JP2006520610A - ハイブリッド不変領域を産生するのに用いるベクター - Google Patents
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Abstract
所望のクローニングサイトを維持しつつヒトの不変領域で置き換かえられたマウスの不変領域の部分を有する、マウスFabライブラリーの発現及び個々のクローンの発現に用いられる発現ベクター。
Description
関連出願
本願は2003年3月4日付けの米国仮出願第60/451,820号の優先権を主張し、その開示を本明細書に援用する。
本開示はハイブリッド不変領域を有する抗体をコードする発現ベクターに関する。
本願は2003年3月4日付けの米国仮出願第60/451,820号の優先権を主張し、その開示を本明細書に援用する。
本開示はハイブリッド不変領域を有する抗体をコードする発現ベクターに関する。
プラスミドは宿主内で自律的増殖のできる染色体外の遺伝要素である。細菌のプラスミドは大きさが1Kb〜200Kb又はそれを超え、種々の有用な特性をコードする。プラスミドによってコードされた特性には抗生物質に対する耐性、抗生物質の産生、複雑な有機分子の分解、コリシンのようなバクテリオシンの産生、腸毒素の産生、及びDNAの制限及び修飾酵素が包含される。プラスミドはそれ自体として、とりわけ増殖、遺伝性、構造及び進化の観点で長年研究されてきたが、遺伝子工学技術の到来によりプラスミド研究の焦点は外来遺伝情報のクローニング及び発現のためのベクターとしてのプラスミドの使用へと移行した。
発現ベクターは挿入された外来遺伝情報を増殖する能力だけでなく、mRNAへの該遺伝情報の転写及びそれに続くタンパク質への翻訳を促進する能力に特徴付けられる。発現には、必ずしも限定的ではないが、プロモーター、オペレーター、転写ターミネーター、リボソーム結合部位並びにタンパク質合成開始及び終止コドンを含む種々の調整遺伝子の配列が必要となる。上記の発現要素は外来DNA断片の部分として外来DNA断片と一緒に供給されることができ、或いは上記の発現要素は制限部位に隣接する領域でベクター内に組み込まれることができる(そのため外来DNA断片がベクター内に導入されるとその外来DNA断片は今や化学的に結合した上記要素の制御下に置かれる。)。
発現ベクターは該ベクターによってコードされる任意のタンパク質を比較的大量に産生するのに利用することができる。このために、発現ベクターで宿主細胞をトランスフェクトする。当業者には理解できるだろうが、タンパク質の発現レベルは、限定的ではないが、宿主細胞とタンパク質の給源との適合性を含む多数の要因に左右される。例えば、大腸菌(通常使用される宿主の一つ)中でのマウス抗体の発現は、例えば類似のヒト由来の抗体の発現レベルに比べて相対的に低い。抗体ライブラリーのスクリーニングが行われるときには発現レベルはとりわけ重要である。相対的に少量で発現するライブラリーの構成要素はパニング過程において同定しづらい。従って、ライブラリーの潜在的に重要又は有用な構成要素が低い発現レベルのために看過される場合がある。
抗体ライブラリーのより多くの構成要素に対してより高いレベルの発現を引き起こす発現ベクターを提供することは有利であろう。
マウスFabライブラリー及び個々のクローンの発現に用いられる発現ベクターは典型的にはマウスの抗体遺伝子を直接クローニングするための固有の制限酵素部位と共にマウスのカッパL鎖及びH鎖の不変領域を有する。しかしながら、大腸菌においてこれらのFab断片の発現レベルは至適とまでは行かない。所望のクローニングサイトを維持しつつ本開示に従ってマウスの不変領域をヒトの不変領域に置き換えることによってマウスFabの発現が大きく増加する。特に有用な実施形態においては、マウスFabベクターは部分的なヒトH鎖不変領域のCH1ドメインに加えて部分的なヒトヒンジ領域又は部分的なヒトカッパ鎖不変領域又はその両者を含有する。
別の一側面において、ハイブリッド不変領域をコードする発現ベクターによって抗体がコードされる抗体発現の改善方法が提供される。
別の一側面において、ハイブリッド不変領域を含む抗体が記載される。
更に別の一側面において、ハイブリッド不変領域をコードする発現ベクターを用いて産生された抗体ライブラリーが記載される。
更に別の一側面において、抗体ライブラリーがハイブリッド不変領域をコードする発現ベクターを用いて作製される抗体ライブラリーのスクリーニング方法が記載される。
マウスFabライブラリー及び個々のクローンの発現のために用いられる発現ベクターは、所望のクローニングサイトを維持しつつヒト不変領域と共にマウス不変領域を含むハイブリッド抗体の不変領域をコードする。上記発現ベクターの使用により、完全にマウス不変領域を含むマウスFabの発現に比較してマウスFabの発現が著しく増加する。ヒト不変領域と置き換えられるマウス不変領域の量は該ベクターによってコードされる抗体の発現を増加させるのに充分な量である。ヒト不変領域と置き換えられるマウス不変領域は重鎖(H鎖)の不変領域内、軽鎖(L鎖)の不変領域内、又はその両方とすることができる。特に有用な実施形態では、マウスFabベクターは部分的なヒトH鎖不変領域のCH1ドメインに加えて部分的なヒトヒンジ領域又は部分的なヒトカッパ鎖不変領域、或いはその両者を含有する。
