柄が有効ラインに揃っていない(取りこぼし)場合(ステップS413=No)は、NB当選フラグ、CB当選フラグ及び特殊小役当選フラグ以外の成立フラグ(当選フラグ)がOFFにされて(ステップS416)、同じく判定処理は終了となる。ここでNB当選フラグ、CB当選フラグ及び特殊小役当選フラグ以外の成立フラグがOFFにされることとは、NB、CB及び特殊小役の当選フラグは維持されるということである。なぜなら、NB、CB及び特殊小役は、小役やリプレイの特典に比べて遊技者にとって有利な特典であるからである。このNB、CB及び特殊小役の特典が有利なことについては後述する。更にNB図柄、CB図柄は各リールに少ない(例えば、1〜3個)ため、NB当選フラグ、CB当選フラグがONになった場合でも、その図柄を狙って停止(いわゆる、目押し)させる必要がある。すなわち、ONになった当選フラグがNB当選フラグ、CB当選フラグ及び特殊小役当選フラグ以外のときは、そのONになったゲームにおいて成立フラグに対応する図柄を揃えられた場合も取りこぼした場合も、その成立フラグは消滅してしまう。しかしNB当選フラグ、CB当選フラグ及び特殊小役当選フラグは当該図柄を揃えるまで維持される。このNB当選フラグ、CB当選フラグ及び特殊小役当選フラグの維持は、遊技者にもれなく有利な特典を付与させることを可能としている。またこのことにより遊技者は安心して、つまり多少目押しの技量に差があっても有利な特典は必ず得られる(多少該当図柄を揃えるまでのメダル消費枚数に差が生じる可能性はあっても)のでゲームを楽しむことができるのである。
NBゲーム遊技処理(ステップS404)またはCBゲーム遊技処理(ステップS407)に進んだ場合は、これら各処理中においてNBまたはCB当選フラグがOFFにされる。
(5.特別遊技状態)
本実施形態のスロットマシン1では、NB図柄(「7−7−7」)またはCB図柄(「C−C−C」)の図柄の組み合わせが表示された(図柄が揃った)場合、次回のゲームからそれぞれ「NBゲーム」、「CBゲーム」と称する特別遊技状態に移行する。これらNBゲームやCBゲームは複数回のゲーム機会が含まれており、この間に集中してメダル等の払出しの可能性があるため、遊技者にとっては通常のゲーム(通常遊技状態)よりも有利な状態であるといえる。このNBゲーム、CBゲームは遊技価値付与機会増加手段の一例に相当する。
(5−1.NBゲーム遊技処理:第1特別遊技状態移行手段)
図12は、NBゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、初期化処理が行われるとともにNBフラグがOFFにされ、NBゲーム用に乱数抽選の当り値テーブル(当選許容値)が変更される(ステップS501)。ここで変更された当り値テーブルは通常よりも小役の当り値を多く保有しており、それだけNBゲーム中は小役の当選確率が高い状態にあるといえる(図13)。更にNBゲーム用の当選許容値には、NB、CB及び特殊小役の当選許容値は含まれておらず、NBゲーム中にCB、特殊小役さらにNBには重複して当選しないものとなっている。特に小役(ベル)の当選確率が通常ゲームに比べて約13倍に高く変更されるので、NBゲーム中は効率良くメダルを獲得していくことができる。またNBゲームでは通常のゲームと同様にメダルを3枚掛けでゲームを行なうものとしているので、遊技者は通常のゲームと比べて違和感なくゲームが行なうことができる。
ステップS501に次いで、ステップS502ではリール装置10の始動処理及び停止処理(ステップS503)が実行される。これら始動処理及び停止処理の内容は既に説明したものと同じである。
停止処理によって全リール10a,10b,10cが停止すると、そのときの出目がサブ制御基板94に送信され(ステップS504)、そして、内部のNBゲーム数カウンタが1つだけカウントアップされる(ステップS505)。
次に、全リール10a,10b,10c停止時の出目が判断され、小役図柄(ベル、スイカ、チェリーのいずれか)が揃ったか否かが判断される(ステップS506)。
