JP2006297609A - インクジェット記録用紙及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 染料プリントでの印字濃度を維持しつつ、顔料プリントでの吸収速度・印字濃度を向上したインクジェット記録用紙及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 以下の3つの工程を順次行うことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(1)無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液を支持体に塗布し、乾燥し多孔質層を設ける工程。
(2)前記多孔質層に固形分又は不揮発性成分を含む有機溶剤又は含まない有機溶剤のいずれかを塗布する工程。
(3)前記(2)の工程で得られたインクジェット記録用紙を乾燥して、前記有機溶剤の残存量を1.0質量%以下にする工程。
【選択図】 なし
【解決手段】 以下の3つの工程を順次行うことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(1)無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液を支持体に塗布し、乾燥し多孔質層を設ける工程。
(2)前記多孔質層に固形分又は不揮発性成分を含む有機溶剤又は含まない有機溶剤のいずれかを塗布する工程。
(3)前記(2)の工程で得られたインクジェット記録用紙を乾燥して、前記有機溶剤の残存量を1.0質量%以下にする工程。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録用紙(以後、単に記録用紙ともいう)及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、染料プリンタ・顔料プリンタ双方で高濃度の発色性、十分な吸収速度が得られるインクジェット記録用紙の製造方法に関する。
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行うものである。特に、近年ではインクジェットプリンターの、インク液滴の小液滴化、多色化が進み、画質は著しく向上した。画質の面からは銀塩写真に匹敵するようになってきている。
また、記録用紙においても改良がすすんでおり、高平滑性の支持体上に無機微粒子と親水性ポリマーから形成される微小な空隙構造を有する多孔質層を設けた空隙型のインクジェット記録用紙は、高い光沢を有し、鮮やかな発色を呈し、インク吸収性及び乾燥性に優れていることから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。
インクジェット記録方法には、主に染料を用いる方法と、顔料を用いる方法がある。水溶性染料を用いたインクジェット記録方式は、明度の高い画像を得やすいという特徴があるが、保存性では劣り、太陽光或いは室内光による褪色、空気中に存在するオゾン等の酸化性ガス等による褪色が大きいことが課題となっている。
一方、顔料を用いた記録方法は保存性に優れているが、画像の濃度により光沢感が異なり写真画質が得られにくいという問題があった。しかしながら、近年、色材を含まない光沢調整剤をあわせてプリントすることなどにより、光沢感の問題は徐々に解消しつつある。
記録用紙の分野でも、染料プリントだけではなく、顔料プリントにおいても高画質の画像が得られる記録用紙が求められている。とくに、顔料プリントにおいて高濃度の発色性が得られる記録用紙が求められている。
これまで顔料インクでの濃度向上として、下層よりも上層の無機微粒子粒径を小さくする方法が開示されて(例えば、特許文献1参照。)いる。しかしながら、この方法では染料でプリントした場合濃度の低下が発生する場合があった。
特開2003−285541号公報 (特許請求の範囲)
本発明の目的は、染料プリントでの印字濃度を維持しつつ、顔料プリントでの吸収速度・印字濃度を向上したインクジェット記録用紙及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
以下の3つの工程を順次行うことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(1)無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液を支持体に塗布し、乾燥し多孔質層を設ける工程。
(2)前記多孔質層に固形分又は不揮発性成分を含む有機溶剤又は含まない有機溶剤のいずれかを塗布する工程。
(3)前記(2)の工程で得られたインクジェット記録用紙を乾燥して、前記有機溶剤の残存量を1.0質量%以下にする工程。
以下の3つの工程を順次行うことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(1)無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液を支持体に塗布し、乾燥し多孔質層を設ける工程。
(2)前記多孔質層に固形分又は不揮発性成分を含む有機溶剤又は含まない有機溶剤のいずれかを塗布する工程。
(3)前記(2)の工程で得られたインクジェット記録用紙を乾燥して、前記有機溶剤の残存量を1.0質量%以下にする工程。
(請求項2)
前記有機溶剤中の固形分又は不揮発性成分の濃度が1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
前記有機溶剤中の固形分又は不揮発性成分の濃度が1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項3)
前記有機溶剤がエステル類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
