JP2006502745A - 抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングキットおよび抗プリオン活性を有する分子のスクリーニング方法およびスクリーニングされた分子 - Google Patents

抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングキットおよび抗プリオン活性を有する分子のスクリーニング方法およびスクリーニングされた分子 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングに関する。より詳細には、本発明は、抗プリオン活性を有する分子のスクリーニング用のキットであって、[PSI+]の表現型酵母、アンチビオグラムおよび有効量未満の用量のプリオン除去剤を組み合わせて含み、該酵母菌は、ADE遺伝子のadel−14対立遺伝子および不活性化されたERG6遺伝子を含むことを特徴とするキット、スクリーニング法、および本発明スクリーンによって単離された抗プリオン活性を有する分子ファミリーに関する。本発明は、医薬を生成するため、特にタンパク質凝集に由来する神経変性病を治療するための抗プリオン剤に適用できる。

Description

本発明は、抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングに関するものである。より詳しくは、本発明は、抗プリオン活性を有する分子をスクリーニングするためのキット、そのスクリーニングの方法、および、本発明に従ったスクリーニングによって証明される抗プリオン活性を有する一群の分子に関するものである。
プリオン類は、ヒトのクロイツフェルト−ヤコブ病あるいはウシのいわゆる「狂牛病」、ヒツジの「スクレイピー」などの哺乳動物におけるある種の海綿状脳症型神経変性疾患の原因となる感染性タンパク質である。これらの種々の疾患は、非通常型の感染因子によって惹起される;従来からの感染因子(例えば、細菌、ウイルス)とは異なり、それらは核酸類を含有していない。スタンリー・プルジナー(Stanley Prusiner)教授は、「タンパク質単独」仮説をたてたが、それによれば、当該感染因子はタンパク質のみからなるというのである。このタンパク質は、もともと細胞内に、「正常な」(すなわちPrP)形で、すなわち可溶性で、本質的にαヘリックスの形で、凝集されていない、それゆえ機能的な形で、存在している。いまだ知られていないなんらかの条件のもとで、このタンパク質は、プリオン(すなわちPrPSC)の形に変換され得る。このプリオン形態では、当該タンパク質は、本質的にβシートの形の不溶性凝集体を形成する。このPrPSCプリオンコンホメーションの感染性は、先に示した特性の他に、プリオン形態のタンパク質が、「雪だるま(snowball)」式機構による正常なPrP細胞形態からPrPSCプリオン形態への移行の触媒として働く能力をも獲得するということに起因していると思われる。
パン酵母サッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)は、プリオンのように挙動するいくつかのタンパク質を含有している(非特許文献1)。1960年代からすでに、通常型ではない2つの遺伝機構が記載されている。1994年には、その対応する[PSI+]および[URE3]表現型がそれぞれSup35pおよびURE2pタンパク質の自己触媒作用的不活化の結果によって生じると提唱された。これらのプリオンタンパク質は、それゆえ、大衆健康にとって有害な哺乳動物系との機構上の類似性を先験的に示している。PrPタンパク質と同様に、「正常な」Sup35pタンパク質は、それがプリオン形態の他のSup35pタンパク質と接触するやいなや、可溶性の状態から不溶性の凝集状態へと移行する。この凝集状態は、遠心分離実験によっても、細胞内局在化実験によっても、確認される。上記酵母のプリオンは、高用量(1〜5mM)の塩化グアニジウムによって排除(「除去」)され得る。かかる処置(少なくとも6〜10世代にわたって適用しなければならない)の結果、プリオンの存在によって生じたタンパク質凝集体が消失し、当該タンパク質(例えばSup35p)が、正常で、可溶性で、機能的な形態で見出されるが、しかし、再びこのような状態の他のSup35pタンパク質と接触するときにはプリオン形態に変換される感受性を保持している。
Sup45pタンパク質とのヘテロ二量体複合体形態のSup35pタンパク質は、翻訳終結因子を形成する。この因子は、オパール終止コドン(UGA)を認識する。[psi−]株での正常な(可溶性で活性な)細胞形態では、Sup35pは、Sup45pと結合して、これらオパールコドンのところで翻訳を効果的に終結させる。Sup35pタンパク質がプリオン形態にある[PSI+]株では、Sup35pタンパク質は、大半が、不溶性凝集物の形態で存在する。Sup45pに結合することができないので、そのため、それは、翻訳終結において機能しない。しかし、細胞のSup35pタンパク質の全体のうちのわずかな部分が、これらの[PSI+]細胞中で可溶性のままにとどまり、そこで、Sup45pとの複合体として、該酵母の生存に不可欠な用益(service)である「最低限の翻訳終結の用益」を確保することができる。Sup35pタンパク質の存在形態:正常かプリオンか、を間接的に検出できる比色分析系が、これらの所見から開発されている。この系は、かなり前から記載されており(非特許文献1による合成に関する論文を参照のこと)、アデニン生合成経路の酵素:SAICARシンテターゼをコードするADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子の利用に基づいている。この酵素は、4−カルボキシ−5−アミノイミダゾール リボヌクレオチド(CAIR)からの4−(N−スクシノカルボキサミド)−5−アミノイミダゾール リボヌクレオチド(SAICAR)の形成を触媒する。ade1−14対立遺伝子は、ADE1遺伝子の読み枠内にオパールコドンを含む。それゆえ、[psi−]株では、Sup45pと結合したSup35pが、ADE1遺伝子の翻訳をこの終止コドンのところで終止させることになる。このようにして翻訳されたタンパク質ade1−14pは、端が切り取られており、それゆえ機能性がないものとなる。その結果、Ade1p酵素の上流の基質、とりわけ5−アミノイミダゾール リボヌクレオチド(5-aminoimidazole ribonucleotide:AIR)が蓄積する。AIRは酸化されて、赤色に着色された化合物となり、[psi−]細胞によって形成されたコロニーは赤色になる。さらに、これらの細胞は、アデニン要求性となる。逆に、[PSI+]株では、タンパク質Sup35pは、実質的に凝集体の形で存在し、それゆえ、ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子のオパールコドンのところで翻訳を終結させるためにSup45pと結合されることができない。その結果、リボソームは、この終止コドンのところで休止した後、それらの翻訳活性を回復することになる(読み過ごし)。それゆえ、ある程度の量の機能性Ade1pタンパク質が合成され、細胞はアデニン独立栄養性(autotrophic)となり、白色ないしはピンク色のコロニーを形成することになる。
