JP2006314214A - 細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラム - Google Patents

細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2006314214A
JP2006314214A JP2005137854A JP2005137854A JP2006314214A JP 2006314214 A JP2006314214 A JP 2006314214A JP 2005137854 A JP2005137854 A JP 2005137854A JP 2005137854 A JP2005137854 A JP 2005137854A JP 2006314214 A JP2006314214 A JP 2006314214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
region
cells
observation
parameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005137854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4744187B2 (ja
Inventor
Satoshi Arai
敏 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2005137854A priority Critical patent/JP4744187B2/ja
Priority to PCT/JP2006/308888 priority patent/WO2006120924A1/ja
Priority to EP06732439A priority patent/EP1881061A1/en
Publication of JP2006314214A publication Critical patent/JP2006314214A/ja
Priority to US11/936,467 priority patent/US20080176276A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4744187B2 publication Critical patent/JP4744187B2/ja
Priority to US14/528,548 priority patent/US20150050687A1/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/46Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of cellular or enzymatic activity or functionality, e.g. cell viability
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V20/00Scenes; Scene-specific elements
    • G06V20/60Type of objects
    • G06V20/69Microscopic objects, e.g. biological cells or cellular parts
    • G06V20/695Preprocessing, e.g. image segmentation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】長期培養中の細胞に与えるダメージを最小限に抑えつつ、特殊な染料や特殊な遺伝子の導入を要せず、培養中の細胞の生死を精度よく判定できるようにする。
【解決手段】培養中に物理的な損傷を受けずに細胞死を起こした細胞は形状が概略円形となり、そのまま活動を停止し、概略円形の形状を維持する点に着目し、複数の時点で撮影されて計測された細胞領域Rt,mの特徴を示す細胞パラメータとしての円形度を閾値と比較し(ステップS732〜S735)、細胞の生死を判定する(ステップS736,S737)ことで、特殊な染料や特殊な遺伝子の導入を要せず、長期培養中の細胞に与えるダメージを最小限に抑えつつ、培養中の細胞の生死を精度よく判定できるようにした。
【選択図】 図16

Description

本発明は、生細胞を長期間培養しながら経時的に観察する細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラムに関するものである。
一般に、新しい薬品開発や細胞の培養などの分野において、細胞死の把握は、成分の適否、培養条件の決定等のために重要な要素の一つである。ここで、細胞死は、アポトーシス(プログラム細胞死)とネクロシス(壊死)とに分類される。アポトーシスは、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の活性化によって引き起こされ、発生や細胞数の調節にも関与する等、細胞の正常な活動の一環である。一方、ネクロシスは、外的な要因等による突発的な細胞の死であり、物理的な損傷の他、光、温度、化学物質等の毒性によって細胞死が引き起こされる場合が相当する。
従来、細胞死を検出するために様々な手法が提案されている。特許文献1は、細胞に細胞死判定液を適用し、細胞死の発生を光学的かつ経時的に観察する概念を開示している。また、特許文献2は、2種類の蛍光染料、すなわち生細菌標識用の蛍光染料と死細菌標識用の蛍光染料とを用いて細菌を標識し、これにパルス励起光を照射して蛍光を受光し、電気的に処理することで生死細菌数を精度よく計数する構成を開示している。特許文献3は、死細胞を選択的に染色して観察する手法に関して、細胞接着性膜パターン上に細胞を接着させて培養する点を特徴とする技術を開示しており、これにより、細胞数の計数が容易となり、細胞の正確な生存率を観測することができるという効果を奏している。生存率の正確な把握は、毒性試験における毒性の定量評価に重要である。
一方、特許文献4は、細胞死が起きると細胞外に漏洩するような特殊なマーカータンパク質を発現する遺伝子を細胞に導入し、マーカータンパク質の挙動を観察することで細胞死を検出する技術を開示している。細胞外でマーカータンパク質が観察されれば、それは細胞死があったことを意味する。
特開平5−184579号公報 特開2000−316596号公報 特許第3077628号公報 国際公開第02/052032号パンフレット
ところで、生細胞を長期培養しながら経時的に観察する場合、細胞へのダメージは最小限に抑える必要がある。化学物質の投与を含めた外的な環境変動は、細胞にとって程度の違いはあるものの少なからず毒性を有し、細胞の生存期間を縮める一因となり得る。すなわち、細胞死を観察するための試薬は、それ自体が細胞死の原因となり得る。ところが、特許文献1〜3のものは、死細胞を標識するために染料や試薬を投与しなくてはならず、長期培養中の生細胞にダメージを与えてしまうものであり、生細胞が培養過程で死滅する様子を精度よく観察するのには適さない。
一方、特許文献4のものは、マーカータンパク質を発現させて標識する方式であり、染料などを用いる場合と比較して毒性は低いものの、細胞死を観察するために、特別な遺伝子の導入を必須とする。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、長期培養中の細胞に与えるダメージを最小限に抑えつつ、特殊な染料や特殊な遺伝子の導入を要せず、培養中の細胞の生死を精度よく判定できる細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る細胞観察装置は、複数の時点で細胞を撮影して得られたそれぞれの画像の細胞画像データから細胞を示す細胞領域を認識する細胞認識手段と、該細胞認識手段で認識した前記細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを計測する細胞パラメータ計測手段と、該細胞パラメータ計測手段で計測した前記細胞パラメータと閾値とを比較して前記細胞の生死を判定する細胞生死判定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る細胞観察装置は、上記発明において、異なる時点で撮影されたそれぞれの画像の前記細胞画像データから認識された細胞領域同士の対応付けを行う細胞追跡手段をさらに備え、前記細胞生死判定手段は、前記細胞追跡手段で対応付けられたそれぞれの細胞領域について前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする。
請求項3に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞生死判定手段は、繰り返し行った比較の結果として同一の結論となる割合が所定の割合を下回る場合には前記細胞追跡手段で対応付けられた前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする。
請求項4に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞生死判定手段は、前記細胞追跡手段で1つの前記細胞領域に対して複数の前記細胞領域が対応付けられているときには該1つの前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする。
請求項5に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞生死判定手段は、観察対象となる前記細胞の平均的な細胞周期における分裂期より長くなるように設定された撮影期間に渡る複数の時点のそれぞれの前記細胞領域から計測された前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする。
請求項6に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の円形度を含むことを特徴とする。
請求項7に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の平均輝度を含むことを特徴とする。
請求項8に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域のエッジ強度を含むことを特徴とする。
請求項9に係る細胞観察装置は、上記発明において、細胞を培養する培養手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項10に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞は、蛍光タンパクを導入した細胞であることを特徴とする。
請求項11に係る細胞観察装置は、上記発明において、前記細胞は、局在化せずに発現する蛍光タンパクを導入した細胞であることを特徴とする。
請求項12に係る細胞観察装置は、上記発明において、複数の時点で細胞を撮影した画像を取得する撮像手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項13に係る細胞観察プログラムは、細胞観察装置で細胞の観察を行う細胞観察プログラムであって、前記細胞観察装置に、複数の時点で細胞を撮影して得られたそれぞれの画像の細胞画像データから細胞を示す細胞領域を認識する細胞認識ステップと、該細胞認識ステップで認識した前記細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを計測する細胞パラメータ計測ステップと、該細胞パラメータ計測ステップで計測した前記細胞パラメータと閾値とを比較して前記細胞の生死を判定する細胞生死判定ステップと、を実行させることを特徴とする。
請求項14に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、異なる時点で撮影されたそれぞれの画像の前記細胞画像データから認識された細胞領域同士の対応付けを行う細胞追跡ステップをさらに含み、前記細胞生死判定ステップは、前記細胞追跡ステップで対応付けられたそれぞれの細胞領域について前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする。
