JP2006341325A - 電動工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電動工具は、工具を駆動する駆動源と、その駆動源を運転/停止させるために操作者が操作する操作部材14と、その駆動源の動作を制御する制御回路30と、その制御回路を電源に接続する回路に介挿されているスイッチ回路50を備えている。スイッチ回路は、操作部材の運転操作に伴って制御回路を電源に接続するとともに操作部材の停止操作から所定の遅延時間だけ遅れて制御回路を電源22から遮断する。
【選択図】図2
Description
駆動源の動作を制御する制御回路を内蔵した電動工具が開発されている。図8は、その一例を示すものであり、駆動源であるモータMの回転速度をフィードバック制御する制御回路30を備える電動工具の電気的な構成を示している。図8に示すように、この電動工具は、工具を駆動するモータMと、モータMの回転速度をフィードバック制御する制御回路30と、モータMを運転/停止させるために操作者が操作する操作部材14等を備えている。制御回路30は電源22に接続されており、電源22から供給される電力によって動作する。制御回路30の端子P5には、モータMを電源22に接続する回路に介挿されているスイッチング素子32が接続されている。制御回路30の端子P4には、モータMの回転速度を検出するためのタコジェネレータ28が接続されている。制御回路30の端子P6には、操作部材14の運転/停止操作に連動するメインスイッチ48が接続されている。制御回路30は、タコジェネレータ28によって検出されたモータMの回転速度に基づいて、スイッチング素子32のデューティ比を調節する。それにより、電源22からモータMに供給される電力が増減調節されて、モータMの回転速度がフィードバック制御される。制御回路30の端子P6には、操作部材14の運転操作に伴って運転指令(ゼロボルト)が入力され、操作部材14の停止操作に伴って運転指令の入力が中止される。
図8に示す電動工具において、例えばタコジェネレータ28をトルクセンサに変更することによって、モータMのトルクをフィードバック制御する電動工具を具現化することができる。あるいは、タコジェネレータ28をモータMの通電電流を測定するためのシャント抵抗に変更することによって、モータMの仕事率をフィードバック制御する電動工具を具現化することができる。
特許文献1には、モータの動作を制御する制御回路を内蔵する電動工具が記載されている。この制御回路では、モータの回転数を制御することに加え、モータに通電する電流を所定値以下に制限することによって、モータが過負荷の状態で運転し続けることを禁止する。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、制御回路を内蔵した電動工具において、制御回路による消費電力を低減するための技術を提供する。
しかしながら、上記の方式では、駆動源を運転する度に制御回路が起動することとなる。制御回路は起動する際に比較的多くの電力を消費するので、上記の方式を採用することによって、制御回路による消費電力が逆に上昇してしまうことがある。駆動源を運転する頻度によっては、駆動源の運転/停止に関わらず、制御回路を起動した状態に維持した方が、制御回路による消費電力を少なくすることができる。
電動工具を利用する多くの作業では、一連の作業期間が、駆動源がほとんど運転されない期間と、駆動源が短い間隔で繰り返し運転される期間に大別される。例えば工業製品の組立作業のように、電動ドライバを利用して部品を順次組付けていく作業を例に挙げる。先ず作業者は、組付ける部品を用意し、用意した部品を組付位置に位置決めする。この間、電動ドライバは運転されない。次いで作業者は、組付部品を固定するために複数のねじを電動ドライバによって締付ける。この間、電動ドライバは、短い間隔で繰り返し運転される。作業者が上記の作業を繰り返すことによって、電動ドライバがほとんど運転されない期間と、電動ドライバが短い間隔で繰り返し運転される期間が生じることとなる。このことから、電動工具に内蔵された制御回路によって消費される電力を低減するためには、駆動源の運転頻度が高い期間では制御回路を起動した状態に維持し、駆動源の運転頻度が低い期間では制御回路を電源から遮断することが有効といえる。
一方、遅延時間内に運転操作が再度加えられない場合には、駆動源の運転頻度が低い期間(前出の作業例において部品を準備する期間)に推移し、さらに長時間に亘って駆動源は運転されないと推定できる。この場合、制御回路は電源から遮断され、制御回路が電力を無用に消費し続けることが禁止される。
この電動工具によると、制御回路を電源に接続した状態を維持する期間と、制御回路を電源から遮断する期間を適切に切換えることによって、制御回路による消費電力を低減することができる。操作者は、通常の電動工具と同様に、操作部材に運転/停止操作を加えればよく、特別な操作をする必要がない。
それにより、電動工具の種類や電動工具を利用する作業内容に応じて遅延時間を調整することができ、制御回路による消費電力をより低減することができる。
(形態1) 電動工具は、充電式の電動工具である。
(形態2) 制御回路は、操作部材の運転操作に伴ってモータを運転させ、操作部材の停止操作に伴ってモータの運転を中止させる。
(形態3) 制御回路は、電源からモータに供給される電力を増減調節する。
(形態4) 制御回路は、モータの回転速度をフィードバック制御する。
操作部材14は、モータMを運転/停止させるために利用者が操作する操作部材である。操作部材14はいわゆるトリガスイッチ(詳しくはトリガスイッチの操作部)であり、操作量が調節可能であるとともに、原点位置(オフとなる位置)に向けて付勢されている。利用者が操作部材14を引く(運転操作)と、電池パック8の蓄電電力がモータMへと供給され、工具12は回転する。利用者が操作部材14を引き続ける(運転操作し続ける)と、工具12は回転し続ける。利用者が操作部材14を原点位置に戻す(停止操作)と、工具12は停止する。工具12の回転速度は、操作部材14の操作量に応じて変化するようになっている。
電動工具2の本体4は、電池パック8の正極端子24aと接続するための正極接続端子24bと、電池パック8の負極端子26aと接続するための負極接続端子26bを備えている。図1は、本体4に電池パック8が装着された状態を示しており、正極端子24aと正極接続端子24bが電気的に接続しており、負極端子26aと負極接続端子26bが電気的に接続している。本体4に内蔵されているモータMは、正極接続端子24bと負極接続端子26bに接続されている。モータMは、端子24a、24b、26a、26bと第1スイッチング素子32を介して二次電池群22に接続される。
モータMには、モータMの回転速度を検出するためのタコジェネレータ28が設けられている。タコジェネレータ28は、モータMの回転速度、即ち、工具12の回転速度に対応する電圧を出力する。
制御回路30は、モータMの回転速度をフィードバック制御する回路である。詳しくは、第1スイッチング素子32のデューティ比を増減調節し、モータMへ供給される電力を増減調節することよって、モータMの回転速度を制御する回路である。制御回路30には、電源入力端子P1と、接地端子P2と、スイッチング信号出力端子P5と、実測電圧入力端子P4と、指令信号入力端子P6と、制御電源出力端子P7等が設けられている。
制御回路30の電源入力端子P1と接地端子P2は、制御回路30に電源電力を入力するための端子である。制御回路30の電源入力端子P1は、スイッチ回路50を介して正極接続端子24bに接続されている。制御回路30の接地端子P2は、負極接続端子26bに接続されている。制御回路30は、端子24a、24b、26a、26bとスイッチ回路50を介して二次電池群22に接続され、二次電池群22から供給される電力によって動作する。
制御回路30のスイッチング信号出力端子P5は、第1スイッチング素子32を断続的にオン・オフさせるスイッチング信号を出力する端子である。スイッチング信号出力端子P5には、第1スイッチング素子32が接続されている。制御回路30の出力するスイッチング信号によって、第1スイッチング素子32のデューティ比が制御される。
制御回路30の実測電圧入力端子P4は、モータMの実際の回転速度に対応する電圧を入力するための端子である。実測電圧入力端子P4には、タコジェネレータ28が接続されている。制御回路30は、タコジェネレータ28の出力信号(出力電圧)によって、モータMの実際の回転速度、即ち、工具12の実際の回転速度を把握する。制御回路30の動作については後段において詳細に説明する。
制御回路30の制御電源出力端子P7は、制御機器用の電源電圧である定電圧Vccを出力する端子である。
制御電源回路34は、二次電池群22による電池電圧を入力し、定電圧Vccに変圧して出力する回路である。制御電源回路34が出力する定電圧Vccは、比較回路36や、目標電圧生成回路40や、スイッチ回路50等に、電源電圧として入力される。
目標電圧生成回路40は、モータMの目標回転速度に対応する電圧を生成する回路である。目標電圧生成回路40は、抵抗器42と、抵抗器42と直列に接続されている可変抵抗器44と、抵抗器42と可変抵抗器44との直列回路に対して並列に接続されている抵抗器46等を備えている。目標電圧生成回路40は、定電圧Vccを抵抗器42と可変抵抗器44によって分圧することによってモータMの目標回転速度に対応する電圧を生成し、目標電圧出力端子P3から出力する。可変抵抗器44の抵抗値は、操作部材14の操作量に連動して変化するようになっており、目標電圧出力端子P3から出力される電圧は、操作部材14の操作量に応じて変化するようになっている。
比較回路36は、第1スイッチング素子32を断続的にオン・オフさせるスイッチング信号を出力する回路である。比較回路36は、目標電圧生成回路40の目標電圧出力端子P3から出力されるモータMの目標回転速度に対応する電圧を、目標電圧入力端子P8から入力する。また、タコジェネレータ28からモータMの実際の回転速度に対応する電圧を入力する。そして、目標回転速度に対応する電圧と実際の回転速度に対応する電圧に基づいて、第1スイッチング素子32へスイッチング信号を出力する。
図3(b)に示すように、比較回路36は、周期Pe毎にパルス状のオン信号(高電圧)を繰り返し出力する。オン信号が出力されているオン期間Pnでは、第1スイッチング素子32がオン状態となり、二次電池群22からモータMへ電力が供給される。オン信号が出力されないオフ期間Pfでは、第1スイッチング素子32がオフ状態となり、二次電池群22からモータMへ電力が供給されない。オン期間の割合(オン期間Pn/周期Pe)は、一般にデューティ比と称される。第1スイッチング素子32のデューティ比が大きいほど、二次電池群22からモータMへ供給される電力は多くなる。
図3に示すように、比較回路36は、モータMの目標回転速度に対応する電圧V3と、モータMの実際回転速度に対応する電圧V4の大小関係に基づいて、スイッチング信号のオン期間Pnの長短を調節する。例えば、モータMの目標回転速度に対応する電圧V3よりも、工具12の実際回転速度に対応する電圧V4の方が低い期間T1では、オン期間Pnを長くする。即ち、第1スイッチング素子32のデューティ比を増大させる。それにより、モータMへ供給される電力が増大することとなり、モータMの回転速度が増速する。一方、工具12の目標回転速度に対応する電圧V3よりも、工具12の実際回転速度に対応する電圧V4の方が高い期間T2では、オン期間Pnを短くする。即ち、第1スイッチング素子32のデューティ比を低下させる。それにより、モータMへ供給される電力が低下することとなり、モータMの回転速度が減速する。このように、制御回路30は、第1スイッチング素子32のデューティ比を増減調節することによって、モータMの回転速度をフィードバック制御する。
操作部材14が停止操作されており、メインスイッチ48が開放していると、比較回路38の目標電圧入力端子P8には、目標電圧生成回路40の目標電圧出力端子P3から、定電圧Vccが入力される。比較回路38では、比較回路38の目標電圧入力端子P8に定電圧Vccが入力されている場合、第1スイッチング素子32へオフ信号を出力し続ける。即ち、比較回路38は、モータMを運転させない。
第2スイッチング素子58は、制御回路30の電源入力端子P1を、本体4の正極接続端子24bに接続している接続線に介挿されている。第2スイッチング素子58には、例えばpnp型トランジスタを用いることができる。第2スイッチング素子58のベースは、メインスイッチ48を介して負極接続端子26bに接続されている。第2スイッチング素子58は、メインスイッチ48が導通すると、オンするようになっている。
第3スイッチング素子60は、第2スイッチング素子58のベースと負極接続端子26b(図中では接地記号で示す)を接続している接続線に介挿されている。第3スイッチング素子60がオンすると、第2スイッチング素子58はオンするようになっている。即ち、スイッチ回路50では、メインスイッチ48と第3スイッチング素子60の少なくとも一方が導通(オン)していると、第2スイッチング素子58がオン状態となる。一方、メインスイッチ48および第3スイッチング素子60の両者が開放(オフ)していると、第2スイッチング素子58がオフ状態となる。第3スイッチング素子60には、例えばnpn型トランジスタを用いることができる。第3スイッチング素子60のベースには、タイマ回路62が接続されている。
タイマ回路62は、制御回路30の指令信号入力端子P6に接続されており、操作部材14の操作状態を認識している。タイマ回路62は、操作部材14の運転操作に伴って第3スイッチング素子60へオン信号(ゲート電流)を出力し、操作部材14の停止操作から所定の遅延時間だけ遅れてオン信号(ゲート電流)の出力を中止する。タイマ回路62は、例えばIC回路(例えばマイコンチップ)等を用いて構成することができる。タイマ回路62では、この遅延時間を増減調整可能に構成されている。この遅延時間は、例えば電動工具の製造段階において電動工具の種類に応じて設定してもよい。あるいは、電動工具の使用段階においてユーザが作業内容に応じて設定できる構成としてもよい。
時点t1において操作部材14が運転操作されると、メインスイッチ48が導通することによって、第2スイッチング素子58がオン状態となる。その結果、制御回路30が二次電池群22に接続されることとなり、制御回路30が起動する。メインスイッチ48が導通することによって、制御回路30にモータMの運転指令が入力される状態となるが、制御回路30が起動するまで、モータMの運転開始は遅れることとなる。
時点t1から微小時間Δtだけ遅れた時点t2になると、制御回路30によってモータMの運転が開始される。操作部材14の運転操作に対して、モータMの運転開始が微小時間Δtだけ遅れることとなるが、電動工具2の利用に支障をきたすことはない。モータMは、操作部材14の運転操作に伴って運転を開始するといえる。制御回路30が起動することによって、タイマ回路62も動作を開始する。タイマ回路62は第3スイッチング素子60にオン信号を入力し、第3スイッチング素子60はオン状態となる。
時点t4において操作部材14が再び運転操作されると、メインスイッチ48が導通される。このとき、時点t3から時点t4までの時間は、タイマ回路62に設定されている遅延時間Dよりも短いものとする。この場合、第2スイッチング素子58はオン状態が維持されており、制御回路30は起動したままの状態となっているので、制御回路30はモータMを直ちに運転させることができる。
時点t5において操作部材14が再び停止操作されると、メインスイッチ48が開放されることによって、制御回路30への工具12の運転指令の入力が中止される。それに伴い、制御回路30はモータMの運転を中止させる。一方、タイマ回路62は、操作部材14が停止操作された時点t2から少なくとも遅延時間Dに亘って、第3スイッチング素子60をオン状態に維持する。時点t5から所定時間Dが経過した時点t6までに再び操作部材14が運転操作されない場合には、タイマ回路62は第3スイッチング素子60をオフさせる。それに追従して第2スイッチング素子58がオフすることとなり、制御回路30が二次電池群22から電気的に遮断される。制御回路30が二次電池群22から電気的に遮断された以降は、制御回路30によって二次電池群22の蓄電電力が消費されない。
本実施例の電動工具2によると、制御回路30を二次電池群22に接続し続ける状態と、制御回路30を二次電池群22から遮断する状態とが適切に切換えられることとなり、制御回路30による消費電力を有意に低減することができる。このとき操作者は、操作部材14に運転/停止操作を加えながら通常通りの作業を実施すればよく、特別な操作が必要とされない。
図5は、本発明を実施した実施例2の電動工具の電気的な構成を示している。実施例2の電動工具の一部では、実施例1の電動工具2と同一の構成が採用されている。従って、実施例1の電動工具2と同一の構成については、同一の符号を付すことによって、重複して説明することは避けるように努める。
図5に示すように、実施例2の電動工具は、電動工具本体(単に本体ということがある)74と、電池パック8を備えている。実施例2の本体74は、実施例1の本体4と同様に、モータMと、第1スイッチング素子32と、制御回路30と、スイッチ回路50と、メインスイッチ48等を備えている。一方、実施例2の電動工具本体74では、実施例1の本体4に対して、第4スイッチング素子76と、第5スイッチング素子78と、第6スイッチング素子80が付加されている。
第6スイッチング素子80は、制御回路30の指令信号入力端子P6と負極接続端子26bを接続している接続線に介挿されている。第6スイッチング素子80がオンしていると制御回路30にモータMの運転指令が入力され、第6スイッチング素子80がオフすると制御回路30への運転指令の入力が中止される。第6スイッチング素子80には、例えばnpn型トランスジスタを用いることができる。
第4スイッチング素子76は、第5スイッチング素子78のベースおよび第6スイッチング素子80のベースを正極接続端子24bに接続している接続線に介挿されている。第4スイッチング素子76がオン状態となると、第5スイッチング素子78および第6スイッチング素子80の両者はオン状態となる。第4スイッチング素子76がオフ状態となると、第5スイッチング素子78および第6スイッチング素子80の両者はオフ状態となる。第4スイッチング素子76のオン/オフに同期して、第5スイッチング素子78および第6スイッチング素子80の両者はオン/オフする。
第4スイッチング素子76のベースは、メインスイッチ48を介して負極接続端子26bに接続されている。それにより、操作部材14の運転操作に伴ってメインスイッチ48が導通すると、第4スイッチング素子76と第5スイッチング素子78と第6スイッチング素子80がオン状態となる。操作部材14の停止操作に伴ってメインスイッチ48が開放すると、第4スイッチング素子76と第5スイッチング素子78と第6スイッチング素子80がオフ状態となる。即ち、操作部材14の運転/停止操作に連動して、第4スイッチング素子76と第5スイッチング素子78と第6スイッチング素子80のオン/オフ状態は切換わる。
時点t1において操作部材14が運転操作されると、メインスイッチ48が導通することによって、第4スイッチング素子76がオンする。第4スイッチング素子76がオンすることによって、第5スイッチング素子78と第6スイッチング素子80がオンする。第5スイッチング素子78がオンすると、第2スイッチング素子58がオンすることとなり、制御回路30が二次電池群22から電力の供給を受けて起動する。一方、第6スイッチング素子80がオンすると、制御回路30にモータMの運転指令が入力される状態となるが、制御回路30が起動するまで、モータMの運転開始は遅れることとなる。
時点t1から微小時間Δtだけ遅れた時点t2になると、制御回路30によってモータMの運転が開始される。制御回路30が起動することによって、タイマ回路62も動作を開始する。タイマ回路62が第3スイッチング素子60にオン信号を入力し、第3スイッチング素子60はオン状態となる。
時点t4において操作部材14が再びオン操作されると、メインスイッチ48が導通されることによって、第4スイッチング素子76と第5スイッチング素子78と第6スイッチング素子80がオンする。このとき、時点t3から時点t4までの時間は、タイマ回路62に設定されている所定時間Dよりも短いものとする。この場合、第2スイッチング素子58はオン状態が維持されており、制御回路30は起動したままの状態となっている。制御回路30はモータMを直ちに運転させることができる。
時点t5において操作部材14が再び停止操作されると、メインスイッチ48が開放されることによって、制御回路30へのモータMの運転指令の入力が中止される。制御回路30は、モータMの運転を中止させる。一方、タイマ回路62は、操作部材14が停止操作された時点t5から所定時間Dに亘って、第3スイッチング素子60のオン状態を維持する。時点t5から所定時間Dが経過した時点t6までに再び操作部材14が停止操作されないときは、タイマ回路62は第3スイッチング素子60がオフさせる。それに連動して第2スイッチング素子58がオフされることとなり、制御回路30が二次電池群22から電気的に遮断される。
実施例2の電動工具では、二次電池群22による電池電圧が印加される回路と、制御電源回路による定電圧Vccが印加される回路が、第4スイッチング素子76と第5スイッチング素子78と第6スイッチング素子80等によって電気的に分離されている。それにより、二次電池群22による電池電圧と制御電源回路34による定電圧Vccが混触してしまうことをより確実に防止することができる。
図7は、本発明を実施した実施例2の電動工具の電気的な構成を示している。実施例3の電動工具の一部では、実施例1の電動工具2と同一の構成が採用されている。従って、実施例1の電動工具2と同一の構成については、同一の符号を付すことによって、重複して説明することは避けるように努める。
図7に示すように、実施例3の電動工具は、電動工具本体(単に本体ということがある)84と、電池パック8を備えている。実施例3の本体84は、実施例1の本体4と同様に、モータMと、第1スイッチング素子32と、制御回路30と、スイッチ回路85と、メインスイッチ48等を備えている。ただし、実施例3のスイッチ回路85は、実施例1のスイッチ回路50と構成が異なっている。
実施例3のスイッチ回路85は、第2スイッチング素子58と、可変抵抗器88と、抵抗器90と、コンデンサ86を備えている。可変抵抗器88と抵抗器90は、第2スイッチング素子58のベースとメインスイッチ48を接続している接続線に直列に介挿されている。コンデンサ86は、第2スイッチング素子58のエミッタ側とベース側を、可変抵抗器88を跨いで接続している。
本実施例3の電動工具では、可変抵抗器88の抵抗値を調整することによって、上記の遅延時間を増減調整することができる。可変抵抗器88の抵抗値は、工場出荷段階において電動工具の種類等に基づいて設定してよいし、電動工具の使用段階においてユーザが作業内容に応じて調整可能な構成としてもよい。なお、可変抵抗器88は、遅延時間を調節する手段の一例であって、これに限定されない。
例えば電動工具が内蔵する制御回路は、モータの回転速度をフィードバック制御する制御回路に限られず、例えばモータのトルクを制御する制御回路であってもよいし、モータが出力する仕事率を制御する制御回路であってもよい。また、それらの各指標を制御する制御回路は、それらの各指標をフィードバック制御するものに限られず、例えばそれらの各指標を所定の上限値以下に規制する制御回路(速度リミッタ回路やトルクリミッタ回路や過負荷防止回路)等であってもよい。本実施例の技術は、駆動源であるモータの動作を制御する様々な制御回路を内蔵した電動工具に適用することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
4・・電動工具本体
8・・電池パック
10・・工具軸
12・・工具
14・・操作部材
22・・二次電池群
28・・タコジェネレータ
30・・制御回路
32・・第1スイッチング素子
48・・メインスイッチ
50、85・・スイッチ回路
58・・第2スイッチング素子
60・・第3スイッチング素子
76・・第4スイッチング素子
78・・第5スイッチング素子
80・・第6スイッチング素子
86・・実施例3のスイッチ回路のコンデンサ
88・・実施例3のスイッチ回路の可変抵抗器
Claims (2)
- 工具を駆動する駆動源と、
その駆動源を運転/停止させるために操作者が操作する操作部材と、
その駆動源の動作を制御する制御回路と、
その制御回路を電源に接続する回路に介挿されているスイッチ回路を備え、
前記スイッチ回路は、前記操作部材の運転操作に伴って制御回路を電源に接続するとともに前記操作部材の停止操作から所定の遅延時間だけ遅れて制御回路を電源から遮断することを特徴とする電動工具。 - 前記スイッチ回路による遅延時間が増減調整可能であることを特徴とする請求項1の電動工具。
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