判断の結果、いずれの小役図柄も揃わなかった場合(ステップS506=No)はステップS510に進んで成立フラグがOFFにされる。この場合は、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が該当する図柄の組み合わせを取りこぼしたかのいずれかであると考えられる。
これに対し、ステップS506の判断において、いずれかの小役図柄が揃った場合(Yes)、ステップS507の払出処理が行われメダルが払出される。更にこのとき、メイン制御基板92は該当図柄に対応した枚数のメダルの払い出しをホッパ装置134に指示するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板94に送信する(ステップS508)。また、メイン制御基板92がメダルの払い出しを指示すると、その枚数分だけ累計払出枚数がカウントアップされる(ステップS509)。
小役図柄のいずれかが揃った場合もステップS509に続いてステップS510が実行され、そこで成立フラグ(小役の当選フラグ)がOFFにされる。そして、毎回のゲーム終了後にNBゲームそのものを終了すべきか否かの終了判定が行われ(ステップS511)、終了条件が満たされていない間(ステップS511=No)はステップS502に戻って次の始動処理が行われる。
NBゲームの終了条件は、以下のいずれかが満たされた場合である。
(1)ステップS505で、NBゲーム数カウンタのカウント数が60回に達したこと。
(2)ステップS509で、累計払出枚数が576枚に達したこと。
上記いずれかの条件が満たされると、ステップS511の終了判定が肯定(Yes)され、次にNBゲームの終了処理が行われるとともに当り値テーブルが元に戻される(ステップS512)。
なお、NBゲーム中にのみ有効となる専用の図柄の組み合わせを用いて、NBゲーム中にはこの専用の図柄の組み合わせに当選することでメダルを獲得する態様であってもよい。更にNBゲーム中のみ小役のメダル払出し枚数を変更させる(例えば、ベルのメダル払出しを15枚)態様であってもよい。
(5−2.CBゲーム遊技処理:第2特別遊技状態移行手段)
図14は、CBゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、初期化処理として、CBフラグがOFFにされるとともに、RBゲーム用に乱数抽選の当り値テーブルが変更される(ステップS601)。ここで変更された当り値テーブルは図13で説明したNBゲーム時判定テーブルと同じである。従ってCBゲーム中にNB、特殊小役さらにCBには重複して当選しないものとなっている。またCBゲームでは通常のゲームと同様にメダルを3枚掛けでゲームを行なうものとしているので、遊技者は通常のゲームと比べて違和感なくゲームが行なうことができる。
次にリール装置10の始動処理(ステップS602)及び停止処理(ステップS603)が実行される。これら始動処理及び停止処理の内容は既に説明したものと同じである。
停止処理によって全リール10a,10b,10cが停止すると、そのときの出目がサブ制御基板94に送信され(ステップS604)、そして、内部のCBゲーム数カウンタが1つだけカウントアップされる(ステップS605)。
次に、全リール10a,10b,10c停止時の出目が判断され、小役図柄(ベル、スイカ、チェリーのいずれか)が揃ったか否かが判断される(ステップS606)。
上記の判断の結果、いずれの小役図柄も揃わなかった場合(ステップS606=No)はステップS610に進んで成立フラグがOFFにされる。この場合は、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が該当する図柄の組み合わせを取りこぼしたかのいずれであると考えられる。
これに対し、ステップS606の判断において、小役図柄のいずれが揃った場合(Yes)、ステップS607の払出処理が行われメダルが払出される。このとき、メイン制御基板92は該当図柄に対応した枚数のメダルの払い出しをホッパ装置134に指示するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板94に送信する(ステップS608)。また、メイン制御基板92がメダルの払い出しを指示すると、その枚数分だけ累計払出しカウンタがカウントアップされる(ステップS609)。
