JP2006302478A - 光ディスク - Google Patents
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Abstract
【課題】DVDとの互換性を有し、かつDVDよりも更に高密度記録可能な光ディスクを提供する。
【解決手段】第1ピット又は第1案内溝2Aを有した第1光透過性基板2上に少なくとも第1反射層3、分離層4、第2反射層5、第2ピット又は第2案内溝6Aを有した第2基板6が順次積層された光ディスク1において、前記第1ピット又は第1案内溝2Aのピッチは、0.6〜0.8μm、第2ピット又は第2案内溝6Aのピッチは、0.3〜0.4μmであり、第1反射層3は、波長650nmのレーザ光に対して反射率が18%以上で、第2反射層5は、厚さが10nm以上であり、前記第1光透過性基板2、第2基板6は、共に厚さが0.55〜0.65mmである。
【選択図】 図1
【解決手段】第1ピット又は第1案内溝2Aを有した第1光透過性基板2上に少なくとも第1反射層3、分離層4、第2反射層5、第2ピット又は第2案内溝6Aを有した第2基板6が順次積層された光ディスク1において、前記第1ピット又は第1案内溝2Aのピッチは、0.6〜0.8μm、第2ピット又は第2案内溝6Aのピッチは、0.3〜0.4μmであり、第1反射層3は、波長650nmのレーザ光に対して反射率が18%以上で、第2反射層5は、厚さが10nm以上であり、前記第1光透過性基板2、第2基板6は、共に厚さが0.55〜0.65mmである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板の一方の面に高密度記録層と低密度記録層を併せ持つ片面2層の光ディスクに関するものである。
光ディスクの高密度化の要求に伴って、次々と開発される光ディスクは、従来の光ディスクを再生する再生装置では再生不能となり、再生互換性が保たれなくなってきた。
現在幅広く普及しているDVD(Digital Versatail Disc)においても、例えばHD(High Density)信号を記録するためには、記録容量が十分ではなく、画像等の情報の圧縮率を高めて画質を犠牲にせざるを得ない状況であり、より波長の短いレーザ光を用いた高密度で記録容量が高い新しいシステムが要求されるようになって来た。
現在幅広く普及しているDVD(Digital Versatail Disc)においても、例えばHD(High Density)信号を記録するためには、記録容量が十分ではなく、画像等の情報の圧縮率を高めて画質を犠牲にせざるを得ない状況であり、より波長の短いレーザ光を用いた高密度で記録容量が高い新しいシステムが要求されるようになって来た。
特許文献1には、2層の記録層を有する光ディスクが記載されている。
即ち、赤色光の透過率が他の色に対して相対的に低い状態で反射を行う材質で形成され、標準方式画像の映像ストリームを記録するDVDと同じ5GBの低密度記録層上に、青色光の透過率が相対的に低い状態で反射を行う材質で形成され、記録密度が前記低密度記録層に対して相対的に高く、高解像度の映像ストリームを記録する15GBの高密度記録層が形成され、低密度記録層及び高密度記録層は、樹脂層と反射層を積層した構造を備え、高密度記録層或いは低密度記録層の記録再生には、高密度記録層側からそれぞれ青色レーザ光或いは赤色レーザ光を用いて行えるので、1つのコンテンツに対し、NTSC用と高解像度用の2種類のディスクを用意する必要がないことが記載されている。
特開平11−312336号公報
即ち、赤色光の透過率が他の色に対して相対的に低い状態で反射を行う材質で形成され、標準方式画像の映像ストリームを記録するDVDと同じ5GBの低密度記録層上に、青色光の透過率が相対的に低い状態で反射を行う材質で形成され、記録密度が前記低密度記録層に対して相対的に高く、高解像度の映像ストリームを記録する15GBの高密度記録層が形成され、低密度記録層及び高密度記録層は、樹脂層と反射層を積層した構造を備え、高密度記録層或いは低密度記録層の記録再生には、高密度記録層側からそれぞれ青色レーザ光或いは赤色レーザ光を用いて行えるので、1つのコンテンツに対し、NTSC用と高解像度用の2種類のディスクを用意する必要がないことが記載されている。
しかしながら、広く普及した従来のDVD再生装置等においては、光学系や回路系のばらつき、経時劣化なども含め高密度記録層が僅かに干渉し、フォーカスサーボに不具合を生じ、ディスクを認識できないことや再生信号のエラーが増大することなど互換性を妨げるといった問題を生じていた。また、650nmのレーザ光の波長透過率が高い高密度記録層の波長選択性の反射膜も複数の材料から構成する必要があるためコストが高くなるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、前述の課題に鑑みて提案されるものであって、DVDとの互換性を有し、かつDVDよりも更に高密度記録可能な光ディスクを提供することを目的とする。
