JP2006504093A - 疾病の早期検出のためのシステム、及び疾病特異的なバイオマーカーの開発 - Google Patents

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Abstract

本発明は、哺乳動物における特定の疾病の検出のための方法であって、前記疾病が疑われている前記哺乳動物の個体の体液中の代謝物質のNMRスペクトルを用意すること及び前記NMRスペクトルを複数のNMRスペクトル線位置を含む差プロファイルと比較することを含み、それらは、前記哺乳動物の1以上の健康な個体の体液中の代謝物質の1以上のNMRスペクトルと、前記疾病が診断されている前記哺乳動物の1以上の個体の対応する体液中の代謝物質の1以上の対応するNMRスペクトルとの間の正規化された差を示すところの方法に関する。本発明はまた、前記哺乳動物における疾病の検出のための前記差プロファイル、及びそれの作成のための方法に関する。本発明はまた、特定の疾病、特に変形性関節症の検出のためのバイオマーカー、及び変形性関節症の検出におけるそのバイオマーカーの使用に関する。

Description

本発明は、哺乳動物における疾病の早期検出のためのパターンとして代謝性代謝物質のNMRスペクトル間の差プロファイル、疾病の検出のためのバイオマーカー、差プロファイルを作成するための方法、及び差プロファイルによるバイオマーカーの識別のための方法に関する。最後に、本発明は、本発明に従うバイオマーカー及び/又は差プロファイルによって哺乳動物における疾病、特に変形性関節症の検出のための方法に関する。
多くの場合、個体の健康状態を決定することは難しい事項でありうる。臨床検査が健康問題の原因を明らかにしない場合、診断はもちろん困難である。逆に、ある疾病、例えば癌等では、個体は比較的少ない症状を有しうるが、それにもかかわらず該疾病は、進行した状態でありうる。
多くの疾病、例えばMS及び変形性関節症等について、該疾病が100%の確実性で診断されうるような当面利用可能な診断学的検査(実験室検出又は測定技術)さえない。そのような疾病の診断は、複雑であり且つ生化学的及び/又は病理学的組織検査の組み合わせで機能する組織(例えば、夫々神経及び関節)の検査に基づいてしばしばなされる。この組み合わせは重要である。何故ならば、この種の疾患では、臨床学的検査は完全に正常な像を示すかもしれないが、一方患者は多くの症状をすでに有するからである。やはり、専門医は、確実に疾病をいつも診断できるとは限らないだろう。それ故に、実際の診断のために、臨床像の進行を遅すぎずに示すことがまた必要である。
既存の方法で、疾病の進行は、決定されることができず又は簡単に決定されることができない。これは、既に早期の段階で治療的処置を開始することをしばしば不可能にし、従って疾病が、医薬が投与される前でさえ、しばしば進行した段階にある。
また、早期の診断学の欠如は、より特定の且つより有効な治療の展開を制限する。疾病の存在を、定量的に、確実に、敏感に及び明確に示すことができる代替の方法について大きな必要性がある。さらに、特定の疾病が、早期の段階で、好ましくは該疾病の進行が不可逆的変化をもたらす前に、診断されることができる方法の必要性がある。
特定の疾病の存在に特異的である分子マーカー(すなわちバイオマーカー)の使用は、これらの必要性を満たすことができ、且つ該疾病の進行の診断、予後及び監視に重要な寄与をすることができる。さらに、そのような分子マーカーによって、臨床上の処置治療の影響についての研究及び新しい医薬の開発が容易にされうる。したがって、分子マーカーは、臨床前の研究(実験動物におけるイン ビトロ及びイン ビボの両方)及び一般に疾病の病理生理学に向けられた研究を有効に実行するために重大であると考えられる。
理想的な分子マーカーは、疾病特異的であり、実際の疾病活動及び/又は疾病段階を反映し、治療の有効性を決定するために使用されることができ、及び該疾病の信頼できる予後に寄与する。しかしながら、全てのこれら要求は、1つの単一マーカーに統合される必要はない;補完的なマーカーの組合せが可能であり及び特定の場合、さらによく実行することができる。
疾病の検出のための新規なシステム及び方法を提供することが本発明の目的である。
本発明の他の目的は、本明細書の上記に記載された疾病の検出のための既存システム及び方法に関連付けられた少なくとも幾つかの問題を解決するところのシステム及び方法を提供することである。
本発明の他の目的は、イン ビボ及び/又はイン ビトロ医学的診断において使用されうる、本明細書の上記に記載されたようなシステム及び方法を提供することである。
特定の疾病、例えば変形性関節症等を有する個体の尿中において、代謝物質が、健康な個体中に存在しない、又は有意により多い若しくはより少ない量で存在する。哺乳動物の尿中の代謝物質のプロトン核磁気共鳴(1H NMR)分光分析によってこれら疾病特異的な代謝物質濃度の存在を示すことが可能であった。それ故に、これら代謝物質は、疾病の診断及び予後においてバイオマーカーとして、個々に又は組合せで使用されうる。
健康な個体の尿中の代謝物質から記録されたNMRスペクトル中の定義された位置を有する多くのスペクトル線の信号強度と、特定の疾患又は疾病に苦しむ個体の尿中の代謝物質から記録されたNMRスペクトル中の対応するスペクトル線の信号強度との間の統計学的に有意な差のコレクションが、その個体にける該疾病の検出を可能にするパターンを提供することができるということがさらに見つけられた。本発明では、このパターンが、差プロファイル又は代謝的フィンガープリントと呼ばれる。そのような差プロファイルは、要素スペクトルとしてグラフ的に表されうる(図1及び図2を参照)。
それ故に、本発明は、哺乳動物における疾病の検出のための差プロファイルであって、NMRスペクトル線の複数のスペクトル線位置及び任意的に、対応する信号強度を含み、この哺乳動物の1以上の健康な個体の体液中の代謝物質の1以上のNMRスペクトルと、疾病がすでに診断されているこの哺乳動物の1以上の対応する体液中の代謝物質の1以上の対応するNMRスペクトルとの間の正規化された差を示す差プロファイルに関する。
変形性関節症(軟骨変性)は、老人の間で最も一般的な疾病のうちの1つであり、且つ65歳及びそれより上の人々の間で50%より多い発生率がある。変形性関節症は、関節軟骨の進行的な変性によって特徴付けられ、且つ正常に機能しない動作、痛み及び究極的に障害を生じる。軟骨変性に加えて、変形性関節症は、軟骨下の骨(硬化、嚢子)、骨増殖体形成及び緩和な滑液性炎症(mild synovial inflammation)での変化によって病理学的に特徴付けられる。しかしながら、変形性関節症の病因論及び病理論は、大部分が不明瞭である。
変形性関節症の臨床的診断は、関節における(特に、関節空間の幅に関連付けられた)変化の放射線学的検査と組み合わせられた臨床的症状の観察に基づく。しかしながら、これら変化は、該疾病の進行した段階で単に観察されうる。しばしば、関節へのダメージは、その時までにすでに不可逆である。関節空間の幅の放射線学的決定が、その上、少なくとも1年、そして好ましくは2年後と比較的鈍いために、追跡検査が、該疾病の進行及び治療の可能な効果を決定するために必要とされる。これは、変形性関節症の治療を非常に複雑にする。
