JP2006269268A - 電子温度計測方法、電子温度計測プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

電子温度計測方法、電子温度計測プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 プラズマパラメータとしての電子温度を正確に計測することができる電子温度計測方法を提供する。
【解決手段】 イオンエネルギーアナライザ43によってチャンバ11内のイオンエネルギー分布を実測し(ステップS91)、電子温度を所定値に仮置きし(ステップS92)、これに基づいてシースモデルによってイオンエネルギー分布をシミュレートし(ステップS93)、実測されたイオンエネルギー分布におけるセカンダリーピーク及びシミュレートされたイオンエネルギー分布におけるセカンダリーピークを比較して、両ピークのエネルギー値のずれが許容値内であるか否かを判別し(ステップS96)、エネルギー値のずれが許容値内である場合には、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられた電子温度をチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度として推定する(ステップS98)。
【選択図】 図9

Description

本発明は、電子温度計測方法、電子温度計測プログラム及び記憶媒体に関する。
近年、真空処理室としてのチャンバ内において、基板としてのウエハに施されるエッチング加工の微細化や成膜される金属膜の薄膜化の進展に伴い、チャンバ内のプラズマの状態、特にプラズマパラメータを的確に計測することが求められている。
通常、チャンバ内のプラズマパラメータを計測する方法としては、チャンバ内に電位エネルギーを付与したプローブを直接挿入し、該挿入されたプローブに対するプラズマ中の電子やイオンの衝突に起因してプローブに流れる電流値に基づいてプラズマ密度、電子温度、プラズマ電位、及びシース電位等のプラズマパラメータを計測する、いわゆるラングミュアプローブ法が広く知られている。
また、ラングミュアプローブ法では電流−電圧特性を求め、さらに該特性を解析する必要があるため、プラズマパラメータの直読には適していないことから、プラズマパラメータを直読するプラズマパラメータ直読方法が開発されている。この方法では、2本のプローブを用い、各プローブを任意の適当な電位に設定し、同時に各プローブに流れる2電流の比からプラズマパラメータを決定する(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、プラズマはその密度に応じて吸収する電波の周波数が変化することから、チャンバ内に挿入したプローブから複数周波数の電波を発信し、各周波数における電波の吸収度合いを計測し、該計測された電波の吸収度合いに基づいてプラズマ密度を推定するプラズマ吸収プローブ法も開発されている。
特開平5−299194号公報
しかしながら、上述したいずれの方法もプラズマパラメータとしての電子温度を計測する方法としては不適切であった。
例えば、上記ラングミュアプローブ法やプラズマパラメータ直読方法では、プラズマ発生のための高周波電力の印加に起因するチャンバ内の電位の急速な時間変化に計測が追随することができないため、計測された電子温度は不安定となり、正確なものではない。
また、プラズマ吸収プローブ法ではプラズマ密度のみしか計測できないため、電子温度を計測することができない。
本発明の目的は、プラズマパラメータとしての電子温度を正確に計測することができる電子温度計測方法、電子温度計測プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の電子温度計測方法は、被処理体にプラズマ処理を施す真空処理室内に発生するプラズマの電子温度を計測する電子温度計測方法であって、前記真空処理室内のイオンエネルギー分布を実測するイオンエネルギー分布実測ステップと、設定された電子温度に基づいて前記真空処理室内のイオンエネルギー分布をシミュレートするイオンエネルギー分布シミュレーションステップと、前記実測されたイオンエネルギー分布及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布を比較するイオンエネルギー分布比較ステップと、該イオンエネルギー分布比較ステップにおける比較の結果に基づいて前記電子温度を推定する電子温度推定ステップとを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項2記載の電子温度計測プログラムは、被処理体にプラズマ処理を施す真空処理室内に発生するプラズマの電子温度を計測する電子温度計測方法をコンピュータに実行させる電子温度計測プログラムであって、前記真空処理室内のイオンエネルギー分布を実測するイオンエネルギー分布実測モジュールと、設定された電子温度に基づいて前記真空処理室内のイオンエネルギー分布をシミュレートするイオンエネルギー分布シミュレーションモジュールと、前記実測されたイオンエネルギー分布及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布を比較するイオンエネルギー分布比較モジュールと、該イオンエネルギー分布比較モジュールにおける比較の結果に基づいて前記電子温度を推定する電子温度推定モジュールとを有することを特徴とする。
請求項3記載の電子温度計測プログラムは、請求項2記載の電子温度計測プログラムにおいて、前記イオンエネルギー分布比較モジュールは、前記実測されたイオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値を比較することを特徴とする。
請求項4記載の電子温度計測プログラムは、請求項2又は3記載の電子温度計測プログラムにおいて、前記イオンエネルギー分布のシミュレーションに用いる電子温度を所定値に仮置きする電子温度仮置きモジュールを有することを特徴とする。
