JP2006303969A - スピーカー装置用構成部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価で且つ高剛性及び制振性(減衰性)が高い等の物理的特性に優れ、焼却時の処分が容易なスピーカー装置用構成部品等を提供する。
【解決手段】 スピーカー装置用構成部品は、オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂をベース素材に、無機系繊維としての玄武岩繊維(バサルトファイバー)を補強用フィラーとして添加した材料を、射出成形することにより作製されている。スピーカー装置用構成部品としては、例えばフレームやキャビネット(筐体)が挙げられる。これにより、安価で且つ高剛性及び減衰性(制振性)が高い等の物理的特性に優れたスピーカー装置様構成部品を得ることができる。また、一般に、玄武岩繊維の焼結温度は約1050℃であり、焼却炉の焼却温度(約800℃)より高い。このため、玄武岩繊維を含む樹脂材料を焼却炉で焼却しても、その混合材料が溶融してあめ状になることはなく、その混合材料が焼却炉内にへばりつくようなことはない。これにより、焼却処分が容易なスピーカー装置用構成部品を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スピーカー装置用構成部品の構成素材に関する。
従来より、フレーム、振動板及びボイスコイルボビンなどの振動系部品と磁気回路とを備え、それらの構成要素をキャビネット(筐体)に収容してなるスピーカーが知られている。このようなスピーカーを車載用スピーカーとして用いる場合、その構成要素たるフレーム等には軽量化と減衰性能(制振性能)の向上が求められる。
かかる目的を実現するために、スピーカー用フレームとして、例えば、PP(ポリプロピレン)などのオレフィン系、ABS(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)系などの熱可塑性樹脂に、補強用フィラーとしてガラス繊維を添加してなる樹脂材料を射出成形することにより得られたスピーカー用フレームが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような構成を有するスピーカー用フレームは、特に、純正カー用スピーカーに用いられている。
また、この種のスピーカー用フレームとして、熱可塑性樹脂中に、フィブリル化したサーモトロピック液晶ポリエステル樹脂が分散されている複合材料からなるスピーカー用フレームが特許文献2に記載されている。かかるスピーカー用フレームは、軽量で且つ剛性が大きく、リサイクル性に優れているとされている。
なお、玄武岩等を混合、配合してなる原料混合物を所定の方法により加工することにより製造された、繊維径1〜10μm、繊維長60〜600μmの岩綿微細繊維と、繊維径0.1〜0.7μm、繊維長10〜50μmの繊維状チタン酸カリウムとからなる強化材を含有してなる熱可塑性合成樹脂製射出成形品が知られている(例えば、特許文献3を参照)。 また、玄武岩等を原料にして公知の製造方法により繊維化したロックウール(長さ約1m〜50mm、繊維径約1〜20μm)を用い、それを所定の方法により加工・成型してなる建築用繊維板が知られている(例えば、特許文献4を参照)。
また、玄武岩を原料として得られる繊維状物であるロックウールを含むジョイントシート形成用組成物が知られている(例えば、特許文献5を参照)。
特開2003−37891号公報 特開平9−93692号公報 特公平1−32855号公報 特開平8−90721号公報 特開2000−104043号公報
現行下、スピーカー(スピーカーユニット)が分解されて、そのスピーカーを構成する部品がリサイクルされる割合は少ない。特に、カー用スピーカーの場合、金属材料以外の材料を用いて作製されたスピーカー構成部品は、車両のリサイクル処分時に車両と共に焼却炉で焼却処分されることが多い。
このような状況の下、スピーカー構成部品が、ガラス繊維を含有する樹脂材料(ガラス繊維強化樹脂材料)により作製されている場合には、次のような問題がある。