変形性関節症に関連する検査において現在使用されるマーカーは、分子、例えばCOMP(軟骨オリゴマーのマトリックスタンパク質(cartilage oligomeric matrix protein))(しかしながら、それは軟骨に特異的でない)、及びGlc-Gal-PYD(グルコシル−ガラクトシル ピリジノリン)(それは、滑膜組織(粘膜裏層(mucous lining))の変性のためのマーカーであり、且つそれ故に軟骨変性の診断学的マーカーとして役立つことができない)を含む。他の使用されるマーカーは、CTX-II(II型コラーゲンのC末端架橋化テロペプチド(C-terminal crosslinked telopeptide of type II collagen))である。このマーカーは、コラーゲン特異的である。しかし、変形性関節症が単にコラーゲンに関連する成分よりも多くを含むので、このマーカーを使用することは偽の負の結果を与えうる。
関節における変形性関節症に関連する変化を、定量的に、確実に、敏感に及び明確に示すことができる代替マーカー及び/又は方法の大きな必要性がある。さらに、変形性関節症が、早期の段階で、好ましくは不可逆変化が起こる前に診断されうる方法の必要がある。
本出願は、代謝性代謝産物のNMRスペクトル間の差プロファイルによって、哺乳動物における疾病、例えば変形性関節症等の早期検出のための方法をいま提供する。そのような方法は、好ましくは浸潤性でない。
本発明では、差プロファイルは、信号強度のその値が病気の患者の体液中の代謝物質の正規化されたNMRスペクトルと健康な個体の体液中の代謝物質の正規化されたNMRスペクトルとの間で有意に異なるところの、定義された位置を有するNMRスペクトル線の特徴的な選択として定義される。そのような差プロファイルは、スペクトル線位置及び任意的に、それらの対応する信号強度又は信号強度差を含む。
本発明では、正規化されたNMRスペクトルは、サンプル間のスペクトル線の信号強度における多様性又は変化が、欠陥を算術的に考慮することによって制限されているところのNMRスペクトルとして定義される。正規化のために、すべての強度の二乗の合計が、1と等しくされる。これについての理由は、各サンプルが等しい量の情報を含むと仮定されるからである。正規化を実行することによって、各NMRスペクトルにおける情報の絶対量が等しくされ(NMRスペクトル下の等しい面)、従って、それらは相互に比較可能になる。
2つの比較可能なNMRスペクトルにおける特定のスペクトル線の変化する信号強度は、それらのサンプルのうちの1つにおける水素原子の濃度が変化したこと、従ってこれらの原子を含む1以上の化学成分(この場合、代謝物質)の量がそれらサンプルのうちの1つにおいて変化したことを示す。
従って、本発明に従う差プロファイルは、その対応する信号強度が健康な個体の正規化されたNMRスペクトルにおける信号強度と比較して、特定の疾患により増加される又は減少されるところの、正規化されたNMRスペクトルにおけるスペクトル線位置のコレクションを含む。
好ましくは、本発明に従う差プロファイルは、その対応する信号強度が、健康な個体の対応するスペクトルに比べて患者のスペクトルにおいて特定の要因によって増加される又は減少されるところのスペクトル線位置を含む。この要因は、信号強度の増加のために(正の)閾値(又は基準値)を及び減少のために対応する(負の)閾値を適用するために使用されうる。その対応する信号強度が対応する閾値の上又は下であるところのスペクトル線位置は、差プロファイルに含まれる。データが特異的な及び「有意な」疾病に関連付けられた変化に結びつけられるように、その信号強度が健康な状況に又は病気の状況に関連されることができないところの内因的及び外因的代謝物質(以下を参照)がそのような差プロファイルから除去された。
本発明に従う差プロファイルから内因的及び外因的代謝物質を除去するために、信号対ノイズ比の、およそ1.5倍、好ましくはおよそ2倍、より好ましくはおよそ3倍に対応する閾値が、正規化されたスペクトル中で非常に適切に使用されうる。本明細書では、NMRスペクトル中のノイズは、特定の測定事象から来る信号、例えば機械ノイズ、環境上の揺れ、及び/又は化学薬品における汚染等を意味すると理解される。
本発明に従う差プロファイルを得るために、閾値として、健康な個体と病気の個体との間の強度における変化を示す全てのスペクトル線位置の60〜99%、好ましくは70〜95%、より好ましくは80〜90%の平均信号強度の値を使用することがまた可能である。
閾値のレベルのための選択はまた、差プロファイルが決定される哺乳動物の個々の特性になかんずく依存するだろう。そのような特性は、性別、年齢、生命の段階(受精/未受精)、食事、可能な薬物、遺伝的背景、及びヒトにおいてタバコ及び/又はアルコール消費を含む。人々の均質なグループの使用が、本明細書の下記に記載された本発明に従う方法において好ましく、均質なグループは、できるだけ多くの比較可能な特性を有する個体のグループとして定義され、唯一の差が、疾病の存在又は不存在である。
好ましくは、哺乳動物の体液中の代謝物質の正規化されたスペクトルは、個体の均質なグループから来る一組のデータを含む。それは、男性個体における疾病の検出のために本発明に従う差プロファイルが、好ましくは排他的に男性の個体の対応する信号強度を有するNMRスペクトル線位置を含むことを意味する。それ故に、疾病のための差プロファイルはそれが得られている個体の特性に依存して異なりうる。
好ましくは、哺乳動物の体液中の代謝物質の正規化されたスペクトルは、少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、なおより好ましくは少なくとも4、及びさらに好ましくは5の個体から来る一組のデータを表す。
差プロファイルは、おそらくオリジナルのスペクトル線に対応する3〜1,000のスペクトル線位置を非常に適切に含みうる。好ましくは、本発明に従う差プロファイルは、好ましくは10〜500、より好ましくは15〜100、及びなおより好ましくは20〜70のスペクトル線位置を含む。非常に良い結果は、30〜50のスペクトル線位置を含む差プロファイルで得られた。
差プロファイルがそれから構築されるスペクトル線位置の数は、上記された閾値の定義によって主に決定される。正規化されたスペクトル中のノイズのピッチについての値が考慮されうるこの閾値は、疾病が診断されている個体と健康な個体との間のスペクトル線の高さにおける差がどの値から「有意である」ことを示す。高さにおける差は、肯定的(強度の増加)又は否定的(強度の減少)のいずれかでありうる。
上記されたように、本発明に従う差プロファイルによる疾病の検出は、差プロファイルがそれから得られた個体の特性に対応する又は類似する特性を有する個体において好ましくは使用されるが、しかしこれは決して必要ではない。