小役図柄のいずれが揃った場合もステップS609に続いてステップS610が実行され、そこで成立フラグ(小役の当選フラグ)がOFFになる。そして、毎回のゲーム終了後にCBゲームそのものを終了すべきか否かの終了判定が行われ(ステップS611)、終了条件が満たされていない間(ステップS612=No)はステップS602に戻って次の始動処理が行われる。
CBゲームの終了条件は、以下のいずれかが満たされた場合である。
(1)ステップS605で、CBゲーム数カウンタのカウント数が30回に達したこと。
(2)ステップS609で、累計払出枚数が288枚に達したこと。
上記いずれかの条件が満たされると、ステップS611の終了判定が肯定(Yes)され、次にCBゲームの終了処理が行われるとともに当り値テーブルが元に戻される(ステップS612)。
(6.高確率遊技状態)
本実施形態のスロットマシン1では、特殊小役及び特殊小役図柄の組み合わせを構成として備えている。内部抽選で特殊小役に当選となると、ベル、スイカ、チェリー、リプレイのいずれかに当選した場合と同じリール停止制御(引き込み制御)が行なわれる。ここでスイカについては取りこぼしが生じる可能性があり、後述する演出等によりスイカに当選したことを示唆することで取りこぼしを回避することが可能である。また、あえて取りこぼしの虞のある当選種類(ここではスイカ)は特殊小役当選時に選ばれないものとしてもよい。ただし、全ての小役、リプレイを特殊小役として遊技者に思わせることが本実施形態のスロットマシン1の最大の特徴であるから、取りこぼした場合でも特殊小役の特典(高確率遊技状態への移行)は与えることが望ましい。表示窓8内の有効ライン上にベル図柄が揃うか、またはスイカ図柄が揃うか、またはチェリー図柄が揃うかのいずれかになると、夫々に対応した規定枚数のメダルが払出されるとともに、特殊小役の特典として次回のゲームから通常確率遊技状態から高確率遊技状態へと遊技状態の変更が行なわれる(高確率遊技状態フラグがONとなったゲームで停止処理が順押しで行われると必ず特殊小役図柄の組み合わせが揃うので)。また表示窓8内の有効ライン上にリプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームが行なわれるとともに、特殊小役の特典として次回のゲームから通常確率遊技状態から高確率遊技状態へと遊技状態の変更が行なわれる。この高確率遊技状態では、前述した図9(b)で説明した高確率判定テーブルが適用された内部抽選が実行されることになる。
ここで、スロットマシン1は設定(例えば1〜6まで6段階の設定値があり、通常確率においては設定ごとにNB、CB等の当選確率に差がつけられている)を設けることができ、終日遊技を行なったときの総獲得メダル枚数(遊技者が獲得したメダルの合計)に大幅な差をつけて遊技者の遊技意欲を向上させたり、ホールの経営形態などに合わせて設定値を変更したりすることが可能となっている。
本実施形態のスロットマシン1では、通常確率遊技状態でのNB当選確率を、上記の設定値4に相当する1/256としているが、高確率遊技状態では、10倍の1/25.6までNB当選確率を高く変更させる。また、CBの当選確率も10倍の1/51.2と高く変更される。これにより遊技者がNBあるいはCBに短いゲーム数で到達することが可能となる。しかし遊技者には、高確率遊技状態に遊技状態の変化がいつ起こったのか察知できず、現在の遊技状態が高確率遊技状態なのかそれとも通常遊技状態なのか判断が付きにくい。すると、あたかもNB(またはCB)に比較的連続して当選したかのような印象を与えることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、特殊小役に当選することが契機となって高確率判定テーブルでの内部抽選が実行される(判定テーブルの変更が行なわれる)。更にNBゲームが終了した次回のゲームからも判定テーブルの変更が行なわれる場合がある(前述の図8、ステップS210の判定テーブル選択抽選)。実際はNBに当選した際に、判定テーブル選択抽選で高確率判定テーブルが選択されると、高確率遊技状態へ遊技状態が移行することになるが、判定処理でNB図柄が揃ってNBゲームが開始されてから終了するまでは、NB、CB及び特殊小役の抽選は行なわない。つまりNB当選から特別遊技状態終了までは、新たにNB、CB及び特殊小役に相当する当選許容値はハズレとされることになる。従って、小役(ベル、スイカ)のみ当選確率が高く変更されたゲームが行なわれることになる。