前記有機溶剤がエステル類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法により製造されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法により製造されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
本発明により、染料プリントでの印字濃度を維持しつつ、顔料プリントでの吸収速度・印字濃度を向上したインクジェット記録用紙及びその製造方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、界面活性剤を含有する水系塗布液を塗布乾燥して多孔質層を設ける工程、固形分を含む有機溶剤又は含まない有機溶剤のいずれかを塗布する工程、該有機溶剤を乾燥させる工程を順次含むことを特徴としている。
このことにより、顔料プリンタでの吸収速度・濃度が向上するメカニズムは定かではないが、以下のように推察している。
水系塗布液を塗布乾燥すると、多孔質層表面に界面活性剤は配向しようとする。しかしながら、無機微粒子と水溶性バインダーを含む水系塗布液を塗布乾燥し、多孔質層が形成される際、界面が複雑な多孔質の形状となる。その際、活性剤も複雑な多孔質形状、および、気液界面に沿って配向をするが、形状が複雑であるため、活性剤の配向は均一にならず、配向がランダムになる部分が存在すると推察される。活性剤の配向が均一ではない状態の多孔質層に有機溶剤を塗布することにより、界面活性剤の配向がより均一になると推察される。
活性剤の配向が均一になることにより、記録用紙表面の濡れ性も均一になり、着弾するインク液滴の広がり方が、より真円に近づき、かつ均一になるものと推定される。また、表面が均一になるため、記録用紙上のドット径も広がるものと推察される。ドットの真円に近い形広がりで安定するため、濃度が向上したものと推定される。
インク液滴が均一に多孔質層に浸透していくため吸収速度も向上したものと推定される。
(有機溶剤の塗布)(工程2)
本発明では、水系塗布液を支持体に塗布し乾燥した(工程1)後、有機溶剤を塗布することを特徴としている。
本発明では、水系塗布液を支持体に塗布し乾燥した(工程1)後、有機溶剤を塗布することを特徴としている。
有機溶剤の塗布は、多孔質層が形成された後に行われる必要がある。したがって、本発明において、乾燥後に塗布するとは、水系塗布液の乾燥終点後に塗布することをいう。
乾燥終点は、表面温度と周囲温度(吹き付け乾燥を行っている場合は温風温度)が一致した点のことを言う。また、含水量計を用いて、塗膜の含水率をモニターし、含水量の減少曲線がフラットになった領域を乾燥終点と規定することができる。
(有機溶剤の乾燥)(工程3)
有機溶剤の乾燥は、多孔質層上に塗布された有機溶剤の総量に対し残存する有機溶剤が1質量%以下にするが、0.5質量%以下が好ましくは、検出されないことが最も好ましい。乾燥方法に特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
有機溶剤の乾燥は、多孔質層上に塗布された有機溶剤の総量に対し残存する有機溶剤が1質量%以下にするが、0.5質量%以下が好ましくは、検出されないことが最も好ましい。乾燥方法に特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
(有機溶剤)
本発明では、沸点が200℃以下の有機溶剤を用いることができる。沸点200℃以下の有機溶剤であれば特に制限はなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−メトキシエタノール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酪酸エチル、酪酸ビニル、酪酸メチル、アクリル酸メチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、イソプロピルビニルエーテル、および1,4−ジオキサン、n−ヘキサン等が挙げられる。
本発明では、沸点が200℃以下の有機溶剤を用いることができる。沸点200℃以下の有機溶剤であれば特に制限はなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−メトキシエタノール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−プロピル、酢酸−n−ブチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酪酸エチル、酪酸ビニル、酪酸メチル、アクリル酸メチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、イソプロピルビニルエーテル、および1,4−ジオキサン、n−ヘキサン等が挙げられる。
濃度向上の効果が大きいことから、エステル類を用いることが好ましい。
また、乾燥させやすいということから、沸点が130℃以下の有機溶剤が好ましく、さらに100℃以下の有機溶剤が好ましく、最も好ましくは80℃以下の有機溶剤である。また、安定して塗布を行うという点から、凝固点が30℃以下、沸点が30℃以上の有機溶剤が好ましい。有機溶剤は2種以上を併用してもよい。
有機溶剤は十分に活性剤を配向させるということから、また、塗布後乾燥させる点から、3g/m2以上・30g/m2以下塗布することが好ましく、5g/m2以上・25g/m2以下がさらに好ましく、8g/m2以上・20mg/m2以下が最も好ましい。
また、本発明においては有機溶剤中に、界面活性剤の配向を妨げない範囲で、固形分を含めることができるが、固形分濃度が1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
ここで用いる固形分としては、例えば染料や、有機微粒子、無機微粒子などが含まれる。ただし、架橋剤、界面活性剤などは好ましくない。
その理由として、多孔質層中の化合物と反応するような架橋剤を有機溶剤に含有させ塗布すると、当然架橋剤と多孔質層中の化合物の反応が起きる。その際は化合物間で電荷の移動を生じるが、その電荷の移動が界面活性剤の配向を乱すものと推察される。
