JP2006348814A - 高深度用地下水揚水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 地下水が間歇的にしか溜まらない口径の小さい高深度、例えば地上から水面まで10m以上あるボーリング孔から揚水する際、渇水状態となり揚水が一旦途切れても再び水が溜まれば自吸できるポンプが必要である。
【解決手段】揚水管2の上端部に接続した水エゼクター12、該揚水管の下端部に接続した揚水管内が負圧時に開く逆止弁7、該逆止弁の上端部の揚水管から分岐する枝管8、該枝管に接続した間歇的に開閉する弁10、該弁に圧縮空気を供給するコンプレッサー11、該水エゼクターから吐出される地下水の貯留タンク14、該水エゼクターの駆動流体として地下水を給液する循環ポンプ15、該貯留タンク内の地下水レベルが一定となるように地下水を抜き出す排水ポンプ18より構成される深井戸用地下水揚水装置。
【選択図】 図2
【解決手段】揚水管2の上端部に接続した水エゼクター12、該揚水管の下端部に接続した揚水管内が負圧時に開く逆止弁7、該逆止弁の上端部の揚水管から分岐する枝管8、該枝管に接続した間歇的に開閉する弁10、該弁に圧縮空気を供給するコンプレッサー11、該水エゼクターから吐出される地下水の貯留タンク14、該水エゼクターの駆動流体として地下水を給液する循環ポンプ15、該貯留タンク内の地下水レベルが一定となるように地下水を抜き出す排水ポンプ18より構成される深井戸用地下水揚水装置。
【選択図】 図2
Description
主として、地下水が間歇的にしか溜まらない口径の小さい高深度ボーリング孔から地下水を揚水する装置に関するものである。
地下水の揮発性有機化合物や重金属による汚染状況のモニタリングでは、口径50mm程度のボーリング孔から水を連続的に採取して分析し、ボーリング孔から揚水した地下水の地上での浄化操作が行われる。ボーリング孔へ湧き出る地下水量が多い場合にはくみ出しには特段の問題がないが、地下水湧き出し量が少なく間歇的にしか溜まらない場合には、従来の装置では以下のとおり、多くの不都合が生じる。
実用新案登録第3110424号
化学工学便覧 改訂4版 化学工学協会編 P241~P254(1978年発刊)
地下水湧き出し量の少ないボーリング孔からの揚水時には、揚水量が湧き出し量を超えないよう常時揚水用ポンプの水量を調節するか、渇水状態となり揚水が一旦途切れても、地下水が再び溜まれば再度揚水が可能な自給式ポンプを設置する必要がある。
地下水の湧き出し量は降雨量等に支配されるため日変動や季節変動が大きく、揚水量をそのつど調節するのに多くの人手がかかっていた。また、揚水量の自動調節のためには例えば地下水面のレベルを検知して揚水量を自動調節する方法があるが、水面レベルが低い場合にはレベル検知計の設置が容易でない。
地下水の湧き出し量は降雨量等に支配されるため日変動や季節変動が大きく、揚水量をそのつど調節するのに多くの人手がかかっていた。また、揚水量の自動調節のためには例えば地下水面のレベルを検知して揚水量を自動調節する方法があるが、水面レベルが低い場合にはレベル検知計の設置が容易でない。
一方、渇水により揚水が一旦途切れても、地下水が溜まれば再度揚水が可能な地上設置の自給式ポンプとしては遠心ポンプやローラーポンプ等の適用が可能であるが、遠心ポンプでは一般に呼び水を必要とすることから、自動化が複雑になることや呼び水不要の遠心ポンプでは装置が大型となり高価となる難点があった。またローラーポンプでは、その原理上チューブを強く圧迫して負圧を発生させることから、チューブの耐久性に問題があり、連続使用には不向きであった。
上述の従来の地下水吸引装置では、湧き出し水量が比較的少ないボーリング孔から揚水する場合、湧き出し量にあわせて揚水量を調節するために多くの人手を要し、また渇水状態になって揚水が途切れると再び水が溜まった時に自動的に復帰させるに複雑なシステムが必要であった。
これらの課題を解決するために本発明と同一のグループの発明者等は、先に地上設置のエゼクターを使用する地下水吸引装置の考案(実用新案 登録第3110424号)を行なった。本考案は、上記課題を解決するものであるが、エゼクターにより揚水管を減圧し、大気圧との差圧で地下水を吸引する方式であるため、原理上大気圧に相当する水柱高さ、すなわち約10mの揚程しかなく、地上から水面までの深さがこれ以上の深度のボーリング孔からは、地下水を吸引できない課題があった。
