JP2006348669A - アンカーの構造及びアンカーの構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な手法で以って固結材のクラック破壊を回避して確実なアンカーの引抜耐力を得ることができる、アンカー技術を提供すること。
【解決手段】 先端部をアンボンド構造とした引張材21と、引張材21を内挿して引張材に固定し、拡径方向に座屈変形可能な補強定着筒30とによりアンカー体20を構成し、引張材21は拡径耐荷体40に対して補強定着筒30を介して固着しつつ、拡径耐荷体40の埋設範囲に亘ってから絶縁した。
【選択図】 図1
【解決手段】 先端部をアンボンド構造とした引張材21と、引張材21を内挿して引張材に固定し、拡径方向に座屈変形可能な補強定着筒30とによりアンカー体20を構成し、引張材21は拡径耐荷体40に対して補強定着筒30を介して固着しつつ、拡径耐荷体40の埋設範囲に亘ってから絶縁した。
【選択図】 図1
Description
本発明は浅い深度や軟弱地盤でも大きいアンカー耐力(引抜抵抗力)を得ることができるアンカーの構造及びアンカーの構築方法に関するものである。
高強度鋼棒やPC鋼より線等よりなるアンカー体をアンカー孔内に充填した固結材に付着させて定着するアンカー工法は古くから知られていて、各種の用途に用いられている。
例えば山岳地帯における落石、雪崩、崩落土砂の抑制手段である衝撃吸収柵の反力源としてアンカーが用いられている。
例えば山岳地帯における落石、雪崩、崩落土砂の抑制手段である衝撃吸収柵の反力源としてアンカーが用いられている。
前記した従来のアンカー技術にあっては、次のような問題点がある。
(1)作業環境が整った現場にアンカーを構築するのであれば特別問題にならないが、大型施工機械の搬入が困難な例えば山岳地帯の急峻な斜面現場においては、従来のアンカー工を利用することは極めて困難である。
(2)大きなアンカー耐力を得るためにアンカーを岩盤位置に定着させる必要があるが、山岳地帯では岩盤に到達するまでの深度が大きい場合が多い。そのために、深いアンカー孔の削孔作業が困難を極めるだけでなく、アンカーの自由長が長大化する分だけアンカーコストが嵩む問題がある。
(3)岩盤より表層の軟弱な地盤で大きいアンカー耐力を得るアンカー工法として、爆発アンカー工法が知られている。
この工法はアンカー孔内で爆発物を爆発させ、アンカーの孔奥部に形成した拡大空間に固結材を充填して引張材の引抜抵抗の増加に活用するものである。
このアンカー工法にあっては、爆発時に大きな震動が発生するために、落石や土砂崩壊などの新たな災害を引き起こしかねない危険がある。
(4)アンカー孔の孔奥部を拡大させる他の方法として、瞬間膨張材を用いる工法がある。
この工法は震動を小さく抑制できる反面、拡径の信頼度が低いことと、固結材が完全に充填されているか確認方法がないためにアンカー耐力に対する信頼性が低いという問題がある。
(5)アンカー体は定着長の範囲に亘り固結材と直接接触することで付着力を確保している。
そのため、アンカー体に引張力が作用すると固結材の躯体にも引張力が作用することになって、地表に近い側から固結材にクラックが入って剥がれ落ち、最終的にはアンカー体と固結材が分離してアンカー耐力を失うという致命的な問題がある。
(1)作業環境が整った現場にアンカーを構築するのであれば特別問題にならないが、大型施工機械の搬入が困難な例えば山岳地帯の急峻な斜面現場においては、従来のアンカー工を利用することは極めて困難である。
(2)大きなアンカー耐力を得るためにアンカーを岩盤位置に定着させる必要があるが、山岳地帯では岩盤に到達するまでの深度が大きい場合が多い。そのために、深いアンカー孔の削孔作業が困難を極めるだけでなく、アンカーの自由長が長大化する分だけアンカーコストが嵩む問題がある。
(3)岩盤より表層の軟弱な地盤で大きいアンカー耐力を得るアンカー工法として、爆発アンカー工法が知られている。
この工法はアンカー孔内で爆発物を爆発させ、アンカーの孔奥部に形成した拡大空間に固結材を充填して引張材の引抜抵抗の増加に活用するものである。
このアンカー工法にあっては、爆発時に大きな震動が発生するために、落石や土砂崩壊などの新たな災害を引き起こしかねない危険がある。
(4)アンカー孔の孔奥部を拡大させる他の方法として、瞬間膨張材を用いる工法がある。
この工法は震動を小さく抑制できる反面、拡径の信頼度が低いことと、固結材が完全に充填されているか確認方法がないためにアンカー耐力に対する信頼性が低いという問題がある。
(5)アンカー体は定着長の範囲に亘り固結材と直接接触することで付着力を確保している。
そのため、アンカー体に引張力が作用すると固結材の躯体にも引張力が作用することになって、地表に近い側から固結材にクラックが入って剥がれ落ち、最終的にはアンカー体と固結材が分離してアンカー耐力を失うという致命的な問題がある。
