JP2006502745A - 抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングキットおよび抗プリオン活性を有する分子のスクリーニング方法およびスクリーニングされた分子 - Google Patents
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Abstract
Description
a.有効量未満の用量のプリオン除去剤を補充した培地上へインビトロで細胞の菌叢を生成する工程と、
b.アンチビオグラム法に従って試験すべき化合物を沈着させる工程と、
c.約20〜25℃で約2−4日間インキュベーションする工程と、
d.細胞コロニーの染色を分析する工程と
を包含することを特徴とする。
e.約2−6℃で約2−4日間インキュベーションする工程、および/または
f.二次スクリーニング試験を実施する工程
を包含することもできる。
−ADE2遺伝子がDAL5遺伝子のプロモーターの制御下にある酵母株を構築する工程、
−前記方法の工程a.〜e.を実施する工程
を包含できる。
XはF、Cl、Br、I、CF3、SR3、OR3、OH、NO2、COR3、CONH2、COOHまたはCOOR3を表わし、R3は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはCH3であり、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2であり、
qは0または1である。
XはF、ClまたはCF3を表わし、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。
XはF、ClまたはCF3を表わし、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。
XはF、ClまたはCF3を表わし、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。
(1.材料および方法)
(微生物(サッカロミケス・セレビシエおよび培地))
スクリーニング方法の展開に際しては、[PSI+]単層酵母株74−D694(Mat a,ade1-14,trp1-289,his3-Δ200,ura3-52,leu2-3,112)を用いた。用いた株は翻訳終結因子Sup35pがプリオン形態すなわち凝集された形態にある場合に極めて顕著な表現型を示すので、用いた株は、「Strong」と呼ばれる。
oBM1060:5’ CGATTTAAGTTTTACATAATTTAAAAAAACAAGAATAAAATAATAATATAGTAGGCAGCATAAGCGGATCCCCGGGTTAATTAA 3’(配列番号1)
oBM1061:5’ CTGCATATATAGGAAAATAGGTATATATCGTGCGCTTTATTTGAATCTTATTGATCTAGTGAATGAATTCGAGCTCGTTTAAAC 3’(配列番号2)
oBM1030:5’ GGTACCTCGTTCCCGTAC 3’(配列番号3)
oBM1063:5’ CAGTCAGAAATCGAGTTCCA 3’(配列番号4)
を持つ。
最少培地:アミノ酸および硫酸アンモニウムを含まないYNB(yeast nitrogen base)(DIFCO(登録商標))0.175%、硫酸アンモニウム0.75%およびグルコース2%。この培地をpH6にする。場合によっての栄養要求性を補償するために、この培地は、滅菌後に、アミノ酸(L−ヒスチジン0.002%および/またはL−ロイシン0.004%および/またはL−トリプトファン0.003%)または窒素塩基(ウラシル0.0025%および/またはアデニン0.008%)の添加によって補充されてもよい。
開発されたスクリーニング法は、アンチビオグラムの原理に基づいている。実際には、試験すべき化合物を滅菌ろ紙ディスク上に沈積し、この滅菌ろ紙ディスク自体を、塩化グアニジウム0.2mMを含有する固体YPDΨ培地のボックス(boite)に沈積する。この固体YPDΨ培地は、酵母叢を生成するために約5×106個のSTRg6株細胞が前もって播かれている。この播種細胞量(106〜107)は、各細胞が少なくとも6回(3mMのGuHClによる効果的な除去が得られるのに必要な世代の数)分裂するために最適化された。酵母からプリオンを排除する有効量(有効量は1〜5mM程度である)未満の用量である少量の塩化グアニジウム(0.2mM)の添加により、試験の感度を高めることができる(結果の部参照)。次に、一辺12cmの正方形のボックスを23.5℃で3日間インキュベートして、酵母コロニーの出現および成長を可能ならしめる。次に、これらのボックスを4℃で3日間保存して、プリオン形態のタンパク質Sup35pに対して活性な物質が染み込んだディスクの周囲にある赤色の染色を際立たせる。陰性対照(試験される阻害剤の溶媒を沈積)および陽性対照(プリオン形態のSup35pタンパク質の効果的な排除を惹起する300mMの塩化グアニジウム溶液を沈積)を比較することにより、化合物の有効性を評価することができる。図2は、本スクリーニング法の計画案:(1)STRg6株の培養;(2)直径3〜4mmの滅菌ガラスビーズを用いての、0.2mMの塩化グアニジウムを含有する固体YPDψ培地のボックス上で指数増殖期にある約106個の細胞の沈積および拡散:細胞「叢」の構成;(3)32の化合物(対照を含む)の分析および試験されるべき生成物の各々の最大20μlの沈積を可能にする格子に一致する滅菌ろ紙ディスクの沈積;(4)インキュベーション;(5)得られた結果の精査(Numerisation);(6)強い抗プリオン活性を示す化合物の単離の例示、を図示している。