本発明はまた、哺乳動物における疾病の検出のための差プロファイルを作成する方法に関する。
本発明に従う差プロファイルは、哺乳動物の健康な個体の体液中の代謝物質から記録されたNMRスペクトルにおけるスペクトル線の位置及び対応する強度の第一のセットを用意するステップを含む方法によって非常に適切に作成されうる。
本発明に従う方法において使用されうる体液として、原則として、任意の体液が使用されうる。好ましくは、非浸潤性の様式において得られうる体液が使用される。体液が尿であることが最も好ましい。
本発明の実施態様では、体液中の代謝物質を測定するための種々の測定方法が原則として使用されうるが、好ましくはプロトン核磁気共鳴が使用される。少なくともおよそ200MHzの周波数を備えたNMR装置が原則としては適切である。しかし、より高い周波数、例えば少なくともおよそ300MHz、より好ましくは少なくともおよそ400〜600MHzを備えた装置の使用が好ましい。
NMR分光分析を実行するために、体液のサンプルが非常に適切に凍結乾燥されることができ、次いで、該凍結乾燥物は、適切なバッファー、例えばD20に基づいて調製されるリン酸ナトリウムバッファー中でもどされる。そのようなバッファーのための適切な酸含量は、pH 4〜10、好ましくはpH 4〜8の範囲であり、及びより好ましくはそのようなバッファーはおよそ6のpHを有する。好ましくは、相互に比較されるだろう種々のサンプルは等しいpHのバッファー中にもどされる。等しいpHのバッファーにおいて体液のサンプルの凍結乾燥された成分のもどしは、種々のサンプル間のpHにおける差によって生ずるスペクトル差を最小にするために役立つ。該もどされたサンプルはさらに、内部標準、例えばTMSP(トリメチルシリル-[2,2,3,3,-2H4]-1-プロピオン酸ナトリウム)又はテトラメチルシラン等が添加されうる。その後、NMRスペクトルが、これらのサンプルから記録されることができ、NMR装置が1H NMR分析のためにセットされる。好ましくは、サンプルのNMRスペクトルは三回記録される。一般に、製造者によって推奨されるような既定の設定が、この目的のために使用されうる。測定値は、内部標準に関連して化学シフト中に示され、及び「ppm」(parts per million)で表される。
本発明において、スペクトル線位置は「ppm」で表され、一方信号強度が、この分野で慣用的であるように「回帰」で表される(図2をまた参照)。
記録されたスペクトルに、任意的に、手動のベースライン補正が適用され、次いで該スペクトルは標準のNMR手法による、所謂ライン列挙に処理される。この目的のために、ノイズより上のスペクトルにおける全ての線が集められ、そして多変量データ解析に適切であるデータ・ファイルに変換される。
好ましくは、個々の哺乳動物のうちの幾つかの健康か個体が、欠陥が算術的に考慮されうるように測定されうる。欠陥のそのような算術的考慮は、測定データの正規化の処理との組み合わせで非常に適切に起こることができる。健康な哺乳動物の体液中の代謝物質の正規化されたスペクトルを決定するために、原則として、1つの単一の健康な個体が測定されることができ、しかし、好ましくは、健康な個体の群、より好ましくは均質な群から来るスペクトルが使用される。
いくつかの記録されたNMRスペクトルの正規化は、複数の個体から得られた一組の値の信頼度に寄与する。さらに、正規化は、一組の以前に記録されたスペクトルを有する別々に記録されたスペクトルの比較を可能にする。
差プロファイルを作成するための方法はまた、特定の病気が診断されたその同じ哺乳動物の個体の対応する体液中の代謝物質からの対応する様式において記録されたNMRスペクトル中のスペクトル線の位置及び対応する信号強度の第2のセットを用意するステップを含む。
好ましくは、本明細書で同様に、個々の疾病が診断されている個々の哺乳動物の均質の群の幾つかの個体は、欠陥が算術的に考慮されうるように測定される。記録されたスペクトルに、任意的に、手動のベースライン補正が適用され、次いで該スペクトルは標準のNMR手法による、所謂ライン列挙へと処理される。この目的のために、ノイズより上のスペクトルにおける全ての線が集められ、そして多変量データ解析に適切であるデータ・ファイルに変換される。該記録されたNMRスペクトルは、上記された様式において好ましくは正規化される。
最後に、差プロファイルを作成するための方法は、NMRスペクトルにおけるスペクトル線の位置の第1のセットと第2のセットにおける対応するスペクトル線位置に対応する正規化されたスペクトル線強度を比較するステップ、及び本発明に従う差プロファイルを得るためにそれらの間の差を検出するステップを含む。
多変量データ解析又はパターン認識は、これらスペクトルにおける疾病及び治療に関連する差を視覚化するために非常に適切に使用されうる。国際公開第02/13228号に記載されるような部分的な線形適合アルゴリズム(Partial-Linear-Fit algorithm)に基づいた算術的方法が、特に好ましい。このアルゴリズムは、分解能の損失なしにNMRスペクトルにおけるスペクトル線の位置における小さな変化の調節を可能にする。
上記された部分的な線形適合アルゴリズムが、主成分判別分析(PCDA)部分を含む。本明細書では、変数の数は、主成分分析(PCA)によって最初に減少される。第1の主成分(PC)上でのサンプルの射出(いわゆるスコア)は、線形判別分析のための開始点として使用される。サンプルのスコアがスコア・プロット中にプロットされ、そこでは同様のサンプルがクラスタに分かれる傾向があり及び相違するサンプルが、より大きな距離で互いに配置されるだろう(図1を参照)。判別式軸とオリジナルの変数との関係は、ロードするプロットにおいて視覚化される。本明細書では、オリジナルの変数の位置が、判別式軸に平行な可変ベクタの長さが、その軸へのその変数のロードに比例するように示される。
データを視覚化する他の可能性は、ロードするベクタのグラフ的回転によって、スコア・プロット中のクラスタ(例えば、図1の変形性関節症クラスタ)の位置に関連する因子スペクトルによってである(なかんずく図2を参照)。他のカテゴリーに関して1つのカテゴリーの最大の分離の方向に作られたこれら因子スペクトルすなわち代謝的フィンガープリントが、カテゴリー間の分離の原因である代謝物質の型における洞察を提供する。
それ故に、本発明に従う差プロファイルは、因子スペクトル(その例が図2に示される)として又はスペクトル線位置を有するテーブル(その例が下記の表1に示される)として非常に適切に示されうる。
Figure 2006504093
本発明では、プロトン核磁気共鳴法の分析的方法論が代謝物質に関する数字データを得るために使用される故に、得られた値は装置及び測定が行なわれる条件の設定に依存する。また、絶対値は、測定において使用される基準(例えば、内部標準)に依存する。従って、差プロファイル(その例が表1に示される)が種々の測定モーメント間で及び種々の測定条件間で異なりうる値を含む。この理由のために、表1に示されるような値は絶対値でない。従って、変形性関節症のための差プロファイルにおけるスペクトル線位置及び可能なスペクトル線強度の両方の個々の値の意味が、互いに関連してそれらの比率及び位置において及びそれ故にこれらの値のパターンにおいて実質的に存在する。
