JP2006527956A - デジタルアナログ変換器 - Google Patents
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Abstract
デジタルアナログ変換器は、複数個の変換素子および基準変換素子を含み、変換素子の出力と基準変換素子の出力との比較に応じて少なくとも1個の変換素子をキャリブレーションする不整合キャリブレーションユニットをさらに含む。不整合キャリブレーションユニットは、変化する状況下で変換素子からの出力と基準変換素子からの出力との間の差を決定することにより静的および動的不整合に関してソースをキャリブレーションする。
Description
本発明は、デジタルアナログ変換器と、デジタル信号をアナログ信号に変換する方法に関係する。
デジタルアナログ変換器は、通常は1ビット電流源であるが、それに限られることはなく、デジタル入力コードを表すアナログ信号を構築するために使用される複数の個別のソースを含む。得られたアナログ信号の精度は複数の要因に依存する。これらの要因のうちの一つは、すべてのソースが動作するレベルと互いに等しく振る舞う程度とを決定する個別のソースの間の整合である。この現象は、技術的に「不整合レベル」と呼ばれる。この不整合レベルは、静的不整合と動的不整合からなる2個の寄与要因を含む。静的不整合は、各ソースの入力コードが変化しないとき(すなわち、静的)、個別のソースの間で決定され得る差として定義される。動的不整合は、デジタル入力コードが互いに同じように変化させられる個別のソースの間の非静的な挙動の差として定義される。動的不整合は技術的に「グリッチ」不整合とも呼ばれる。最新の高速(高周波数と呼ばれることもある)D/A変換器では、変換されるべき信号もまた高周波数からなり、動的不整合は支配的な要因であると思われる。さらに、変換されるべき信号が低周波数である場合、または、さらに静的である場合、静的不整合は重要な要因である。
不整合をキャリブレーションする既知の技術は、ソース間の出力不整合を平均化する効果を有する選択アルゴリズムの使用を伴う。たとえば、米国特許第5406283号は、デジタルアナログ変換器におけるデジタルアナログ変換ユニット素子間の小さな不整合を補正する技術を提案し、そのために、デジタルアナログ変換器は、デジタル信号の各値を変換するユニット素子の連続する種々の順列を循環的に選択する手段を含み、それによって、ユニット素子間の不整合をランダム化する。しかし、このような循環手段は、各ユニット素子の誤差を除去または補償する問題を解決しない。システムは、通例のように非常に多数のユニット素子を含むデジタルアナログ変換器において、各素子に関連した誤差が適切に相殺される程度が制限されるという不利を被る。
本発明の目的は、従来技術よりも精度が改良され、高速で高周波数の変換器における動的不整合を抑制するため特に適した、不整合をキャリブレーションする代替的な案を提供することである。
上記の目的およびさらなる目的は請求項1に記載されたデジタルアナログ変換器によって実現される。このように定義された本発明の変換器は、正確な不整合キャリブレーションを提供するため基準との比較の結果のフィードバックを使用する。この案は、別々に、または、組み合わせて静的不整合キャリブレーションに適用可能である。
本発明は、請求項12に記載されたデジタル信号をアナログ信号に変換する方法、および、請求項15に記載されたデジタルアナログ変換器の不整合キャリブレーションユニットをさらに対象にする。
本発明がより完全に理解されるように、次に本発明の実施形態が単なる一例として、図面を参照して説明される。
図1は3ビットのデジタルアナログ変換器1を表す。デジタルアナログ変換器1は、デジタルデコーダ4、クロック6によって発生されたクロック信号に応答する複数のラッチ8、および、ラッチ8によって発生されたラッチ信号に応答する複数のスイッチ7を含む。各変換素子9は関連したスイッチ7が設けられる。好ましくは、デジタルデコーダユニット4は、マルチビットデジタル入力信号を受信し、ラッチ8の組は、各ラッチがデジタルデコーダによって出力されたそれぞれの信号に応じて変換素子9の1個ずつを出力11、13、16へ選択的に接続するように構成される。好ましくは、さらに、各ラッチ8は、その対応する変換素子9を、出力ユニット11、13、16への第1の入力INまたは第2の入力IPのいずれかへ接続するように構成され、ここで、出力ユニット11、13、16は出力アナログ信号が得られるように、第1の入力INおよび第2の入力IPからの信号を合成するため適合する。変換素子は、ラッチ信号に応じて出力ノード16への第1の出力ライン11または第2の出力ライン13へ向けられたアナログ信号を供給する。さらに設けられているのは、第1の基準変換素子に関して第2の変換素子をキャリブレーションするキャリブレーション回路である。このキャリブレーション回路は、第1の電流担体と第2の電流担体の間で選択を行うマスタースイッチ10と、個別の電流I1およびI2を選択するソースセレクタスイッチ30と、直流ICPとICNとの間の差を測定する直流(DC)電流測定器12とを含む。ソースセレクタスイッチ30の機能は、キャリブレーション用の電流源、すなわち、例示された実施例では、I1およびI2を出力信号11、13から切り離し、電流源I2およびI2を基準ソースとして動作するソースI1のためのライン15、17とキャリブレーションされるべきソースI2のためのライン19、21とを介してキャリブレーション回路に結合することである。ソースセレクタスイッチは、かくして、1個のソースI1が別のソースI2から区別されることを可能にする。上記のように、ラッチ信号は、電流源が第1の出力ライン11へ導かれるか、または、第2の出力ライン13へ導かれるかを決める。図1、3および4から分かるように、電流源によって発生された電流、特に、図示されているようにI1、I2およびIREFは、ラッチ信号に依存して二つの区間(leg)のうちの一方を介して導かれる。