請求項15に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、前記細胞生死判定ステップは、繰り返し行った比較の結果として同一の結論となる割合が所定の割合を下回る場合には前記細胞追跡ステップで対応付けられた前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする。
請求項16に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、前記細胞生死判定ステップは、前記細胞追跡ステップで1つの前記細胞領域に対して複数の前記細胞領域が対応付けられているときには該1つの前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする。
請求項17に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、前記細胞生死判定ステップは、観察対象となる前記細胞の平均的な細胞周期における分裂期より長くなるように設定された撮影期間に渡る複数の時点のそれぞれの前記細胞領域から計測された前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする。
請求項18に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の円形度を含むことを特徴とする。
請求項19に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の平均輝度を含むことを特徴とする。
請求項20に係る細胞観察プログラムは、上記発明において、前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域のエッジ強度を含むことを特徴とする。
請求項21に係る細胞観察方法は、細胞を培養する培養手段と、該培養手段に収容されている細胞を撮影する撮像手段とを備えた細胞観察装置で細胞の観察を行う細胞観察方法であって、前記培養手段で培養している最中の細胞を前記撮像手段によって複数の時点で撮影して得られたそれぞれの画像の細胞画像データから細胞を示す細胞領域を認識する細胞認識工程と、該細胞認識工程で認識した前記細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを計測する細胞パラメータ計測工程と、該細胞パラメータ計測工程で計測した前記細胞パラメータと閾値とを比較して前記細胞の生死を判定する細胞生死判定工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項22に係る細胞観察方法は、上記発明において、異なる時点で撮影されたそれぞれの画像の前記細胞画像データから認識された細胞領域同士の対応付けを行う細胞追跡工程をさらに含み、前記細胞生死判定工程は、前記細胞追跡工程で対応付けられたそれぞれの細胞領域について前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする。
本発明に係る細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラムによれば、複数の時点で撮影されて計測された細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを閾値と比較することで、細胞の生死を判定するようにしたので、長期培養中の細胞に与えるダメージを最小限に抑えつつ、特殊な染料や遺伝子の導入を要せず、培養中の細胞の生死を精度よく判定することができるという効果を奏する。加えて、細胞追跡によって対応付けられたそれぞれの細胞領域についてそれぞれの細胞パラメータと閾値との比較を繰り返し行って細胞の生死を判定することで、個々の細胞の生死の判定を一層正確に行うことができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施の形態について詳述する。本発明の実施の形態に係る細胞観察装置は、蛍光タンパクを導入した複数の生細胞を長期間培養したまま撮像し、個々の細胞の領域を認識し、経時的な位置変化を追尾しつつ、個々の細胞の特徴を示す細胞パラメータを独立に計測した上で、さらに細胞の生死を検出する。
図1は、本実施の形態に係る細胞観察装置の構成例を示す概略ブロック図である。本実施の形態に係る細胞観察装置は、概略的には、細胞を培養する培養部101と、この培養部101に収容されている細胞を撮像する撮像部201と、細胞観察装置の全体の処理及び動作を制御する制御部301と、撮像部201で撮像した画像のデータや処理後のデータなどの各種データを集中して一時的或いは永続的に記録する記録部302と、各種情報の入力を受ける入力部303と、画像情報等の各種情報を表示して操作者に提示する表示部304とを備える他、前処理部305、細胞認識部306、パラメータ計測部307、細胞追跡部308、露出検出部309、撮像回数計数部310、占有面積算出部311、合焦検出部312、及び細胞生死判定部313を備える。これらの各部302〜313は、制御部301に接続され、制御部301により制御される。なお、図1では、制御部301から培養部101や撮像部201に対する制御接続は特に図示していない。また、制御部301、前処理部305、細胞認識部306、パラメータ計測部307、細胞追跡部308、露出検出部309、撮像回数計数部310、占有面積算出部311、合焦検出部312、及び細胞生死判定部313によって行われる各処理は、細胞観察装置に搭載されたCPUがROM等のメモリに記憶された処理プログラムに基づいて、適宜RAM等の記憶装置に必要なデータを書き込みながら行われる。
まず、培養部101について説明する。スライドガラス102は、局在化せずに発現する蛍光タンパクをあらかじめ導入した複数の生細胞Cを保持し、培養部101内に設置されている。この培養部101は、例えば特開2004−113175号公報によって開示された培養容器と同様の構成である。この場合、蛍光タンパクは局在化しないものであれば何でも良く、一般的なクラゲ由来の蛍光タンパク等が利用可能で、一例としてBDバイオサイエンス・クロンテック社のpEGFP−N1を使用することができる。
図2は、培養部101の構成例を示す水平断面図であり、図3は、培養部101の構成例を示す縦断正面図である。培養手段としての培養部101は、図2及び図3に示すように、スライドガラス102を内部に収容可能な表裏貫通孔103を有する熱伝導に優れた材質、例えば、ステンレス製又はアルミニウム製の筐体104と、その筐体104の表裏貫通孔103を塞ぐ光学的に平滑な2枚のガラス板で形成された観察窓105と、筐体104内部に培養液Aを供給する培養液供給パイプ106と、筐体104内部から不要となった培養液Aを排出する培養液排出パイプ107と、筐体104への培養液Aの出入口に設けられた2つの整流板108とを備えている。
生細胞Cを健全に育成するためには、スライドガラス102上の全域に渡って常に新鮮な培養液Aが供給されることが望ましい。しかし、培養液Aの流れが急激な場合、スライドガラス102上に着床した生細胞Cが剥離する可能性がある。このため、本実施の形態は、各パイプ106,107付近に整流板108を設置し、培養液Aの流れを均一に分散、回収できるようにしている。
図4は、整流板108の構成例を示す斜視図である。整流板108は、図4に示すように、厚さ方向に複数の貫通孔108aを形成した多孔性の部材である。入口側の整流板108は、培養液供給パイプ106から流入する培養液Aを複数の貫通孔108aに分散させて流通させ、出口側の整流板108は、培養液排出パイプ107を経て一気に流出しようとする培養液Aを複数の貫通孔108aに分散させて流通させる。これにより、集中的な流れを分散流に変換し、生細胞Cが配置されているスライドガラス102近傍において、一定の流速及び流量で培養液Aを流動させることができる。
培養部101には、温度制御ユニット109が取り付けられ、培養部101の周囲に温水Wを流通させる温水流路110を形成する。温水流路110に温水Wを循環させることにより、筐体104を介して温水の熱を培養液Aに伝達させる。この時、図示しない温度センサからの温度情報が制御部301に所定時間間隔毎に伝達され、制御部301は培養部101内の温度が37±0.5℃の範囲に維持されるように温水Wの温度と流量を制御する。
また、図示しないpHセンサによって培養液AのpH情報が制御部301に所定時間間隔毎に伝達され、制御部301は培養液のpHが所定の範囲に維持されるように培養液A内のCO2濃度を制御する。
未使用の培養液は、図示しない培養液保存部に保存されており、経時的な劣化を抑えるため、図示しない保冷機構で約4℃に保冷される。保冷された培養液は、図示しない培養液加温機構によって約37℃に加温された後、培養液供給パイプ106を通じて筐体104内に供給される。
培養液排出パイプ107を通じて排出された培養液は、図示しない廃液保存部に保存される。排出された培養液の一部を新鮮な培養液と混合して筐体104内に供給する構成としても良く、この場合、培養液の交換に伴う細胞への衝撃を和らげ、より長期の培養に適した構成となる。
図5は、培養部101側と撮像部201側との境界部分の断熱構成例を示す断面図である。培養部101の発する熱は、断熱手段としての断熱部111を設けることで、撮像部201側には伝達しないようにする。培養部101と撮像部201との断熱を行う断熱部111の設置個所は、種々考えられるが、本実施の形態では、培養部101の筐体104と撮像部201を構成する撮像素子との間に断熱部111を設置している。断熱部111は、断熱性が高く伸縮性のある部材、例えばゴム、シリコン、ポリウレタン等を使用したシート状であって、対物レンズ202と概略同じ直径の貫通孔112が設けられている。培養部101と対物レンズ202とは貫通孔112を通して光学的に接続されており、自由に光線をやり取りできる。一方、培養部101の発する熱は断熱部111によってそのほとんどが遮られる。一般に、光学系は25℃前後での使用を前提として調整されており、培養部101からの熱で加熱されると想定した性能を発揮できない。特に、撮像部201の備えるCCD等の固体撮像素子は、高温になる程ノイズが増加してS/Nが劣化するため、微弱な蛍光を捉えるためにはできるだけ低温(ただし、結露させない)に保つ必要がある。
培養手段としては、培養部101のように培養液の交換を行うことができるものを用いるとより好ましいが、一般的なウェルプレートを用いて細胞を観察することも可能である。ただし、一般的なウェルプレートを用いた場合には、環境状態を維持したまま培養液を交換することができないため、培養部101を用いる場合に比べて、細胞の代謝に伴う培養液の劣化の影響で培養期間は短期に制限されてしまう。
以上の構成により、培養部101内部の温度と培養液AのpHはほぼ一定に保たれている。測定試料となる生細胞の一例として、ヒーラ細胞を用いる。ヒーラ細胞は、子宮頸癌由来であり、創薬毒性試験等で広く用いられている。導入する蛍光タンパクの種類は、アッセイの内容に応じて変更しても良い。
次に、撮像部201について説明する。撮像部201は、励起光照明部203と、ダイクロイックミラー204と、対物光学系と205と、結像光学系206と、蛍光撮像部207と、赤外光照明部208と、ダイクロイックミラー209と、結像光学系210と、赤外光撮像部211とを有して構成されている。すなわち、本実施の形態の撮像部201は、蛍光撮像系と赤外光撮像系とを有する構成とされている。
まず、励起光照明部203から放射された光は、ダイクロイックミラー204によって反射され、対物レンズ202を含む対物光学系205と観察窓105を経てスライドガラス102に照射される。照射された光を励起光として、スライドガラス102上の生細胞Cに導入された蛍光タンパクから蛍光が発せられ、励起光の反射光と蛍光は共に観察窓105から射出される。射出された光は、再度対物光学系205を通過し、ダイクロイックミラー204に到達するが、蛍光のみが透過し、励起光の反射光は遮断される。ダイクロイックミラー204を透過した蛍光は、結像光学系206によって細胞光撮像手段としての蛍光撮像部207が備えるCCDやCMOS等の固体撮像素子上に拡大投影されて結像する。
結像した測定試料の蛍光像を蛍光撮像部207が備える固体撮像素子によって画像データに変換し、制御部301による制御の下に記録部302において一時的或いは永続的に記録する。図6は、蛍光撮像された培養中の細胞画像の一例を示す説明図である。