本発明は上記したような従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは簡易な手法で以って固結材のクラック破壊を回避して確実なアンカーの引抜耐力を得ることができる、アンカー技術を提供することにある。
また本発明は作業性とコストの改善が図れる、アンカー技術を提供することを目的とする。
また本発明は作業性とコストの改善が図れる、アンカー技術を提供することを目的とする。
本願の第1発明は、アンカー孔内で拡径方向に変形が可能な構造のアンカー体と、該アンカー体を挿入したアンカー孔内の拡大空間に固結材を充填して形成した拡径耐荷体とによりなるアンカーの構造であって、前記アンカー体は少なくとも拡径耐荷体の埋設範囲をアンボンド構造とした引張材と、引張材を内挿して該引張材の先端に固定した拡径方向に座屈変形可能な補強定着筒よりなり、前記引張材は拡径耐荷体に対して補強定着筒を介して固着しつつ、拡径耐荷体から絶縁したことを特徴とする、アンカーの構造である。
本願の第2発明は、前記第1発明において、一本の引張材に複数の補強定着筒を配置してアンカー体を構成し、前記引張材の長手方向に沿って拡径耐荷体を形成し、引張材に作用する引張力を前記複数の拡径耐荷体により支持することを特徴とする、アンカーの構造である。
本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明において、補強定着筒はその中間部に、拡径方向に座屈変形可能な複数の変形定着部を形成していることを特徴とする、アンカーの構造である。
本願の第2発明は、前記第1発明において、一本の引張材に複数の補強定着筒を配置してアンカー体を構成し、前記引張材の長手方向に沿って拡径耐荷体を形成し、引張材に作用する引張力を前記複数の拡径耐荷体により支持することを特徴とする、アンカーの構造である。
本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明において、補強定着筒はその中間部に、拡径方向に座屈変形可能な複数の変形定着部を形成していることを特徴とする、アンカーの構造である。
本願発明は、前記第1発明乃至第3発明の何れかにおいて、同軸線上に異径径でかつ変形量に差を有する複数の補強定着筒を多重に配置し、少なくとも外側の補強定着筒の先端を引張材と離脱しないように固着し、拡径方向に向けて拡径量を異ならしめて座屈変形させた多重の拡径耐荷体を、拡径耐荷体に埋設したことを特徴とする、アンカーの構造である。
本願の第4発明は、アンカー体を挿入したアンカー孔に固結材を充填して定着するアンカーの構築方法であって、少なくとも拡径耐荷体の埋設範囲をアンボンド構造とした引張材と、引張材を内挿して該引張材に固定し、拡径方向に座屈変形可能な補強定着筒とによりアンカー体を構成し、前記アンカー体の補強定着筒をアンカー孔内で拡径方向に座屈変形させ、前記引張材が補強定着筒を介して拡径耐荷体に固着しつつ、拡径耐荷体から絶縁するように、前記アンカー孔内に固結材を充填して拡径耐荷体を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願の第5発明は、前記第4発明において、引張材に複数の補強定着筒を配置し、補強定着筒の先端を引張材に固定し、前記複数の補強定着筒に圧縮力を作用させて拡径方向に座屈変形させ、アンカー孔内に固結材を充填して前記引張材の長手方向に沿って複数の拡径耐荷体を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願の第6発明は、前記第4発明または第5発明において、前記補強定着筒はその中間部に、複数のスリットと、スリットの間に拡径方向に座屈変形可能な複数の変形定着部とを形成し、補強定着筒に圧縮力を作用させて前記複数の変形定着部を拡径方向に座屈変形させることを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願の第7発明は、前記第4発明乃至第6発明の何れかにおいて、アンカー体の挿入に先行してアンカー孔内に拡径方向に拡径拡大空間を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願の第5発明は、前記第4発明において、引張材に複数の補強定着筒を配置し、補強定着筒の先端を引張材に固定し、前記複数の補強定着筒に圧縮力を作用させて拡径方向に座屈変形させ、アンカー孔内に固結材を充填して前記引張材の長手方向に沿って複数の拡径耐荷体を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願の第6発明は、前記第4発明または第5発明において、前記補強定着筒はその中間部に、複数のスリットと、スリットの間に拡径方向に座屈変形可能な複数の変形定着部とを形成し、補強定着筒に圧縮力を作用させて前記複数の変形定着部を拡径方向に座屈変形させることを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