ハイブリッド不変領域を有する抗体はベクターが宿主細胞内にトランスフェクトされると産生される。トランスフェクションのための技術は当業者の認識範囲内である。特に有用な実施形態では、宿主細胞は大腸菌である。
本明細書に記載のベクターは、ライブラリーの各要素がハイブリッド不変領域を含む抗体ライブラリーの作製にも使用することができる。本開示に係るハイブリッド不変領域をコードする発現ベクターを用いて作製された抗体ライブラリーは、例えば結合親和性のような所望の特性を有する抗体を同定するための当業者に知られた技術を用いてスクリーニングすることができる。
以下の実施例には、ハイブリッド抗体の不変領域をコードする発現ベクターを産生し、そして特定の抗体の発現にその発現ベクターを使用するための一連の特定工程が記載されるが、本開示はこの特定の工程順序又は産生される特定の抗体に限定されるものではないことは当然に理解される。当業者であれば本開示に係る発現ベクターを製造するためのその他のスキームを容易に構想するだろう。また、当業者であれば以下に具体的に例示される抗体以外の抗体がここで記載された発現ベクターの中に連結され得ることを容易に理解するだろう。そのための技術は当業者の認識範囲内である。
実施例1
PAX313m/hGの構築
PAX131(2002年11月7日付け国際公開WO02/088315A2に記載のファージミドベクターであり、本開示を本明細書に援用する。)からPAX243hGKを調製した。PAX131をNot I(NEB社)でまず消化し、クレノウ酵素(NEB社製)をフィルインした。T4 DNAリガーゼで平滑末端ライゲーションを行い、TOP10F’細胞へ電気穿孔法により導入した。個々のクローンをNot Iで消化してNot Iサイトの不在を確認した。次に、EcoSpeオリゴ(5’AAT TCA AGG AGT TAA TTA TGA AAA AAA CCG CGA TTG CGA TTG CGG TGG CGC TGG CGG GCT TTG CGA CCG TGG CCC AGG CGG CCT CTA GAA TCT GCG GCC GCA 3’−SEQ. ID NO: 1)及びSpeEcoオリゴ(5’CTA GTG CGG CCG CAG ATT CTA GAG GCC GCC TGG GCC ACG GTC GCA AAG CCC GCC AGC GCC ACC GCA ATC GCA ATC GCG GTT TTT TTC ATA ATT AAC TCC TTG 3’− SEQ. ID NO: 2)をハイブリダイズし、上で得られたEcoR I/Spe Iで消化したPAX131 Not I(−)ベクターに連結した。挿入したEcoSpe二重鎖オリゴは後のクローニング目的のためにNot Iサイトを含有する。次いで、カッパL鎖の不変領域をPCR増幅によって増幅した。CK Xba Iプライマー(5’GGA GTC TAG ATA ACT GTG GCT GCA CCA TCT GTC TTC 3’−SEQ. ID NO: 3)及びCK Not Iプライマー(5’AGG AGC GGC CGC TTA ACA CTC TCC CCT GTT GAA GCTC 3’− SEQ. ID NO: 4)を使用した。この増幅産物及びPAX131 Not I(−)ベクターをXba I/Not Iで消化して連結した。この連結産物をTOP10F’細胞へ電気穿孔法により導入し、個々のクローンの配列を決定した。更なる修飾に対してはPCRエラーのないクローン(PAX131K)を選択した。
PAX313m/hGの構築
PAX131(2002年11月7日付け国際公開WO02/088315A2に記載のファージミドベクターであり、本開示を本明細書に援用する。)からPAX243hGKを調製した。PAX131をNot I(NEB社)でまず消化し、クレノウ酵素(NEB社製)をフィルインした。T4 DNAリガーゼで平滑末端ライゲーションを行い、TOP10F’細胞へ電気穿孔法により導入した。個々のクローンをNot Iで消化してNot Iサイトの不在を確認した。次に、EcoSpeオリゴ(5’AAT TCA AGG AGT TAA TTA TGA AAA AAA CCG CGA TTG CGA TTG CGG TGG CGC TGG CGG GCT TTG CGA CCG TGG CCC AGG CGG CCT CTA GAA TCT GCG GCC GCA 3’−SEQ. ID NO: 1)及びSpeEcoオリゴ(5’CTA GTG CGG CCG CAG ATT CTA GAG GCC GCC TGG GCC ACG GTC GCA AAG CCC GCC AGC GCC ACC GCA ATC GCA ATC GCG GTT TTT TTC ATA ATT AAC TCC TTG 3’− SEQ. ID NO: 2)をハイブリダイズし、上で得られたEcoR I/Spe Iで消化したPAX131 Not I(−)ベクターに連結した。挿入したEcoSpe二重鎖オリゴは後のクローニング目的のためにNot Iサイトを含有する。次いで、カッパL鎖の不変領域をPCR増幅によって増幅した。CK Xba Iプライマー(5’GGA GTC TAG ATA ACT GTG GCT GCA CCA TCT GTC TTC 3’−SEQ. ID NO: 3)及びCK Not Iプライマー(5’AGG AGC GGC CGC TTA ACA CTC TCC CCT GTT GAA GCTC 3’− SEQ. ID NO: 4)を使用した。この増幅産物及びPAX131 Not I(−)ベクターをXba I/Not Iで消化して連結した。この連結産物をTOP10F’細胞へ電気穿孔法により導入し、個々のクローンの配列を決定した。更なる修飾に対してはPCRエラーのないクローン(PAX131K)を選択した。