本明細書の上記に示されたような逸脱した測定条件により、表1に定義されたスペクトル線のppm値は、表1に示されるように±0.05 ppmのppm値を有するポイントに位置されうる。
本発明はさらに、哺乳動物における疾病の検出用のための方法であって、特定の疾病が疑われるこの哺乳動物の個体の体液中の代謝物質のNMRスペクトルを用意すること、及びこのNMRスペクトルと、対応する哺乳動物における対応する体液のために本発明に従い決定された特定の疾病のための1以上の差プロファイルを比較するステップを含む方法に関する。そのような比較ステップは、視覚的に行われることができるが、また算術的に行われうる。
本発明によって検出されうる疾病は、例えば免疫性疾患及び(慢性)炎症性疾患、変性進行(及び勿論また、再生回復進行)、癌、及び/又は全身性疾患、例えば全身性紅斑性狼瘡(SLE)、慢性関節リウマチ(RA)又は全身性硬化症である。
Figure 2006504093
免疫性疾患、全身性疾患及び(慢性)炎症性疾患
活動性慢性肝炎
アレルギー
血管運動神経性浮腫
抗リン脂質症候群
抗リン脂質症候群
側頭動脈炎
毛細血管拡張性失調症
自己免疫性胃炎
自己免疫性溶血性貧血
自己免疫性肝炎
Cl-エステラーゼ欠損症
チェディアック・東症候群
慢性肉芽腫症(CGD)
慢性疲労症候群(CFS, ME)
慢性皮膚粘膜カンジダ症
慢性副鼻腔炎
潰瘍性大腸炎
補体欠損症
CREST症候群
クリオグロブリン血症
CVID(分類不能型免疫不全(Common variable immunodeficiency))
皮膚筋炎
I型糖尿病
円盤状エリテマトーデス
熱病e.c.i.(未知の起源の熱)
伴性連鎖無ガンマグロブリン血症(Sex-linked agammaglobulinemia)(XLA)
ホモシスチン尿症
高好酸球症候群
高IgM症候群
高IgD症候群
高IgE症候群
過敏性血管炎
低ガンマグロブリン血症
特発性血小板減少性紫斑病
IgA欠損症
IgGサブクラス欠損症
胸腺腫を伴う免疫不全
未知の起源の伝染病
間質性膀胱炎
乾性角結膜炎
未知の起源の白血球減少症
白血球接着不全
播種性紅斑性狼瘡(disseminated lupus erythematosus)
ループス様症候群(Lupus-like syndrome)
顕微鏡的多発性血管炎(MPA)
混合性結合組織病(MCTD)
多発性硬化症
重症筋無力症
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)欠損症
天疱瘡
悪性貧血
多発性血管炎重複症候群
結節性多発性動脈炎(PAN)
リウマチ性多発性筋痛
多発性筋炎
原発性粘液水腫
原発性胆汁性肝硬変
原発性好中球減少症
進行性全身性硬化症
再発性多発性軟骨炎
慢性関節リウマチ
巨細胞性動脈炎
サルコイドーシス(ベニエー-ベック疾病)(Besnier-Boeck disease)
SCID(重症複合型免疫不全)
強皮症多発性筋炎(Scleroderma polymyositis)
強皮症
亜急性皮膚エリテマトーデス(Subacute cutaneous lupus erythematosus)
エーラー・ダンロス症候群
グッドパスチャー症候群
マルファン症候群
シェーグレン症侯群
スティックラー症候群
全身性紅斑性狼瘡(SLE)
ブドウ膜炎
脈管炎
ウィスコット・アルドリッチ症候群
ウィスコット・アルドリッチ症候群
X連鎖無ガンマグロブリン血症(X-linked agammaglobulinemia)
X連鎖リンパ増殖性症候群(X-linked lymphoproliferative syndrome)
アジソン病
ベーチェット病
チャーグ・ストラウス症候群
クローン病
眼科グレーブス病(Ophthalmic Graves' disease)
橋本病
ライター症候群
高安動脈炎
チーツェ病
ウェゲナー疾病(Wegener's disease)



膵臓癌
子宮頚癌
子宮癌
膀胱癌
骨髄癌
乳癌
腸癌
結腸癌
皮膚癌
咽喉癌
白血病
肝臓癌
肺癌
胃癌
腎臓癌
膵臓癌
前立腺癌
甲状腺癌
睾丸癌
ホジキン病
カーレル病(Kahler's disease)


感染症
ウシブルセラ症
ブルーイヤー疾病(Blue ear disease)
放線菌症
リウマチ熱
アフリカウマ疫
アフリカ豚コレラ
AIDS
ウマの脳脊髄炎
アナプラスマ属感染(Anaplasma infection)
萎縮性鼻炎
バチルスのヘモグロビン血症(Bacillar hemoglobinemia)
伝染性アガラクシア
牛肺疫(Contagious bovine pleuropneumonia)
伝染性副睾丸炎
伝染性リンパ管炎症
伝染性ウマ子宮炎
伝染性胸膜肺炎
ブタ腸チフス
エキノコックス症/包虫症
出血性紫斑病(Purpura hemorrhagica)
ウシ悪性カタル
輸送熱
ボツリヌス中毒症
牛海綿状脳症(BSE)
ウシウイルス性下痢(BVD)
気管支炎
気管支肺炎
腸チフス
オウム病クラミジア(Chlamydophila abortus)
コレラ
コクシジウム症
結膜炎
コクサッキーウィルス伝染病
クリプトスポリジウム症
嚢尾虫症
サイトメガリア(Cytomegalia)
腸の感染症(Intestinal infection)
デルマトフィルス症
ジフテリア
媾疫
赤痢
脳炎
地方病性牛白血病
全腸炎
腸性毒血症
伝染性紅斑
腸チフス
ガス壊疽
胃炎
ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)
歯肉炎
インフルエンザ
心水症
肝炎
疱疹
帯状疱疹
HIV感染症
狂犬病
HPV感染症
感染性貧血
乳児の新生児敗血症
角結膜炎
ブタコレラ(Classical swine fever)
家禽ペスト(Classical fowl plague)
ウシの伝染性鼻気管炎
在郷軍人病菌(Legionella pneumonia)
レプトスピラ症
肝臓ジストマ
リステリア症
ロンガデノマトシス(Longadenomatosis)
肺炎
ライム病
マラリア
波状熱(ブルセラ症)
乳腺炎
髄(脳)膜炎
髄膜脳炎
子宮筋層炎
脾脱疽
口蹄疫
流行性筋痛性
筋炎
粘液腫病
ナイロビ羊病
壊死桿菌症
結節性皮膚症(Nodulardermatosis)
ウマのインフルエンザ
パラドンティティス(Paradontitis)
寄生虫症
パラ結核性感染(Paratuberculosis infection)
パラチフス熱
腹膜炎
ピロプラズマ症
胸膜肺炎
足皮膚炎
天然痘
灰白髄炎
多発性関節炎
汎漿膜炎(Polyserositis)
偽口蹄疫
偽膜性腸炎(Pseudo membranous enteritis)
偽結核症
ニューカッスル病
髄様腎炎(Pulpy nephritis)
Q熱
鼻炎
リノニューモニア(Rhinopneumonia)
リフトバレー熱
牛疫
菌性伝染病
スクレピー
