JP2006351924A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の半導体装置よりも、半導体層からトレンチ内部へ熱を逃がしやすくし、半導体層に熱がこもるのを抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】 トレンチゲート型であって、チャネル領域が間引かれたような構造である、いわゆる間引き構造のIGBTにおいて、トレンチゲートを構成するトレンチ5の内部に形成されたゲート絶縁膜6と、ゲート電極7のうち、ゲート電極7をPolySiよりも高熱伝導率である材料、例えば、SiCで構成する。もしくは、ゲート電極7の一部をSiCで構成し、残りの他の部分をPolySiで構成する。これにより、チャネルが形成される領域3aからトレンチの内部へ熱を逃がしやすくすることができ、チャネルが形成される領域3aに熱がこもるのを抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体層にトレンチが形成されている構造の半導体装置に関するものである。
従来、半導体層にトレンチが形成されている構造の半導体装置として、例えば、トレンチゲート型の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTと呼ぶ)およびMOS等を備える半導体装置や、トレンチで素子間を絶縁分離している構造の半導体装置がある。
このトレンチゲート型のIGBT等を備える半導体装置は、半導体層と、この半導体層に形成されたトレンチと、このトレンチの内部に沿って形成されたゲート絶縁膜と、トレンチの内部を埋め込むように、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備えている。
また、トレンチで素子間を絶縁分離している構造の半導体装置も、半導体層と、この半導体層に形成されたトレンチと、このトレンチの内部に沿って形成された絶縁膜と、トレンチの内部を埋め込むように、絶縁膜上に形成された導体部とを備えている。
そして、どちらの半導体装置においても、一般に、半導体層は単結晶Si(シリコン)で構成され、ゲート絶縁膜および絶縁膜は、シリコン酸化膜で構成され、ゲート電極および導体部は、PolySi(ポリシリコン)により構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−270841号公報
しかし、上記した構造の半導体装置では、トレンチの埋め込み材である絶縁膜(ゲート絶縁膜を含む)および導体部(ゲート電極を含む)は、どちらも半導体層よりも熱伝導率が低い材料で構成されているため、半導体層からトレンチ内部に熱が逃げ難くい。このため、半導体層の表面に対して垂直な方向での熱移動が小さい場合、半導体層に熱がこもってしまうという問題がある。
特に、トレンチゲート型のIGBT等を備える半導体装置では、半導体層のうち、トレンチの側壁に面した領域がチャネル領域となり、大電流が流れるため、スイッチング動作時に、この領域に電流が集中し、熱が発生する。そして、この熱がチャネル領域にこもり、チャネル領域の温度が上昇すると、最悪の場合、素子が破壊されてしまう。
本発明は、上記点に鑑み、従来の半導体装置よりも、半導体層からトレンチ内部へ熱を逃がしやすくし、半導体層に熱がこもるのを抑制できる半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、半導体層(3、22)に形成されたトレンチ(5、30)の内部に、絶縁膜(6、31)を介して、埋め込まれた導体部(7、32)の全部もしくは一部分がポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料で構成することを特徴としている。
このように、導体部の全部をポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料で構成した場合では、絶縁膜が同一の材料で構成され、かつ、導体部の全部がポリシリコンで構成されている半導体装置と比較して、半導体層で生じた熱をトレンチの内部に逃がしやすくすることができる。
