JP2006324554A - 含フッ素有機スルホニルイミド塩電解質とそれを用いた電解液および電気化学素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一般式(1)で示される含フッ素有機スルホニルイミド塩を含む電解質。 (R1SO2)(R2SO2)NY (1)(R1およびR2は、それぞれ独立にCF3、CHF2CF2、及びCF3CHFCF2からなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、R1およびR2がともにCF3の場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
【選択図】 図1
Description
また、特許文献2ではビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアニオンとし、N,N’−ジアルキルイミダゾリニウムをカチオンとする液状電解質が提案され、電気化
学式光電池等の電気化学素子に有用であることが開示されている。
上記問題点から(CF3SO2)2N、(CF3CF2SO2)2N等のパーフルオロアルキルスルホニルイミドをアニオンとし、第4級アンモニウムをカチオンとする電解質は安定性に優れるという特徴を有しながらも実用的に広く用いられるまでに至っていない。
前記、パーフルオロアルキルスルホニルイミド塩の問題点である金属アルミニウムの電気化学的腐蝕を解決するために、水素含有ビス(フルオロアルキル)スルホニルイミドリチウム塩を電解質として用いることが提案されている。
(R1SO2)(R2SO2)NY (1)
(R1およびR2は、それぞれ独立にCF3、CHF2CF2、及びCF3CHFCF2からなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、R1およびR2がともにCF3の場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
本発明の二は、上記の一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液である。該電解液において、R1とR2が互いに異なった含フッ素有機アルキル基であることがより好ましい。
本発明の三は、上記の一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液を用いた非水系電気化学素子である。該電気化学素子において、R1とR2が互いに異なった含フッ素有機アルキル基であることがより好ましい。
(1)有機スルホン酸の中でCF3SO3H、またはその誘導体は既に工業的に生産されており、比較的安価に入手可能である。CHF2CF2SO3H、もしくはCF3CHFCF2SO3H、またはその誘導体は、前記のとおり、既に大量に生産され工業的に安価に入手可能な四フッ化エチレンまたは六フッ化プロピレンと亜硫酸水素ナトリウムとの付加反応によりスルホン酸ナトリウム塩を得、これよりスルホン酸又はスルホン酸ハロゲン化合物、スルホン酸無水物等の誘導体を効率よく製造することができる。
そのスルホン酸ナトリウム塩の製造条件の一例として、四フッ化エチレンまたは六フッ化プロピレンと亜硫酸水素ナトリウムの水溶液、更に要すれば反応助剤を加え室温から150℃の温度範囲で1時間から100時間反応させることにより、CHF2CF2SO3Na、またはCF3CHFCF2SO3Naを製造する方法は、条件を選ぶことによってほぼ定量的に目的物を得ることができ好ましい。
1)有機アルキルスルホニルハライドとビス(トリメチルシリル)イミドのリチウム塩とを反応させる方法。
2)無水有機アルキルスルホン酸と尿素とを反応させてから水酸化リチウム、又は炭酸リチウムと反応させる方法。
3)有機アルキルスルホニルハライドとリチウム窒化物とを反応させる方法。
4)有機アルキルスルホニルハライドとアンモニアとを反応させてから水酸化リチウム、又は炭酸リチウムと反応させる方法。
5)有機アルキルスルホニルハライドと有機アルキルスルホンアミドとを反応させさせてから水酸化リチウム、又は炭酸リチウムと反応させる方法。
また、上記5)の方法は前述の一般式(1)のR1とR2が異なった含フッ素有機アルキル基の場合である非対称含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物を製造する場合に、特に有用な方法である。すなわち、この場合には、CHF2CF2SO2X、CF3CHFCF2SO2X、及びCF3SO2X(但し、Xはハロゲン原子を示す)からなる群から選ばれた一つの有機アルキルスルホニルハライドと、CHF2CF2SO2NH2、CF3CHFCF2SO2NH2、及びCF3SO2NH2からなる群から選ばれた少なくとも一つの有機アルキルスルホンアミド(但し、同じ有機アルキル基を有するスルホニルハライドとスルホンアミドの組み合わせは除く)とを反応させることにより得られる。
一般に含フッ素有機スルホニルイミド塩を電解質として用いた場合には、有機基の炭素数が小さいほど非水系溶媒に対する溶解度が向上し、高い電気伝導度を得ることができるという利点を有する反面、電気化学素子の集電体として多用される金属アルミニウムを電気化学的に腐蝕させやすいという欠点が生じる。例えばビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラエチルアンモニウム(CF3SO2)2N(C2H5)4Nは、非水系溶媒への溶解度が高く高い電気伝導度を有する非水系電解液を提供できるが、金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕が著しく、実用に耐えるものではなかった。
本発明の電解質においては、含フッ素有機スルホニルイミド塩の有機基の一つ、または二つを炭素数が2〜3で、且つ水素原子を有する含水素フルオロアルキル基であるCHF2CF2またはCF3CHFCF2とすることにより、金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕性が少なく、しかも非水系溶媒への溶解度が高く電気伝導度の高い非水系電解液が得られ、電気化学素子の出力特性、低温放電特性を改善できる。
いた場合には、アニオンである(CF3SO2)(CHF2CF2SO2)N−、(CF3SO2)(CF3CHFCF2SO2)N−、(CHF2CF2SO2)(CF3CHFCF2SO2)N−、(CHF2CF2SO2)2N−、または(CF3CHFCF2SO2)2N−のイオン半径が、対応するビス(パーフルオロ有機アルキルスルホニル)イミド塩のアニオンである(CF3CF2SO2)2N−、または(CF3CF2CF2SO2)2N−のイオン半径に比べて小さいことから、正極でのイオン吸着量が増大するという効果を発揮する。特に、上記の効果は本発明にかかわる含フッ素有機スルホニルイミド塩の含フッ素有機基を非対称にした場合、即ちR1とR2を異なった含フッ素有機基とした場合に顕著に発揮される。
かかる条件を満足する化合物は、下記一般式(1)に示される化合物である。
(R1SO2)(R2SO2)NY (1)
(R1およびR2は、それぞれ独立に、CF3、CHF2CF2、及びCF3CHFCF2からなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、R1およびR2がともにCF3の場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
ンスルホニル)イミド、トリエチルメチルアンモニウム(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド、N−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、N,N−ジメチルピペリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
本発明の非水系電解液に使用する非水系溶媒としては、本発明の電解質を溶解できる非プロトン性の非水系溶媒であって、誘電率及び耐電圧が高く、粘度が低いものが好ましい。
<合成例1>
(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)NLiの合成