より良いFabの発現のために、短縮された遺伝子IIIをPAX131KからPCR増幅によって増幅した。Tg3SpeSfiプライマー(5’TCT GGT ACT AGT GGC CAG GCC GGC CTT GAG GGT GGT GGC TCT GAG 3’−SEQ. ID NO: 5)及びtg3Ndeプライマー(5’CAA TAG AAA ATT CAT ATG GTT TAC CAG CGC CAA AGA CAA AAG 3’−SEQ. ID NO: 6)を使用した。この増幅産物及びPAX131KをXba I/Nde Iで消化して連結した。この連結産物をTOP10F’細胞へ電気穿孔法により導入し、個々のクローンの配列を決定した。更なる修飾に対してはPCRエラーのないクローン(PAX243K)を選択した。Aptagen社からヒトIgG CH1及び部分的なヒンジ領域遺伝子を取り寄せた。この遺伝子断片及びPAX243KベクターをXho I/Spe Iで消化して連結した。この連結産物をTOP10F’細胞へ電気穿孔法により導入し、個々のクローンについて該断片の挿入を確認した。得られたベクターをPAX243hGK−intと命名した。最後にクローニング効率のために、815bpスタッファー断片をXho I/Apa Iの消化及びライゲーションによってPAX243hGK−intベクターに挿入した。最終的なベクターをPAX243hGKと命名した。
部分的なヒトH鎖(ヒトの不変領域CH1)に加えて部分的なヒトヒンジ領域をもつマウスFabベクターの構築のために、マウスH鎖不変領域内のBln Iサイトに対応する部分からヒトFabベクターPAX243hGK(図1A〜E)内のSpe Iサイトをもつ部分的なヒンジ領域へ達する末端部分までの断片を得るためにPCR増幅を行った。使用したプライマーは:
BlnlhCH1 5’GGCCCTAGGCTGCCTGGTCAAGGAC 3’ (SEQ. ID NO: 7);及び
SpelhCH1 5’CCGGCCTGGCCACTAGTTTTGTCAC 3’ (SEQ. ID NO: 8)
である。
BlnlhCH1 5’GGCCCTAGGCTGCCTGGTCAAGGAC 3’ (SEQ. ID NO: 7);及び
SpelhCH1 5’CCGGCCTGGCCACTAGTTTTGTCAC 3’ (SEQ. ID NO: 8)
である。
PCR増幅をAdvantage HF polymerase mix kit(BD Biosciences社)を用いて30サイクル行った。マウスFabベクター内のそれぞれのクローニング部位でクローニングするためにBlnhCH1はBln Iサイトを含有し、SpelhCH1はSpe Iサイトを含有する。増幅産物を1%アガロースゲル(Invitrogen Life Technologies社)上に流して、264bpの断片を収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitを使用して精製した。精製産物を次いでBln I及びSpe Iで消化した。244bpの断片を1%アガロースゲルから収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitで精製した。マウスFabベクターPAX243mGIK(図2)もBln I及びSpe Iで消化した。4824bpの断片を0.6%アガロースゲル上で収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitで精製した。これらの断片を連結し、反応産物をTOP10F’大腸菌細胞へ電気穿孔法により導入した。
単一のコロニーを50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する1mLのSB培地中で成長させ、QIAGEN社のミニプレップカラムでプラスミドDNAを調製した。元(オリジナル)のマウスH鎖内に存在しないヒトH鎖不変領域内のAge I(PinA I)サイトの新たな存在によってヒトH鎖不変領域の挿入を確認した。PCRエラーの存在を検査するためにポジティブDNAクローンをDNA配列分析(Retrogen社、米国カリフォルニア州サンジエゴ)のために送った。PCRエラーのなかったDNAの10ナノグラムをTOP10F’細胞中で再び形質転換させて単一コロニーを50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する10mLのSB培地中で6時間ほど成長させた。次いでこの培養物を50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する500mLのSB培地に移して250rpmとしたシェーカー(environmental shaker)内で37℃で一晩成長させた。この培養物をスピンダウンしてHiSpeed Maxi Prep(QIAGEN社製)を用いてDNAを調製した。