11−アミノジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン類(カステルパオリチン類とも呼ばれる)は、単一の工程で合成され得る。これら生成物の合成は、1997年のメッティー(Mettey)らによる出版物においてすでに記載されている。
(スクリーニングの原理および実行可能性)
塩化グアニジウムは酵母サッカロミケス・セレビシエからプリオンを効果的に排除することが知られている唯一の生成物であり、スクリーニングの間中ずっと陽性対照の役目を果すだけでなく、方法の実行可能性の検討ならびにその開発に役立つ。塩化グアニジウムは、1〜5mMの用量で、種々の酵母プリオンを効率的に排除する(Fernandez-BellotとCullin、2001)。これらの条件下では、本発明者らが実施したいと願うようなボックス上でのスクリーニングの実行可能性が危うくなる指数増殖期にある6〜10世代の間この生成物が恒常的に存在することが、その除去に必要である。
諸化合物(約1000種)を、本発明者らが最適化した条件を用いて、スクリーニングに付した(図2)。各ボックスにつき、左上にあるフィルタ(陰性対照)上に15μlのDMSOを沈積し、DMSO中の300mM塩化グアニジウム溶液15μl(陽性対照)を右下にあるフィルタ上に沈積した。ライブラリの生成物の各々(いずれもDMSO中の10mM溶液)の同体積(15μl)を残りのフィルタ上に沈積した(正方形の大型ペトリボックスごとに30検体)。5種の生成物について、陽性のシグナル(生成物が沈積された滅菌ろ紙ディスクの周囲の赤色ハローの可視化)が得られた。これらの生成物は、本発明者らが「カステルパオリチン類」と名付けた同じファミリーの4種の分子およびフェナントリジンとして周知の第5の分子に対応する。
カステルパオリチン類およびフェナントリジンの化学構造を図3Bに示す。パネル3Aは、これらの分子全部によってそれぞれに得られた赤色ハローの大きさの比較分析を示している(いずれも同等量を沈積:DMSO中の10mM溶液15μl)。この実験により、これらの生成物の各々の相対活性を比較することができる。最も活性なのはカステルパオリチン1(すなわち、KP1)であり、フェナントリジンがそれに続く。
一方のフェナントリジンおよび他方のカステルパオリチン類の比較分析は、これら両群の分子の間のいくつかの共通点を示してくれる(図3)。そこでは、異なる分子が最も活性が低いものから最も活性なものまでに分類されており、それらの式がそれぞれ示されている。すべて三環式であり、いずれの場合にも、中央の環が隣接炭素と二重結合した窒素を含んでいる。これに対し、すべてのカステルパオリチン類では、この窒素と二重結合している中央環の炭素がアミノ基を有しており、フェナントリジンの場合にはそうではない。この観察から、本発明者らは6−アミノフェナントリジンを試験したいと欲するに至った。
活性な化合物は全て、少量の塩化グアニジウム(200μM/有効用量=4mM)を含有する培地中で単離された。スクリーニング法開発時に確立されたこのような経過を辿ることは、感度を(それゆえ方法の検出限界を)向上させるという考えに対応するものであった。より多量(500μM)の塩化グアニジウムを含有するまたはそれを含有しない培地中でのそれらの分子の効果が、続いて観察された。フェナントリジンは、塩化グアニジウムを含有しない培地でもなお活性であるが、その活性は、培地中の塩化グアニジウムの量(ただし、明らかに有効量未満の用量で)の関数として著しく増大する。この結果は、塩化グアニジウムとフェナントリジンとの間の活性の相乗作用を示している。本発明者らが単離した他の分子(カステルパオリチン類、6−アミノフェナントリジンおよびその誘導体)のすべてについて、同じ結果が得られた。
本発明者らが次に明確にしたいと欲したことは、試験酵母中に認められる赤色ハローが[PSI+]プリオンの除去に確かに対応するものであって、人為結果に対応するものではない、というものであるかどうかということである(例えば、これらの赤色ハローがこれらの分子によるアデニン生合成連鎖の直接的阻害によるものであり、そのことによって、AIRが蓄積する可能性がある)。これらの分子が効果的に[PSI+]プリオンを排除するならば、液体培地中の[PSI+]細胞の処理とそれに続く該細胞の洗浄により、もはやそれらの化合物を含有しない寒天培地上に赤色のコロニーを形成できるようになるはずである。これらの試験は、6−アミノフェナントリジンを用いて、野生型の「Strong」株74−D694に対して実施された。