願の第7発明は、前記第4発明乃至第6発明の何れかにおいて、アンカー体の挿入に先行してアンカー孔内に拡径方向に拡径拡大空間を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本願発明は、前記第4発明乃至第7発明の何れかにおいて、前記アンカー体は、少なくとも拡径耐荷体の埋設範囲をアンボンド構造とした引張材と、引張材を内挿して引張材の同軸線上に多重に配置した異径でかつ変形量に差を有する複数の補強定着筒とによりアンカー体を構成し、少なくとも外側の補強定着筒の先端を引張材と離脱しないように固着し、多重に配置した補強定着筒の後端を支持した状態で、引張材を引張して多重に配置した補強定着筒を、拡径量を異ならしめて拡径方向に座屈変形させ、前記引張材が補強定着筒を介して拡径耐荷体に固着しつつ、拡径耐荷体から絶縁するように、座屈変形させた多重の拡径耐荷体を、拡径耐荷体に埋設したことを特徴とする、アンカーの構築方法である。
本発明は次のような効果を得ることができる。
(1)引張材は拡径耐荷体に埋設した範囲をアンボンド構造として引張材を拡径耐荷体から構造的に絶縁した。
したがって、引張材に引張力が作用したときに固結材のクラック破壊を効果的に防止して拡径耐荷体と引張材の結合を長期間に亘って保証できる。
さらに特殊な計測装置を使用することなく、補強定着筒の座屈変形量(拡径量)を簡易な方法で正確に把握することができる。
したがって、上記したふたつの要因により従来のアンカーと比べてアンカー耐力に対する信頼性が高くなる。
(2)補強定着筒は拡径耐荷体と引張材を連結するだけでなく、拡径耐荷体を補強して強度を増強する機能を併有する。
拡径耐荷体の強度が増強することに伴い地中での引抜抵抗力が増すから、アンカー孔を岩盤に達する深度まで削孔しなくとも、軟弱な地盤であっても表層に近い深さで以って十分な支持力を確保することができる。
(3)従来は大きなアンカー耐力を得るために大型施工機械を用いてアンカーを岩盤位置に定着させる必要があった。
本発明ではアンカー孔の削孔長を従来と比べて短くできるので、アンカーコストを低減できる上に、例えば山岳地帯の急峻な斜面現場においてもアンカーを構築することができる。
(4)補強定着筒を圧縮して座屈変形させた変形定着部が拡大空間の地山と接するので、孔壁を保護した環境下で固結材を充填できて、拡径耐荷体を高品質に形成できる。
(5)アンカー体に複数の拡径耐荷体を設けると、軟弱地盤であっても高いアンカー耐力を確保しつつアンカー孔の削孔長を短くすることができる。
(1)引張材は拡径耐荷体に埋設した範囲をアンボンド構造として引張材を拡径耐荷体から構造的に絶縁した。
したがって、引張材に引張力が作用したときに固結材のクラック破壊を効果的に防止して拡径耐荷体と引張材の結合を長期間に亘って保証できる。
さらに特殊な計測装置を使用することなく、補強定着筒の座屈変形量(拡径量)を簡易な方法で正確に把握することができる。
したがって、上記したふたつの要因により従来のアンカーと比べてアンカー耐力に対する信頼性が高くなる。
(2)補強定着筒は拡径耐荷体と引張材を連結するだけでなく、拡径耐荷体を補強して強度を増強する機能を併有する。
拡径耐荷体の強度が増強することに伴い地中での引抜抵抗力が増すから、アンカー孔を岩盤に達する深度まで削孔しなくとも、軟弱な地盤であっても表層に近い深さで以って十分な支持力を確保することができる。
(3)従来は大きなアンカー耐力を得るために大型施工機械を用いてアンカーを岩盤位置に定着させる必要があった。
本発明ではアンカー孔の削孔長を従来と比べて短くできるので、アンカーコストを低減できる上に、例えば山岳地帯の急峻な斜面現場においてもアンカーを構築することができる。
(4)補強定着筒を圧縮して座屈変形させた変形定着部が拡大空間の地山と接するので、孔壁を保護した環境下で固結材を充填できて、拡径耐荷体を高品質に形成できる。
(5)アンカー体に複数の拡径耐荷体を設けると、軟弱地盤であっても高いアンカー耐力を確保しつつアンカー孔の削孔長を短くすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施例について説明する。
(1)全体の概要
図1に本発明に係るアンカーのモデル図を示す。
このアンカーはアンカー孔10内で拡径方向に座屈変形が可能な構造のアンカー体20と、アンカー孔10内の拡大空間に固結材を充填して形成した拡径耐荷体40とにより構成する。
アンカー体20は引張材21と、引張材21に外装し、拡径可能な補強定着筒30よりなる。以降に各構成部材について詳述する。
図1に本発明に係るアンカーのモデル図を示す。
このアンカーはアンカー孔10内で拡径方向に座屈変形が可能な構造のアンカー体20と、アンカー孔10内の拡大空間に固結材を充填して形成した拡径耐荷体40とにより構成する。
アンカー体20は引張材21と、引張材21に外装し、拡径可能な補強定着筒30よりなる。以降に各構成部材について詳述する。