実施例2
PAX313m/hKの構築
ヒトカッパL鎖をもつマウスFabベクターの構築のために、マウスカッパL鎖不変領域内のBspE Iサイトに対応する部分からヒトFabベクターPAX243hGK(図1A〜E)内のヒト抗体クローンの一つにあるNot Iサイトをもつ末端部分までの断片を得るためにPCR増幅を行った。使用したプライマーは:
BspElhCK 5’GTTGAAATCCGGAACTGCCTCTGTTGTGTG 3’(SEQ. ID NO: 9);及び
NotlhCK−rev 5’CCTTAATTATATCTAGTGCGGCCGCTTAAC 3’(SEQ. ID NO: 10)
である。
PAX313m/hKの構築
ヒトカッパL鎖をもつマウスFabベクターの構築のために、マウスカッパL鎖不変領域内のBspE Iサイトに対応する部分からヒトFabベクターPAX243hGK(図1A〜E)内のヒト抗体クローンの一つにあるNot Iサイトをもつ末端部分までの断片を得るためにPCR増幅を行った。使用したプライマーは:
BspElhCK 5’GTTGAAATCCGGAACTGCCTCTGTTGTGTG 3’(SEQ. ID NO: 9);及び
NotlhCK−rev 5’CCTTAATTATATCTAGTGCGGCCGCTTAAC 3’(SEQ. ID NO: 10)
である。
PCR増幅をAdvantage HF polymerase mix kit(BD Biosciences社)を用いて30サイクル行った。マウスFabベクター内のそれぞれのクローニング部位でクローニングするためにBspElhCKはBspE Iサイトを含有し、NotlhCK−revはNot Iサイトを含有する。増幅産物を1%アガロースゲル(Invitrogen Life Technologies社)上に流して、299bpの断片を収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitを使用して精製した。精製産物を次いでBspE I及びNot Iで消化した。272bpの断片を1%アガロースゲルから収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitで精製した。マウスFabベクターPAX243mG1K(図2A〜G)もBspE I及びNot Iで消化した。この消化によって、4791bpの断片が0.6%アガロースゲル上に収集され、QIAGEN社のGel Extraction Kitで精製した。これらの断片を連結し、反応産物をTOP10F’大腸菌細胞へ電気穿孔法により導入した。
単一のコロニーを50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する1mLのSB培地中で成長させた。QIAGEN社のミニプレップカラムでプラスミドDNAを調製した。元(オリジナル)のマウスカッパL鎖内に存在しないヒトカッパL鎖不変領域内の付加的なSac IサイトによってヒトカッパL鎖不変領域の挿入を確認した。PCRエラーの存在を検査するためにポジティブDNAクローンをDNA配列分析(Retrogen社)のために送った。次いで、PCRエラーのなかったDNAの10ナノグラムをTOP10F’細胞中で再び形質転換させた。単一コロニーを50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する10mLのSB培地中で6時間ほど成長させた。次いでこの培養物を50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する500mLのSB培地に移して250rpmとしたシェーカー(environmental shaker)内で37℃で一晩成長させた。この培養物をスピンダウンしてHiSpeed Maxi Prep(QIAGEN社)を用いてDNAを調製した。
実施例3
PAX313m/hGKの構築
部分的なヒトH鎖ヒト不変領域CH1に加えて部分的なヒトヒンジ領域及びヒトカッパL鎖をもつマウスFabベクターの構築のために、ヒトカッパL鎖不変領域をPAX313m/hK(図3A〜D)ベクターからPAX313m/hG(図4A〜D)ベクターへBspE I及びNot Iで両ベクターDNAを消化することによって移行した。PAX313m/hG(図4A〜D)から4796bpの断片を、PAX313m/hK(図3)から272bpの断片を収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitを使用してアガロースゲルから精製した。これらの断片を連結し、反応産物をTOP10F’大腸菌細胞へ電気穿孔法により導入した。
PAX313m/hGKの構築
部分的なヒトH鎖ヒト不変領域CH1に加えて部分的なヒトヒンジ領域及びヒトカッパL鎖をもつマウスFabベクターの構築のために、ヒトカッパL鎖不変領域をPAX313m/hK(図3A〜D)ベクターからPAX313m/hG(図4A〜D)ベクターへBspE I及びNot Iで両ベクターDNAを消化することによって移行した。PAX313m/hG(図4A〜D)から4796bpの断片を、PAX313m/hK(図3)から272bpの断片を収集し、QIAGEN社のGel Extraction Kitを使用してアガロースゲルから精製した。これらの断片を連結し、反応産物をTOP10F’大腸菌細胞へ電気穿孔法により導入した。