本実施形態のスロットマシン1では、高確率遊技状態でのゲーム(高確率時のゲーム)においてNBに当選すると前述の図8、ステップS210の判定テーブル選択抽選で1/2の割合で通常確率判定テーブルが選択されて遊技状態が高確率遊技状態から通常確率遊技状態へと変化してしまう可能性もあるが、高確率時のゲームでCBに当選した場合、判定テーブルの変更は行なわれない。これにより高確率遊技状態でCBに当選してせっかくの高確率遊技状態が終了してしまい遊技者をがっかりさせてしまうことがなくなる。更に高確率時のゲームでは、前述したとおりメダルがほぼ現状維持できる程度(128ゲームで約1枚のメダル増加)であり、CBに当選して200枚程度のメダルが獲得できることは遊技者にとって喜ばしいことである。
また高確率遊技状態は、NBフラグに当選した際の判定テーブル選択抽選で高確率判定テーブルが選択され続ける限り継続する。更に、高確率時のゲームで特殊小役に当選した場合も、高確率判定テーブルが変更されないので高確率遊技状態が維持されることになり一旦高確率判定テーブルが選択されると相当高い割合でループする可能性が高いといえる。
また本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態の変化に合わせてまたは合わせずに各種演出処理として液晶表示部58の演出表示のほか、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66、ボーナスフラグ告知ランプ44、クレジット枚数表示部30、ゲーム数表示部32、払出し枚数表示部34等により様々な演出態様を実行させる。これにより遊技者を視覚的にも聴覚的にも満足させて、ゲームを楽しませることができる。
(7.演出処理)
以上は、メイン制御基板92による遊技制御の例であるが、本実施形態のスロットマシン1では、遊技の進行にあわせてサブ制御基板94により演出動作の制御が行われる。
図15は、サブ制御基板94により実行される演出処理の一例を示している。スロットマシン1の電源が投入(電源スイッチ76がONに操作)されると、この演出処理において先ず初期化処理が行われる(ステップS701)。次にメイン制御基板92から送信されるメダル投入コマンドが待ち受けられ(ステップS702)、実際にメダル投入コマンドが送信されると、これに応じて投入音やベット音等を出力させる演出(メダル投入演出処理)が行われる(ステップS703)。
続いて、メイン制御基板92から送信される当選(始動)フラグコマンドが待ち受けられる(ステップS704)。当選(始動)フラグコマンドは、始動レバー18の操作を契機としてメイン制御基板92から送信され、サブ制御基板94では、当選(始動)フラグコマンドを受信すると、それに合わせた演出動作の制御が行われる(ステップS705、始動時演出処理)。ここでの演出動作は例えば、リール始動音の出力や液晶表示装置58による画像表示演出等である。
上記の始動時演出処理が行われると、続いて停止情報コマンドが待ち受けられる(ステップS706)。3つの停止ボタン20,22,24がすべて停止操作されると、メイン制御基板92からサブ制御基板94に停止情報コマンドが送信され、これを受けてサブ制御基板94では、それぞれ当選フラグと停止情報コマンドに応じた演出動作の制御が行われる(停止時演出処理)。ここでの演出動作は例えば、各リール停止音の出力やリール消灯演出、液晶表示装置58による画像表示演出等である(ステップS707)。
そして、ステップS708では、判定処理の結果に応じてメイン制御基板92から払出コマンドが送信されてくるので、これを受けてサブ制御基板94では払出し音出力による演出が行われる。更に、ここではメイン制御基板92から送信される遊技ステータスコマンドが待ち受けられ、受信したコマンドから現在の遊技ステータスが吟味される。このときも受信した遊技ステータスコマンドに応じた演出動作の制御が行なわれる(ステップS709、遊技ステータス演出処理)。なお遊技ステータスは、遊技状態(通常時、NBゲーム等)を表すものである。
