JP2006342552A - 引戸用引手 - Google Patents

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Abstract

【課題】引戸を開放させた際の指の挟み込みを確実に防止することができる引戸用引手を得る。
【解決手段】引戸に取り付けられる引手22には、第1指挿入部24、第1指掛かり部28が形成されている他、曲面状の第1傾斜面34が形成されている。引戸開放時には、第1指挿入部24から指を入れて第1指掛かり部28に指を引っ掛け、図上左側へ押せば引戸が開放されていく。そして、相対する他方の引戸の戸尻側の端部に引手22が到達すると、相対的に指が当該戸尻側の端部に押されて第1傾斜面34上を摺動していき、引手22から押し出される。従って、指の挟み込みを確実に防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、引戸開放時の指の挟み込み防止を可能とする引戸用引手に関する。
下記特許文献1には、引戸を開放させた際に戸袋等に指が挟み込まれるのを防止する引戸用引手が開示されている。簡単に説明すると、この先行技術では、引戸の引手付近にハンドルが設けられていると共に、ハンドルよりも引戸開放方向側の所定位置にストッパが出没可能に設けられている。そして、引戸開放時に引手に指を掛け、引戸を開放する方向へ操作すると、その際の操作力がハンドルからストッパに伝達されて、ストッパが引戸の戸面から進出するようになっている。これにより、ストッパが戸袋の端部等に干渉し、引戸の開放動作が停止されるため、指を挟むことも無くなるというものである。
特開2003−193711号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、ハンドルへの操作力が不十分であった場合には、ストッパが引戸の戸面から進出せず、ストッパとしての機能を果たさないことになる。特に引戸を開け始める瞬間にはストッパを進出させるだけの力が加わるが、引戸が全開される間際では指は引手に添えられている程度となることが多く、ストッパが予定通りに進出しないことも充分に考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、引戸を開放させた際の指の挟み込みを確実に防止することができる引戸用引手を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る引戸用引手は、引戸の開閉方向側の端部付近に設けられ、引戸開閉時に指が掛けられて使用される引戸用引手であって、前記引手には、引戸開放時に、引手と戸袋、壁又は相対する引戸の端部との距離が縮まった際に引手に引っ掛けられた指を引手から押し出すための押出し手段が設けられている、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1記載の発明において、前記押出し手段は、前記引手が戸袋、壁又は相対する引戸の端部又は端部付近に到達したときに、引手に引っ掛けられた指を引手から押し出す、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記引手は、引戸閉止時に引戸を閉止方向へ移動させるための指掛かりを生じさせる指掛かり手段を備えている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記引手は、引戸開放時に指を所定量挿入可能な第1指挿入部と、引戸閉止時に指を所定量挿入可能な第2指挿入部と、第1指挿入部に隣接して配置されると共に引戸開閉方向に対して交差する方向へ立設されかつ引戸開放時の指掛かりとされる第1指掛かり部と、第2指挿入部に隣接して配置されると共に引戸開閉方向に対して交差す方向へ立設されかつ引戸閉止時の指掛かりとされる第2指掛かり部と、第1指挿入部側に設けられると共に前記押出し手段を構成し、かつ第1指掛かり部から離間するにつれて指掛かり力を減少させる指押出し部と、を備えている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記押出し手段は、少なくとも一部に、指が引っ掛けられる部分から離間するにつれて指の掛かり代が減少する傾斜部を有するものとして構成されている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項4又は請求項5記載の発明において、前記第2指挿入部側にも前記指押出し部と同一形状の部分が形成されており、前記第1指挿入部と前記第2指挿入部、前記第1指掛かり部と前記第2指掛かり部、前記指押出し部と前記同一形状の部分は、対称に配置されている、ことを特徴としている。
請求項7記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記押出し手段は、引手内へ進退可能に設けられた移動体によって構成されており、当該移動体は、引戸の開閉方向及び移動距離に基づいて進退動作がなされている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、閉止状態にある引戸を開放させるには、引戸の開閉方向側の端部付近に設けられた引手に指を引っ掛けて、引戸を開放方向側へ移動させればよい。この過程で指を引っ掛けている引手が戸袋、壁又は相対する引戸の端部側へ近づいていく。つまり、引手と戸袋、壁又は相対する引戸の端部との距離が徐々に縮まっていく。