(2)引張材
PC鋼より線、PC鋼線、PC鋼棒等よりなる引張材21は、補強定着筒30に内挿し、その先端を定着具23を介して補強定着筒30の先端部に離脱しないように固着する。
引張材21の先端部を除いた少なくとも拡径耐荷体40に埋設する範囲はシース22等で被覆してアンボンド構造とする。
PC鋼より線、PC鋼線、PC鋼棒等よりなる引張材21は、補強定着筒30に内挿し、その先端を定着具23を介して補強定着筒30の先端部に離脱しないように固着する。
引張材21の先端部を除いた少なくとも拡径耐荷体40に埋設する範囲はシース22等で被覆してアンボンド構造とする。
アンカー孔10内で拡径耐荷体40から露出した範囲(自由長)の引張材21は、引張材21を露出したままの状態としておくか、或いは防錆を図るためにシースやグリース等で被覆しておく。
尚、孔外に突出した引張材21の端部は、例えば図示するようなループ24を形成するか、或いは直線状のままにしておく。引張材21の端部はアンカーの使途に応じた適宜の形態を選択する。
尚、孔外に突出した引張材21の端部は、例えば図示するようなループ24を形成するか、或いは直線状のままにしておく。引張材21の端部はアンカーの使途に応じた適宜の形態を選択する。
従来のアンカーは引張材を固結材に積極的に固着させることで定着力を確保していた。
これに対し本発明では従来とは逆に、引張材21を固結材と付着させずに構造的に絶縁させ、引張材21と固結材間の固着は補強定着筒30を介して行うようにしたものである。
これに対し本発明では従来とは逆に、引張材21を固結材と付着させずに構造的に絶縁させ、引張材21と固結材間の固着は補強定着筒30を介して行うようにしたものである。
引張材21をアンボンドとする形成範囲は、少なくとも地表に近い側のクラック破壊の予想される拡径耐荷体40の地表側の略上半の埋設範囲がアンボンド構造になっていればよい。
引張材21に引張力が作用したときに地表に近い側から拡径耐荷体40を構成する固結材が引張材21に引きつられてクラック破壊するのを回避するためである。
引張材21に引張力が作用したときに地表に近い側から拡径耐荷体40を構成する固結材が引張材21に引きつられてクラック破壊するのを回避するためである。
したがって、本発明では引張材21をアンボンドにする範囲が拡径耐荷体40への埋設範囲と完全一致を意味するものではなく、拡径耐荷体40の残りの略下半の埋設範囲をボンド構造として拡径耐荷体40に固着させる場合を含むものである。
径耐荷体40の略下半の埋設範囲をボンド構造にして引張材21を固着しても、地表に近い側の拡径耐荷体40にクラック破壊力が作用する心配はない。
引張材21を補強定着筒30に固定することに加えて、引張材21の先端部を径耐荷体40の略下半に固着すると、その固着分だけ引張材21と径耐荷体40の固着力が高まる上に、拡径耐荷体40に対する引張力の分散範囲が広って応力集中を回避することができる。
径耐荷体40の略下半の埋設範囲をボンド構造にして引張材21を固着しても、地表に近い側の拡径耐荷体40にクラック破壊力が作用する心配はない。
引張材21を補強定着筒30に固定することに加えて、引張材21の先端部を径耐荷体40の略下半に固着すると、その固着分だけ引張材21と径耐荷体40の固着力が高まる上に、拡径耐荷体40に対する引張力の分散範囲が広って応力集中を回避することができる。
(3)補強定着筒
補強定着筒30は拡径耐荷体40を補強する機能と、拡径耐荷体40に直接接着して固着する機能と、引張材21と拡径耐荷体40を固着する機能を併有した筒部材である。
補強定着筒30は拡径耐荷体40を補強する機能と、拡径耐荷体40に直接接着して固着する機能と、引張材21と拡径耐荷体40を固着する機能を併有した筒部材である。
補強定着筒30はアンカー孔10より短い長さを有する。図2,3を基に詳しく説明すると、補強定着筒30の長さ方向の中間部には、その軸方向に沿って複数のスリット31が形成されていると共に、隣り合うスリット31,31の間に帯状を呈する複数の変形定着部32が形成されている。
補強定着筒30の両端部はスリット31が形成されていない無端形状を呈している。
変形定着部32は補強定着筒30の両端に強制的に圧縮力を作用させたときに、拡径方向に座屈変形する部位であり、変形定着部32の形成数、形成幅、全長については要求されるアンカー耐力に基づいて適宜選択する。
補強定着筒30の両端部はスリット31が形成されていない無端形状を呈している。
変形定着部32は補強定着筒30の両端に強制的に圧縮力を作用させたときに、拡径方向に座屈変形する部位であり、変形定着部32の形成数、形成幅、全長については要求されるアンカー耐力に基づいて適宜選択する。
またスリット31と変形定着部32の形成方向は、補強定着筒30の軸線に対し斜め方向に形成してもよいし、スリット31に代えて溝を形成し、補強定着筒30の両端に強制的に圧縮力を作用させたときに溝の形成範囲に亘って筒体に亀裂が生じるようにしてもよい。
