JP2006267979A - 電子写真用キャリア、その製造方法および電子写真用現像剤、並びに画像形成方法 - Google Patents

電子写真用キャリア、その製造方法および電子写真用現像剤、並びに画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温定着性を有するトナーに対し機械的に低ストレスな電子写真用キャリア、その製造方法を提供する。また、当該電子写真用キャリアを含有する電子写真用現像剤、および、当該電子写真用現像剤を用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの少なくとも一部に、樹脂が被覆されている電子写真用キャリアであって、弾性材が表面に露出していることを特徴とする電子写真用キャリアである。また、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの少なくとも一部に、樹脂が被覆されている電子写真用キャリアであって、下記式(1)で表される形状係数SF1が、130以上であることを特徴とする電子写真用キャリアである。式(1):SF1=((キャリア径の絶対最大長)2/(キャリアの投影面積)×(π/4)×100)
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した画像形成装置に使用する電子写真用キャリア、その製造方法および電子写真用現像剤、並びに画像形成方法に関する。
電子写真法としては、多数の方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般的には、光導電性物質を利用した感光体(静電潜像担持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、トナーを用いて現像し、トナー画像を形成する。その後、感光体表面のトナー画像を、中間転写体を介して若しくは介さずに、紙等の被転写体表面に転写し、この転写像を加熱、加圧若しくは加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成される。
感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、上記の複数の工程に供される。被転写体表面に転写された転写画像を定着する定着技術としては、加熱ロールおよび加圧ロールからなる一対のロール間にトナー画像が転写された被転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が一般的である。
また、同種の技術として、ロールの一方または両方をベルトに代えて構成されたものも知られている。これらの技術は、他の定着法に比べ、高速で堅牢な定着像が得られ、エネルギー効率が高く、溶剤との揮発による環境への害が少ない。一方、複写機、プリンターのエネルギー使用量を少なくするため、より低エネルギーでトナーを定着する技術が望まれている。そのため、より低温で定着し得る電子写真用トナーの要求が強い。
そこで、トナーの定着温度を低くする手段として、トナー用樹脂(結着樹脂)のガラス転移点を低くする技術が一般的に行われている。しかし、ガラス転移点をあまり低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)は起こり易くなったり、定着画像上のトナーの保存性がなくなるため、実用上60℃が下限である。このガラス転移点は、現在多く市販されているトナー用樹脂の設計ポイントであり、ガラス転移点を下げる方法では今以上に低温定着可能なトナーを得る事ができず問題があった。
また、可塑剤を用いることによっても、定着温度を下げることはできる。しかし、トナーの保存時または現像器内においてブロッキングが発生するため問題があった。ブロッキング防止、60℃までの画像保存性、および、低温定着性を達成する手段として、結晶性樹脂を用いる技術が考えられている。例えば、ブロッキング防止、低温定着の両立を目的として、結晶性樹脂をトナーとして用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献2参照)。
オフセット防止(例えば、特許文献3参照)、低温定着(例えば、特許文献4参照)等を目的として、結晶性樹脂を用いる技術が古くから知られている。しかし、上記開示技術、例えば、特許文献2に記載の開示技術は、炭素数が14以上のアルキル基側鎖をもつ重合体をトナーに応用するもので、融点が62〜66℃と低温であるが、低温過ぎて、粉体や画像の信頼性に問題があった。
さらに、特許文献4および5に記載の結晶性樹脂では、紙への定着性が十分ではないという問題があった。他にも、特許文献6〜8等で開示さているように、部分結晶性ポリエステル樹脂を主成分としたトナーの開示技術もあるが、トナー(樹脂)の温度に対する粘度変化が急峻でなく、低温定着を実現できなかった。
そこで、特許文献9〜12に記載の明細書内においては、架橋構造を有する結晶性ポリエステル樹脂を主成分として含むトナーがブロッキング性・画像の保存性に優れ、かつ低温定着を実現し得ることが示されている。
しかしながら、かかるトナーにおいては、特にキャリアとの二成分帯電において、帯電性のより一層の向上が望まれている。具体的には、画像出力での経時劣化、すなわちトナー外添剤の埋り込みによる帯電劣化が生じ、現像性低下や転写性低下が発生するために問題があった。
特公昭42−23910号公報 特公昭56−13943号公報 特公昭63−39428号公報 特公昭63−25335号公報 特公昭62−39428号公報 特公平4−30014号公報 特公平4−239021号公報 特公平5−165252号公報 特開平11−300158公報 特開2001−117268号 特開2001−305796号 特開2002−82485号