本発明における第1の発明は、第1ピット又は第1案内溝を有した第1光透過性基板上に少なくとも第1反射層、分離層、第2反射層、第2ピット又は第2案内溝を有した第2基板が順次積層された光ディスクにおいて、前記第1ピット又は第1案内溝のピッチは、0.6〜0.8μm、前記第2ピット又は第2案内溝のピッチは、0.3〜0.4μmであり、前記第1反射層は、波長650nmのレーザ光に対して反射率が18%以上で、前記第2反射層は、厚さが10nm以上であり、前記第1光透過性基板、第2基板は、共に厚さが0.55〜0.65mmであることを特徴とする光ディスクを提供する。
第2の発明は、前記分離層は、厚さが15μm〜70μmである紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の光ディスクを提供する。
第3の発明は、前記紫外線硬化樹脂は、波長650nm近傍の波長を吸収する色素を含んでいることを特徴とする請求項2記載の光ディスクを提供する。
第2の発明は、前記分離層は、厚さが15μm〜70μmである紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の光ディスクを提供する。
第3の発明は、前記紫外線硬化樹脂は、波長650nm近傍の波長を吸収する色素を含んでいることを特徴とする請求項2記載の光ディスクを提供する。
本発明によれば、前記第1ピット又は案内溝のピッチは、0.6〜0.8μm、前記第2ピットのピッチは、0.3〜0.4μmであり、前記第1反射層は、波長650nmのレーザ光に対して反射率が18%以上で、前記第2反射層は、厚さが10nm以上であり、前記第1光透過性基板、第2基板は、共に厚さが0.55〜0.65mmであるので、DVDとの互換性を有し、かつDVDよりも更に高密度記録可能な光ディスクを得ることができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスクを示す断面図である。
図2は、第1反射層にAg合金を用い、その厚さをパラメータとした場合の光透過率及び反射率の波長依存性を示す図であり、(A)は、光透過率の波長依存性を示し、(B)は反射率の波長依存性を示す。図3は、2層の記録再生層を有する場合の光ディスクから得られるフォーカスエラー信号を示す図であり、(A)は、実施例1における波長650nmのレーザ光に対する第2反射層の反射率が3%の場合、(B)は、実施例3における波長650nmのレーザ光に対する第2反射層の反射率が20%の場合、(C)は市販されている従来のDVDにおける波長650nmのレーザ光に対する第1、第2反射層の反射率が共に20%の場合を示す。図4は、実施例4の光ディスクを示す断面図である。図5は、実施例5の光ディスクを示す断面図である。図6は、実施例6の光ディスクを示す断面図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスクを示す断面図である。
図2は、第1反射層にAg合金を用い、その厚さをパラメータとした場合の光透過率及び反射率の波長依存性を示す図であり、(A)は、光透過率の波長依存性を示し、(B)は反射率の波長依存性を示す。図3は、2層の記録再生層を有する場合の光ディスクから得られるフォーカスエラー信号を示す図であり、(A)は、実施例1における波長650nmのレーザ光に対する第2反射層の反射率が3%の場合、(B)は、実施例3における波長650nmのレーザ光に対する第2反射層の反射率が20%の場合、(C)は市販されている従来のDVDにおける波長650nmのレーザ光に対する第1、第2反射層の反射率が共に20%の場合を示す。図4は、実施例4の光ディスクを示す断面図である。図5は、実施例5の光ディスクを示す断面図である。図6は、実施例6の光ディスクを示す断面図である。
本発明の実施の形態に係る光ディスク1には、0.6〜0.8μmのピッチの第1ピット又は第1案内溝である凹部2Aを有した第1光透過性基板2上に第1反射層3が形成されている一方、0.3〜0.4μmピッチの第2ピット又は第2案内溝である凹部6Aを有した第2基板6上に第2反射層5が形成され、分離層4を介して第1反射層3と第2反射層5を対向配置させて第1光透過性基板2と第2基板6とが貼り合わされている。
即ち、光ディスク1は、第1光透過性基板2上に第1反射層3、分離層4、第2反射層5、第2基板6が順次積層された構成を有する。ここで、第2基板6上に形成されている凹部6Aは、第1光透過性基板2上に形成されている凹部2Aのピッチよりも狭いので、第2基板6上の凹部6Aは、第1光透過性基板2上の凹部2Aよりも相対的に高密度であるということができる。
即ち、光ディスク1は、第1光透過性基板2上に第1反射層3、分離層4、第2反射層5、第2基板6が順次積層された構成を有する。ここで、第2基板6上に形成されている凹部6Aは、第1光透過性基板2上に形成されている凹部2Aのピッチよりも狭いので、第2基板6上の凹部6Aは、第1光透過性基板2上の凹部2Aよりも相対的に高密度であるということができる。