補強定着筒30の断面形状は図示した円形が望ましいが、円形以外に楕円形や多角形を採用する場合もある。
また補強定着筒30の素材としては、塑性変形する鋼材が好適である。
また補強定着筒30の素材としては、塑性変形する鋼材が好適である。
(4)アンカーの構築方法
つぎにアンカーの構築方法について説明する。
つぎにアンカーの構築方法について説明する。
[アンカー体の挿入]
図4に示すように、アンカー孔10を削孔して構築する。
本発明は後述するようにアンカー孔10を拡大するので、アンカー孔10を従来のように岩盤に達する深度まで削孔する必要はなく、軟弱な地盤であっても岩盤より表層に近い深さで十分である。
したがって、山岳地帯であっても岩盤に到達するまでの大深度に削孔するための大型施工機械の搬入が必要なくなると共に、使用するアンカー体20の全長も短くて済むから、従来と比べて作業性や材料コストの負担を大幅に軽減できる。
図4に示すように、アンカー孔10を削孔して構築する。
本発明は後述するようにアンカー孔10を拡大するので、アンカー孔10を従来のように岩盤に達する深度まで削孔する必要はなく、軟弱な地盤であっても岩盤より表層に近い深さで十分である。
したがって、山岳地帯であっても岩盤に到達するまでの大深度に削孔するための大型施工機械の搬入が必要なくなると共に、使用するアンカー体20の全長も短くて済むから、従来と比べて作業性や材料コストの負担を大幅に軽減できる。
尚、図4ではアンカー孔10内に削孔に用いたケーシング11を残置させて孔壁の崩落を防止する場合を示すが、孔壁が自立している場合はケーシング11を回収撤去する。
補強定着筒30に引張材11を内挿し、引張材11の先端(下端)を補強定着筒30の先端(下端)に固定してアンカー体20を製作する。
予め製作したアンカー体20をアンカー孔10に挿入する。
アンカー孔10の深さより短い補強定着筒30を座屈変形させるため、引張材11に反力体50を外装する。
反力体50の先端(下端)は補強定着筒30の後端(上端)に当接させる。
反力体50を後で撤去する関係から、両筒30,50は当接させるだけで固定はしない。
アンカー孔10の深さより短い補強定着筒30を座屈変形させるため、引張材11に反力体50を外装する。
反力体50の先端(下端)は補強定着筒30の後端(上端)に当接させる。
反力体50を後で撤去する関係から、両筒30,50は当接させるだけで固定はしない。
反力体50はその先端が補強定着筒30の後端(上端)に当接した状態で、その後端(上端)が孔外へ突出する長さを有する力伝達部材である。
このように反力体50は補強定着筒30に圧縮力を伝える力の伝達部材であるから、反力体50が補強定着筒30より先に座屈することがないように、反力体50の座屈強度は補強定着筒30より高く設定しておく。
反力体50の素材強度や肉厚を選択することで、反力体50の座屈強度を設定することができる。
反力体50は筒体である必要はなく、上記したように地表側から補強定着筒30へ力を伝達し得る形態であればよい。
このように反力体50は補強定着筒30に圧縮力を伝える力の伝達部材であるから、反力体50が補強定着筒30より先に座屈することがないように、反力体50の座屈強度は補強定着筒30より高く設定しておく。
反力体50の素材強度や肉厚を選択することで、反力体50の座屈強度を設定することができる。
反力体50は筒体である必要はなく、上記したように地表側から補強定着筒30へ力を伝達し得る形態であればよい。
反力体50のセット時期は、アンカー体20をアンカー孔10に挿入した後にセットすることに限定されるものではなく、予めアンカー体20にセットしたものを一体でアンカー孔10内に挿入する場合もある。
また図示するように補強定着筒30と反力体50の当接予定の端部にフランジを形成して接触面積の増大を図ることが望ましい。
また図示するように補強定着筒30と反力体50の当接予定の端部にフランジを形成して接触面積の増大を図ることが望ましい。
[補強定着筒の拡径]
次に、ケーシング11を補強定着筒30の後端(上端)位置まで、或いは孔外へ引き上げる。
そして図5に示すように反力体50の後端(上端)に反力をとった状態で、引張材21に引張力を加えて圧縮すると、変形定着部32が拡径方向に座屈変形してアンカー孔10の奥部に拡大空間12が形成される。
次に、ケーシング11を補強定着筒30の後端(上端)位置まで、或いは孔外へ引き上げる。
そして図5に示すように反力体50の後端(上端)に反力をとった状態で、引張材21に引張力を加えて圧縮すると、変形定着部32が拡径方向に座屈変形してアンカー孔10の奥部に拡大空間12が形成される。
反力体50に反力を得て引張材21に引張力を加える手段としては、例えば公知のセンターホール型のジャッキ51を使用できるが、これ以外に公知の機器の適用が可能である。