図中では右側の区間として表されている各電流源の第1の区間によって伝達される電流は、それぞれ、I1+、I2+またはIREF+と呼ばれ、もう一方の第2の区間を通る電流は、それぞれ、I1−、I2−またはIREF−のように呼ばれる。ラッチ信号は第1の区間または第2の区間からの電流を切り換えるので、どの時点においても、第1または第2の区間が電流I1、I2またはIREFをそれぞれ伝達し、もう一方の区間で伝達される電流はゼロである。図1を参照すると、ライン15によって伝達される電流はI1−と呼ばれ、ライン17によるものはI1+、ライン19によるものはI2−、および、ライン21によるものはI2+と呼ばれる。図示されているように、同一の名称がキャリブレーションされるべきソースの区間19、21のそれぞれに割り当てられる。たとえば、ソース番号2の区間によって伝達される信号は、図4において、I2+およびI2−と呼ばれる。以下の説明では、説明の簡潔性および一貫性のため、ラッチのデータ信号が「1」であるならば、ラッチは「+」区間(すなわち、第2の区間)がソース電流を伝達し、「−」区間(すなわち、第1の区間)は電流を伝達しないようにスイッチをセットすることを仮定する。また、その結果、データ信号が「0」であるならば、「−」区間はソース電流を伝達し、「+」区間はゼロである。この名称は、図6および7においても使用され、同じ意味をもつことが意図されている。
第1の出力ラインおよび第2の出力ライン上の測定DC電流レベルの間の差は、第1の変換素子と第2の変換素子との間の静的誤差および種々の動的誤差を決定するため使用される。DC電流測定器によって測定された差は、デジタル信号の形式でキャリブレーション制御回路2へ供給され、キャリブレーション制御回路2は、測定差に応じて、補償される静的および種々の動的誤差が第2の変換素子と基準変換素子との間で整合するように、キャリブレーション信号を第2の変換素子へ供給する。
単に一実施例として、図1は、デジタルデータ000〜111を変換するように構成された3ビットのデジタルアナログ変換器を表す。3ビットデジタルデータをアナログ信号に変換するため、I1〜I7のように図示された7個の変換素子9(すなわち、23−1個の変換素子)が必要とされる。実際上、デジタルアナログ変換器は、3個よりも多い非常に多数のビットを有するデータを変換するように構成されることが理解されるであろう。これは、適切な個数のソースおよびラッチと適切な制御回路を設けることによって実現される。本発明は、変換用のデータに含まれるビット数に関して限定されない。
図1において、変換素子は電流源である。しかし、本発明はこの点に関して制限されることなく、変換素子は電圧源でもよく、または、実際には、適切な信号を受けるときにソースとして機能する素子のグループでもよい。特に、公称1ビットのアナログ信号が公称1ビットのユニットのスイッチングから生成され、生成された信号は測定され、他のユニットと同じになるように調整される。他のソースが選択されるならば、図1に示されたアーキテクチャは適切に改造されるが、以下に説明されるような構成回路は同じ原理に従う。たとえば、電圧源が選択されるならば、電流の代わりに電圧を測定することが必要である。しかし、電流源が使用されるとき、電流または電圧のどちら一方を直接的に測定すればよいことに注意すべきである。
一実施形態では、ソースは互いに実質的に一致するように選択され、たとえば、一連の実質的に同一のユニットソースが選択される。しかし、代替的な実施形態では、ソースは、既にキャリブレーションされたソースの組み合わせが次のソースをキャリブレーションするため使用されるように選択される。たとえば、ソースによって発生された電流が前のソースによって発生された電流の倍数、たとえば、2倍であるように、一連のソースが選択される。このようにして、電流は各ソースを通るたびに2倍になるので、I1=1電流単位、I2=2電流単位、I3=4電流単位、I4=8電流単位であり、以下同様である。このバイナリアーキテクチャはデジタルアナログ変換器に特有の用途がある。この特有の実施形態では、基準ソースが同様に設けられ、基準を流れる電流はIref=1単位である。基準ソースは、この場合、ソースI1=1単位をキャリブレーションするため使用される。I1がIREFを使用してキャリブレーションされた後、IREFとI1の組み合わせがI2をキャリブレートするために基準ソースIREF2として使用され、2単位の電流を発生する。同様に引き続いて、IREF、I1およびI2の組み合わせがI3をキャリブレーションするために基準ソースIREF3として使用され、4ユニットの電流を発生し、最大電流源がその他のソースに関してキャリブレーションされるまで同様である。
本発明は、理論的には同一であり、実際に完全には同一ではないためにキャリブレーションを必要とする一連のソースを含むデジタルアナログ変換器に適用可能である。したがって、本発明は、従来型の、すなわち、ナイキストの変換器だけでなく、シグマデルタ型変換器、特に、フィードバックループにおいて従来使用されているD/A変換器にも適用される。
図4をさらに参照すると、変換素子選択ロジック4、8は、変換素子と、その変換素子が出力を導く場所を選択するため設けられる。変換素子選択ロジックは、好ましくは、デジタルデコーダ4およびラッチ8を含む。ラッチ8の機能はスイッチ7を二つの一のうちの一方へ駆動することである。第1の位置では、ラッチは、スイッチ7に電流(または、電圧源が使用されるならば電圧)を、接点3を介して第1の区間I1+へ導く。通常動作中に、このソースがキャリブレーションされないならば、この区間は、電流IPを伝達する第1の出力ライン11に接続される。キャリブレーション中に、ソースセレクタ30はこの区間I1+をマスタースイッチ10へ接続する。第2の位置では、ラッチ8は、スイッチ7に電流(または、電圧源が使用されるならば電圧)を、接点5を介して第2の区間I1−へ導く。この場合も、通常動作中に、この第2の区間は電流INを伝達する第2の出力ライン13に接続される。しかも、キャリブレーション中に、この第2の区間I1−はマスタースイッチ10のもう一方側へ接続される。ラッチ8は、電流が一方の区間I1+またはもう一方の区間I1−を流れることを可能にさせる。したがって、ラッチの選択は変換器のアナログ出力を決定する。デジタルデコーダは、入力デジタルデータに基づいて、各ソースが切り換えられるべき方法を決定する。すべてのスイッチが実質的に同じ時点で切り換えられることが重要であるので、ラッチは実際のスイッチング時を制御する。キャリブレーション回路2によって発生された動的キャリブレーション信号はラッチ8へ供給される。第1の出力ラインIPおよび第2の出力ラインINの出力は、それぞれ、アナログ信号電流IPおよびその補数であるINに一致する。したがって、アナログ出力信号は、第1の出力ライン上の電流と第2の出力ライン上の電流との間の差、すなわち、IP−INである。