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性感染症
A群レンサ球菌感染症
B群レンサ球菌感染症
亜急性細菌性心内膜炎
テッシェン病
破傷風(Tetanos)
破傷風(Tetanus)
タイレリア症
毒素性ショック症候群
トキソプラズマ症
旋毛虫症(trichinellosis)
旋毛虫症(trichinosis)
トリコモナス感染症
トリパノソーマ症
結核
野兎病
精のう(嚢)炎
ウイルス性出血熱
ウイルス性心筋炎
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ブタ丹毒
丹毒
ボーンホールム病
カレ病
クロイツフェルト・ヤコブ病
グラッサー病(Glasser's disease)
皮膚粘膜リンパ節症候群(川崎病)(Mucocutaneous lymph node syndrome)
腺熱
チザー病(Tyzzer's disease)
ワイル病(Weil's disease)
ズーノーシス(人獣共通感染症)
羊慢性進行性肺炎(Maedi-Visna)

変性疾患
筋萎縮性側索硬化症(シャルコー病)
アテローム性動脈硬化症
17番染色体架橋痴呆(Chromosome 17-linked dementia)
大脳皮質基底核変性症
嚢胞性線維症/ムコビシドーシス
びまん性レヴィ小体病(Diffuse Lewy body diseases)
椎間板症
前頭側頭型痴呆
レヴィ小体型痴呆(Lewy body dementia)
変形性関節症
骨髄炎
骨粗鬆症
原発性進行性失語症
進行性核上性麻痺(PSP)
進行性筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)
脊椎関節症
血管性痴呆
アルツハイマー病
ビンスワンガー病
クロイツフェルト-ヤコブ病
ゴーシェ病
ハンチントン病
コルサコフ病
パーキンソン病
ピック病
ポンペ病
個々の哺乳動物の健康な個体の体液中の代謝物質のスペクトルによって本発明に従う差プロファイルと比較する前に、疾病が疑われるこの哺乳動物の個体の体液中の代謝物質のNMRスペクトルを正規化することが可能であるが、必ずしも必要でない。従って、特徴的な差プロファイルが、疾病が疑われる個体から記録されたスペクトル中に実際に含まれる比較ステップから明らかである場合、疾病の存在が決定される。
疾病がスコア・プロット、例えば図1のスコア・プロット等において疑われる個体から記録されたスペクトルのデータをプロットすること、及び該データが「病気」スペクトルのクラスタ内にあるかどうかを決定することがまた可能である。個々の疾病が疑われる個体のこれらデータが「病気」と呼ばれたクラスタ内にない場合、個々の疾病は、それが「病気」基準グループ内で生じる場合に、少なくとも疾病の段階でなく、個々の個体中に存在しない。本発明では、そのような診断学的方法ステップが、NMRスペクトルを差プロファイルと比較するためのステップ内に含まれることが理解される。
代謝物質は、種々の形式及び数において身体中で見つけられる有機化合物の転換生成物である。例えば、健康な身体では、体液、例えば尿又は血液中の代謝物質の比及び発生が、病気の身体中のとは全く異なる。尿では、そのような代謝物が廃棄物とみなされる。
本明細書の文脈において、バイオマーカーは、1以上の有機化合物若しくはそれらの代謝物質、又は幾つかの有機化合物又はそれらの代謝物質の特異的パターン若しくは特異的量を意味すると理解され、それらは、哺乳動物の身体で見つけられることが出来且つその体内で亜臨床的な又は臨床的な事象の結果である。
哺乳動物の体液中のバイオマーカーを測定することによって、不健康な又は病身の状態を健康な状態と素早く区別することが可能である。本発明は、バイオマーカーの識別のための方法を提供する。
本発明に従うバイオマーカーは、1つの単一の物質又は代謝物質でありえるが、また、物質又は代謝物質の特定の組合せでありえる。後者の場合では、一組のバイオマーカーがまた考えられうる。好ましくは、本発明によれば、バイオマーカーは、疾病の結果、体液、好ましくは尿中の濃度又は量の特定のパターンにおいて見つけられることができ且つ差プロファイルから得られることができるところの代謝物質の特定の組み合わせである。本発明では、バイオマーカーはまた、有機化合物の又は代謝物質の一部を意味すると理解される。
本発明は、特定の疾病のためのバイオマーカーの同定のための方法であって、本発明に従いその特定の疾病のための差プロファイルを作成すること、及び、この差プロファイルにおいて1以上の定義されたスペクトル線によって特徴付けられた1以上の代謝物質を識別することを含む方法を提供する。
差プロファイルにおいて1以上の定義されたスペクトル線によって特徴づけられる代謝物質の同定は例えば、NMR装置への質量分析計の連結と、質量分析(MS)によって1以上の定義されたスペクトル線に対応する代謝物質の引き続く分析とによって行われうる。当業者は、有機化合物及び代謝物質の同定のための質量分析に精通している。しかしながら、1以上の定義されたスペクトル線に対応する代謝物質の同一性を決定することがまた、既知の代謝物質からのNMRスペクトルを記録すること、そしてそれを本発明に従う差プロファイルにおけるNMRスペクトル線と比較することによって行われうる。
種々のスペクトル線位置に対応する代謝物質を同定するために、また、ハンドブック、例えば「Sadtler Standard Spectra series on NMRspectra」及び「Aldrich Library of NMR Spectra」等、又は1H NMRスペクトルのための他のデータベースファイルが調べられうる。
特定の特徴的な代謝物質の1H化学シフトは例えば以下である(値±0.05 ppm):N-アセチルアスパルテートは、2.05 ppmでシングレット(帰属CH3)として及び2.91及び1.95 ppmでマルチプレット(帰属CH2)として現れ;イノシトールは、3.25 ppmでダブレット(帰属H1/H3)として及び4.10 ppmでトリプレット(帰属H2)として;コリンは、3.19 ppmでマルチプレット(帰属NCH2)として及び3.94 ppmでマルチプレット(帰属OCH2)として現れ;ネオプテリンは、4.34及び4.44 ppmでマルチプレット(帰属CH2)として並びに4.60及び4.70 ppmでマルチプレット(帰属CH)として並びに5.20 ppmでシングレット(帰属OCH2)として現れ、及びタウリンは、3.26 ppm(帰属CH2SO3)及び3.31 ppm(帰属NCH2)でトリプレットとして現れる。そのような代謝物質は、患者における疾病を検出するための本発明に従うバイオマーカーとして非常に適切に使用されることができ、そこではバイオマーカーの濃度における増加は例えば、これら代謝物質が起こる基材の(増加した)変性又は転化を示す。
本発明に従う差プロファイル(その代表的な例が表1及び図2に示される)は、個々の疾病について、正の回帰を有するスペクトル線(すなわち、その高さが増加したスペクトル線)及び負の回帰を有するスペクトル線(すなわち、その高さが減少したスペクトル線)の種々のパターンを含むことが決定されることができ、それらスペクトル線は特定の代謝物質の特徴である。