本発明は、上記従来における諸問題を解決し、下記目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、低温定着性を有するトナーに対し機械的に低ストレスな電子写真用キャリア、その製造方法を提供することを目的とする。また、当該電子写真用キャリアを含有する電子写真用現像剤、および、当該電子写真用現像剤を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、本発明者は、下記の本発明が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の第1の電子写真用キャリアは、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの一部に、弾性材を含有する樹脂が被覆されている電子写真用キャリアであって、前記弾性材の一部が表面に露出していることを特徴とする。
また、本発明の第2の電子写真用キャリアは、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの一部に、樹脂が被覆されている電子写真用キャリアであって、下記式(1)で表される形状係数SF1が、130以上であることを特徴とする。
式(1):
SF1=((キャリア径の絶対最大長)2/(キャリアの投影面積)×(π/4)×100)
本発明の電子写真用キャリアの第1の製造方法は、上記本発明の第1の電子写真用キャリアの製造方法であって、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの表面の少なくとも一部に、弾性材を含む樹脂液を塗布し加熱処理を施す塗布加熱工程を含むことを特徴とする
また、本発明の電子写真用キャリアの第2の製造方法は、上記第2の電子写真用キャリアの製造方法であって、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの少なくとも一部に、樹脂が被覆されているコア粒子を加熱凝集させて凝集コア粒子を生成させる凝集工程を含むことを特徴とする。
本発明の電子写真用現像剤は、キャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤であって、前記キャリアが上記本発明の第1または第2の電子写真用キャリアであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記現像剤が、上記本発明の第1または第2の電子写真用キャリアを含む現像剤であることを特徴とする。
本発明によれば、低温定着性を有するトナーに対し機械的に低ストレスな電子写真用キャリア、その製造方法を提供することができる。また、当該電子写真用キャリアを含有する電子写真用現像剤、および、当該電子写真用現像剤を用いた画像形成方法を提供することができる。
[電子写真用キャリアおよびその製造方法]
(1)第1の電子写真用キャリアおよびその製造方法:
本発明の第1の電子写真用キャリアは、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの少なくとも一部に、樹脂が被覆されている。そして、弾性材が表面に露出している。
キャリアは、トナーと混合し撹拌されることでトナーを所望の極性に帯電させる。このとき、キャリアの表面が硬いと、キャリアとの撹拌によりトナー表面の外添剤が内部に押し込まれてその機能の発揮が損なわれてしまう。特に、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を使用する場合、当該トナー表面は結晶性樹脂を使用しないものに比べ軟らかいものとなる。そのため、上記機能の発揮がさらに損なわれることになる。これに対し、本発明では、キャリア表面に弾性材の少なくとも一部を露出させることで、トナーがキャリアに衝突しても露出した弾性材がクッションとしての役割を果たし、外添剤の埋没を防ぐことができる。
ここで、「弾性材」とは、硬度(JIS A)が20°〜70°の材料をいい、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレン、スチレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム(エステル形)、ウレタンゴム(エーテル形)、フッ素ゴム(三フッ化形)、フッソゴム(三フッ化シリコーン系)、ハイパロン(クロロスルホン化ポリエチレン)、エチレン酢酸ビニル共重合体、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。これらの材料は、いずれか1種だけで使用してもよく、2種類以上を混合して使用しても構わない。
キャリア表面における当該弾性材の露出率は、面積率で、30%以上であることが好ましく、30〜70%であることがより好ましい。30%以上であることで、キャリアとキャリアとの間のクッション効果を有効に発揮することが可能となる。なお、面積率は、キャリアの表面積を分母とし、露出する各々の弾性材の投影円面積の合計を分子として求めることができる。また、露出率の測定(キャリアの表面積および弾性材の投影円面積の測定)には、「SEM−XMA(EDX)での鉄元素マッピング」と「ルーゼックスIV画像解析装置で面積定量化」等を使用することができる。
以上のような第1の電子写真用キャリアは、以下に説明するようにして作製することができる。
電子写真用キャリアのコアがフェライトコアの場合は、まず、フェライトの材料を焼成してフェライトコアを製造する。その後、そのフェライトコアの少なくとも一部に、弾性材を含む樹脂液を塗布し、加熱処理を施して(塗布加熱工程)、第1の電子写真用キャリアを製造する。
上記フェライト材料としては、鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウムが挙げられる。フェライトコアの体積平均粒径としては、10〜500μmの範囲にあることが好ましく、30〜100μmの範囲にあることがより好ましい。