補強定着筒30の座屈変形について詳しく説明すると、引張材21に加えた引張力は、引張材21の先端を固定した補強定着筒30の後端(上端)へ伝わり、補強定着筒30を経由して反力体50で支持され、その結果、両筒30,50の軸方向に向けて圧縮力が作用する。
補強定着筒30の座屈強度は反力体50より低く、また補強定着筒30はその中間部がスリット31を形成した分が断面欠損となっているため、補強定着筒30の中間部に形成した変形定着部32が圧縮力を受けて拡径方向に向けて座屈変形を開始する。
変形定着部32が拡径方向に座屈変形する際の拡径力により、周囲の軟弱なアンカー孔10の孔壁が押し広げられてアンカー孔10より大径の拡大空間12が形成される。
尚、図面では便宜上、変形定着部32と拡大空間12の孔壁の間に隙間を有した形態で図示しているが、実際には変形定着部32は拡大空間12の孔壁に接して図示するような大きな隙間は生じない。
また、変形定着部32の全長は予め判明しているから、引張材21の引張り変位量を計測することにより、または引張力を調整することにより、変形定着部32の拡径量を容易にかつ正確に把握できる。
尚、図面では便宜上、変形定着部32と拡大空間12の孔壁の間に隙間を有した形態で図示しているが、実際には変形定着部32は拡大空間12の孔壁に接して図示するような大きな隙間は生じない。
また、変形定着部32の全長は予め判明しているから、引張材21の引張り変位量を計測することにより、または引張力を調整することにより、変形定着部32の拡径量を容易にかつ正確に把握できる。
補強定着筒30を座屈変形させた後に、ジャッキ51と反力体50を撤去する。
補強定着筒30は鋼管製の塑性変形する素材で構成されているから、変形定着部32が球根状に座屈変形した後は元の筒形状に戻ることはない。
補強定着筒30は鋼管製の塑性変形する素材で構成されているから、変形定着部32が球根状に座屈変形した後は元の筒形状に戻ることはない。
[固結材の充填]
地表側からアンカー孔10の奥部に形成した拡大空間12内にモルタル等の固結材を充填して、図1に示すような球根状の拡径耐荷体40を得る。
球根状の拡径耐荷体40は補強定着筒30により補強される。
このようにして構築したアンカーは、引張材21が拡径耐荷体40に埋設された範囲がアンボンド構造になって拡径耐荷体40から構造的に絶縁されつつ、補強定着筒30を介して引張材21は拡径耐荷体40に力の伝達が可能なように一体に固着される。
また孔外にのびる引張材21は所定のアンカー定着要素と接続して各種のアンカー用途に供する。
地表側からアンカー孔10の奥部に形成した拡大空間12内にモルタル等の固結材を充填して、図1に示すような球根状の拡径耐荷体40を得る。
球根状の拡径耐荷体40は補強定着筒30により補強される。
このようにして構築したアンカーは、引張材21が拡径耐荷体40に埋設された範囲がアンボンド構造になって拡径耐荷体40から構造的に絶縁されつつ、補強定着筒30を介して引張材21は拡径耐荷体40に力の伝達が可能なように一体に固着される。
また孔外にのびる引張材21は所定のアンカー定着要素と接続して各種のアンカー用途に供する。
(5)アンカーの特性
上記した工程で構築したアンカーは、以下のような複数の特性を有する。
上記した工程で構築したアンカーは、以下のような複数の特性を有する。
<a>圧縮型アンカー
従来型の球根アンカーでは、アンカーに引張力が作用すると、引張材に固着している固結材が地表に近い部分から順次クラック破壊を起こして十分なアンカー耐力を得ることができなかった。
従来型の球根アンカーでは、アンカーに引張力が作用すると、引張材に固着している固結材が地表に近い部分から順次クラック破壊を起こして十分なアンカー耐力を得ることができなかった。
これに対し本発明に係るアンカーは、引張材21が補強定着筒30を介して拡径耐荷体40の奥部に固着されるが、シース22で被覆した拡径耐荷体40の埋設範囲は固結材と付着せずに絶縁されている。
そのため、引張材21に作用する引張力が、拡径耐荷体40の地表側の固結材に伝達されることがないから、従来のような地表側の固結材にクラック破壊が起きることを未然に防止することができる。
さらに引張材21の先端部が拡径耐荷体40の奥部で一体に固着しているので、引張材21に作用する引張力を拡径耐荷体40の全体に伝えられる。
このように固結材のクラック破壊を効果的に防止して拡径耐荷体40と引張材21の固着状態を長期間に亘って保証できるので、従来のアンカーと比べてアンカー耐力に対する信頼性が高くなる。
そのため、引張材21に作用する引張力が、拡径耐荷体40の地表側の固結材に伝達されることがないから、従来のような地表側の固結材にクラック破壊が起きることを未然に防止することができる。
さらに引張材21の先端部が拡径耐荷体40の奥部で一体に固着しているので、引張材21に作用する引張力を拡径耐荷体40の全体に伝えられる。
このように固結材のクラック破壊を効果的に防止して拡径耐荷体40と引張材21の固着状態を長期間に亘って保証できるので、従来のアンカーと比べてアンカー耐力に対する信頼性が高くなる。