架橋剤と同様に多孔質層中の成分と反応する化合物や固形分を含むと本発明の効果が得られにくくなる。このことについては、理由は定かではないが以下のように推察している。
固形分を含有している有機溶剤を、多孔質層に塗布すると微細な多孔質の表面に新たな表面が形成される。その場合、既に多孔質層の最表層にある界面活性剤よりも表層に新たな表面が形成される場合や、活性剤が新たな表面に配向した場合でも、配向が乱れてしまう場合があると推定される。
また、有機溶剤中に界面活性剤がある場合も同様で、新たに塗布される界面活性剤が多孔層中の活性剤の配向を乱す場合があると推察される。
(無機微粒子)
本発明の無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
本発明の無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子としては、表面がアニオン性で染料に対して定着性を有しない無機微粒子および染料に対して定着性を有する表面がカチオン性の無機微粒子のいずれも使用することができる。
表面がアニオン性である無機微粒子を使用する場合には、通常カチオン性ポリマーを併用するが、表面がアニオン性の無機微粒子にカチオン性ポリマーを添加した場合、カチオン性ポリマーが無機微粒子表面に留まって不動化し、その不動化されたカチオン性ポリマーに定着されて染料が不動化するものと推定される。
上記表面がカチオン性の無機微粒子には、特開平8−34160号公報に記載されているような、第4級アンモニウム塩基を有するシランカップリング剤を無機微粒子の表面にカップリングさせて表面電荷をカチオン性に変換した無機微粒子も含まれる。
本発明の無機微粒子としては、低屈折率で平均粒径の小さな微粒子が好ましく、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ベーマイト水酸化アルミニウムまたはその水和物等の微粒子が挙げられるが、好ましくはシリカ微粒子である。
なお、該微粒子が気相法により合成されたシリカ微粒子である場合には、その一次平均粒径が、6〜20nmであることが好ましい。
シリカ微粒子の製造方法は乾式法(気相法)と湿式法に大別され、乾式法としてはハロゲン化珪素の高温での気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、及びケイ砂とコークスを電気炉でアークにより加熱還元気化しこれを空気酸化する方法(アーク法)が知られている。また湿式法としては珪酸塩の酸分解により活性シリカを生成した後、過度に重合させて凝集・沈殿させる方法が知られている。
本発明においてはシリカ微粒子の中でも気相法により合成されたシリカが最も好ましい。
気相法により合成された微粒子シリカは通常、四塩化珪素を水素及び酸素と共に高温で燃焼して得られる平均1次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末であるが、本発明では特に30nm以下の平均1次粒子径を有するものが光沢性の点で好ましい。
該気相法シリカとして現在市販されているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロジルや、トクヤマ社製レオロシール等が該当する。
コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均粒子径が好ましい。
気相法により合成されたシリカ及びコロイダルシリカは、その表面をカチオン変成されたものであってもよく、また、Al、Ca、Mg及びBa等で処理された物であってもよい。
(水溶性バインダー)
本発明で用いることのできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
本発明で用いることのできる水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
本発明で好ましく用いられる水溶性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
(不揮発性成分)
本発明の不揮発性成分とは沸点が220℃以上の成分のことを言う。
本発明の不揮発性成分とは沸点が220℃以上の成分のことを言う。
(界面活性剤)
本発明に用いることのできる界面活性剤としては、カチオン性、両性及びノニオン性の炭化水素系、フッ素系、シリコン系界面活性剤等のいずれも使用可能である。
本発明に用いることのできる界面活性剤としては、カチオン性、両性及びノニオン性の炭化水素系、フッ素系、シリコン系界面活性剤等のいずれも使用可能である。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などの化合物が挙げられる。具体的には、例えば特開2003−335048号に記載の化合物があげられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどの化合物が挙げられる。具体的には例えば特開2004−262170号に記載の化合物があげられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレンアルコール、アセチレングリコールなどの化合物が挙げられる。
界面活性剤の使用量は0.0001〜1.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5g/m2である。
本発明ではより高濃度のプリントが得られるということから、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるアセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物としては、特に制限はないが、以下に説明するアセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物が好ましい。