また、赤外光照明部208から放射された光は、一方の観察窓105を経てスライドガラス102に照射され、その透過光が他方の観察窓105から射出される。射出された光は、対物光学系205を通過し、ダイクロイックミラー209に到達するが、赤外光は全て反射される。反射された赤外光は、結像光学系210によって赤外光撮像手段としての赤外光撮像部211が備えるCCDやCMOS等の固体撮像素子上に拡大投影されて結像する。結像した測定試料の赤外光像を赤外光撮像部211が備えるCCDやCMOS等の固体撮像素子によって画像データに変換し、制御部301による制御の下に、記録部302において一時的或いは永続的に記録する。
一般に、蛍光タンパクは全ての細胞に均等に導入できる訳ではなく、また導入できた場合でも直ちに発現するとは限らないため、細胞の全体像を経時的に安定して観察する手段が必要であり、本実施の形態では赤外光像がこれに当たる。赤外光像を表示する場合、初期状態では蛍光タンパクが殆ど或いは全く発現していない測定試料であっても、細胞像を視認しながら観察範囲の確認や調整を行える。
赤外光は、可視光と比較して生細胞に対する光毒性が低いため、可視光を用いて撮像した場合と比較して、より長期間細胞の活性を維持することができる。また、蛍光撮像用の励起光として可視光全域を使用できるようになるため、利用可能な蛍光タンパクの制約が緩和される。
このように、本実施の形態の撮像部201によれば、蛍光撮像部207や赤外光撮像部211を用いてスライドガラス102上の生細胞Cを撮像することで、生細胞Cを撮像した画像の画像データである細胞画像データを取得することが可能である。本実施の形態では、制御部301の制御により、あらかじめ設定した時間間隔で自動的に蛍光撮像部207によって撮像を行う。そして、細胞の様子を観察したいときに、必要に応じて、ユーザが所望の時期に赤外光撮像部211を用いた生細胞Cの観察を行うことができる。なお、赤外光撮像部211による撮像は、ユーザが所望の時期に行うばかりではなく、制御部301の制御によって、蛍光撮像部207による撮像と同期したタイミングで行えば、赤外光像と蛍光像との対応付けが容易になるだけでなく、両画像に含まれる生細胞C同士の対応付けも容易になる。その結果、生細胞Cを長期に培養しながら観察する場合に、細胞の活性低下を抑えながら、効率よく生細胞Cの観察を行うことが可能となる。蛍光像や赤外光像を撮像した時間を、表示部304に表示する機能を付加してもよい。
本実施の形態の構成は、蛍光撮像部207と赤外光撮像部211とを備えるため、蛍光像の撮像と赤外光像の撮像とを並行して行うことができ、両者を切り替えながら撮像する場合と比較して、撮像に要する時間が大幅に短縮され、切り替え用の駆動部も不要である。
赤外光照明部208にリング絞りを加え、ダイクロイックミラー209から結像光学系210に至る光路に位相板を挿入すれば、透過観察に代えて位相差観察を行うことができる。位相差観察は、透過観察と比較して、よりコントラストの高い画像が得られる。
赤外光照明部208にポラライザとDIC(Differential Interference Contrast)素子を挿入し、ダイクロイックミラー209から結像光学系210に至る光路にDICスライダとアナライザを挿入すれば、透過観察に代えて微分干渉観察を行うことができる。微分干渉観察は、透過観察と比較して、よりコントラストの高い画像が得られる。
ステージ搬送機構113によって、スライドガラス102と、蛍光撮像部207や赤外光撮像部211が備える固体撮像素子との相対位置を変化させながら、各視野(撮像範囲)について必要な回数だけ撮像と記録を反復し、細胞画像データを取得する。複数の視野を切り替えながら撮像する場合は、各視野でのステージ位置を記録しておき、各視野の2回目以降の撮像に先立って、ステージ搬送機構113によりステージ位置を再現する。図7は、複数の視野(視野1〜N)による撮像の様子を示す説明図である。各視野の位置は任意であり、また、特に格子状に限定されるものではない。また、視野同士に重なりがあってもよい。図8は、各視野1〜Nの撮像タイミング例を示す説明図である。各視野1〜Nは、撮像間隔が概略一定となるように所定の順番で撮像を行う。
ここで、露出検出部309により画像データ撮像時の露出が適正であったか否かを検出する。撮像時の露出が不適正だった場合、直ちに或いは他の任意の観察部位の撮像が完了した時点で、露出不適正部位の撮像をやり直す。この際、露出条件を変更しても良い。同様に、合焦検出部312により画像データ撮像時の焦点合わせが適正であったか否かを検出する。撮像時の焦点合わせが不適正だった場合、直ちに或いは他の任意の観察部位の撮像が完了した時点で、合焦不適正部位の撮像をやり直す。この際、焦点合わせの条件を変更しても良い。
また、培養部101内は培養液Aが循環しているが、撮像を行うタイミングに合わせて一時的に循環を停止させても良い。これにより、培養液の流通に由来する撮像時の背景の揺らぎを回避することができる。
さらに、所定の視野における撮像回数を撮像時点認識手段としての撮像回数計数部310により計数し、所定の視野の所定回数(フレーム)の撮像後、報知手段としての表示部304に画像を表示し、その内容について操作者に確認を求めるようにしてもよい。内容に問題が無いと操作者が判断した場合は処理を継続し、問題ありと判断した場合は、撮像条件の再設定について操作者からの指示を受け付ける。或いは、単に処理を中止してもよい。一定時間経っても操作者からの応答が無い場合は、既定の指示に従い、処理の継続或いは中止を選択する。
なお、本実施の形態では、蛍光撮像部207(又は、赤外光撮像部211)による撮像回数を計数し、所定回数の撮像後に操作者に画像の確認を求めるようにしたが、撮像回数を基準にするだけではなく、撮像時点認識手段として、観察開始から所定時間の経過を計測する手段(例えば、細胞画像データを撮像した時刻の情報も取得して、その時刻があらかじめ定めた時刻を超えた場合に、所定時点の細胞画像データを取得したことを認識する)を設けることで、画像の確認を行うようにしてもよい。
培養期間が長期となると、培養中の細胞に関して、想定した範囲を逸脱した増殖、死滅、画像輝度値の過大等が起こる可能性があり、或る時点で細胞観察にとって適切な画像を取得できなくなる場合も予想される。そこで、上述のように、所定の時点が経過したことを操作者に認識させたり、処理を中止したりすることで、操作者はそれまでに取得した画像や、その時点の画像を確認して、その後の細胞観察を適切に行うことが可能となる。
ついで、撮像した画像のうち、蛍光撮像部207で取得した画像データの処理手順について説明する。図9は、制御部301による制御の下に、前処理部305等により実行される画像データ処理例を示す概略フローチャートである。前述したような撮像部201による細胞画像の撮像(ステップS1)に引き続き、前処理部305で前処理を行い(ステップS2)、細胞認識手段としての細胞認識部306で細胞を認識する(ステップS3)。ついで、認識した細胞の特徴を示す細胞パラメータを細胞パラメータ計測手段としてのパラメータ計測部307で細胞画像データに基づき計測する(ステップS4)。さらに、
細胞追跡手段としての細胞追跡部308で、異なる時点で撮像された画像の細胞画像データから認識された異なる時点の細胞同士の同一性を細胞パラメータに基づいて判別する(ステップS5)。或いは、さらに追跡結果を修正する(ステップS6)。さらに、細胞生死判定手段としての細胞生死判定部313で、細胞の生死を判定する(ステップS7)。そして、得られた追跡結果、生死判定結果等を表示部304に表示させ(ステップS8)、観察が終了するまで(ステップS9:Yes)、上述の処理ステップを同様に繰り返す。
なお、ステップS1(又は、ステップS1及びステップS2)の処理を、複数の時期においてあらかじめ行っておいて、各時期に取得した画像データに対するステップS2以降(又は、ステップS3以降)の処理を後にまとめて行うようにしてもよい。このように、複数の時期において撮像した画像データをあらかじめ取得しておいて、後にまとめて画像データの処理を行うようにする場合、撮像と画像データの処理とを並行して行う場合と比較し、装置構成が単純化され、安価な計算機を用いて応答性と安定性を向上させることができる。
各処理ステップの内容を個別に説明する。撮像し記録部302に記録された細胞画像データを、ステップS2では、前処理部305において以下のように処理する。まず、細胞画像データにエッジ保存型のローパスフィルタを適用する。エッジ保存型のローパスフィルタは、エッジ部における空間周波数高周波成分の劣化を抑えつつ、エッジ部以外に平滑化の効果をもたらすものであり、細胞の輪郭情報を保存したままノイズ除去ができる点で、本手法に好適である。
このような要件を満たすフィルタとして、バイラテラルフィルタ(Tomasi & Manduchi,"Bilateral Filtering for Gray and Color Images", Proceedings of the 1998 IEEE International Conference on Computer Vision, Bombay, India参照)が知られており、本手法でもこれを使用する。
次に、エッジ保存型ローパスフィルタ適用後の細胞画像データに、さらにエッジ強調のための先鋭化フィルタを適用する。先鋭化フィルタは、注目画素とその近傍の8画素に例えば図10に示すような重み付けを行って総和を求めるフィルタであり、これを画素毎に反復実行することで、先鋭化処理が実現できる。
ステップS3では、前処理後の細胞画像データを、細胞認識部306において以下のような手順で分析し、個々の細胞の占める領域を認識する。この手順に従えば、細胞が互いに隣接せずに散在する場合だけでなく、細胞が互いに隣接し、密集している場合にも個々の細胞の占める領域を認識できる。また、細胞領域のエッジが明瞭でない場合にも適用することができる。
まず、画像を高輝度画素の集中する領域毎に領域分割する。一般に、蛍光画像において、細胞は高輝度画素の塊の様相を呈するため、高輝度画素の集中する領域(塊)毎に領域分割することは、画像を細胞毎の領域に分割することに相当する。
このような要件を満たす処理として、分水嶺領域分割が知られている。本実施の形態の細胞認識の処理手順として、この分水嶺領域分割方式を使用する(Vincent & Soille , "Watersheds in Digital Spaces: An Efficient Algorithm Based on Immersion Simulations", IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, VOL.13, NO.6, JUNE 1991参照)。原論文における分水嶺領域分割は、画像を低輝度画素の集中する領域に分割するものであるが、ここでは輝度を反転して考え、高輝度領域の分割に適用する。得られた領域分割結果における個々の領域が細胞領域となる。
ここで、隣接する細胞領域の特性に応じて複数の細胞領域を統合し新たな1つの細胞領域とするような、統合処理を行っても良い。分水嶺領域分割処理の結果は、一般に、小領域に分割され易い傾向があるため、統合処理を行うことで認識結果の品質を高めることができる。
領域統合の第1の手法を、図11を参照して説明する。図11は、領域統合の第1の手法例を示す概略フローチャートである。まず、各細胞領域において輝度が最大となる点、すなわち輝度の頂点を求める(ステップS311)。次に、隣接する任意の2つの細胞領域を選択し(ステップS312)、それらの頂点間を結ぶ線分に沿った道のり距離DUWを求める(ステップS313)。道のり距離DUWの計算には式(1)を用いる。
Figure 2006314214
ここで、I(P)は、エッジ保存型ローパスフィルタ適用後の画像における画素Pの輝度値、/I(PS)は、エッジ保存型ローパスフィルタ適用後の画像における2つの頂点の輝度値の平均、Σは、頂点間を結ぶ線分の全画素について総和を求めることを表す。
ステップS313で、隣接する細胞領域の全ての組み合わせについて頂点間の道のり距離DUWを求めた後、ステップS314で、この道のり距離DUWと所定の閾値VUWとの比較を行う。比較の結果、所定の閾値VUW以下である場合には(ステップS314:Yes)、細胞領域同士を1つの領域に統合する(ステップS315)。このような処理を全組み合わせについて完了するまで(ステップS316:Yes)、同様に繰り返す。
領域統合の第2の手法を、図12を参照して説明する。図12は、領域統合の第2の手法例を示す概略フローチャートである。まず、エッジ保存型ローパスフィルタの出力結果にエッジ抽出フィルタ、例えばSobelフィルタを適用してエッジ画像を得る(ステップS321)。任意の隣接する細胞領域間の境界を考えて、隣接する任意の2つの細胞領域を選択し(ステップS322)、式(2)で定義されるエッジ強度DUEを求める(ステップS323)。