単一のコロニーを50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する1mLのSB培地中で成長させた。QIAGEN社のミニプレップカラムでプラスミドDNAを調製した。PAX313m/hG(図4A〜D)ベクターにおける元(オリジナル)のマウスカッパL鎖内に存在しないヒトカッパL鎖不変領域内の付加的なSac IサイトによってヒトカッパL鎖不変領域がPAX313m/hG(図4A〜D)へ挿入されたことを確認した。PCRエラーのなかったDNAの10ナノグラムをTOP10F’細胞中で再び形質転換させた。単一コロニーを50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する10mLのSB培地中で6時間ほど成長させた。次いでこの培養物を50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有する500mLのSB培地に移して250rpmとしたシェーカー(environmental shaker)内で37℃で一晩成長させた。この培養物をスピンダウンしてHiSpeed Maxi Prep(QIAGEN社製)を用いてDNAを調製した。
実施例4
マウス/ヒトのハイブリッドベクターにおけるFab発現及び/又は結合の比較
上記の種々のマウス/ヒトハイブリッド構築物におけるマウスFabの発現を確認するために、公知のマウスFabを上記ベクター内で発現させた。次いで、Fab発現及び/又は元の抗原への結合を比較した。最初に、良好に発現するとして知られている、ヒトIgEに特異的なマウスIgG1カッパFabを比較に用いた。L鎖及びH鎖の双方の断片が対応するクローニングサイトで消化され、各ベクター内へ順次クローニングした。最終的な構築がなされた後に、Fab発現ELISAを実施した。各ハイブリッドベクター中のFabを50μg/mLのカルベニシリンが存在する1mLのSB培地中で成長させた。1mMのIPTG及びM13 VCSヘルパーファージでFab発現を30℃で一晩誘発した。培養物をスピンダウンしてFabを含有する上澄みをELISA実験に用いた。4℃で一晩かけてヤギの抗ヒトIgG F(ab’)2若しくはウサギの抗マウスIgG F(ab’)2の何れか又は両者の混合物(Pierce社)(PBS中の4μg/mL)でマイクロタイターのウェルをコートした。
マウス/ヒトのハイブリッドベクターにおけるFab発現及び/又は結合の比較
上記の種々のマウス/ヒトハイブリッド構築物におけるマウスFabの発現を確認するために、公知のマウスFabを上記ベクター内で発現させた。次いで、Fab発現及び/又は元の抗原への結合を比較した。最初に、良好に発現するとして知られている、ヒトIgEに特異的なマウスIgG1カッパFabを比較に用いた。L鎖及びH鎖の双方の断片が対応するクローニングサイトで消化され、各ベクター内へ順次クローニングした。最終的な構築がなされた後に、Fab発現ELISAを実施した。各ハイブリッドベクター中のFabを50μg/mLのカルベニシリンが存在する1mLのSB培地中で成長させた。1mMのIPTG及びM13 VCSヘルパーファージでFab発現を30℃で一晩誘発した。培養物をスピンダウンしてFabを含有する上澄みをELISA実験に用いた。4℃で一晩かけてヤギの抗ヒトIgG F(ab’)2若しくはウサギの抗マウスIgG F(ab’)2の何れか又は両者の混合物(Pierce社)(PBS中の4μg/mL)でマイクロタイターのウェルをコートした。
ウェルをPBSで洗浄し、37℃で1時間、1%のBSA/PBSでブロックした。該ブロッカーをはじき飛ばした。Fab含有上澄みを加えて1.5時間ほどインキュベートした。該ウェルを洗浄し、アルカリホスファターゼ結合のヤギ抗ヒトIgG F(ab’)2又はヤギ抗マウスIgG F(ab’)2抗体(1%のBSA/PBS中で1:500)(Pierce社)の何れかで結合Fabを検出した。
元(オリジナル)のマウスFabベクターPAX243mG1KにおけるFabと比較して、PAX313m/hG及びPAX313m/hGK(図5A〜F参照)は同一又はずっと良好なFab発現を示した(図6参照)。ウェスタンブロットによる分析も同様の結果を示した。図7aはウェスタンブロット分析によるヤギ抗マウスIgG(H+L)によって検出された各ベクターを示す。ヤギの抗マウスIgG(H+L)は特に、元(オリジナル)のPAX243mG1Kベクター及びPAX313m/hGハイブリッドベクターにおけるFabのマウスカッパL鎖を検出する。PAX313m/hGベクターにおけるFabの発現はPAX243mG1Kよりも優れていた。上記データはマウスカッパL鎖不変領域はマウス/ヒトIgG1のH鎖不変領域ハイブリッドとペアになるときにより良く発現されることを示唆するものである。図7bはウェスタンブロット分析によるヤギ抗ヒトIgG(H+L)によって検出される各ベクターにおけるFabを示す。ヤギ抗ヒトIgG(H+L)はPAX313m/hGKハイブリッドベクター及びPAX313m/hKハイブリッドベクターにおけるFabのヒトカッパL鎖を特に検出する。PAX313m/hGKベクターにおけるFabの発現はPAX313m/hKベクターよりも優れていた。上記データはマウス/ヒトカッパL鎖不変領域ハイブリッドはマウスIgG1H鎖不変領域とペアになるとあまり良く発現しないが、更にマウス/ヒトIgG1H鎖不変領域ハイブリッドとペアになると非常に良く発現することを示唆する。