他の酵母プリオン:[URE3]に基づいたボックスでの他の迅速な試験を行った。この試験は、他の酵母プリオンを用いた一次スクリーニングの際に単離された生成物の効果を一般化することを可能にする二次スクリーニングを構成するものである。従って、[PSI+]プリオンに対してのみ活性であり、それゆえ、有用性に乏しく、一般的な効果を持たない分子を除外することが可能である。
ACAACAAAACAAGGATAATCAAATAGTGTAAAAAAAAAAATTCAAGATGGATTCTAGAACAGTTGG (配列番号5)(5’)および
TATATTCTTCTCTGATAACAATAATGTCAGTGTATCTCACCACTATTATTACTTGTTTTCTAGATAAGC (配列番号6)(3’)とを用いてのPCRによって生成した。
ATAGTCTCTGCTCATAG(配列番号7)(5’)および
GCTTACAGAAATTCTAC (配列番号8)(3’)
とを用いてのPCRによって確認された。
NT34株を備えたボックス上で観察された作用が除去によく対応するものであることを確認するために、2つのタイプの実験を実施した。まず、フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンに対する陰性対照(DMSO)および陽性対照(塩化グアニジウム)について、フィルタ周辺の帯域の細胞を回収した。次に、これらの細胞を、これらの分子をいずれも含まない新鮮培地上に画線した。フィルタ周辺で回収した細胞は、陰性対照の周辺で採取した細胞を除いて、すべて赤色コロニーを形成する。この結果は、NT34株についてボックス上で認められた赤色の染色が、除去によく対応するものであって、アデニン生合成経路の酵素阻害に関連する人為結果ではないことを示している(アデニン生合成経路の酵素阻害に関連する人為結果である場合には、赤色染色は阻害剤がない培地上で消失する)。フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンの除去効果は、[URE3]プリオンに対して直接的にも確認された。CC34株の[URE3]細胞は、USAと呼ばれる培地上で生育するが、除去された([ure−0])細胞は、この培地上で生育できない。本発明者らは、200μMの塩化グアニジウム(陰性対照)、5mMの塩化グアニジウム(陽性対照)または種々用量の6−アミノフェナントリジン(単独または200μMの塩化グアニジウムと組合せて)により処理した[URE3]細胞がUSA培地上で成育する能力を調べた。6−アミノフェナントリジンは、[PSI+]プリオンの場合とまったく同様に、[URE3]プリオンを有意に除去することができ、この作用は、少量の塩化グアニジウム(200μM)によって増強される。これらの結果は、それらがNT34株を用いての二次スクリーニングを有効にするという事実以外に、該スクリーニングによって明らかにされた阻害剤の作用が酵母プリオン全てについて一般的であろうことを示唆している。
「タンパク質単独」仮説の父であり、1997年のノーベル賞受賞者であるスタンリー・プルジナーの研究室は、プリオンPrPSCに慢性的に感染したマウス細胞(神経芽細胞腫)の系を用いて、哺乳動物プリオンPrPに対して活性のあるいくつかの分子を単離している(Korthら、2001)。この系は、その大掛かりなことおよびその複雑さの点で、本発明者らが開発したもののように大量スクリーニングができない。それゆえ、スタンリー・プルジナーのグループのアプローチでは、すでに医薬として使用されている分子のうちの、血液−脳関門を通過するものを一つ一つ試験しなければならなかった。いくつかの分子、とりわけキナクリン(ずっと前から抗マラリア剤として使用されている)またはクロルプロマジン(抗うつ剤)が彼らの系で顕著な活性を示している。それゆえ、本発明者らは、スクリーニングを確認するために、発明者らの酵母系においてクロルプロマジンおよびキナクリンを試験した。図7に示したように、これら2種の分子は、[PSI+]プリオンに対してある程度の活性を示す。しかしながら、それらの活性は、6−アミノフェナントリジンの活性よりも明らかに劣ることを指摘しておかなければならない。また、クロルプロマジンおよびキナクリンは、本発明によって明らかにされた分子の全体とまったく同様に、塩化グアニジウムと強い相乗作用を示すことを認めることができる(図7では、使用した培地が200μMの塩化グアニジウムを含有している)。この後者の結果は、これら2種の分子が、本発明に従って単離された諸分子と同じ生化学的経路で作用することを示唆している。