Figure 2006314214
ここで、E(P)は、エッジ画像における画素Pの輝度値、Σは、細胞領域間の境界に含まれる全画素について総和を求めることを表す。
ステップS323で、隣接する細胞領域の全ての組み合わせについてエッジ強度DUEを求めた後、ステップS324で、このエッジ強度DUEと所定の閾値VUEとの比較を行う。比較の結果、所定の閾値VUE以下である場合には(ステップS324:Yes)、細胞領域同士を1つの領域に統合する(ステップS325)。このような処理を全組み合わせについて完了するまで(ステップS326:Yes)、同様に繰り返す。
これらの第1,第2の領域統合の手法は、それぞれ別個に使用しても良いし、任意の順番で連続して用いても良い。さらに、輝度情報を用いて各細胞領域の妥当性を検証しても良い。そのためには、分割された細胞領域毎に輝度値が最大となる画素を求め、その輝度値が所定の閾値Vtminより小さい場合、その領域は細胞領域ではないと判定し、所属する画素も含めて以降の処理の対象から除外する。これにより、蛍光タンパクの導入又は発現が不十分な細胞、及び細胞ではない背景領域を除外することができる。
さらに、細胞領域内の各画素の輝度を所定の閾値Vpminと比較し、閾値Vpminより輝度の小さい画素を細胞領域から除外しても良い。こうして除外された画素は、以降の処理には使用しない。これにより、細胞領域の中でもS/Nの低い低輝度部位を除外することができ、細胞領域の境界形状をより正確に認識することが可能となる。
得られた細胞領域、及び各細胞領域に属する画素の集合を記録部302に記録する。
なお、赤外光撮像部211が撮像した赤外光画像を用いて細胞領域を認識することも可能である。赤外光画像が位相差画像である場合、細胞の存在する領域の輝度値は、背景とは異なる輝度値として観察される。したがって、画像内の各画素について代表的な背景の輝度値PBGとの差を求め、差が所定の閾値VPGより大きな画素のみを抽出し、一般的なラベリング処理を行って隣接する画素を統合すれば、細胞領域を認識することができる。
図9の処理に戻り、ステップS4では、パラメータ計測部307において、細胞認識部306で認識した細胞領域毎に細胞パラメータを計測し、その計測結果を記録部302に記録する。図13は、記録部302に記録された細胞パラメータの計測結果例を示す説明図である。ただし、Mは認識された細胞領域の数である。本実施の形態では、細胞パラメータは、例えば、重心位置、面積、円形度、輝度の総和、平均輝度、輝度の標準偏差を測定項目対象としており、細胞画像データ及び細胞領域と関連付けて記録部302に記録する。アッセイの内容に応じて、周囲長、フェレ径、長さ、幅、最大輝度等の一般的な測定項目を追加しても良い。
ここで、本実施の形態は、画像内の全ての細胞の面積の総和、すなわち画像内で細胞領域の占める度合いを示す細胞占有値に相当する面積を占有面積算出手段としての占有面積算出部311で算出し、画像内で細胞領域の占める面積が、画像の面積に対して所定の割合を超えた場合、制御部301にその事象を通知する。この場合、制御部301はあらかじめ指定された設定に従い、報知手段としての表示部304を通じて操作者にさらに報知しても良いし、培養部101の制御状態を変更しても良い。或いは単に通知を無視しても構わない。この機能は、培養が長期になると、細胞の増殖等によって培地の空きスペースが減少することがあるので、細胞培養の過程において培地の空きスペースが不足してきていることを通知する場合に有効である。
占有面積計算部311は、細胞画像内で細胞領域の占める面積を細胞占有値として求めるものである。細胞画像は、蛍光画像或いは赤外光画像のいずれであっても構わない。蛍光画像を対象とする場合、パラメータ計測部307により細胞領域の面積が計測されているので、画像内の全ての細胞領域の面積を合計すれば、画像内で細胞領域の占める面積を求めることができる。赤外光画像を対象とする場合、細胞の存在する領域の輝度値は、背景とは異なる輝度値として観察される。したがって、まず画像内の各画素について代表的な背景の輝度値PBGとの差を求め、差が所定の閾値VPGより大きな画素のみを抽出する。さらに、画像内で抽出された画素の数を計数すれば、画像内で細胞領域の占める面積が得られる。
以上の手順により、複数の細胞画像を含む単一の細胞画像に関して、個々の細胞の領域を求めた上で細胞パラメータを計測することができる。所定の時間間隔Δt毎に細胞画像の撮像とパラメータ計測とを反復して行うことで、細胞パラメータを時間経過に伴って蓄積することができる。
ここで、このままの処理では、異なる時刻に計測された細胞パラメータ同士が関連付けられておらず、経時的に計測した状態とは言えない。そこで、異なる時刻に撮影された細胞画像間において、細胞領域の対応付けを行い、その結果を用いて細胞パラメータ同士の関連付けを行う必要がある。
細胞領域の対応付けは、細胞追跡部308において、ステップS5,S6の処理として以下のように実行される。ここで、時刻t1において認識された細胞領域をRt1,m、時刻t2において認識された細胞領域をRt2,nと表すものとする。ただし、時刻t2は時刻t1より時系列的に後の時刻である。m,nは同一画像内で重複の無い細胞領域の識別番号で、1≦m≦M,1≦n≦Nであり、MとNはそれぞれ時刻t1,t2で認識された細胞領域の数を表す。
まず、2つの細胞領域Rt1,mとRt2,nの関連性に関する評価関数を式(3)で定義する。式(3)で計算される評価値J1が小さい程、2つの領域は関連性が高く、同一の細胞を示している可能性が高いと言える
[数3]
1=J1(Rt1,m,Rt2,n)=kdδd+kaδa+kcδc ……(3)
δd:重心間の距離
δa:面積の差
δc:円形度の差
d,ka,kc:所定の重み付け係数
図14は、mとnの可能な組み合わせについて評価値を計算した結果を示す説明図である。ただし、図14では記述の簡便のため、J1(Rt1,m,Rt2,n)をJm,nと簡略表記している。
ここで、時刻t1の領域Rt1,mに対応する時刻t2の領域Rt2,n^を式(4)に従って決定する。すなわち、Rt2,n^とは、領域Rt1,mとの間の評価値J1を最小化するような時刻t2の領域である。
Figure 2006314214
評価値J1が最小となるn^が複数存在する場合、それらに対して式(5)に示す第2の評価関数を適用し、評価値J2が、より小さくなる組み合わせを決定する。第2の評価値J2が最小となる組み合わせも複数あった場合、操作者へのメッセージを表示部304に表示し、操作者が正しいと判断する組み合わせを入力部303より入力させ、入力結果に基づいて対応付けを行う。
[数5]
2=J2(Rt1,m,Rt2,n)=ksδs+kmδm+kvδv ……(5)
δs:輝度の総和の差
δm:平均輝度の差
δv:輝度の標準偏差の差
s,km,kv:所定の重み付け係数
ただし、評価値J1,J2の両方を求めず、どちらか一方のみを用いることで処理を高速化しても良い。また、操作者へのメッセージ表示、及び操作者からの入力ステップを省略し、評価値J1又はJ2を最小化する複数の対応関係を全て記録するようにしても良い。
時刻t1の領域Rt1,mと時刻t2の領域Rt2,n^は、同一の細胞を異なる時刻に認識した結果と考えられるから、両者の計測済みの細胞パラメータも同一の細胞に対する異なる時刻での計測値とみなせる。そこで、細胞パラメータの値を、細胞画像、細胞領域、細胞領域の対応付け情報、時刻情報と関連付け、併せて記録手段としての記録部302に記録することで、経時的なパラメータ計測が完了する。
経時的に、蛍光タンパクが新たに発現し蛍光を発するようになった場合、観察画面外にあった細胞が観察画面内へと移動した場合、重なり合っていた複数の細胞が分かれた場合、又は細胞が分裂した場合は、細胞認識部306において認識される細胞領域の数が増加するため、時刻t2の細胞領域に対応する時刻t1の細胞領域が存在しない場合や、時刻t2の複数の細胞が時刻t1の1つの細胞に対応する場合が発生する。
また、経時的に、蛍光タンパクの蛍光強度が低下した場合、観察画面内にあった細胞が観察画面外へと移動した場合、複数の細胞が重なり合った場合、又は細胞が死滅した場合は、細胞認識部306において認識される細胞領域の数が減少するため、時刻t1の細胞領域に対応する時刻t2の細胞領域が存在しない場合や、時刻t1の複数の細胞が時刻t2の1つの細胞に対応する場合が発生する。
対応する細胞領域が無い場合は、対応領域が無いことを意味するフラグを記録する。1つの細胞領域に複数の細胞領域が対応する場合は、全ての対応関係を記録する。表示部304を通じて操作者にメッセージを表示し、操作者からの入力を元に対応関係を修正しても良い。複数の細胞領域の対応を記録する際のデータ表現は、各時刻を高さに、各細胞領域を節点に対応させた木構造を用いる。表現の自由度がより高いグラフ構造を用いても良い。
なお、細胞領域の対応付けに関しては、以下のような改良を加えた変形例であってもよい。第1の変形例は、最小の評価値Jが所定の閾値Vjmaxより大きい場合、その対応付けは無効とみなす。この場合、領域Rt1,mに対応する時刻t2の領域は発見できなかったとし、領域Rt1,mに対する経時的パラメータ計測は時刻t1までで打ち切る。この変形例は、ノイズの影響を低減させるために有効である。
第2の変形例は、領域Rt1,mと対応する領域Rt2,n^の重心間距離を求め、重心間距離が所定の閾値Vdmaxより大きかった場合、その対応付けは無効とみなす。この場合、領域Rt1,mに対応する時刻t2の領域は発見できなかったとし、領域Rt1,mに対する経時的パラメータ計測は時刻t1までで打ち切る。この変形例は、細胞領域対応付け処理の誤りを低減させるために有効である。
以上の手順により、細胞のパラメータを経時的に計測することができる。
次に、ステップS7では、細胞生死判定部313において各細胞の生死を判定する。細胞生死判定部313における細胞生死の判定には、以下に示すように複数の処理手順が存在し、これらのうち1つ以上の手順を用いて判定処理を行う。
図15は、細胞生死判定処理の第1の処理手順を示す概略フローチャートである。図15に示す概略フローチャートは、培養中に物理的な損傷を受けずに細胞死を起こした細胞は、形状が概略円形となり、そのまま活動を停止し、概略円形の形状を維持するという細胞の特性に基づいた細胞生死判定処理手順を例示する。
まず、細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレームから所定のNF1フレーム前まで1フレームずつ経時的に遡り、異なる時点で撮影されたそれぞれのフレーム中の細胞領域Rt,mの円形度Cを細胞パラメータとして取得し、取得した円形度Cを所定の閾値VCと比較し、閾値VCを超えているか否かを判定する処理をフレーム毎に繰り返し行う(ステップS711〜S714)。ここに、円形度Cは、細胞領域Rt,mの面積をA、輪郭の長さ(周囲長)をLとした場合、C=4πA/L2 で定義され、細胞形状が丸くなった程度を判定する尺度として利用する。
そして、時刻tのフレームからNF1フレーム前までの複数のフレーム中、所定の閾値P11%以上のフレームで、円形度Cが閾値VCより大きいかを判定する(ステップS715)。閾値P11%以上のフレームで円形度Cが閾値VCより大きい場合には(ステップS715:Yes)、細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレームから所定のNF1フレーム前まで1フレームずつ経時的に遡り、そのフレーム期間での細胞領域Rt,mの経時的な対応付けの結果を取得し、1対1の対応であるかの判定をフレーム毎に繰り返し行う(ステップS716〜S719)。このフレーム期間内で所定の閾値P12%以上のフレームで対応付けが1対1であった場合には(ステップS720:Yes)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死と判定する(ステップS721)。経時的に同一とみなせる細胞領域が細胞死により丸くなった状態を維持していると認定できるためである。