請求項5記載の電子温度計測プログラムは、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子温度計測プログラムにおいて、前記イオンエネルギー分布比較モジュールにおける比較の結果に基づいてプラズマ密度及びシース電位を推定する他のプラズマパラメータ推定モジュールを有することを特徴とする。
請求項6記載の電子温度計測プログラムは、請求項5記載の電子温度計測プログラムにおいて、前記イオンエネルギー分布比較モジュールは、前記実測されたイオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値を比較することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7記載の記憶媒体は、被処理体にプラズマ処理を施す真空処理室内に発生するプラズマの電子温度を計測する電子温度計測方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、前記真空処理室内のイオンエネルギー分布を実測するイオンエネルギー分布実測モジュールと、設定された電子温度に基づいて前記真空処理室内のイオンエネルギー分布をシミュレートするイオンエネルギー分布シミュレーションモジュールと、前記実測されたイオンエネルギー分布及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布を比較するイオンエネルギー分布比較モジュールと、該イオンエネルギー分布比較モジュールにおける比較の結果に基づいて前記電子温度を推定する電子温度推定モジュールとを有することを特徴とする。
請求項1記載の電子温度計測方法、請求項2記載の電子温度計測プログラム及び請求項7記載の記憶媒体によれば、真空処理室内のイオンエネルギー分布が実測され、設定された電子温度に基づいて真空処理室内のイオンエネルギー分布がシミュレートされ、実測されたイオンエネルギー分布及びシミュレートされたイオンエネルギー分布が比較され、該比較の結果に基づいて電子温度が推定される。真空処理室内のイオンエネルギー分布は電子温度と相関関係にある。また、イオンエネルギー分布は正確に実測することができ、さらに、イオンエネルギー分布は電子温度を所定値に設定するとシミュレートすることができる。したがって、実測されたイオンエネルギー分布とシミュレートされたイオンエネルギー分布とが一致若しくは近似した場合、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられた電子温度を、真空処理室内におけるプラズマの電子温度として推定することにより、プラズマパラメータとしての電子温度を正確に計測することができる。
請求項3記載の電子温度計測プログラムによれば、実測されたイオンエネルギー分布及びシミュレートされたイオンエネルギー分布の比較において、実測されたイオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値及びシミュレートされたイオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値が比較される。イオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値は電子温度と強い相関関係にある。したがって、二次的な極値を示すエネルギー値を比較することにより、プラズマパラメータとしての電子温度をより正確に計測することができる。
請求項4記載の電子温度計測プログラムによれば、イオンエネルギー分布のシミュレーションに用いる電子温度を所定値に仮置きするので、実測されたイオンエネルギー分布及びシミュレートされたイオンエネルギー分布の比較の結果に応じて繰り返されるイオンエネルギー分布のシミュレーションの回数を削減することができ、もってプラズマパラメータとしての電子温度を迅速に計測することができる。
請求項5記載の電子温度計測プログラムによれば、実測されたイオンエネルギー分布及びシミュレートされたイオンエネルギー分布の比較の結果に基づいて、プラズマ密度及びシース電位が推定される。真空処理室内のイオンエネルギー分布はプラズマ密度及びシース電位と相関関係にある。また、イオンエネルギー分布はプラズマ密度及びシース電位を所定値に設定するとシミュレートすることができる。したがって、実測されたイオンエネルギー分布とシミュレートされたイオンエネルギー分布とが一致若しくは近似した場合、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられたプラズマ密度及びシース電位を、真空処理室内におけるプラズマ密度及びシース電位と推定することにより、プラズマパラメータとしてのプラズマ密度及びシース電位を正確に計測することができる。
請求項6記載の電子温度計測プログラムによれば、実測されたイオンエネルギー分布及びシミュレートされたイオンエネルギー分布の比較において、実測されたイオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値及びシミュレートされたイオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値が比較される。イオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値はプラズマ密度及びシース電位と強い相関関係にある。したがって、一次的な極値を示すエネルギー値を比較することにより、プラズマパラメータとしてのプラズマ密度及びシース電位をより正確に計測することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子温度計測方法が適用される平行平板型のプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、所望のプラズマ処理としてのドライエッチング(Reactive Ion Etching)(以下、「RIE」という。)処理を半導体デバイス用のウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wに施すプラズマ処理装置10は、金属製、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼製の円筒型チャンバ11(真空処理室)を有し、該チャンバ11内には、例えば、直径が300mmのウエハWを載置する載置台(ステージ)としての円柱状のサセプタ12が配置されている。