また、導体部の一部分をポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料で構成した場合であって、残りの部分をポリシリコンで構成した場合においても、絶縁膜が同一の材料で構成され、かつ、導体部の全部がポリシリコンで構成されている半導体装置と比較して、半導体層で生じた熱をトレンチの内部に逃がしやすくすることができる。
この結果、半導体層に熱がこもるのを抑制することができ、半導体層の温度上昇を抑制することができる。
なお、ポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料としては、例えば、Au、Ag、Al、Cu、W等の金属材料や、単結晶Si、SiC、AlN、Ge等の半導体材料を用いることができる。
また、例えば、トレンチゲート構造であって、トレンチによって電気的に分離された2つの領域のうち、一方の領域にチャネルが形成され、他方の領域にはチャネルが形成されない構造のIGBTに対して、本発明を適用することができる。
この場合、トレンチ内のゲート電極の全部もしくは一部分をポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料で構成することで、一方の領域で生じた熱を、トレンチの内部を介して、他方の領域へ逃げやすくすることができる。
また、このような構造の半導体装置において、さらに、前記他方の領域(3b)の表面側の一部分(14)を、前記他方の領域(3b)における他の部分よりも熱伝導率が高い材料で構成することもできる。例えば、第3半導体層を単結晶Siで構成し、第3半導体層における他方の領域の表層にSiCを部分的に埋め込む構造とすることができる。
このように、他方の領域の一部分を、他の部分よりも熱伝導率が高い材料で構成することで、他の部分からこの一部分に熱が移動しやすくなり、この一部分から半導体層の表面上に放熱しやすくすることができる。
これにより、本発明によれば、他方の領域の全体が、単結晶Si等の同一材料で構成されている半導体装置と比較して、他方の領域の温度を低くすることができる。この結果、ゲート絶縁膜、ゲート電極および第3半導体層を、それぞれ、同一の材料で構成した半導体装置と比較して、一方の領域で生じた熱を、トレンチの内部を介して、他方の領域により逃げやすくすることができる。
また、トレンチゲート構造であって、トレンチによって電気的に分離された2つの領域のうち、一方の領域にチャネルが形成され、他方の領域にはチャネルが形成されない構造のIGBTにおいて、ゲート電極を従来と同様の構成としたまま、他方の領域(3b)の表面側の一部分を、他の部分よりも熱伝導率が高い材料で構成することもできる。
このようにしても、ゲート絶縁膜、ゲート電極および第3半導体層を、それぞれ、同一の材料で構成した半導体装置と比較して、一方の領域で生じた熱を、トレンチの内部を介して、他方の領域に逃げやすくすることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態におけるトレンチゲート型のIGBTの断面図を示す。この断面図は、トレンチを横切るように切断したときの断面図である。本実施形態では、トレンチゲート型であって、いわゆる間引き構造を有するIGBTに、本発明を適用した場合を説明する。
図1に示すように、このIGBTは、P型層1と、P型層1の表面上のN型ドリフト層2と、N型ドリフト層2の表面上のP型ベース領域3と、P型ベース領域3の内部表面側に位置するN型エミッタ領域4と、P型ベース領域3の表面から、N型エミッタ領域4およびP型ベース領域3を貫通して、N型ドリフト層2に到達する深さのトレンチ5と、トレンチ5の内壁上に形成されたゲート絶縁膜6と、トレンチ5の内部であって、ゲート絶縁膜6上に形成されたゲート電極7と、P型ベース領域3の表面上に配置され、P型ベース領域3の一部およびN型エミッタ領域4と電気的に接続されたエミッタ電極8と、P型層1の裏面に接して配置され、P型層1と電気的に接続されたコレクタ電極9とを備えている。
P型ベース領域3は、トレンチ5によって電気的に分断された2つの領域3a、3bを有し、この2つの領域3a、3bのうち、トレンチ5の片側(図1中左側)に位置する一方の領域3aのみに、N型エミッタ領域4とP型ボディ領域10とが形成されている。また、一方の領域3aは、P型ボディ領域10を介して、エミッタ電極8と電気的に接続されている。N型エミッタ領域4は、左側の領域3aのうち、トレンチ5の近傍の領域に部分的に配置されている。