例えば、図2において強度の増加を示すスペクトル線(変形性関節症のための因子スペクトル)は、乳酸、リンゴ酸、メルカプツール酸及び/又はアセチルシステイン及びモノフォスフェートに特異的であることが決定されうる。
これら代謝物質は疾病、そして随伴する複雑な生理学的変性及び炎症性症状の結果として尿中に分泌され、従って尿中のこれら代謝物質の分泌は、疾病の存在に特異的であると仮定される。
疾病の存在のために試験される患者の体液、例えば尿中において増加した量で見つけられる代謝物質が、バイオマーカーとして非常に適切に使用されうる。健康な個体に関連して、病気の個体中で量において減少する代謝物質が、特定の検出方法において偽の負の結果の危険性の故にバイオマーカーとして比較的良く適用されることができる。それ故に、本発明に従う差プロファイルにおける正の回帰を有する代謝物質は、疾病の迅速な且つ早期の検出のためのシステムにおいてバイオマーカーとして好ましくは使用される。
多くの場合では、代謝物質が、遊離状態で又は誘導体形式(例えば、他の様式で共役された又は結合された)で尿中に分泌されるかどうかを差プロファイルから結論付けることは可能でないだろう。しかしながら、当業者は、記載された代謝物質が、それらが体液中で見つけられてもよい任意の条件においてバイオマーカーとして使用されうることを理解するだろう。
本発明はまた、本発明に従う方法を使用することによって利用可能な、変形性関節症の診断及び予後のためのバイオマーカーに関する。特に、本発明は、代謝物質が少なくとも1つの化合物を含む代謝物質によって形成される点で特徴付けられる変形性関節症のためのバイオマーカーを提供し、該代謝物質は、乳酸、リンゴ酸、メルカプツール酸、アセチルシステイン、モノフォスフェート化合物及びそれらの機能的な類似体から成る群から選択される。
本発明はさらに、哺乳動物における疾病の検出(すなわち、診断及び/又は予後)のための方法であって、体液、好ましくは尿中の本発明に従うバイオマーカーを測定することを含む方法に関する。そのような測定は好ましくは、健康な個体の体液中で見つけられ且つ定量的変化が個々の疾病のための差プロファイルにおけるそのバイオマーカーの回帰に対応するところのそのバイオマーカーの通常の値に関連して、バイオマーカーの発生における定量的変化の(疾病が疑われている哺乳動物の個体の体液中での)検出を含む。
バイオマーカーの測定はまた、バイオマーカーが幾つかの代謝物質濃度のパターンである場合、疾病が疑われる哺乳動物の個体の体液中の代謝物質の濃度又は量のパターンの検出を含むことができる。代謝物質の濃度又は量のそのようなパターン(該パターンは、哺乳動物の個体におけるバイオマーカー測定の形式で測定される)が、バイオマーカーが決定された個々の疾病の差プロファイルに対応する場合、該疾病はその個体中に存在する。その場合、定性的バイオマーカー測定が関与する。
従って、本発明に従う哺乳動物にける疾病の検出のための方法は、その個体の体液中の本発明に従うバイオマーカーの定量的又は定性的検出を含む。
本発明に従う哺乳動物における疾病の検出のためのバイオマーカーの測定は、好ましくは尿について実行される。
発明に従う疾病の検出のために哺乳動物の個体の体液中のバイオマーカーの測定は、見つけられた測定値を基準と比較するステップを常に含むだろう。該基準は、健康な個体について特徴的な値及び/又は個々の疾病が診断された個体の特徴的な値を含みうる。
診断は、本発明に従うバイオマーカーの測定の結果に基づいてなされうる。例えば、代謝物質の正常なレベル又は代謝物質の正常なパターンは、診断「健康」を提供するだろう。逆に、望ましくない代謝物質パターン又は望ましくない代謝物質レベルは診断「病気」を提供し、使用される疾病特異的なマーカーの特異性及び性質に依存し、疾病の名称が知られるだろう。
それ故に、本発明によって、哺乳動物の個体の体液における特定の生化学的変化を観察することによって哺乳動物における疾病を検出することが可能であり、該変化は好ましくは、本発明に従うバイオマーカーの測定によって検出される。
本発明に従うバイオマーカーは、種々の様式において体液中で検出されうる。例えば、NMR及び/又は質量分析(MS)が、体液のサンプルに適用されうる。しかし、他の分析的方法、例えばELISA又は関連した方法論がまた、この目的のために使用されうる。
さらに単純で且つより多くの迅速な診断がミクロ・システム技術、体液中に見つけられたバイオマーカーが定量的に及び/又は定性的に測定されうることによって特定の蛍光酵素又は検出の他の様式と例えば組み合わせて、例えば「マイクロフルイディクス(microfluidics)」装置又は微小電気機械システム(MEMS)を使用することによってなされうる。当業者は、バイオマーカー及び/又は代謝物質の迅速な検出の分野における従来技術を多くの問題なく彼ら自身精通することができ且つ疾病の診断又は予後のために哺乳動物の体液における本発明に従うバイオマーカーを測定するための方法を公式化することが出来るだろう。(M. Madou, Fundamentals of Microfabrication: The Science of Miniaturization, 2nd Ed, CRC Press 1997年; N. Nam-Trung& S. Wereley, 2002年, Fundamentals and Applications of Microfluidics, Artech House Publishers; J. W. Gardner等, 2001年, Microsensors, MEMS and Smart Devices, Wiley, Chichesterを例えば参照)。
本発明はまた、本発明に従うバイオマーカーを測定することによって哺乳動物における疾病の検出のための方法を使用するための装置に関する。そのような装置は好ましくは、このバイオマーカーのための固定化された結合パートナーをその上に有する固体担体を含む。そのような結合パートナーの性質は、測定されるだろう(しかしバイオマーカーを特に結合することができる特異的な結合パートナーとして抗体又はペプチドを例えば含むことが出来る)バイオマーカーに依存する。本発明に従う装置はさらに好ましくは、バイオマーカーと固定化された結合パートナーとの間の結合の定量的検出のためのシステムを含む。そのようなシステムは、直接検出(例えば、バイオマーカー上に蛍光性ラベルを適用することによって)又は間接検出(例えば、第2の結合性パートナー(該第2の結合性パートナーは、検出可能なラベルを含む)をバイオマーカーに適用することによって)のいずれかを含むことができる。当業者は、固定化された結合性パートナーと本発明に従うバイオマーカーとの間の結合をもたらすためのシステム及び方法、並びにそれらの間で該結合を検出するためのシステムに精通していると仮定される。