第1光透過性基板2に形成されている凹部2Aの情報を読み取る光の波長は、DVDと同様に650nmであり、第2基板6に形成されている凹部6Aの情報を読み取るレーザ光の波長は、400〜410nmであり、第1光透過性基板2及び第2基板6の凹部2A、6Aは、レーザ光を第1光透過性基板2側から照射して、対物レンズ7でそれぞれの凹部2A、6Aに集光させることにより再生することができる。
第1光透過性基板2、第2基板6は、共に厚さが0.55〜0.65mmである。
第1反射層3は、厚さが4nm以上であり、波長650nmのレーザ光に対する反射率が少なくとも18%以上、好ましくは45%以上を有している。
第2反射層5は、厚さが10nm以上であり、波長400〜410nmのレーザ光に対する反射率が少なくとも20%以上を有している。分離層4は、凹部6Aの情報を再生するために用いられる波長400〜410nm近傍におけるレーザ光の出力を減衰させないようにするために、この波長における光透過率を90%以上にすることが望ましい。
第1反射層3は、厚さが4nm以上であり、波長650nmのレーザ光に対する反射率が少なくとも18%以上、好ましくは45%以上を有している。
第2反射層5は、厚さが10nm以上であり、波長400〜410nmのレーザ光に対する反射率が少なくとも20%以上を有している。分離層4は、凹部6Aの情報を再生するために用いられる波長400〜410nm近傍におけるレーザ光の出力を減衰させないようにするために、この波長における光透過率を90%以上にすることが望ましい。
第1、第2反射層3、5が波長405nmと波長650nmのレーザ光を反射する際の反射率が等しい場合の分離層4の厚さは以下のようにすることが必要である。
即ち、レーザ光の波長が405nm、対物レンズの開口数NAが0.65である光学系を用いた場合には、この光学系の焦点深度は約0.5μmとなるため、分離層4の厚さは、その焦点深度の25倍である13μm以上にすることが望ましく、レーザ光の波長が650nm、対物レンズの開口数NAが0.6である光学系を用いた場合には、この光学系の焦点深度は0.9μmとなるため、分離層4の厚さは、その焦点深度の25倍である23μm以上にすることが望ましい。また、分離層4の厚さの上限は、従来の再生装置との互換の観点から市販されている従来のDVDと同じ70μm以下が望ましい。
また、第1、第2反射層3、5が波長405nmと波長650nmのレーザ光を反射する際の反射率に2倍程度の差がある場合には、分離層4の厚さは、23/(2)1/2の15μm以上とすることができる。この結果、分離層4の厚さは、23〜70μmの範囲にすると良い。
即ち、レーザ光の波長が405nm、対物レンズの開口数NAが0.65である光学系を用いた場合には、この光学系の焦点深度は約0.5μmとなるため、分離層4の厚さは、その焦点深度の25倍である13μm以上にすることが望ましく、レーザ光の波長が650nm、対物レンズの開口数NAが0.6である光学系を用いた場合には、この光学系の焦点深度は0.9μmとなるため、分離層4の厚さは、その焦点深度の25倍である23μm以上にすることが望ましい。また、分離層4の厚さの上限は、従来の再生装置との互換の観点から市販されている従来のDVDと同じ70μm以下が望ましい。
また、第1、第2反射層3、5が波長405nmと波長650nmのレーザ光を反射する際の反射率に2倍程度の差がある場合には、分離層4の厚さは、23/(2)1/2の15μm以上とすることができる。この結果、分離層4の厚さは、23〜70μmの範囲にすると良い。
第2反射層5の波長650nmのレーザ光に対する反射率をDVD−9(2層)規格より低い10%以下、望ましくはポリカーボネート基板の表面反射率の5%よりも低い3%以下にする必要があり、分離層4に色素を添加することが望ましい。
添加する色素としては、一般的な色素、蛍光色素、フォトクロミック色素、サーモクロミック色素など公知のものを用いることができる。具体的には、キサンテン系色素、アクリジン系色素、アゾ色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、シアニン色素、メロシアニン色素、スチリル色素、オキソノール色素、トリアリールメタン色素、ロイコ色素、スピロピラン、ジアリールエテンスピロオキサンジン等のクロミック色素がある。これらの色素中でDVDの記録再生レーザ波長である635〜660nm近傍(赤色レーザ)に吸収があり、HD−DVD(High Density DVD)やBD(Blu Ray Disc)の記録再生レーザ光波長である400〜410nm近傍(青色レーザ)に吸収がない、或いは青紫レーザによるディスクの記録再生に実質的に問題がない程度の吸収である色素を選択することにより、第2反射層5の反射特性を向上させることができる。