P.N.A.S.に発表されたある論文中で、スタンリー・プルジナー教授のチームは、抗プリオン活性をもつ分子の検出試験法を開示している(非特許文献2)。この試験は、哺乳動物モデル(PrPSCに感染したマウス神経芽細胞腫)で行われる。安全性(P3実験室)および細胞培養(かなり大がかりな操作)の条件のために、高能率のスクリーニングを実施することができない。
特許文献1も、非通常型伝播性因子(unconventional transmissible agent)に感染したげっ歯類で行われる抗プリオン活性を有する分子のスクリーニング方法を記載している。このスクリーニング方法には、非特許文献2に記載された方法と同じ限界がある。
国際公開第98/30909号 フェルナンデス・ベロット(Fernandez-Bellot)ら、「ザ・プロテイン−オンリー・セオリー・アンド・ザ・イースト・サッカロミケス・セレビシエ:ザ・プリオンズ・アンド・ザ・プロパゴンズ(The protein-only theory and the yeast Saccharomyces cerevisiae: the prions and the propagons)」,シー・エム・エル・エス(CMLS),2001年,第58巻,p.1857−1878 コース・シー(Korth C.)ら,「アクリジン・アンド・フェノチアジン・デリバティブス・アズ・ファーマコセラピューティックス・フォー・プリオン・ディジーズ(Acridine and phenothiazine derivatives as pharmacotherapeutics for prion disease)」,ピー・エヌ・エー・エス(PNAS),2001年,第98巻,第17号,p9836−9841
本発明は、極めて簡易であり、費用もあまりかからず、安全性に関しての注意は、標準的な分子生物学実験室の注意であり、大量スクリーニングを可能にする抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングキットおよび抗プリオン活性を有する分子のスクリーニング方法およびスクリーニングされた分子を提供することを目的とする。
本発明者らの研究により、本発明者は、前記タンパク質Sup35pの比色検定系に基づく、抗プリオン活性を持つ分子を検出するための、高能率スクリーニング系を実現するに至った。
従って、本発明は、抗プリオン活性を有する分子のスクリーニングキットであって、表現型[PSI+]の酵母、アンチビオグラム(antibiogram)および有効量未満の(sub-effective)用量のプリオン除去剤を組合せて含み、該酵母は、遺伝子ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子ならびに不活化されたERG6遺伝子を有するものであることを特徴とするキットに関するものである。
本発明によるキットは、酵母のプリオンに基づいているけれども、哺乳動物のプリオンに対して活性な分子を単離することを可能ならしめる。後記の実施例7は、プルジナー教授によって単離された最も活性な諸分子も本発明によるスクリーニングにおいても活性を示すことを示している。
しかしながら、酵母のプリオンと哺乳動物のプリオンとの間には多くの相違点が指摘されている。雑誌「Cellular and Molecular Life Science」の一論文中で、C.カリン(C.Cullin)教授は、まさにこれらの相違点を検討して、「プロパゴン(propagons)」なる用語を用いて、酵母のプリオンと哺乳動物のプリオンとを区別することを提唱している。「プリオン」(哺乳動物)と「プロパゴン」(酵母)との顕著な相違点として、哺乳動物のPrPプリオンが細胞質膜に固定されるタンパク質であるのに対してのプロパゴンの細胞質の性質、哺乳動物プリオンの病原性ならびにいくつかの生物物理学的相違点(三次および四次構造、除去の可逆性等)が挙げられる。
かかるスクリーニングの主たる利点の一つは、それが完全に無害であるので、先行技術では要求されるようなレベルP3の実験室においてではなく、標準レベルL2の分子生物学実験室で実施できることにある。
さらに、このキットの使用が極めて容易なことおよびコストが極めて低いことが、高能率のスクリーニングを実現可能ならしめる。その上、濃度勾配を生じさせて生成物の拡散を可能ならしめるアンチビオグラムペレット(antibiogram pellet)の利用は、一濃度だけを試験する従来の試験法とは異なり、一回の実験で、多くの濃度を試験することを可能にする。抗プリオン活性を試験する各分子について、アンチビオグラムの利用は、生成物の毒性ならびに活性/濃度の比に関する情報を得ること、また最良の有効濃度を決定することをも可能にする。
本発明によるキットで使用する[PSI+]株は、ERG6遺伝子が不活化されている。実際のところ、酵母は、本来、あまり透過性ではない。特に、本発明を実施するのに好ましい酵母であるサッカロミケス・セレビシエは、この不活性化がなければスクリーニング方法の実施が特に効率的でなくなるような不透過性を示す。
本発明によるスクリーニングによる分析方法は、ade1−14対立遺伝子を使用するために、視覚可能である。試験した分子の抗プリオン活性に応じて、細胞のコロニーは、赤、ピンク色または白色に染色される。酵母株を選択することにより、コロニー間のコントラストを改善することができる。実際に、ある種のいわゆる「Strong」株は、スクリーニングによる可視的分析を容易にする。かかる株は、強度に凝集したプリオン形態を持っている。これとは逆の場合、その株は「Weak」と呼ばれる。それゆえ、本発明の実施に好ましい株は、「Strong」タイプの株である。
他の酵母も利用されてよい。例えば、クルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、サッカロミケス・ルドウィギー(Saccharomyces ludwigii)、クルイベロミセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、チゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces rouxi)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)が挙げられる。
ERG6遺伝子の不活化とTRP1遺伝子の不活化との間に認められる合成致死作用(letality synthetic)から考えて、TRP1遺伝子を欠失マーカーとして用いてERG6遺伝子は欠失され得る。
該キットは、さらに、有効量未満の用量のプリオン除去剤を包含していることが有利である。
除去(curing)とは、当該酵母細胞からのプリオン形態の排除を意味する。この排除は、一時的であっても、恒久的なものであってもよい。
プリオン除去剤は、例えば、過酸化水素水または、好ましくは塩化グアニジウムであってよい。
有効量未満の用量とは、酵母からプリオンを排除するのに十分ではない、単独で用いられる用量を意味する。かかる用量の値は、塩化グアニジウムについては、後記実施例中で示されている。
有効量未満の用量の除去剤が存在することの利点は、スクリーニングの感度が増強されることおよびより良好なコントラストが得られることである。