一方、円形度Cが閾値VCより大きいフレーム数が所定の閾値P11%を下回る場合には(ステップS715:No)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死ではないと判定する(ステップS722)。これは、細胞死を起こした細胞は概略円形となった形状を継続するという特性が認められないためである。ここで、所定の閾値P11%としては100%に設定し、全てのフレームで円形度Cが閾値VCより大きくない場合に細胞死ではないと判定するようにしてもよいが、100%は必ずしも要求されず、100%未満に設定された閾値P11により規定される割合を下回った場合に細胞死ではないと判定するようにしてもよい。フレームによっては、細胞パラメータ、ここでは円形度の取得が適正でない場合もあり得るからである。これにより、細胞死の誤検出を抑制することが可能となる。
また、NF1フレーム前まで遡ったフレーム期間内で所定の閾値P12%以上のフレームで対応付けが1対1でなかった場合(ステップS720:No)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死ではないと判定する(ステップS722)。細胞形状が概略円形となる状態は、細胞死の場合だけでなく、平均的な細胞周期における分裂期(M期)でも観察されるが、分裂期の場合には、その直後に細胞分裂が起きるため、経時的な細胞領域の対応付けが1対複数となり、対応付けが1対1のフレーム数が所定の閾値P12%を下回り、1つの細胞領域に対して複数の細胞領域が対応付けられているフレーム数が多くなることで細胞死と区別して判定することができる。このためにも、経時的な時間に相当するフレーム数を規定するNF1は、NF1フレーム前まで遡る撮像期間が観察対象とする細胞の平均的な細胞周期における分裂期よりも長くなるような値に設定することが望ましい。所定の閾値P12%に関しても、閾値P11%の場合と同様、100%であってもよいが、100%であることは必ずしも要求されない。
図16は、細胞生死判定処理の第2の処理手順を示す概略フローチャートである。図16に示す概略フローチャートは、第1の処理手順と同様、培養中に物理的な損傷を受けずに細胞死を起こした細胞は、形状が概略円形となり、そのまま活動を停止し、概略円形の形状を維持するという細胞の特性に基づいた細胞生死判定処理手順を例示する。
まず、細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレームから所定のNF2フレーム前まで1フレームずつ経時的に遡り、異なる時点で撮影されたそれぞれのフレーム中の細胞領域Rt,mの円形度Cを細胞パラメータとして取得し、取得した円形度Cを所定の閾値VCと比較し、閾値VCを超えているか否かを判定する処理をフレーム毎に繰り返し行う(ステップS731〜S734)。ここに、円形度Cは、第1の処理手順で定義した通りである。時刻tのフレームからNF2フレーム前までの複数のフレーム中、所定の閾値P2%以上のフレームで、円形度Cが閾値VCより大きい場合には(ステップS735:Yes)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死と判定する(ステップS736)。該細胞領域が細胞死により丸くなった状態を維持していると認定できるためである。
一方、円形度Cが閾値VCより大きいフレーム数が所定の閾値P2%を下回る場合には(ステップS735:No)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死ではないと判定する(ステップS737)。これは、細胞死を起こした細胞は概略円形となった形状を継続するという特性が認められないためである。すなわち、細胞形状が概略円形となる状態は、細胞死の場合だけでなく、平均的な細胞周期における分裂期(M期)でも観察されるが、細胞分裂の場合には、その細胞分裂後の細胞の活動に応じて細胞形状が変化し、概略円形となった形状を維持しないので、細胞死と区別して判定することができる。このためにも、経時的な時間に相当するフレーム数を規定するNF2は、NF2フレーム前まで遡る撮像期間が観察対象とする細胞の平均的な細胞周期における分裂期よりも長くなるような値に設定することが望ましい。所定の閾値P2%に関しても、閾値P11%の場合と同様、100%であってもよいが、100%であることは必ずしも要求されない。
図17は、細胞生死判定処理の第3の処理手順を示す概略フローチャートである。図17に示す概略フローチャートは、細胞死を起こした細胞のうち、特に培養液A中に浮遊している死細胞を検出するためのものである。細胞死を起こしスライドガラス102から剥離した細胞は、前述の処理手順の場合と同様に形状が概略円形となることに加え、撮像の合焦位置(スライドガラス102面)から手前側に外れるため、ぼやけ気味の画像となり、輪郭部でのエッジ強度が低下するという特性に基づいた細胞生死判定処理手順を例示する。すなわち、円形度という形状特性に代えて、スライドガラス102面に対する細胞位置(焦点深度)をエッジ強度という細胞パラメータを用いて、総合的に判断することにより、細胞死による細胞の剥離を検出するものである。
まず、細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレーム画像を取得し、前述のエッジ保存型ローパスフィルタの出力結果に一般的なエッジ抽出フィルタ、例えばSobelフィルタを適用してエッジ画像を得る(ステップS741,S742)。そして、時刻tのフレームに属する細胞領域Rt,mに対して任意の隣接する細胞領域間の境界を考えて、隣接する任意の2つの細胞領域を選択し(ステップS743)、式(6)で定義されるエッジ強度Eを細胞パラメータとして求め、このエッジ強度Eが所定の閾値VEを超えているかを判定する(ステップS744)。
Figure 2006314214
ここで、E(P)は、エッジ画像における画素Pの輝度値、Σは、細胞領域間の輪郭上の全画素について総和を求めることを表す。
同様に、細胞領域Rt,mの円形度Cを取得し、所定の閾値VC2を超えているかを判定する(ステップS745)。次に、細胞領域Rt,mの円形度Cが所定の閾値VC2より大きく、かつ、エッジ強度Eが所定の閾値VEより小さい場合、細胞死擬陽性と判定する(ステップS746)。このような細胞死擬陽性の判定処理を、目的とする細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレームから、所定のNF3フレーム前まで経時的に遡りながら、フレーム毎に繰り返し行う(ステップS747,S748,S742〜S746)。そして、所定の閾値P3%以上のフレームで細胞死擬陽性と判定された場合には(ステップS749:Yes)、細胞死であると判定する(ステップS750)。一方、細胞死擬陽性と判定されたフレーム数が所定の閾値P3%を下回る場合には(ステップS749:No)、細胞死ではないと判定する(ステップS751)。
なお、第3の処理手順の場合も、経時的な時間に相当するフレーム数を規定するNF3は、NF3フレーム前まで遡る撮像期間が観察対象とする細胞の平均的な細胞周期における分裂期よりも長くなるような値に設定することが望ましい。所定の閾値P3%に関しても、閾値P11%等の場合と同様、100%であってもよいが、100%であることは必ずしも要求されない。
図18は、細胞生死判定処理の第4の処理手順を示す概略フローチャートである。図18に示す概略フローチャートは、培養中に物理的な損傷を受けずに細胞死を起こした細胞は、丸くなる際に細胞膜の表面張力によって収縮し、そのまま活動を停止するという細胞の特性に基づいた細胞生死判定処理手順を例示する。ここで、丸くなる際に収縮により見掛け上の面積が減少し、その結果、平均輝度が生細胞の場合よりも上昇することから、表面張力によって収縮するという事象を平均輝度で判断するものである。
まず、細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレームから所定のNF2フレーム前まで1フレームずつ経時的に遡り、異なる時点で撮影されたそれぞれのフレーム中の細胞領域Rt,mの平均輝度(/M)を細胞パラメータとして取得し、取得した平均輝度(/M)を所定の閾値VMと比較し、閾値VMを超えているか否かを判定する処理をフレーム毎に繰り返し行う(ステップS761〜S764)。時刻tのフレームからNF4フレーム前までの複数のフレーム中、所定の閾値P4%以上のフレームで、平均輝度(/M)が閾値VMより大きい場合には(ステップS765:Yes)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死と判定する(ステップS766)。該細胞領域が細胞死により丸くなり輝度的に明るい状態を維持していると認定できるためである。
一方、平均輝度(/M)が閾値VMより大きいフレーム数が所定の閾値P4%を下回る場合には(ステップS765:No)、この細胞領域Rt,mに関して細胞死ではないと判定する(ステップS767)。これは、細胞死を起こした細胞は丸くなり輝度的に明るい状態を継続するという特性が認められないためである。すなわち、細胞の輝度が一時的に上昇する現象は、細胞死の場合だけでなく、平均的な細胞周期における分裂期(M期)でも観察されるが、細胞分裂の場合には、その細胞分裂後の細胞の活動に応じてその輝度が低下し、輝度的に明るい状態を維持しないので、細胞死と区別して判定することができる。このためにも、経時的な時間に相当するフレーム数を規定するNF4は、NF4フレーム前まで遡る撮像期間が観察対象とする細胞の平均的な細胞周期における分裂期よりも長くなるような値に設定することが望ましい。所定の閾値P4%に関しても、閾値P11%等の場合と同様、100%であってもよいが、100%であることは必ずしも要求されない。
図19は、細胞生死判定処理の第5の処理手順を示す概略フローチャートである。図19に示す概略フローチャートは、細胞死を起こした細胞のうち、特に培養液A中に浮遊している死細胞を検出するためのものである。細胞死を起こしスライドガラス102から剥離した細胞は、前述の処理手順3の場合と同様に、撮像の合焦位置(スライドガラス102面)から手前側に外れるため、輝度が増大して観察されるとともに、ぼやけ気味の画像となり輪郭部でのエッジ強度が低下するという特性に基づいた細胞生死判定処理手順を例示する。
まず、細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレーム画像を取得し、前述のエッジ保存型ローパスフィルタの出力結果に一般的なエッジ抽出フィルタ、例えばSobelフィルタを適用してエッジ画像を得る(ステップS771,S772)。そして、時刻tのフレームに属する細胞領域Rt,mに対して任意の隣接する細胞領域間の境界を考えて、隣接する任意の2つの細胞領域を選択し(ステップS773)、前述の式(6)で定義されるエッジ強度Eを細胞パラメータとして求め、このエッジ強度Eが所定の閾値VEを超えているかを判定する(ステップS774)。
同様に、細胞領域Rt,mの平均輝度(/M)を取得し、所定の閾値VM2を超えているかを判定する(ステップS775)。次に、細胞領域Rt,mの平均輝度(/M)が所定の閾値VM2より大きく、かつ、エッジ強度Eが所定の閾値VEより小さい場合、細胞死擬陽性と判定する(ステップS776)。このような細胞死擬陽性の判定処理を、目的とする細胞領域Rt,mの属する時刻tのフレームから、所定のNF5フレーム前まで経時的に遡りながら、フレーム毎に繰り返し行う(ステップS777,S778,S772〜S776)。そして、所定の閾値P5%以上のフレームで細胞死擬陽性と判定された場合には(ステップS779:Yes)、細胞死であると判定する(ステップS780)。一方、細胞死擬陽性と判定されたフレーム数が所定の閾値P5%を下回る場合には(ステップS779:No)、細胞死ではないと判定する(ステップS781)。
なお、第5の処理手順の場合も、経時的な時間に相当するフレーム数を規定するNF5は、NF5フレーム前まで遡る撮像期間が観察対象とする細胞の平均的な細胞周期における分裂期よりも長くなるような値に設定することが望ましい。所定の閾値P5%に関しても、閾値P11%等の場合と同様、100%であってもよいが、100%であることは必ずしも要求されない。
細胞生死判定処理の第1〜第5の処理手順において、細胞死ではないと判定された細胞は生きているものと結論付ける。
細胞の生死を判定する際には、これらの第1〜第5の処理手順のいずれを用いてもよい。さらには、複数の手順を実行して判定結果を組合せてよく、この場合には、さらに精度の高い判定が可能となる。