次に、第1光透過性基板2の第1反射層3にAg合金を用い、第1反射層3の厚さをパラメータとした場合の第1反射層3の光透過率及び反射率の波長依存性について調べた。その様子を図2(A)、(B)に示す。
図2(A),(B)に示すように、反射率は、第1反射層3の厚さが4nm未満では、波長650nmで18%未満になりDVDの規格を満足しないが4nm以上では18%以上になり、DVD規格を満足する。一方、光透過率は、第1反射層3の厚さが4nmでは、波長が650nmで67%、400nmで83%、10nmでは、波長が650nmで50%、波長が400nmで76%であり、波長650nmと波長400nmで大きな差が生じることがわかる。
このように、第1反射層3の厚さを4nm以上にすることにより、波長650nmと400nmの光を用いると、凹部2A、6Aの情報の再生を行うことができる。第1反射層3の厚さを4nm以上にすれば、DVDの規格を満たすため、DVDに用いられる波長650nmのレーザ光により再生できる。
図2(A),(B)に示すように、反射率は、第1反射層3の厚さが4nm未満では、波長650nmで18%未満になりDVDの規格を満足しないが4nm以上では18%以上になり、DVD規格を満足する。一方、光透過率は、第1反射層3の厚さが4nmでは、波長が650nmで67%、400nmで83%、10nmでは、波長が650nmで50%、波長が400nmで76%であり、波長650nmと波長400nmで大きな差が生じることがわかる。
このように、第1反射層3の厚さを4nm以上にすることにより、波長650nmと400nmの光を用いると、凹部2A、6Aの情報の再生を行うことができる。第1反射層3の厚さを4nm以上にすれば、DVDの規格を満たすため、DVDに用いられる波長650nmのレーザ光により再生できる。
第1光透過性基板2の凹部2Aの情報としては、第2基板6の凹部6Aの情報と同等の内容であり、圧縮率が高い状態で記録されている。
例えば、第1光透過性基板2の凹部2Aの情報がSD(スタンダードディフィニション=例えばMP@ML相当)で、第2基板6の凹部6Aの情報がHD(ハイディフィニション=例えばMP@HL相当)の場合には、市販のDVD再生装置でも再生が可能であり、より高画質な情報を見るために高密度光ディスク再生装置の購入意欲を高めることができる。また、販売店においても2種類の同一内容のメディアを用意せずに、売り場スペースの有効活用を図ることができる。雑誌の付録や広告などの配布用光ディスクとしても適用することが有効である。
例えば、第1光透過性基板2の凹部2Aの情報がSD(スタンダードディフィニション=例えばMP@ML相当)で、第2基板6の凹部6Aの情報がHD(ハイディフィニション=例えばMP@HL相当)の場合には、市販のDVD再生装置でも再生が可能であり、より高画質な情報を見るために高密度光ディスク再生装置の購入意欲を高めることができる。また、販売店においても2種類の同一内容のメディアを用意せずに、売り場スペースの有効活用を図ることができる。雑誌の付録や広告などの配布用光ディスクとしても適用することが有効である。
製造原価も原盤となるスタンパ作成費用とオーサリング費用は別として、2枚の基板を貼り合せて作られるDVDとほぼ同一工程で製作することが可能で、新たな投資は必要ないという特長をもつ。
再生する装置としては既に市販されているDVD再生装置以外に、高記録密度を再生する装置においても市販されているDVDと本発明の光ディスクの両方を再生する場合があるが、本発明ディスクをDVDと誤認識しないように、第1光透過性基板2側の光ディスクの物理的な特徴情報や属性情報が記録されているリードイン領域のコントロールデータに高記録密度情報が奥の層にあることを知らせる情報フラグを立て、高記録密度が再生できる再生装置においては、選択は出来るが優先的に高記録密度の情報を再生するように設定することが望ましい。
再生する装置としては既に市販されているDVD再生装置以外に、高記録密度を再生する装置においても市販されているDVDと本発明の光ディスクの両方を再生する場合があるが、本発明ディスクをDVDと誤認識しないように、第1光透過性基板2側の光ディスクの物理的な特徴情報や属性情報が記録されているリードイン領域のコントロールデータに高記録密度情報が奥の層にあることを知らせる情報フラグを立て、高記録密度が再生できる再生装置においては、選択は出来るが優先的に高記録密度の情報を再生するように設定することが望ましい。
次に、実施例1〜7の試料を作製し、市販のDVD再生装置による再生特性について調べた。
