JP2006341508A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧電アクチュエータの変位をキャビティユニットに効率よく伝達しながら、圧電アクチュ−エータのセラミックス層をインクの侵入から保護する。
【解決手段】 圧電アクチュエータ21は、複数の圧力室24にわたって扁平な複数のセラミックス層41〜43を、その扁平な方向を圧力室24が開口した面と平行にして積層して構成され、圧力室24の開口を覆う側をセラミックス層とし、そのセラミックス層の圧力室と反対側に少なくとも一対の電極間に挟まれた他のセラミックス層を配置してなり、圧電アクチュエータ21における圧力室24の開口を覆うセラミックス層41aの少なくとも圧力室24に対向する領域は、電気絶縁性を有する窒化物の保護膜50で覆われている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、インクジェットヘッドに係り、特に、インクが充填されたキャビティユニットの圧力室に、圧電アクチュエータが吐出圧力を与えるように構成されたインクジェットヘッドに関するものである。
従来から、インクジェットヘッドにおいては、圧電層と電極層とを交互に積層して形成されるプレート型の圧電アクチュエータを、キャビティユニットの圧力室に面して接合させて、この圧電アクチュエータの変位により、前記圧力室の容積に変化を与えインクを吐出させるものが知られている。
例えば、特許文献1のインクジェットヘッドでは、キャビティユニットが複数のプレートを積層して形成されており、その最前面のプレートに複数のノズルが設けられるとともに、最背面のプレートにノズル毎に対応する複数の圧力室が背面側に開口を有して設けられている。圧電アクチュエータでは、図5に模式的に示すように、キャビティユニット120の各圧力室124毎に対応した個別電極144の層と全圧力室124に共通なコモン電極145の層とが圧電層162を挟んで交互に積層されており、個別電極144とコモン電極145とに上下を挟まれた圧電層162の領域が活性部となっている。
そして、前記各圧力室124の位置に各活性部を対応させて、キャビティユニット120の背面に圧電アクチュエータ121が積層固定され、インクジェットヘッド100が形成される。このインクジェットヘッド100では、接地されたコモン電極145に対して個別電極144に選択的に電圧を印加することで対応する活性部が変位し、この変位が伝達されて圧力室124に吐出圧力が与えられる。
圧電アクチュエータの圧電層162は、一般的に、PZT系等の圧電材料(セラミックス)を成形した圧電シートを焼結することにより形成されているため、焼結体である圧電層162(以下、セラミックス層162と記載する)には、図5に示すように、微小な欠陥(マイクロクラック)160が生じ易い。それ故に、上述のように、圧力室124の開口を圧電アクチュエータ121で直接覆って密閉していると、微小な欠陥160を通じてセラミックス層162にインクが浸透する可能性が大きく、さらにインクの浸透が進むと、電極間の電気的短絡を招くという問題があった。
そのため、前記特許文献1では、キャビティユニットと圧電アクチュエータとの接着にインク非浸透性の接着シートを用い、この接着シートで、キャビティユニットと対向する圧電アクチュエータの面を全部覆うようにして、圧電アクチュエータのセラミックス層がインクと直接接触しないようにしている。
また、上記のように圧力室の開口を圧電アクチュエータで覆っているものでは、特許文献2にあるように、電極に電圧を印加したとき、インクをとおしてキャビティユニットや隣接する個別電極への電圧漏れによって、インクの吐出性能にバラツキが生じる等の問題を解決するために、圧電アクチュエータ内のコモン電極をキャビティユニットとともに接地することが考えられている。
特開2002−59547号公報(図7及び図8参照) 特開2003−80709号公報(図11、図12、図13及び図16参照)
ところで、キャビティユニットでは、静電気等によりインクに電荷が溜まることがある。インクが正に帯電すると、図5に示すように、圧力室に充填されたインク161と、接地された圧電アクチュエータのコモン電極145との間には、最下層のセラミックス層162aを挟んで電位差が生じることになる。このような電位差は、正に帯電したインク161をコモン電極145側に移動させる電気浸透現象を発生させるため、インクには、セラミックス層162に浸透させようとする積極的な力が作用する。