本実施の形態の細胞生死判定によれば、各細胞について細胞死であるか否かを判定できるので、生細胞と死細胞との数を正確に把握でき、培養中の細胞に関して、細胞の生存率を正確に求めることができる。さらには、各細胞について経時的に細胞パラメータを計測しながら細胞生死の判定を行っているので、長期培養中の細胞に関して、どのような過程を経て細胞死に至ったかをデータ上で正確に再現することができる。このような判定のために、特殊な染料や特殊な遺伝子導入を要せず、培養中の細胞に与えるダメージを最小限に抑えながら、細胞の生死を精度よく判定することができる。
最後に、図9の処理に戻り、ステップS8の処理として、細胞パラメータ表示手段としての表示部304にて、認識した細胞領域と計測した細胞パラメータを表示する。図20は、処理結果の表示の一例を示す説明図である。表示部304が備える表示画面314は、2つの表示領域314a,314bを有し、表示領域314aには、処理対象時点において認識された個々の細胞領域が表示される。ここで、細胞領域にはラベリング処理を適用し、領域毎に識別可能な色、輝度、線種、パターンを与え、例えばラベル画像a〜eとして表示する。ラベル画像と同じ表示範囲の赤外光画像或いは蛍光画像を連動して表示させても良いし、ラベル画像、赤外光画像、蛍光画像のうち複数を重ね合わせて表示しても良い。或いは、スーパーインポーズ表示を行っても良い。計測した細胞パラメータは、表示領域314bにおいて、時間を横軸、パラメータ値を縦軸とした折れ線チャートとして表示する。
さらに、操作者による入力部303中のマウス操作等に応じて両者の表示内容を同期して強調表示すれば、表示内容の視認性が向上する。図21は、例えばラベル画像cを強調表示の指示対象として選択指定した場合に対応する細胞パラメータの折れ線チャートも強調表示される一例を示す説明図である。この場合、操作者が片方を選択強調した場合、対応する他方も同期して強調表示する。この際、細胞死と判定された細胞は、視覚的に識別可能な強調表示を行う。例えば、色、輝度、形状、パターンの異なる図形や文字を付与する、点滅させる、等であってもよい。或いは、表示から除外してもよく、これらの表示を切り替えてもよい。
本実施の形態では、生細胞Cに蛍光タンパクを導入し観察しているが、蛍光タンパクに代えて発光遺伝子、例えばルシフェラーゼ遺伝子を導入すれば、蛍光画像に代えて発光画像が撮像できる。この場合、励起光照明部203及びダイクロイックミラー204は不要であり、構成を簡略化できる。発光画像は、細胞光撮像手段としての蛍光撮像部207によって撮像される。発光画像に対しては、蛍光画像と同じ手順で処理を行えば良い。このように、例えば細胞が自発光する場合や蛍光を発する場合など、細胞が赤外光以外の光を発する場合でも細胞画像データを取得して細胞観察を行うことができる。
また、本実施の形態では、細胞内に局在せずに発現する蛍光タンパクを使用しているが、細胞核、細胞質、核膜、細胞膜、或いはオルガネラに局在して発現する蛍光タンパクであっても構わない。
なお、パラメータ計測部307において計測する細胞パラメータは、本実施の形態に例示したものに限定されず、さらに、面積、周囲長、外接矩形位置、X方向フェレ径、Y方向フェレ径、最小フェレ径、最大フェレ径、平均フェレ径、凸周囲長、円形度(真円度)、孔の数、ラフネス(凸周囲長と周囲長の比)、オイラー数、長さ、幅、扁平度、輝度の総和、最小輝度、最大輝度、平均輝度、輝度の標準偏差、輝度の分散、エントロピー、重心位置、2次モーメント、主軸方向、のいずれか或いは複数であっても良い。
さらに、パラメータ計測部307は、任意の複数の細胞からなるグループに対して、細胞数、最小細胞間距離、最大細胞間距離、平均細胞間距離、細胞間距離の標準偏差、細胞間距離の分散、並びに個々の細胞に対して計測した各パラメータの最小値、最大値、平均値、標準偏差、分差、総和、中間値、のいずれか或いは複数を求めても良い。
以上、本実施の形態によれば、蛍光物質によって標識された複数の生細胞を経時的に撮像し、個々の細胞を認識し、経時的な位置変化を追尾しつつ、細胞に与えるダメージを最小限に抑え、特殊な染料や特殊な遺伝子導入を用いずに、細胞の生死を精度よく判定する装置を実現できる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。例えば、前述の細胞認識部306、パラメータ計測部307、細胞追跡部308、細胞生死判定部313等の各部による処理手順は、あらかじめ用意された細胞観察プログラムを制御部301などのマイクロコンピュータで実行することにより実現するようにしてもよい。この細胞観察プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することもできる。また、この細胞観察プログラムは、ハードディスク、FD、CD−ROM、MO、DVDなどのマイクロコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、マイクロコンピュータによって記録媒体から読み出されることにより実行することもできる。
本発明の実施の形態に係る細胞観察装置の構成例を示す概略ブロック図である。 培養部の構成例を示す水平断面図である。 培養部の構成例を示す縦断正面図である。 整流板の構成例を示す斜視図である。 培養部側と撮像部側との境界部分の断熱構成例を示す断面図である。 蛍光撮像された培養中の細胞画像の一例を示す説明図である。 複数の視野(視野1〜N)による撮像の様子を示す説明図である。 各視野1〜Nの撮像タイミング例を示す説明図である。 画像データ処理例を示す概略フローチャートである。 先鋭化フィルタによる重み付け例を示す図である。 領域統合の第1の手法例を示す概略フローチャートである。 領域統合の第2の手法例を示す概略フローチャートである。 記録部に記録された細胞パラメータの計測結果例を示す説明図である。 mとnの可能な組み合わせについて評価値を計算した結果を示す説明図である。 細胞生死定処理の第1の処理手順を示す概略フローチャートである。 細胞生死定処理の第2の処理手順を示す概略フローチャートである。 細胞生死定処理の第3の処理手順を示す概略フローチャートである。 細胞生死定処理の第4の処理手順を示す概略フローチャートである。 細胞生死定処理の第5の処理手順を示す概略フローチャートである。 処理結果の表示の一例を示す説明図である。 強調表示の一例を示す説明図である。
符号の説明
101 培養部
201 撮像部
306 細胞認識部
307 パラメータ計測部
308 細胞追跡部
313 細胞生死判定部

Claims (22)

  1. 複数の時点で細胞を撮影して得られたそれぞれの画像の細胞画像データから細胞を示す細胞領域を認識する細胞認識手段と、
    該細胞認識手段で認識した前記細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを計測する細胞パラメータ計測手段と、
    該細胞パラメータ計測手段で計測した前記細胞パラメータと閾値とを比較して前記細胞の生死を判定する細胞生死判定手段と、
    を備えたことを特徴とする細胞観察装置。
  2. 異なる時点で撮影されたそれぞれの画像の前記細胞画像データから認識された細胞領域同士の対応付けを行う細胞追跡手段をさらに備え、
    前記細胞生死判定手段は、前記細胞追跡手段で対応付けられたそれぞれの細胞領域について前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする請求項1に記載の細胞観察装置。
  3. 前記細胞生死判定手段は、繰り返し行った比較の結果として同一の結論となる割合が所定の割合を下回る場合には前記細胞追跡手段で対応付けられた前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする請求項2に記載の細胞観察装置。
  4. 前記細胞生死判定手段は、前記細胞追跡手段で1つの前記細胞領域に対して複数の前記細胞領域が対応付けられているときには該1つの前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする請求項2又は3に記載の細胞観察装置。
  5. 前記細胞生死判定手段は、観察対象となる前記細胞の平均的な細胞周期における分裂期より長くなるように設定された撮影期間に渡る複数の時点のそれぞれの前記細胞領域から計測された前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の細胞観察装置。
  6. 前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の円形度を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の細胞観察装置。
  7. 前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の平均輝度を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の細胞観察装置。
  8. 前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域のエッジ強度を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の細胞観察装置。
  9. 細胞を培養する培養手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の細胞観察装置。
  10. 前記細胞は、蛍光タンパクを導入した細胞であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の細胞観察装置。
  11. 前記細胞は、局在化せずに発現する蛍光タンパクを導入した細胞であることを特徴とする請求項10に記載の細胞観察装置。
  12. 複数の時点で細胞を撮影した画像を取得する撮像手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の細胞観察装置。
  13. 細胞観察装置で細胞の観察を行う細胞観察プログラムであって、
    前記細胞観察装置に、
    複数の時点で細胞を撮影して得られたそれぞれの画像の細胞画像データから細胞を示す細胞領域を認識する細胞認識ステップと、
    該細胞認識ステップで認識した前記細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを計測する細胞パラメータ計測ステップと、
    該細胞パラメータ計測ステップで計測した前記細胞パラメータと閾値とを比較して前記細胞の生死を判定する細胞生死判定ステップと、
    を実行させることを特徴とする細胞観察プログラム。
  14. 異なる時点で撮影されたそれぞれの画像の前記細胞画像データから認識された細胞領域同士の対応付けを行う細胞追跡ステップをさらに含み、
    前記細胞生死判定ステップは、前記細胞追跡ステップで対応付けられたそれぞれの細胞領域について前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする請求項13に記載の細胞観察プログラム。
  15. 前記細胞生死判定ステップは、繰り返し行った比較の結果として同一の結論となる割合が所定の割合を下回る場合には前記細胞追跡ステップで対応付けられた前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする請求項14に記載の細胞観察プログラム。
  16. 前記細胞生死判定ステップは、前記細胞追跡ステップで1つの前記細胞領域に対して複数の前記細胞領域が対応付けられているときには該1つの前記細胞領域で示される前記細胞が死滅していないと判定することを特徴とする請求項14又は15に記載の細胞観察プログラム。
  17. 前記細胞生死判定ステップは、観察対象となる前記細胞の平均的な細胞周期における分裂期より長くなるように設定された撮影期間に渡る複数の時点のそれぞれの前記細胞領域から計測された前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つに記載の細胞観察プログラム。
  18. 前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の円形度を含むことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1つに記載の細胞観察プログラム。
  19. 前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域の平均輝度を含むことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1つに記載の細胞観察プログラム。