実施例1の光ディスクは、図1における光ディスク1の第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、半径22.6mmから59mまでの間に0.74μmピッチ、最短マーク長が0.4μmで高さ80nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、半径22mmから59mmまでの間に0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μmで高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
また、第1反射層3は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ10nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものである。分離層4は、厚さ50μmのフタロシアニン色素を混合した紫外線硬化樹脂からなる。
また、第1反射層3は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ10nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものである。分離層4は、厚さ50μmのフタロシアニン色素を混合した紫外線硬化樹脂からなる。
更に、第1光透過性基板2のデータ領域には、DVDに対応した4.7GBの容量を確保した8−16変調された信号が記録され、レーザ光の照射側から見て、奥の第2基板6のデータ領域には、約15GBの容量のHD-DVDに使用予定である8−12変調された信号が記録されている。
上記した図2(A),(B)に示すように、この場合の第1反射層3における反射率は、波長650nmで45%、波長405nmで22%、光透過率は、波長650nmで50%、波長405nmで86%である。第2反射層5の波長650nmでの反射率は、3%であった。
次に、市販のDVD再生装置を用いて実施例1の光ディスクを再生した場合のフォーカスエラー信号を調べた。その結果を図3(A)に示す。
DVD再生装置でのフォーカスエラー信号の振幅は650nmの反射率に比例するため、図3(A)に示すように、厚さ10nmの第1反射層3と厚さ60nmの第2反射層5を用い、分離層4にフタロシアニン色素を混合したことにより、フォーカスエラー信号の振幅は、4倍以上の差を生じ、凹部2Aと凹部6Aの情報を分離して再生できることがわかる。
次に、市販のDVD再生装置を用いて実施例1の光ディスクを再生した場合のフォーカスエラー信号を調べた。その結果を図3(A)に示す。
DVD再生装置でのフォーカスエラー信号の振幅は650nmの反射率に比例するため、図3(A)に示すように、厚さ10nmの第1反射層3と厚さ60nmの第2反射層5を用い、分離層4にフタロシアニン色素を混合したことにより、フォーカスエラー信号の振幅は、4倍以上の差を生じ、凹部2Aと凹部6Aの情報を分離して再生できることがわかる。
実施例1の光ディスクは、20台のDVD再生装置全てにおいて問題なく再生されることが確認された。またHD用及びDVD用のディスク評価機においても問題なく高記録密度の信号が再生できることが確認された。
実施例2の光ディスクは、図1における光ディスク1の第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.4μm、高さ80nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.56mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
また、第1反射層3は、Ag銀の組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ100nmに成膜したものであり、第2反射層5は、SiO2とTiO2を真空蒸着法で6層交互に積層して成膜されたものである。そして、第2反射層5は、波長650nmの光の光透過率が70%、400nmの光の光透過率が30%である。
分離層4は、厚さ50μmの紫外線硬化樹脂からなる。
また、第1反射層3は、Ag銀の組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ100nmに成膜したものであり、第2反射層5は、SiO2とTiO2を真空蒸着法で6層交互に積層して成膜されたものである。そして、第2反射層5は、波長650nmの光の光透過率が70%、400nmの光の光透過率が30%である。
分離層4は、厚さ50μmの紫外線硬化樹脂からなる。
更に、第1光透過性基板2のデータ領域には、DVDに対応した4.7GBの容量を確保した8−16変調された信号が記録され、第2基板6のデータ領域には、約15GBの容量のHD-DVDに使用予定である8−12変調した情報が記録されている。