さらに、引張材21に引張力が作用したとき、拡径耐荷体40は表層側の孔壁に支持されて圧縮力のみが作用することになるから、従来の引張型アンカーに対して、本発明では圧縮型アンカーとなる。
この圧縮型アンカーは補強定着筒30が拡径耐荷体40を補強するだけでなく、拡径耐荷体40と一体化した補強定着筒30の強度が引抜抵抗要素となるので、拡径耐荷体40の増強が図れる。
したがって、アンカー孔10を岩盤に達する深度まで削孔しなくとも、軟弱な地盤であっても表層に近い深さで以って十分な支持力を確保することができる。
この圧縮型アンカーは補強定着筒30が拡径耐荷体40を補強するだけでなく、拡径耐荷体40と一体化した補強定着筒30の強度が引抜抵抗要素となるので、拡径耐荷体40の増強が図れる。
したがって、アンカー孔10を岩盤に達する深度まで削孔しなくとも、軟弱な地盤であっても表層に近い深さで以って十分な支持力を確保することができる。
<b>拡径量の簡易把握
従来は、地中における拡径量を測定するにはCCDカメラを用いた工学的方法やレーザー測定法等の特殊な計測装置を用いる必要があるだけでなく、急斜面での測定作業は困難を極める難点がある。
従来は、地中における拡径量を測定するにはCCDカメラを用いた工学的方法やレーザー測定法等の特殊な計測装置を用いる必要があるだけでなく、急斜面での測定作業は困難を極める難点がある。
これに対して、本発明では反力体50を併用して補強定着筒30を座屈変形させる際の、引張材21の引出量(緊張量)や緊張力等の変位から、補強定着筒30の変形定着部32が座屈変形する量(拡径量)を正確に推定することが可能となる。
したがって、前記した特殊な計測装置を使用することなく補強定着筒30の変形量を簡易に把握できるため、アンカー耐力に対する信頼性が向上する。
したがって、前記した特殊な計測装置を使用することなく補強定着筒30の変形量を簡易に把握できるため、アンカー耐力に対する信頼性が向上する。
<c>孔壁の崩壊防止作用
アンカー体20を挿入した後に、補強定着筒30が圧縮されて座屈し、拡径した変形定着部32が孔壁に接触するので、孔壁の崩壊を防止した状態で固結材の充填が可能である。したがって、拡径耐荷体40を良好な品質に形成できる。
アンカー体20を挿入した後に、補強定着筒30が圧縮されて座屈し、拡径した変形定着部32が孔壁に接触するので、孔壁の崩壊を防止した状態で固結材の充填が可能である。したがって、拡径耐荷体40を良好な品質に形成できる。
以上は補強定着筒30の座屈変形力を利用してアンカー孔10に拡大空間12を形成する場合について説明したが、図6に示すように予めアンカー孔10に拡大空間12を形成した後にアンカー体20を挿入して既述したアンカー工を行ってもよい。
予め拡大空間12を形成する方法としては、例えばウォータージェット等の高圧流体の噴射力を利用して拡径する方法、拡縮機能を有する各種の削孔装置で削孔して拡径する方法、爆発物を用いて拡径する方法等の公知の方法が採用である。
本例にあっては、補強定着筒30の座屈変形力だけでは拡径が困難な地盤に対して有効である。
また以上はアンカー体20にひとつの拡径耐荷体40を設ける場合について説明したが、ひとつのアンカー体20に複数の拡径耐荷体40を設けるようにしてもよい。
図7を参照しながら本実施例を説明する。本例では一本の引張材21に対して複数の補強定着筒30を外装してアンカー体20を構成する。
引張材21を最先端の補強定着筒30に固定することは既述した実施例と同様である。
引張材21を最先端の補強定着筒30に固定することは既述した実施例と同様である。
補強定着筒30の配置形態としては、補強定着筒30と補強定着筒30の間に反力体50を介在させる場合のほかに、補強定着筒30のみを直列に配置する場合があり、これらは構築予定の拡径耐荷体40の形成間隔を考慮して決定する。
また補強定着筒30を連続した一本ものの長尺管で構成し、この管の周面の軸方向に間隔を隔てた複数箇所にスリットと変形定着部を形成してもよい。
アンカー体20の後端に反力体50を付設してアンカー孔10内に挿入した後(図7A)、反力体50に反力を取りつつ引張材21を緊張して各補強定着筒30を座屈変形させる(図7B)。
この場合、アンカー体20の先端側から順次補強定着筒30を座屈変形させる場合のほかに、一度に複数の補強定着筒30を座屈変形させる場合もある。
最後にアンカー孔10内に固結材を充填して、引張材21の複数箇所に球根状の拡径耐荷体40を構築する。
この場合、アンカー体20の先端側から順次補強定着筒30を座屈変形させる場合のほかに、一度に複数の補強定着筒30を座屈変形させる場合もある。
最後にアンカー孔10内に固結材を充填して、引張材21の複数箇所に球根状の拡径耐荷体40を構築する。
本実施例にあっては、抜き取り抵抗要素である補強定着筒30を複数形成することでアンカー耐力が高まるだけでなく、軟弱の地盤であってもアンカー孔10の削孔長をさらに短くして高いアンカー耐力を確保できるという利点がある。