(7−1.各種演出処理)
演出処理では、前述したフラグ処理にてメイン制御基板92より送信される情報コマンド(当選フラグコマンド及び遊技状態フラグコマンド、以下ではフラグコマンドという)をサブ制御基板94が受信して始動時演出処理が実行される。または判定処理で出目情報として送信される情報コマンド(以下では出目コマンドという)をサブ制御基板94が受信して停止時演出処理が実行される。いずれの演出処理においても、液晶表示部58、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66等での演出表示が実行されるものである。また、演出表示は、液晶表示部58、スピーカ56、各ランプ60,62,64,66等で行なわれる演出画面及び効果音のことをいう。ただし演出表示を実行させるか否かは各演出処理の中の抽選により決定される。つまり始動時演出処理及び停止時演出処理では、1/2の割合で演出表示を行なう振分けがなされる。
次に各演出であるが、大きく分けて以下の4つがある。
(1)通常演出
(2)当選案内演出(ナビゲーション演出)
(3)ボーナス告知演出
(4)連続区間演出(チャンス演出)
上記の(1)から(4)のうち、(1)通常演出は特別な演出が行なわれないものを指し、例えば背景が時間とともに変化(雲が流れる、太陽が昇りそして沈む、季節が変化する等)する内容の演出である。遊技者からすれば退屈に感じる演出であるといえる。
(2)当選案内演出は始動時に内部抽選で当選した成立フラグ(ハズレフラグも含む)に基づいて、成立フラグ(NB、CB、小役〔特殊小役は除く〕、リプレイ)を遊技者に示唆(または教示、告知、アピール、ナビゲーション)する演出表示である。例えば、スイカ図柄をそのまま直接表示させる、スイカ図柄をイメージさせる色(緑色)を表示させる、あるいはキャラクター等にスイカを示唆させる演出を行なわせる等がある。特にスイカやチェリー等の取りこぼしが考えられる小役については、演出により取りこぼしを回避させることができ遊技者にとっては有難みのある演出であるといえる。従って遊技者が取りこぼしを回避できるよう当選案内演出は、始動時演出処理で行なうものとしている。また特殊小役に当選した場合は、そのことを遊技者に気付かせない(察知させない)よう当選案内演出は行なわれない。
(3)ボーナス告知演出はNB及びCBに当選したことを遊技者に明確に告知する演出である。例えば、「ボーナス確定!」等のメッセージを表示させたり、あるいはキャラクターを登場させて「当っていますよ〜」等の音声を発生させたりするものである。
(4)連続区間演出は始動時に内部抽選で当選した成立フラグに基づいて、成立フラグがNB、CBあるいは特殊小役、一部の小役(主にチェリー)及びハズレのうちの一部である場合に所定の割合で演出を行なわせるである。この連続区間演出は当選案内演出及びボーナス告知演出のように1回のゲーム限りの演出表示態様ではなく、複数のゲーム間にわたって連続した演出が実行されるものである(例えば、劇のシナリオが進行する、4コマ漫画のような起承転結のあるストーリーが展開される等)。また連続区間演出が選ばれた場合、連続区間演出の結果(例えば、シナリオのエンディング、起承転結の「結」)が勝利または敗北として合わせて決定される。
図16は、始動時演出処理で実行される各種演出表示と当選フラグとの関係を具体的に示した演出パターンテーブル表である。この演出パターンテーブルでは、演出パターン乱数(0〜99)を使った乱数抽選がメイン制御基板92で行なわれる内部抽選とは別にサブ制御基板94にて行なわれる。図16(a)は通常確率遊技状態(通常確率時)での当選フラグ別の演出振分けをパターンテーブル表として具体的に示している。(b)は高確率遊技状態(高確率時)での当選フラグ別の演出振分けのパターンテーブル表である。図16において各当選フラグについて夫々演出パターン乱数の当選許容値が決められている。例えば、(a)通常確率時では、ハズレが当選フラグとして選ばれた場合、0〜79までの演出パターン乱数が選ばれると通常演出が実行され、80〜98までの演出パターン乱数が選ばれると当選案内演出が実行され、99の演出パターン乱数が選ばれると連続区間演出(敗北)が実行されることになる。それぞれ当選フラグは演出パターン乱数の各演出が選択される範囲が異なっている。また(a)通常確率時と(b)高確率時によっても同じ当選フラグであっても演出パターン乱数の各演出が選択される範囲が異なっている。