ここで、本発明では、引手に押出し手段を設けたので、引手と戸袋、壁又は相対する引戸の端部との距離が縮まると、当該押出し手段によって引手に引っ掛けられた指が引手から押し出される。
請求項2記載の本発明によれば、引手が戸袋、壁又は相対する引戸の端部又は端部付近に到達したときに、押出し手段によって引手に引っ掛けられた指が引手から押し出されるので、適切なタイミングで指が引手から押し出される。
請求項3記載の本発明によれば、引戸の開放後に引戸を再び閉止する場合、引手が備える指掛かり手段によって引戸を閉止方向へ移動させるための指掛かりが生じる。つまり、引戸閉止時には指掛かり手段によって指掛かりが得られる。
請求項4記載の本発明によれば、引戸開放時には、指を引手の第1挿入部へ挿入させてから、第1指掛かり部に指を引っ掛けて引戸を開放させればよい。
ここで、本発明では、引手の第1指挿入部側に指押出し部を設けたので、引戸を開放させていくと、第1指掛かり部に引っ掛けた指が戸袋、壁又は相対する引戸の端部に押されて、指が第1指掛かり部から離間していく。これにより、指掛かり力が減少され、最終的には引手から指が押し出される。従って、引戸開放時に戸袋、壁又は相対する引戸の端部との間に指を挟むことはない。
一方、引戸閉止時には、指を引手の第2挿入部へ挿入させてから、第2指掛かり部に指を引っ掛けて引戸を閉止させればよい。
請求項5記載の本発明によれば、押出し手段が少なくとも一部に指が引っ掛けられる部分から離間するにつれて指の掛かり代が減少する傾斜部を有するものとして構成されているため、指掛かり力が減少していくのを感じ取り易い。
請求項6記載の本発明によれば、第2指挿入部側にも指押出し部と同一形状の部分が形成されており、第1指挿入部と第2指挿入部、第1指掛かり部と第2指掛かり部、指押出し部と同一形状の部分が対称に配置されているため、部品の共通化を図ることができる。従って、引手を仮に金属製にするのであれば型が一種類で済み、かつ部品種類ごとに保管スペースを確保する必要がない。
請求項7記載の本発明によれば、引戸開放時には、引戸の移動方向は開放方向である。この移動方向と移動距離に基づいて引手内に進退可能に設けられた移動体が進出方向へ移動される。これにより、引手に引っ掛けられた指が、自動的(電気式又は機械式のいずれでもよい。)に引手から押し出される。従って、介護等を要する使用者に対して非常に便利である。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る引戸用引手は、引戸開放時に、引手と戸袋、壁又は相対する引戸の端部との距離が縮まった際に引手に引っ掛けられた指を引手から押し出すための押出し手段を引手に設けたので、引手と戸袋、壁又は相対する引戸の端部との距離が縮まると、当該押出し手段によって引手に引っ掛けられた指が引手から押し出され、その結果、引戸を開放させた際の指の挟み込みを確実に防止することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1記載の発明において、押出し手段は、引手が戸袋、壁又は相対する引戸の端部又は端部付近に到達したときに、引手に引っ掛けられた指を引手から押し出す構成としたので、適切なタイミングで指が引手から押し出され、その結果、指の挟み込みを防止しつつ引戸をできるだけ大きく開放させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1又は請求項2記載の発明において、引手に、引戸閉止時に引戸を閉止方向へ移動させるための指掛かりを生じさせる指掛かり手段を備えさせたので、引戸閉止時の指掛かりが得られ、その結果、引戸の開放時に指の挟み込みが防止されるだけでなく、引戸の閉止時の開閉操作性も良好に維持することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1又は請求項2記載の発明において、引手に、引戸開放時に指を所定量挿入可能な第1指挿入部と、引戸閉止時に指を所定量挿入可能な第2指挿入部と、第1指挿入部に隣接して配置されると共に引戸開閉方向に対して交差する方向へ立設されかつ引戸開放時の指掛かりとされる第1指掛かり部と、第2指挿入部に隣接して配置されると共に引戸開閉方向に対して交差す方向へ立設されかつ引戸閉止時の指掛かりとされる第2指掛かり部と、第1指挿入部側に設けられると共に前記押出し手段を構成し、かつ第1指掛かり部から離間するにつれて指掛かり力を減少させる指押出し部と、を備えさせたので、請求項3記載の発明と同様に、引戸の開放時に指の挟み込みが防止されるだけでなく、引戸の閉止時の開閉操作性も良好に維持することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、押出し手段が少なくとも一部に指が引っ掛けられる部分から離間するにつれて指の掛かり代が減少する傾斜部を有するものとして構成されているため、指掛かり力が減少していくのを感じ取り易く、その結果、使用者に注意を喚起させることができるという優れた効果を有する。
また、本発明によれば、傾斜部を引手の製作時に一体に製作することができると共に、デザインにレリーフのようなアクセントを付けることができるので、製造コストの削減及び高級感を出す等のデザイン上のメリットが得られる。
請求項6記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項4又は請求項5記載の発明において、第2指挿入部側にも指押出し部と同一形状の部分が形成されており、第1指挿入部と第2指挿入部、第1指掛かり部と第2指掛かり部、指押出し部と同一形状の部分が対称に配置されているため、部品の共通化を図ることができ、その結果、製造コスト及び部品保管コストを削減することができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る引戸用引手は、請求項1又は請求項2記載の発明において、押出し手段は引手内へ進退可能に設けられた移動体によって構成されており、当該移動体は引戸の開閉方向及び移動距離に基づいて進退動作がなされているため、高齢化社会・福祉社会に優しい引手を提供することができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る引戸用引手の第1実施形態について説明する。
図3には、第1実施形態に係る引戸10の概略正面図が示されている。この図に示されるように、引戸10は、敷居12の枠内に溝又はレール14に沿って水平方向に移動可能に嵌め込まれた一方の引戸16と相対する他方の引戸18とによって構成されている。なお、引戸10の開閉形式は、本実施形態のように引き違い戸でもよいし、片引戸、両引戸、引き込み戸のいずれであってもよい。
一方の引戸16は、矢印P方向へ所定距離スライドさせると閉止状態となり、反対方向である矢印Q方向へ所定距離スライドさせると開放状態となる。なお、本図では、他方の引戸18については一部のみを図示している。また、この実施形態では、引き違いの引戸10を例にして説明しているが、他方の引戸18を戸袋や壁に置き換えてもよい。
上記一方の引戸16の戸先側(閉止方向側)の端部の高さ方向略中間部には、底の浅い掘り込み20(別の実施形態の図面である図10に図示)が形成されている。かかる掘り込み20には、引戸開閉時に指を掛けるための掘り込み型の引手22が取り付けられている(嵌着されている)。以下、本実施形態の要部である引手22の構成について詳細に説明する。
図1には、上述した引手22の拡大正面図が示されている。また、図2(A)、(B)には、当該引手22の上部及び下部における横断面図(水平断面図)がそれぞれ示されている。これらの図に示されるように、引手22は、正面視で矩形状とされた薄型の箱体形状に形成されている。
上記引手22の上部左側には、引戸開放時に指を所定量挿入することが可能な第1指挿入部24が形成されている。第1指挿入部24に臨む位置(隣接する位置)には、戸尻側に位置する側壁26Aが配置されている。かかる戸尻側の側壁26Aにおける第1指挿入部24と対面する部分が引戸開放時の第1指掛かり部28とされている。
同様に、引手22の下部右側には、引戸閉止時に指を所定量挿入することが可能な第2指挿入部30が形成されている。第2指挿入部30と第1指挿入部24とは同一形状とされている。また、第2指挿入部30に臨む位置(隣接する位置)には、戸先側に位置する側壁26Bが配置されている。かかる戸先側の側壁26Bにおける第2指挿入部30と対面する部分が引戸閉止時の第2指掛かり部32とされている。
さらに、第1指挿入部24の周囲には、指押出し部及び傾斜部としての第1傾斜面34が形成されている。この第1傾斜面34は、図2(A)に示されるように、横断面視で滑り台形状に形成されている。すなわち、第1指掛かり部28に至る部分が最も低く、引手22の対角線R(図1参照)付近が最も高く、途中をスロープで結んだ傾斜曲面形状に形成されている。なお、図1では、第1傾斜面34の傾斜度合いを等高線状に表現している。
上記構成の第1傾斜面34を指の掛かり代(深さ)との関係で表現すると、第1指掛かり部28に至る部分が最も深く、引手22の対角線R付近が最も浅く、第1指掛かり部28から戸先側へ向かうにつれて(離間するにつれて)徐々に浅くなっている。従って、第1指掛かり部28側で指の掛かり代が最も大きくなり、そこから戸先側へ向かうにつれて指の掛かり代が徐々に減少していき、引手22の対角線R付近で指の掛かり代が最も小さくなる。
同様に、第2指挿入部30の周囲にも、第2傾斜面36が形成されている。この第2傾斜面36は、図2(B)に示されるように、横断面視で滑り台形状に形成されている。すなわち、第2指掛かり部32に至る部分が最も低く、引手22の対角線R付近が最も高く、途中をスロープで結んだ傾斜曲面形状に形成されている。なお、図1では、第2傾斜面36の傾斜度合いを等高線表記で表現している。
上記構成の第2傾斜面36を指の掛かり代(深さ)との関係で表現すると、第2指掛かり部32に至る部分が最も深く、引手22の対角線R付近が最も浅く、第2指掛かり部32から戸尻側へ向かうにつれて(離間するにつれて)徐々に浅くなっている。従って、第2指掛かり部32側で指の掛かり代が最も大きくなり、そこから戸先側へ向かうにつれて指の掛かり代が徐々に減少していき、引手22の対角線R付近で指の掛かり代が最も小さくなる。
但し、第2傾斜面36は、本発明における指押出し部(指押出し手段)としての機能を果たすものではない。生産上及びデザイン上の理由から、引手22の形状を対称形状(この場合、回転対称形状)としたので、形状的に同じになっているだけである。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
閉止状態にある一方の引戸16を開放させるには、一方の引戸16の戸先側に設けられた引手22の第1指挿入部24に指を挿入してから、第1指掛かり部28に指を引っ掛けて(図2の矢印S1参照)、一方の引戸16を開放方向である他方の引戸18側へ移動させればよい。この過程で指を引っ掛けている方の引手22が他方の引戸18の戸尻側の端部18A(図3参照)へ近づいていく。つまり、引手22と相対する他方の引戸18の戸尻側の端部18Aとの距離が徐々に縮まっていく。
ここで、本実施形態に係る引戸用引手では、引手22の第1指挿入部24の周囲に指押出し部としての第1傾斜面34を設けたので、引手22と相対する他方の引戸18の戸尻側の端部18Aとの距離が縮まると、当該第1傾斜面34によって引手22の第1指掛かり部28に引っ掛けられた指が引手22から押し出される。
より詳細に説明すると、一方の引戸16を全開させるべく、引手22の第1指掛かり部28に指を引っ掛けて当該一方の引戸16を図3の矢印Q方向へ移動させていくと、当該引戸16の第1指掛かり部28が相対する他方の引戸18の戸尻側の端部18Aに到達した時点で指の腹が当該戸尻側の端部18Aに接触する。接触後、通常は引戸10はスムーズに開閉されるように造られているため、一方の引戸16は慣性力(惰性)によってなおも閉止方向へゆっくりと移動する。このため、指の腹は他方の引戸18の戸尻側の端部18Aに接触したまま、引手22が戸尻側の端部18Aに徐々に隠れるように閉止方向側へ相対移動していく。これにより、指の腹が第1指掛かり部28から離れ、指先が第1傾斜面34の第1傾斜面34上を相対的に摺動していく(なぞる)。第1傾斜面34は当該傾斜面を構成する窪みの深さが第1指掛かり部28から引戸閉止方向側へ離間するにつれて徐々に浅くなるように形成されているため、指先が第1傾斜面34上を摺動していくにつれて指掛かり代も減少していく。従って、一方の引戸16に対する指掛かり力も減少していく。そして、終には指が引手22内から押し出される。その結果、本実施形態によれば、引戸開放時に引手22と相対する他方の引戸18の戸尻側の端部18Aとの間に指を挟むことが無くなる。
なお、一方の引戸16を開放させた後に再び閉止する場合には、引手22が備える第2指挿入部30へ指を挿入させてから、第2指掛かり部32に指を引っ掛けて引戸閉止方向へ一方の引戸16を押せば、一方の引戸16を再び閉止状態にすることができる。
以上の説明より、本実施形態に係る引戸用引手によれば、引戸10を開放させた際の指の挟み込みを確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る引戸用引手では、引手22の第1指掛かり部28が相対する他方の引戸18の戸尻側の端部18Aに到達したときに、第1傾斜面34によって第1指掛かり部28に引っ掛けられた指が引手22から押し出されるので、適切なタイミングで指が引手22から押し出される。その結果、本実施形態によれば、指の挟み込みを防止しつつ一方の引戸16、他方の引戸18をできるだけ大きく開放させることができる。
さらに、本実施形態に係る引戸用引手では、引戸開放時に使用する第1指挿入部24、第1指掛かり部28、第1傾斜面34のみならず、引戸閉止時に使用する第2指挿入部30及び第2指掛かり部32を設けたので、引戸16、18の開放時に指の挟み込みが防止されるだけでなく、引戸16、18の閉止時の開閉操作性も良好に維持することができる。
また、本実施形態に係る引戸用引手では、押出し手段としての第1傾斜面34が、第1指掛かり部28から指先が相対的に離間するにつれて指先の引手22への掛かり代が徐々に減少して、指掛かり力が減少するように形成されているため、指掛かり力が減少していくのを感じ取り易い。その結果、本実施形態によれば、使用者に注意を喚起させることができる。
加えて、本実施形態に係る引戸用引手では、第1傾斜面34及び第2傾斜面36を引手22の製作時に一体に製作することができると共に、デザインにレリーフのようなアクセントを付けることができるので、製造コストの削減及び高級感を出す等のデザイン上のメリットが得られる。
さらに、本実施形態に係る引戸用引手では、第2指挿入部30側にも指押出し部としての第1傾斜面34と同一形状の第2傾斜面36が形成されているため、第1指挿入部24と第2指挿入部30、第1指掛かり部28と第2指掛かり部32、第1傾斜面34と第2傾斜面36といったすべての要素が対称に配置される。このため、部品の共通化を図ることができる。従って、引手22を仮に金属製にするのであれば型が一種類で済み、かつ部品種類ごとに保管スペースを確保する必要がない。その結果、本実施形態によれば、製造コスト及び部品保管コストを削減することができる。
〔第2実施形態〕
以下、図4及び図5を用いて、本発明に係る引戸用引手の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図4には、第2実施形態に係る引戸用引手40の拡大正面図が示されている。また、図5(A)、(B)、(C)には、当該引手40の上部、中間部、及び下部における横断面図(水平断面図)がそれぞれ示されている。
これらの図に示されるように、この実施形態では、引手40の対角線Rに沿って所定幅の平坦部42が形成されており、かかる平坦部42を境にして上下に同一勾配の単一平面から成る第1傾斜面44及び第2傾斜面46が形成されている点に特徴がある。
なお、この引手40においても、前述した第1実施形態と同様の第1指掛かり部28及び第2指掛かり部32を備えている他、第1実施形態とは異なる直角三角形状とされた第1指挿入部48及び第2指挿入部50が形成されている。
上記構成によっても、考え方は基本的に前述した第1実施形態と同じであるため、第1実施形態において説明した作用及び効果は同様に得られる。
補足すると、デザイン的には第1傾斜面44及び第2傾斜面46、第1指挿入部48及び第2指挿入部50、並びに平坦部42といった要素のすべてが平面で構成されているため、第1実施形態の引手22のデザインが曲面や曲線を多用することにより柔和な印象を看者に与えるのに対し、この実施形態の引手40のデザインは引き締まった印象を看者に与えるといったデザイン上の違いはある。
また、第1傾斜面44が所定勾配の単一平面による傾斜面として構成されているため、引戸開放時の指掛かり力の減少度合いが一様(一次関数的)であるという違いもある。
〔第3実施形態〕
以下、図6〜図9を用いて、本発明に係る引戸用引手の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
まず、図6及び図7に示される実施形態について説明する。図6には、第3実施形態に係る引戸用引手60の拡大斜視図が示されている。また、図7(A)、(B)には、当該引手60の横断面図(水平断面図)及び縦断面図(垂直断面図)がそれぞれ示されている。
これらの図に示されるように、この実施形態では、引手60の戸尻側の側壁26A及び戸先側の側壁26Bを斜めに横切るように所定幅の平坦部62が形成されており、かかる平坦部62を境にして上下に所定勾配の複数平面から成る第1傾斜面64及び第2傾斜面66が形成されている点に特徴がある。
なお、この引手60においても、前述した第1実施形態と同様の第1指掛かり部28及び第2指掛かり部32を備えている他、第1実施形態とは異なる台形状とされた第1指挿入部68及び第2指挿入部70が形成されている。
第1傾斜面64について補足すると、第1傾斜面64は、引手60の第1指掛かり部28の上底側の縁から戸先側の側壁26Bの上縁へ向けて所定の勾配で傾斜する傾斜面64Aと、第1指掛かり部28の斜辺側の縁から平坦部62へ向けて所定の勾配で傾斜する傾斜面64Bとの二面構成になっている。第2傾斜面66も、第1傾斜面64と同様に、勾配と傾斜方向が異なる二種類の傾斜面66A、66Bの二面構成になっている。
なお、こうした複数面構成の引手60は、樹脂インジェクションや亜鉛ダイキャスト等によって製作される。
上記構成によっても、考え方は基本的に前述した第1実施形態及び第2実施形態と同じであるため、第1実施形態、第2実施形態において説明した作用及び効果は同様に得られる。
また、勾配と傾斜方向が異なる複数種類の平面で第1傾斜面64を構成することにより、引戸開放時に指が押し出される際の移動経路を複数の傾斜面64A、64Bの中から選択することができるので、使用者の好みに合わせて使う面を決める選択の自由度が生まれるといった効果がある。
なお、上記図6及び図7に示される実施形態に替えて、図8、図9に示される構成を採るようにしてもよい。
図8に示される例では、引手72が左右対称形状とされており、断面形状が略山形とされている。従って、第1傾斜面74、第2傾斜面76のいずれも一面構成で正面視で矩形状である。
図9に示される引手78も左右対称形状であるが、中央の仕切り壁80を境に断面形状が直角三角形状の掘り込みが左右に形成されている。従って、仕切り壁80の右側面80Aが第1指掛かり部となり、左側面80Bが第2指掛かり部となっている。また、第1傾斜面82は仕切り壁80の右側に形成され、第2傾斜面84は仕切り壁80の左側に形成される。
上記図8、図9に示される実施形態では、傾斜部の構成が一平面構成とされているので、その意味では前述した第2実施形態に属する実施形態である。
〔第4実施形態〕
以下、図10〜図12を用いて、本発明に係る引戸用引手の第4実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
まず、図10に示される実施形態について説明する。この実施形態に係る引手90では、通常は引戸開放時における指の挟み込み防止機能のみを有する状態とされ(即ち、引戸閉止時の指掛かりが存在しない状態とされ)、引戸閉止時には使用者によって指掛かりを生じさせる傾斜ピース92を備えている点に特徴がある。
具体的には、この図に示されるように、引手90の中央戸先寄りの所定位置には、上下一対の支持部94が平行に配設されている。この上下一対の支持部94には、横断面形状が略直角三角形状とされた傾斜ピース92が回転軸96回りに回転可能に軸支されている。傾斜ピース92は、直角三角形の斜辺に相当する部分が緩やかに湾曲した凹状の斜面92Aを構成しており、直角三角形の底辺に相当する起立面92B及び直角三角形の高さに相当するストッパ面92Cはいずれも平面で構成されている。
また、回転軸96には広義には付勢手段として把握される捩じりコイルスプリング98が巻装されており、その一端部は支持部94に係止され、他端部は起立面92Bに係止されている。従って、捩じりコイルスプリング98は、傾斜ピース92を常時実線図示位置から二点鎖線図示位置方向へ回転付勢している。
さらに、引手90の底部には、傾斜ピース92を指で起こした際の回転ストロークを規制するためのストッパ99が形成されている。
なお、上記構成の内、傾斜ピース92及び捩じりコイルスプリング98が請求項3記載の本発明における指掛かり手段に相当する。
上記構成によれば、一方の引戸16を図上左方向へ移動させて開放状態とする場合には、指を第1指挿入部24に挿入して第1指掛かり部28に指を引っ掛けて開放方向へ押せばよい。一方の引戸16の移動量が所定量に達すると、指の腹が他方の引戸18の戸尻側の端部18Aに接触し、傾斜ピース92の傾斜面92A上を相対的に摺動していく。従って、指を双方の引戸16、18の間に挟み込むことが防止される。
一方、引戸16の開放後に当該引戸16を再び閉止する場合には、捩じりコイルスプリング98の付勢力に抗して傾斜ピース92の先端部に指先を引っ掛けて矢印T方向へ引き起こす(回転させる)。これにより、一方の引戸16を閉止方向へ移動させるための指掛かりが生じる。そして、傾斜ピース92のストッパ面92Cがストッパ99に当接すると、傾斜ピース92の回転動作が停止するので、起立面92Bに指を引っ掛けてそのまま一方の引戸16を引戸閉止方向へ押せばよい。なお、引戸閉止後に指先を起立面92Bから離せば、傾斜ピース92は捩じりコイルスプリング98の付勢力によって元の状態に復帰する。
次に、図11に示される実施形態について説明する。この実施形態に係る引手100では、通常は引戸開放時における指の挟み込み防止機能のみを有する状態とされ(即ち、引戸閉止時の指掛かりが存在しない状態とされ)、引戸閉止時には使用者によって指掛かりを生じさせる傾斜ピース102を備えている点に特徴がある。
具体的には、この図に示されるように、引手100の中央部の所定位置には、支持部104が設けられている。この支持部104には、シーソー状の傾斜ピース102の中央支持部106が回転軸108回りに回転可能に軸支されている。傾斜ピース102の本体部110は平板状に形成されており、支持部104を中心として戸尻側半分を占める開放時押圧部110Aと、戸先側半分を占める閉止時押圧部110Bと、によって構成されている。
また、上記傾斜ピース102の閉止時押圧部110Bの裏面と引手100の底面との間には、広義には付勢手段として把握される圧縮コイルスプリング112が配設されている。圧縮コイルスプリング112の一端部は引手100の底面に当接係止されており、他端部は閉止時押圧部110Bの裏面に当接係止されている。従って、圧縮コイルスプリング112は、傾斜ピース92の閉止時押圧部110Bを常時引手外方へ押圧付勢している。従って、通常は、傾斜ピース102は二点鎖線図示位置に保持されており、引戸開放時の第1指掛かり部28が露見するように傾いた状態で保持されている。
上記構成によれば、一方の引戸16を図上左方向へ移動させて開放状態とする場合には、指を第1指掛かり部28に引っ掛けて開放方向へ押せばよい。一方の引戸16の移動量が所定量に達すると、指の腹が他方の引戸18の戸尻側の端部18Aに接触し、傾斜ピース102の傾斜面となって配置されている開放時押圧部110A上を相対的に摺動していく。従って、指を双方の引戸16、18の間に挟み込むことが防止される。
一方、引戸16の開放後に当該引戸16を再び閉止する場合には、圧縮コイルスプリング112の付勢力に抗して傾斜ピース102の閉止時押圧部110Bが引手100の底面側へ押圧される。このため、傾斜ピース102は圧縮コイルスプリング112の付勢力に抗して回転軸108回りに回転する。これにより、第2指掛かり部32が現れる。つまり、一方の引戸16を閉止方向へ移動させるための指掛かりが生じる。そして、第2指掛かり部32に指を引っ掛けて一方の引戸16をそのまま引戸閉止方向へ押せばよい。引戸閉止後に指先を閉止時押圧部110Bから離すと、傾斜ピース102は圧縮コイルスプリング112の付勢力によって自動的に元の状態に復帰する。
次に、図12に示される実施形態について説明する。この実施形態に係る引手120では、通常は引戸開放時における指の挟み込み防止機能のみを有する状態とされ(即ち、引戸閉止時の指掛かりが存在しない状態とされ)、引戸閉止時には使用者によって指掛かりを生じさせる傾斜ピース122を備えている点に特徴がある。
具体的には、この図に示されるように、引手120の略中央部には、レバー状の傾斜ピース122が配設されている。傾斜ピース122の略中間部は、引手120の上下方向を軸方向とする回転軸124回りに回転可能に軸支されている。回転軸124には図示しない捩じりコイルスプリング等の付勢手段が巻装されており、一端部は傾斜ピース122に係止され、又他端部は引手120に係止されている。従って、傾斜ピース122は、付勢手段によって常時矢印U方向と反対方向へ回転付勢されている。これにより、通常は、傾斜ピース122は引戸開放時の第1指掛かり部28が露見する状態で保持されている。
傾斜ピース122は、引戸開放時に挟み込み防止機能を発揮する傾斜部としての傾斜面122Bと、通常は引手120の底面と対面状態で配置される指掛け部122Aと、裏面側の肉が平面視で四分円形状に切り欠かれることにより形成されたレバー状の押込み部122Cと、を備えている。
上記構成によれば、一方の引戸16を図上左方向へ移動させて開放状態とする場合には、指を第1指挿入部24に挿入して第1指掛かり部28に指を引っ掛けて開放方向へ押せばよい。一方の引戸16の移動量が所定量に達すると、指の腹が他方の引戸18の戸尻側の端部18Aに接触し、傾斜ピース122の傾斜面122B上を相対的に摺動していく。従って、指を双方の引戸16、18の間に挟み込むことが防止される。
一方、引戸16の開放後に当該引戸16を再び閉止する場合には、まず、傾斜ピース122の押込み部122Cを引手120の底面側へ指で押圧する。これにより、傾斜ピース122は図示しない捩じりコイルスプリングの付勢力に抗して回転軸124回りに矢印U方向へ回転して、指掛け部122Aが起立状態で現れる。次に、指掛け部122Aに指を引っ掛けてそのまま一方の引戸16を引戸閉止方向へ押せばよい。引戸閉止後に指先を指掛け部122Aから離すと、傾斜ピース122は捩じりコイルスプリングの付勢力によって元の状態に復帰する。
このように上記各実施形態では、引戸閉止時に引戸16を閉止方向へ移動させるための指掛かりを生じさせる構成を設定したので、引戸閉止時に指掛かりが得られ、その結果、引戸16の開放時に指の挟み込みが防止されるだけでなく、引戸16の閉止時の開閉操作性も良好に維持することができる。
〔第5実施形態〕
以下、図13〜図15を用いて、本発明に係る引戸用引手の第5実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図13に示されるように、この実施形態では、壁130に引戸132が納まる凹部134が形成されており、引戸閉止時に引手136が所定量だけ閉止方向へ移動すると、引手136内に設けられた移動体138が電気式で進退する構成になっている点に特徴がある。
具体的に説明すると、壁130の張り出し部130Aの奥側には、所定の間隔をあけて第1マーカ140と第2マーカ142とが設定されている。
一方、図14に示されるように、引戸132側には引手136の底部奥側にアクチュエータ144が配設されている。アクチュエータ144はモータやソレノイド等によって構成されており、引手136の底部に対して接近及び離間する方向へ移動可能とされた棒状の連結部材146を備えている。連結部材146の先端部には、平断面形状が直角三角形状とされた移動体138の底面部分138Aが連結されている。また、移動体138は、戸尻側の頂点を支点として回転可能に支持されている。さらに、移動体138の斜面部分138Bは引手136側へ向けられている。また、移動体138の幅方向寸法は引手136の底部の幅に略一致されており、又移動体138の厚さ(高さ)は引手136の深さに略一致されている。
また、図13に戻り、引戸132の戸尻側の端部(壁130側の面)には、第1マーカ140及び第2マーカ142を検知可能な位置検出センサ148が配設されている。
上記構成によれば、引戸132の閉止状態のときには、位置検出センサ148からの検出信号が図示しない制御手段に入力されないので、アクチュエータ144は非通電状態とされる。このため、連結部材146は退出位置に保持されており、移動体138も引手136の底部の奥側に退避している。
この状態から引戸132を開放させていくと、戸尻側の端部に配設された位置検出センサ148が第1マーカ140と対向し、第1マーカ140に到達したことが検出される。その検出信号は図示しない制御手段に送られて、これによりアクチュエータ144に所定電流が通電される。その結果、例えばモータが駆動し、連結部材146がアクチュエータ144から進出し始め、移動体138を引手136内方へ押し出し始める。移動体138は戸尻側の頂点を支点として回転可能に支持されているため、連結部材146によって移動体138が引手136内に押し出されると、斜面部分138Bが図14の二点鎖線図示位置に向かって動き出す。そして、位置検出センサ148が第2マーカ142と対向すると、その検出信号が制御手段に送られて、アクチュエータ144への通電状態が解除される。これにより、アクチュエータ144の例えばモータ等の駆動が停止されて、移動体138は二点鎖線図示位置に保持される。
なお、引戸132を再び閉止する際にはモードが逆になり、第2マーカ142が検出されたら、アクチュエータ144の例えばモータが逆転駆動され、その後、第1マーカ140が検出された時点でアクチュエータ144への通電状態が解除される。
以上より、本実施形態によれば、引戸132の全開直前に引手136内に指を押し出すための移動体138の斜面部分138Bが現れるため、前述した第1実施形態等と同様の指の挟み込み防止効果が得られる。また、引戸132の閉止時には移動体138は引手136内から退避されているので、第2指掛かり部32が現れた状態になる。従って、引戸閉止時の開閉操作性も良好に維持される。
なお、上記構成では、平断面形状が直角三角形状とされた移動体138を使用したが、これに限らず、図15に示されるように、平断面形状が直方体形状とされた移動体150を使用してもよい。この場合、移動体150は回転動作ではなくスライド動作となり、引戸開放時には傾斜面を使うことなく、移動体150が引手136内を埋めることにより、自動的に指が押し出される。
このような電気的な引手構造は、介護等を要する使用者に対して非常に便利であり、高齢化社会・福祉社会に優しい引手を提供することができる。
なお、上記構成では電気的な手段によって移動体138、150を移動させることとしたが、これに限らず、機械的な構成によって移動体138、150を移動させることも可能である。例えば、第1マーカ140及び第2マーカ142に相当する部分に突起等を設けておき、引戸132の戸尻側の端部が第1マーカ140と干渉すると、リンクを介して移動体138が引手136内へ押し出され始め、第2マーカ142と干渉した時点でリンクの移動が止められるようにしておけばよい。
また、上記構成では、二箇所にマーカを設定したが、これに限らず、一箇所にマーカを設置する構成を採ることも可能である。例えば、マーカを検出した時点でタイマが起動され、所定時間経過後にアクチュエータへの通電が解除されるように制御するようにしてもよい。
さらに、第1マーカ140、第2マーカ142として、リミットスイッチを用いるようにしてもよい。
〔本実施形態の補足説明〕
なお、本発明における傾斜部には、単一平面によって構成されるもの、複数の平面の組み合わせから成る複合平面によって構成されるもの、曲面によって構成されるものが含まれる他、複数の凹凸部を連続させた凸凹形状であるが、複数の凸部の先端面を繋げていくと全体として傾斜した形状が形成されるもの、多数の櫛状の突起から成り、突起の先端部を含む面が傾斜した平面又は曲面によって構成されるもの等、本発明の効果が得られる形状・構造のものであれば、本発明における傾斜部の概念に含まれる。
また、上述した各実施形態では、引戸16、18とは別個独立に引手22等を使用する構成について説明したが、これに限らず、引戸そのものに掘り込み部の形状として第1実施形態で説明したような第1傾斜面34、第2傾斜面36等を設定するようにしてもよい。この場合においても同様の作用・効果が得られる。
第1実施形態に係る引戸用引手の拡大正面図である。 (A)は図1に示される引手のA‐A線断面図であり、(B)は図1に示される引手のB‐B線断面図である。 第1実施形態に係る引戸の概略正面図である。 第2実施形態に係る引戸用引手の拡大正面図である。 (A)は図4に示される引手のA‐A線断面図であり、(B)は図4に示される引手のB‐B線断面図であり、(C)は図4に示される引手のC‐C線断面図である。 第3実施形態に係る引戸用引手の拡大斜視図である。 (A)は図6に示される引手のA‐A線断面図であり、(B)は図5に示される引手のB‐B線断面図である。 左右対称形状で傾斜部が一面構成とされた引手の横断面図である。 左右対称形状で傾斜部が一面構成とされた別の実施形態に係る引手の横断面図である。 第4実施形態に係る引戸用引手の横断面図である。 第4実施形態に係る別の引戸用引手の横断面図である。 第4実施形態に係る別の引戸用引手の横断面図である。 第5実施形態に係る引戸用引手を含む全体構成を示す平面図である。 第5実施形態で使用する引手構造の詳細を示す要部拡大横断面図である。 図14とは異なる移動体を用いた引手構造の詳細を示す要部拡大横断面図である。
符号の説明
10 引戸
16 一方の引戸
18 他方の引戸
22 引手
24 第1指挿入部
28 第1指掛かり部
30 第2指挿入部
32 第2指掛かり部
34 第1傾斜面(押出し手段、指押出し部、傾斜部)
36 第2傾斜面(指押出し部と同一形状の部分)
40 引手
44 第1傾斜面(押出し手段、指押出し部、傾斜部)
46 第2傾斜面(指押出し部と同一形状の部分)
48 第1指挿入部
50 第2指挿入部
60 引手
64 第1傾斜面(押出し手段、指押出し部、傾斜部)
66 第2傾斜面(指押出し部と同一形状の部分)
68 第1指挿入部
70 第2指挿入部
72 引手
74 第1傾斜面(押出し手段、指押出し部、傾斜部)
76 第2傾斜面(指押出し部と同一形状の部分)
78 引戸
80 第1傾斜面(押出し手段、指押出し部、傾斜部)
82 第2傾斜面(指押出し部と同一形状の部分)
90 引手
92 傾斜ピース(指掛かり手段)
98 捩じりコイルスプリング(指掛かり手段)
100 引手
102 傾斜ピース(指掛かり手段)
112 圧縮コイルスプリング(指掛かり手段)
120 引手
122 傾斜ピース(指掛かり手段)
132 引戸
136 引手
138 移動体
140 第1マーカ
142 第2マーカ
144 アクチュエータ
146 連結部材
148 位置検出センサ
150 移動体

Claims (7)

  1. 引戸の開閉方向側の端部付近に設けられ、引戸開閉時に指が掛けられて使用される引戸用引手であって、
    前記引手には、引戸開放時に、引手と戸袋、壁又は相対する引戸の端部との距離が縮まった際に引手に引っ掛けられた指を引手から押し出すための押出し手段が設けられている、
    ことを特徴とする引戸用引手。
  2. 前記押出し手段は、前記引手が戸袋、壁又は相対する引戸の端部又は端部付近に到達したときに、引手に引っ掛けられた指を引手から押し出す、
    ことを特徴とする請求項1記載の引戸用引手。
  3. 前記引手は、引戸閉止時に引戸を閉止方向へ移動させるための指掛かりを生じさせる指掛かり手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の引戸用引手。
  4. 前記引手は、
    引戸開放時に指を所定量挿入可能な第1指挿入部と、引戸閉止時に指を所定量挿入可能な第2指挿入部と、
    第1指挿入部に隣接して配置されると共に引戸開閉方向に対して交差する方向へ立設されかつ引戸開放時の指掛かりとされる第1指掛かり部と、第2指挿入部に隣接して配置されると共に引戸開閉方向に対して交差す方向へ立設されかつ引戸閉止時の指掛かりとされる第2指掛かり部と、
    第1指挿入部側に設けられると共に前記押出し手段を構成し、かつ第1指掛かり部から離間するにつれて指掛かり力を減少させる指押出し部と、
    を備えている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の引戸用引手。
  5. 前記押出し手段は、少なくとも一部に、指が引っ掛けられる部分から離間するにつれて指の掛かり代が減少する傾斜部を有するものとして構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の引戸用引手。
  6. 前記第2指挿入部側にも前記指押出し部と同一形状の部分が形成されており、前記第1指挿入部と前記第2指挿入部、前記第1指掛かり部と前記第2指掛かり部、前記指押出し部と前記同一形状の部分は、対称に配置されている、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の引戸用引手。
  7. 前記押出し手段は、引手内へ進退可能に設けられた移動体によって構成されており、
    当該移動体は、引戸の開閉方向及び移動距離に基づいて進退動作がなされている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の引戸用引手。
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