ヒツジスクレイピープリオンに感染したマウス神経芽細胞腫細胞(ScN2a−22L)を用いた。これらの細胞を25cm2のフラスコ中、化合物の存在下または不存在下に、数日間培養した。次に、500μlの溶解用緩衝液(50mMのトリスHCl、pH7.5;150mMのNaCl、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム;0.5%のトリトンX100)中での細胞溶解によってScN2a−22L細胞からタンパク質を抽出した。Uptima Interchimのキットを用いてタンパク質を標準化した後、細胞溶解液の調整した各量を、20μg/mlのプロテイナーゼK(Eurobio)により37℃で40分間消化した。次に、溶解液を20,000×gで90分間遠心分離し、沈渣を25μlの変性用緩衝液(1×トリス−グリシン;4%のSDS(sodium dodecyl sulfate)、2%のβ−メルカプトエタノール;5%のスクロースおよびブロモフェノールブルー)に再懸濁させ、100℃で5分間加熱した後、マウスモノクローナル抗体anti−PrP SAF83(フランス国マッシ・パレゾー(Massy-Palaiseau)のSPI−BIOにより提供されたもの)を用いる標準的プロトコールに従って、ウェスタンブロット分析を行った。プロテイナーゼK抵抗性PrPSC形成の阻害の百分率を、NIH Image Jを用いて算出した:PrPSC蓄積の阻害度は、クロルプロマジン(Chlor.)で96%、KP1で70%±6%であった。
単離した抗プリオン分子の種々の置換位置を検討する目的で、本発明者らは、6−アミノフェナントリジン分子について構造/活性研究を実施した。それに伴い、2−フルオロ−6−アミノフェナントリジン(2F−6AP)、2−フルオロ−6−アミノ−8−クロロフェナントリジン(2F−6A−8ClP)および6−アミノ−7−クロロフェナントリジン(6A−7ClP)の分子を化学合成法により取得し、本発明による試験法を用いて、それらの抗プリオン活性を求めた。得られた結果を図9に示す。得られた赤色ハローの直径が沈積した分子の抗プリオン活性に比例しているので、それらの結果は、7または8位のところにハロゲン型の置換基が存在することが式(II)の分子の抗プリオン活性を高め、一方2位の同じ型の置換基は抗プリオン活性を減少させる傾向があることを示している。
Fernandez-Bellotら, 「The protein-only theory and the yeast Saccharomyces cerevisiae: the prions and the propagons」, CMLS, 2001, 58: 1857-1878.
Korth C. ら, 「Acridine and phenothiazine derivatives as pharmacotherapeutics for prion disease」, PNAS, 2001, 98(17): 9836-9841.
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Claims (17)
- 表現型[PSI+]の酵母、アンチビオグラムおよび有効量未満の用量のプリオン除去剤を組み合わせて含み、該酵母は、ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子ならびに不活性化されたERG6遺伝子を有するものであることを特徴とする抗プリオン活性を有する分子をスクリーニングするためのキット。
- 前記酵母がサッカロミケス・セレビシエであることを特徴とする請求項1に記載のキット。
- 前記プリオン除去剤が塩化グアニジウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のキット。
- 抗プリオン活性を有する分子をスクリーニングする方法であって、
ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子および不活性化されたERG6遺伝子を有する[PSI+]表現型の酵母を使用し、
a.有効量未満の用量のプリオン除去剤を補充した培地上でインビトロで細胞叢を作製する工程と、
b.アンチビオグラム法に従って試験すべき化合物を沈積する工程と、
c.約20−25℃で約2−4日間インキュベーションする工程と、
d.細胞コロニーの染色を分析する工程と
を包含することを特徴とする方法。 - 前記酵母がサッカロミケス・セレビシエであることを特徴とする請求項4に記載のスクリーニング方法。
- 前記工程aのプリオン除去剤が塩化グアニジウムであることを特徴とする請求項4または5に記載のスクリーニング方法。
- e.約2−6℃で約2−4日間インキュベーションする工程、および/または、
f.二次スクリーニング試験を実施する工程
をさらに包含することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載のスクリーニング方法。 - 前記二次スクリーニング試験が、
− ADE2遺伝子がDAL5遺伝子のプロモーターの制御下にある酵母株を構築する工程と、
− 請求項4および7による方法の工程a〜eを実施する工程と
を包含することを特徴とする請求項7に記載のスクリーニング方法: - 神経変性疾患が海綿状脳症、アルツハイマー病およびハンチントン病であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1つに記載の使用。
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