1)亜硫酸水素ナトリウムの25%水溶液500mlと四硼酸ナトリウム10水和物57.3gとテトラフルオロエチレン156gを圧力容器に入れ、90℃で50時間反応させた。反応液を濾過した後、乾固させた生成物をエタノールで抽出することにより、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウムCHF2CF2SO3Naを得た。このCHF2CF2SO3Naとオキシ塩化リンとを反応させ、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸クロライドCHF2CF2SO2Clを得た。
2)CHF2CF2SO2Clと市販のトリフルオロメタンスルホンアミドCF3SO2NH2とをアセトニトリルを溶媒として反応させた後、LiOHで中和し、(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)NLiを得た。
3)(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は7.3mS・cm−1であった。
(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)NLiの合成
1)亜硫酸水素ナトリウムの25%水溶液500mlと四硼酸ナトリウム10水和物57.3gとヘキサフルオロプロピレン187gを圧力容器に入れ、90℃で50時間反応させた。反応液を濾過した後、乾固させた生成物をエタノールで抽出することにより、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロパンスルホン酸ナトリウムCF3CHFCF2SO3Naを得た。このCF3CHFCF2SO3Naとオキシ塩化リンとを反応させ、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロパンスルホン酸クロライドCF3CHFCF2SO2Clを得た。
2)CF3CHFCF2SO2Clと市販のトリフルオロメタンスルホンアミドCF3SO2NH2とをアセトニトリルを溶媒として反応させた後、LiOHで中和して、(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)NLiを得た。
3)(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は6.7mS・cm−1であった。
(CF3CHFCF2SO2)(CHF2CF2SO2)NLiの合成
1)合成例1で得たCHF2CF2SO2Clを過剰のアンモニアと反応させ1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホンアミドCHF2CF2SO2NH2を得た。
2)このCHF2CF2SO2NH2と合成例2で得られたCF3CHFCF2SO2Clとをアセトニトリルを溶媒として反応させた後、LiOHで中和して、(CF3CHFCF2SO2)(CHF2CF2SO2)NLiを得た。
3)(CF3CHFCF2SO2)(CHF2CF2SO2)NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は6.1mS・cm−1であった。
(CHF2CF2SO2)2NLiの合成
1)合成例1で得たCHF2CF2SO2Cl2モルと1モルのビス(トリメチルシリル)イミドリチウム((CH3)3Si)2NLiとをTHF溶媒中で反応させ、(CHF2CF2SO2)2NLiを得た。
2)(CHF2CF2SO2)2NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、0.7mol・dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は3.8mS・cm−1であった。
(CF3CHFCF2SO2)2NLiの合成
1)合成例2で得たCF3CHFCF2SO2Cl2モルと1モルのビス(トリメチルシリル)イミドリチウム((CH3)3Si)2NLiとをTHF溶媒中で反応させ、(CF3CHFCF2SO2)2NLiを得た。
2)(CHF2CF2SO2)2NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、0.7mol・dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は2.6mS・cm−1であった。
テトラメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例1で得られた(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)NLiとテトラメチル
アンモニウムブロマイド(CH3)4NBrを反応させ、(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)N (CH3)4Nを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は16.8mS・cm−1であった。
テトラエチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例2で得られた(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)NLiとテトラエチルアンモニウムブロマイド(C2H5)4NBrを反応させ、(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)N(C2H5)4Nを得た。エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は14.8mS・cm−1であった。
トリエチルメチルアンモニウム(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例3で得られた(CHF2CF2SO2)(CF3CHFCF2SO2)NLiとトリエチルメチルアンモニウムブロマイドCH3(C2H5)3NBrを反応させ、(CHF2CF2SO2)(CF3CHFCF2SO2)NCH3(C2H5)3Nを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は13.3mS・cm−1であった。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例4で得られた(CHF2CF2SO2)2NLiと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイドを反応させ、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は12.9mS・cm−1であった。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例5で得られた(CF3CHFCF2SO2)2NLiと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイドを反応させ、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は12.3mS・cm−1であった。
アルミニウム箔の上に、微粒子黒鉛粉末とエチレン−アクリル酸樹脂をバインダーとして含有する導電性ペーストをバーコーターによって塗布し、乾燥することで厚み5μmの導電層を形成した。次いで、市販のピッチ系活性炭(BET比表面積1955m2・g−1)81.6質量部、ケッチェンブラック6.1質量部およびポリフッ化ビニリデン12
.3質量部とN−メチルピロリドンを混合したものを、上記アルミニウム箔の片面に塗布、乾燥し、電極を作製した。
この電極を正極と負極とし、正極と負極の間にポリエチレン製のセパレータをはさみ込み、電極体を作成した。この電極体を容器に入れ、実施例1の(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)N(CH3)4Nをエチレンカーボネート/メチルエチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解した非水系電解液を注入して密閉し、図1に示す非水系電気化学素子(以下、単にキャパシタともいう。)を作製した.