一般的に、ガラスの溶融温度は焼却炉の温度より低いため、そのような混合材料にてスピーカー構成部品が作製されている場合、かかるスピーカー構成部品が焼却炉の中で溶融してあめ状になり、その焼却炉の内側にへばりついてしまうという問題がある。このため、純正カー用スピーカーでは、ガラス繊維強化樹脂材料を素材として用いることが敬遠されている。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、安価で且つ高剛性及び制振性(減衰性)が高い等の物理的特性に優れ、焼却時の処分が容易なスピーカー装置用構成部品及びその製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、スピーカー装置用構成部品であって、熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維が添加された樹脂材料により成形されてなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、スピーカー装置用構成部品の製造方法であって、熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維を添加し、前記添加することにより得られた樹脂材料を射出成形により所定形状に成形する工程を有することを特徴とする。
本発明の1つの観点では、スピーカー装置用構成部品は、熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維が添加された樹脂材料により成形されてなる。
上記のスピーカー装置用構成部品は、熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維が添加された樹脂材料により成形されてなる。スピーカー装置用構成部品としては、例えばフレームやキャビネット(筐体)が挙げられる。好適な例では、前記熱可塑性樹脂はオレフィン系樹脂とすることができる。また、前記玄武岩繊維は、前記熱可塑性樹脂に約5〜50%添加されているのが好ましい。
ガラス繊維の弾性率は7200(N/mm)であるのに対し、玄武岩繊維の弾性率は10000(N/mm)である。このため、玄武岩繊維は、ガラス繊維と比べて高強度で剛性が高いといえる。よって、玄武岩繊維は、ガラス繊維に比べて高内部損失であり、且つ減衰性(制振性)が高い。また、玄武岩繊維は、一般的に、ガラス繊維と比べると高価であるが、カーボン繊維、セラミック繊維などの高機能繊維と比べると極めて安価である。なお、ベース素材となる、熱可塑性樹脂としてのオレフィン系の樹脂は、玄武岩繊維と同様に一般的に安価であり、内部損失が高いという物理的性質を有する。
その結果、このような性質を有する玄武岩繊維を補強用フィラーとして用いることにより、安価で且つ高剛性及び減衰性(制振性)が高い等の物理的特性に優れたスピーカー装置用構成部品を得ることができる。
また、玄武岩繊維の焼結温度は約1050℃であり、焼却炉の焼却温度(約800℃)より高い。このため、玄武岩繊維を含む樹脂材料を焼却炉で焼却しても、その混合材料が溶融してあめ状になることはなく、その混合材料が焼却炉の内側にへばりつくようなことはない。これにより、焼却処分が容易なスピーカー装置用構成部品を得ることができる。
好適な例では、前記玄武岩繊維は平均径約7〜20μmの連続繊維を加工したものであるのが好ましい。玄武岩繊維が平均径7μm未満であると剛直な繊維による補強効果が弱くなり、弾性率が低下するという問題がある。また、上記の好適な例による玄武岩繊維と、平均径20μmより大きい玄武岩繊維とを比較した場合、後者は前者と比べて、同一重量比で玄武岩繊維を樹脂材料に添加したときに繊維の本数が少なくなり、繊維の絡み合いによる補強効果が弱くなるという問題がある。よって、玄武岩繊維は平均径約7〜20μmの連続繊維を加工したものであるのが好ましい。
本発明の他の観点では、スピーカー装置用構成部品の製造方法は、熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維を添加し、前記添加することにより得られた樹脂材料を射出成形により所定形状に成形する工程を有する。これにより、安価で且つ高剛性及び制振性(減衰性)が高い等の物理的特性に優れ、焼却時の処分が容易な、フレームやキャビネット(筐体)などのスピーカー装置用構成部品を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[スピーカー装置用構成部品の構成]
図1に、本発明のスピーカー装置用構成部品を含むスピーカー装置100を、その中心軸を通る平面で切断したときの断面図を示す。
スピーカー装置100は、図1に示すように、スピーカーユニット80と、そのスピーカーユニット80を収容するキャビネット12とを備えて構成される。なお、本発明では、スピーカー装置の構成及び駆動方式等、並びに、スピーカー装置用構成部品及びキャビネット12の形状、位置、大きさなどは、以下に述べる構成等に限定されるものではない。