マスタースイッチ10は、図4を参照してより詳細に明らかにされ説明されるように2個のスイッチング素子を含むダブルスイッチである。両方のスイッチング素子は同じ信号によって制御される。マスタースイッチ10はICPとICNを流れる電流を交換するため使用される。位置「ゼロ」またはモード1とも呼ばれる第1のスイッチング位置において、両方のスイッチング素子は、ICPがソースIREFからの電流を伝達し、ICNがInからの電流を伝達するように命令される。位置「1」またはモード2とも呼ばれる第2のスイッチング位置において、両方のスイッチング素子は、ICPがソースInからの電流を伝達し、ICNがIREFを伝達するように命令される。しかし、これはラッチの位置にも依存することに注意する必要がある。好ましくは、キャリブレーション回路の最適動作のため、キャリブレーションされるソースI1〜I7のラッチ8と基準ソースIREFのラッチ8は、キャリブレーション電流の和がマスタースイッチの一方の区間、すなわち、ICPまたはICNのいずれかを流れ、基準電流の和がもう一方の区間を流れるようにすることが重要であることが分かった。マスタースイッチ10はさらにDC電流測定器12に接続される。かくして、どの時点においても、DCメーター12の一方の区間が基準ソースに接続され、もう一方の区間がキャリブレーションされるべきソースに接続される。マスタースイッチ10の機能は図5〜7を参照してより詳細に説明される。
DC電流測定器12は、好ましくは、測定電流に基づいてデジタル信号を発生するため、電流測定器およびアナログデジタル変換器を含む。好ましくは、シグマデルタ型アナログデジタル変換器が使用される。マスタースイッチ10は、DC電流測定器への入力を決定するので、オフセットおよび測定時間を電流測定に考慮する必要がない。オフセットおよび測定時間は電流測定における要因ではないので、これは正確な電流測定が行われることを可能にする。DC電流測定器12は図4〜7を参照して以下でより詳細に説明される。
上記のように、DC電流測定器12からのデジタル出力はキャリブレーション回路2へ供給される。キャリブレーション回路2は、信号源を補正するため信号を発生するロジック素子を含む。キャリブレーション信号はキャリブレーションされるべき変換素子I2に供給され、好ましくは、基準素子I1にも供給される。特定の実施形態では、キャリブレーション信号は補正回路20に供給される。補正回路20は、たとえば、調整可能なパラメータを備えた低域通過フィルタを含む。たとえば、抵抗器とコンデンサからなる(RC)フィルタが設けられ、容量または抵抗は時定数を調整可能にするため可変である。離散信号ドメインでは、低域通過フィルタは、キャリブレーションされるべき変換素子のラッチの出力に配置される調整可能な遅延として働く。このようにして、抵抗は、たとえば、キャリブレーション回路2によって発生されたバイナリコードを用いて不連続的(離散的に)に変更される。バイナリコードは、一連の並列された抵抗器である抵抗器バンクに供給され、抵抗器はバイナリコードに応じてスイッチによって個別に選択される。抵抗器のバンクは様々なサイズを有する抵抗器を含むが、このことは本質的ではない。代替的な実施形態では、補正回路は不可欠ではなく、補正回路なしで済まされる。この代替的な実施形態では、信号源のDCレベルは、キャリブレーションされるべき個別のソースを補正することによって対処されない。この代替的な実施形態では、静的および種々の動的誤差に対する誤差計算を含むすべてのソースの正味誤差がデータサンプル毎にキャリブレーション回路2によってデジタル的に計算され、独立したソースの組にソースの組I1〜I7から引き算された計算正味誤差に一致する信号を発生させるため独立したソースの組(図示せず)に作用するキャリブレーション信号を発生する。
キャリブレーションが実行されるとき、および、キャリブレーションが実行される頻度は、デジタルアナログ変換器の特定のアプリケーションに依存する。一実施形態では、キャリブレーションは始動中に、すなわち、電源が投入されるときに1回実行される。或いは、状況に依存して、キャリブレーションをもっと頻度の高い間隔で、たとえば、特定のアプリケーションに依存して、毎秒、毎分、または、毎時に実行すべき場合がある。図1に示された実施形態では、デジタルアナログ変換器はキャリブレーション中に使用できない。これは「オフライン」キャリブレーションとも呼ばれる。しかし、図3に示された実施形態では、キャリブレーションは変換器が機能している間に実行されてもよい。これは「オンライン」キャリブレーションとも呼ばれる。
図2は本発明によるデジタルアナログ変換器の出力信号を表す。上記のように、デジタルアナログ変換器の出力信号は、第1の出力ライン11上で伝達される電流、すなわち、伝達電流IPと、第2の出力ライン13上で伝達される伝達電流INとの差に等しく、すなわち、出力端子16からの出力信号はIP−INである。図2において、たとえば、ミリアンペア単位の出力信号(IP−IN)が時間に対してプロットされている。図2において、出力信号を発生するため使用された電流源は実質的に同一であり、それぞれが実質的に1ミリアンペアに等しい電流を発生し、すなわち、I1=I2=・・・=I7=1ミリアンペアである。