実施例2の光ディスク1は、第2基板6がポリカーボネート樹脂からなるので、レーザ光を第2基板6側からも入射させることができる。実施例1とは逆に、第2基板6側から波長650nmのレーザ光を入射させ、パルステック社製ディスク評価機DDU1000において中記録密度の信号を再生することができ、第2反射層5での反射率は40%であった。しかし、任意の市販されているDVD再生装置では、DVDディスクとして認識できない場合が10台中2台あった。また再生できてもブロックノイズが発生するケースもあった。この原因としては、レーザ光源に近い第2反射層5側からの干渉の影響でフォーカスサーボにエラーが生じサーボがかけられなかったり、フォーカスサーボがかかっても再生される情報にノイズが付加されることが考えられる。
実施例3の光ディスクは、図1における光ディスク1の第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、半径22.6mmから59mmまでの間に0.74μmピッチ、最短マーク長が0.4μm、高さ80nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、半径24mmから59mmまでの間に0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
また、第1反射層3は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ10nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ60nmにしたものである。分離層4は、厚さ50μmの色素を有していない紫外線硬化樹脂からなる。
また、第1反射層3は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ10nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ60nmにしたものである。分離層4は、厚さ50μmの色素を有していない紫外線硬化樹脂からなる。
第1光透過性基板2のデータ領域には、DVDに対応した4.7GBの容量を確保した8−16変調された信号が記録され、レーザ光の照射側から見て、奥の第2基板6のデータ領域には、約15GBの容量のHD-DVDに使用予定である8−12変調した情報が記録されている。
低記録密度のDVDに相当する第1反射層3は、波長650nmの光の反射率が約45%、光透過率が50%であり、波長405nmの光の反射率が22%、光透過率が86%である。
一方、第2反射層5は、波長405nmの光の反射率が40%、波長650nmの光の反射率が約12%である。
一方、第2反射層5は、波長405nmの光の反射率が40%、波長650nmの光の反射率が約12%である。
実施例3の光ディスクは、20台のDVD再生装置の中で1台においてディスクの認識で問題があることがわかった。この原因を調べるために、市販のDVD再生装置を用いて実施例3の光ディスクとDVD−9を再生した場合のフォーカスエラー信号を調べた。その結果を図3(B)、(C)に示す。第1光透過性基板2側の波長650nmの光の反射率が高く、図3(B)に示すように、実施例3の光ディスクのフォーカスエラー信号は、DVD−9のフォーカスエラー信号の振幅と類似しているので、第2反射層5をDVD−9の反射層と誤認識し、DVD再生装置では読み取れない凹部6Aの情報を認識できなかったためと考えられる。
図4に示すように、実施例4の光ディスク8は、図1に示す光ディスク1における第1反射層3と分離層4との間に第1反射層3側から順番に凹部9Aを有する分離層9、第3反射層10が形成されたものであり、それ以外は同様である。
図1と同一構成には、同一符号を付す。
第1光透過性基板2は、直径12mm、厚さ0.59mmであり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.44μm、ピット高さ100nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で形成されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で形成されたものである。
第1反射層3は、Ag合金を蒸着して厚さ7nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Ag合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものであり、第3反射層10は、Ag合金を蒸着して厚さ12nmに成膜したものである。
図1と同一構成には、同一符号を付す。
第1光透過性基板2は、直径12mm、厚さ0.59mmであり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.44μm、ピット高さ100nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で形成されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.59mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で形成されたものである。