次の比較について、発現に乏しいことが知られている、ヒトPDGFに特有のマウスFabを比較に用いた。該クローンは我々のPAXベクターとは異なるクローニングサイトを有しているため、L鎖及びH鎖における正しいクローニングサイトを作り出すようにプライマーを設計した。カッパL鎖及びH鎖のPCR増幅の後に、断片をXba I/BspE I及びXho I/Bln Iサイトでそれぞれ消化して精製した。
断片を1%のアガロースゲルで精製し、391bpの断片(カッパL鎖)及び438bpの断片(H鎖)をQIAGEN社のGel Extraction Kitで精製した。これらの断片を順次PAX243mG1Kベクターへクローニングした。特定の抗原への結合を以下のように実施した。抗原のヒトPDGFをpH8.6で4℃で一晩かけて0.1MのNaHCO3中4μg/mLでコートした。プレートをPBSで洗浄して1%のBSA/PBSでブロックした。上述したように、発現した上澄みを抗原と共に37℃で1.5時間ほどインキュベートした。該ウェルをPBSで洗浄し、アルカリホスファターゼ結合のヤギ抗マウスIgG F(ab’)2抗体(1%のBSA/PBS中で1:500)(Pierce社)で結合Fabを検出した。最も強い結合を示したクローンをPCRエラーの検査のためにDNA配列分析に出した。PCRエラーのなかったクローンからのカッパL鎖及びH鎖を選択してマウス/ヒトのハイブリッドFabの構築に用いた。カッパL鎖及びH鎖をXba I/BspE I及びXho I/Bln Iでそれぞれ消化して、対応するサイトで各マウス/ヒトのハイブリッドベクターへ順次クローニングした。
各ハイブリッドベクター及びPAX243mG1Kにおけるファブを上述したようにFab発現及び元(オリジナル)の抗原への結合について比較した。結果はPAX313m/hG又はPAX313m/hGKにおけるFabの発現が元(オリジナル)のPAX243mG1Kにおけるものよりも少なくとも2〜4倍優れていたことを示している(図8参照)。この傾向は特定の抗原に対する結合に関しても同じであった(図9参照)。
本マウス/ヒトハイブリッドベクター構築物は マウス抗体ライブラリーのde novo構築に使用することができ、同様に発現上の問題がある既存のマウス抗体ライブラリー又はFabの改善に使用することができる。3’末端クローニングはカッパ及びH鎖不変領域内に固有のマウス制限部位を利用するので、これは抗体断片の5’末端のクローニングサイトを調和させることにより達成することができる。
実施例5
マウス/ヒトハイブリッドベクターにおけるFabライブラリーの構築
国際公開WO03/025202A2に記載の方法に従って、PAX313m/hGベクターにおけるFLJ32028ペプチドで免疫したマウスの脾臓サンプルからFabライブラリーを作製した。簡単に言うと、全RNAを脾臓サンプルから抽出してメッセンジャーRNAをOligotexキット(QIAGEN社、カリフォルニア州バレンシア)を用いて精製した。製造者のプロトコルに従ってSUPERSCRIPT First−Strand Synthesis System for RT−PCR(Invitrogen Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)を用いて第一鎖cDNAを合成した。第一鎖cDNAをカッパL鎖に対してはHpa Iで、IgG1のH鎖に対してはXcm Iで、そしてIgG2aのH鎖に対してはBsaJ Iで消化した。第二鎖cDNAを各遺伝子断片のフレームワーク1領域にアニールするプライマーを用いて合成し、各遺伝子断片の不変領域にハイブリダイズするオリゴを用いて伸長反応を実施した。単一プライマーの増幅後に、各断片をPCR精製キット(QIAGEN社)で精製して、ベクターにクローニングするための適切な酵素で消化した。カッパL鎖をXba I/BspE Iで消化したPAX313mh/Gベクター内に結合させた。形質転換をTOP10F’細胞(Invitrogen Life Technologies社)内で実施した。ライブラリーサイズは1.3×108であった。PAX313mh/GベクターにおけるカッパL鎖ライブラリーをIgG1及びIgG2a断片の挿入に用いた。各断片をXho I/Bln Iで消化したカッパL鎖ライブラリーへ連結した。形質転換をTOP10F’細胞内で実施した。ライブラリーサイズの滴定は形質転換株をグルコース含有LBカルベニシリンのプレート上で培養することで測定した。ライブラリーサイズはIgG1カッパライブラリーについて2.5×109であり、IgG2aカッパライブラリーについて1×109であった。得られたコロニーを用いてELISAにより断片の挿入及びFab発現を確認した。滴定プレートから16個の単一コロニーを50μg/mLのカルベニシリンを含有するSB培地に接種し、37℃で6時間ほど成長させた。