デジタル入力コード毎に、デジタルデコーダ4は、第1の出力ライン11によって伝達されるアナログ信号電流IPを与えるために切り換えられるべき変換素子の個数を確定するため、デジタル入力コードの10進数値を決定する。切り換えられる変換素子の合計がデジタル入力コードの10進数値に等しいならば、どの変換素子が切り換えられるかは問題ではない。アナログ信号出力ライン11へ切り換えられない変換素子は、第2の出力ライン13上でアナログ信号電流の補数INを与えるために切り換えられる。図1に示された実施例では、すべてのデジタル入力コードに対し、すべての変換素子が第1の出力ラインまたは第2の出力ラインのいずれかに切り換えられる。このことは本質的ではないが、電源に一定負荷を生ずるので好ましい。
このように、図2を参照すると、通常動作において、デジタル入力コード000は、各ソースI1〜I7に関連した各ラッチ8が電流を第2の出力ラインINへ向けるようにデジタルデコーダ4に信号を発生させる。これは、図1においてスイッチ7を右へ動かし、接点素子3と接触させることによって実現される。しかし、キャリブレーションモードでは、キャリブレーション位置にあるソースセレクタ30は、図1を参照して上述したように、電流をINおよびIPから切り離すことが分かるであろう。図1は、デジタルアナログ変換器が通常モードであるか、または、キャリブレーションモードであるかを明示的に表さないことに注意すべきである。
通常モードでは、図1においてスイッチ7が右へ動かされ、各電流源は1ミリアンペアの電流を発生する。かくして、出力端子16において、第2の出力ライン13で伝達される全電流INは7mAに等しく、第1の出力ライン11で伝達される全電流IPは0mAである。したがって、IP−IN=−7mAであるので、デジタル入力コード000に対し、出力信号は−7mAである。デジタル入力コード001に対し、デジタルデコーダ4は、各ソースI1〜I6と関連した各ラッチ8に電流を第2の出力ライン13へ導かせ、ソースI7と関連したラッチ8に電流を第1の出力ライン11へ導かせるために信号を発生する。このようにして、IP=1mAおよびIN=6mAである。よって、IP−IN=−5mAである。同じ原理がデジタル入力コード010、011、100、101、110および111に適用される。したがって、たとえば、デジタルデコーダ4は、デジタル入力コード111から変換素子I1〜I7と関連したラッチ8への信号を発生し、すべての変換素子I1〜I7からの電流を第1の出力ライン11へ導き、電流IP=7mAを形成する。よって、IP−IN=7−0=7mAである。これは、スイッチ7を接点素子5に向かって左へ動かすラッチ8によって実現される。
図2から分かるように、時点t0で、デジタル入力コード000は−7ミリアンペアの出力を生成する。時点t1で、デジタル入力コード001は−5mAの出力を生成する。時点t2で、デジタル入力コード010は−3mAの出力を生成する。時点t3で、デジタル入力コード101は3mAの出力を生成する。時点t4で、デジタル入力コード111は7mAの出力を生成する。
図2に表された結果は、本発明によるキャリブレーション回路を使用してキャリブレーションされたアナログデジタル変換器を用いて得られた。特に、時点t=t1〜t4において、変換素子のスイッチングと適切な出力信号の達成との間に遅延が無いことが分かる。これは、素子のスイッチングと適切な出力信号の達成との間に遅延が見られる従来のデジタルアナログ変換器とは対照をなす。このような遅延はある特殊なタイプの動的不整合の原因となると考えられる。したがって、図2から、従来の変換器における動的不整合と関連した問題は解決されていることが分かる。静的および動的不整合に関する変換器のキャリブレーションは図5〜7を参照してより詳細に説明される。
図3は本発明のさらなる実施形態によるデジタルアナログ変換器を表す。図1に示された素子と同じ参照番号を有する図3の素子は、図1において説明されたものとは異なる細部またはそれらの態様が拡張されない限り、特に図3を参照して重ねて説明しない。図1に示された実施形態では、「オフライン」キャリブレーションが行われ、すなわち、キャリブレーションされるべきソースが通常動作から除外される(オフライン)。図3に示された実施形態では、キャリブレーションは、デジタルアナログ変換器の通常動作がキャリブレーション中に継続することを許容したままの状態で行うことが可能である。したがって、図3に示されたキャリブレーションは、キャリブレーション中のソースが通常動作のため利用できないので、厳密には「オンライン」ではないが、変換器の動作は、以下に説明するように一時的なソースITEMPの存在によって継続することが許される。
図3に示された実施形態では、基準変換素子IREFは、変換素子I1〜I7をキャリブレーションするときに備えている。特に図示された実施形態では、基準変換素子IREFは変換素子I2をキャリブレーションするため使用されている。付加的な変換素子ITEMPは関連したラッチと共に設けられる。さらに、デジタルデコーダ4は、どの変換素子がキャリブレーションされるかを判定し、キャリブレーション中の変換素子I2ではなく、所定の位置にある一時的変換素子ITEMPにデジタル制御信号を転送する。このようにして、変換器の動作はキャリブレーション手続きによって中断されることなく継続する。基準変換素子IREFはこの実施形態の本質でないことに注意する。実際上、図1を参照して既に説明したように、いずれか1個の変換素子I1〜I7を、他の素子がキャリブレーションされるときに、基準素子として使用してもよい。キャリブレーション専用に付加的な基準素子を設ける必要はない。しかし、この場合、デジタルアナログ変換器の通常動作がソースのキャリブレーション中に継続することを可能にするため、2個の一時的な素子が設けられ(2個目の一時的な素子は図3に示されていない)、いかなる時でもキャリブレーションに関与している素子の代わりをする。さらに、デジタルデコーダは、適切な一時的変換素子にデジタル制御コードを供給するようにアレンジされる。キャリブレーションモードでは、ソースセレクタ30は、区間15、17、19、21を選択し、その結果、基準ソースIREFに関して、第1の区間15で伝達される電流はIREF+であり、キャリブレーションされるソースI2に関して、第1の区間で伝達される電流はI2+であり、第2の区間で伝達される電流はI2−である。