言い換えると、N型エミッタ領域4は、P型ベース領域3内のトレンチ5によって電気的に分断された2つの領域3a、3bのうち、一方の領域3aの内部表面側に、トレンチ5に接して配置されている。
この一方の領域3aでは、トレンチ5に接する部分にチャネルが形成され、この一方の領域3aが、素子として機能するセル領域となる。
また、2つの領域3a、3bのうち、トレンチ5を挟んだ反対側(図1中右側)の他方領域3bは、絶縁膜11により、エミッタ電極8や他の電極と電気的に絶縁されており、フローティング状態となっている。
言い換えると、エミッタ電極8は、一方の領域3aおよびN型エミッタ領域4と電気的に接続され、かつ、2つの領域3a、3bのうちの他方の領域3bと電気的に接続されていない。
このように、図1に示すIGBTは、オン電圧の低下を図るため、複数の連続したセル領域からセル領域が周期的に間引かれたような構造(いわゆる間引き構造)となっている。
そして、本実施形態では、P型層1、N型ドリフト層2、P型ベース領域3は、Siで構成されている。また、ゲート絶縁膜6は、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成されている。また、ゲート電極7は、その全体が、導電性不純物が導入されたSiC(炭化珪素)で構成されている。
なお、図1に示す構造のIGBTは、例えば、周知のトレンチゲート型であって、いわゆる間引き構造のIGBTの製造方法に対して、ゲート電極7を構成する材料をSiCに変更することで製造される。
また、本実施形態と特許請求の範囲に記載の発明との対応関係は、以下の通りである。N型が第1導電型に相当し、P型が第2導電型に相当する。P型層1が第1半導体層に相当し、N型ドリフト層2が第2半導体層に相当し、P型ベース領域3が第3半導体層および半導体層に相当し、N型エミッタ領域4が第4半導体層に相当する。また、トレンチ5がトレンチに相当し、ゲート絶縁膜6が絶縁膜に相当し、ゲート電極7が導体部に相当する。そして、エミッタ電極8が第1電極に相当し、コレクタ電極9が第2電極に相当する。
次に、本実施形態の主な特徴を説明する。本実施形態のIGBTでは、ゲート電極7がSiCで構成されている。このSiCは、PolySiと比較して、熱伝導率が高い。このため、本実施形態によれば、ゲート電極7の全部がPolySiで構成され、ゲート絶縁膜6が同じSiOで構成される等の他の構成が、本実施形態と同様である従来のIGBT(以下、単に従来のIGBTと呼ぶ)と比較して、トレンチ5の内部全体(ゲート絶縁膜6およびゲート電極7を含めた全体)における熱伝導率を高くすることができる。
このため、一方の領域3aで熱が発生した場合、この熱をトレンチ5の内部のゲート絶縁膜6およびゲート電極7に逃がしやすくでき、さらに、トレンチ5を挟んで一方の領域3aと反対側の他方の領域3bに、その熱を拡散させることができる。
ここで、図2に、本実施形態のIGBTの負荷短絡時における温度分布を示す。また、比較例として、図3に、図1に示す構造のIGBTにおけるゲート電極7がPolySiで構成された従来のIGBTの負荷短絡時における温度分布を示す。なお、図2、3は、同じ負荷短絡条件でのシミュレーション結果であり、従来のIGBTで熱破壊が生じる直前の条件時(後述する図4中のt=0.9×e−5secのとき)における熱分布を示している。
例えば、IGBTが負荷短絡状態になると数100Vという大きな電圧が印加される状態となり、チャネルに大きな短絡電流が流れる。この場合、従来のIGBTでは、図3に示すように、チャネルが形成される一方の領域3aの温度は、例えば、890℃であった。このように、図3から、一方の領域3aに熱がこもりがちになり、一方の領域3aの温度上昇が顕著となることがわかる。
これに対して、本実施形態のIGBTでは、図2に示すように、一方の領域3aの温度は、例えば、800℃であった。このように、図2から、一方の領域3aで生じた熱が他方の領域3bに拡散するため、従来のIGBTと比較して、一方の領域3aに熱がこもるのを抑制することができ、一方の領域3aでの温度上昇を抑制できることがわかる。