本発明で用いられるアセチレングリコール化合物及びアセチレンアルコール化合物は、下記一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物である。
一般式(1)において、R4、R6はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基、R5、R7はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基又はアリル基を表す。R4、R6としてはそれぞれがメチル基であることが好ましく、R5、R7はそれぞれがイソブチル基であることが好ましい。m、nはそれぞれ0〜40までの整数を表し、好ましくは、m、nの和は2〜30であり、より好ましくは2〜10である。
一般式(2)において、R8、R10はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基、R9、R11はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基又はアリル基を表す。R8、R10はそれぞれがメチル基であることが好ましく、R9、R11はそれぞれエチル基又はイソブチル基であることが好ましい。
一般式(3)において、R12は炭素数1〜3のアルキル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基又はアリル基を表す。R12はメチル基であることが好ましく、R13はイソブチル基であることが好ましい。
本発明に係るアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は、分子中に三重結合を有し、その隣接炭素原子に水酸基およびアルキル基を有し、三重結合に対して左右対称構造であるものが好ましい。
本発明に係るアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は、ノニオン性ではあるが、三重結合とそれに隣接する水酸基の組み合わせにより、電子密度を非常に高め、分子中央部が強く極性を有する特徴がある。
上記一般式(1)〜(3)で表される化合物の中で、本発明でより好ましく用いることのできる化合物は、一般式(1)で表されるアセチレングリコール化合物である。
本発明で用いられるアセチレングリコール化合物、アセチレンアルコール化合物は市販品として入手することができ、例えば、日信化学工業(株)製のサーフィノール、オルフィン、川研ファインケミカル社製のアセチレノールが挙げられる。
(媒染剤)
本発明のインクジェット記録用紙の多孔質層には、染料プリントにおいて高濃度の発色性が得られるということから、カチオン性ポリマーや水溶性多価金属を媒染剤として用いることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙の多孔質層には、染料プリントにおいて高濃度の発色性が得られるということから、カチオン性ポリマーや水溶性多価金属を媒染剤として用いることが好ましい。
(カチオン性ポリマー)
本発明で用いられるカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有するポリマーであり、インクジェット記録用紙で公知の化合物が用いられる。製造の容易性から、実質的に水溶性であるものが好ましい。
本発明で用いられるカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有するポリマーであり、インクジェット記録用紙で公知の化合物が用いられる。製造の容易性から、実質的に水溶性であるものが好ましい。
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン−ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。
または、化学工業時報平成10年8月15日及び25日に記載されるカチオン性ポリマー、「高分子薬剤入門」(三洋化成工業株式会社発行、p787、1992年)に記載される高分子染料固着剤が例として挙げられる。
カチオン性ポリマーの平均分子量としては2000〜50万の範囲であることが好ましく、更に好ましくは1万〜10万の範囲である。
本発明でいう平均分子量とは数平均分子量のことであり、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーから求めたポリエチレングリコール換算値を言う。
カチオン性ポリマーは、インクジェット記録用紙1m2当たり、通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
(水溶性多価金属)
本発明のインクジェット記録用紙の多孔質層には水溶性多価金属化合物を含有することが好ましい。水溶性多価金属化合物としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩等が挙げられる。中でもアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウムからなる水溶性塩はその金属イオンが無色のため好ましい。更に、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物が長期保存時の滲み耐性に優れると言う点で特に好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙の多孔質層には水溶性多価金属化合物を含有することが好ましい。水溶性多価金属化合物としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩等が挙げられる。中でもアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウムからなる水溶性塩はその金属イオンが無色のため好ましい。更に、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物が長期保存時の滲み耐性に優れると言う点で特に好ましい。