前述した特許文献1では、接着シートで圧電アクチュエータのセラミックス層を覆っているものの、微視的には、接着シートには微小な空孔が多数あるため、前述したようなインクを積極的にセラミックス層側に誘導する力が作用すると、インクが接着シートを通過する。その結果、セラミックス層に欠陥があると、その内部にインクが浸透してしまい、従来同様の電気的短絡等の問題を招来する。
特許文献2では、圧力室にセラミックス層が直接接しているので、セラミックス層に欠陥が生じると、インクが毛細管現象等で侵入するおそれがある。
本発明は、上記問題を解消するものであり、圧電アクチュエータの変位をキャビティユニットに確実に伝達しながら、圧電アクチュ−エータをインクの侵入から保護することのできるインクジェットヘッドの提供を目的とするものである。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明におけるインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルが配置され、前記各ノズル毎に対応する複数の圧力室が平面上に開口形成されたキャビティユニットと、このキャビティユニットの前記圧力室が開口した面に積層され、インクが充填された前記圧力室に吐出圧力を与える圧電アクチュエータと、を備えるインクジェットヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、複数の圧力室にわたって扁平な複数のセラミックス層を、その扁平な方向を前記圧力室が開口した面と平行にして積層して構成され、前記圧力室の開口を覆う側をセラミックス層とし、そのセラミックス層の前記圧力室と反対側に少なくとも一対の電極間に挟まれた他のセラミックス層を配置してなり、前記圧電アクチュエータにおける前記圧力室の開口を覆うセラミックス層の少なくとも前記圧力室に対向する領域は、電気絶縁性を有する窒化物の保護膜で覆われていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記窒化物の保護膜は、窒化珪素膜であることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記キャビティユニットにおける少なくとも前記圧力室を有する部材は導電性材料を素材とし、前記圧電アクチュエータの電極は、前記圧力室側から積層方向に沿って順に、複数の圧力室に共通するコモン電極と各圧力室毎に対応する個別電極とが他のセラミックス層を挟んで交互に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、前記窒化物の保護膜は、PVDまたはCVDにより形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記コモン電極は、前記キャビティユニットにおける圧力室を有する部材と、前記圧電アクチュエータの側面に配置された導電性材料により電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記コモン電極と前記キャビティユニットにおける圧力室を有する部材とは、接地されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、圧力室の開口を覆うセラミックス層の少なくとも圧力室に対向する領域が電気絶縁性を有する窒化物の保護膜で覆われているから、圧力室に充填されたインクと前記セラミックス層が直接的に接触することを防止できる。加えて、圧力室と電極との間にセラミックス層と保護膜とが積層されているから、仮に静電気等でインクが帯電してインクと電極との間に電位差が生じても、この電位差はセラミックス層と保護膜とに分配されて掛かるから、セラミックス層自体に掛かる電圧は小さくなる。従って、セラミックス層に欠陥が存在しても、インクをセラミックス層に積極的に誘導させるような強い力が作用しない( 電気浸透現象が生じないか、生じても僅かとなる)から、セラミックス層へのインクの浸透を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、窒化珪素膜は、高いブロッキング性を有しているため、セラミックス層を保護する効果が高められる。
請求項3に記載の発明によれば、圧電アクチュエータは、キャビティユニットに近い側から順に、セラミックス層、コモン電極、セラミックス層、個別電極・・の順で配置される。通常、インクが静電気により正の電荷を帯びた状態で、コモン電極を接地すると、セラミックス層を挟んで圧力室のインクとコモン電極との間に大きな電位差が生じるが、請求項1または2の発明により、セラミックス層を挟む電位差を小さくし、さらにセラミックス層に対する保護性能を高めることができるので、セラミックス層へのインクの浸透を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、窒化物の保護膜を容易に成膜することができる。