一方、このキャパシタの高温フロート充電特性を次の条件で評価した。定電圧電源を用い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり93.2%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し80.2%の放電容量が得られた。
非水系電解液として実施例2で得られた(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)N (C2H5)4Nをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり91.3%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し79.9%の放電容量が得られた。
非水系電解液として実施例3で得られた(CHF2CF2SO2)(CF3CHFCF2SO2)NCH3(C2H5)3Nをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり92.9%であった。
い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり93.1%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し75.3%の放電容量が得られた。
非水系電解液として実施例4で得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり88.9%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し71.3%の放電容量が得られた。
非水系電解液として実施例5で得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり85.9%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し70.5%の放電容量が得られた。
電解質として4フッ化硼酸テトラエチルアンモニウム(C2H5)4NBF4を用いた以外は実施例6と同じ操作を行って非水系電気化学素子を作製し、実施例6と同じ条件でサイクル性試験、高温フロート充電保存試験、低温放電特性試験を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
電解質としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラエチルアンモニウム
(CF3SO2)2N(C2H5)4Nを用いた以外は実施例6と同じ操作を行って非水系電気化学素子を作製し、実施例6と同じ条件でサイクル性試験、高温フロート充電保存試験、低温放電特性試験を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
電解質としてビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドトリエチルメチルアンモニウム(CF3CF2SO2)2NCH3(C2H5)3Nを用いた以外は実施例6と同じ操作を行って非水系電気化学素子を作製し、実施例6と同じ条件でサイクル性試験、高温フロート充電保存試験、低温放電特性試験を行なった。結果を表1に示す。
60℃でのアルミニウムの電気化学的腐蝕性を次のように評価した。(CHF2CF2SO2)(CF3SO2)N(CH3)4Nをエチレンカーボネート/メチルエチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解した非水系電解液を用い、作用電極をアルミニウム、対電極および参照電極をリチウム金属としたセルで作用極のアルミニウムを60℃で4.2Vに保持した時に流れるリーク電流を測定した。結果を表2に示す。リーク電流は60℃でのアルミニウムの電気化学的腐蝕性の程度を表し、小さい値の方が該腐食性が小さいことを示している。
(CF3CHFCF2SO2)(CF3SO2)N(C2H5)4Nをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させた非水系電解液を用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<実施例13>
(CHF2CF2SO2)(CF3CHFCF2SO2)NCH3(C2H5)3Nをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させた非水系電解液を用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
電解質として(C2H5)4NBF4を用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<比較例5>
電解質として(CF3SO2)2N(C2H5)4Nを用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<比較例6>
電解質として(CF3CF2SO2)2NCH3(C2H5)3Nを用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
2 負極
3 正極リード端子
4 負極リード端子
5 セパレータ
6 電池容器
Claims (6)
- 下記一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質。
(R1SO2)(R2SO2)NY (1)
(R1およびR2は、それぞれ独立にCF3、CHF2CF2、及びCF3CHFCF2からなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、R1およびR2がともにCF3の場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。) - R1とR2が互いに異なった含フッ素有機アルキル基である請求項1記載の電解質。
- 下記一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液。
(R1SO2)(R2SO2)NY (1)
(R1およびR2は、それぞれ独立にCF3、CHF2CF2、及びCF3CHFCF2からなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、R1およびR2がともにCF3の場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。) - R1とR2が互いに異なった含フッ素有機アルキル基である請求項3記載の非水系電解液。
- 下記一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液を用いた非水系電気化学素子。
(R1SO2)(R2SO2)NY (1)
(R1およびR2は、それぞれ独立にCF3、CHF2CF2、及びCF3CHFCF2からなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、R1およびR2がともにCF3の場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。) - R1とR2が互いに異なった含フッ素有機アルキル基である請求項5記載の非水系電気化学素子。
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