また、図4に、本実施形態および従来のIGBTにおける負荷短絡時のコレクタ電流量と温度変化を測定したシミュレーション結果を示す。なお、縦軸の温度(Temp)は、一方の領域3aおよび他方の領域3bを含むIGBT素子全体の平均温度を示しており、横軸の時間(Time)は、IGBTが負荷短絡状態になったときからの経過時間を示している。また、実線が電流値を示し、破線が温度を示している。
図4に示すように、どちらのIGBTも、負荷短絡状態になったときに短絡電流が流れ始め、短絡状態になったときから時間が経過するにつれ、素子全体の温度が上昇する。そして、従来のIGBTでは、経過時間が0.9×e−5sec付近のとき、素子全体の温度がおよそ700Kになり、IGBTの電流量が急激に増加する。すなわち、IGBTが熱破壊に至る。一方、本実施形態のIGBTでは、従来のIGBTと比較して、素子全体の温度上昇が緩やかであるため、経過時間が1.2×e−5sec付近のとき、素子全体の温度がおよそ700Kになり、IGBTが熱破壊に至る。
このことから、本実施形態のIGBTは、従来のIGBTと比較して、IGBTの電流量が急激に増加するまでの時間が長くなっている。したがって、本実施形態によれば、従来のIGBTと比較して、負荷短絡耐量を大きくできると言える。
(第2実施形態)
図5に、本発明の第2実施形態におけるトレンチゲート型のIGBTの断面図を示す。この図は、図1に対応している。第1実施形態では、ゲート電極7の全部をSiCで構成する場合を例として説明したが、本実施形態のように、ゲート電極7の一部分のみをSiCで構成することもできる。
具体的には、本実施形態のIGBTでは、図5に示すように、ゲート電極7のうち、一部分7aがSiCで構成され、他の部分7bがPolySiで構成されている。この一部分7aは、ゲート電極7の表面側に形成されており、ゲート電極7の表面から所定深さの領域となっている。なお、その他の構成部は、図1に示すIGBTと同様である。
また、本実施形態のゲート電極7は、例えば、以下のようにして形成される。まず、トレンチゲート用のトレンチ5(以下では、トレンチ5を第1のトレンチ5と呼ぶ)にゲート絶縁膜6を形成し、そのゲート絶縁膜6の上にPolySiを形成することで、トレンチ5の内部にPolySiを埋め込む。その後、第1のトレンチ5に埋め込まれたPolySiに対して、第1のトレンチ5よりも浅い第2のトレンチ12を形成し、その第2のトレンチ12の内部をSiCで埋め込む。これにより、一部分7aがSiCで構成され、他の部分7bがPolySiで構成されたゲート電極7が形成される。
このように、本実施形態では、ゲート電極7の一部7aをSiCで構成し、他の部分7bをPolySiで構成している。すなわち、ゲート電極7の一部7aを他の部分7bよりも熱伝導率が高い材料で構成している。これにより、本実施形態においても、従来のIGBTと比較して、第1のトレンチ5の内部全体における熱伝導率を高くすることができる。
この結果、本実施形態においても、従来のIGBTと比較して、一方の領域3aで熱が発生した場合、この熱を第1のトレンチ5の内部のゲート絶縁膜6およびゲート電極7に逃がしやすくでき、さらに、第1のトレンチ5を挟んで一方の領域3aと反対側の他方の領域3bに、その熱を拡散させることができる。このため、一方の領域3aに熱がこもるのを抑制することができ、一方の領域3aの温度上昇を抑制することができる。
なお、第2のトレンチ12の位置は、第1のトレンチ5の内部であれば、どの位置でも良いが、一方の領域3aの熱をより逃げやすくするという観点から、一方の領域3aに近い位置であることが好ましい。また、図示しないが、ゲート電極7の表面側に限らず、中心付近の一部分をSiCで構成することもできる。
(第3実施形態)
図6に、本発明の第3実施形態におけるトレンチゲート型のIGBTの断面図を示す。この図は、図1に対応している。第2実施形態では、PolySiで構成されているゲート電極7の一部7aをSiCで構成する場合を例として説明したが、単結晶Siで構成されている他方の領域3bの一部分をSiCで構成することもできる。
具体的には、本実施形態のIGBTは、図6に示すように、他方の領域3bの表面側に、第3のトレンチ13が形成されており、第3のトレンチ13の内部に、SiCで構成された埋め込み部14が形成されている。この埋め込み部14が本発明における他方の領域3bの表面側の一部分に相当する。