請求項5に記載の発明によれば、圧力室のインクが帯電しても、インクの電荷を、圧力室を有する部材及び導電性部材を介して、コモン電極に逃がすことができる。
請求項6に記載の発明によれば、圧力室のインクが帯電しても、インクの電荷を速やかに逃がすことができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態による圧電式のインクジェットヘッド1におけるキャビティユニット20、圧電アクチュエータ21、及びフレキシブルフラットケーブル22の斜視図であり、複数枚のプレートからなるキャビティユニット20にプレート型の圧電アクチュエータ21が保護膜50を介して接合され、このプレート型の圧電アクチュエータ21の上面に外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブル22が重ね接合されている。そして、キャビティユニット20の下面側に開口されたノズル23から、下向きにインクが吐出するものとする(図3参照)。
前記キャビティユニット20は、図2に示すように、ノズルプレート30、スペーサプレート31、2枚のマニホールドプレート33a、33b、サプライプレート34、ベースプレート35、及びキャビティプレート36の合計7枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合した構造となっている。
実施形態では、各プレート30〜36は50〜150μm程度の厚さを有し、ノズルプレート30はポリイミド等の合成樹脂製で、その他のプレート31〜36は42%ニッケル合金鋼板製である。前記ノズルプレート30には、微小径(25μm程度)のインク吐出用のノズル23が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル23は、当該ノズルプレート30における長辺方向(X方向)と平行な2列に配列されている。
また、前記キャビティプレート36には、図3に示すように、複数の圧力室24がキャビティプレート36の長辺(前記X方向)と平行な2列に配列されている。実施形態では、前記各圧力室24は、平面視細長形状に形成され、その長手方向がキャビティプレート36の短辺方向(Y方向)に沿うようにして穿設され、長手方向の一端部がノズル23と連通し、他端部が後述する共通インク室25と連通する。
各圧力室24における先端部は、サプライプレート34、ベースプレート35と2枚のマニホールドプレート33a、33b、及びスペーサプレート31に穿設されている微小径の連通孔26を介して、ノズルプレート30における前記各ノズル23に連通している。
キャビティプレート36の下面に隣接するベースプレート35には、各圧力室24の他端部に接続する貫通孔28が穿設されている。
ベースプレート35の下面に隣接するサプライプレート34には、後述する共通インク室25から前記各圧力室24へインクを供給するための接続流路29が設けられる。そして各接続流路29には、共通インク室25からインクが入る入口孔と、圧力室24側(貫通孔28)に開口する出口孔と、入口孔と出口孔との間にあって、接続流路29中で最も大きな流路抵抗となるように断面積を小さくして形成された絞り部とが備えられている。
2枚のマニホールドプレート33a,33bには、その長辺方向(X方向)に沿って長い2つの共通インク室25が前記ノズル23の各列に沿って延びるように板厚を貫通して形成されている。すなわち、図2及び図3に示すように、2枚のマニホールドプレート33a、33bを積層し、かつその上面をサプライプレート34にて覆い、下面をスペーサプレート31にて覆うことにより、合計2つの共通インク室(マニホールド室)25が密閉状に形成される。各共通インク室25は、各プレートの積層方向から平面視したときに、前記圧力室24の一部と重なって圧力室24の列方向(ノズル23の列方向)に沿って長く延びている。
また、図2に示すように、キャビティプレート36、ベースプレート35、及びサプライプレート34の一方の短辺側の端部には、上下の位置を対応させて、それぞれ2つのインク供給口40が穿設されている。インク供給源からのインクが、これらインク供給口40から共通インク室25の一端部に連通するようになっている。また、インク供給口40には、フィルタ体40aが接着剤等で貼着されている。
インク供給口40からノズル23に至るインク流通路では、インクは、インク供給口40からインク供給チャンネルとしての共通インク室25に供給された後、図3に示すように、サプライプレート34の接続流路29及びベースプレート35の貫通孔28を経由して各圧力室24に分配供給される。そして、インクは各圧力室24内から前記連通孔26を通って、その圧力室24に対応するノズル23に至るという構成になっている。
一方、前記圧電アクチュエータ21は、特開平4−341853号公報及び前記特許文献2公報等に開示された公知のものと同様に、1枚の厚さが30μm程度でかつ全圧力室24にわたる大きさに扁平に成形したセラミックス層41〜43を、図3に示すように、圧力室24が開口した面と平行に複数枚積層して焼成した構造である。セラミックス層のうち下から所定数の偶数段目のセラミックス層42の上面(広幅面)には、前記キャビティユニット20における各圧力室24に対応した箇所ごとに細幅の個別電極44が長辺方向(X方向)に沿って列状に形成されている。下から所定数の奇数段目のセラミックス層41の上面(広幅面)には、複数個の圧力室24に対して共通のコモン電極45が形成されている。このコモン電極45は、キャビティプレート36と電気的に接続する(後述する)ために、セラミックス層41の端縁にまで延設されて、圧電アクチュエータ21の側面に引き出されている。最上段のセラミックス層の上面には、表面電極46(図1参照)として、積層方向に対応する前記個別電極44の各々に対して前記特許文献2に記載されているように電気的なスルーホール等の手段により電気的に接続される表面電極と、前記コモン電極45に対して電気的に接続される表面電極とが設けられている。これらの各電極44,45,46は、各セラミックス層のグリーンシートに導電性ペーストをスクリーン印刷する等して形成される。
このように電極を挟んで積層されたセラミックス層41〜43が焼結され、一体化される。そして、公知のように個別電極44とコモン電極45との間に高電圧を印加することで、両電極に挟まれたセラミックス層の部分が分極され、圧電特性を有する活性部として形成される。
このように形成された圧電アクチュエータ21では、最下層のセラミックス層41aの下面に電極が設けられていないので、焼結体であるセラミックスが全面に露出している。そして、このセラミックス層41aの下面が、圧力室24と対向するように、キャビティユニット20に積層されるので、この圧電アクチュエータ21の下面のセラミックスを保護するように、あらかじめ保護膜50として、電気絶縁性を有する窒化膜が形成されている。保護膜50は、少なくとも圧力室24と対向する領域、換言すれば直接インクと接する領域に設けられていればよいが、この実施形態では、キャビティユニット20と対向する圧電アクチュエータ21の下面全部に、窒化珪素膜が、PVD(物理的蒸着法、スパッタ等)やCVD(化学的蒸着法)等の適宜方法により形成されている。保護膜50の厚みは、1μm〜3μmの範囲が望ましい。
そして、この保護膜50とキャビティプレート36との間に、耐インク性に優れたシート状の接着剤(図示せず)を介在させて、キャビティユニット20の上面に圧電アクチュエータ21が接着固定される。
また、キャビティユニット20のキャビティプレート36は導電体製であるため、圧電アクチュエータ21のコモン電極45と導電性部材51によって電気的に接続され、接地されている。この実施形態では、導電性部材51としては、導電性ペーストを用いており、圧電アクチュエータ21の外周のいずれか1箇所においてその側面に露出したコモン電極45とキャビティプレート36の上面とに接触させて塗布すればよく、ここでは、長手方向(X方向)の略中央部で接続している(図4参照)。
なお、導電性部材51は、3層設けられたコモン電極45及びそれに接続された表面電極が互いに電気的に接続されて接地されているので、これらのコモン電極45及び表面電極のいずれかと接続していればよい。
このように構成されたインクジェットヘッドは、コモン電極45がフレシキブルフラットケーブル22の配線パターンの一部を介して接地され、インクを吐出しようとするノズルに対応する個別電極44に電圧が印加されることにより、活性部が圧力室24に対して伸長され、圧力室24内のインクに吐出圧力が加えられる。
上記実施形態では、圧電アクチュエータ21におけるキャビティユニットと対向する面全体を保護膜50として、電気絶縁性を有する窒化珪素膜で覆っているから、セラミックス層41aがインクと直接接触するのを防止できる。特に、窒化珪素膜は、同じく電気絶縁性を有する酸化珪素膜に比べて、一般的にブロッキング性に優れた膜として知られているため、セラミックス層に対する保護性能に優れた効果を発揮する。