第1反射層3は、Ag合金を蒸着して厚さ7nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Ag合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものであり、第3反射層10は、Ag合金を蒸着して厚さ12nmに成膜したものである。
また、分離層4は、厚さ40μmのフタロシアニン色素が混合された紫外線硬化樹脂からなり、分離層9は、厚さ50μmの紫外線硬化樹脂からなり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.44μmでピット高さ100nmの凹部9Aが転写されたものである。
第1光透過性基板2側から見て、2層の凹部2A、9Aによってデータ領域に記録される情報容量は、これらを合わせて8.5GBであり、第2基板6の凹部6Aによってデータ領域に記録される情報容量は、15GBである。実施例4の光ディスクは、10種類のDVD再生装置にてディスクを認識することが確認された。
図5に示すように、実施例5の光ディスク11は、図4に示す実施例4の光ディスク8における分離層4と第2反射層5との間に分離層4側から順番に第4反射層12、凹部13Aを有する分離層13が形成されたものであり、それ以外は同様である。
図4と同一構成には同一符号を付す。
第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.44μm、高さ100nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
第1反射層3、第4反射層12のそれぞれは、Ag合金を蒸着して厚さ7nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Ag合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものであり、第3反射層10は、Ag合金を蒸着して厚さ12nmに成膜したものである。
図4と同一構成には同一符号を付す。
第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.44μm、高さ100nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
第1反射層3、第4反射層12のそれぞれは、Ag合金を蒸着して厚さ7nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Ag合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものであり、第3反射層10は、Ag合金を蒸着して厚さ12nmに成膜したものである。
また、分離層4は、厚さ40μmのフタロシアニン色素が混合された紫外線硬化樹脂からなり、分離層9は、厚さ50μmの紫外線硬化樹脂からなり、0.74μmピッチ、最短マーク長が0.44μmでピット高さ100nmの凹部9Aが転写されたものであり、分離層13は、厚さ20μmの紫外線硬化樹脂からなり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μmでピット高さ80nmの凹部13が転写されたものである。
第1光透過性基板2側から見て、2層の凹部2A、9Aによってデータ領域に記録される情報容量は、これらを合わせて8.5GB、凹部6A、12Aによってデータ領域に記録される情報容量は、2層合わせて30GBである。実施例5の光ディスクは、実施例4と同様に、10種類のDVD再生装置にてディスクを認識することが確認された。
図6に示すように、実施例6の光ディスク14は、図5に示す実施例5の光ディスク11における分離層9、第3反射層10を取り除いたものであり、それ以外は同様である。
図5と同一構成には、同一符号を付す。
第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、半径22.6mmから59mmまでの間に0.74μmピッチ、最短マーク長が0.4μm、高さ80nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
第1反射層3は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ10nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Ag合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものであり、第4反射層12は、Ag合金を蒸着して厚さ7nmに成膜したものである。