本発明によるキットは、抗プリオン活性を持つ分子をスクリーニングする方法において使用され得る。本発明も関するこのスクリーニング方法は、ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子および不活性化されたERG6遺伝子を有する、[PSI+]表現型酵母を使用し、
a.有効量未満の用量のプリオン除去剤を補充した培地上へインビトロで細胞の菌叢を生成する工程と、
b.アンチビオグラム法に従って試験すべき化合物を沈着させる工程と、
c.約20〜25℃で約2−4日間インキュベーションする工程と、
d.細胞コロニーの染色を分析する工程と
を包含することを特徴とする。
この方法は、本発明によるキットの利点と同様の利点を有している。この方法は、分析が極めて容易な視覚可能な試験法である。その実施は極めて簡易であり、費用もあまりかからない。安全性に関しての注意は、標準的な分子生物学実験室の注意である。それは大量スクリーニングを可能にする:ただ一人で、1日当り400超の生成物を手作業によってスクリーニングすることができる。該方法を自動化すれば、極めて高効率のスクリーニングが可能となるであろう。スクリーニングの結果は、J日(行動開始日)と(J+7)日との間に多くの操作に頼る必要なしに(恒温培養器の温度を変更する場合もある)、7日間がたてば明らかになる。最後に、この方法は、特に経済的である。
この方法の実施に好ましい酵母の一つは、サッカロミケス・セレビシエである。
工程a.の除去剤は塩化グアニジウムであることが有利である。
前記方法は、次の工程:
e.約2−6℃で約2−4日間インキュベーションする工程、および/または
f.二次スクリーニング試験を実施する工程
を包含することもできる。
2−6℃でのインキュベーションにより、コロニーの染色のコントラストを強調することができる。
好ましい態様では、二次スクリーニング試験は、次の工程:
−ADE2遺伝子がDAL5遺伝子のプロモーターの制御下にある酵母株を構築する工程、
−前記方法の工程a.〜e.を実施する工程
を包含できる。
かかる二次スクリーニングによって、一次スクリーニングの際に単離された分子が酵母中のプリオンに対して一般的な効果を有し得るかどうかを、極めて迅速に試験することができる。実際に、SUP35遺伝子([PSI+]プリオンの原因となる)およびURE2遺伝子([URE3]プリオンの原因となる)は、全く異なる機能を有する酵素をコードし、その一次配列は、大きく離れている。
本発明は、本発明によるスクリーニング方法によって単離される分子も包含する。
とりわけ、該スクリーニング方法により、次式(I)の抗プリオン剤を単離することができる:
Figure 2006502745
式中、R’はH、NHまたはNHRの基であり、Rは枝分かれしたまたはしていない1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルキルアミノアルキル鎖であり、
XはF、Cl、Br、I、CF、SR、OR、OH、NO、COR、CONH、COOHまたはCOORを表わし、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはCHであり、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2であり、
qは0または1である。
本発明は、とりわけ、次式(III)の抗プリオン剤に関する。
Figure 2006502745
式中、R’はH、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
XはF、ClまたはCFを表わし、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。
本発明者らが「カステルパオリチン類(Kastellpaolitines)」と名付けたこの分子ファミリーは、多少とも強い所望の抗プリオン活性を有する。とりわけ、このファミリーの塩素化された誘導体は特に有効である。塩素が2、3または4位、好ましくは4位にあるとき、最良の効果が得られる(後記実施例中のKP1参照)。
本発明は、とりわけ、医薬として、特に抗プリオン剤として使用するための、次式(II)の化合物に関する。
Figure 2006502745
式中、R’はH、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
XはF、ClまたはCFを表わし、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。
本発明はまた、少なくとも1種の次式(II)の化合物の治療上の有効量を少なくとも1種の製薬上許容される賦形剤と組合せて含有する医薬組成物に関する。
Figure 2006502745
式中、R’はH、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
XはF、ClまたはCFを表わし、
pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。
このファミリーのいくつかの化合物はとりわけ活性である。それらは、フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンならびにそれらの塩素化誘導体、とりわけ塩素が8、9または10位、好ましくは10位にある誘導体である(後記の実施例参照)。
式(II)および(III)において、R’はNHを表わすことが好ましい。実際に、R’がNHを表わすとき、それら分子の活性が極めて良好なことが確認されている。
本発明はまた、タンパク質凝集に由来する神経変性疾患の治療方法であって、本発明による式(I)、(II)または(III)の化合物の少なくとも1種の治療上有効な量を動物または患者に投与する工程を包含する、方法を提案する。
本発明による抗プリオン剤は、神経変性疾患、とりわけタンパク質凝集型のもの、例えば海綿状脳症、アルツハイマー病(タウ(tau))、パーキンソン病(α−シヌクレイン)、ハンチントン病(ハンチンチン)などの予防および/または治療を目的とした医薬を得るのに、特に有用である。これらの医薬は、ヒト用または動物用、とりわけ家畜(牛、羊など)用または野生動物(オオヤマネコ(lynx)、シカ科(cervides)、たとえばアカシカ(biches)、ヘラジカ(elans)、など)用であってよい。
本発明の他の特徴および利点は、下記の実施例において、また次の図面を参照すれば、明らかになるであろう。
(実施例1:スクリーニングの実施)
(1.材料および方法)
(微生物(サッカロミケス・セレビシエおよび培地))
スクリーニング方法の展開に際しては、[PSI+]単層酵母株74−D694(Mat a,ade1-14,trp1-289,his3-Δ200,ura3-52,leu2-3,112)を用いた。用いた株は翻訳終結因子Sup35pがプリオン形態すなわち凝集された形態にある場合に極めて顕著な表現型を示すので、用いた株は、「Strong」と呼ばれる。