(a)通常確率時の特徴として、総じて通常演出が表示されることが多いといえる。ただしスイカはその当選時の半分ほどは当選案内演出に振分けられるので、当選したことを示唆するナビゲーションが行なわれる。これにより遊技者がスイカを取りこぼしてしまうことをある程度抑えることができる。その他の当選種類(ハズレ、ベル、チェリー、リプレイ)に当選時にも当選案内演出が低い割合ではあるが選ばれる。これは通常演出がどうしても多くなる通常確率時に変化を与えて遊技者を退屈な気持ちにさせることを回避することからも必要である。またNBあるいはCB当選時には当選案内演出とボーナス告知演出が相当に低い割合で選ばれる可能性がある。これはNBあるいはCBに当選した場合、すぐに告知あるいはナビゲーションが行なわれたのでは、如何に素早くボーナス当選(成立)を見抜いて、告知(またはナビゲーション)がされるよりも前にNB図柄(あるいはCB図柄)を揃えることができるかを楽しむスロットマシン(あるいはスロットマシン等の回胴式遊技機)の楽しさ(醍醐味)を半減させてしまうことになる。従って、極力これらの演出が選ばれにくい低い振分けとなっている。ただし、初心者や熟練度の未熟な遊技者がボーナス当選(成立)を知らずにゲームをやめてしまい不利益を被らないように少なからず告知またはナビゲーションが選ばれる可能性を残している。
次に連続区間演出であるが、これはリプレイ以外の当選種類で選ばれる可能性がある。特にNB、CB当選時には3割程度の割合で選ばれる可能性がある。それ以外のハズレ、ベル及びスイカ当選時にはほとんど選ばれる可能性は低いといえる。またチェリー当選時には3割程度の割合で選ばれ、特殊小役当選時には1割程度の割合で選ばれることとしている。またチェリー、特殊小役及びNB、CB当選時には、連続区間演出の勝利、敗北のいずれも選ばれる可能性があるので、仮に連続区間演出の結果が敗北となってチェリー図柄が揃わなかったとすれば、遊技者は特殊小役、NBあるいはCBのいずれかに当選したかもしれないと引き続き期待を持つこととなる。これは遊技者の目押しの技量によって多少の差が生じるが、目押しをしてチェリー図柄を正確に狙ったが有効ライン上に停止しなかった場合、チェリーに当選したことが否定される(以下では、「チェリー否定」という)ので、即ちNBまたはCBまたは特殊小役に当選したことが確定的となる。ただしこの場合は特殊小役に当選して、かつ、スイカを取りこぼした場合に限られるので、NB、CBのいずれかに当選したことが濃厚となる。
また、連続区間演出の結果が勝利となった場合、上記の「チェリー否定」となれば、即ちNBまたはCBの当選が確定する。ただし本実施形態のスロットマシン1の特徴として、連続区間演出の結果が勝利または敗北で、かつ、「チェリー否定」とならなかった場合、つまりチェリーが有効ライン上に停止したときでも、単なるチェリーに当選したのか、それとも特殊小役に当選したのかの見分け(または見極め、判断、判別、区別)が付きにくい。これは特殊小役図柄を遊技者に明示していないことからいえることである。従ってチェリーが有効ライン上に停止した場合であっても、チェリーに当選したことを契機として遊技状態が変化することをスロットマシン1のゲームに熟練し、その経験から気付き始めた遊技者にとって見れば、大いに期待を持ち続け、かえって歓迎するようになる。
(b)高確率時の特徴として、通常確率時に比べて当選案内演出の割合が増える。つまり高確率時ではいずれかの当選種類について当選案内演出が行なわれることが多くなり、絶えず遊技者に期待を持たせることができる。また通常演出が相対的に少なくなるので遊技者を退屈な気持ちにさせることを極力抑えることもできる。また連続区間演出はNB当選時よりもCB当選時に選ばれる割合が高くなっている。これは高確率時にCBに当選しても遊技状態が変化せず、遊技者にとってCBに当選することは大いに歓迎すべきだからである。更にNBまたはCB当選時の連続区間演出では必ず勝利となり、「連続区間演出で勝利=NBまたはCBに当選」という喜びを遊技者に確信させることができる。