また、水中ポンプの適用も考えられるが、深度が深くなるほど大型のポンプを必要とするため、口径の小さいボーリング孔の場合、水中への投入が出来ない場合が多々あった。
本発明は上記の課題を解決しようとするものであり、渇水して揚水が途切れても地下水が再度溜まれば、特別な操作をすることなく復帰し連続運転ができる簡易な高深度用地下水揚水装置を提供するものである。
上記目的を達するために、請求項1の発明は、地下水をくみあげる揚水装置において、揚水管の上端部に接続した水受けタンク、該水受けタンクに吸引口を接続した真空ポンプ、該揚水管の下端部に接続した揚水管内が負圧時に開く逆止弁、該逆止弁の上部の揚水管から分岐する枝管、該枝管に接続した間歇的に開閉する弁、該弁に圧縮空気を供給するコンプレッサーより構成されている。
上記構成において、弁が閉じると、真空ポンプにより揚水管内は負圧となるため、揚水管の下端部の逆止弁が開き、地下水は揚水管の中に吸引される。この場合深度が10mを超える場合には、大気圧に相当する地下水面上約10mの位置まで揚水管内に地下水は満たされ、貯留された状態となる。一定時間後弁が開くと揚水管内は圧縮空気により加圧され、逆止弁が閉じると共に加圧空気により揚水管内に貯留された地下水は揚水管上端部へと押し上げられる。押し上げられた地下水は水受けタンク内に溜まる。一定間隔で弁が開閉され上記作用を繰り返す。
請求項2の発明は請求項1の水受けタンクと真空ポンプの代わりに、楊水管の上端部に接続した水エゼクター、該水エゼクターから吐出される地下水の貯留タンク、該水エゼクターの駆動流体として該貯留タンクから地下水を循環供給する循環ポンプ、該貯留タンク内の地下水レベルが一定となるように地下水を抜き出す排水ポンプを備えた構成となっている。
上記構成においては、揚水した地下水自体を該水エゼクターの駆動流体とし、循環使用し、かつその量を一定量保持することにより、揚水された分だけ地下水量は自動的に排水ポンプにより外部に送りだされる機能が付加される。
上記発明において、真空ポンプまたは水エゼクターにより生じた負圧により地下水がくみ上げられるが、地下水が枯渇した場合には、水の代わりに空気を吸引するだけで、何ら装置的なトラブルを起こす要因はない。一般の水用ポンプを空回りさせれば、ポンプの形式によってはキャビテーションによるエロージョンや加熱により材料が変形する故障をひきおこすことがあるが、本発明では上記のような恐れは一切無い。再度地下水が溜まり揚水を開始する際にも、呼び水は必要ない。
またボーリング孔には逆止弁と揚水管および圧縮空気供給用の空気導管のみを設置すればよく、孔径の小さなボーリング口にも極めて容易に設置が可能となる。
投げ込みポンプを地下水中に設置する際には高深度ほど大型となるため、口径の大きなボーリング孔を必要とし、掘削経費もかさむが、本発明によれば、圧縮空気圧の調整のみで任意の高深度地下水の揚水が可能であり、口径の大きなボーリング孔は必要としない。
よって本発明の高深度地下水揚水装置により、簡便で信頼性が高い地下水揚水が可能となる。
投げ込みポンプを地下水中に設置する際には高深度ほど大型となるため、口径の大きなボーリング孔を必要とし、掘削経費もかさむが、本発明によれば、圧縮空気圧の調整のみで任意の高深度地下水の揚水が可能であり、口径の大きなボーリング孔は必要としない。
よって本発明の高深度地下水揚水装置により、簡便で信頼性が高い地下水揚水が可能となる。
本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明の請求項1に関わる第1実施形態例の説明図である。
図1は本発明の請求項1に関わる第1実施形態例の説明図である。
間歇的に貯留される地下水溜まり1から、真空ポンプ4により揚水管2内部が負圧になると地下水または空気が吸引される。真空ポンプ4としては油回転ポンプ、ルーツ型ポンプ等の機械的ポンプや水エゼクターに代表される液噴射ポンプ、スチームエゼクター等が使用可能であるが真空ポンプの機能をもつものであればこれらに限定されない。
真空ポンプ4と揚水管2の間には水受けタンク3が設置され、揚水された地下水が一杯になるまで貯留される。連続運転する場合には貯留された地下水は水受けタンク上部の大気開放弁5と、水受けタンク3底に設置した排水弁6をマニュアルまたは自動的に開いて適宜排出される。