培養物の一部を50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有するSB培地内で1:100に希釈し、Miniprep DNA精製のために37℃で一晩成長させた。M13 VCSヘルパーファージ及び1mMのIPTGを残りの培養物に加えて37℃で2時間成長させた。カナマイシンを70μg/mLで培養物に加えてFabのファージ上での発現を30℃で一晩かけて誘発させた。実施例4に記載の通りにFab発現(ELISA)を実施した。この実験の結果を図10に示す。16個のIgG1カッパライブラリークローンのうち15個がH鎖及びカッパL鎖両方の挿入を含有し、16個のIgG2aカッパライブラリークローンのうち15個がH鎖及びL鎖の挿入を含有していた。このライブラリーを当業者に知られた方法(Maruyama T et al., J Virol 73 : 6024-6030,1999)を使用してマイクロタイターウェル上にコートしたFLJ32028ペプチド上でパニングした。図11は4回のパニングの結果を示す。実施例4に記載のようにウサギの抗マウスIgG F(ab’)2でコートしたウェルを用いてFab発現を確認した。FLJ32028−Fc及びマウスIgG Fcへの結合も比較した。実施例4に記載のように、アルカリホスファターゼ結合のヤギ抗マウスIgG F(ab’)2抗体(1%のBSA/PBS中で1:500)(Pierce社)によって結合Fabを検出した。大部分のクローンは非常に良く発現し(48のクローンのうち35は30分で3.0を超えるOD405値を示した。)、FLJ32028抗原への結合は非常に強固であり(48のクローンのうち20が30分で2.0を超えるOD405値を示した。)、そして特異的であった(対照抗原マウスIgG Fcへの最小限の結合)。
マウス/ヒトハイブリッドベクターにおけるFabライブラリーの構築
国際公開WO03/025202A2に記載の方法に従って、PAX313m/hGベクターにおけるFLJ32028ペプチドで免疫したマウスの脾臓サンプルからFabライブラリーを作製した。簡単に言うと、全RNAを脾臓サンプルから抽出してメッセンジャーRNAをOligotexキット(QIAGEN社、カリフォルニア州バレンシア)を用いて精製した。製造者のプロトコルに従ってSUPERSCRIPT First−Strand Synthesis System for RT−PCR(Invitrogen Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)を用いて第一鎖cDNAを合成した。第一鎖cDNAをカッパL鎖に対してはHpa Iで、IgG1のH鎖に対してはXcm Iで、そしてIgG2aのH鎖に対してはBsaJ Iで消化した。第二鎖cDNAを各遺伝子断片のフレームワーク1領域にアニールするプライマーを用いて合成し、各遺伝子断片の不変領域にハイブリダイズするオリゴを用いて伸長反応を実施した。単一プライマーの増幅後に、各断片をPCR精製キット(QIAGEN社)で精製して、ベクターにクローニングするための適切な酵素で消化した。カッパL鎖をXba I/BspE Iで消化したPAX313mh/Gベクター内に結合させた。形質転換をTOP10F’細胞(Invitrogen Life Technologies社)内で実施した。ライブラリーサイズは1.3×108であった。PAX313mh/GベクターにおけるカッパL鎖ライブラリーをIgG1及びIgG2a断片の挿入に用いた。各断片をXho I/Bln Iで消化したカッパL鎖ライブラリーへ連結した。形質転換をTOP10F’細胞内で実施した。ライブラリーサイズの滴定は形質転換株をグルコース含有LBカルベニシリンのプレート上で培養することで測定した。ライブラリーサイズはIgG1カッパライブラリーについて2.5×109であり、IgG2aカッパライブラリーについて1×109であった。得られたコロニーを用いてELISAにより断片の挿入及びFab発現を確認した。滴定プレートから16個の単一コロニーを50μg/mLのカルベニシリンを含有するSB培地に接種し、37℃で6時間ほど成長させた。培養物の一部を50μg/mLのカルベニシリン及び20mMのグルコースを含有するSB培地内で1:100に希釈し、Miniprep DNA精製のために37℃で一晩成長させた。M13 VCSヘルパーファージ及び1mMのIPTGを残りの培養物に加えて37℃で2時間成長させた。カナマイシンを70μg/mLで培養物に加えてFabのファージ上での発現を30℃で一晩かけて誘発させた。実施例4に記載の通りにFab発現(ELISA)を実施した。この実験の結果を図10に示す。16個のIgG1カッパライブラリークローンのうち15個がH鎖及びカッパL鎖両方の挿入を含有し、16個のIgG2aカッパライブラリークローンのうち15個がH鎖及びL鎖の挿入を含有していた。このライブラリーを当業者に知られた方法(Maruyama T et al., J Virol 73 : 6024-6030,1999)を使用してマイクロタイターウェル上にコートしたFLJ32028ペプチド上でパニングした。図11は4回のパニングの結果を示す。実施例4に記載のようにウサギの抗マウスIgG F(ab’)2でコートしたウェルを用いてFab発現を確認した。FLJ32028−Fc及びマウスIgG Fcへの結合も比較した。実施例4に記載のように、アルカリホスファターゼ結合のヤギ抗マウスIgG F(ab’)2抗体(1%のBSA/PBS中で1:500)(Pierce社)によって結合Fabを検出した。大部分のクローンは非常に良く発現し(48のクローンのうち35は30分で3.0を超えるOD405値を示した。)、FLJ32028抗原への結合は非常に強固であり(48のクローンのうち20が30分で2.0を超えるOD405値を示した。)、そして特異的であった(対照抗原マウスIgG Fcへの最小限の結合)。