特殊小役当選時には通常演出が選ばれ易くなっており、このときに仮に連続区間演出が選ばれたとしても、ハズレフラグ時にも連続区間演出が選ばれる可能性があるので(ハズレフラグ時の約1割で連続区間演出が選択される可能性がある)、遊技者にはハズレであったのかと思わせることができる。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、上記の各演出を内部抽選の結果とは異なる演出として行なわせることもできる。例えば、リプレイに当選した場合にスイカのナビゲーションを実行させたり、あるいはベルに当選した場合にハズレのナビゲーションを実行させたりすることである。ただしこのような演出の内容と結果(実際の出目、実際揃った当選種類)を異ならせるのは、少なくともNBまたはCBに当選したとき(あるいは特殊小役)とすることが望ましい。これは演出の内容と異なった結果が得られた場合、多くの遊技者はNBまたはCBに当選したのであるからこのような演出が行なわれたのだという期待を大いに抱くものであるから、その期待を裏切って遊技者の興趣を削いでしまわぬよう必要な配慮である。
更に特殊小役に当選したときには必ず連続区間演出を行なわせる内容としてもよい。特殊小役に当選した場合は、ベル、スイカ、チェリー、リプレイのいずれかの図柄が揃う(スイカは取りこぼす可能性がある)ことになるので、遊技者はそれが特殊小役であったと気付くことになる。しかし毎回同じ当選種類の図柄が揃って特殊小役に当選したこととなるとは限らない。従って遊技者がたとえ今回はベル図柄が揃って特殊小役に当選したことを察知したとしても、次回の特殊小役当選時にはリプレイ図柄が揃うこともあるので、遊技者は、全ての小役あるいはリプレイの当選時にワクワクした興奮を感じることとなる。
反対に特殊小役に当選したときには全く演出を行なわせない、つまり全て通常演出とする内容としてもよい。小役、リプレイ当選時にも通常演出が選ばれる割合は相当高い割合であるので、通常演出で小役あるいはリプレイ図柄が揃っても、遊技者に違和感を与えることがない。そして、通常演出でいずれかの図柄が揃った以降のゲームで小役が揃いやすくなってきたという感覚を遊技者に与えることができる。ただし遊技状態の変化に全く気付かずにゲームをしている遊技者(特に初心者)も多いので、遊技者にとって有利な遊技状態に変化したことをそれとなく示唆(明確ではないことが望ましい)する内容とすれば、スロットマシン1の面白さを最大限に引き出すことができる。
(7−2.各種演出表示のまとめ)
図17、図18は、連続区間演出で表示される画像の一例を示している。連続区間演出では、連続した4回のゲームにわたって主人公のキャラクターチームと相手キャラクターチームとで綱引き試合が行なわれる。図17(a)、(b)は綱引き試合のチーム紹介が行なわれている場面の画像である。図17(a)の画像の上半分の同じ顔の男の子が6人いるチームが主人公チームであり、画像の下半分のいろいろな顔のキャラクターが6人いるチームが相手チームである。図17(c)、(d)は綱引き試合が開始される場面の画像である。ここまでの連続区間演出で遊技者は綱引き試合の結果に胸を膨らませることになる。
図17(e)では白熱の試合が繰り広げられている場面の画像(勝つ可能性の高い白熱シーン)である。一方、図17(f)では主人公チームが押され気味の試合展開となっている場面の画像(負けるかもしれないシーン)である。この場面は連続したゲームの3ゲーム目に実行されることが多く、連続区間演出の最終ゲーム(4ゲーム目)に向けて遊技者の期待は最高潮に高まる。それはこの勝敗結果によってNBあるいはCBに当選したかもしれないという期待が確信へと近づくからである。試合の勝敗結果として、図18(a)は主人公のチームが勝利した場合、図18(b)は相手チームが勝利(つまり主人公のチームが負けた)場合を夫々表した画像である。この勝ち負けのいずれの結果となっても連続区間演出が終了する。従って勝利が近づく白熱シーン(図17(e))となれば、遊技者は少なくともチェリーかNBかCBまたは特殊小役に当選したことを確信できることになる。また仮に図17(f)の負けるかもしれないシーンとなれば、遊技者はたとえ負けたとしてもNB、CBあるいはチェリーに当選したか、あるいは特殊小役に当選したのかもしれないという期待を持ち続けることができる。