阻害剤の浸透性を増進させるために、本発明者らは、この株にERG6遺伝子の変異を導入することによって、これを遺伝学的に修飾した。この遺伝子は、酵母の細胞壁の構成要素であるエルゴステロールの生合成に関与する。変異誘発は、ERG6遺伝子の染色体部位のところに、「欠失カセット」を挿入することによって行われた。この「欠失カセット」は、ERG6遺伝子のコード領域の上流および下流に存在するDNA配列の側面に位置されるTRP1マーカー遺伝子に対応する。このカセットは、鋳型としてのプラスミドpFA6a−kanMX6と、プライマーとしてのオリゴヌクレオチドoBM1060(5′)およびoBM1061(3′)と用いたPCRによって作製された。前記欠失カセットが組み込まれた「Strong」74−D694酵母細胞(STRg6と名付けた株は、2002年10月10日に、I−2943なる番号でCNCMに寄託済み)は、トリプトファンを欠いた最小培地で生育するものである。次に、変異体Δerg6::TRP1をPCRによって確認した。このPCRでは、STRg6株のゲノムDNAを鋳型として、オリゴヌクレオチドoBM1030(5′)およびoBM1063(3′)をプライマーとして用いた。
使用したPCRプライマーは、ヌクレオチド配列:
oBM1060:5’ CGATTTAAGTTTTACATAATTTAAAAAAACAAGAATAAAATAATAATATAGTAGGCAGCATAAGCGGATCCCCGGGTTAATTAA 3’(配列番号1)
oBM1061:5’ CTGCATATATAGGAAAATAGGTATATATCGTGCGCTTTATTTGAATCTTATTGATCTAGTGAATGAATTCGAGCTCGTTTAAAC 3’(配列番号2)
oBM1030:5’ GGTACCTCGTTCCCGTAC 3’(配列番号3)
oBM1063:5’ CAGTCAGAAATCGAGTTCCA 3’(配列番号4)
を持つ。
特に断らない限り、酵母株は、濃厚培地(rich medium)(YPDΨ)中または最少培地中、30℃で培養される。明示的に特定していない場合、百分率は質量/体積比に対応する。寒天添加形態は、寒天を2%添加することによって得られる。
YPDΨ:酵母エキス(FISCHER(登録商標))1%、ペプトン(GIBCO(登録商標))2%およびグルコース2%;
最少培地:アミノ酸および硫酸アンモニウムを含まないYNB(yeast nitrogen base)(DIFCO(登録商標))0.175%、硫酸アンモニウム0.75%およびグルコース2%。この培地をpH6にする。場合によっての栄養要求性を補償するために、この培地は、滅菌後に、アミノ酸(L−ヒスチジン0.002%および/またはL−ロイシン0.004%および/またはL−トリプトファン0.003%)または窒素塩基(ウラシル0.0025%および/またはアデニン0.008%)の添加によって補充されてもよい。
(抗プリオン活性をもつ物質のスクリーニング法(「プリオンハローアッセイ」))
開発されたスクリーニング法は、アンチビオグラムの原理に基づいている。実際には、試験すべき化合物を滅菌ろ紙ディスク上に沈積し、この滅菌ろ紙ディスク自体を、塩化グアニジウム0.2mMを含有する固体YPDΨ培地のボックス(boite)に沈積する。この固体YPDΨ培地は、酵母叢を生成するために約5×10個のSTRg6株細胞が前もって播かれている。この播種細胞量(10〜10)は、各細胞が少なくとも6回(3mMのGuHClによる効果的な除去が得られるのに必要な世代の数)分裂するために最適化された。酵母からプリオンを排除する有効量(有効量は1〜5mM程度である)未満の用量である少量の塩化グアニジウム(0.2mM)の添加により、試験の感度を高めることができる(結果の部参照)。次に、一辺12cmの正方形のボックスを23.5℃で3日間インキュベートして、酵母コロニーの出現および成長を可能ならしめる。次に、これらのボックスを4℃で3日間保存して、プリオン形態のタンパク質Sup35pに対して活性な物質が染み込んだディスクの周囲にある赤色の染色を際立たせる。陰性対照(試験される阻害剤の溶媒を沈積)および陽性対照(プリオン形態のSup35pタンパク質の効果的な排除を惹起する300mMの塩化グアニジウム溶液を沈積)を比較することにより、化合物の有効性を評価することができる。図2は、本スクリーニング法の計画案:(1)STRg6株の培養;(2)直径3〜4mmの滅菌ガラスビーズを用いての、0.2mMの塩化グアニジウムを含有する固体YPDψ培地のボックス上で指数増殖期にある約10個の細胞の沈積および拡散:細胞「叢」の構成;(3)32の化合物(対照を含む)の分析および試験されるべき生成物の各々の最大20μlの沈積を可能にする格子に一致する滅菌ろ紙ディスクの沈積;(4)インキュベーション;(5)得られた結果の精査(Numerisation);(6)強い抗プリオン活性を示す化合物の単離の例示、を図示している。
(11−アミノジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン類および6−アミノフェナントリジンの合成)
11−アミノジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン類(カステルパオリチン類とも呼ばれる)は、単一の工程で合成され得る。これら生成物の合成は、1997年のメッティー(Mettey)らによる出版物においてすでに記載されている。
(2.結果)
(スクリーニングの原理および実行可能性)
塩化グアニジウムは酵母サッカロミケス・セレビシエからプリオンを効果的に排除することが知られている唯一の生成物であり、スクリーニングの間中ずっと陽性対照の役目を果すだけでなく、方法の実行可能性の検討ならびにその開発に役立つ。塩化グアニジウムは、1〜5mMの用量で、種々の酵母プリオンを効率的に排除する(Fernandez-BellotとCullin、2001)。これらの条件下では、本発明者らが実施したいと願うようなボックス上でのスクリーニングの実行可能性が危うくなる指数増殖期にある6〜10世代の間この生成物が恒常的に存在することが、その除去に必要である。
図1は、本スクリーニングの実行可能性を示している。
左の3つのパネル:[PSI+]株を、5mMの塩化グアニジウムの存在下に(最終0.2%のDMSOとともに)、または対照として最終0.2%のDMSOのみとともに、48時間培養している。T=0において、次に24時間ごとに、濃厚培地のボックスに1滴10μl(約10個の細胞)を沈積する。塩化グアニジウムによる除去が、処理の約24時間後に、すなわち約6世代の後に、効果を生じ始める(ピンク色の染色が現われ始める)。48時間後に、すなわち約12世代後に、細胞滴は明白に赤色の染色を示し、これは[PSI+]細胞の完全な除去のしるしである。
中央のパネル:T=48時間の時点でいくつかの細胞を採取し、新鮮な培地上に画線する(striees)。塩化グアニジウムによる除去の場合、それらは、ほとんどすべて、赤色のコロニーを形成する。
右のパネル:これら同一の細胞は、液体培養後、エッペンドルフチューブ(Eppendorf tube)の底部に拡散される。塩化グアニジウムによる除去の場合、それらは赤色の沈渣(pellet)を形成する。
したがって、第一の工程は、アンチビオグラム沈渣系を用いて、塩化グアニジウムが[PSI+]細胞のボックス上で視覚化され得る効果をもち得るかどうかを判定することからなる。一旦、この工程を行ってから、本発明者らは、温度、培地、密度ならびに使用すべき細胞のタイプについての最適条件を明らかにした(図2)。最も良い感度を示す株は、23.5℃で、200μMの塩化グアニジウムの存在下に培養したSTRg6株である。実際には、有効量未満の用量の塩化グアニジウムの培地への導入により、試験の感度を高めることができる。
(コンビナトリアルライブラリのスクリーニング)