プラズマ処理装置10では、チャンバ11の内側壁とサセプタ12の側面とによって、サセプタ12上方の気体分子をチャンバ11の外へ排出する流路として機能する排気路13が形成される。この排気路13の途中にはプラズマの漏洩を防止する環状のバッフル板14が配置される。また、排気路13におけるバッフル板14より下流の空間は、サセプタ12の下方へ回り込み、可変式バタフライバルブである自動圧力制御弁(Automatic Pressure Control Valve)(以下、「APC」という。)15に連通する。APC15は、真空引き用の排気ポンプであるターボ分子ポンプ(Turbo Molecular Pump)(以下、「TMP」という。)16に接続され、さらに、TMP16を介して排気ポンプであるドライポンプ(以下、「DP」という。)17に接続されている。APC15、TMP16及びDP17によって構成される排気流路を以下、「本排気ライン」と称するが、この本排気ラインは、APC15によってチャンバ11内の圧力制御を行い、さらにTMP16及びDP17によってチャンバ11内をほぼ真空状態になるまで減圧する。
また、上述した排気路13のバッフル板14より下流の空間は、本排気ラインとは別の排気流路(以下、「粗引きライン」という。)にも接続されている。この粗引きラインは、上記空間とDP17とを連通する、直径が例えば、25mmである排気管18と、排気管18の途中に配置されたバルブ19とを備える。このバルブ19は、上記空間とDP17とを遮断することができる。粗引きラインはDP17によってチャンバ11内の気体を排出する。
サセプタ12には下部電極用の高周波電源20が給電棒21及び整合器(Matcher)22を介して接続されており、該下部電極用の高周波電源20は、所定の高周波電力をサセプタ12に供給する。これにより、サセプタ12は下部電極として機能する。また、整合器22は、サセプタ12からの高周波電力の反射を低減して高周波電力のサセプタ12への供給効率を最大にする。
サセプタ12の内部上方には、導電膜からなる円板状の電極板23が配置されている。電極板23には直流電源24が電気的に接続されている。ウエハWは、直流電源24から電極板23に印加された直流電圧により発生するクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)力によってサセプタ12の上面に吸着保持される。また、サセプタ12の上方には、サセプタ12の上面に吸着保持されたウエハWの周りを囲うように円環状のフォーカスリング25が配設される。このフォーカスリング25は、後述する空間Sに露出し、該空間Sにおいて生成されたイオンやラジカルをウエハWの表面に向けて収束し、RIE処理の効率を向上させる。
また、サセプタ12の内部には、例えば、円周方向に延在する環状の冷媒室26が設けられる。この冷媒室26には、チラーユニット(図示せず)から冷媒用配管27を介して所定温度の冷媒、例えば、冷却水が循環供給され、当該冷媒の温度によってサセプタ12上面に吸着保持されたウエハWの処理温度が制御される。
サセプタ12の上面においてウエハWが吸着保持される部分(以下、「吸着面」という。)には、複数の伝熱ガス供給孔28及び伝熱ガス供給溝(図示せず)が配されている。これらの伝熱ガス供給孔28等は、サセプタ12内部に配置された伝熱ガス供給ライン29を介して伝熱ガス供給部30に接続され、該伝熱ガス供給部30は伝熱ガス、例えば、Heガスを、吸着面とウエハWの裏面との間隙に供給する。また、伝熱ガス供給ライン29は、排気管18に接続されてDP17により吸着面とウエハWの裏面との間隙を真空引き可能に構成されている。
サセプタ12の吸着面には、サセプタ12の上面から突出自在なリフトピンとしての複数のプッシャーピン31が配置されている。これらのプッシャーピン31は、モータ(図示せず)とボールねじ(図示せず)を介して接続され、ボールねじによって直線運動に変換されたモータの回転運動に起因して図中上下方向に移動する。ウエハWにRIE処理を施すためにウエハWを吸着面に吸着保持するときには、プッシャーピン31はサセプタ12に収容され、RIE処理が施されたウエハWをチャンバ11から搬出するときには、プッシャーピン31はサセプタ12の上面から突出してウエハWをサセプタ12から離間させて上方へ持ち上げる。
チャンバ11の天井部には、サセプタ12と対向し且つ平行となるようにガス導入シャワーヘッド32が配置されている。ガス導入シャワーヘッド32には整合器33を介して上部電極用の高周波電源34が接続されており、上部電極用の高周波電源34は所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド32に供給するので、ガス導入シャワーヘッド32は上部電極として機能する。なお、整合器33の機能は上述した整合器22の機能と同じである。
ガス導入シャワーヘッド32は、多数のガス穴35を有する下面の電極板36と、該電極板36を着脱可能に支持する電極支持体37とを有する。また、該電極支持体37の内部にはバッファ室38が設けられ、このバッファ室38には処理ガス供給部(図示せず)からの処理ガス導入管39が接続されている。この処理ガス導入管39の途中には配管インシュレータ40が配置されている。この配管インシュレータ40は絶縁体からなり、ガス導入シャワーヘッド32へ供給された高周波電力が処理ガス導入管39によって処理ガス供給部へリークするのを防止する。ガス導入シャワーヘッド32は、処理ガス導入管39からバッファ室38へ供給された処理ガスをガス穴35を経由してチャンバ11内へ供給する。