本システム及び方法によって、疾病は定性的様式で診断されうる。この目的のために、例えば、データベースは、定義された疾病を有する1以上の個体の体液、好ましくは尿中の実質的に全ての代謝物質から記録されたNMRスペクトル(例えば変形性関節症患者の1以上のNMRスペクトル及び/又は例えば多発性硬化症患者について表2に記載された疾病に苦しむ患者のNMRスペクトルなど)に編集される。そのようなデータベースの既知のNMRスペクトルは、特定の疾病、例えば変形性関節症が疑われる患者から記録されたNMRスペクトルと比較されうる。そのようなデータベースが、変形性関節症に苦しむ患者の1以上のNMRスペクトルを単に含む場合、変形性関節症の定性的検出だけがそのようなデータベースによって可能である。しかしながら、データベースが、疾病が疑われる患者において、種々の及び定義された多くの疾病のNMRスペクトルを含む場合、多くの疾病の定性的検出が可能であろう。データベース中のNMRスペクトルを有する未知の疾病に苦しむこの患者のNMRスペクトルの比較によってこの検出を実行することが可能だろう。そのような比較ステップが特異的疾病のためのデータベースにおけるNMRスペクトルと一致を与える場合、従って該疾病はこの個々の患者において示される。データベースの基は、好ましくは正規化された形式のそのようなNMRスペクトルを含む。
本発明に従うデータベースは1以上の定義された疾病のための1以上の任意的に正規化されたNMRスペクトルを含むことが出来るという事実に加えて、そのようなデータベースは、その代わりに、1以上の定義された疾病のための公式化された、本発明に従う1以上の差プロファイルを含むことができる。
本発明に従うデータベースにおける差プロファイルを使用することは、データベースが、完全な、任意的に正規化されたNMRスペクトルがその中に格納される場合よりも相当に少ないデータを含むだろうという有利点を有する。
種々の進行の段階で1以上の疾病のための差プロファイルを公式化すること及びそれらをデータベース中に含むことによって、疾病の定量的分析のための一連の定量的な差プロファイルが得られうる。特定の疾病が疑われる個体の又は疾病の重大性が決定されるべきであるNMRスペクトルの比較的分析を実行することによって、この一連の定量的な差プロファイルは、疾病の存在を定量的に表現するために使用されうる。さらに、該疾病の進行が、この様式において定量的に追跡されうる。
それ故に、本発明はまた、本発明に従う1以上の疾病特異的な差プロファイルを含み、任意的に疾病の段階の注釈を含むデータベースに関する。
好ましくは、そのようなデータベースは、診断することが難しく又は予想することが難しい疾病のための差プロファイルを含む。非常に適切に、本発明に従うデータベースは、異なる型の癌、白血病、パーキンソン病、ホジキン病、クローン病、アルツハイマー病、AIDS、糖尿病、結核、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳脊髄膜炎、灰白髄炎、進行性筋ジストロフィー症、脳炎、破傷風、ウイルス性肝炎、マラリア、斑点熱、腸チフス、パラチフス熱、ジフテリア、コレラ、炭疽病、変形性関節症、骨粗鬆症、アレルギー及び/又はムコビシドーシスのための差プロファイルを含む。
このバイオマーカーが病気の個体の体液中で見つけられる量が個々の疾病の進行の種々の段階に関連付けられうる場合、疾病の定量的分析のために本発明に従うバイオマーカーを使用することがまた可能である。
代謝的及び生理学的測定と組み合わせて本発明を使用することによって、例えば、早期の段階で変形性関節症を診断し且つ定量化することが今可能である。変形性関節症のこの分析、病原論の知識及び治療の効率性が、本発明の使用を通じて非常に改善しうる。本発明に従うバイオマーカー、例えばラクテート、マレエート、β−アラニン、ヒポキサンチン、3,4-ジヒドロキシマンデレート、3−ヒドロキシ桂皮酸、アラニン、アスパラギン又はN−アセチルアスパルテートの単独又は組み合わせから成る群から選択されるバイオマーカーを使用することによって、早期の段階で変形性関節症を検出し且つ患者の処置を改善することがいま可能になる。
原則として、本発明は、魚、トリを含む動物に適用されることができ、及び好ましくは一般に哺乳動物に適用され、特に、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ネズミ、イヌ、げっ歯動物、サル及び霊長類に適用される。好ましくは、本発明は、モルモット、イヌ又はヒトに適用される。
本発明は、実施例に基づき本明細書の下記に示されるだろう。
サンプルの予備的処理
NMR分光分析の前に、1 mlの尿サンプルが凍結乾燥され、そして内部標準としてトリメチルシリル-[2,2,3,3,2H4]-1-プロピオン酸(TMSP) 1 mMを有する1 mlのリン酸ナトリウムバッファー(pH 6.0、D20に基づく)中にもどされた。
NMR測定
NMRスペクトルは、プロトンNMRセットアップを備えたバリアン(Varian) UNITY 400 MHz分光計で、293 Kの作業温度で、完全に自動化された様式で三回記録された。自由誘導減衰(FID)は、8,000 Hzのスペクトルバンド幅を有する64 Kデータポイントとして集められた;45度のパルスが4.10秒の測定時及び2秒の緩和遅延で使用された。スペクトルが、128 FIDの蓄積によって決定された。残余の水の信号は、水ピークが測定パルスの前に一定の頻度で2秒間照射された前飽和技術によって除去された。
スペクトルは、標準のバリアン・ソフトウェアを使用して処理された。0.5 Hzの線広がりを有する指数ウィンドウ関数及び手動のベースライン補正が、すべてのスペクトルに適用された。
内部NMR標準(TMSPδ=0.0)への参照後に、ライン・リストが、標準のバリアンNMRソフトウェアによって編集された。これらのライン・リストを得るために、ノイズより上の信号強度を有するスペクトルにおける全ての線が集められ、そして多変量データ解析の使用に適していたデータ・ファイルに変換された。
変形性関節症代謝物質の代謝的フィンガープリント又は差プロファイルの決定
400 MHzのNMR分光計によって、健康な個体の及び変形性関節症が診断された個体の尿サンプルが試験された。スペクトルが処理され、そしてライン・リストが内部標準への参照後に標準のバリアン・ソフトウェアによって編集された。NMRデータ換算ファイルが、Winlin VI. 10内にインポートされた。種々のNMRスペクトルにおける比較可能な信号の小さな変化が、国際公開第02/13228号に記載されたような部分的線形適合アルゴリズムを使用することによって調節され、そして該線が解像度の損失無しにフィットされた。データのスケールは自動的に調節され、そして単位強度へと「正規化」された。内因的及び外因的代謝物質が、NMRスペクトルから除去され、それは特定の及び「有意的な」変形性関節症に関連した変化へのデータの減少をもたらした。この目的のために、それによってスペクトル線位置の80〜90%が除去されたところの閾値が使用された。