この第3のトレンチ13は、本実施形態においては、他方の領域3bのうち、例えば、第1のトレンチ5の近くに配置されている。また、第3のトレンチ13は、第1のトレンチ5よりも浅く、N型ドリフト層2に到達しない深さである。
なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、ゲート電極7がPolySiで構成されている。その他の構成部は、図1に示すIGBTと同様である。
また、本実施形態のIGBTは、いわゆる間引き構造のIGBTの一般的な製造工程に対して、例えば、第1のトレンチ5、ゲート絶縁膜6、ゲート電極7を形成する前、もしくは、その後に、第3のトレンチ13および埋め込み部14を形成する工程を追加することで、製造される。
このように、本実施形態では、単結晶Siで構成されている他方の領域3bの一部14を、単結晶Siよりも高熱伝導率であるSiCで構成している。これにより、他方の領域3b内での熱移動を促進させることができ、また、このSiCで構成された埋め込み部14を介して、他方の領域3bの上方(図中上方向)に熱を逃がすことができる。
この結果、他方の領域3b全体の温度を、従来のIGBTと比較して、低くすることができるので、一方の領域3aで発生した熱を、第1のトレンチ5の内部のゲート絶縁膜6およびゲート電極7を介して、他方の領域3bに逃がしやすくすることができる。このため、本実施形態においても、このため、一方の領域3aに熱がこもるのを抑制することができ、一方の領域3aの温度上昇を抑制することができる。
(他の実施形態)
(1)第3実施形態では、他方の領域3bに形成される埋め込み部14が1つの場合を例として説明したが、他方の領域3bに形成される埋め込み部14の数を複数とすることもできる。また、第3実施形態を、第1実施形態もしくは第2実施形態と組み合わせることもできる。これにより、第1実施形態もしくは第2実施形態を単独実施する場合と比較して、一方の領域3aで発生した熱を、第1のトレンチ5の内部のゲート絶縁膜6およびゲート電極7を介して、他方の領域3bに、いっそう逃がしやすくすることができる。
(2)上記した第1〜第3実施形態では、トレンチゲート型IGBTがいわゆる間引き構造である場合を例として説明したが、セルが連続的に複数配置された構造のIGBT、すなわち、P型ベース領域3のうちの第1のトレンチ5の右側の領域3bにも、N型エミッタ領域4が形成され、この領域3bおよびN型エミッタ領域4がエミッタ電極8と電気的に接続されたIGBTに対しても、本発明を適用することができる。
この場合も、第1のトレンチ5の内部に一方の領域3aからの熱が移動しやすくなっており、さらに、第1のトレンチ5の内部に移動した熱を、P型ベース領域3の表面上に移動させることができる。この結果、一方の領域3aに熱がこもるのを抑制でき、一方の領域3aの温度上昇を抑制できる。
(3)上記した第1〜第3実施形態において、IGBTの構造を、図1に示すIGBTに対して、P型層1とN型ドリフト層2との間に、N型ドリフト層2よりも不純物濃度が高いN型層を追加した構造とすることもできる。IGBTをこのような構造とした場合においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(4)上記した第1〜第3実施形態では、IGBTを例として説明したが、P型層1をN型層に変更した構造であるMOSにおいても、本発明を適用することができる。
(5)上記した第1〜第3実施形態では、第1導電型をP型とし、第2導電型をN型とする場合を例として説明したが、第1導電型をN型とし、第2導電型をP型とすることもできる。すなわち、上記したIGBTの各構成部における導電型をすべて反対の導電型にすることもできる。
(6)図7に、本発明の他の実施形態における半導体装置の断面図を示す。第1、第2実施形態では、ゲート電極7の全部もしくは一部をSiCで構成する場合を例として説明したが、素子分離に用いられるトレンチ内の導体部の全部もしくは一部をSiCで構成することもできる。
図7に示す半導体装置は、例えば、素子としてのNPNトランジスタを有している。具体的には、P型層21と、P型層21の表面上に形成されたN型層22と、N型層22の内部表面側に形成されたP型ベース領域23と、P型ベース領域23の内部表面側に形成されたN型エミッタ領域24と、N型層22の内部表面側に、P型ベース領域23と離間して形成されたN型コレクタ領域25と、P型層21とN型層22との間に形成されたN型埋め込み領域26とを有している。