  20. 前記細胞パラメータは、少なくとも前記細胞領域のエッジ強度を含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の細胞観察プログラム。
  21. 細胞を培養する培養手段と、該培養手段に収容されている細胞を撮影する撮像手段とを備えた細胞観察装置で細胞の観察を行う細胞観察方法であって、
    前記培養手段で培養している最中の細胞を前記撮像手段によって複数の時点で撮影して得られたそれぞれの画像の細胞画像データから細胞を示す細胞領域を認識する細胞認識工程と、
    該細胞認識工程で認識した前記細胞領域の特徴を示す細胞パラメータを計測する細胞パラメータ計測工程と、
    該細胞パラメータ計測工程で計測した前記細胞パラメータと閾値とを比較して前記細胞の生死を判定する細胞生死判定工程と、
    を備えたことを特徴とする細胞観察方法。
  22. 異なる時点で撮影されたそれぞれの画像の前記細胞画像データから認識された細胞領域同士の対応付けを行う細胞追跡工程をさらに含み、
    前記細胞生死判定工程は、前記細胞追跡工程で対応付けられたそれぞれの細胞領域について前記細胞パラメータと前記閾値との比較を繰り返し行うことで前記細胞の生死を判定することを特徴とする請求項21に記載の細胞観察方法。
JP2005137854A 2005-05-10 2005-05-10 細胞観察装置 Expired - Fee Related JP4744187B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137854A JP4744187B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 細胞観察装置
PCT/JP2006/308888 WO2006120924A1 (ja) 2005-05-10 2006-04-27 細胞観察装置、細胞観察方法、及び細胞観察プログラム
EP06732439A EP1881061A1 (en) 2005-05-10 2006-04-27 Cell observation apparatus, method of cell observation and cell observation program
US11/936,467 US20080176276A1 (en) 2005-05-10 2007-11-07 Cell observation apparatus, cell observation method, and program product
US14/528,548 US20150050687A1 (en) 2005-05-10 2014-10-30 Cell observation apparatus, cell observation method, and program product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137854A JP4744187B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 細胞観察装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006314214A true JP2006314214A (ja) 2006-11-24
JP4744187B2 JP4744187B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=37396433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005137854A Expired - Fee Related JP4744187B2 (ja) 2005-05-10 2005-05-10 細胞観察装置

Country Status (4)

Country Link
US (2) US20080176276A1 (ja)
EP (1) EP1881061A1 (ja)
JP (1) JP4744187B2 (ja)
WO (1) WO2006120924A1 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007136073A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Nikon Corporation 細胞剥離判定装置、細胞剥離判定方法、および細胞培養装置
JP2008216077A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Juntendo 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法
JP2009089630A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Nikon Corp 細胞観察装置および観察方法
JP2010145366A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Olympus Corp 細胞画像解析装置、細胞画像解析方法、及びプログラム
JP2010276585A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Olympus Corp 活性度測定装置および活性度測定方法
JP2011022131A (ja) * 2009-06-18 2011-02-03 Olympus Corp 医療診断支援装置、画像処理方法、画像処理プログラム、およびバーチャル顕微鏡システム
JP2011075278A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Olympus Corp 細胞核を構成する構造体の解析方法、及び細胞核の形態の解析方法
JP2013118848A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Dainippon Printing Co Ltd 細胞挙動検出装置、細胞挙動検出方法、及びプログラム
JP2013230145A (ja) * 2012-04-30 2013-11-14 Masahiko Sato 細胞集団の状態を評価するための方法、候補化合物の発癌性を評価するための方法、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法及び治療用細胞集団の品質を評価するための方法
JP2014502146A (ja) * 2010-10-25 2014-01-30 政彦 佐藤 弁別的細胞イベントの定量的な識別を行う装置及び方法
WO2016052238A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 富士フイルム株式会社 細胞培養観察装置および方法
WO2022163438A1 (ja) * 2021-01-26 2022-08-04 株式会社ニコン 神経細胞の解析方法、神経細胞の解析装置およびコンピュータプログラム

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011143075A2 (en) * 2010-05-08 2011-11-17 Veridex, Llc A simple and affordable method for immuophenotyping using a microfluidic chip sample preparation with image cytometry
US8942459B2 (en) 2011-09-12 2015-01-27 Perkinelmer Cellular Technologies Germany Gmbh Methods and apparatus for fast identification of relevant features for classification or regression
EP2776974B1 (en) * 2011-11-08 2021-01-20 Perkinelmer Cellular Technologies Germany GmbH Methods and apparatus for image analysis using threshold compactness features
US8705834B2 (en) 2011-11-08 2014-04-22 Perkinelmer Cellular Technologies Germany Gmbh Methods and apparatus for image analysis using threshold compactness features
GB201121959D0 (en) * 2011-12-21 2012-02-01 Univ Leeds Assay of functional cell viability
JP5902049B2 (ja) * 2012-06-27 2016-04-13 クラリオン株式会社 レンズ白濁状態診断装置
FR2998370A1 (fr) * 2012-11-20 2014-05-23 Commissariat Energie Atomique Procede de caracterisation de particules par analyse d'image
CN108165603A (zh) * 2013-01-25 2018-06-15 艾克斯赛尔生物科学公司 用于选择性富集靶细胞的方法、组合物、试剂盒及系统
JP6097952B2 (ja) * 2013-08-22 2017-03-22 富士フイルム株式会社 観察画像判定装置および方法並びにプログラム
JP6130801B2 (ja) * 2014-03-17 2017-05-17 富士フイルム株式会社 細胞領域表示制御装置および方法並びにプログラム
US9879216B2 (en) * 2015-12-10 2018-01-30 International Business Machines Corporation Infrared signal monitoring for cell cultures
EP3395937A4 (en) * 2015-12-22 2019-08-21 Nikon Corporation IMAGE PROCESSING APPARATUS
US10423819B2 (en) * 2017-10-31 2019-09-24 Chung Yuan Christian University Method and apparatus for image processing and visualization for analyzing cell kinematics in cell culture
WO2019135266A1 (ja) * 2018-01-04 2019-07-11 オリンパス株式会社 細胞画像処理装置、細胞画像処理方法および細胞画像処理プログラム
WO2022230673A1 (ja) * 2021-04-28 2022-11-03 富士フイルム株式会社 細胞培養装置及び生細胞濃度調整方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63290946A (ja) * 1987-05-22 1988-11-28 Shimadzu Corp 細胞識別装置
JPH0227977A (ja) * 1988-07-18 1990-01-30 Hitachi Ltd 動物細胞の培養装置、培養方法及び活性診断装置
JPH0484884A (ja) * 1990-07-25 1992-03-18 Hitachi Ltd 培養生体の活性診断方法及びシステム
JPH05184579A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Fujitsu Ltd 光学的バイオアッセイ方法及び装置
JP2002510291A (ja) * 1997-05-22 2002-04-02 ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティ ガングリオシドgm3によって誘導される神経細胞のアポトーシス