図4は本発明のキャリブレーション回路のアーキテクチャの詳細を表す。図1に示された素子と同じ参照番号を有する図4の素子は、図1において説明されたものとは異なる細部またはそれらの態様が拡張されない限り、特に図4を参照して重ねて説明しない。変換素子InおよびIREFが示され、変換素子Inが変換素子IREFに関してキャリブレーションされる。キャリブレーションモードでは、変換素子Inの第1の出力ラインIN+は変換素子IREFの第1の出力ラインIREF+に接続される。第2の出力ラインIn−、IREF−は同様に接続される。ソースセレクタ30が設けられる。ソースセレクタ30の機能は、どちらのソースのどちらの出力がマスタースイッチ10へ導かれるかを選択することである。このようにして、図4に示された実施形態では、セレクタスイッチ30は、マスタースイッチ10への入力のため、変換素子InおよびIREFの出力を選択する。変換素子Inのキャリブレーションに続いて、セレクタ素子は必要な素子がキャリブレーションされるまで、IREFと共に、In+1などを選択することが分かるであろう。ソースセレクタ30は、選択されたソース毎に、第1の出力ラインおよび第2の出力ラインの両方、すなわち、IN+、IN−、IREF+、IREF−を選択するようにアレンジされる。マスタースイッチ10は二つのモードをもつ。第1のモードでは、図4に示されるように、両方のスイッチ素子17が左側の位置にある。第2のモードでは、両方のスイッチ素子17が右側の位置にある。
以下のように、キャリブレーションは3段階からなり、第1段階では、静的キャリブレーションが実行される。マスタースイッチ選択に基づいて測定されたDC電流差測定値に基づくデジタルキャリブレーションロジックによって決定されるような静的キャリブレーション制御信号18は、フィードバックによって変換素子Inに供給される。動的キャリブレーションは2段階、すなわち、基準素子に関してキャリブレーションされるべき変換素子のデューティサイクルのキャリブレーションと、基準素子に関してキャリブレーションされるべき変換素子のスイッチング遅延のキャリブレーションとからなる。各キャリブレーションは、フィードバックによってそれぞれのラッチ8へ供給される動的キャリブレーション制御信号19を生ずる。動的キャリブレーション制御信号19は、したがって、デューティサイクルキャリブレーションを表す第1の成分と、スイッチング遅延キャリブレーションを表す第2の成分の2成分を含む。図4は、各変換素子およびラッチが個別に補正される実施形態を示すことに注意すべきである。しかし、上記の本発明は、この点に関して限定されることがなく、代替的な実施形態は、正味誤差を決定し、独立した変換素子の組を使用して変換器の総合出力から正味誤差を差し引く。
図5は、上記の第1段階と呼ばれる、基準変換素子に関する変換素子の静的キャリブレーションの一実施例を表す。この第1段階では、DC電流I2が電流IREFに関してキャリブレーションされる。上記のように、IREFは基準ソースで測定されたDC電流であり、I1でもよいが、そうでなくてもよい。スイッチは、DC電流メーターが電流差を測定し、キャリブレーションロジックがキャリブレーション対象のソースを調整し、その結果、測定電流差が最小化されるようにセットされる。図5には、3個のグラフa)〜c)が表されている。各グラフは、測定DC電流(y軸)対時間(x軸)のプロットである。各グラフの左側には、マスタースイッチがゼロに等しくセットされたときに測定されたDC電流が示されている。マスタースイッチが「ゼロ」位置にセットされたとき、この配置は以下ではモード1、すなわち、M1と呼ばれる。各グラフの右側には、マスタースイッチがその「1」位置にセットされたときに測定されたDC電流が示されている。マスタースイッチがこの位置にあるとき、この配置は以下では、モード2、すなわち、M2と呼ばれる。図4を参照して分かるように、マスタースイッチはスイッチ17の両方の部分が接点21と接触するときにその「ゼロ」位置にあり、スイッチの両方の部分が接点22と接触するときにその「1」位置にある。
特に、図5は本発明がDC電流オフセット誤差Ierrを測定する方法を説明する。グラフa)では、ICP回路(または区間)において測定されたDC電流は時間に対してプロットされる。モード1では、ICP回路において測定されたDC電流がIREFに等しく、モード2では、I2に等しいことが分かる。グラフb)では、DC測定器における誤差オフセットの量Ierrは細い連続線として表されている。さらに、グラフb)は、時間に対してプロットされた、ICN回路(または区間)において測定されたDC電流を表す。モード1では、ICN回路で測定されたDC電流はI2+Ierrに等しく、モード2では、ICN回路で測定されたDC電流はIREF+Ierrの和に等しいことが分かる。グラフc)では、ICP回路で測定されたDC電流とICN回路で測定されたDC電流との差であるICP−ICNが表されている。モード1におけるICP回路とICN回路との間のDC電流の差はIREF−I2−Ierrに等しく、モード2では、その差はI2−IREF−Ierrに等しい。二つのモードで測定された電流の差を決定することによって、オフセット誤差Ierrが相殺され、モード間の差がIREFとI2の間の差の2倍と同じであることが分かった。これは、
M1−M2=IREF−I2−Ierr−(I2−IREF−Ierr)
=2(IREF−I2)