また、チャンバ11の側壁には、プッシャーピン31によってサセプタ12から上方へ持ち上げられたウエハWの高さに対応する位置にウエハWの搬入出口41と、所定の高さにイオンエネルギーアナライザ43とが設けられ、搬入出口41には、該搬入出口41を開閉するゲートバルブ42が取り付けられている。
イオンエネルギーアナライザ43は、例えば、フィルター電極を備え、イオン種の特定とそのエネルギー分析が可能な四重極型質量分析装置(Quadropole Mass Spectrometer:QMS)であり、イオンエネルギーアナライザ43に印加された電位を掃引しつつ、イオン種を特定するとともに、印加電位に対応して当該イオンエネルギーアナライザ43に入射してくる、その種が特定されたイオンの個数を計測することにより、或る特定のイオン種に対応するイオンエネルギー分布を実測する。このように、イオンエネルギーアナライザ43は、或る特定の印加電位、すなわち、或る特定のエネルギーに対応するイオンの個数を直接計測するため、イオンエネルギー分布を正確に実測することができる。また、イオンエネルギーアナライザ43はCPU等を有するPC(Personal Computer)45に接続され、実測されたイオンエネルギー分布はイオンエネルギーアナライザ43からPC45に電気信号として送信される。
PC45のCPUは、送信されたイオンエネルギー分布に基づいて、後述する電子温度計測処理に対応するプログラムに応じてチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度、プラズマ密度及びシース電位を推定する。
このプラズマ処理装置10のチャンバ11内では、上述したように、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド32に高周波電力を供給して、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド32の間の空間Sに高周波電力を印加することにより、該空間Sにおいてガス導入シャワーヘッド32から供給された処理ガスから高密度のプラズマを発生させ、該プラズマによってウエハWにRIE処理を施す。
具体的には、このプラズマ処理装置10では、ウエハWにRIE処理を施す際、先ずゲートバルブ42を開弁し、加工対象のウエハWをチャンバ11内に搬入し、さらに、直流電圧を電極板23に印加することにより、搬入されたウエハWをサセプタ12の吸着面に吸着保持する。また、ガス導入シャワーヘッド32より処理ガス(例えば、所定の流量比率のCFガス、O2ガス及びArガスから成る混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ11内に供給すると共に、APC15等によりチャンバ11内の圧力を所定値に制御する。さらに、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド32によりチャンバ11内の空間Sに高周波電力を印加する。これにより、ガス導入シャワーヘッド32より導入された処理ガスをプラズマ化して、空間Sにおいてイオンやラジカルを生成し、該生成されるラジカルやイオンをフォーカスリング25によってウエハWの表面に収束し、ウエハWの表面を物理的又は化学的にエッチングする。
ところで、先に述べたように、ラングミュアプローブ法やプラズマパラメータ直読方法では、プラズマ発生のための高周波電力の印加に起因するチャンバ内の電位の急速な時間変化に計測が追随することができないため、計測された電子温度は正確ではない。
本実施の形態に係る電子温度計測方法は、これに対応して、正確に実測することができるイオンエネルギー分布を利用して間接的に電子温度を計測する。また、本実施の形態に係る電子温度計測方法は、イオンエネルギー分布を利用するために、後述するシースモデルを活用する。
シースモデルは高周波電力が印加された電極上やチャンバ内壁上に発生するイオンの層であるシースの状態をシミュレートするための計算用モデルであり、PC45のCPU上に再現される。このシースモデルは、電子温度等のプラズマパラメータに基づいて、シースに対向する空間Sのプラズマ(プラズマバルク)から該シースを通過して電極表面やチャンバ内壁面に達するイオンや電子のエネルギー分布、角度分布等をシミュレートするために用いられる。
通常、シースモデルとしては、Lieberman等の高周波シース理論が応用されたシースモデルが知られている。このシースモデルは、PC45のCPU上に再現されたウエハW上のシース領域と、該シース領域に対向するプラズマバルク領域とからなる。このシースモデルにおいて電子やイオンの挙動・衝突は、PIC−MCC(Particle in Cell, Monte Carlo Collision)法に基づいてシミュレーションされる。
本発明者等によって、上記シースモデルは、プラズマポテンシャル、シース厚さ、電子又はイオンのエネルギー分布を高い精度をもってシミュレートすることが可能であることが確認されている(K. DENPOH, G. WAKAYAMA and K. NANBU,Sheath Model for Dual-Frequency Capacitively Coupled Plasma, Japanese Journal of Applied Physics, Japan, The Japan Society of Applied Physics, 2004, Vol.43, No.8A, pp. 5533〜5539)。
また、チャンバ内のシースにおけるイオンエネルギー分布には複数の極値が存在していることが知られている。具体的には、実測されたイオンエネルギー分布を、図2に示すように、横軸をイオンのエネルギー値とし、縦軸を各エネルギー値に対応するイオンの数を示すIEDF(Ion Energy Distribution Function)としてグラフに示すと、IEDFが最大値となる一次的な極値(Primary Peak、以下、「プライマリーピーク」という。)と、該プライマリーピークより低いエネルギー値において、IDEFの二次的な極値(Secondary Peak、以下、「セカンダリーピーク」という。)とが発生する。
上記2種類のピークのうち、セカンダリーピークは、シースにおけるイオンと分子の間の電荷交換に起因して発生し、具体的には、下記(1)式を満たす場合に発生することが知られている(C. Wild and P. Koidl, Ion and electron dynamics in the sheath of radio-frequency glow discharges, Japanese Journal of Applied Physics, Japan, The Japan Society of Applied Physics, 1 March 1991, 69(5), pp.2909〜2922)。
τion / τrf > 1 …… (1)
τion はイオンがシースを通過するために要する時間、τrf は電極(サセプタ11やガス導入シャワーヘッド32)に印加される高周波電源の1周期
上述したセカンダリーピークの発生要因を検証するために、本発明者は、上記シースモデルにおいて、イオンと分子、例えば、ArのプラスイオンとAr分子の間の電荷交換を考慮に入れてイオンエネルギー分布をシミュレートすると共に、イオンと分子の間の電荷交換を考慮に入れずにイオンエネルギー分布をシミュレートし、これらのシミュレーション結果としてのイオンエネルギー分布を下記図3のグラフに示した。
図3は、シースにおけるイオンと分子の間の電荷交換とセカンダリーピークの発生との関係を示すグラフである。
図3では、イオンと分子の間の電荷交換を考慮に入れてイオンエネルギー分布をシミュレートした結果が実線で示され、イオンと分子の間の電荷交換を考慮に入れずにイオンエネルギー分布をシミュレートした結果が破線で示されている。
図3に示すように、破線のイオンエネルギー分布では、プライマリーピークは発生するものの、該プライマリーピークより低いエネルギー値においてセカンダリーピークは発生しない一方、実線のイオンエネルギー分布では、プライマリーピーク及びセカンダリーピークが共に発生していることが確認された。すなわち、セカンダリーピークはシースにおけるイオンと分子の間の電荷交換に起因して発生することが確認された。
なお、チャンバ11内の圧力が低いほど、高周波電源の周波数が高いほど、若しくは、シース電位が高いほど、上記(1)式が成立し易いため、セカンダリーピークが発生しやすいことが分かる。
また、本発明者は、上記シースモデルにおいて、イオンと分子の間の電荷交換を考慮に入れてイオンエネルギー分布をシミュレートする際、電子温度を複数の温度、具体的には、1.0eV,1.2eV,2.0eV及び3.0eVのそれぞれに設定したところ、セカンダリーピークを示すエネルギー値が変化するという知見を得た。
図4乃至図7は、チャンバ11内にArガスを導入し、チャンバ11内の圧力を4.0×10Pa(30mTorr)に設定し、ガス導入シャワーヘッド32の電極板36に印加される高周波電力の周波数を60MHzに設定し、シース電位を92Vに設定し、プラズマ密度を3×1010cm−3に設定すると共に、電子温度を1.0eV,1.2eV,2.0eV及び3.0eVのそれぞれに設定したときのイオンエネルギー分布のシミュレーション結果を示すグラフである。
図4乃至図7に示すように、電子温度が変化すると、セカンダリーピークを示すエネルギー値が変化していることが分かった。これにより、本発明者は、セカンダリーピークを示すエネルギー値は電子温度と強い相関関係にあるという知見を得た。
また、プライマリーピークのエネルギー値やIEDFはプラズマ密度及びシース電位の変化に応じて変化するため、プライマリーピークを示すエネルギー値やIEDFはプラズマ密度及びシース電位と強い相関関係にあることも知られている。なお、上述した図4乃至図7においてプライマリーピークのIEDF及び該プライマリーピークを示すエネルギー値が変化しないのは、図4乃至図7において、プラズマ密度及びシース電位が一定値に設定されているためである。
本実施の形態に係る電子温度計測方法では、チャンバ11内のイオンエネルギー分布におけるセカンダリーピークを示すエネルギー値は電子温度と強い相関関係にあること、イオンエネルギー分布は正確に実測することができること、また、イオンエネルギー分布は電子温度を所定値に設定するとシミュレートできることに基づいて、チャンバ11内のイオンエネルギー分布を実測し、電子温度を所定値に設定し、これに基づいて上記シースモデルによってイオンエネルギー分布をシミュレートし、実測されたイオンエネルギー分布におけるセカンダリーピーク(以下、「実測セカンダリーピーク」という。)及びシミュレートされたイオンエネルギー分布におけるセカンダリーピーク(以下、「シミュレーションセカンダリーピーク」という。)を比較することによってチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度を推定する。
具体的には、図8のグラフに示すように、実線で示される複数の実測セカンダリーピークを示すエネルギー値と、破線で示される複数のシミュレーションセカンダリーピークを示すエネルギー値とを比較して、各実測セカンダリーピークとこれらに対応するシミュレーションセカンダリーピークと(図中において互いに矢印で関連付けられるピーク同士)のエネルギー値のずれが無い場合又は許容値内である場合、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられた電子温度をチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度として推定する。
また、本実施の形態に係る電子温度計測方法では、チャンバ11内のイオンエネルギー分布におけるプライマリーピークを示すエネルギー値はプラズマ密度及びシース電位と強い相関関係にあること、また、イオンエネルギー分布はプラズマ密度及びシース電位を所定値に設定するとシミュレートできることに基づいて、プラズマ密度及びシース電位を所定値に設定し、これらに基づいて上記シースモデルによってイオンエネルギー分布をシミュレートし、実測されたイオンエネルギー分布におけるプライマリーピーク(以下、「実測プライマリーピーク」という。)及びシミュレートされたイオンエネルギー分布におけるプライマリーピーク(以下、「シミュレーションプライマリーピーク」という。)を比較することによってチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマ密度及びシース電位を推定する。
具体的には、実測プライマリーピークを示すエネルギー値と、シミュレーションプライマリーピークを示すエネルギー値とを比較して、実測プライマリーピークとこれに対応するシミュレーションプライマリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内である場合、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられたプラズマ密度及びシース電位をチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマ密度及びシース電位として推定する。
次に、本実施の形態に係る電子温度計測方法に係る電子温度計測処理について説明する。この電子温度計測処理は、該電子温度計測処理に対応するプログラムに応じてPC45のCPUが実行する。
図9は、図1におけるPCのCPUが実行する電子温度計測処理のフローチャートである。
図9において、まず、PC45のCPUは、イオンエネルギーアナライザ43によってチャンバ11内のイオンエネルギー分布を実測する(ステップS91)。
次いで、CPUは、電子温度を所定値、例えば、前回の処理において計測された電子温度に仮置きし(ステップS92)、さらに、プラズマ密度及びシース電位を所定値に設定して、これら設定されたプラズマパラメータに基づいて上記シースモデルによってイオンエネルギー分布をシミュレートする(ステップS93)。
続くステップS94では、実測プライマリーピーク及びシミュレーションプライマリーピークを比較して、実測プライマリーピークとこれに対応するシミュレーションプライマリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内であるか否かを判別する。
判別の結果、エネルギー値のずれが許容値内である場合(ステップS94でYES)には、ステップS96へ進み、エネルギー値のずれが許容値内ではない場合(ステップS94でNO)には、プラズマ密度及びシース電位を所定値だけ変更してステップS93へ戻り、再度イオンエネルギー分布をシミュレートする。
続くステップS96では、複数の実測セカンダリーピーク及び複数のシミュレーションセカンダリーピークを比較して、各実測セカンダリーピークとこれらに対応するシミュレーションセカンダリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内であるか否かを判別する。
判別の結果、エネルギー値のずれが許容値内である場合(ステップS96でYES)には、ステップS98へ進み、エネルギー値のずれが許容値内ではない場合(ステップS96でNO)には、電子温度を所定値だけ変更してステップS93へ戻り、再度イオンエネルギー分布をシミュレートする。
次いで、CPUは、ステップS93のイオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられた電子温度をチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度として推定し(ステップS98)、上記シミュレーションにおいて用いられたプラズマ密度及びシース電位をチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマ密度及びシース電位として推定し(ステップS99)、本処理を終了する。
本実施の形態に係る電子温度計測方法によれば、チャンバ11内のイオンエネルギー分布が実測され(ステップS91)、所定値に仮置きされた電子温度に基づいて上記シースモデルによってイオンエネルギー分布がシミュレートされ(ステップS93)、各実測セカンダリーピークとこれらに対応するシミュレーションセカンダリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内であるか否かが判別され(ステップS96)、判別の結果、エネルギー値のずれが許容値内である場合にはイオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられた電子温度がチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度として推定される(ステップS98)。
上述したように、イオンエネルギー分布におけるセカンダリーピークを示すエネルギー値は電子温度と強い相関関係にある。また、イオンエネルギー分布は正確に実測することができ、さらに、イオンエネルギー分布は電子温度を所定値に設定するとシミュレートすることができる。したがって、各実測セカンダリーピークとこれらに対応するシミュレーションセカンダリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内である場合、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられた電子温度を、チャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度として推定することにより、電子温度を正確に計測することができる。
また、上述した電子温度計測方法では、イオンエネルギー分布のシミュレーションに用いる電子温度を所定値に仮置きするので、各実測セカンダリーピークのエネルギー値とこれらに対応するシミュレーションセカンダリーピークのエネルギー値との比較の結果に応じて繰り返されるイオンエネルギー分布のシミュレーションの回数を削減することができ、もって電子速度を迅速に計測することができる。
さらに、上述した電子温度計測方法では、所定値に設定されたプラズマ密度及びシース電位に基づいて上記シースモデルによってイオンエネルギー分布がシミュレートされ(ステップS93)、実測プライマリーピークとこれに対応するシミュレーションプライマリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内であるか否かが判別され(ステップS94)、判別の結果、エネルギー値のずれが許容値内である場合にはイオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられたプラズマ密度及びシース電位がチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマ密度及びシース電位として推定される(ステップS99)。
上述したように、イオンエネルギー分布におけるプライマリーピークを示すエネルギー値はプラズマ密度及びシース電位と強い相関関係にある。また、イオンエネルギー分布はプラズマ密度及びシース電位を所定値に設定するとシミュレートすることができる。したがって、実測プライマリーピークとこれに対応するシミュレーションプライマリーピークとのエネルギー値のずれが許容値内である場合、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいて用いられたプラズマ密度及びシース電位を、チャンバ11内の空間Sにおけるプラズマ密度及びシース電位として推定することにより、プラズマ密度及びシース電位を正確に計測することができる。
上述した本実施の形態に係る電子温度計測方法では、イオンエネルギーアナライザ43が確実にアースされるのが好ましい。これにより、イオンエネルギーアナライザ43の帯電を防止してイオンのエネルギー値を正確に計測することができる。
また、上述した本実施の形態に係る電子温度計測方法では、イオンエネルギーアナライザ43をチャンバ11の側壁に設けたが、イオンエネルギーアナライザを上部電極又は下部電極に併設してもよい。
上述した本実施の形態に係る電子温度計測方法では、PC45のCPUが、電子温度等が変更される度に、シースモデルによってイオンエネルギー分布のシミュレーションを繰り返したが、PC45が備えるHDD等に、複数の設定された電子温度に基づいて予めシミュレートされたイオンエネルギー分布の結果を保持し、実測セカンダリーピークのエネルギー値と保持されたイオンエネルギー分布におけるセカンダリーピークのエネルギー値とを比較してもよい。この場合、実測セカンダリーピークとエネルギー値のずれが許容値内であるセカンダリーピークを有するイオンエネルギー分布を検索し、該検索されたイオンエネルギー分布のシミュレーションに用いられた電子温度をチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度として推定する。これにより、イオンエネルギー分布のシミュレーションを繰り返す必要を無くすことができるので、より迅速に電子温度を計測することができる。
また、上述した本実施の形態に係る電子温度計測方法では、PC45のCPUが図9の電子温度計測処理を実行したが、プラズマ処理装置10が、該プラズマ処理装置10の各構成要素の動作を制御する制御ユニットを備え、該制御ユニットが図9の電子温度計測処理を実行してもよい。この場合、プラズマ処理装置10はPC45を備える必要が無く、プラズマ処理装置10の省スペース化を促進させることができる。
また、プラズマ密度はプラズマ吸収プローブ法によって比較的正確に測定することができるので、上述した本実施の形態に係る電子温度計測方法において、プラズマ密度を推定しなくてもよい。これにより、イオンエネルギー分布のシミュレーションにおいてプラズマ密度を所定値に設定する必要を無くし、より迅速に電子温度を計測することができる。
上述した本実施の形態に係る電子温度計測方法が適用されるプラズマ処理装置10は、ウエハWにRIE処理を施すエッチング処理装置であったが、本実施の形態に係る電子温度計測方法が適用されるプラズマ処理装置はこれに限られず、例えば、基板洗浄装置又は成膜装置等であってもよい。
さらに、上述したプラズマ処理装置10では、処理されるウエハWが半導体デバイス用のウエハであったが、処理される基板はこれに限られず、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等のガラス基板であってもよい。
また、上述したプラズマ処理装置10では、イオンエネルギーアナライザ43に接続されたPC45のCPUが、送信されたイオンエネルギー分布に基づいて、チャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度、プラズマ密度及びシース電位を推定したが、PC45とインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等によって接続された他のPCが、PC45からイオンエネルギー分布を受信し、該他のPCのCPUが上述した電子温度計測処理に対応するプログラムに応じてチャンバ11内の空間Sにおけるプラズマの電子温度、プラズマ密度及びシース電位を推定してもよい。
本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、PC45に供給し、PC45のCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、MO、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりPC45に供給されてもよい。
また、CPUが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、PC45に挿入された機能拡張ボードやPC45に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
本発明の実施の形態に係る電子温度計測方法が適用される平行平板型のプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。 実測されたチャンバ内のシースにおけるイオンエネルギー分布を示すグラフである。 シースにおけるイオンと分子の間の電荷交換とセカンダリーピークの発生との関係を示すグラフである。 電子温度を1.0eVに設定したときのイオンエネルギー分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 電子温度を1.2eVに設定したときのイオンエネルギー分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 電子温度を2.0eVに設定したときのイオンエネルギー分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 電子温度を3.0eVに設定したときのイオンエネルギー分布のシミュレーション結果を示すグラフである。 チャンバ内のプラズマの電子温度を推定するために、複数の実測セカンダリーピークを示すエネルギー値と複数のシミュレーションセカンダリーピークを示すエネルギー値とを比較する方法を示すグラフである。 図1におけるPCのCPUが実行する電子温度計測処理のフローチャートである。
符号の説明
W ウエハ
10 プラズマ処理装置
11 チャンバ
12 サセプタ
13 排気路
14 バッフル
15 APC
16 TMP
17 DP
18 排気管
19 バルブ
20 下部電極用の高周波電源
21 給電棒
22,33 整合器
23,36 電極板
24 直流電源
25 フォーカスリング
26 冷媒室
27 冷媒用配管
28 伝熱ガス供給孔
29 伝熱ガス供給ライン
30 伝熱ガス供給部
31 プッシャーピン
32 シャワーヘッド
34 上部電極用の高周波電源
35 ガス穴
37 電極支持体
38 バッファ室
39 処理ガス導入管
40 配管インシュレータ
41 搬入出口
42 ゲートバルブ
43 イオンエネルギーアナライザ
45 PC

Claims (7)

  1. 被処理体にプラズマ処理を施す真空処理室内に発生するプラズマの電子温度を計測する電子温度計測方法であって、
    前記真空処理室内のイオンエネルギー分布を実測するイオンエネルギー分布実測ステップと、
    設定された電子温度に基づいて前記真空処理室内のイオンエネルギー分布をシミュレートするイオンエネルギー分布シミュレーションステップと、
    前記実測されたイオンエネルギー分布及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布を比較するイオンエネルギー分布比較ステップと、
    該イオンエネルギー分布比較ステップにおける比較の結果に基づいて前記電子温度を推定する電子温度推定ステップとを有することを特徴とする電子温度計測方法。
  2. 被処理体にプラズマ処理を施す真空処理室内に発生するプラズマの電子温度を計測する電子温度計測方法をコンピュータに実行させる電子温度計測プログラムであって、
    前記真空処理室内のイオンエネルギー分布を実測するイオンエネルギー分布実測モジュールと、
    設定された電子温度に基づいて前記真空処理室内のイオンエネルギー分布をシミュレートするイオンエネルギー分布シミュレーションモジュールと、
    前記実測されたイオンエネルギー分布及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布を比較するイオンエネルギー分布比較モジュールと、
    該イオンエネルギー分布比較モジュールにおける比較の結果に基づいて前記電子温度を推定する電子温度推定モジュールとを有することを特徴とする電子温度計測プログラム。
  3. 前記イオンエネルギー分布比較モジュールは、前記実測されたイオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布における二次的な極値を示すエネルギー値を比較することを特徴とする請求項2記載の電子温度計測プログラム。
  4. 前記イオンエネルギー分布のシミュレーションに用いる電子温度を所定値に仮置きする電子温度仮置きモジュールを有することを特徴とする請求項2又は3記載の電子温度計測プログラム。
  5. 前記イオンエネルギー分布比較モジュールにおける比較の結果に基づいてプラズマ密度及びシース電位を推定する他のプラズマパラメータ推定モジュールを有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子温度計測プログラム。
  6. 前記イオンエネルギー分布比較モジュールは、前記実測されたイオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布における一次的な極値を示すエネルギー値を比較することを特徴とする請求項5記載の電子温度計測プログラム。
  7. 被処理体にプラズマ処理を施す真空処理室内に発生するプラズマの電子温度を計測する電子温度計測方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
    前記真空処理室内のイオンエネルギー分布を実測するイオンエネルギー分布実測モジュールと、
    設定された電子温度に基づいて前記真空処理室内のイオンエネルギー分布をシミュレートするイオンエネルギー分布シミュレーションモジュールと、
    前記実測されたイオンエネルギー分布及び前記シミュレートされたイオンエネルギー分布を比較するイオンエネルギー分布比較モジュールと、
    該イオンエネルギー分布比較モジュールにおける比較の結果に基づいて前記電子温度を推定する電子温度推定モジュールとを有することを特徴とする記憶媒体。
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