JP2006324554A - 含フッ素有機スルホニルイミド塩電解質とそれを用いた電解液および電気化学素子 - Google Patents

含フッ素有機スルホニルイミド塩電解質とそれを用いた電解液および電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 安定性に優れ、金属アルミニウムに対する電気化学的腐食がなく、かつ低価格の非水系電気化学素子用の電解質ならびに電解液を提供することにより、過酷な条件、特に高温条件下での使用においても性能劣化を起こさない電気化学素子を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で示される含フッ素有機スルホニルイミド塩を含む電解質。 (RSO)(RSO)NY (1)(RおよびRは、それぞれ独立にCF3、CHFCF、及びCFCHFCFからなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、RおよびRがともにCFの場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
【選択図】 図1

Description

本発明は非水系キャパシタ、及び非水系二次電池等の非水系電気化学素子、並びに該素子に使用する電解質、及び非水系電解液に関し、特に、特定の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含むものに関する。
電気化学素子とは、電気化学反応を利用して素子内部にエネルギーを蓄えるものであり、具体的には、素子内部に蓄えられた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すための電池、及び素子内部に蓄えられた静電エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すためのキャパシタをいう。電気化学素子に用いられる電解液には水系のものと非水系のものがあるが、1.5Vで電気分解する水系電解液を用いた水系電気化学素子に対して、非水系電解液を用いた非水系電気化学素子には耐電圧を高く設定できるというメリットがある。
従来、非水系キャパシタの電解質には四フッ化硼酸テトラエチルアンモニウム、四フッ化硼酸トリエチルメチルアンモニウム、または四フッ化硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等が電解質として用いられている。しかしながら、これらの電解質中の無機フッ素結合は非水系電解液中に微量含まれる水分によって容易に分解し特性劣化を起こしやすいという課題があった。また、これらの電解質は耐電圧が低いために2.5V前後の起電力しか得ることができず、エネルギー密度を上げられない大きな要因となっていた。特に過酷な条件下で、しかも大電流で使用されるハイブリッド電気自動車等の新しい用途分野では熱的に安定で、耐電圧が高く(電位窓が広く)、しかも高い電気伝導性を有する電解質の開発が急務となっている。
こうした問題点を解決するために、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミドをアニオンとする電解質が提案されている。これらのビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド塩は有機溶媒への溶解度が高く、高い電気伝導性を有する。また酸化安定性、熱的安定性に優れるという特徴があり、これらのイミド塩を電解質に用いた電気化学素子は高温下での特性劣化が抑制されるという効果が見出されている(特許文献1、特許文献2、及び非特許文献1参照)。
例えば、特許文献1ではビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアニオンとし、テトラエチルアンモニウムをカチオンとする(CFSON(CNやビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドをアニオンとし、テトラメチルアンモニウムをカチオンとする(CFCFSON(CHN等のパーフルオロアルキルスルホニルイミドの第4級アンモニウム塩を電解質として用いることが提案されている。これらの電解質は非水系溶媒に対する溶解性が良く、高い耐電圧を維持しながら、電気伝導性も高い電解液が得られるという効果が開示されている。
また、非特許文献1ではビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアニオンとし、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリニウムをカチオンとする電解質が提案されている。この化合物は電解質でありながら液体であるという特徴に加え、高い電気伝導度と高い耐電圧を有し、非水系電池、及び非水系キャパシタ用の電解液として有用であることが開示されている。
また、特許文献2ではビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをアニオンとし、N,N’−ジアルキルイミダゾリニウムをカチオンとする液状電解質が提案され、電気化
学式光電池等の電気化学素子に有用であることが開示されている。
しかしながら、上記スルホニルイミド塩は高価なパーフルオロアルキルスルホン酸化合物から合成されるものであり、工業的な観点ではコスト的に不利であった。また、炭素数の少ないビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CFSONをアニオンとする電解質は、非水系溶媒への溶解性、及び電気伝導度は比較的良好であり、コスト的にもフッ素系化合物の中では比較的安価な部類のものであるが、電気化学素子の集電体として多用される金属アルミニウムを電気化学的に腐蝕するという致命的な課題を抱えている。前述したように、1.5Vで電気分解する水系溶媒に比較して、非水系溶媒は耐電圧が4Vを超えるものもある。しかしながら4Vを超える高電圧下では、陽極酸化によりステンレス等の水系溶媒で使用される正極集電体は腐食されて使用できず、使用可能なのは白金等の貴金属とアルミニウムのみである。従って、アルミニウムを腐食する電解質を非水系電気化学素子用として使用するには制約が大きい。
一方、炭素数の多いビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(CFCFSON等をアニオンとする電解質は金属アルミニウムに対する腐食性がある程度改善されるという効果は見出されているが、非水系溶媒に対する溶解度が小さくなり、電気伝導度が低く出力特性、低温放電特性に劣るという欠点を有していた。
上記問題点から(CFSON、(CFCFSON等のパーフルオロアルキルスルホニルイミドをアニオンとし、第4級アンモニウムをカチオンとする電解質は安定性に優れるという特徴を有しながらも実用的に広く用いられるまでに至っていない。
前記、パーフルオロアルキルスルホニルイミド塩の問題点である金属アルミニウムの電気化学的腐蝕を解決するために、水素含有ビス(フルオロアルキル)スルホニルイミドリチウム塩を電解質として用いることが提案されている。
例えば、特許文献3では(CHFCFSONLi、(CFCHFCFSONLi等の水素を含有したビス(フルオロアルキル)スルホニルイミドリチウム塩が、金属アルミニウムの電気化学的腐蝕が非常に小さいという利点を有するものであることが開示されている。しかも、かかる上記水素含有ビス(フルオロアルキル)スルホニルイミドリチウム塩は、工業的に大量生産され安価に入手可能な四フッ化エチレンまたは六フッ化プロピレンと亜硫酸水素ナトリウムとの付加反応で得られるスルホン酸誘導体から容易に製造することが可能であり、フッ素系化合物固有の高価格という問題点も解決するものであった。
しかしながら、前記水素を含有したビス(フルオロアルキル)スルホニルイミドリチウム塩は非水系溶媒に対する飽和濃度が0.7mol・dm−3程度であり、電解質をより高濃度に溶解させた非水系電解液を作成してより高い電気伝導度を得ることが困難であった。従って、該電解質を用いた非水系電気化学素子は室温での高出力特性、低温での放電特性等の面で問題点が残っていた。これらの問題点から(CHFCFSONLi、(CFCHFCFSONLi等の水素を含有したビス(フルオロアルキル)スルホニルイミドリチウム塩は安定性に優れ、金属アルミニウムに対する腐食性がなく、しかも安価であるという特徴を有しながらも実用的に用いられるまでに至っていない。
特開平7−272982号公報 特開平8−259543号公報 特開平9−104686号公報 J. Electrochem. Soc., Vol. 143, No3, 798-803 (1996)
本発明の課題は、コスト的に安価で、電気伝導度が高く、高温下での耐久性に優れ、かつ金属アルミニウムの電気化学的腐食が少ない非水系電気化学素子用の電解質、及び電解液を提供すること、並びに該電解液を用いた電気化学素子を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、電解質として下記の一般式(1)で示される含フッ素有機スルホニルイミド塩を見出し、本発明に至った。
(RSO)(RSO)NY (1)
(RおよびRは、それぞれ独立にCF、CHFCF、及びCFCHFCFからなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、RおよびRがともにCFの場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
すなわち、本発明の一は、上記の一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質である。該電解質において、RとRが互いに異なった含フッ素有機アルキル基であることがより好ましい。
本発明の二は、上記の一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液である。該電解液において、RとRが互いに異なった含フッ素有機アルキル基であることがより好ましい。
本発明の三は、上記の一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液を用いた非水系電気化学素子である。該電気化学素子において、RとRが互いに異なった含フッ素有機アルキル基であることがより好ましい。
本発明の電解質を非水系電解液に用いることにより、コスト的に安価で、金属アルミニウムの電気化学的腐食が少なく、高温保存特性、高温フロート充電特性等の高温下での耐久性が向上し、さらに電気伝導度が高くサイクル性、低温放電特性も向上した電気化学素子を得ることができる。
以下、本発明について詳しく述べる。本発明の電解質に使用される含フッ素有機スルホニルイミド塩は、(1)対応する有機アルキルスルホン酸CHFCFSOH、CFCHFCFSOH、もしくはCFSOH、またはその酸塩化物、もしくはその酸無水物等の誘導体を製造し、(2)スルホニルイミド化反応により含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物を得、(3)更にオニウム塩を反応させるスルホニルイミド化反応により合成することができる。
(1)有機スルホン酸の中でCFSOH、またはその誘導体は既に工業的に生産されており、比較的安価に入手可能である。CHFCFSOH、もしくはCFCHFCFSOH、またはその誘導体は、前記のとおり、既に大量に生産され工業的に安価に入手可能な四フッ化エチレンまたは六フッ化プロピレンと亜硫酸水素ナトリウムとの付加反応によりスルホン酸ナトリウム塩を得、これよりスルホン酸又はスルホン酸ハロゲン化合物、スルホン酸無水物等の誘導体を効率よく製造することができる。
そのスルホン酸ナトリウム塩の製造条件の一例として、四フッ化エチレンまたは六フッ化プロピレンと亜硫酸水素ナトリウムの水溶液、更に要すれば反応助剤を加え室温から150℃の温度範囲で1時間から100時間反応させることにより、CHFCFSONa、またはCFCHFCFSONaを製造する方法は、条件を選ぶことによってほぼ定量的に目的物を得ることができ好ましい。
(2)かかる有機アルキルスルホン酸誘導体から含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物を製造する方法としては、例えば下記の一般的な方法が知られているので、適宜選択して含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物を製造することができる。
1)有機アルキルスルホニルハライドとビス(トリメチルシリル)イミドのリチウム塩とを反応させる方法。
2)無水有機アルキルスルホン酸と尿素とを反応させてから水酸化リチウム、又は炭酸リチウムと反応させる方法。
3)有機アルキルスルホニルハライドとリチウム窒化物とを反応させる方法。
4)有機アルキルスルホニルハライドとアンモニアとを反応させてから水酸化リチウム、又は炭酸リチウムと反応させる方法。
5)有機アルキルスルホニルハライドと有機アルキルスルホンアミドとを反応させさせてから水酸化リチウム、又は炭酸リチウムと反応させる方法。
上記1)乃至5)の方法は、前述の一般式(1)のRとRが同じ含フッ素有機アルキル基である対称含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物を製造する場合に有用な方法である。
また、上記5)の方法は前述の一般式(1)のRとRが異なった含フッ素有機アルキル基の場合である非対称含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物を製造する場合に、特に有用な方法である。すなわち、この場合には、CHFCFSOX、CFCHFCFSOX、及びCFSOX(但し、Xはハロゲン原子を示す)からなる群から選ばれた一つの有機アルキルスルホニルハライドと、CHFCFSONH、CFCHFCFSONH、及びCFSONHからなる群から選ばれた少なくとも一つの有機アルキルスルホンアミド(但し、同じ有機アルキル基を有するスルホニルハライドとスルホンアミドの組み合わせは除く)とを反応させることにより得られる。
(3)本発明にかかわる含フッ素有機スルホニルイミド塩は、上述の含フッ素有機スルホニルイミドリチウム化合物と、テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物等の窒素原子を含むオニウム塩を反応させることによって得ることができる。
一般に含フッ素有機スルホニルイミド塩を電解質として用いた場合には、有機基の炭素数が小さいほど非水系溶媒に対する溶解度が向上し、高い電気伝導度を得ることができるという利点を有する反面、電気化学素子の集電体として多用される金属アルミニウムを電気化学的に腐蝕させやすいという欠点が生じる。例えばビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラエチルアンモニウム(CFSON(CNは、非水系溶媒への溶解度が高く高い電気伝導度を有する非水系電解液を提供できるが、金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕が著しく、実用に耐えるものではなかった。
また上記有機基の炭素数が大きいほど金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕は改善されるが、非水系溶媒に対する溶解度が減少し、高い電気伝導度を得ることが困難になるという欠点を有していた。例えばビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドテトラエチルアンモニウム(CFCFCFCFSON(CNは、金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕が著しく改善されるが、非水系溶媒への溶解度が低く、高い電気伝導度を有する非水系電解液を得ることができない。
本発明の電解質においては、含フッ素有機スルホニルイミド塩の有機基の一つ、または二つを炭素数が2〜3で、且つ水素原子を有する含水素フルオロアルキル基であるCHFCFまたはCFCHFCFとすることにより、金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕性が少なく、しかも非水系溶媒への溶解度が高く電気伝導度の高い非水系電解液が得られ、電気化学素子の出力特性、低温放電特性を改善できる。
また、本発明の含フッ素有機スルホニルイミド塩を電解質として非水系キャパシタに用
いた場合には、アニオンである(CFSO)(CHFCFSO)N、(CFSO)(CFCHFCFSO)N、(CHFCFSO)(CFCHFCFSO)N、(CHFCFSO、または(CFCHFCFSOのイオン半径が、対応するビス(パーフルオロ有機アルキルスルホニル)イミド塩のアニオンである(CFCFSO、または(CFCFCFSOのイオン半径に比べて小さいことから、正極でのイオン吸着量が増大するという効果を発揮する。特に、上記の効果は本発明にかかわる含フッ素有機スルホニルイミド塩の含フッ素有機基を非対称にした場合、即ちRとRを異なった含フッ素有機基とした場合に顕著に発揮される。
本発明にかかわる含フッ素有機スルホニルイミド塩は金属アルミニウムに対する電気化学的腐蝕が小さく、しかも非水系溶媒への溶解度が高く、高い電気伝導度を有することから出力特性に優れ、低温特性の優れた電気化学素子を提供することができる。更にコスト的に安価なスルホニルイミド塩を電解質として提供することができる。
かかる条件を満足する化合物は、下記一般式(1)に示される化合物である。
(RSO)(RSO)NY (1)
(RおよびRは、それぞれ独立に、CF3、CHFCF、及びCFCHFCFからなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、RおよびRがともにCFの場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
本発明の電解質のカチオン成分を構成する一般式(1)でのYの例を示せば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、及びテトラブチルアンモニウム等の脂肪族テトラアルキル第4級アンモニウムイオン、N,N−ジメチルピロリジニウム、及びN,N−テトラメチレンピロリジニウム等の複素環式N,N−ジアルキルピロリジニウムイオン、N,N−ジメチルピペリジニウム等の複素環式N,N−ジアルキルピペリジニウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、及び1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウム等の複素環式1,3−ジアルキルイミダゾリウムイオン、N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、及びN−n−プロピルピリジニウム等の複素環式N−アルキルピリジニウムイオン、並びに1,2,3−トリメチル−テトラヒドロピリミジニウム、及び1−エチル−2,3−ジメチル−テトラヒドロピリミジニウム等の複素環式1,3−ジアルキルピリミジニウムイオン等の窒素原子を含むオニウムイオンが挙げられる。
上記一般式(1)で示す本発明の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質の例を示せば、テトラメチルアンモニウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド、テトラメチルアンモニウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、トリエチルメチルアンモニウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド、トリエチルメチルアンモニウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド等の対称含フッ素有機スルホニルイミド塩が挙げられる。
また非対称含フッ素有機スルホニルイミド塩の例を示せば、テトラメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド、テトラエチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、トリエチルメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ンスルホニル)イミド、トリエチルメチルアンモニウム(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド、N−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミド、N,N−ジメチルピペリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
本発明の電解質が液体である場合には、そのまま本発明の非水系電解液として用いても良いし、非水系溶媒で希釈して本発明の非水系電解液として用いても良い。また本発明の電解質が固体である場合には、非水系溶媒に溶解して本発明の非水系電解液とする。
本発明の非水系電解液に使用する非水系溶媒としては、本発明の電解質を溶解できる非プロトン性の非水系溶媒であって、誘電率及び耐電圧が高く、粘度が低いものが好ましい。
具体的な例を示せば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、及びビニレンカーボネート(VC)等に代表される環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、及びメチルエチルカーボネート(MEC)等に代表される鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(γBL)、及びε−カプロラクトン(εCL)等に代表される環状エステル類、酢酸エチル(EA)、プロピオン酸メチル(MP)、及び酪酸エチル(EB)等に代表される鎖状エステル類、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、及びジオキサン(DO)等に代表されるエーテル類、アセトニトリル(AN)、プロピオニトリル(PN)、及びベンゾニトリル(BN)等に代表されるニトリル類、スルホラン類、ケトン類、並びにアミド類等が挙げられ、これらの溶媒を単独または2つ以上の混合溶媒系で用いることができる。
2つ以上の混合溶媒系の場合は、高誘電率溶媒と低粘度溶媒との組み合わせが好ましく、具体的な組み合わせとして、PCとγBL、DMC、DEC、MEC、THF、またはDMEとの組み合わせ、ECとγBL、DMC、DEC、MEC、THF、またはDMEとの組み合わせ等が挙げられる。高誘電率溶媒と低粘度溶媒との混合体積比率は2:1〜1:8が好ましく、更に好ましくは1:1〜1:5である。
以下、本発明を実施例、比較例により詳細に説明する。
<合成例1>
(CHFCFSO)(CFSO)NLiの合成
1)亜硫酸水素ナトリウムの25%水溶液500mlと四硼酸ナトリウム10水和物57.3gとテトラフルオロエチレン156gを圧力容器に入れ、90℃で50時間反応させた。反応液を濾過した後、乾固させた生成物をエタノールで抽出することにより、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウムCHFCFSONaを得た。このCHFCFSONaとオキシ塩化リンとを反応させ、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸クロライドCHFCFSOClを得た。
2)CHFCFSOClと市販のトリフルオロメタンスルホンアミドCFSONHとをアセトニトリルを溶媒として反応させた後、LiOHで中和し、(CHFCFSO)(CFSO)NLiを得た。
3)(CHFCFSO)(CFSO)NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は7.3mS・cm−1であった。
<合成例2>
(CFCHFCFSO)(CFSO)NLiの合成
1)亜硫酸水素ナトリウムの25%水溶液500mlと四硼酸ナトリウム10水和物57.3gとヘキサフルオロプロピレン187gを圧力容器に入れ、90℃で50時間反応させた。反応液を濾過した後、乾固させた生成物をエタノールで抽出することにより、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロパンスルホン酸ナトリウムCFCHFCFSONaを得た。このCFCHFCFSONaとオキシ塩化リンとを反応させ、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロパンスルホン酸クロライドCFCHFCFSOClを得た。
2)CFCHFCFSOClと市販のトリフルオロメタンスルホンアミドCFSONHとをアセトニトリルを溶媒として反応させた後、LiOHで中和して、(CFCHFCFSO)(CFSO)NLiを得た。
3)(CFCHFCFSO)(CFSO)NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は6.7mS・cm−1であった。
<合成例3>
(CFCHFCFSO)(CHFCFSO)NLiの合成
1)合成例1で得たCHFCFSOClを過剰のアンモニアと反応させ1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホンアミドCHFCFSONHを得た。
2)このCHFCFSONHと合成例2で得られたCFCHFCFSOClとをアセトニトリルを溶媒として反応させた後、LiOHで中和して、(CFCHFCFSO)(CHFCFSO)NLiを得た。
3)(CFCHFCFSO)(CHFCFSO)NLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は6.1mS・cm−1であった。
<合成例4>
(CHFCFSONLiの合成
1)合成例1で得たCHFCFSOCl2モルと1モルのビス(トリメチルシリル)イミドリチウム((CHSi)NLiとをTHF溶媒中で反応させ、(CHFCFSONLiを得た。
2)(CHFCFSONLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、0.7mol・dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は3.8mS・cm−1であった。
<合成例5>
(CFCHFCFSONLiの合成
1)合成例2で得たCFCHFCFSOCl2モルと1モルのビス(トリメチルシリル)イミドリチウム((CHSi)NLiとをTHF溶媒中で反応させ、(CFCHFCFSONLiを得た。
2)(CHFCFSONLiをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、0.7mol・dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は2.6mS・cm−1であった。
<実施例1>
テトラメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例1で得られた(CHFCFSO)(CFSO)NLiとテトラメチル
アンモニウムブロマイド(CHNBrを反応させ、(CHFCFSO)(CFSO)N (CHNを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は16.8mS・cm−1であった。
<実施例2>
テトラエチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例2で得られた(CFCHFCFSO)(CFSO)NLiとテトラエチルアンモニウムブロマイド(CNBrを反応させ、(CFCHFCFSO)(CFSO)N(CNを得た。エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は14.8mS・cm−1であった。
<実施例3>
トリエチルメチルアンモニウム(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例3で得られた(CHFCFSO)(CFCHFCFSO)NLiとトリエチルメチルアンモニウムブロマイドCH(CNBrを反応させ、(CHFCFSO)(CFCHFCFSO)NCH(CNを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は13.3mS・cm−1であった。
<実施例4>
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例4で得られた(CHFCFSONLiと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイドを反応させ、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は12.9mS・cm−1であった。
<実施例5>
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドの合成と電解液の調製。
合成例5で得られた(CFCHFCFSONLiと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイドを反応させ、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドを得た。これをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:4の混合溶媒に溶解させ、1mol.dm−3の非水系電解液を調製した。この電解液の室温での電気伝導度は12.3mS・cm−1であった。
<実施例6>
アルミニウム箔の上に、微粒子黒鉛粉末とエチレン−アクリル酸樹脂をバインダーとして含有する導電性ペーストをバーコーターによって塗布し、乾燥することで厚み5μmの導電層を形成した。次いで、市販のピッチ系活性炭(BET比表面積1955m・g−1)81.6質量部、ケッチェンブラック6.1質量部およびポリフッ化ビニリデン12
.3質量部とN−メチルピロリドンを混合したものを、上記アルミニウム箔の片面に塗布、乾燥し、電極を作製した。
この電極を正極と負極とし、正極と負極の間にポリエチレン製のセパレータをはさみ込み、電極体を作成した。この電極体を容器に入れ、実施例1の(CHFCFSO)(CFSO)N(CHNをエチレンカーボネート/メチルエチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解した非水系電解液を注入して密閉し、図1に示す非水系電気化学素子(以下、単にキャパシタともいう。)を作製した.
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧0.5Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり96.5%であった。
一方、このキャパシタの高温フロート充電特性を次の条件で評価した。定電圧電源を用い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり93.2%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し80.2%の放電容量が得られた。
<実施例7>
非水系電解液として実施例2で得られた(CFCHFCFSO)(CFSO)N (CNをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり91.3%であった。
一方、このキャパシタの高温フロート充電特性を次の条件で評価した。定電圧電源を用い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり90.7%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し79.9%の放電容量が得られた。
<実施例8>
非水系電解液として実施例3で得られた(CHFCFSO)(CFCHFCFSO)NCH(CNをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり92.9%であった。
一方、このキャパシタの高温フロート充電特性を次の条件で評価した。定電圧電源を用
い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり93.1%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し75.3%の放電容量が得られた。
<実施例9>
非水系電解液として実施例4で得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニル)イミドをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり88.9%であった。
一方、このキャパシタの高温フロート充電特性を次の条件で評価した。定電圧電源を用い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり89.1%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し71.3%の放電容量が得られた。
<実施例10>
非水系電解液として実施例5で得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホニル)イミドをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させたものを用いた以外は実施例6と同じ操作を行ってキャパシタを作製した。
このキャパシタを定電流50C、充電終止電圧2.8Vの充電条件と定電流50C、放電終止電圧2.0Vの放電条件で、室温にて充放電サイクル試験を行なったところ100000サイクル目での放電容量維持率(100000サイクル後の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり85.9%であった。
一方、このキャパシタの高温フロート充電特性を次の条件で評価した。定電圧電源を用い、このキャパシタに2.8Vの電圧を印加した状態のまま、60℃に維持した恒温槽に1000時間保存した後、放電容量を測定した。放電容量維持率(保存試験後の放電容量を保存試験前の放電容量で割った百分率)は表1に示すとおり88.3%であった。
一方、このキャパシタの低温放電特性を温度−20℃、放電電流50Cの条件で行なったところ、表1に示すとおり、室温での放電容量に対し70.5%の放電容量が得られた。
<比較例1>
電解質として4フッ化硼酸テトラエチルアンモニウム(CNBFを用いた以外は実施例6と同じ操作を行って非水系電気化学素子を作製し、実施例6と同じ条件でサイクル性試験、高温フロート充電保存試験、低温放電特性試験を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
電解質としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラエチルアンモニウム
(CFSON(CNを用いた以外は実施例6と同じ操作を行って非水系電気化学素子を作製し、実施例6と同じ条件でサイクル性試験、高温フロート充電保存試験、低温放電特性試験を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
電解質としてビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドトリエチルメチルアンモニウム(CFCFSONCH(CNを用いた以外は実施例6と同じ操作を行って非水系電気化学素子を作製し、実施例6と同じ条件でサイクル性試験、高温フロート充電保存試験、低温放電特性試験を行なった。結果を表1に示す。
<実施例11>
60℃でのアルミニウムの電気化学的腐蝕性を次のように評価した。(CHFCFSO)(CFSO)N(CHNをエチレンカーボネート/メチルエチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解した非水系電解液を用い、作用電極をアルミニウム、対電極および参照電極をリチウム金属としたセルで作用極のアルミニウムを60℃で4.2Vに保持した時に流れるリーク電流を測定した。結果を表2に示す。リーク電流は60℃でのアルミニウムの電気化学的腐蝕性の程度を表し、小さい値の方が該腐食性が小さいことを示している。
<実施例12>
(CFCHFCFSO)(CFSO)N(CNをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネートの体積比1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させた非水系電解液を用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<実施例13>
(CHFCFSO)(CFCHFCFSO)NCH(CNをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネートの体積比1:1:2の混合溶媒に1mol.dm−3の濃度に溶解させた非水系電解液を用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<比較例4>
電解質として(CNBFを用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<比較例5>
電解質として(CFSON(CNを用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
<比較例6>
電解質として(CFCFSONCH(CNを用いた以外は実施例11と同じ操作を行い、リーク電流を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006324554
Figure 2006324554
本発明の電解質ならびに非水系電解液は、リチウム電池等の非水系一次電池、リチウムイオン二次電池等の非水系二次電池、非水系電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタやその他の非水系電気化学素子に利用できる。
本発明の実施例6乃至実施例10および比較例1乃至比較例3で用いたキャパシタの(a)平面図、(b)縦断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 正極リード端子
4 負極リード端子
5 セパレータ
6 電池容器

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質。
    (RSO)(RSO)NY (1)
    (RおよびRは、それぞれ独立にCF、CHFCF、及びCFCHFCFからなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、RおよびRがともにCFの場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
  2. とRが互いに異なった含フッ素有機アルキル基である請求項1記載の電解質。
  3. 下記一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液。
    (RSO)(RSO)NY (1)
    (RおよびRは、それぞれ独立にCF、CHFCF、及びCFCHFCFからなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、RおよびRがともにCFの場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
  4. とRが互いに異なった含フッ素有機アルキル基である請求項3記載の非水系電解液。
  5. 下記一般式(1)で示される少なくとも一種の含フッ素有機スルホニルイミド塩からなる電解質を含む非水系電解液を用いた非水系電気化学素子。
    (RSO)(RSO)NY (1)
    (RおよびRは、それぞれ独立にCF、CHFCF、及びCFCHFCFからなる群から選ばれた少なくとも1種の含フッ素有機アルキル基を表わす。但し、RおよびRがともにCFの場合を除く。また、Yは窒素原子を含むオニウムイオンを表わす。)
  6. とRが互いに異なった含フッ素有機アルキル基である請求項5記載の非水系電気化学素子。
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