によって明らかにされる。したがって、二つのモードを切り換えるために上記のマスタースイッチを使用することにより、オフセット誤差は除去されることが分かった。図5に関する上記実施例では、オフセット誤差が一方の区間(すなわち、ICN区間)だけに導入されたことに注意すべきである。しかし、本発明は、この点に関して限定されることはなく、本発明によるマスタースイッチは、他の区間(すなわち、ICP区間)または両方の区間の間の差におけるオフセット誤差を除去するために機能することが認められるであろう。グラフc)に関して、負のIerrが細い連続線として示されていることを注釈する。
M1−M2=IREF−I2−Ierr−(I2−IREF−Ierr)
=2(IREF−I2)
によって明らかにされる。したがって、二つのモードを切り換えるために上記のマスタースイッチを使用することにより、オフセット誤差は除去されることが分かった。図5に関する上記実施例では、オフセット誤差が一方の区間(すなわち、ICN区間)だけに導入されたことに注意すべきである。しかし、本発明は、この点に関して限定されることはなく、本発明によるマスタースイッチは、他の区間(すなわち、ICP区間)または両方の区間の間の差におけるオフセット誤差を除去するために機能することが認められるであろう。グラフc)に関して、負のIerrが細い連続線として示されていることを注釈する。
次に、図6および7を参照して動的キャリブレーションについて説明する。上記のように、この第2段階は、好ましくは、図6に示されるようなデューティサイクルに関するキャリブレーションと、図7に示されるような遅延に関するキャリブレーションの二つの段階を含む。一般に、以下に説明するデューティサイクルキャリブレーションモードは基準ソースを必要としないことに注意すべきである。デューティサイクルのキャリブレーションは、キャリブレーションされるべき電流源が準備され、観察されることだけを必要とすることに関して、図6を参照されたい。したがって、デューティサイクルキャリブレーションモードでは、基準ソースのためのソースセレクタも不要であり、それによって、好ましくは、デューティサイクルキャリブレーションモードでは、ソースセレクタは電流をダンプライン(図示せず)に切り換える。さらなる一般的な注釈として、静的および動的キャリブレーションに関して、各キャリブレーションの結果がキャリブレーションの後続のステップのため必要であることを付け加える。たとえば、静的キャリブレーションの結果はデューティサイクルのキャリブレーションのために必要であり、デューティサイクルのキャリブレーションの結果は遅延のキャリブレーションのために必要である。たとえば、静的不整合が現れると、デューティサイクルは、現在分かっている静的不整合のための信号が補正された場合に限り補正される。この場合も、この補正は静的補正信号をキャリブレーション中のソースに加えることによって行われる。或いは、この補正はデジタルキャリブレーションロジック2によって実行される。たとえば、静的不整合が判明すると、この不整合はデジタルキャリブレーションロジックへ入力され、その結果、信号が測定されるならば、誤差を表す既知の不整合は、測定信号からデジタル的に差し引かれ、所望の信号を生じる。同様の方法で、デューティサイクル誤差が判明すると、それは、同様に、デジタルキャリブレーションロジック2へ入力され、デジタルキャリブレーションロジックは次に遅延に関するキャリブレーションの際にこの誤差を考慮する。
図6は基準変換素子に関する変換素子のデューティサイクルキャリブレーションの一実施例を表す。図5と同じように、図6はDCオフセット誤差IerrがICN区間に存在する場合における三つのグラフa)〜c)を表す。各グラフa)〜c)は、時間(x軸)に対する測定電流(y軸)のプロットである。各グラフの左側には、マスタースイッチがその「ゼロ」位置にセットされたときに測定された電流がある。上記のように、この配置は以下では、モード1、すなわち、M1と呼ばれる。各グラフの右側には、マスタースイッチがその「1」位置にあるときに測定されたDC電流が表されている。マスタースイッチがその「1」位置にあるとき、この配置は以下では、モード2、すなわち、M2と呼ばれる。DCオフセット誤差の負の値−Ierrは細い連続線として表される。
図6から分かるように、電流源I2のデューティサイクルは一様ではなく、すなわち、入力データが010101・・・であるとしても、電流源I2が一方の位置I2+にある期間は、もう一方の位置I2−にある期間より長い。長時間に亘って平均化されると、これはDC誤差の原因となる。オフセット誤差Ierrが上記の技術を使用して除去されると、デューティサイクル誤差から生じるDC誤差が測定され、測定誤差に基づいてキャリブレーション信号が得られることが分かった。好ましくは、本質的ではないが、キャリブレーションされるべきソースのためのデータストリームは連続的に変化させられる(010101010・・・)。平均DC出力電流はDC電流測定器によって2回測定される。マスタースイッチのそれぞれの位置について1回ずつである。これらの2回の結果の差、すなわち、M1−M2は、DCオフセット誤差Ierrを考慮していないキャリブレーションされるべきソースのデューティサイクルを与える。デューティサイクルが判明すると、それは様々な方法で変更される。一実施形態では、ラッチ内のクロック同期データ信号のスレッショルドが変更される。たとえば、以下の回路(すなわち、クロック同期データ信号に応答する回路)のスレッショルドが増加されるならば、この回路がデータ信号のローからハイへの変化を検出するための所要時間は僅かに長くなり、同時に、データ信号のハイからローへの変化を検出するための所要時間が僅かに短くなる。