一方、揚水管2の下端部には揚水管内部が負圧時に開く逆止弁7とその上部に揚水管2から分岐する枝管8が設置されている。枝管8には空気導管9を介して弁10が接続されこの弁10にコンプレッサー11より空気導管9を通して圧縮空気が供給されている。
弁11が閉じると揚水管2内は負圧となり、逆止弁7が開いて地下水溜まり1から地下水が吸引される。地下水面の深度が10m以下の比較的浅い場合には地下水は水受けタンク3にまで揚水されるが、深度が10mを超える場合には、揚水管2内を上昇した地下水は
地下水面から10m近傍の位置で停止する。
地下水面から10m近傍の位置で停止する。
上記状態となった後、弁10が開くと揚水管内は圧縮空気により圧力が上昇し、逆止弁7が閉じると共に、圧縮空気により揚水管2内の地下水は水受けタンク3内にまで押し上げられる。
弁10はタイマーやシーケンサー等一般的な方法で一定時間ごとに自動開閉される。
第1実施形態例の装置は揚水した地下水を一旦水受けタンク3に貯めるため、排水は回分操作となる。したがって例えば地下水質のモニタリング等で回分操作による地下水のサンプリングを要する場合等への適用が適当である。
図2は本発明の請求項2に関わる第2実施形態例の説明図である。図2において、揚水管2の上端部は水エゼクター12の吸引孔13に接続される。水エゼクター13には貯留タンク14から循環ポンプ15、水配管16を通じてくみ上げられた地下水が駆動流体として供給される。水エゼクター12から吐出された地下水は貯留タンク14に貯められる。図2において上記以外の構成は図1に示した第1実施形態例と同じである。
貯留タンク14には液レベルセンサー17が設置されており、貯留タンク14中の水レベルが一定となるよう排水ポンプ19が稼動する。地下水は水配管19を通じて系外に送液される。
本第2実施形態例の装置は、揚水した地下水を貯留タンク14の水レベルが一定となるよう自動的に抜き出す構成となっているため、連続的に地下水を揚水する場合への適用が適当である。
本発明において、使用する循環ポンプ15および排水ポンプ18は通常使われる遠心式ポンプが適用可能であり、水エゼクター12についても吸引する地下水量に応じて大きさを選定すればよく、その他の構成機器も特別な配慮を要しない簡便で組み立て容易な装置になっている。
上記第2実施形態例2では、水エゼクター12の数を1基とした場合を示したが、水エゼクター12の数は1基に限定されるものではなく、複数での構成が可能である。すなわち、循環ポンプ15の吐出側を分岐して複数の水エゼクターに水を供給し、複数の揚水管2に接続することで、複数の地下水溜まり1から同時に揚水が可能となる。
以下実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
前記図1の実施形態例に基づいた実施例1の結果を図3に示す。本実施例においては地下水面を模して容器を地上におき、高さ5〜18mの位置から揚水管2をこの容器中に懸垂させた。水受けタンク3、真空ポンプ4、コンプレッサー11、弁10等は揚水管の長さ変化に応じて高さ5〜18mの位置に設置した。真空ポンプ4としては油回転ポンプを使用した。揚水量は前記地下水面を模しておいた容器の水レベル変化から平均値として測定した。
図3によれば、揚水管の長さが9m未満では、揚水管の長さにかかわらずほぼ一定量の揚水量となる。揚水管の長さが9m以上になると揚水量は低下するものの、18mとなっても同図に併記した下記比較例と比べると、十分な揚水量があることがわかる。本実施例1では圧縮空気圧3 kg/cm2設定で、揚水管の長さが9m未満では弁は閉とし、9m以上では揚水管の長さに応じて弁を開とする時間を1〜15秒間隔で調整して運転した。
なお、本実施例において、容器中の水が完全に無くなり、揚水しない状況ののち、再び水を入れ再度揚水量の計測を行ったが、全く同様の揚水量となった。
なお、本実施例において、容器中の水が完全に無くなり、揚水しない状況ののち、再び水を入れ再度揚水量の計測を行ったが、全く同様の揚水量となった。
図3に併記した比較例では、コンプレッサー11を停止し、弁10を閉としたまま他は実施例1と同様にして揚水量を計測した。揚水量は揚水管長さが10m以上になると全くゼロとなった。