図8,9は一本の引張材21に対し、同軸線上に異径の複数の補強定着筒30a,30bを多重に配置した他の実施例を示す。
外側の補強定着筒30aと内側の補強定着筒30bは、共に構造は共通であるが、径と変形定着部32の変形量に差を有している。
少なくとも外側の補強定着筒30aの先端は、定着具23を介して引張材21と離脱しないように固着する。
そして補強定着筒30a,30bの後端(上端)を反力体50で支持した状態で、引張材21を引張して補強定着筒30a,30bを拡径方向に座屈変形させて、図9に示すような引張材21の周囲に拡径量の異なる複数の変形定着部32を形成する。
補強定着筒の重合数は二重以上であってもよい。
外側の補強定着筒30aと内側の補強定着筒30bは、共に構造は共通であるが、径と変形定着部32の変形量に差を有している。
少なくとも外側の補強定着筒30aの先端は、定着具23を介して引張材21と離脱しないように固着する。
そして補強定着筒30a,30bの後端(上端)を反力体50で支持した状態で、引張材21を引張して補強定着筒30a,30bを拡径方向に座屈変形させて、図9に示すような引張材21の周囲に拡径量の異なる複数の変形定着部32を形成する。
補強定着筒の重合数は二重以上であってもよい。
本実施例にあっては、拡径耐荷体の補強要素である補強定着筒30a,30bを多重に配置して拡径耐荷体の強度を増強できるので、圧縮型アンカーとしてのアンカー耐力が格段に向上するという利点がある。
10・・・アンカー孔
11・・・ケーシング
12・・・拡大空間
20・・・アンカー体
21・・・引張材
22・・・シース
30・・・補強定着筒
31・・・スリット
32・・・変形定着部
40・・・拡径耐荷体
50・・・反力体
11・・・ケーシング
12・・・拡大空間
20・・・アンカー体
21・・・引張材
22・・・シース
30・・・補強定着筒
31・・・スリット
32・・・変形定着部
40・・・拡径耐荷体
50・・・反力体
Claims (7)
- アンカー孔内で拡径方向に変形が可能な構造のアンカー体と、該アンカー体を挿入したアンカー孔内の拡大空間に固結材を充填して形成した拡径耐荷体とによりなるアンカーの構造であって、
前記アンカー体は少なくとも拡径耐荷体の埋設範囲をアンボンド構造とした引張材と、
引張材を内挿して該引張材の先端に固定した拡径方向に座屈変形可能な補強定着筒よりなり、
前記引張材は拡径耐荷体に対して補強定着筒を介して固着しつつ、拡径耐荷体から絶縁したことを特徴とする、
アンカーの構造。 - 請求項1において、一本の引張材に複数の補強定着筒を配置してアンカー体を構成し、前記引張材の長手方向に沿って拡径耐荷体を形成し、引張材に作用する引張力を前記複数の拡径耐荷体により支持することを特徴とする、アンカーの構造。
- 請求項1または請求項2において、補強定着筒はその中間部に、拡径方向に座屈変形可能な複数の変形定着部を形成していることを特徴とする、アンカーの構造。
- アンカー体を挿入したアンカー孔に固結材を充填して定着するアンカーの構築方法であって、
少なくとも拡径耐荷体の埋設範囲をアンボンド構造とした引張材と、引張材を内挿して該引張材に固定し、拡径方向に座屈変形可能な補強定着筒とによりアンカー体を構成し、
前記アンカー体の補強定着筒をアンカー孔内で拡径方向に座屈変形させ、
前記引張材が補強定着筒を介して拡径耐荷体に固着しつつ、拡径耐荷体から絶縁するように、前記アンカー孔内に固結材を充填して拡径耐荷体を形成したことを特徴とする、
アンカーの構築方法。 - 請求項4において、引張材に複数の補強定着筒を配置し、補強定着筒の先端を引張材に固定し、前記複数の補強定着筒に圧縮力を作用させて拡径方向に座屈変形させ、アンカー孔内に固結材を充填して前記引張材の長手方向に沿って複数の拡径耐荷体を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法。
- 請求項4または請求項5において、前記補強定着筒はその中間部に、複数のスリットと、スリットの間に拡径方向に座屈変形可能な複数の変形定着部とを形成し、補強定着筒に圧縮力を作用させて前記複数の変形定着部を拡径方向に座屈変形させることを特徴とする、アンカーの構築方法。
- 請求項4乃至請求項6の何れかにおいて、アンカー体の挿入に先行してアンカー孔内に拡径方向に拡径拡大空間を形成したことを特徴とする、アンカーの構築方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005178587A JP2006348669A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | アンカーの構造及びアンカーの構築方法 |
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