水溶性アルミニウム化合物の具体例としては、ポリ塩化アルミニウム(塩基性塩化アルミニウム)、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウム等を挙げることができる。ここで、水溶性多価金属化合物における水溶性とは、20℃の水に1質量%以上、より好ましくは3質量%以上溶解することを意味する。
(架橋剤)
本発明においては、架橋剤を使用することが好ましい。本発明で用いることのできる架橋剤としては、水溶性バインダーと架橋反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。架橋剤の具体例としては、例えば、エポキシ系架橋剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系架橋剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系架橋剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
本発明においては、架橋剤を使用することが好ましい。本発明で用いることのできる架橋剤としては、水溶性バインダーと架橋反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。架橋剤の具体例としては、例えば、エポキシ系架橋剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系架橋剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系架橋剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
架橋剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。上記架橋剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。
(塗布方法)
本発明の工程(1)において、無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液は、各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
本発明の工程(1)において、無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液は、各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
本発明の工程(2)において、有機溶剤を塗布する塗布方法としても、公知の塗布方式から適宜選択して、水系塗布液を塗布した支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。特願2004−244784号に記載のスロットノズルスプレー装置を用いることがより好ましい。また、有機溶剤の塗布は、前記多孔質層の塗布のラインと同一ラインで行われることが好ましい。
実施例1
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《記録用紙の作製》
〔被塗布体の作製〕
(支持体の作製)
木材パルプ(LBKP/NBSP=50/50)100質量部に対して、ポリアクリルアミドを1質量部、灰分(タルク)を4質量、カチオン化澱粉を2質量部、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を0.5質量部、及び種々の添加量のアルキルケテンダイマー(サイズ剤)を含有するスラリー液を調製し、長網抄紙機で坪量が170g/m2になるように基紙を抄造した。これにカレンダー処理した後、7質量%のアナターゼ型酸化チタンおよび少量の色調調整剤を含有する密度0.92の低密度ポリエチレン樹脂を320℃で厚さ28μmになるように溶融押し出しコーティング法で基紙の片面を被覆し、鏡面クーリングローラーで直後に冷却した。次いで、反対側の面を密度0.96の高密度ポリエチレン/密度0.92の低密度ポリエチレン=70/30の混合した溶融物を同様に溶融押し出し法で、厚さが32μmになるように被覆した。
〔被塗布体の作製〕
(支持体の作製)
木材パルプ(LBKP/NBSP=50/50)100質量部に対して、ポリアクリルアミドを1質量部、灰分(タルク)を4質量、カチオン化澱粉を2質量部、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を0.5質量部、及び種々の添加量のアルキルケテンダイマー(サイズ剤)を含有するスラリー液を調製し、長網抄紙機で坪量が170g/m2になるように基紙を抄造した。これにカレンダー処理した後、7質量%のアナターゼ型酸化チタンおよび少量の色調調整剤を含有する密度0.92の低密度ポリエチレン樹脂を320℃で厚さ28μmになるように溶融押し出しコーティング法で基紙の片面を被覆し、鏡面クーリングローラーで直後に冷却した。次いで、反対側の面を密度0.96の高密度ポリエチレン/密度0.92の低密度ポリエチレン=70/30の混合した溶融物を同様に溶融押し出し法で、厚さが32μmになるように被覆した。
多孔質層を設ける側の面の60度光沢度は56%、中心線平均粗さRaは0.12μmであった。
この支持体の酸化チタン含有層側に、コロナ放電した後、ゼラチン0.05g/m2を下引き層として塗布した。
一方反対側には、平均粒径約1.0μmのシリカ微粒子(マット剤)と少量のカチオン性ポリマー(導電剤)を含有するスチレン/アクリル系エマルジョンを、乾燥膜厚が約0.5μmになるように塗布して、多孔質層を塗布するための支持体を作製した。
バック面側は、光沢度が約18%、中心線平均粗さRaが約4.5μm、ベック平滑度は160〜200秒であった。
このようにして得られた支持体の基紙の含水率は7.0〜7.2%であった。
また、この支持体の不透明度は96.5%、白さは、L*=95.2、a*=0.56、b*=−4.35であった。