スピーカーユニット80は、主として、ヨーク1、マグネット2及びプレート3を含む磁気回路70と、ボイスコイルボビン4、ボイスコイル5、フレーム6、ダンパー7、振動板8、エッジ9、キャップ10を含む振動系71とを有する。
まず、磁気回路70の構成について説明する。
磁気回路70は、外磁型の磁気回路として構成されている。ヨーク1は、円柱状のポール部1aと、そのポール部1aの外周壁の下端部から外側へ延在するフランジ部1bとを有している。マグネット2は、環状の形状をなし、フランジ部1b上に取り付けられている。プレート3は、環状の形状をなし、マグネット2上に取り付けられている。そして、ヨーク1の要素であるポール部1aの外周壁と、プレート3の内周壁との間に形成された空隙(磁気ギャップ11)にマグネット2の磁束を集中させている。
次に、振動系71の構成について説明する。
ボイスコイルボビン4は、円筒状の形状をなし、ヨーク1の要素であるポール部1aの外周壁の上端部近傍を覆う位置に設けられる。
ボイスコイル5は、1つの配線からなり、図示しないプラス及びマイナスのリード線を夫々有し、ボイスコイルボビン4の外周壁の下端部近傍に巻かれている。プラス側のリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナス側のリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。プラス及びマイナスの各リード線は、それぞれ、後述するフレーム6の中央平坦部6bに設けられた、図示しない端子部に接続されている。また、端子部は、図示しないアンプ側の出力配線にも接続されている。これにより、ボイスコイル5には、端子部、プラス及びマイナスの各リード線を介してアンプ側から1チャンネル分の信号や電力が入力される。
フレーム6は、略杯状の形状をなし、スピーカー装置100を構成する様々な構成部品を支持する機能を有する。フレーム6は、その下側位置に下側平坦部6a、その中央位置に中央平坦部6b、その上側位置に上側平坦部6cを夫々有している。下側平坦部6a、中央平坦部6b及び上側平坦部6cは夫々平坦性を有している。フレーム6の下側平坦部6aは、プレート3上に取り付けられている。
ダンパー7は、環状の形状をなし、ボイスコイルボビン4を弾性的に支持する。ダンパー7の内周縁部はボイスコイルボビン4の外周壁の上端部近傍に取り付けられる一方、ダンパー7の外周縁部はフレーム6の中央平坦部6b上に取り付けられる。
振動板8は、入力信号に応じた音波を放射する機能を有する。振動板8は、コーン状の形状をなしている。振動板8の内周縁部はボイスコイルボビン4の外周壁の上端部に且つダンパー7の上側に取り付けられている。
エッジ9は、環状の形状をなし、スピーカー装置100で生じる不要な振動などを吸収する機能を有する。エッジ9の内周縁部は振動板8の外周縁部に取り付けられている一方、エッジ9の外周縁部はフレーム6の上側平坦部6c上に取り付けられている。
キャップ10は、ドーム形状をなし、スピーカー装置100の内部に粉塵や水分等が侵入するのを防止する機能を有する。キャップ10は、ボイスコイルボビン4の上面側を覆う位置に配置され、振動板8の内周部近傍の上面に取り付けられている。
筐体としてのキャビネット12は、略箱型の形状をなしている。キャビネット12の複数の面のうち、一つの面12aには開口12cが形成されている。
そして、上記した構成を有するスピーカーユニット80の大部分がキャビネット12の空間12b内に収容された状態で、フレーム6の上側平坦部6cの下面側がキャビネット12の1つの面12a上に取り付けられ、スピーカー装置100が構成されている。
このような構成を有するスピーカー装置100において、アンプ側から出力された電気信号は、端子部並びにボイスコイル5のプラス及びマイナスのリード線を介してボイスコイル5へ供給される。これにより、磁気ギャップ11内でボイスコイル5に駆動力が発生し、振動板8をスピーカーユニット80の軸方向に振動させる。こうして、スピーカー装置100は、矢印Y1の方向に音波を放射する。
[スピーカー装置用構成部品の構成素材]
本発明は、スピーカー装置用構成部品の構成素材に特徴を有している。ここに、本発明の適用対象となるスピーカー装置用構成部品としては、フレーム6及びキャビネット12などが挙げられる。