たとえば、図6に示されたグラフa)では、ICP区間の電流が測定される。グラフb)では、ICN区間の電流が測定される。時点t1において、測定電流は長い方の期間の位置の最大測定電流I2+であることが分かる。時点t2において、測定電流は短い方の期間の位置の最小測定電流I2+とオフセット誤差Ierrの和であることが分かる。時点t3において、測定電流は、短い方の期間に亘って維持された、その位置における最大測定電流I2−である。時点t4において、測定電流は短い方の期間の位置の最小測定電流とオフセット誤差Ierrの和である。グラフc)は、ICP区間とICN区間で測定された電流の時間的な差を表す。線60はモード1におけるICP区間での測定電流とICN区間での測定電流の直流(DC)差を表し、線61はモード2におけるICP区間での測定電流とICN区間での測定電流の直流(DC)差を表す。二つのモードで測定されたDC差の間の差、すなわち、線60と線61の電流値の間の差は、デューティサイクルの誤差の2倍と同じであることが分かった。したがって、二つのモードの間のDC差を決定することにより、デューティサイクル誤差のキャリブレーションを表すキャリブレーション信号が発生され、キャリブレーション対象のソースI2へ入力される。
動的キャリブレーションの第2の段階は、ソース間の遅延不整合に関して変換素子をキャリブレーションする。図7は、基準変換素子IREFに関する変換素子I2のスイッチング遅延キャリブレーションの一実施例を表す。図7は5個のグラフa)〜e)を表す。各グラフは、時間(x軸)に対する測定電流(y軸)のプロットである。グラフa)は、ラッチが周期的に切り替わる場合にラッチ8(図4を参照)の下流の一方の区間に基準ソースによって生成された電流のプロットである。図1を参照して説明したように、この区間を通る電流はIREF+と呼ばれ、もう一方の区間を通る電流はIREF−と呼ばれる。かくして、どの時点においても、これらの二つの区間のうちのいずれか一方が電流IREFを伝達し、もう一方はゼロである。基準ラッチがこのプロセスを支配する。同じ名称がキャリブレーションされるべきソースの区間に割り当てられる。よって、図7を参照すると、ソース番号2に対して、第1の区間および第2の区間の電流はそれぞれにI2−およびI2+である。ここで、ラッチのデータ信号が「1」であるならば、そのラッチは、「+」側区間がソース電流を伝達し、「−」側区間が電流を伝達しないようにスイッチをセットすると仮定する。したがって、データ信号が「0」であるならば、「−」側区間はソース電流を伝達し、「+」側区間はゼロである。
このようにして、グラフ7a)は時間的に1サイクルの間に区間IREF+を通る電流を表し、グラフ7b)は同じサイクルの間に区間I2+を通る電流を表す。同じデータ信号がI2およびIREFの両方のソースのラッチ8に供給されると仮定するならば、I2のラッチはIREFのラッチよりも量tdeだけ遅延していることが明らかである。次に、キャリブレーションユニットのDC電流測定器がこの遅延tdeを測定する方法について説明する。そのため、最初に、ICP区間を通る電流が調べられる。
マスタースイッチが「0」位置にあるならば、ICP区間はIREF+とI2−の両方に接続されていると考えられるので(図4および7cを参照)、ICN区間はIREF−およびI2+に接続されるであろう。当然ながら、これらのコネクションは、マスタースイッチが「1」位置を取るときには入れ替えられるので、ICPはその場合にはIREF−およびI2+の両方に接続され、ICNはIREF+およびI2−に接続される。次に、2個の異なるソースの「+」と「−」の記号はICP区間で常に組み合わされるので、両方のラッチ上のデータ信号が等しいならば、ソース電流IREFとI2の一方だけがICPを流れる。そして、もう一方のソース電流はICNを流れる。
したがって、マスタースイッチが「0」位置である場合に、ICP区間はIREF+とI2−によって伝達される電流の組み合わせを伝達し、これはデータ信号が等しいならば一方のソースによって発生される電流と同じである。しかし、両方のラッチのデータ信号が同じであり、しかも、たとえば、・・・1100110011・・・の形式で交番するならば、ICP区間を通る電流は、図7aおよび7bに示されるような遅延が存在するならば、もはや一定ではない。ICPを通る電流は、I2のラッチがIREFよりも遅延しているので、データ信号がハイからローへ変化するとき、図7cの最初の部分に示されているように一時的にゼロになる。
次に、データ信号が両方のラッチでロー信号からハイ信号へ戻されるならば、IREFラッチは電流をIREF+区間へ既に切り換え、I2ラッチがI2−区間から電流を取り除く際に遅延があるので、ICPは両方のソースの電流を一時的に伝達する。しかし、この状況は、データ信号がローからハイへ変化するよりも先行してマスタースイッチ10を切り換えることによって回避される。その結果、ICN区間は2倍の電流を取得し、ICP区間は再びゼロを受け取る。これは図7cおよび7dに示され、マスタースイッチ10のスイッチングがラッチ8のスイッチングよりも半サイクル遅れる。したがって、たとえば、ラッチ8へ供給されるデータ信号が上記の・・・110011001100・・・のパターンをもつならば、マスタースイッチ10は・・・1000110011001・・・のパターンに従って切り替わるようにアレンジされる。
グラフe)は、ICPとICNとの間の長時間に亘る電流差、すなわち、ICP−ICNを決定する電流差測定器の出力の時間的なプロットを表す。参照符号70によって示された平均DC電流は長時間に亘って決定される。遅延誤差は測定電流に比例することが分かった。その理由は、平均測定電流は、Iに時間遅延と期間の比を乗じたものであり、ここで、IはI2=IREF(I2はIREFに等しくなるようにキャリブレーションされていることに注意)に等しく、時間遅延(Tdelay)は望ましくない遅延に等しく、期間(Tperiod)はマスタースイッチが一方の位置、たとえば、モード1の状態になる時間である。したがって、厳密には、望ましくない時間遅延(Tdelay)を決定するために、計算が必要である。しかし、最終的には時間を直接的に決定するのではなく誤差電流を決定する必要があるので、この計算は不可欠ではない。一つのスイッチにおいて、この誤差電流は、Iに望ましくない時間遅延(Tdelay)とクロック間隔(Tclock)の比を乗じたものと同じであり、クロック間隔(Tclock)は単一のデータサンプルが必要とする期間である。したがって、・・・00110011・・・のパターンが使用されるならば、クロック間隔(Tclock)は、マスタースイッチが一方の位置にある期間(Tperiod)の半分に等しいので、補正されるべき誤差電流は測定DC電流の2倍の大きさである。データパターンが、たとえば、10個の「1」の後に10個の「0」が続くものであるならば、必要とされる誤差電流は測定電流の10倍になるであろう。よって、誤差電流を正確に決定することがより難しくなる。したがって、好ましくは、マスタースイッチが一方の位置にある期間(Tperiod)のクロック間隔(Tclock)に対する倍率は最小に保たれ、そのためには2倍の倍率が好ましいので、マスタースイッチはスイッチングの際にラッチより半サイクルだけ遅らせることが可能である。