次に前記図2の実施形態例に基づいた実施例2の結果を図4に示す。本実施例において
水エゼクター13、貯留タンク14、循環ポンプ15、水配管16等は実施例1と同様に揚水管の長さに応じて、高さ5〜18mの位置に設置した。その他の構成、運転条件および計測方法は実施例1と全く同じとした。
水エゼクター13、貯留タンク14、循環ポンプ15、水配管16等は実施例1と同様に揚水管の長さに応じて、高さ5〜18mの位置に設置した。その他の構成、運転条件および計測方法は実施例1と全く同じとした。
図4によれば、実施例1と同様に揚水管長さが9m以上になっても、前記比較例にくらべ揚水が十分可能であることがわかる。
1 地下水溜まり
2 揚水管
3 水受けタンク
4 真空ポンプ
5 大気開放弁
6 排水弁
7 逆止弁
8 枝管
9 空気導管
10 弁
11 コンプレッサー
12 水エゼクター
13 吸引口
14 貯留タンク
15 循環ポンプ
16 水配管
17 液レベルセンサー
18 排水ポンプ
19 水配管
2 揚水管
3 水受けタンク
4 真空ポンプ
5 大気開放弁
6 排水弁
7 逆止弁
8 枝管
9 空気導管
10 弁
11 コンプレッサー
12 水エゼクター
13 吸引口
14 貯留タンク
15 循環ポンプ
16 水配管
17 液レベルセンサー
18 排水ポンプ
19 水配管
Claims (2)
- 地下水をくみあげる揚水装置において、揚水管の上端部に接続した水受けタンク、該水受けタンクに吸引口を接続した真空ポンプ、該揚水管の下端部に接続した揚水管内が負圧時に開く逆止弁、該逆止弁の上部の揚水管から分岐する枝管、該枝管に接続した間歇的に開閉する弁、該弁に圧縮空気を供給するコンプレッサーを備えていることを特徴とする高深度用地下水揚水装置
- 前記水受けタンクと真空ポンプの代わりに揚水管の上端部に接続した水エゼクター、該水エゼクターから吐出される地下水の貯留タンク、該エゼクターの駆動流体として該貯留タンクから地下水を循環供給する循環ポンプ、該貯留タンク内の地下水レベルが一定となるように地下水を抜き出す排水ポンプを備えていることを特徴とする請求項1に記載の、高深度用地下水揚水装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005174833A JP2006348814A (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | 高深度用地下水揚水装置 |
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JP2005174833A Pending JP2006348814A (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | 高深度用地下水揚水装置 |
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JP (1) | JP2006348814A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010098029A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Disco Abrasive Syst Ltd | 加工装置の排水機構 |
US10234077B1 (en) | 2015-09-18 | 2019-03-19 | Nick Allen Pilcher | Liquid evacuation system |
CN109854544A (zh) * | 2018-10-19 | 2019-06-07 | 张孟琦 | 一种简易超深地下水抽取装置 |
WO2019234808A1 (ja) * | 2018-06-05 | 2019-12-12 | 株式会社アサヒテクノ | 揚水システム、及び揚水管と、水力発電システム、及び送水システム |
-
2005
- 2005-06-15 JP JP2005174833A patent/JP2006348814A/ja active Pending
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