諸化合物(約1000種)を、本発明者らが最適化した条件を用いて、スクリーニングに付した(図2)。各ボックスにつき、左上にあるフィルタ(陰性対照)上に15μlのDMSOを沈積し、DMSO中の300mM塩化グアニジウム溶液15μl(陽性対照)を右下にあるフィルタ上に沈積した。ライブラリの生成物の各々(いずれもDMSO中の10mM溶液)の同体積(15μl)を残りのフィルタ上に沈積した(正方形の大型ペトリボックスごとに30検体)。5種の生成物について、陽性のシグナル(生成物が沈積された滅菌ろ紙ディスクの周囲の赤色ハローの可視化)が得られた。これらの生成物は、本発明者らが「カステルパオリチン類」と名付けた同じファミリーの4種の分子およびフェナントリジンとして周知の第5の分子に対応する。
(実施例2:カステルパオリチン類およびフェナントリジンの同定)
カステルパオリチン類およびフェナントリジンの化学構造を図3Bに示す。パネル3Aは、これらの分子全部によってそれぞれに得られた赤色ハローの大きさの比較分析を示している(いずれも同等量を沈積:DMSO中の10mM溶液15μl)。この実験により、これらの生成物の各々の相対活性を比較することができる。最も活性なのはカステルパオリチン1(すなわち、KP1)であり、フェナントリジンがそれに続く。
(6−アミノフェナントリジンの合成および試験)
一方のフェナントリジンおよび他方のカステルパオリチン類の比較分析は、これら両群の分子の間のいくつかの共通点を示してくれる(図3)。そこでは、異なる分子が最も活性が低いものから最も活性なものまでに分類されており、それらの式がそれぞれ示されている。すべて三環式であり、いずれの場合にも、中央の環が隣接炭素と二重結合した窒素を含んでいる。これに対し、すべてのカステルパオリチン類では、この窒素と二重結合している中央環の炭素がアミノ基を有しており、フェナントリジンの場合にはそうではない。この観察から、本発明者らは6−アミノフェナントリジンを試験したいと欲するに至った。
6−アミノフェナントリジンは、ケッサー(Kessar)ら、1969年により開発された操作法に従って合成され得る。
それゆえ、6−アミノフェナントリジンを、本発明によるスクリーニングに付して、カステルパオリチン1(KP1)および5(KP5)ならびにフェナントリジンと比較した。結果は極めて明瞭である:6−アミノフェナントリジンは、カステルパオリチン類およびフェナントリジンよりもより一層活性である。
図4は、この比較の結果を示している:6−アミノフェナントリジンの活性をボックス上で測定し、フェナントリジンの活性と比較した。いずれの分子についても、同じ量を沈積している(10mM溶液10μl)。陽性対照(塩化グアニジウム)の場合には、使用した溶液は300mMであった。
従って、カステルパオリチン類に特徴的なこのアミノ基をフェナントリジンに移植することによって、本発明者らは、この後者の活性を著しく高めたのである。
同じアプローチに従って、本発明者らは、次に、6−アミノフェナントリジン(6AP)の8位に塩素を付加して、6−アミノ−8−クロロフェナントリジン(6A−8CP)を生成した。この修飾は、化合物の活性を今一度上昇させた。最後に、8位の塩素をトリフルオロメチル基で置き換えて、6−アミノ−8−トリフルオロメチルフェナントリジン(6A−8tFP)を得た。図4が示すように、この後者の修飾は、活性のより一層の上昇へと導き、現在のところ、6A−8tFPは最も活性な化合物の一つである。
(実施例3:スクリーニングによって単離された生成物と塩化グアニジウムとの間の相乗作用)
活性な化合物は全て、少量の塩化グアニジウム(200μM/有効用量=4mM)を含有する培地中で単離された。スクリーニング法開発時に確立されたこのような経過を辿ることは、感度を(それゆえ方法の検出限界を)向上させるという考えに対応するものであった。より多量(500μM)の塩化グアニジウムを含有するまたはそれを含有しない培地中でのそれらの分子の効果が、続いて観察された。フェナントリジンは、塩化グアニジウムを含有しない培地でもなお活性であるが、その活性は、培地中の塩化グアニジウムの量(ただし、明らかに有効量未満の用量で)の関数として著しく増大する。この結果は、塩化グアニジウムとフェナントリジンとの間の活性の相乗作用を示している。本発明者らが単離した他の分子(カステルパオリチン類、6−アミノフェナントリジンおよびその誘導体)のすべてについて、同じ結果が得られた。
(実施例4:液体培地中での除去の証明)
本発明者らが次に明確にしたいと欲したことは、試験酵母中に認められる赤色ハローが[PSI+]プリオンの除去に確かに対応するものであって、人為結果に対応するものではない、というものであるかどうかということである(例えば、これらの赤色ハローがこれらの分子によるアデニン生合成連鎖の直接的阻害によるものであり、そのことによって、AIRが蓄積する可能性がある)。これらの分子が効果的に[PSI+]プリオンを排除するならば、液体培地中の[PSI+]細胞の処理とそれに続く該細胞の洗浄により、もはやそれらの化合物を含有しない寒天培地上に赤色のコロニーを形成できるようになるはずである。これらの試験は、6−アミノフェナントリジンを用いて、野生型の「Strong」株74−D694に対して実施された。
液体培地除去条件は次の通りである:[PSI+]株を、液体培地中、種々の生成物の表示量の存在下に、5日間培養する(図5参照)。24時間ごとに、一定分量のフラクションをいずれの生成物をも含まない培地で洗浄し、固体寒天培地(やはりいずれの生成物をも含まない)上に沈積させ、この培地を次に図2に示したようにして処理する。
図5に示されているように、6−アミノフェナントリジンは、有意な数の細胞から[PSI+]プリオンを部分的に除去することができる。有効量未満の用量(100μM)の塩化グアニジウムを培地に添加することによって、除去効果を顕著に高めることができる。かかる液体除去でも、ボックスでの試験で観察されたものと同じ相乗効果がやはり見られる。
(実施例5:他の酵母プリオン[URE3]の使用に基づく二次比色スクリーニングの開発と利用)
他の酵母プリオン:[URE3]に基づいたボックスでの他の迅速な試験を行った。この試験は、他の酵母プリオンを用いた一次スクリーニングの際に単離された生成物の効果を一般化することを可能にする二次スクリーニングを構成するものである。従って、[PSI+]プリオンに対してのみ活性であり、それゆえ、有用性に乏しく、一般的な効果を持たない分子を除外することが可能である。
[URE3]プリオンの場合、使用する単相株は、CC34(Mat a,trp1-1,ade2-1,leu2-3,112,his3-11,15,ura2::HIS3)である。
二次スクリーニングに役立ったNT34株は、CC34から構成されており、このCC34株では、STRg6株の構築に用いたのと同じ方法を用いてDAL5遺伝子のコード領域がADE2遺伝子のコード領域によって置換されている。このために、DAL5遺伝子のコード領域の上流および下流にあるDNA配列の側面に位置されるADE2遺伝子に対応する欠失カセットを、鋳型としてのBY4742単相株(Mat α,his3Δ1,leu2Δ0,lys2Δ0,ura3Δ0)のゲノムDNAと、プライマーとしてのオリゴヌクレオチド:
ACAACAAAACAAGGATAATCAAATAGTGTAAAAAAAAAAATTCAAGATGGATTCTAGAACAGTTGG (配列番号5)(5’)および