よって、要約すると、遅延誤差は平均DC電流70からオフセット誤差Ierrを差し引いたものに比例することが分かった。遅延誤差を補正するキャリブレーション信号を発生するため、オフセット誤差Ierrがマスタースイッチのスイッチングを原因とする誤差(図7のグラフには示されていない)と共に決定され、平均DC電流70から差し引かれる。これは、キャリブレーションされるべきソースおよび基準ソースを切り換えることなく、ある期間に亘ってマスタースイッチだけを切り換えることを選ぶことによって実現される。
以上、本発明の特定の実施形態が説明されているが、本発明は説明されていない別の方法でも実施されることが分かるであろう。本明細書は発明を限定することを意図しない。
Claims (14)
- 少なくとも2個の変換素子と、
前記少なくとも2個の変換素子からのマルチビットデジタル入力信号に応じて、アナログ信号を出力する出力ユニットへの接続のためのある個数の変換素子を選択する変換素子選択ユニットと、
少なくとも第1の前記変換素子および第2の前記変換素子のそれぞれの間の不整合を補償するキャリブレーションユニットと、
を具備し、
前記キャリブレーションユニットが少なくとも1個の前記変換素子からの出力と基準変換ユニットからの出力の比較に応じて前記不整合の補償を実行する、デジタルアナログ変換器。 - 前記キャリブレーションユニットが前記少なくとも1個の変換素子と前記基準変換手段の前記出力の前記比較に応じて前記少なくとも1個の変換素子の前記出力をキャリブレーションするユニットを具備する、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記キャリブレーションユニットが前記比較に応じて前記変換素子選択ユニットを調整するユニットを具備する、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記キャリブレーションユニットが前記少なくとも1個の変換素子の前記出力と前記基準変換素子の前記出力との差を決定するユニットを具備する、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記キャリブレーションユニットが前記比較に応じて前記少なくとも1個の変換素子を前記出力ユニットへ接続するそれぞれのラッチのデューティサイクルを調整する、請求項2に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記キャリブレーションユニットが前記比較に応じて前記少なくとも1個の変換素子を前記出力ユニットへ接続するそれぞれのラッチのスイッチング遅延を調整する、請求項2に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記基準変換素子が前記少なくとも2個の変換素子に追加される、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記基準変換素子が前記少なくとも2個の変換素子から選択される、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器。
- デジタル信号をアナログ信号に変換する方法であって、
複数個の変換素子および基準変換素子を準備するステップと、
前記デジタル信号に応じて前記少なくとも2個の変換素子からある個数の変換素子を選択するステップと、
アナログ信号を得るため前記選択された変換素子の出力を合成するステップと、
前記複数個の変換素子のうちのそれぞれの変換素子間の不整合をキャリブレーションするステップと、
を含み、少なくとも1個の前記変換素子からの出力が基準変換ユニットからの出力と比較され、前記キャリブレーションするステップが前記比較に応じて実行される、デジタル信号をアナログ信号に変換する方法。 - 前記キャリブレーションするステップが、前記比較に応じて、前記選択するステップを修正するさらなるステップを含む、請求項9に記載のデジタル入力信号をアナログ出力信号に変換する方法。
- 前記キャリブレーションするステップが前記比較に応じて前記少なくとも1個の変換素子の出力をキャリブレーションするさらなるステップを含む、請求項12に記載のデジタル入力信号をアナログ出力信号に変換する方法。
- 第1の変換ユニットおよび第2の変換ユニットの出力が入力されたときにこれらの出力を比較する比較ユニットと、
前記比較に応じて、出力に接続された前記変換ユニットへ不整合キャリブレーション信号を供給する計算ユニットと、
を具備する、デジタルアナログ変換器の不整合キャリブレーションユニット。 - 前記キャリブレーション信号は前記出力の一方が前記変換素子の静的不整合をキャリブレーションするように調整されるべき量を表す、請求項12に記載の不整合キャリブレーションユニット。
- 前記キャリブレーション信号が、前記変換素子の動的不整合をキャリブレーションするように前記変換素子の一方を出力ユニットへ接続するラッチのデューティサイクルまたはスイッチング遅延の調整量を表す、請求項12または13に記載の不整合キャリブレーションユニット。
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