かかるスピーカー装置用振動系部品は、オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂をベース素材に、無機系繊維としての玄武岩繊維(バサルトファイバー)を補強用フィラーとして添加した材料を、射出成形することにより作製されている。ここに、玄武岩繊維の平均長は約1mm以上の長繊維であるのが好ましい。また、その玄武岩繊維は平均径(太さ)約7〜20μmの連続繊維を加工したものであるのが好ましい。この理由は上述した通りである。
これにより、安価で且つ高剛性及び減衰性(制振性)が高い等の物理的特性に優れ、焼却処分が容易なスピーカー装置用構成部品を得ることができる。
この点につき、図2(a)を参照して詳述する。図2(a)は、ガラス繊維及び玄武岩繊維の各特性を示す図表である。
図2(a)に示されるように、ガラス繊維の弾性率は7200(N/mm)であるのに対し、玄武岩繊維の弾性率は10000(N/mm)である。このため、玄武岩繊維は、ガラス繊維と比べて高強度で剛性が高いといえる。よって、玄武岩繊維は、ガラス繊維に比べて高内部損失であり、且つ減衰性(制振性)が高い。また、玄武岩繊維は、一般的に、ガラス繊維と比べると高価であるが、カーボン繊維、セラミック繊維などの高機能繊維と比べると極めて安価である。なお、本発明においてベース素材となる、熱可塑性樹脂としてのオレフィン系の樹脂は、玄武岩繊維と同様に一般的に安価であり、内部損失が高いという物理的性質を有する。
その結果、このような性質を有する玄武岩繊維を補強用フィラーとして用いることにより、安価で且つ高剛性及び減衰性(制振性)が高い等の物理的特性に優れたスピーカー装置用構成部品を得ることができる。
また、本発明のスピーカー装置用構成部品は焼却処分が容易であるという利点も有している。
即ち、環境問題対策の一環としてダイオキシンの発生を防止するべく、焼却炉の焼却温度は約800℃が基準温度とされている。ここで、ガラス繊維の焼結温度は、図2(a)に示されるように、約600℃であり、焼却炉の焼却温度より低い。このため、ガラス繊維を含む樹脂材料を焼却炉で焼却するとその混合材料が溶融してあめ状になり、そのあめ状になった混合材料が焼却炉内にへばりついてしまうという問題がある。一方、玄武岩繊維の焼結温度は、図2(a)に示されるように、約1050℃であり、焼却炉の焼却温度より高い。このため、玄武岩繊維を含む樹脂材料を焼却炉で焼却しても、その混合材料が溶融してあめ状になることはなく、その混合材料が焼却炉内にへばりつくようなことはない。よって、玄武岩繊維を補強用フィラーとして用いたスピーカー装置用構成部品は、ガラス繊維を補強用フィラーとして用いたスピーカー装置用構成部品と比較して、焼却処分を容易に行えるという利点がある。
[好適例]
次に、スピーカー装置用構成部品の一例としてのフレーム6の好適例について説明する。
この好適例では、フレーム6は、熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン(Polypropylene)樹脂に、補強用フィラーとして玄武岩繊維を約5〜50%添加した材料を射出成形することにより作製されている。また、その玄武岩繊維の平均長は約1mmであり、その平均径(太さ)は約7〜20μmである。こうして作製されたフレーム6の各特性を図2(b)の図表に示す。なお、図2(b)では、比較例に係るフレームの各特性も示す。比較例に係るフレームは、熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン樹脂に、補強用フィラーとしてガラス繊維を約5〜50%添加した材料を、射出成形することにより作製されている。また、そのガラス繊維の平均長は、上記の玄武岩繊維と同様に約1mmであり、その平均径(太さ)は、上記の玄武岩繊維と同様に約7〜20μmである。
本発明の好適例に係るフレーム6の各特性と、比較例に係るフレーム6の各特性とを対比して理解されるように、好適例に係るフレーム6は、比較例に比べて、特にヤング率及び内部損失が高い。よって、本発明の好適例に係るフレーム6は、比較例に比べて、高剛性で且つ(減衰性)制振性の高いフレームであることが理解される。即ち、本発明の好適な例に係るフレーム6は、補強用フィラーとして玄武岩繊維を用いているので、高剛性で且つ(減衰性)制振性が高い優れたフレームになっている。
[スピーカー装置用構成部品の製造方法]
次に、図3及び図4を参照して、スピーカー装置用構成部品の製造方法について説明する。図3は、スピーカー装置用構成部品の製造方法のフローチャートを示す。図4は、図3の工程P2に対応する工程を示す。