(多孔質層塗布液の調製)
下記の手順に従って、下記の組成からなる多孔質層用塗布液を調製した。
下記の手順に従って、下記の組成からなる多孔質層用塗布液を調製した。
〈シリカ分散液1の調製〉
水 71L
ホウ酸 0.27kg
ほう砂 0.24kg
エタノール 2.2L
カチオン性ポリマー(P−1)25%水溶液 17L
退色防止剤(AF1 *1)10%水溶液 8.5L
蛍光増白剤水溶液(*2) 0.1L
全量を純水で100Lに仕上げた。
水 71L
ホウ酸 0.27kg
ほう砂 0.24kg
エタノール 2.2L
カチオン性ポリマー(P−1)25%水溶液 17L
退色防止剤(AF1 *1)10%水溶液 8.5L
蛍光増白剤水溶液(*2) 0.1L
全量を純水で100Lに仕上げた。
無機微粒子として、気相法シリカ(日本アエロジル株式会社製 アエロジル200 平均一次粒子径 約12nm)を50kg用意し、これに上記添加剤を添加した後、特開2002−47454号公報の実施例5に記載された分散方法により分散してシリカ分散液1を得た。
*1:退色防止剤(AF−1) HO−N(C2H4SO3Na)2
*2:チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、UVITEX NFW LIQUID
*2:チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、UVITEX NFW LIQUID
〈シリカ分散液2の調製〉
上記シリカ分散液1の調製において、カチオン性ポリマー(P−1)を、カチオン性ポリマー(P−2)に変更した以外は同様にして、シリカ分散液2を調製した。
上記シリカ分散液1の調製において、カチオン性ポリマー(P−1)を、カチオン性ポリマー(P−2)に変更した以外は同様にして、シリカ分散液2を調製した。
〈多孔質層塗布液の調製〉
第1層、第2層、第3層及び第4層の各多孔質層用塗布液を、以下の手順で調製した。
第1層、第2層、第3層及び第4層の各多孔質層用塗布液を、以下の手順で調製した。
〈第1層用塗布液〉
シリカ分散液1の610mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
シリカ分散液1の610mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
220ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
ポリブタジエン分散液(平均粒径約0.5μm、固形分濃度40%) 15ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
220ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
ポリブタジエン分散液(平均粒径約0.5μm、固形分濃度40%) 15ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
〈第2層用塗布液〉
シリカ分散液1の630mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
シリカ分散液1の630mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
180ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
ポリブタジエン分散液(平均粒径約0.5μm、固形分濃度40%) 15ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
180ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
ポリブタジエン分散液(平均粒径約0.5μm、固形分濃度40%) 15ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
〈第3層用塗布液〉
シリカ分散液2の650mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
180ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
シリカ分散液2の650mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
180ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
純水で全量を1000mlに仕上げた。
〈第4層用塗布液〉
シリカ分散液2の650mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
シリカ分散液2の650mlに、40℃で攪拌しながら以下の添加剤を順次混合した。
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
180ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
ふっ素系ベタイン界面活性剤(株式会社ネオス社製 フタージェント−400SW 固形分濃度50%) 10g
純水で全量を1000mlに仕上げた。
180ml
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液
80ml
ふっ素系ベタイン界面活性剤(株式会社ネオス社製 フタージェント−400SW 固形分濃度50%) 10g
純水で全量を1000mlに仕上げた。
上記のようにして調製した各塗布液を、20μmの捕集可能なフィルターで2段ろ過した。
上記各塗布液は、いずれも40℃において30〜80mPa・s、15℃において30000〜100000mPa.sの粘度特性を示した。
(多孔質層の形成)