NMRスペクトルのスコア・プロット(図1)が、本明細書の上記されたような多変量データ解析によって作られた。スコア・プロットから、代謝的フィンガープリント又は差プロファイルが、変形性関節症患者の尿中での発生の比較的高い頻度を有する上昇及び下降NMRシグナルを選択することによって得られた。これらから、変形性関節症への関連した寄与(回帰>0.5)を有するおよそ35のNMR信号が選択された。これらNMR信号が、表1及び図2に示される。
Figure 2006504093
変形性関節症のための実施例1になかんずく記載されたような様式において得られたNMRスペクトルのスコア・プロットの図である。水平軸において、成分D1がプロットされる。垂直軸において、成分D2がプロットされる。左に描かれたクラスタ(C)は、健康な対照個体のNMRスペクトルのクラスタである、一方、右に点線で描かれたクラスタ(OA)は、変形性関節症を有する患者のNMRスペクトルのクラスタを表わす。 本明細書の上記及び実施例1に記載されたような様式において得られた変形性関節症の要素スペクトルの図である。水平軸において、スペクトル線位置が「ppm」でプロットされる。垂直軸において、信号強度が「回帰」でプロットされる。

Claims (26)

  1. 哺乳動物における疾病の検出のための差プロファイルであって、NMRスペクトル線の複数のスペクトル線位置及び任意的に、対応する信号強度を含み、哺乳動物の1以上の健康な個体の体液中の代謝物質の1以上のNMRスペクトルと、疾患が診断されている前記哺乳動物の1以上の個体の対応する体液中の代謝物質の1以上の対応するNMRスペクトルとの間の正規化された差を表す、差プロファイル。
  2. 前記哺乳動物が、霊長類、イヌ及びげっ歯動物から成る群から選択されている、請求項1に記載の差プロファイル。
  3. 前記体液が尿である、請求項1又2に記載の差プロファイル。
  4. 前記疾病が、免疫性疾患、(慢性)炎症性疾患、変性疾患、癌、感染症及び/又は全身性疾患である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の差プロファイル。
  5. 前記疾病が変形性関節症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の差プロファイル。
  6. 表1に従うスペクトル線及びそれに対応する値を含む、請求項5に記載の差プロファイル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の1以上の差プロファイルを含むデータベース。
  8. 前記哺乳動物がヒトである、請求項7に記載のデータベース。
  9. 哺乳動物における疾病の検出のための方法であって、前記疾病が疑われている前記哺乳動物の個体の体液中の代謝物質のNMRスペクトルを用意すること、及び前記NMRスペクトルを請求項7又は8に記載のデータベースからの差プロファイルと比較することのステップを含み、該差プロファイルが対応する哺乳動物からの対応する体液のために決定されている方法。
  10. 前記哺乳動物が、霊長類、イヌ及びげっ歯動物から成る群から選択されている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記体液が尿である、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記疾病が変形性関節症である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 哺乳動物における疾病の検出のための差プロファイルを作成する方法であって、a)哺乳動物の1以上の健康な個体の体液中の代謝物質から記録された1以上のNMRスペクトルのスペクトル線の位置及び対応する信号強度の正規化された第1のセットを用意すること;b)疾病が診断されている前記哺乳動物の1以上の個体の対応する体液中の代謝物質から記録された1以上のNMRスペクトルのスペクトル線の位置及び対応する信号強度の正規化された第2のセットを用意すること;及びc)前記差プロファイルを得るために、信号強度が前記第1セットと前記第2セットとの間で異なるスペクトル線を検出することを含む、方法。
  14. 信号強度が前記第1セットと前記第2セットとの間で異なる前記スペクトル線を検出することが、国際公開第02/13228号に記載の方法の使用を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記疾病が変形性関節症である、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 疾病のためのバイオマーカーを識別する方法であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の差プロファイルを作成すること、及び前記差プロファイルにおける1以上の定義されたスペクトル線によって特徴付けられる1以上の代謝物質を同定することを含み、該1以上の代謝物質は単独で又は組み合わせで、前記バイオマーカーを特徴付ける、方法。
  17. 前記1以上の代謝物質が、正の回帰を有する1以上の定義されたスペクトル線によって特徴付けられる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記疾病が変形性関節症である、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 哺乳動物における疾病の検出のためのバイオマーカーであって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の差プロファイルにおける1以上の定義されたスペクトル線によって特徴付けられる1以上の代謝物質又はそれらの部分を含む、バイオマーカー。
  20. 変形性関節症の検出のためのバイオマーカーであって、ラクテート、マレエート、β−アラニン、ヒポキサンチン、3,4-ジヒドロキシマンデレート、3−ヒドロキシ桂皮酸、アラニン、アスパラギン及びN-アセチルアスパルテート、及びそれの組合せから成る群から選択される1以上の代謝物質又はそれらの部分を含む、バイオマーカー。
  21. 哺乳動物における疾病の検出のために、請求項19に記載のバイオマーカーを使用する方法。
  22. 哺乳動物における変形性関節症の検出のために、請求項20に記載のバイオマーカーを使用する方法。
  23. 前記哺乳動物の個体の体液中の請求項19又は20に記載のバイオマーカーを測定することを含む、哺乳動物における疾病の検出のための方法。
  24. 前記体液が尿である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記バイオマーカーのための1以上の固定化された結合パートナーを有する固体担体を含む、請求項23又は24に記載の方法を使用するための装置。
  26. 前記バイオマーカーと前記1以上の固定化された結合パートナーとの間に結合の定量的検出のためのシステムをさらに含む、請求項25に従う装置。
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