本発明の好ましい実施形態及びその他の実施形態について記載したが、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく当業者であれば更なる実施形態を理解することができる。
Claims (18)
- 抗体L鎖領域及び抗体H鎖領域(前記抗体L鎖領域又は前記抗体H鎖領域の少なくとも一方は少なくとも部分的にマウスでかつ少なくとも部分的にヒトのハイブリッド領域である。)を少なくともコードする核酸とマウス抗体の遺伝子をベクター内へ直接クローニングするための制限部位とを含む発現ベクター。
- 抗体L鎖不変領域がヒトカッパL鎖不変領域の少なくとも一部を含む請求項1に記載の発現ベクター内のハイブリッドL鎖。
- H鎖不変領域がヒトH鎖不変領域CH1ドメインの少なくとも一部を含む請求項1に記載の発現ベクター。
- H鎖不変領域がヒトH鎖不変領域のヒンジ領域の少なくとも一部を含む請求項1に記載の発現ベクター。
- 抗体L鎖領域及び抗体H鎖領域の両方が、少なくとも部分的にマウスでかつ少なくとも部分的にヒトのハイブリッド領域である請求項1に記載の発現ベクター。
- 抗体L鎖領域及び抗体H鎖領域(前記抗体L鎖領域又は前記抗体H鎖領域の少なくとも一方は少なくとも部分的にマウスでかつ少なくとも部分的にヒトのハイブリッド領域である。)を少なくともコードする核酸を含む発現ベクターで宿主細胞をトランスフェクトすることを含む、純粋にマウス不変領域を有する同一のベクターと比較してFab発現が増加するFab発現の方法。
- 少なくとも部分的にマウスでかつ少なくとも部分的にヒトのハイブリッド不変領域を含む抗体。
- 前記ハイブリッド不変領域がH鎖不変領域である請求項7に記載の抗体。
- 前記ハイブリッド不変領域がL鎖不変領域である請求項7に記載の抗体。
- L鎖不変領域及びH鎖不変領域の両方がハイブリッド領域である請求項7に記載の抗体。
- 前記ハイブリッド不変領域がヒトH鎖不変領域CH1ドメインの少なくとも一部を含む請求項7に記載の抗体。
- 前記ハイブリッド不変領域がヒトH鎖不変領域のヒンジ領域の少なくとも一部を含む請求項7に記載の抗体。
- 前記ハイブリッド不変領域がヒトカッパL鎖不変領域の少なくとも一部を含む請求項7に記載の抗体。
- 請求項1に記載の発現ベクターを用いて作製した抗体ライブラリー。
- 請求項14に記載の抗体ライブラリー提供することと、前記ライブラリーから所望の特性を有する抗体を選択することとを含む抗体ライブラリーのスクリーニング方法。
- 宿主細胞がマウスH鎖可変領域の少なくとも一部及びマウスH鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸を含有する発現ベクターでトランスフェクトされるFab発現の方法における、マウスH鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸の一部をヒトH鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸に置換することを含む改良(ここで、発現したFabはハイブリッドH鎖不変領域を含有する。)。
- 宿主細胞がマウスL鎖可変領域の少なくとも一部及びマウスL鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸を含有する発現ベクターでトランスフェクトされるFab発現の方法における、マウスL鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸の一部をヒトL鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸に置換することを含む改良(ここで、発現したFabはハイブリッドL鎖不変領域を含有する。)。
- 宿主細胞がマウスL鎖可変領域の少なくとも一部及びマウスL鎖不変領域の少なくとも一部をコード化する核酸を含有する発現ベクターでトランスフェクトされるFab発現の方法における、マウスL鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸の一部をヒトL鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸に置換することと、マウスH鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸の一部をヒトH鎖不変領域の少なくとも一部をコードする核酸に置換することとを含む改良(ここで、発現したFabはハイブリッドL鎖不変領域及びハイブリッドH鎖不変領域を含有する。)。
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