JP2004175692A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Fuso Pharmaceutical Industries Ltd 抗腫瘍剤
JP2005027623A (ja) * 2003-07-11 2005-02-03 Olympus Corp 細胞培養観察装置及び細胞培養観察方法
JP2005532031A (ja) * 2001-10-19 2005-10-27 ヴァスキュラー バイオジェニックス リミテッド 血管形成の標的化されたダウンレギュレーションおよび抗ガン治療のためのポリヌクレオチド構築物および薬学的組成物および方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63211580A (ja) 1987-02-25 1988-09-02 矢崎総業株式会社 ジヨイントコネクタ
US6096510A (en) * 1995-10-04 2000-08-01 Cytoscan Sciences, Llc Methods and systems for assessing biological materials using optical detection techniques
US6459805B1 (en) * 1996-03-26 2002-10-01 Childrens Hospital Los Angeles Fluorescence digital imaging microscopy system
JP2000316596A (ja) 1999-05-06 2000-11-21 Nippon Mizushori Giken:Kk 菌類の即時判別方法及び装置
US6927049B2 (en) * 1999-07-21 2005-08-09 The Regents Of The University Of California Cell viability detection using electrical measurements
US6893851B2 (en) * 2000-11-08 2005-05-17 Surface Logix, Inc. Method for arraying biomolecules and for monitoring cell motility in real-time
JPWO2002052032A1 (ja) * 2000-12-22 2004-04-30 中外製薬株式会社 標的細胞の細胞死の測定方法
JP2004113175A (ja) 2002-09-27 2004-04-15 Olympus Corp 細胞培養検出装置
US20040241832A1 (en) * 2003-06-02 2004-12-02 Olympus Corporation Cell culture detection apparatus, cell culture observation apparatus, and cell culture observation method

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63290946A (ja) * 1987-05-22 1988-11-28 Shimadzu Corp 細胞識別装置
JPH0227977A (ja) * 1988-07-18 1990-01-30 Hitachi Ltd 動物細胞の培養装置、培養方法及び活性診断装置
JPH0484884A (ja) * 1990-07-25 1992-03-18 Hitachi Ltd 培養生体の活性診断方法及びシステム
JPH05184579A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Fujitsu Ltd 光学的バイオアッセイ方法及び装置
JP2002510291A (ja) * 1997-05-22 2002-04-02 ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティ ガングリオシドgm3によって誘導される神経細胞のアポトーシス
JP2005532031A (ja) * 2001-10-19 2005-10-27 ヴァスキュラー バイオジェニックス リミテッド 血管形成の標的化されたダウンレギュレーションおよび抗ガン治療のためのポリヌクレオチド構築物および薬学的組成物および方法
JP2004175692A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Fuso Pharmaceutical Industries Ltd 抗腫瘍剤
JP2005027623A (ja) * 2003-07-11 2005-02-03 Olympus Corp 細胞培養観察装置及び細胞培養観察方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8445266B2 (en) 2006-05-22 2013-05-21 Nikon Corporation Apparatus for judging cell detachment, method of judging cell detachment, and cell culture apparatus
WO2007136073A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Nikon Corporation 細胞剥離判定装置、細胞剥離判定方法、および細胞培養装置
JP5332610B2 (ja) * 2006-05-22 2013-11-06 株式会社ニコン 細胞剥離判定装置、細胞剥離判定方法、および細胞培養装置
JP2008216077A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Juntendo 染色組織標本の陽性細胞の自動検出法
JP2009089630A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Nikon Corp 細胞観察装置および観察方法
JP2010145366A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Olympus Corp 細胞画像解析装置、細胞画像解析方法、及びプログラム
US9176043B2 (en) 2008-12-22 2015-11-03 Olympus Corporation Cell image analysis apparatus, cell image analysis method, and program
JP2010276585A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Olympus Corp 活性度測定装置および活性度測定方法
JP2011022131A (ja) * 2009-06-18 2011-02-03 Olympus Corp 医療診断支援装置、画像処理方法、画像処理プログラム、およびバーチャル顕微鏡システム
JP2011075278A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Olympus Corp 細胞核を構成する構造体の解析方法、及び細胞核の形態の解析方法
JP2014502146A (ja) * 2010-10-25 2014-01-30 政彦 佐藤 弁別的細胞イベントの定量的な識別を行う装置及び方法
JP2016165274A (ja) * 2010-10-25 2016-09-15 政彦 佐藤 弁別的細胞イベントの定量的な識別を行う装置及び方法
JP2013118848A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Dainippon Printing Co Ltd 細胞挙動検出装置、細胞挙動検出方法、及びプログラム
JP2013230145A (ja) * 2012-04-30 2013-11-14 Masahiko Sato 細胞集団の状態を評価するための方法、候補化合物の発癌性を評価するための方法、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法及び治療用細胞集団の品質を評価するための方法
JP2016187349A (ja) * 2012-04-30 2016-11-04 政彦 佐藤 細胞集団の状態を評価するための方法、候補化合物の発癌性を評価するための方法、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法及び治療用細胞集団の品質を評価するための方法
WO2016052238A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 富士フイルム株式会社 細胞培養観察装置および方法
JP2016067292A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 富士フイルム株式会社 細胞培養観察装置および方法
US10344255B2 (en) 2014-09-30 2019-07-09 Fujifilm Corporation Cell culture observation device and method to determine a content operation
WO2022163438A1 (ja) * 2021-01-26 2022-08-04 株式会社ニコン 神経細胞の解析方法、神経細胞の解析装置およびコンピュータプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4744187B2 (ja) 2011-08-10
US20080176276A1 (en) 2008-07-24
WO2006120924A1 (ja) 2006-11-16
EP1881061A1 (en) 2008-01-23
US20150050687A1 (en) 2015-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4744187B2 (ja) 細胞観察装置
AU2022200112B2 (en) Methods and apparatus for detecting an entity in a bodily sample
WO2006092925A1 (ja) 細胞観察装置、細胞観察方法、顕微鏡システム、及び細胞観察プログラム
CN107771212B (zh) 菌落对比度收集
US8310531B2 (en) Methods and apparatuses for processing fluorescence images
JP2006317406A (ja) 細胞画像撮像装置、細胞画像撮像方法、細胞画像撮像プログラム、及び細胞観察装置
CA3012360C (en) Improved image analysis algorithms using control slides
WO2008079590A1 (en) Method for forming an optimally exposed image of cytological specimen
JP2003107081A (ja) 画像解析方法、装置、及び記録媒体
WO2004113876A1 (en) System for determining the stain quality of slides using scatter plot distributions
WO2005001438A1 (en) System for classifying slides using scatter plot distributions
CN113853607A (zh) 用于监测菌落的细菌生长和预测菌落生物量的系统和方法
KR20170038726A (ko) 세포 이미징 장치 및 그 방법
WO2023059764A1 (en) Method and apparatus for searching and analyzing cell images
EP3938999A1 (en) Correlated image analysis for 3d biopsy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110121

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees