JP2006288867A - 片手操作式手押し車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 手押し車10は、左右対称形のフレーム12の左右対称位置に、左右対称形のパッド14と、車輪18、20、22とが取り付けられ、左右対称形をなしている。使用者は、必要に応じ、左右どちらの手によっても、手押し車10を操作することが可能となる。使用者は、立位姿勢において、左右何れかの、肘または二の腕の少なくとも一方を、パッド14に密着させて体重をパッド14に預ける。また、手指でグリップ16、17を把持することによって、片手操作でフレーム12に操作力を伝える。そして、フレーム12に取付けられた車輪18、20、22によって、使用者の意図する方向へと手押し車10を移動させることが可能となる。
【選択図】 図1
Description
また、手押し車は、リハビリテーション用のみならず、例えば、スーパーマーケット等の比較的売り場面積の広い店舗において、買い物客の利便性を高めるために、買い物用手押し車として広く普及している。さらに、買い物用手押し車は、自宅から近隣への買い物用に用いられるショッピングバギー等も存在する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、片手操作が可能で実用に耐えるリハビリテーション用手押し車を提供し、片麻痺者の機能回復に寄与することにある。また、買い物用手押し車の操作性の向上を図ることにある。
また、フレームには、使用者の前後三ヶ所以上に車輪が取付けられていることから、フレームは車輪を介して床面や路面に接地し、停止時、移動時を問わず、安定して自立する。そして、使用者は、立位姿勢において、左右何れかの、肘または二の腕の少なくとも一方を、パッドに密着させて体重をパッドに預けることにより、片手操作でフレームに操作力を伝え、フレームに取付けられた車輪によって、使用者の意図する方向へと手押し車を移動させることが可能となる。
この構成によれば、フレームの前後方向中心線に対する角度を変更自在な車輪を、その角度を変更可能な状態で使用することにより、本発明に係る手押し車は、使用者の意図する方向へと自由に進行方向を変えることが可能となる。一方、当該車輪の角度を、フレームの前後方向中心線と平行に固定して使用することとすれば、その他の車輪の前記中心線に対する角度が、常時平行に固定されていることと合わせて、本発明に係る手押し車はフレームの前後方向中心線と平行な方向へと、その移動方向が規制されるものとなる。
この構成によれば、パッドに肘または二の腕を密着させることにより、使用者からの操作力を本発明に係る手押し車に伝え、若しくは、使用者の体をパッドにより支え、なおかつ、手指でグリップを把持することによって、グリップを介して操作力を手押し車に伝えることができる。また、手指によりグリップを把持することで、使用者と手押し車との一体感を高めることができる。
この構成によれば、使用者はブレーキの操作レバーを把持することによってブレーキを作動させ、本発明に係る手押し車の移動速度を任意に調整し、また、容易に停止させることが可能となる。しかも、パッドの位置、グリップの位置が調整可能である場合には、それらの位置に応じて、ブレーキの操作レバーも、グリップまたはフレームの任意の位置に取付けることで、ブレーキの操作性を高めることが可能となる。なお、中心線に対する角度が常時固定された車輪に、ブレーキが設けられることで、ブレーキの取り付け構造や、ブレーキと操作レバーとをつなぐワイヤの取り回しを、簡単にすることができる。
本発明によれば、フレームは車輪を介して三点で床面に接地することにより、停止時、移動時を問わず、安定して自立することが可能となる。しかも、前記一輪側の車輪に対する左右位置を交換可能に設けられた補助輪を、手押し車の前後方向中心線を挟んで操作者とは反対側の側方に、一輪側の車輪から所定距離だけ離間させて配置することで、使用者の体重が過剰に手押し車に加わる等により、手押し車の重心バランスが崩れるような場合であっても、手押し車の側方への転倒をより確実に防止することができる。なお、補助輪は、一輪側の車輪に対する左右位置を交換可能に設けられていることから、手押し車が左右一方の手による操作用に限定されることはなく、補助輪によって使用者の歩行が邪魔されることもない。
さらに、前記フレームは、折畳み機構を備えることとすれば、本発明の手押し車の収納が容易となる。また、本発明に係る手押し車の、車やバス等の移動手段への搭載も容易となる。
なお、前記フレームの、使用者の前方に位置する車輪を軸支する部分に、かごが設けられていることとしてもよい。
上記特徴部分は、リハビリテーション用片手操作式手押し車、買い物用片手操作式手押し車の何れにも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る、リハビリテーション用片手操作式手押し車10(以下、単に「手押し車」という。)は、図1から図3に示すように、パイプ等、所定の強度を有する部材によって構成されたフレーム12に、パッド14、グリップ16、17、車輪18、20、22を取付けて構成されたものである。
フレーム12は、パイプを組み合わせて必要な強度を確保したものであり、図示の例では10°程度のキャスター角が与えられたフロントフレーム12aの上端部と、鉛直方向に延びるリヤフレーム12cの上端部を、水平に延びるミドルフレーム12bで連結し、リヤフレーム12cの下端部とフロントフレーム12aの下端部近傍とを、上方に突出するように湾曲するアンダーフレーム12dで連結した構造となっている。アンダーフレーム12dの湾曲形状は、使用者の歩行時において、足との干渉を可能な限り防ぐために与えられている。
一方、リヤフレーム12cの下端部には、車輪22が、中心線Cに対し常時平行に固定されている。なお、車輪18、20、22は、何れも、手押し車10を使用する使用者の足が干渉しない位置に配置されている。
また、図示の例では、フレーム12は鉄製の丸パイプをジョイントで着脱自在に連結し、または溶接することによって構成されているが、軽量化を促進するために、一部又は全部にアルミ素材や、カーボンファイバー等を使用することも可能である。また、可能な範囲内でフレームを一体成形することとしても良い。
図1、図2は、ハンドルバー26の角度を、グリップ16、17が垂直方向を向くように固定した例を示している。一方、図3は、グリップ16、17が水平方向を向くように、ハンドルバー26の角度を固定した例を示している。また、フロントスリーブ12gに対するハンドルバー26の角度を、任意の角度で固定することで、グリップ16、17の角度を様々に変更することが可能となる。さらに、グリップ16、17の角度調整と共に、フロントスリーブ12gおよびリヤスリーブ12hを伸縮させることで、フロントスリーブ12gに軸着されたハンドルバー26の上下位置を、パッド14と共に調整することが可能となる。
なお、前述のごとく、ハンドルバー26およびグリップ16、17を省略する場合には、操作レバー28をフレーム12の適切な位置に取付ける。また、例えば、操作者の手首の動きに応じてブレーキ27の制動力を調整するような操作レバーを、操作者の手首またはその近傍に取付けることとしてもよい。
補助輪30は、後方の車輪22から左右方向に所定距離だけ離間した位置に配置されることによって、手押し車10の転倒を確実に防止するためのものであり、補助輪フレーム29のサスペンション32を介して、床面または路面に接触している。なお、補助輪30は、荷重を常時受けることを主目的としていないことから、前後の各車輪18、20、22に対し小径となっている。また、サスペンション32によって、床面や路面の凹凸を吸収し、かつ、手押し車10が使用者の体重を受けて若干傾くような場合であっても、その傾きをサスペンション32により吸収することができる。さらに、補助輪フレーム29は、後述のごとく腰掛けプレート34の台座を兼ねるものである。
また、補助輪フレーム29には、腰掛けプレート34の下面が当接するストッパ40(図3参照)が設けられている。そして、実際の使用時には、図1、図2に示すように、手押し車10の中心線Cに対し直交する方向に固定される補助フレーム29のストッパ40に、腰掛けプレート34の下面が当接することで、使用者が腰掛けプレート34に着座する際の、腰掛けプレート34の安定性を確保している。なお、ストッパ40は、必要な荷重を受けることができるものであれば、板材によって構成したものでも棒材を湾曲させて構成したものでも良い。
また、前輪フレーム12e、12fを、それぞれ独立してフロントフレーム12aに対し回転可能に取付けることとすれば、前輪フレーム12e、12fの双方を、フロントフレーム12aを中心に回転させて後方へと折畳むことにより、フレーム12を、前後方向にも左右方向にもコンパクトに折畳むことが可能となる。後者の折畳み機構を備える場合には、前輪フレーム12e、12fをつなぐ補強フレーム12mを、前輪フレーム12e、12fに対し着脱自在とするか、若しくは、前輪フレーム12e、12f自体に十分な強度を持たせて、補強フレーム12mを廃止する。
なお、図4には、使用者が、右側の二の腕をパッド14に乗せ、右手でグリップ16を握ることによって手押し車10を操作し、歩行訓練を行っている様子を例示している。
しかも、フレーム12は幅方向(進行方向と直交する方向)に薄いフレーム構造を有していることから、手押し車10が使用者の側方に位置する状態で、手押し車10を使用する使用者が移動するための、幅方向に大きなスペースを取ることもない。
したがって、手押し車10を利用したリハビリの初期段階では、車輪18、20の角度を固定することで、真っ直ぐに歩行する訓練を行うことできる。また、手押し車10を利用したリハビリの後期段階では、車輪18、20の角度を変更自在とすることで、使用者の意図する方向へと手押し車10を進行させることが可能となる。
しかも、パッドの位置やグリップの位置を調整した場合には、それらの位置に応じて、ブレーキの操作レバー28も、グリップ16、17またはフレーム12(ハンドルバー26)の任意の位置に取付けることで、ブレーキ27の操作性を高めることが可能となる。なお、図示の例のごとく、中心線Cに対する角度が常時固定された車輪22にブレーキ27が設けられることで、ブレーキ27の取り付け構造や、ブレーキ27と操作レバー28とをつなぐワイヤ46の取り回しを、簡単にすることができる。
また、一輪側の車輪22はフレーム12の前後方向中心線C上に配置され、中心線Cから左右方向に所定距離だけ離間した位置に、一輪側の車輪22に対する左右位置を交換可能に、補助輪30が設けられているので、補助輪30を、手押し車10の前後方向中心線Cを挟んで操作者とは反対側の側方に、一輪側の車輪22から所定距離だけ離間させて配置することで、使用者の体重が、過剰に手押し車10に加わる等により手押し車10の重心バランスが崩れるような場合であっても、補助輪30で支え手押し車10の側方への転倒を確実に防止することができる。なお、補助輪30は、一輪側の車輪22に対する左右位置を交換可能に設けられていることから、手押し車10の用途が、右手操作用または左手操作用の一方に限定されることはない。