TATATTCTTCTCTGATAACAATAATGTCAGTGTATCTCACCACTATTATTACTTGTTTTCTAGATAAGC (配列番号6)(3’)とを用いてのPCRによって生成した。
次に、変異体dal5::ADE2が、鋳型としてのNT34株のゲノムDNAと、プライマーとてのオリコヌクレオチド:
ATAGTCTCTGCTCATAG(配列番号7)(5’)および
GCTTACAGAAATTCTAC (配列番号8)(3’)
とを用いてのPCRによって確認された。
NT34株(Mat a,trp1-1,ade2-1,leu2-3,112,his3-11,15,ura2::HIS3,DAL5::ADE2)は、2002年10月10日に、番号I−2942のもとに、CNCMに寄託された。
このスクリーニングは、一次スクリーニングと同じ比色系に基づいている。NT34酵母株では、ADE2遺伝子が、その本来のプロモーターの制御下にはなく、DAL5遺伝子のプロモーターの制御下にある。タンパク質Ure2pがプリオン形態([URE3])にあるとき、DAL5遺伝子のプロモーターからの転写が活性化され、従ってADE2遺伝子が発現され、それゆえ、それらの株は、白色であり、アデニンについて独立栄養性である。URE2pタンパク質が正常な形態([URE3−0])にあるとき、DAL5遺伝子のプロモーターからの転写が抑制され、従ってADE2遺伝子は発現されず、それゆえそれらの株は赤色であり、アデニン要求性である。NT34株を5mMの塩化グアニジウムで約10世代の間処理するとき、NT34株は赤色のコロニーを形成する(予想通りに、また一次スクリーニングに用いた[PSI+]株がそうであったように)。図6で観察できるように、フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンが前もって寒天栄養培地上に沈積された細胞叢上に沈積された小さいフィルタ自体に沈積されるとき(一次スクリーニングの場合と同じ手順、図2参照)、フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンは、赤色ハローの出現を惹起する。この結果は、これらの生成物が[URE3]プリオンに対して同様に活性であることを示唆する。しかしながら、この二次スクリーニングは、一次スクリーニングよりも感度が明らかに低いことに留意すべきである。それゆえ、一次スクリーニングの際に単離した分子の作用が他の酵母プリオンに対して一般化され得るかどうかを迅速に観察するのには極めて有用であるが、いかなる場合にも、一次スクリーニングに置き換わることはないであろう。
細胞透過性を増進させるために、ERG6遺伝子のコード配列も、TRP1遺伝子のコード配列によって置換された。この株(SB34)においては、ADE2の転写は、それゆえ、Ure2pの状態に依存する:Ure2pがプリオン機構によって不活化されておれば([ure3]細胞)、ADE2遺伝子は積極的に転写されるが、[ure3−0]細胞では、そうはならない。それゆえ、SB34株の[URE3]細胞は、白色コロニーを形成し、一方、[ure3−0]細胞は赤色コロニーを形成するであろう。この株は常にade2−1対立遺伝子を含有しているから、この株が[PSI+]であり得ること、従って、赤色の染色は、[URE3]の除去よりもむしろ[PSI+]の除去によるものであり得ることが予想された。この可能性は、この株が確かに[URE3]であることを、細胞質転換(cytoduction)および抱合(conjugation)を用いて確認することにより、排除された。さらに、ade2−1遺伝子の全コード配列を欠失させて、NT35株を得た。この株も、白色コロニーを形成し、それが[URE3]であることを改めて証明した。
SB34株は、CC34中のERG6遺伝子をTRP1マーカーのPCR増幅によって置換し、PCRに基づいた方法を用い、プライマー(5’−ACAACAAAACAAGGATAATCAAATAG TGTAAAAAAAAAAATTCAAGATGGATTCTAGAACAGTTGG−3’)(配列番号9)および342(5’−TATATTCTTCTCTGATAACAATAATGTCAGTGTATCTCACCA CTATTATTACTTGTTTCTAGATAAGC−3’)(配列番号10)を用いてのERG6遺伝子の欠失により、DAL5遺伝子のコード領域をADE2遺伝子によって置換することによって、構築された。次に、この遺伝子置換を、SD−Ade培地上での生育、USA培地上での生育の欠如(dal5Δ株の場合に予測されるように)、およびゲノムDNAについての分析PCRによって確認した。この株の[URE3]表現型を、細胞質転換によって確認した:30の細胞質転換体(cytoducteures)のうち、26がUSA培地上で生育でき、[URE3]であることを示した。NT35株は、SB34株中のade2−1遺伝子をPCRによって増幅されたマーカーManMXによって置換することにより、かつ、ゲノムDNAについての分析PCRによって遺伝子を首尾良く置換することを確認することにより構築された。
(実施例6:液体培地中での[URE3]の除去の確認)
NT34株を備えたボックス上で観察された作用が除去によく対応するものであることを確認するために、2つのタイプの実験を実施した。まず、フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンに対する陰性対照(DMSO)および陽性対照(塩化グアニジウム)について、フィルタ周辺の帯域の細胞を回収した。次に、これらの細胞を、これらの分子をいずれも含まない新鮮培地上に画線した。フィルタ周辺で回収した細胞は、陰性対照の周辺で採取した細胞を除いて、すべて赤色コロニーを形成する。この結果は、NT34株についてボックス上で認められた赤色の染色が、除去によく対応するものであって、アデニン生合成経路の酵素阻害に関連する人為結果ではないことを示している(アデニン生合成経路の酵素阻害に関連する人為結果である場合には、赤色染色は阻害剤がない培地上で消失する)。フェナントリジンおよび6−アミノフェナントリジンの除去効果は、[URE3]プリオンに対して直接的にも確認された。CC34株の[URE3]細胞は、USAと呼ばれる培地上で生育するが、除去された([ure−0])細胞は、この培地上で生育できない。本発明者らは、200μMの塩化グアニジウム(陰性対照)、5mMの塩化グアニジウム(陽性対照)または種々用量の6−アミノフェナントリジン(単独または200μMの塩化グアニジウムと組合せて)により処理した[URE3]細胞がUSA培地上で成育する能力を調べた。6−アミノフェナントリジンは、[PSI+]プリオンの場合とまったく同様に、[URE3]プリオンを有意に除去することができ、この作用は、少量の塩化グアニジウム(200μM)によって増強される。これらの結果は、それらがNT34株を用いての二次スクリーニングを有効にするという事実以外に、該スクリーニングによって明らかにされた阻害剤の作用が酵母プリオン全てについて一般的であろうことを示唆している。
(実施例7:哺乳動物プリオンPrPに対する2種の活性分子:クロルプロマジンおよびキナクリンを用いてのスクリーニングの有効性)