このようにして得られた各塗布液を、上記作製したポリオレフィンで両面を被覆した支持体の表側に、第1層(35μm)、第2層(45μm)、第3層(45μm)、第4層(40μm)の順になるように各層を同時塗布した。なお、各層のかっこ内の数値は、それぞれの湿潤膜厚を示す。塗布は、各塗布液を40℃で4層式のホッパーを用いるスライドビード塗布方法を用い、塗布幅:約1.5m、塗布速度:100m/分で同時塗布を行った。
このようにして得られた各塗布液を、上記作製したポリオレフィンで両面を被覆した支持体の表側に、第1層(35μm)、第2層(45μm)、第3層(45μm)、第4層(40μm)の順になるように各層を同時塗布した。なお、各層のかっこ内の数値は、それぞれの湿潤膜厚を示す。塗布は、各塗布液を40℃で4層式のホッパーを用いるスライドビード塗布方法を用い、塗布幅:約1.5m、塗布速度:100m/分で同時塗布を行った。
塗布直後に8℃に保持した冷却ゾーンで10秒間冷却した後、20〜30℃、相対湿度20%以下で15秒間、60℃、相対湿度20%以下で60秒間、55℃、相対湿度20%以下で30秒間、各々の乾燥風を吹き付けて乾燥した。恒率乾燥域における皮膜温度は8〜30℃であり、減率乾燥域で皮膜温度が徐々に上昇し、皮膜温度が温風温度と一致した後、ロール状に巻き取って記録用紙1を得た。
(記録用紙2の作製)
記録用紙1の作製と同様に、多孔質層の塗布を行い、減率感乾燥域で皮膜温度が温風温度と一致した後、多孔質層の塗布と同一ライン上で、スロットノズルスプレー装置を用いて、塗布幅:約1.5m、塗布速度:100m/分で、酢酸エチルを付量が10g/m2になるよう塗布を行った。その後、乾燥風を吹き付け乾燥させ、記録用紙2を得た。
記録用紙1の作製と同様に、多孔質層の塗布を行い、減率感乾燥域で皮膜温度が温風温度と一致した後、多孔質層の塗布と同一ライン上で、スロットノズルスプレー装置を用いて、塗布幅:約1.5m、塗布速度:100m/分で、酢酸エチルを付量が10g/m2になるよう塗布を行った。その後、乾燥風を吹き付け乾燥させ、記録用紙2を得た。
(記録用紙3〜19の作製)
記録用紙2の作製において、酢酸エチルに代えて表1に示す有機溶剤を塗布し、記録用紙3〜14を作製した。
記録用紙2の作製において、酢酸エチルに代えて表1に示す有機溶剤を塗布し、記録用紙3〜14を作製した。
尚、記録用紙2〜19の残存溶剤量をガスクロマトグラフィーで定量した結果、記録用紙9を除き全て塗布溶剤量の0.5質量%以下であった。記録用紙9の残存水分量は1.0質量%であった。
評価
上記で得られた1〜19の各記録用紙を以下の方法により評価を行った。
上記で得られた1〜19の各記録用紙を以下の方法により評価を行った。
(インク吸収速度)
インク吸収速度の目安として、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−950Cおよび、PM−4000PXで画像をプリントして、プリント画像の状態を目視で観察して画像のマダラを下記のように評価した。
○:マダラムラが全く認められない
△:一部でマダラムラが認められる
×:マダラムラが認められる
実用上問題がないのは△、○である。
インク吸収速度の目安として、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−950Cおよび、PM−4000PXで画像をプリントして、プリント画像の状態を目視で観察して画像のマダラを下記のように評価した。
○:マダラムラが全く認められない
△:一部でマダラムラが認められる
×:マダラムラが認められる
実用上問題がないのは△、○である。
(プリント発色性)
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−950CおよびPM−4000PXを用いて画像をプリントして黒ベタ部の反射濃度の評価を行った。反射濃度は、分光測色計濃度計(日本平版機材株式会社:X−Rite938)で測定した。
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−950CおよびPM−4000PXを用いて画像をプリントして黒ベタ部の反射濃度の評価を行った。反射濃度は、分光測色計濃度計(日本平版機材株式会社:X−Rite938)で測定した。
表1から、本発明の記録用紙は染料プリントでの濃度が維持されつつ、顔料プリントにおいても高い濃度が得られることが分かる。
実施例2
実施例1の記録用紙2の作製において、〈第4層用塗布液〉中のふっ素系ベタイン界面活性剤(株式会社ネオス社製 フタージェント−400SW)を、表2に示す界面活性剤に代えて、記録用紙20〜27を作製した。
実施例1の記録用紙2の作製において、〈第4層用塗布液〉中のふっ素系ベタイン界面活性剤(株式会社ネオス社製 フタージェント−400SW)を、表2に示す界面活性剤に代えて、記録用紙20〜27を作製した。
実施例1と同様の評価を行い結果を表2に示す。
表2から、本発明の記録用紙は染料プリントでの濃度が維持されつつ、顔料プリントにおいても高い濃度が得られることが分かる。
Claims (4)
- 以下の3つの工程を順次行うことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
(1)無機微粒子・水溶性バインダー・界面活性剤を含む水系塗布液を支持体に塗布し、乾燥し多孔質層を設ける工程。
(2)前記多孔質層に固形分又は不揮発性成分を含む有機溶剤又は含まない有機溶剤のいずれかを塗布する工程。
(3)前記(2)の工程で得られたインクジェット記録用紙を乾燥して、前記有機溶剤の残存量を1.0質量%以下にする工程。 - 前記有機溶剤中の固形分又は不揮発性成分の濃度が1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記有機溶剤がエステル類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法により製造されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
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