また、手押し車10には、補助輪フレーム29が設けられており、この補助輪フレーム29が腰掛けプレート34の台座を兼ねることにより、手押し車10の構成部品を有効活用して、手押し車10の転倒防止対策と腰掛けプレート34の安定保持対策とを行うことが可能となる。
また、フレーム12の、使用者の前方に位置する車輪を軸支する部分である前輪フレーム12e、12fに、かご48が設けられていることから、使用者は、手荷物をかご48に載せて、歩行訓練を行うことが可能となり、例えば、病院内に開設された売店等への買い物の際にも、手押し車10を使用することが可能となる。
特に、フレーム12は、前輪フレーム12e、12fを除き、各部材がフレーム12の前後方向中心線C上に整列した、幅方向に薄いフレーム構造を有していることから、使用時において、手押し車10の中心線Cは、使用者の体の近傍に位置することとなる。よって、車輪18、20を可能な限り前方に配置することによる、使用者の足との干渉防止効果は大きなものとなる。
また、図示のごとく、使用者の前方に位置する車輪が18、20の二輪で、使用者の後方に位置する車輪が22の一輪である車輪レイアウトにおいて、車輪18、20を、中心線Cに対する角度が常時固定された車輪とし、車輪22を、前後方向中心線Cに対する角度が変更自在な車輪とすることも可能である。この場合には、車輪18、20の一方若しくは双方にブレーキ27が設けられる。なお、車輪18、20の双方にブレーキ27を設けた場合には、制動力が左右の車輪18、20に均等に発生し、使用者の安心感がより高まる。
Claims (14)
- 立位姿勢の使用者が片側の肘または二の腕の少なくとも一方を密着させて体重の一部を預ける左右対称形のパッドと、使用者の前後三ヶ所以上でかつ使用者の足が干渉しない位置に配置される車輪とが、左右対称形のフレームの左右対称位置に取付けられてなることを特徴とする片手操作式手押し車。
- 前記パッドの位置が調整可能であることを特徴とする請求項1記載の片手操作式手押し車。
- 前記車輪のうち、使用者の前後一方に位置する車輪が、前記フレームの前後方向中心線に対する角度を変更自在、かつ、その角度を前記中心線と平行に固定可能に前記フレームに軸着され、その他の車輪の前記中心線に対する角度が、前記中心線に対し常時平行に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の片手操作式手押し車。
- 立位姿勢の使用者が、前記パッドに肘または二の腕を密着させた状態で、肘または二の腕と同側の手指により把持するグリップが、前記フレームに取付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の片手操作式手押し車。
- 前記グリップの位置が調整可能であることを特徴とする請求項4記載の片手操作式手押し車。
- 少なくとも前記中心線に対する角度が常時固定された車輪にブレーキが設けられ、該ブレーキの操作レバーが、前記グリップまたは前記フレームの任意の位置に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の片手操作式手押し車。
- 前記車輪は、使用者の前後一方に二輪、他方に一輪が位置するように前記フレームに設けられており、一輪側の車輪は前記フレームの前後方向中心線上に配置され、前記一輪側の車輪から左右方向に所定距離だけ離間した位置に、前記中心線に対する左右位置を交換可能に、補助輪が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の片手操作式手押し車。
- 前記フレームには、腰掛けプレートが出し入れ自在に設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の片手操作式手押し車。
- 前記補助輪を、前記フレームの前後方向中心軸に対する左右位置を交換可能に、前記フレームに固定するための補助輪フレームを備え、該補助輪フレームが前記腰掛けプレートの台座を兼ねることを特徴とする請求項8記載の片手操作式手押し車。
- 前記フレームは、折畳み機構を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の片手操作式手押し車。
- 前記フレームの、使用者の前方に位置する車輪を軸支する部分に、かごが設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の片手操作式手押し車。
- 前記フレームの、使用者の前方に位置する車輪を軸支する部分に、キャスター角が与えられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の片手操作式手押し車。
- 請求項1から11のいずれか1項記載のリハビリテーション用片手操作式手押し車。
- 請求項1から11のいずれか1項記載の買い物用片手操作式手押し車。
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