また、この実施形態では、キャビティプレート36を、導電性部材51である導電性ペーストを介してコモン電極45に接続し、コモン電極45を接地している。導電性ペーストは、抵抗値を有しているため、仮に静電気等によりインクが正に帯電すると、その電荷は直ちにグランドには逃げずに、最下層のセラミックス層41aの上面に形成されたコモン電極45と圧力室24のインクとの間の電位差Vが、セラミックス層41aに掛かることになる。
しかしながら、コモン電極45と圧力室24のインクとの間には、セラミックス層41aと保護膜50とがあり、セラミックス層41aの静電容量Cpは、保護膜50としての窒化珪素膜の静電容量Cnよりもかなり大きい(Cp>>Cn)から、前記電位差Vは分配されて、セラミックス層41aに掛かる電圧は、{V×Cn/(Cn+Cp)}と極めて小さくなる。換言すれば、セラミックス層41aには、保護膜50のない場合のように、電位差Vがそのまま掛かる訳でないので、従来のように、インクをセラミックス層41aへ積極的に誘導する強い力が作用しない。そのため、圧電アクチュエータ21の内部へのインクの浸透を抑制することができ、ひいては、インクの浸透による電気的な短絡を招来する虞もない。
さらに、導電性部材51である導電性ペーストは抵抗値を有しているが、静電気による圧力室24のインクの電荷を、キャビティプレート36、導電性部材51、及びコモン電極45を介して、直ちにグランドに逃がすことができるという効果を奏する。
なお、導電性部材51を省略した場合でも、前述したようにセラミックス層41aに掛かる電圧は、保護膜50を設けることによる分配で、低電圧化されるから、セラミックス層41aへのインクの浸透を大幅に軽減することができる。
本発明の実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1のIII −III 線矢視断面図である。 導電性部材51を配置した状態の模式的な斜視図である。 従来のインクジェットヘッドを説明する縦断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
20 キャビティユニット
21 圧電アクチュエータ
22 フレキシブルフラットケーブル
23 ノズル
24 圧力室
30 ノズルプレート
36 キャビティプレート
41〜43 圧電シート
44 個別電極
45 コモン電極
50 保護膜
51 導電性部材
60 欠陥
61 インク

Claims (6)

  1. インクを吐出する複数のノズルが配置され、前記各ノズル毎に対応する複数の圧力室が平面上に開口形成されたキャビティユニットと、
    このキャビティユニットの前記圧力室が開口した面に積層され、インクが充填された前記圧力室に吐出圧力を与える圧電アクチュエータと、を備えるインクジェットヘッドにおいて、
    前記圧電アクチュエータは、複数の圧力室にわたって扁平な複数のセラミックス層を、その扁平な方向を前記圧力室が開口した面と平行にして積層して構成され、前記圧力室の開口を覆う側をセラミックス層とし、そのセラミックス層の前記圧力室と反対側に少なくとも一対の電極間に挟まれた他のセラミックス層を配置してなり、
    前記圧電アクチュエータにおける前記圧力室の開口を覆うセラミックス層の少なくとも前記圧力室に対向する領域は、電気絶縁性を有する窒化物の保護膜で覆われていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記窒化物の保護膜は、窒化珪素膜であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記キャビティユニットにおける少なくとも前記圧力室を有する部材は導電性材料を素材とし、
    前記圧電アクチュエータの電極は、前記圧力室側から積層方向に沿って順に、複数の圧力室に共通するコモン電極と各圧力室毎に対応する個別電極とが他のセラミックス層を挟んで交互に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記窒化物の保護膜は、PVDまたはCVDにより形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記コモン電極は、前記キャビティユニットにおける圧力室を有する部材と、前記圧電アクチュエータの側面に配置された導電性材料により電気的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記コモン電極と前記キャビティユニットにおける圧力室を有する部材とは、接地されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。


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