なお、上記は連続区間演出の画像の一例であり、これに限定されることはない。相手チームをランダムに様々なチーム(例えば、最強戦士軍団チームや全員女のキャラクターばかりのチーム、1人しかいないチーム)を登場させる態様であってもよい。図18(c)は主人公チーム6人に対し相手チームが1人だけであり、この場合、勝利が確定する(プレミアム)演出表示である。また、連続区間演出中のいずれのタイミングで、図18(d)の応援演出表示が行なわれると主人公チームの勝利がグンと高くなる。これは連続区間演出のどこで行なわれるか分からないので遊技者はたとえ負けそうな演出内容であっても最後まで諦めずにゲームを楽しむことができる。
(その他の実施形態についての言及)
以上は、スロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。遊技球を用いる回動式遊技機にも本発明を適用することができる。以下では、上記で述べた実施形態の一部を変形した例(変形例)について述べる。なお図面、符号等については上記の実施形態のスロットマシン1と同じとする。異なる場合は適宜符号等を新たに用いて説明する。
(変形例1)
抽選確率の変更が行なわれる特典に対応した当選種類は、特殊小役以外の当選種類であってもよい。例えば、従来のスロットマシン等で知られているSB(シングルボーナス)当選後、あるいはSBゲーム終了後に高確率遊技状態へ遊技状態を移行させることとする。SBは、SB図柄が揃うと次回のゲームのみメダルの獲得機会を付与するという特典に対応している。従って本実施形態のスロットマシン1での特殊小役とほとんど変わりなく適用することが可能である。また従来のスロットマシンのゲーム内容に慣れた遊技者にも親しみ易くすんなりと受け入れられるものである。
(変形例2)
CB当選時にも判定テーブル選択抽選を実行させることとしてもよい。ただしCB当選時にはNB当選時の振分け(1/2)に比べて高い程度の割合の振分け(例えば2/3程度)で高確率遊技状態に遊技状態の移行が行なわれることとすることが望ましい。これはCBがNBに比べて獲得可能なメダルの枚数が総じて少ない(NBの半分程度しか獲得できない)ので遊技者にあまり歓迎されない当選種類であるからである。
従って、CB当選時に高い割合で高確率遊技状態への遊技状態の移行が行なわれる内容とすれば、CBは遊技者に歓迎され易いものとなる。更に、遊技者に利益が過剰に付与されることを回避できるようNB当選時には高確率遊技状態に遊技状態が移行する割合を低く抑える(例えば1/4程度)と、ホールと遊技者の利益バランスもある程度均衡(または一定)に保つことが可能となる。NB、CBともに高確率遊技状態への移行が期待できることで、遊技者の興趣を更に高めることが可能となる。
またNB当選時に高確率遊技状態に遊技状態が移行する割合を抑えずに、反対に全てのNB当選時に高確率遊技状態に遊技状態を移行させる内容としてもよい。この場合、終了条件を設けて次回のNBまたはCBに当選するまで必ずしも高確率遊技状態を維持する必要はない。つまり終了条件を設けると、NBまたはCBに当選する前に高確率遊技状態から通常確率遊技状態に遊技状態を移行(または転落)させることが可能となる。これは、ホールと遊技者の利益バランスを取ることも可能である。ここで、終了条件としては、所定の回数のゲームを終えたとき(例えば100回)、所定の時間が経過したとき(例えば10分)、所定の当選種類に当選したとき(例えば、チェリーに当選したとき)、所定の当選種類に規定回数当選したとき(例えば、ベルに10回当選したとき)等がある。これをCB当選時にも適用させることとすれば、遊技者はどの当選種類(NB、CB)で当っても高確率遊技状態に移行することを期待できる。