図5と同一構成には、同一符号を付す。
第1光透過性基板2は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、半径22.6mmから59mmまでの間に0.74μmピッチ、最短マーク長が0.4μm、高さ80nmの凹部2Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものであり、第2基板6は、直径120mm、厚さ0.57mmであり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μm、高さ80nmの凹部6Aが転写されたポリカーボネート樹脂で成形されたものである。
第1反射層3は、Agの組成比が95%以上のAg合金を蒸着して厚さ10nmに成膜したものであり、第2反射層5は、Ag合金を蒸着して厚さ60nmに成膜したものであり、第4反射層12は、Ag合金を蒸着して厚さ7nmに成膜したものである。
また、分離層4は、厚さ40μmのフタロシアニン色素が混合された紫外線硬化樹脂からなり、分離層13は、厚さ20μmの紫外線硬化樹脂からなり、0.4μmピッチ、最短マーク長が0.2μmでピット高さ80nmの凹部13Aが転写されたものである。
第1光透過性基板2側から見て、凹部2Aによってデータ領域に記録される情報容量は、4.7GB、凹部6A、12Aによってデータ領域に記録される情報容量は、2層合わせて30GBである。実施例6の光ディスクは、実施例5と同様に、10種類のDVD再生装置にてディスクを認識することが確認された。
現実的には、第1光透過性基板1のデータ領域に4.7GBに圧縮した情報を記録しておき、将来、高画質を視聴するために、高記録密度の再生装置で再生するようにしても良い。
なお、本発明は、再生専用の光ディスクにだけ適用されるものではなく、色素を用いた記録可能な光ディスクや相変化を用いた書き換え可能な光ディスク、また外径が120mmではなく、80mm以下の小径の光ディスクなどにも適用可能である。
なお、本発明は、再生専用の光ディスクにだけ適用されるものではなく、色素を用いた記録可能な光ディスクや相変化を用いた書き換え可能な光ディスク、また外径が120mmではなく、80mm以下の小径の光ディスクなどにも適用可能である。
1、8、11、14…光ディスク、2…第1光透過性基板、2A、6A、9A、12A…凹部、3…第1反射層、4、9、13…分離層、5…第2反射層、6…第2基板、7…対物レンズ、9…分離層、10…第3反射層、12…第4反射層
Claims (3)
- 第1ピット又は第1案内溝を有した第1光透過性基板上に少なくとも第1反射層、分離層、第2反射層、第2ピット又は第2案内溝を有した第2基板が順次積層された光ディスクにおいて、
前記第1ピット又は第1案内溝のピッチは、0.6〜0.8μm、前記第2ピット又は第2案内溝のピッチは、0.3〜0.4μmであり、前記第1反射層は、波長650nmのレーザ光に対して反射率が18%以上で、前記第2反射層は、厚さが10nm以上であり、前記第1光透過性基板、第2基板は、共に厚さが0.55〜0.65mmであることを特徴とする光ディスク。 - 前記分離層は、厚さが15μm〜70μmである紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
- 前記紫外線硬化樹脂は、波長650nm近傍の波長を吸収する色素を含んでいることを特徴とする請求項2記載の光ディスク。
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Family Applications (1)
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JP2005149278A Pending JP2006302478A (ja) | 2005-01-25 | 2005-05-23 | 光ディスク |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006302478A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008535136A (ja) * | 2005-04-02 | 2008-08-28 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | ハイブリッドディスク及び該ディスクに/からデータを記録及び/または判読する方法 |
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2005
- 2005-05-23 JP JP2005149278A patent/JP2006302478A/ja active Pending
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