まず、既知の方法により、ベース素材となる熱可塑性樹脂に、補強用フィラー(充填フィラー)としての玄武岩繊維を添加する(添加工程P1)。ここで用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が好適である。なお、オレフィン系樹脂は、一般に、安価で且つ比重が小さく、内部損失が高いという性質を有している。また、ここで用いる玄武岩繊維の平均長は約1mm以上の長繊維であるのが好ましく、また、その玄武岩繊維の平均径(太さ)は約7〜20μmであるのが好ましい。また、この添加工程P1では、例えば、熱可塑性樹脂に玄武岩繊維を約5〜50%添加するのが好ましい。
次に、上記した添加工程P1によって製造された材料を、射出成形装置によって所望の形状に成形する(成形工程P2)。この成形工程P2により、例えば、スピーカー装置用構成部品の一例としての、図1に示される形状を有するフレーム6又はキャビネット12を作製することができる。
図4は、射出成形装置200の構成を模式的に示す。なお、図4は、スピーカー装置構成部品の一例としてのフレーム6を作製する様子を示している。
まず、図4を参照して、射出成形装置200の構成について説明する。
射出成形装置200は、固定側金型22と、可動側金型21とを備えている。固定側両金型21及び可動側金型22の相対向する面側には、フレーム6の形状に対応するキャビティ20が形成されている。
固定側金型22にはスプルーが設けられ、スプルーには玄武岩繊維を添加した熱可塑性樹脂の溶融された混合材料(以下、単に「混合材料」と呼ぶ)を射出するための射出装置40のノズルが差し込まれている。射出装置40は、射出プロセス制御部31により制御された射出条件によって制御され、このスプルーからキャビティ20に混合材料が射出される。
次に、射出成形装置200による、スピーカー装置用部品の一例としてのフレーム6の作製方法について説明する。
まず、図4に示すように、型締めシリンダ50によって可動側金型21と固定側金型22とを閉じ、キャビティ20を形成する。キャビティ20に対して、射出装置40を通じて混合材料を射出する。
このとき、混合材料の温度は、型締めシリンダ50内で、例えば、約230℃に保たれている。また、金型のキャビティ面の温度は、例えば、約60℃に保たれている。次いで、図4に示すように、混合材料の充填完了後、金型内で冷却固化され、図1に示すフレーム6が作製される。
なお、上記した射出成形装置200における、金型の温度、型締めシリンダ50による締め圧、キャビティ20の厚さなどの各パラメータはあくまで一例であり、その各パラメータは仕様に応じて適宜変更が可能であることは言うまでもない。
こうして、作製されたスピーカー装置用部品の一例としてのフレーム6は、上記した作用効果を奏する。
本発明のスピーカー装置用構成部品を含むスピーカー装置の断面図を示す。 スピーカー装置用構成部品の一例としてのフレーム等の諸特性を示す図表である。 スピーカー装置用構成部品の製造方法を示すフローチャートである。 図3における成形工程P2に対応する工程を示す。
符号の説明
6 フレーム
12 キャビネット
100 スピーカー装置

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維が添加された樹脂材料により成形されてなることを特徴とするスピーカー装置用構成部品。
  2. 前記玄武岩繊維は平均径約7〜20μmの連続繊維を加工したものであることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用構成部品。
  3. 前記熱可塑性樹脂はオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカー装置用構成部品。
  4. 前記玄武岩繊維は前記熱可塑性樹脂に約5〜50%添加されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用構成部品。
  5. 熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維を添加し、前記添加することにより得られた樹脂材料を射出成形により所定形状に成形する工程を有することを特徴とするスピーカー装置用構成部品の製造方法。
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