JP2006502691A - 発現系 - Google Patents

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Abstract

本発明は、T7RNAポリメラーゼをコードする相同組込み遺伝子および標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子を含む宿主細胞にて標的タンパク質を生産するための発現系を提供する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、標的タンパク質を生産するための発現系に有用な新規宿主細胞に関する。
多くの発現系が、細菌宿主細胞にて標的タンパク質を生産するために利用される。これらの系の多くは、大腸菌のラクトース(lac)およびトリプトファン(trp)オペロンのような、天然に存在する内生調節系に由来する。ラムダファージのラムダプロモーター(P)系のようなファージ発現調節ネットワークの構成要素を利用する系もいくつかある。
しかし、実験室レベルで大腸菌にて組換え標的タンパク質を発現するために最も広く常用される系の1つは、バクテリオファージT7発現系である。この発現系はNovagen,Inc.(Madison WI)から市販されており、米国特許番号4,952,496に記載されている。前記発現系は、組込まれている溶原性ファージを含む宿主細胞を利用する。次にこの宿主細胞は、選択する標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子によりファージプロモーターの制御下に形質転換される。
溶原性ラムダDE3は、lacUV5プロモーターの制御下にあるT7RNAポリメラーゼのクローンを有する組換えファージである。溶原性ラムダDE3は、ラムダDE3ファージ溶解物、ヘルパーファージ溶解物および選択ファージ溶解物で宿主細胞を共感染することによって調製される。共感染の結果、ラムダDE3ファージが染色体に組込まれた宿主細胞が生じる。ラムダDE3ファージは、宿主染色体のラムダ組込み部位に組込まれるが、その溶解力は不完全である。よって、溶原性DE3は安定には違いないが、感染性ファージを生産する程に十分に細胞を溶解しないはずである。発現系を誘導すると、宿主細胞は溶原性DE3からT7RNAポリメラーゼを産する。その後T7RNAポリメラーゼは、非組込み標的遺伝子のファージプロモーターに結合し、標的タンパク質の合成を開始させる。
T7発現系は、標的タンパク質の発現に非常に適する多くの利点を有している。例えば、標的遺伝子のT7またはT7lacプロモーターは、ファージに特有のファージプロモーターであり、宿主細胞RNAポリメラーゼによって認識されない。つまり、標的タンパク質の発現は、T7RNAポリメラーゼが存在する場合にのみ開始される。このことは、誘導前に標的タンパク質が発現する可能性を減少させる。誘導前の標的タンパク質の発現は、標的タンパク質の中には宿主細胞の増殖に悪影響を及ぼすものがあり、よって標的タンパク質の最大生産を減少するために望ましくない。
T7発現系を標的タンパク質の発現に適したものにする他の例は、T7プロモーターが改変されてラクトースオペレーター(lacO)を含む点である。lacOは、ラクトースオペロンリプレッサーの結合部位である。ラクトースリプレッサーはlacOに結合し、T7RNAポリメラーゼがT7lacプロモーターへ結合することを阻害し、それにより標的タンパク質の発現を効果的に抑制する。この抑制は宿主細胞に誘導物質を加えることで解除できる。誘導物質は、lacOからラクトースリプレッサーを外し、T7RNAポリメラーゼがT7lacプロモーターへ結合することを可能にし、そして標的タンパク質の発現を開始させる。lacOを含むことは、標的タンパク質の発現開始を10倍近く厳密にさせる。このこともまた、標的タンパク質のいくつかが宿主細胞の増殖に悪影響を及ぼし最大標的タンパク質生産を減少させるといった、誘導前の標的タンパク質の発現可能性を減少させることに役立つ。ラクトースリプレッサーは、lacIと呼ばれる内生宿主細胞遺伝子から産生される。しかしlacI遺伝子を有する宿主株は、標的タンパク質の発現を効果的に抑制するために十分なラクトースリプレッサーを生産できない。よって標的タンパク質の適切な調節を行うためには、宿主株が過剰なlacI遺伝子をも含むか、またはlacQ1プロモーターを包含する過剰発現宿主細胞を用いなければならない。
T7RNAポリメラーゼは宿主細胞RNAポリメラーゼよりも約12倍伸長性があるという事実は、この発現系の唯一の最も有利な特性であろう。T7RNAポリメラーゼの高伸長性が細胞の全タンパク質の60%以上を標的タンパク質として生成することを可能とし、それが、利用できる最も効果的な発現系の1つとしている。
しかし本発明は、標的タンパク質が多量に生産されるた場合、発酵ブロス中に感染性ファージが検出されるという発見が基礎となっている。この発見はDE3ファージが溶解能を回復することを示唆する。発酵中に高細胞密度に達すると、低レベルの組換えまたは非正統的組換え(復帰)を介して感染性ファージが生じ、溶原性ファージが切出されるのかもしれない。いずれにせよ承認機関は、検出されうるレベルのファージ粒子を有する医薬品として用いられる標的タンパク質を含む発酵ブロスの工程進行を禁じている。
本問題を踏まえて、本発明は改善されたT7発現系を提供する。本発明にてT7RNAポリメラーゼ遺伝子は、異なる組込みメカニズムを用いて宿主細胞の染色体に組込まれる。本発明は、不完全ファージの宿主細胞への感染の代わりに相同組換えによって宿主細胞染色体の非必須部位にT7RNAポリメラーゼ遺伝子のコピーを組込む。宿主細胞はさらに、選択した標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子を含む。T7RNAポリメラーゼをコードする組込み遺伝子は宿主細胞の内生調節系の制御下にあるが、標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子はファージ調節系の制御下にある。宿主細胞が誘導されると、宿主細胞RNAポリメラーゼが宿主細胞プロモーターに結合しT7RNAポリメラーゼの合成を開始できる。新しく合成されたT7RNAポリメラーゼは、T7またはT7lacプロモーターに結合し標的タンパク質の合成を開始するのに利用される。結果、標的タンパク質を含むファージ不含の発酵ブロスが得られる。
本発明は、宿主染色体に組込まれるlacプロモーターの制御下に相同組換えされるT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含む宿主細胞を提供する。T7RNAポリメラーゼは溶原性ファージを用いることなく宿主細胞染色体に組込まれ、付加的なファージDNAの混入を生じない。相同組換えは選択するいずれの非必須遺伝子でも起こり得るが、溶原性ファージは感染工程によってもたらされる部位にのみ組込まれる。プロモーターは、野生型lacプロモーターまたは修飾されたlacプロモーター、例えばlacUV5であり得る。
宿主細胞はさらに、標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子を含むことができ、ここで非組込み遺伝子はT7またはT7lacプロモーターの制御下にある。好ましいT7プロモーターはT7lacである。好ましい標的タンパク質は、副甲状腺ホルモン(PTH)(1−84)またはN末端断片1−34、1−31、1−28などのその活性断片、またはその類似体あるいは誘導体である。もう一つの態様では、標的タンパク質はグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはその類似体あるいは誘導体である。
本発明はさらに、標的タンパク質を含むファージ不含の発酵ブロスを生産するための発現系を提供し、ここで前記発現系は、宿主細胞の染色体上の非必須遺伝子内に相同的に組込まれているT7RNAポリメラーゼ遺伝子および標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子を有する宿主細胞を含む。
本発明はさらに、相同的に組込まれているT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含む宿主細胞を調製するための方法を提供する。T7RNAポリメラーゼ遺伝子は宿主染色体の非必須遺伝子、好ましくは宿主染色体のガラクトースオペロンに組込まれる。T7RNAポリメラーゼ遺伝子は、pHMM209、pHMM220、pHMM223およびpHMM228からなる群から選択されるプラスミド由来のガラクトースオペロンに組込むことができる。
本発明はさらに、相同的に組込まれているT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含む宿主細胞にて標的タンパク質を発現することを包含する、ファージを含まない標的タンパク質を調製するための方法を提供する。好ましい標的タンパク質は副甲状腺ホルモン(PTH)(1−84)またはN末端断片1−34、1−31、1−28などのその活性断片、またはその類似体あるいは誘導体である。もう1つの態様にて標的タンパク質は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはその類似体あるいは誘導体である。
本明細書に開示し特許請求の範囲に記載している本発明に沿って、以下の一般的な分子生物学用語および略語を、次の通り定義する。本明細書にて用いる用語および略語は、特に別段の指定がなければその通常の意味を有する。アミノ酸の略語は、37 C.F.R. § 1.822 (b)(2)(1994)に規定のものである。
本明細書にて用いる「塩基対」または「bp」とは、DNAを意味する。略語A、C、GおよびTはそれぞれ、DNA分子中に存在する場合、(デオキシ)アデノシン、(デオキシ)シチジン、(デオキシ)グアノシンおよびチミジンといったデオキシリボヌクレオシドの5’モノリン酸型に相当する。二本鎖DNA中にて塩基対とは、AとTまたはCとGの組を示しうる。「キロベース」または「kb」とは、1千(1000)塩基対を示す。
「プラスミド」とは、核酸を含む染色体外遺伝要素を示す。プラスミドは一般に、小文字の「p」に続く文字および/または数字によって表される。本明細書における開始プラスミドは市販されているか、制限なく公的に入手可能であるか、あるいは公開された手法に従って利用可能なプラスミドから構築することができる。さらに本明細書に記載のものと等価なプラスミドは当業者に既知であり、通常の知識を有する者に明白である。プラスミドは、1つまたはそれ以上の付加的DNAセグメントが付加し得るか、付加しているDNA分子を含む。いくつかのプラスミドは温度感受性であり、他は温度感受性ではない。このことは、許容温度にていくつかのプラスミドが自己複製し、そして非許容温度にていくつかのプラスミドが自己複製しないことを意味する。
本明細書にて用いる「発現プラスミド」とは、挿入されるDNAの転写を制御するためのプロモーターが組込まれている非温度感受性プラスミドを示す。T7発現プラスミドは、標的タンパク質をコードする標的遺伝子の発現を制御するT7またはT7lacプロモーターを含む。T7発現プラスミドは、当業者に周知である。T7発現プラスミドは、Novagen, Inc.(Madison WI)から市販されており、これには発現プラスミドのpETシリーズがあるが、これに限定されない。
本明細書にて用いる「組込みプラスミド」とは、挿入されるDNAの転写を制御するためのプロモーターが組込まれている温度感受性プラスミドを示す。さらに、組込みプラスミドは、細胞の染色体に特定のDNAセグメントを挿入する。組込みプラスミドは、pMAK700およびpMAK705から誘導される。pMAK700およびpMAK705は、引用により本明細書に完全に包含されるHamilton, et al., J. Bacteriol. 171:4617-4622, (1989)に記載のように作成される。本発明の組込みプラスミドであるpHMM228、pHMM209、pHMM220およびpHMM223は以下にその詳細を述べる。これらの組込みプラスミドは、T7RNAポリメラーゼをコードするT7RNAポリメラーゼ遺伝子の発現を制御するlacプロモーターを含む。
「形質転換」とは、染色体外要素としてか染色体組込みのどちらかによって、プラスミドが複製可能となるように生物体へプラスミドを導入することを示す。細菌および真核生物宿主を形質転換する方法は当業者に周知であり、その多くの方法がJ. Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (1989)にまとめられている。プラスミドの働きの表示が宿主細胞内に生じる場合に、一般に形質転換の成功として認識される。例えば、感受性宿主細胞が耐性をもたらすプラスミドでトランスフェクトされると、その宿主細胞は選択物質に対して耐性を有するようになる。
「許容温度」とは、宿主細胞への形質転換後のプラスミドが細胞複製と無関係に自己複製できる温度である。本発明にて定義する許容温度は、典型的には44℃より低い温度、一般的には約20℃と約40℃の間、好ましくは約25℃と40℃の間、より好ましくは約25℃と35℃の間、最も好ましくは約30℃である。
「非許容温度」とは、宿主細胞へ形質転換後のプラスミドが細胞複製と無関係に自己複製できない温度である。本発明にて定義する非許容温度は、典型的には40℃より高い温度、一般的には約40℃と約50℃の間、好ましくは約44℃である。
「転写」とは、DNAヌクレオチド配列中に含まれる情報がRNAポリメラーゼによって相補的RNA配列に写される過程を示す。例えば大腸菌RNAポリメラーゼは、T7RNAポリメラーゼ遺伝子を相補的RNA配列に写し、その後相補的RNA配列はT7RNAポリメラーゼに翻訳される。同様に、例えばT7RNAポリメラーゼは標的遺伝子を相補的RNA配列に写し、その後相補的RNA配列は標的タンパク質に翻訳される。
本明細書にて用いる「翻訳」とは、メッセンジャーRNA(mRNA)の遺伝情報を使用し、ポリペプチド鎖の合成を特定し行わせる過程を示す。
「単離されたアミノ酸配列」とは、あらゆるアミノ酸配列を意味するが、それは構築または合成されたものであり、天然に存在する配列とは位置的に区別されているアミノ酸配列である。
「単離されたDNA化合物」とは、あらゆるアミノ酸配列を意味するが、それは構築または合成されたものであり、ゲノムDNAにおけるその天然の部位とは位置的に区別されているDNA化合物である。
「プロモーター」とは、RNAポリメラーゼに結合するDNA配列を示し、DNAからRNAへの転写を導く。本明細書にて用いるプロモーターの例としては、lac、lacUV5、T7、T7lac、lacIQ1がある。
「PCR」とは、熱安定性DNAポリメラーゼを用いる周知のポリメラーゼ連鎖反応を示す。
「プライマー」とは、PCRにて酵素的または合成的伸長のための開始基質として機能する核酸断片を示す。
「親細胞」とは、溶原性ファージを含まず、インビトロにて自己複製可能な細胞を示す。親細胞はまた、測定可能であり宿主細胞染色体にて約2kbの長さであるDNA配列を有していなければならない。この配列はさらに、宿主細胞の非必須領域になければならない。好ましい親細胞は細菌である。親細胞は好ましくは、ガラクトースオペロンのDNA配列またはその断片を含む。好ましい親細胞は大腸菌である。好ましい大腸菌親細胞は、Novagen, Inc. (Madison WI)のようないくつかの業者から市販されており、それにはBL21、AD494、BLR、HMS174、OrigamiおよびTunerがあるが、これらに限定されない。
本発明における「宿主細胞」とは、lacプロモーターの制御下にある相同的に組込まれているT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含む親細胞を示す。このプロモーターは、野生型lacプロモーターまたは修飾されたlacプロモーター、例えばlacUV5であり得る。宿主細胞はさらに、T7プロモーターの制御下にある非組込み遺伝子を含むことができる。このプロモーターは、野生型T7プロモーターまたは修飾されたT7プロモーター、例えばT7lacであり得る。非組込み遺伝子は、選択した標的タンパク質をコードする。宿主細胞の誘導でT7RNAポリメラーゼが調製される。次いで、T7RNAポリメラーゼは、ファージ不含の発酵ブロスにて標的タンパク質を生産するのに利用される。
「ファージ不含(ファージを含まない)」とは、発酵ブロスとともにインキュベートした場合、細菌芝上にプラークが観察されないことを意味する。ファージ混入の試験に用いられる分析は、当業者に周知である。
「相同的に組込まれている遺伝子」とは、相同組換え法によって宿主細胞の染色体に組込まれている遺伝子を示す。相同組換え法は、宿主細胞の染色体上のDNA配列と形質転換後の細胞内に存在する組込みプラスミドに担持される相補的配列との間で起こる。好ましくは、相同組換え法は、引用により本明細書に組込まれるHamilton, et al. in New method for generating deletions and gene replacements in Escherichia coli. J. Bacteriol. 171:4617-4622, 1989による説明のように行う。
本明細書にて用いる「相補的」とは、二本鎖核酸中で水素結合を介して会合する塩基(プリンおよびピリミジン)の対合を示す。塩基対:グアニンとシトシン;アデニンとチミン;およびアデニンとウラシルは、相補的である。
本発明において相同組換えによって組込まれる遺伝子は、T7RNAポリメラーゼ遺伝子である。T7RNAポリメラーゼ遺伝子はT7バクテリオファージから得られ、イソプロピルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)誘導lacUV5プロモーターの制御下にある。この遺伝子は、プラスミドpAR1219(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)番号39563、米国特許番号4,952,496)から入手できる。pAR1219内のBamHI断片は、IPTG誘導lacUV5プロモーターの制御下にあるT7RNAポリメラーゼ遺伝子およびその天然のプロモーターの制御下にあるlacI遺伝子を含有するT7発現カセットを含む。
T7RNAポリメラーゼ遺伝子は当業者に周知であるT7RNAポリメラーゼをコードしており、引用により本明細書に組込まれる米国特許番号US4952496に詳細に記載されている。宿主細胞が誘導されると、宿主細胞RNAポリメラーゼはlacUV5プロモーターに結合し、T7RNAポリメラーゼの合成を開始できる。
「非組込み遺伝子」とは、宿主細胞の染色体に組込まれないが発現プラスミドに担持される遺伝子を示す。発現プラスミドは、通常の一般的な形質転換方法によって宿主細胞に導入され、許容温度にて宿主細胞内で自律的に複製できる。こうしてプラスミドは、宿主細胞複製の不存在下に宿主細胞内でそれ自身が複製し得る。発現プラスミドに担持される非組込み遺伝子は、目的の標的タンパク質をコードする。非組込み遺伝子は、イソプロピルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)誘導T7またはT7lacプロモーターの制御下にある。組込まれた遺伝子から新しく合成されるT7RNAポリメラーゼは、T7またはT7lacプロモーターに結合し、標的タンパク質の合成を開始できる。
「標的タンパク質」とは、宿主細胞にて合成され得るタンパク質を示す。好ましい標的タンパク質は、宿主細胞タンパク質と異種(ヘテロローガス)である。タンパク質の例としては、カルシトニン、エリスロポイエチン(EPO)、ファクターIX、ファクターVIII、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、ケモカイン、成長ホルモン放出因子(GRF)、インスリン様成長因子(IGF−1)、成長ホルモン、インスリン、レプチン、インターフェロン、インターロイキン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、ソマトスタチン、バソプレッシン、アミリン、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、副甲状腺ホルモン(PTH)、エキセンディン−3,エキセンディン−4およびアルファ−1抗トリプシンがあるが、これらに限定されない。本発明の標的タンパク質は、任意に前駆タンパク質またはプロタンパク質であり得る。前駆タンパク質またはプロタンパク質の例としては、プロインスリンおよびGLP−1(1−37)があるが、これらに限定されない。
組込み構築物:
有用なプラスミドを構築し、所望の宿主細胞の染色体に組換え標的遺伝子を相同組換えによって組込むことができる。この組込みは、修飾されたpMAK構築物を用いて行われ得る。好ましくは、出発pMAK構築物はpMAK700およびpMAK705である。より好ましくは、出発pMAK構築物はpMAK705である。pMAK構築物は温度感受性の複製起点を含む。これにより、この構築物は30℃のような許容温度で複製できるが、44℃のような非許容温度では複製しない。pMAK構築物はクロラムフェニコール耐性(Cm)遺伝子も含む。故に、Cm遺伝子を含むプラスミドを包含する宿主細胞はクロラムフェニコールに耐性であり、許容温度でクロラムフェニコールの存在下にて複製する。
pMAK構築物は、宿主細胞の染色体に見いだされる核酸配列と相同的な核酸配列の挿入によって修飾される。宿主細胞の染色体に見いだされる相同的な核酸配列が挿入されているpMAK構築物を、本発明ではpHMM構築物と称する。pHMM構築物の相同配列は、ガラクトースオペロン(galETK)の種々の断片を含む。ガラクトースオペロンは当業者に周知である。pHMM構築物および宿主細胞の相同配列は、互いにハイブリダイズし、組換えを受けるに十分な長さを有する。ハイブリダイゼーションは一般に、組込み構築物由来の相補鎖が宿主細胞のような環境に存在する場合に、変性された染色体DNAが再アニールする能力に依存する。好ましくは、相同配列は約1kbより長い。より好ましくは、相同配列は約1kbと約10kbとの間である。さらに好ましくは、相同配列は約1kbと約4kbとの間である。最も好ましくは、相同配列は約2kbである。宿主細胞の相同配列は、組換えにより配列が有用でなくなるように破壊されることがあるため、宿主細胞に必須でない配列である。例えば、相同配列が細胞壁の合成に関わる遺伝子内にある場合、宿主細胞のこの配列への組込みプラスミドの組換えは、タンパク質を含む細胞壁の合成を中断し、結果として生育不可能な宿主細胞を生じさせる。
pHMM構築物はさらに、T7RNAポリメラーゼ遺伝子およびlacUV5プロモーターを挿入することによって修飾できる。lacUV5プロモーターの制御下にあるT7RNAポリメラーゼ遺伝子は、プラスミドpAR1219(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)番号39563、米国特許番号4,952,496)から得ることができる。
好ましくは、pMAKプラスミドの元のlacプロモーターは、pHMM構築物へのT7RNAポリメラーゼ遺伝子およびlacUV5プロモーターのクローニングによって取り除かれる。lacプロモーターの重複は、結果として二次構造形成の可能性を生じ、このことは配列決定にとって問題となり相同組換えを妨げる可能性を生じる。
任意にpHMM構築物はさらに、pHMM構築物へのlacI遺伝子の挿入によって調整されうる。T7RNAポリメラーゼ遺伝子およびlacUV5プロモーターに加えて、pAR1219プラスミドはさらに、その天然のプロモーターの制御下にlacI遺伝子を含むDNA断片を包含する。発現系におけるlacI遺伝子の複製は、T7RNAポリメラーゼおよび標的タンパク質の発現を共に制御するのに役立つラクトースリプレッサーのさらなる発現を提供し得る。
任意にT7発現カセット由来のlacI遺伝子は、lacQIプロモーターによって動かされる。lacQIプロモーターは、当業者に周知である。lacQIプロモーターは、lacI遺伝子を過剰発現するように調整される。その結果、その元のプロモーターによってもたらされるlacI遺伝子に比べてlacIリプレッサーを約100倍製造する。
pHMM構築物はさらに、二次耐性遺伝子を含む。好ましい二次耐性遺伝子は、カナマイシン(Km)である。故に、Km遺伝子を含むプラスミドを包含する宿主細胞はカナマイシンに耐性であり、カナマイシンの存在にて複製する。好ましくは二次耐性遺伝子は、T7RNAポリメラーゼと反対の向きである。カナマイシン耐性遺伝子は、独自に宿主細胞を識別する付加的手段を提供する。カナマイシン耐性遺伝子は、プラスミドpACYC177から得ることができる。pACYC177は、「Stratagene Cloning Systems社」カタログ(1993)(Stratagene, La Jolla, Calif.)から市販されている。pACYC177由来のカナマイシン耐性遺伝子は、Tn903逆向き反復配列(IR)を含む。これらの逆向き反復配列の存在による転位を介した潜在的不安定性のために、カナマイシン耐性遺伝子を含むカセットは好まれるが、逆向き反復配列は好まれない。
組込み:
組込み構築物を従来の手法により所望の宿主株へ形質転換することが可能であり、個々のコロニーを選択物質、例えばCmまたはKmの存在下に液体増殖培地中にて許容温度で一晩増殖させる。生じた一晩培養液を、選択物質の存在する液体増殖培地中に希釈し非許容温度、例えば44℃で対数増殖期までインキュベートする。その後培養液を、選択物質を含む寒天平板へプレートし、共組込み形成を選択するために非許容温度で一晩インキュベートする。共組込み形成は相同組換えにおける第一段階であり、組込み構築物が宿主染色体に組込まれると起こる。組込みプラスミドは非許容温度にて自己複製ができず、培養液は選択物質を含むため、宿主細胞染色体へ組込み構築物が組込まれた宿主細胞のみがこれらの条件下にて生き残る。生じた培養液を選択物質を含む寒天平板へプレートし、共組込み体を選択するために非許容温度にて一晩インキュベートする。
共組込みコロニーのプールを採取し液体増殖培地へ移し、そして共組込み体を分離するために許容温度にて一晩インキュベートする。分離は、組込みプラスミドが染色体から切り出され、宿主細胞内で再形成される二次組換え事象を起こす手段を提供する。切り出され宿主細胞内へ再形成された組込みプラスミドは、全体が元の組込みプラスミドであるか、宿主細胞染色体に組込まれたままのT7RNAポリメラーゼを欠く元の組込みプラスミドのどちらかである。二次組換え事象の目的は、宿主細胞染色体由来の複製起点を含む組込みプラスミドの部分を切り出すことであり、ただ、T7RNAポリメラーゼは宿主細胞の染色体に組込まれた状態にしておく。この工程の概略図を図1に示す。組込みプラスミドがさらに他の遺伝子、例えばlacIまたはKmを含む場合は、二次組換え事象の目的は、T7RNAポリメラーゼおよび他の遺伝子、例えばlacIまたはKmを宿主細胞の染色体に組込まれた状態にしつつ、宿主細胞染色体由来の複製起点を含む組込みプラスミドの一部を取り除くことである。組込まれた複製起点は宿主細胞に有害となりうるため、組込みプラスミドの複製起点の除去が望まれる。この切り出し工程は、選択物質と共に二次培養し、許容温度に維持することによって、任意に数日間続行することができる。好ましくは、二次培養および温度維持は3日以内で行い、より好ましくは、二次培養および温度維持は2日間続行する。
その後培養液を、選択物質なしの液体増殖培地を含む前もって温めたフラスコに非許容温度にて希釈し、宿主細胞染色体から望ましくないプラスミド配列を切り出すことにより組込みの矯正(キュアリング)を開始する。培養液を、選択物質を含む寒天平板へプレートし、許容温度にて増殖する。当業者に周知の手段、例えばPCRおよびサザンブロッティングを用い、コロニーを組込み事象の存在に関してスクリーニングする。組込み体を含むコロニーを液体培地培養物の植菌に用い、続いて非許容温度にて継続して数日間増殖し、キュアリングを促進させる。その後、培養液を寒天平板へプレートし、許容温度にて一晩インキュベートすればよい。続いて個々のコロニーを、任意に両方の選択物質、例えばCmおよびKmを含むことができる寒天平板へ写せばよい。個々のコロニーをさらに、二次選択物質、例えばKmのみを含む寒天平板へ写すことができる。組込み配列を有する所望のクローンは、Cm感受性かつKm耐性である。
他の態様にて、組込みプラスミドは好ましくは宿主細胞のガラクトースオペロンに組込む。さらに好ましくは、組込みプラスミドは宿主細胞のgalE部位へ組込む。galK部位へ組込むためのいくつかの試みがなされたが、理想的な組込みは成功しなかった。
標的タンパク質:
本発明の発現系にて用いられる組換え標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子は、分子生物学分野における当業者に利用可能な手法によって得られる。基本的な工程は次の通りである:
a)天然のDNA配列を単離し、または合成あるいは半合成DNA配列を構築し、(ここに、いずれのDNA配列も目的の標的タンパク質をコードする標的遺伝子を含む)
b)標的タンパク質の発現に適する手法により、利用可能なT7発現プラスミドにDNA配列をクローニングし、
c)本発明の前述した発現宿主を目的の標的遺伝子を含むT7発現プラスミドで形質転換し、
d)形質転換した発現宿主を非誘導状態で一定期間培養し、次いで誘導状態で一定期間培養し、そして、
e)標的タンパク質を回収して精製する。
好ましくは、標的タンパク質は副甲状腺ホルモン(PTH)である。さらに好ましいPTHは、ヒトPTHである。PTHは84アミノ酸のタンパク質として当業者に周知であり、米国特許番号5,496,801に記載がある。PTHのN末端断片も当業者に周知であり、1−34、1−31および1−28を含むがこれに限定されない。また、PTHの類似体および誘導体とPTH断片についても検討した。PTH断片、類似体および誘導体の例としては、WO99/29337,US20020132973,米国特許番号US 5,556,940;US6,472,505およびUS6,417,333に記載がある。
他の態様にて、標的タンパク質はグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはその類似体あるいは誘導体である。GLP−1類似体および誘導体の例は当業者に周知であり、WO01/98331および米国特許番号US6,268,343;US5,977,071;US 5,545,618;US 5,705,483およびUS 6,133,235に記載がある。GLP−1類似体はWO99/07404、WO99/25727、WO99/25728、WO99/43708、 WO00/66629およびUS2001/0047084A1に記載のようなエキセンディン−3およびエキセンディン−4類似体も含む。
修飾:
単離した標的タンパク質は、治療タンパク質として有用である。任意に標的タンパク質は宿主細胞外にてさらに修飾し、治療タンパク質として有用な物理特性を標的タンパク質に付与できる。修飾とは、酵素的または化学的切断、アシル化、結晶化、塩の付加などを含むが、これらに限定されない。
調製:
液体増殖培地はTブロスである。
Tブロス=(1Lにつき)10gトリプトン、5g酵母エキス、10gNaCl、pH7.5。
T寒天平板=Tブロスに15g/L寒天を添加。
SM緩衝液=(10×溶液100mLにつき)20mL 1M トリス−HCl(pH7.4)、20mL 5M NaCl、10mL 1M MgSO4。
エタノール中にクロラムファニコール(Cm)(25ug/mL)
水中にカナマイシン(Km)(15−50ug/mL)
NaOH中にナリジクス酸(20ug/mL)
水中にストレプトマイシン(50ug/mL)
組込みプラスミドpHMM209:
組込みプラスミドpHMM209は、pMAK705誘導体である。pHMM209コンストラクションの第一段階では、pMAK705骨格へBamHIからClaIまでのオリゴヌクレオチドアダプターをクローンする。このアダプターは、生じる構築物に固有のStuI部位を含む。pHMM骨格となるSalIからXbaI挿入物として、galKフランクをpMAK705骨格へクローンする。pHMM骨格は、galKフランク(flank)における固有のBamHIおよびClaI部位を含む。その後、元来のプロモーター配列の発現下におけるlacI遺伝子およびlacUV5プロモーターの制御下におけるT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含むpAR1219由来のT7発現カセットを、pHMM骨格へBamHI断片としてクローンする。T7発現カセットの向きはgalETKオペロンと逆であり、galE上流配列からの一連の転写を阻害する。次にカナマイシン耐性遺伝子を、前述のpMAK705骨格へクローンしたアダプターのStuI部位にpACYC177由来のStuI断片としてクローンする。カナマイシン遺伝子の向きは、T7発現カセットのそれと逆である。生じた組込みプラスミドがpHMM209である。
組込みプラスミドpHMM220:
組込みプラスミドpHMM220は、pMAK705誘導体である。pHMM220コンストラクションの第一段階では、pMAK705骨格へBamHIからClaIまでのオリゴヌクレオチドアダプターをクローンする。このアダプターは、生じる構築物に固有のStuI部位を含む。pHMM骨格となるSalIからXbaI挿入物として、galKフランク(flank)をpMAK705骨格へクローンする。pHMM骨格は、galKフランク(flank)における固有のBamHIおよびClaI部位を含む。その後、元来のプロモーター配列の発現下におけるlacI遺伝子およびlacUV5プロモーターの制御下におけるT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含むT7発現カセットを、pHMM骨格へpAR1219由来のBamHI断片としてクローンする。T7発現カセットの向きはgalETKオペロンと逆であり、galE上流配列からの一連の転写を阻害する。次に、StuI断片としてのカナマイシン耐性遺伝子をPCRによって得る。耐性遺伝子の増幅に用いられるPCRプライマーは、pACYC177テンプレートであるカナマイシン遺伝子に存在する逆向き反復配列内にて設計される。PCRプライマーはその末端にStuI制限部位を含み、それらは増幅反応に用いられる。生じる約1KbのPCR産物を、PCRクローニングプラスミドに直接クローンし、カナマイシンを含むT寒天平板へ直接プレートすることによって推定クローンを選択する。生じるカナマイシン耐性遺伝子を前述のpMAK705骨格へクローンされたアダプターのStuI部位にStuI断片としてサブクローンする。カナマイシン遺伝子の向きは、T7発現カセットのそれと逆である。生じたプラスミドがpHMM220である。
組込みプラスミドpHMM223:
組込みプラスミドpHMM223は、pHMM220と同様に構成される。次に、lacI遺伝子が宿主染色体のlacI部位に組込まれる可能性を有するため、pHMM220におけるT7発現カセットのlacI遺伝子を取り除く。lacI遺伝子を、BglIを用いたプラスミドの切出しによってpHMM220から取り除く。合成したDNAアダプターをBglI部位にクローンし、BglI切出し工程にて取り除くlacUV5プロモーターを再構成する。生じたクローンをシークエンスし、2つのヌクレオチド変換を除いた所望のlacUV5配列を含むことを確認する。これらの変換はT7発現カセットの5’非翻訳領域に存在し、T7RNAポリメラーゼの発現には重要ではない。次に、pHMM220に存在するlacIプロモーターを取り除く。これは、lacIプロモーター配列を完全に置換するPstIからAseIまでのアダプターの挿入によって行われる。
pHMM220のBglI切出しは、下流のgalKフランク(flank)も除く。この部位を再構築し、逆方向反復なしのカナマイシン耐性遺伝子を組込むため、BamHIからXbaI断片を、組込みプラスミドのBglIIからXbaI部位へサブクローンする。この結果、lacI遺伝子のコピーのないT7発現カセットおよびlacIプロモーター、逆方向反復のないカナマイシン耐性遺伝子および完全なgalKフランク(flank)を含む組込みプラスミドである所定のpHMM223となる。pHMM223は、染色体のgalK部位へ組込むための試みに用いられる。
組込みプラスミドpHMM228:
組込みプラスミドpHMM228は、pMAK705誘導体である。pHMM228コンストラクションの第一段階では、pMAK705骨格へPstIからEagIのオリゴヌクレオチドアダプターをクローンする。このアダプターは、固有のSalIおよびXbaI部位を含む。約2kbのgalE遺伝子は、pHMM骨格となるSalIからXbaI挿入物としてpMAK705骨格へクローンされる。pHMM骨格は、遺伝子において固有のBamHIおよびClaI部位を含む。その後、元来のプロモーター配列の発現下におけるlacI遺伝子およびlacUV5プロモーターの制御下におけるT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含むT7発現カセットを、pHMM骨格へpAR1219由来のBamHI断片としてクローンする。T7発現カセットの向きはgalETKオペロンのそれとは逆であり、galE上流配列からの一連の転写を阻害する。
次に、StuI断片としてカナマイシン耐性遺伝子をPCRによって得る。耐性遺伝子の増幅に用いられるPCRプライマーは、pACYC177テンプレートであるカナマイシン遺伝子に存在する逆向き反復配列内にて設計される。PCRプライマーはその末端にStuI制限部位を含み、それらは増幅反応に用いられる。生じる約1kbのPCR産物を、PCRクローニングプラスミドに直接クローンし、カナマイシンを含むT寒天平板に直接プレートすることによって推定クローンを選択する。生じるカナマイシン耐性遺伝子を、前述したpMAK705骨格へクローンされたアダプターのStuI部位にStuI断片としてサブクローンする。カナマイシン遺伝子の向きは、T7発現カセットのそれと逆である。
最後に、T7発現カセットのlacI遺伝子をpHMM223に記載のようにほとんど取り除く。lacI遺伝子を、BglIを用いるプラスミドの切出しによって取り除く。合成DNAアダプターをBglI部位へクローンしBglI切出し工程にて取り除き、lacUV5プロモーターを再構成する。次に、lacIプロモーターを、lacIプロモーター配列を完全に置換するPstIからAseIアダプターの挿入によって取り除く。BglI切出しは、下流のgalEフランク(flank)も除く。この部位を再構築し、逆向き反復配列なしにカナマイシン耐性遺伝子を組込むため、BamHIからXbaI断片を組込みプラスミドのBglIIからXbaI部位へサブクローンする。この結果、lacI遺伝子およびlacIプロモーター、逆方向反復のないカナマイシン耐性遺伝子および完全なgalKフランク(flank)のコピーのないT7発現カセットを含む組込みプラスミドである所定のpHMM228となる。pHMM228は、染色体のgalE部位へ組込むための試みに用いられる。
pHMM209の組込み/スクリーニング:
組込みプラスミドpHMM209を、ガラクトースオペロンを含む大腸菌親細胞株へ形質転換し、Cmを含むT寒天平板へプレートし、一晩30℃にてインキュベートした。採取したコロニーをCmを含むT培地へ移し一晩30℃にて増殖した。生じた一晩培養液をCmの存在するT培地に希釈し、培養物が対数増殖期に達するまで44℃にてインキュベートした。その後、培養物をCmを含むT寒天平板へプレートし、同時組込み形成を誘導するために一晩44℃にてインキュベートした。同時組込みコロニーのプールを採取し、Cmを含むT培地250mLに移し、切り出しおよび分離のために一晩30℃にてインキュベートした。この培養液をCmを含むT培地で500(1:500)倍希釈してサブカルチャーし、30℃にてフラスコをインキュベートすることによって2日以上維持した。4日目に培養液を、44℃にて前もって温めたT培地入りのフラスコにサブカルチャーした。この培養液を増殖し、pHMM209プラスミドのキュアリングを促進するために44℃で3日間連続してサブカルチャーした。その後、仮組込み、削除およびキュアリングしたカルチャーを、Kmを含むT寒天平板へプレートし、一晩30℃にてインキュベートした。続いて個々のコロニーをCmおよびKmを含むT寒天平板へ移し、その後Kmを含むT寒天平板へ移し、次にT寒天平板へ移した。組込み陽性体はCmおよびKmである。
約1000個のコロニーを試験し、たった1つの組込み体が形成された。この組込み体を、RQ209と名付けた。RQ209株がIPTGの付加によって誘導される機能的T7RNAポリメラーゼを有するということがさらなる分析により示された。しかしながら、PCRマッピングがRQ209株にて行われた時、T7RNAポリメラーゼは染色体のgalKまたはlacI部位に特異的に組込まれないことが分かった。
pHMM228の組込み/スクリーニング:
組込み実験を、上述のpHMM209の組込み/スクリーニングに記載のようにして行った。同時組込み形成体の数を以下の表に示す。
Figure 2006502691
44℃平板上に増殖したコロニーを、続いて44℃でTブロスにて増殖した。プレート全体の約1/2に相当するコロニーからプールされた1つの培養物に加え、9個の単離体が増殖した。これら10の培養物を44℃にてCm選択の下で一晩振盪した(315rpm)。次の日、次のPCR分析のため、試料100μLを各々から遠心分離によって集めた。さらに、前もって44℃に温めた平板を、これらの培養物からの個々の単離体のストリーク(画線)に用い、一晩44℃にてインキュベートした。PCRおよび制限酵素マッピングの結果により、10個の液体培養物のほとんどすべてが予期された組込み事象を伴った増幅産物を含むことが示された。
個々のクローンを、44℃における再パッチによってスクリーニングした。単離体#2を、Cmを含むTブロスにて30℃で一晩増殖し、pHMM228の切出しを促進させた。一晩増殖後、細胞試料100μLを収集し、PCR反応の鋳型として用いた。増殖のみでpHMM228の切り出し体となるように、galEフランク(flank)の外側からプライマーを選んだ。よって切出し事象がpHMM228を再生すると、約7kbのPCR産物になると予想される。しかし、切出しが二次交差事象に起因しT7RNAポリメラーゼを染色体に残すと、約1.5kbのPCR産物になると予想される。予想通り、切出し産物の混合物が観察される。続いて切出し培養物を画線培養して個々の単離体を得、これを1.5kbPCR産物の存在についてスクリーニングする。
次いで、3つの単離体をTブロス中にて44℃で選択なしに一晩増殖し、切出されたpHMM228のキュアリングを促進した。一晩44℃にて増殖後、画線培養したT寒天平板から単一のコロニーを単離し、3つの元の単離体のそれぞれから72個をCmを含むT平板、Kmを含むT平板およびT平板に写し、切り出されたpHMM228のキュアリングが成功しているか判定した。以下の表にこれらの実験の結果を詳述する。
Figure 2006502691
つづいて、RQ228と命名した単一のCm感受性個体を単離体#1から選択し、2度の画線培養により精製し、表現型を確認した。以下の表に表現型分析の結果を示す。
Figure 2006502691
その後表現型を確認したRQ228株のコロニーを選択し、10mL培養液を一晩増殖させ、さらに局所保存および長期保存し、そしてコンピテント細胞ロット(単位)を作製するために用いた。この同じコロニーを、組込み完全PCRマッピングに用いた。
T7活性および調節分析:
表現型特性および組込み事象の完全性の確認に加えて、RQ228株が機能的T7RNAポリメラーゼを発現する能力についても試験し、さらにその発現が調節を受ける能力も試験した。不完全T7テスターファージを補助するRQ228株の能力を、以下に記載のように試験した。
T7RNAポリメラーゼ分析:
RQ209株またはRQ228株が機能的なT7RNAポリメラーゼを有するかどうかを測定するために、T7RNAポリメラーゼ活性分析を用いた。RQ209株またはRQ228株を、0.2%マルトースおよび10mM MgSOを添加したTブロスにて約37℃で一晩増殖した。一晩培養物を、OD600=0.05になるように0.2%マルトースおよび10mM MgSOを添加したTブロスで希釈し、OD600=0.5まで撹拌しながら増殖し、それぞれの細菌培養液100μLに10−6希釈のT7テスターファージSM緩衝液100μLを付加した。試料をタッピングによってゆっくり混合し、20分間37℃にてインキュベートし、ファージを吸着させた。その後0.4%Tトップアガロース(0.2%マルトースおよび10mM MgSO添加)3mLを試料に加え、ボルテックスし、前もって温めておいたT寒天平板に注いだ。1つをT寒天平板にプレートし、もう1つを400μMIPTGを含むT寒天平板にプレートしうるように、試料を2つずつ調製した。T7テスターファージは細胞に付着することができるが、利用できる機能的T7RNAポリメラーゼを有するファージが感染する細胞のみが複製および溶解することができる。T7RNAポリメラーゼの発現がlacUV5プロモーターの制御下であるため、誘導物質であるIPTGの存在にてのみ発現する。IPTGを含む平板上のプラークおよびIPTGなしの平板上の無プラークが、T7RNAポリメラーゼの制御された発現の陽性表示を構成する。
組込み完全性の最終PCR確認:
RQ228株を分析し、組込み現象の完全性/特異性を確認した。PCR増幅をgalE標的した組込み現象の結合を検討するために行い、さらに組込みカセット全体のサイズの確認を行った。
RQ228を用いたPTH発現:
PTHをコードする遺伝子を含む発現プラスミドを、一般的な方法を用いてRQ228または DE3宿主細胞のどちらかに形質転換する。両株を、テトラサイクリンを含むTブロスにて37℃で増殖し、10μM IPTGの添加によって誘導した。培養液を6時間インキュベートし続ける。培養試料が、両宿主細胞がPTHを発現することを示す。しかしながら、RQ228宿主細胞にて生産されるPTHのみがファージを含まないであり、DE3宿主細胞にて生産されるPTHは発酵ブロスにかなりの量のファージを有する。
大腸菌を、0.2%マルトースおよび10mM MgSOを添加したTブロスにて37℃で一晩飽和状態まで増殖する。一晩培養液をOD600=0.05になるように0.2%マルトースおよび10mM MgSOを添加したT培地で希釈し、OD600=0.5まで撹拌しながら増殖し、大腸菌培養液100μLに発酵ブロス100μLを付加する。試料をタッピングによってゆっくり混合し、20分間37℃にてインキュベートし、ファージを吸着させる。0.4%Tトップアガロース(0.2%マルトースおよび10mMMgSO4添加)3mLを試料に加え、ボルテックスし、前もって温めておいたT寒天平板に注いだ。平板を約12時間37℃でインキュベートする。ファージを含まない発酵ブロスを、観察されるプラークがないように調製する。
図1は、宿主染色体における組込みプラスミドpHMM228由来のT7RNAポリメラーゼの相同組換えの略図を示す。

Claims (25)

  1. lacプロモーターの制御下に相同的に組込まれているT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含む宿主細胞。
  2. T7RNAポリメラーゼ遺伝子が溶原性ファージを用いることなく宿主細胞染色体に組込まれている、請求項1に記載の宿主細胞。
  3. lacプロモーターがlacUV5プロモーターである、請求項2に記載の宿主細胞。
  4. T7RNAポリメラーゼ遺伝子が宿主染色体のガラクトースオペロンに組込まれている、請求項2または3に記載の宿主細胞。
  5. T7RNAポリメラーゼ遺伝子が、pHMM209、pHMM22、pHMM223およびpHMM228からなる群から選択される組込みプラスミド由来のガラクトースオペロンに組込まれている、請求項4に記載の宿主細胞。
  6. T7lacプロモーターの制御下にある標的タンパク質をコードしている非組込み遺伝子をさらに含む、請求項2〜5のいずれかに記載の宿主細胞。
  7. 標的タンパク質が副甲状腺ホルモン(PTH)である、請求項6に記載の宿主細胞。
  8. PTHがN末端断片1−84である請求項7に記載の宿主細胞。
  9. N末端断片が1−34である請求項8に記載の宿主細胞。
  10. 標的タンパク質がグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1類似体あるいは誘導体である、請求項6に記載の宿主細胞。
  11. 宿主細胞の非必須遺伝子に相同的に組込まれているT7RNAポリメラーゼ遺伝子、およびT7lacプロモーターの制御下にある標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子を有する宿主細胞を含む、ファージを含まない発酵ブロスにて標的タンパク質を生産するための発現系。
  12. T7RNAポリメラーゼ遺伝子が宿主染色体のガラクトースオペロンに組込まれている、請求項11に記載の発現系。
  13. T7RNAポリメラーゼ遺伝子が、pHMM209、pHMM22、pHMM223およびpHMM228からなる群から選択される組込みプラスミド由来のガラクトースオペロンに組込まれている、請求項12に記載の発現系。
  14. 標的タンパク質が副甲状腺ホルモン(PTH)である、請求項13に記載の発現系。
  15. PTHがN末端断片1−84である請求項14に記載の発現系。
  16. N末端断片が1−34である請求項15に記載の発現系。
  17. 標的タンパク質がグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1類似体あるいは誘導体である、請求項13に記載の発現系。
  18. lacUV5プロモーターの制御下にT7RNAポリメラーゼ遺伝子を宿主の非必須遺伝子中に相同的に組込む、T7RNAポリメラーゼ遺伝子を誘導しても発酵ブロスがファージを含むことがない、当該宿主細胞を調製する方法。
  19. T7RNAポリメラーゼ遺伝子をガラクトースオペロンに組込む、請求項18に記載の方法。
  20. T7RNAポリメラーゼ遺伝子を、pHMM209、pHMM22、pHMM223およびpHMM228からなる群から選択される組込みプラスミド由来のガラクトースオペロンに組込む、請求項19に記載の方法。
  21. a.lacUV5プロモーターの制御下にT7RNAポリメラーゼ遺伝子を宿主細胞の非必須遺伝子中に相同的に組込み、当該宿主細胞を調製し、
    b.標的タンパク質をコードする非組込み遺伝子で該宿主細胞を形質転換し(ここに、非組込み遺伝子はT7lacプロモーターの制御下にある)、
    c.得られた宿主細胞を誘導し、T7RNAポリメラーゼを産生させ、
    d.T7RNAポリメラーゼが標的タンパク質を生産するために充分な時間発酵ブロスにて該宿主細胞をインキュベートすること(ここに、発酵ブロスはファージを含まない)、
    を包含する標的タンパク質を調製するための方法。
  22. 標的タンパク質が副甲状腺ホルモン(PTH)である、請求項21に記載の方法。
  23. PTHがN末端断片1−84である請求項22に記載の方法。
  24. N末端断片が1−34である請求項23に記載の方法。
  25. 標的タンパク質がグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1類似体あるいは誘導体である、請求項21に記載の方法。





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