なお、N型層22のうち、P型ベース領域23、N型エミッタ領域24、N型コレクタ領域25が形成されている領域が素子領域である。また、N型層22が本発明の半導体層に相当する。
また、N型エミッタ領域24に電気的に接続されたエミッタ電極27と、P型ベース領域23と電気的に接続されたベース電極28と、N型コレクタ領域25に電気的に接続されたコレクタ電極29とを有している。
そして、NPNトランジスタが形成されている素子領域を他の領域と分離するため、第4のトレンチ30が、N型層22に形成されている。この第4のトレンチ30は、P型ベース領域23およびN型コレクタ領域25と離間しており、P型層21に到達する深さとなっている。また、第4のトレンチ30の内壁にSiO等で構成された絶縁膜31が形成されており、第4のトレンチ30を埋め込むように、絶縁膜31上にSiCで構成された導体部32が形成されている。
なお、第4のトレンチ30が本発明のトレンチに相当し、絶縁膜31が本発明の絶縁膜に相当し、導体部32が本発明の導体部に相当する。
このように、素子分離に用いられる第4のトレンチ30の内部に形成された導体部32の全部をPolySiよりも熱伝導率が高いSiCで構成することで、導体部32の全部がPolySiで構成されている場合と比較して、第4のトレンチ30の内部全体における熱伝導率を高くすることができる。
これにより、素子領域で発生した熱を第4のトレンチ30の内部に逃げやすくすることができる。なお、第4のトレンチ30の内部に移動した熱は、第4のトレンチ30の上方もしくは、この素子領域と第4のトレンチ30を挟んだ反対側の領域に移動する。この結果、素子領域に熱がこもるのを抑制することができ、素子領域の温度上昇を抑制することができる。
また、図7に示す半導体装置における導体部32を、図示しないが、第2実施形態と同様に、その一部分をSiCで構成し、残りの他の部分をPolySiで構成することもできる。
このように、本発明は、トレンチが深く、トレンチに隣接する領域に熱がこもりやすい構造の半導体装置であれば、素子分離用のトレンチ30の内部に埋め込まれている導体部32を有する等の半導体装置に対しても、適用が可能である。
(7)上記した各実施形態では、PolySiよりも高熱伝導率の材料としてSiCを用いる場合を例として説明したが、導体であり、かつ、PolySiよりも高熱伝導率である材料であれば、他の材料を用いることもできる。例えば、Au、Ag、Al、Cu、Wなどの金属材料や単結晶Si、AlN、Geなどの半導体材料を用いることもできる。
(8)第1実施形態では、ゲート電極7の全部を一種類の材料(SiC)で構成する場合を例として説明したが、ゲート電極7の全部を、PolySiよりも高熱伝導率である複数種類の材料で構成することもできる。
(9)第3実施形態では、他方の領域3bの一部分(埋め込み部)14をSiCで構成し、残りの部分を単結晶Siで構成する場合を例として説明したが、他方の領域3bおよびその一部分14を他の材料で構成することもできる。例えば、他方の領域3bをSiCで構成し、その一部分14をSiCよりも高熱伝導率の材料で構成することもできる。
(10)上記した各実施形態では、ゲート絶縁膜6や絶縁膜31をSiO膜で構成する場合を例として説明したが、これらを、SiO膜の代わりに、SiO膜よりも熱伝導率が高い材料で構成することもできる。これにより、トレンチ内部の全体における熱伝導率を高めることができるので、各実施形態の効果をさらに高めることができる。例えば、SiN(シリコン窒化膜)を用いることができる。
本発明の第1実施形態におけるトレンチゲート型IGBTの断面図である。 図1のIGBTの負荷短絡時における温度分布を示す図である。 従来のIGBTの負荷短絡時における温度分布を示す図である。 本実施形態および従来のIGBTにおける負荷短絡時のコレクタ電流量と温度変化を測定したシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるトレンチゲート型IGBTの断面図である。 本発明の第3実施形態におけるトレンチゲート型IGBTの断面図である。 本発明の他の実施形態における半導体装置の断面図である。
符号の説明
1…P型層、2…N型ドリフト層、3…P型ベース領域、
3a…一方の領域、3b…他方の領域、4…N型エミッタ領域、
5…第1のトレンチ、6…ゲート絶縁膜、7…ゲート電極、
8…エミッタ電極、9…コレクタ電極、10…P型ボディ領域、
12…第2のトレンチ、13…第3のトレンチ、14…埋め込み部、
30…第4のトレンチ、31…絶縁膜、32…導体部。

Claims (4)

  1. 半導体層(3、22)と、
    前記半導体層(3、22)に形成されたトレンチ(5、30)と、
    前記トレンチ(5、30)の内壁に沿って形成された絶縁膜(6、31)と、
    前記トレンチ(5、30)の内部を埋め込むように、前記絶縁膜(6、31)の上に形成された導体もしくは半導体からなる導体部(7、32)とを備える半導体装置において、
    前記導体部(7、32)は、その全部もしくは一部分がポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料で構成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 第1半導体層(1)と、
    前記第1半導体層(1)の表面上に形成された第1導電型の第2半導体層(2)と、
    前記第2半導体層(2)の表面上に配置された第2導電型の第3半導体層(3)と、
    前記第3半導体層(3)に形成され、前記第3半導体層(3)の表面から前記第2半導体層(2)に到達する深さのトレンチ(5)と、
    前記トレンチ(5)の内壁上に形成されたゲート絶縁膜(6)と、
    前記トレンチ(5)の内部を埋め込むように、前記絶縁膜(6)上に形成されたゲート電極(7)と、
    前記第3半導体層(3)内の前記トレンチ(5)によって電気的に分断された2つの領域(3a、3b)のうち、一方の領域(3a)の内部表面側に、前記トレンチ(5)に接して配置された第1導電型の第4半導体層(4)と、
    前記一方の領域(3a)および前記第4半導体層(4)と電気的に接続され、かつ、前記2つの領域(3a、3b)のうちの他方の領域(3b)と電気的に接続されていない第1電極(8)と、
    前記第1半導体層(1)と電気的に接続された第2電極(9)とを備える半導体装置において、
    前記ゲート電極(7)は、その全部もしくは一部分(7a)がポリシリコンよりも熱伝導率が高い材料で構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記他方の領域(3b)は、その表面側の一部分(14)が、前記他方の領域(3b)における他の部分よりも熱伝導率が高い材料で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 第1半導体層(1)と、
    前記第1半導体層(1)の表面上に形成された第1導電型の第2半導体層(2)と、
    前記第2半導体層(2)の表面上に配置された第2導電型の第3半導体層(3)と、
    前記第3半導体層(3)に形成され、前記第3半導体層(3)の表面から前記第2半導体層(2)に到達する深さのトレンチ(5)と、
    前記トレンチ(5)の内壁上に形成されたゲート絶縁膜(6)と、
    前記トレンチ(5)の内部を埋め込むように、前記絶縁膜(6)上に形成されたゲート電極(7)と、
    前記第3半導体層(3)内の前記トレンチ(5)によって電気的に分断された2つの領域(3a、3b)のうち、一方の領域(3a)の内部表面側に、前記トレンチ(5)に接して配置された第1導電型の第4半導体層(4)と、
    前記一方の領域(3a)および前記第4半導体層(4)と電気的に接続され、かつ、前記2つの領域(3a、3b)のうちの他方の領域(3b)と電気的に接続されていない第1電極(8)と、
    前記第1半導体層(1)と電気的に接続された第2電極(9)とを備える半導体装置において、
    前記他方の領域(3b)は、その表面側の一部分(14)が、他の部分よりも熱伝導率が高い材料で構成されていることを特徴とする半導体装置。
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