「タンパク質単独」仮説の父であり、1997年のノーベル賞受賞者であるスタンリー・プルジナーの研究室は、プリオンPrPSCに慢性的に感染したマウス細胞(神経芽細胞腫)の系を用いて、哺乳動物プリオンPrPに対して活性のあるいくつかの分子を単離している(Korthら、2001)。この系は、その大掛かりなことおよびその複雑さの点で、本発明者らが開発したもののように大量スクリーニングができない。それゆえ、スタンリー・プルジナーのグループのアプローチでは、すでに医薬として使用されている分子のうちの、血液−脳関門を通過するものを一つ一つ試験しなければならなかった。いくつかの分子、とりわけキナクリン(ずっと前から抗マラリア剤として使用されている)またはクロルプロマジン(抗うつ剤)が彼らの系で顕著な活性を示している。それゆえ、本発明者らは、スクリーニングを確認するために、発明者らの酵母系においてクロルプロマジンおよびキナクリンを試験した。図7に示したように、これら2種の分子は、[PSI+]プリオンに対してある程度の活性を示す。しかしながら、それらの活性は、6−アミノフェナントリジンの活性よりも明らかに劣ることを指摘しておかなければならない。また、クロルプロマジンおよびキナクリンは、本発明によって明らかにされた分子の全体とまったく同様に、塩化グアニジウムと強い相乗作用を示すことを認めることができる(図7では、使用した培地が200μMの塩化グアニジウムを含有している)。この後者の結果は、これら2種の分子が、本発明に従って単離された諸分子と同じ生化学的経路で作用することを示唆している。
一方で、プルジナー教授の試験では活性がクロルプロマジンの活性より約10倍すぐれているキナクリンが、本発明者らが開発したスクリーニングでもやはり後者より明らかにすぐれた活性を示していることが認められるのは興味あることである。さらに、プルジナー教授の試験におけるのと全く同様に、クロルプロマジンおよびキナクリンは、活性が見出されるまでに長時間の処理(プルジナー教授の場合には少なくとも6日間、本発明によるスクリーニングの場合には少なくとも2〜3日間)を要する。
さらに、本発明者らは、本発明による試験において、プルジナー教授が開発したマウス神経芽細胞腫に基づく試験によって単離された他の分子の活性を測定した。2つの系で得られた結果の間に良好な相関関係が見出された:哺乳動物の系でわずかに活性であることが示されるアセプロマジンが、本発明による試験でやはり弱い活性を示し、カルバマゼピン、イミプラミン、ハロペリドール、クロロプロチキセン(chloroprothixene)、メチレンブルーなどの哺乳動物に関する分析で不活性な分子は、本試験でも不活性であった。
キナクリンは、また、多剤耐性(multiple drug resistance:MDR)阻害剤であると記載されている。その抗プリオン作用がこの機構(GuHClとの相乗効果と両立しうる)に関係している可能性があるかどうかを検定するために、我々は、有効なMDRの一般的阻害剤ベラパミルの推定される除去効果を評価した。図7が示すように、高濃度(毒性に近い濃度)のこの薬物を用いたにもかかわらず、いかなる除去効果も見出すことができなかった。
本試験または使用したスクリーニング法に従ったキナクリンおよびクロルプロマジンの活性の間のこれらの相関はいずれも、海綿状脳症タイプのタンパク質凝集をもたらす神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病等に対して(哺乳動物で、特にヒトで)有効な医薬を構成できる分子を単離するための高能率のスクリーニングを実現するために本発明による方法を利用することが有効であると認めさせ得るものである。
(実施例8:ScN2a−22L細胞におけるPrPSCの阻害の分析)
ヒツジスクレイピープリオンに感染したマウス神経芽細胞腫細胞(ScN2a−22L)を用いた。これらの細胞を25cmのフラスコ中、化合物の存在下または不存在下に、数日間培養した。次に、500μlの溶解用緩衝液(50mMのトリスHCl、pH7.5;150mMのNaCl、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム;0.5%のトリトンX100)中での細胞溶解によってScN2a−22L細胞からタンパク質を抽出した。Uptima Interchimのキットを用いてタンパク質を標準化した後、細胞溶解液の調整した各量を、20μg/mlのプロテイナーゼK(Eurobio)により37℃で40分間消化した。次に、溶解液を20,000×gで90分間遠心分離し、沈渣を25μlの変性用緩衝液(1×トリス−グリシン;4%のSDS(sodium dodecyl sulfate)、2%のβ−メルカプトエタノール;5%のスクロースおよびブロモフェノールブルー)に再懸濁させ、100℃で5分間加熱した後、マウスモノクローナル抗体anti−PrP SAF83(フランス国マッシ・パレゾー(Massy-Palaiseau)のSPI−BIOにより提供されたもの)を用いる標準的プロトコールに従って、ウェスタンブロット分析を行った。プロテイナーゼK抵抗性PrPSC形成の阻害の百分率を、NIH Image Jを用いて算出した:PrPSC蓄積の阻害度は、クロルプロマジン(Chlor.)で96%、KP1で70%±6%であった。
選択した2種の化合物(KP1および6AP)を、この哺乳動物系で試験した。図8が示すように、KP1は、クロルプロマジンの場合に使用した用量と同様の用量(5μM)で、哺乳動物プリオンの蓄積の有意な減少を誘発することができた。7日間の処理後、無処理細胞(ウェル4および5)と比較して、プロテイナーゼK抵抗性PrPSCの70%が消失した(ウェル1〜3)。この有意な効果は、化合物の溶媒のみ(0.01%のDMSO)によって処理した細胞がプロテイナーゼKに対するPrPSC抵抗性において有意な、再現性のある増加を示したことから(ウェル6)、おそらく実際より低く見積もられているであろう。2および4μMの6APを用いて、PrPSCの排除について同じ効果が得られた。
従って、これらの結果は、この分析法を用いてキナクリンおよびクロルプロマジンが検出されたこと、またKP1および6APもインビトロでの哺乳動物プリオン排除を助長するのに有効であったことから、抗プリオン化合物を単離するために酵母を基礎とした本発明によるスクリーニング試験を用いることの有効性を示すものである。
(実施例9:構造/活性研究)
単離した抗プリオン分子の種々の置換位置を検討する目的で、本発明者らは、6−アミノフェナントリジン分子について構造/活性研究を実施した。それに伴い、2−フルオロ−6−アミノフェナントリジン(2F−6AP)、2−フルオロ−6−アミノ−8−クロロフェナントリジン(2F−6A−8ClP)および6−アミノ−7−クロロフェナントリジン(6A−7ClP)の分子を化学合成法により取得し、本発明による試験法を用いて、それらの抗プリオン活性を求めた。得られた結果を図9に示す。得られた赤色ハローの直径が沈積した分子の抗プリオン活性に比例しているので、それらの結果は、7または8位のところにハロゲン型の置換基が存在することが式(II)の分子の抗プリオン活性を高め、一方2位の同じ型の置換基は抗プリオン活性を減少させる傾向があることを示している。
(引用文献)
Fernandez-Bellotら, 「The protein-only theory and the yeast Saccharomyces cerevisiae: the prions and the propagons」, CMLS, 2001, 58: 1857-1878.
Korth C. ら, 「Acridine and phenothiazine derivatives as pharmacotherapeutics for prion disease」, PNAS, 2001, 98(17): 9836-9841.
Mettey Y. ら, 「Synthesis of 11-Aminodibenzo[b,f] [1,4]thiazepines and Fluoro derivatives」, J. Heterocyclic Chem., 1997, 34: 465-467.
Kessar S. V. ら, Tetrahedron Letters, 1969, 1151.
スクリーニングの実行可能性に関するものである。 スクリーニングの計画案を説明するものである。 カステルパオリチン類、フェナントリジンの単離ならびにそれらの構造/活性相関に関するものである。 フェナントリジン誘導体の活性の測定に関するものである。 液体除去試験の結果を表わす。 [URE3]プリオンに基づく二次スクリーニングに関するものである。 クロルプロマジン、キナクリジンおよびベラパミルを用いての試験の実証を示す。 インビトロモデルにおける哺乳動物プリオンに対するKP1の作用成績を示す。 一般式(II)の分子について行った構造/活性検討に関するものである。

Claims (17)

  1. 表現型[PSI+]の酵母、アンチビオグラムおよび有効量未満の用量のプリオン除去剤を組み合わせて含み、該酵母は、ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子ならびに不活性化されたERG6遺伝子を有するものであることを特徴とする抗プリオン活性を有する分子をスクリーニングするためのキット。
  2. 前記酵母がサッカロミケス・セレビシエであることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  3. 前記プリオン除去剤が塩化グアニジウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のキット。
  4. 抗プリオン活性を有する分子をスクリーニングする方法であって、
    ADE1遺伝子のade1−14対立遺伝子および不活性化されたERG6遺伝子を有する[PSI+]表現型の酵母を使用し、
    a.有効量未満の用量のプリオン除去剤を補充した培地上でインビトロで細胞叢を作製する工程と、
    b.アンチビオグラム法に従って試験すべき化合物を沈積する工程と、
    c.約20−25℃で約2−4日間インキュベーションする工程と、
    d.細胞コロニーの染色を分析する工程と
    を包含することを特徴とする方法。
  5. 前記酵母がサッカロミケス・セレビシエであることを特徴とする請求項4に記載のスクリーニング方法。
  6. 前記工程aのプリオン除去剤が塩化グアニジウムであることを特徴とする請求項4または5に記載のスクリーニング方法。
  7. e.約2−6℃で約2−4日間インキュベーションする工程、および/または、
    f.二次スクリーニング試験を実施する工程
    をさらに包含することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載のスクリーニング方法。
  8. 前記二次スクリーニング試験が、
    − ADE2遺伝子がDAL5遺伝子のプロモーターの制御下にある酵母株を構築する工程と、
    − 請求項4および7による方法の工程a〜eを実施する工程と
    を包含することを特徴とする請求項7に記載のスクリーニング方法:
  9. 医薬品として利用するための式(II)の化合物:
    Figure 2006502745
    (式中、R’はH、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である。)
  10. 医薬品として利用するための式(II)の請求項9に記載の化合物:
    Figure 2006502745
    (式中、R’はNHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である)
  11. タンパク質凝集に由来する神経変性疾患の治療を目的とした医薬品を取得するための、式(I)の化合物の使用。
    Figure 2006502745
    (式中、R’はH、NHまたはNHRの基であり、Rは枝分かれしたまたはしていない炭素原子数1〜10のアルキルまたはアルキルアミノアルキル鎖であり、
    XはF、Cl、Br、I、CF、SCH、OCH、OH、NO、COCH、CONH、COOHまたはCOORを表わし、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2であり、
    qは0または1である)
  12. タンパク質凝集に由来する神経変性疾患の治療を目的とした医薬品を取得するための、式(III)の化合物の使用。
    Figure 2006502745
    (式中、R’は基H、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である)
  13. タンパク質凝集に由来する神経変性疾患の治療を目的とした医薬品を取得するための、式(II)の化合物の使用。
    Figure 2006502745
    (式中、R’はH、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である)
  14. タンパク質凝集に由来する神経変性疾患の治療を目的とした医薬品を取得するための、式(II)の化合物の使用。
    Figure 2006502745
    (式中、R’はNHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である)
  15. 神経変性疾患が海綿状脳症、アルツハイマー病およびハンチントン病であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1つに記載の使用。
  16. 式(II)の化合物の少なくとも1種の治療有効量を製薬上許容される少なくとも1種の賦形剤と組み合わせて含有する医薬組成物。
    Figure 2006502745
    (式中、R’はH、NH、NH−(CH−N(CHまたはNH−CH(CH)−(CH−N(CH−CHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である)
  17. 式(II)の化合物の少なくとも1種の治療有効量を製薬上許容される少なくとも1種の賦形剤と組み合わせて含有する医薬組成物:
    Figure 2006502745
    (式中、R’はNHの基を表わし、
    XはF、ClまたはCFを表わし、
    pおよびnは、同一または異なって、0、1または2である)
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