フェライトコアの少なくとも一部には、樹脂が被覆されている。このような樹脂(被覆樹脂)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
当該被覆樹脂中には、導電材料を混合しておいてもよい。導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、フェライトコアの表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂および前記弾性材、必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した樹脂液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な被覆方法としては、フェライトコアを樹脂液中に浸漬塗布する塗布法、樹脂液をフェライトコア表面に噴霧するスプレー塗布法、フェライトコアを流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂液を噴霧する流動床塗布法、ニーダーコーター中でフェライトコアと樹脂液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター塗布法等が挙げられる。
塗布後は、加熱処理を施して、フェライトコアの表面の少なくとも一部に樹脂層が形成され、表面に弾性材が露出した第1の電子写真用キャリアが作製される。樹脂層の厚みは、2〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい(後述する第2の電子写真用キャリアも同様)。当該厚みは、後述するトナーの表面層の厚みの測定方法と同様である。また、当該樹脂層は、フェライトコアを始めとしたコアの半分以上を被覆していることが好ましく、すべて被覆していることがより好ましい。
弾性材の露出度の調整方法としては、例えば、樹脂液中の弾性材の含有量を調整したり、弾性材の粒径を調整すればよい。なお、樹脂被覆をしてから、弾性材をその表面に担持してもよい。
加熱処理の温度は、100〜150℃とすることが好ましく、110〜140℃とすることがより好ましい。また、加熱処理後は、適宜、洗浄・乾燥処理と施してもよい。洗浄・乾燥処理における洗浄としては、加熱処理後の電子写真用キャリアを水中で加圧しつつ、かつ、乾燥させる等の処理が挙げられる。また、その後の乾燥は、80〜90℃で行うことが好ましい。
また、本発明の電子写真用キャリアのコアが、磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの場合、当該電子写真用キャリアのコアは下記のようにして作製することが好ましい。すなわち、混練、粉砕、分級工程による「乾式造粒法」あるいは、懸濁重合、乳化重合、乳化凝集、溶解懸濁による「湿式造粒法」により当該コアを作製することが好ましい。
磁性粉としては、鉄粉、フェライト、マグネタイト等が挙げられ、これらを1種もしくは2種以上併用することができる。また、結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリアリレート、エポキシ樹脂が挙げられ、これらを1種もしくは2種以上併用することができる。
コアを作製した後は、上記フェライトコアの場合と同様にして、弾性材を含有する樹脂液を塗布して樹脂被覆し、加熱処理を施して(塗布加熱工程)、第1の電子写真用キャリアを製造する。
(2)第2の電子写真用キャリアおよびその製造方法:
本発明の第2の電子写真用キャリアは、フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの少なくとも一部に、樹脂が被覆されている。そして、下記式(1)で表される形状係数SF1が、130以上となっている。
式(1):
SF1=((キャリア径の絶対最大長)2/(キャリアの投影面積)×(π/4)×100)
形状係数SF1が130以上あるということは、電子写真用キャリアが球形ではなく、図1(A)および(B)に示すような凹凸を有する形状であることを示す。従来の電子写真用キャリアは、ほぼ球形であった。従って、電子写真用キャリアとトナーとが衝突すると、既述のように、トナー表面に付着する外添剤が埋没してしまう。これに対し、本発明の第2の電子写真用キャリアは、表面が凹凸を有する形状となっているため、電子写真用キャリア同士が衝突したり、電子写真用キャリアとトナーとが衝突しても応力が接触部から凹部へと広がるため、その応力を緩和することができる。そのため、外添剤の埋没を防ぐことができる。また、電子写真用キャリアについても同様に発生する応力を抑制することができる。形状係数SF1は、130〜150であることが好ましい。
また、本発明の第2の電子写真用キャリアは、下記式(2)で表される形状係数SF2が、110以上となっていることが好ましく、115〜135となっていることがより好ましい。形状係数SF2が、110以上となっていることで、キャリア表面凹凸の凸部が弾性クッション効果を発揮することができる。
式(2):
SF2=((キャリアの周囲長)2/(キャリアの投影面積)×(1/4π)×100)
形状係数SF1、形状係数SF2を示す式(1)や(2)において必要となる値、すなわち、キャリア径の絶対最大長、キャリアの周囲長、キャリアの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したキャリア像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して、例えば、ニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行って求めることができる。なお、形状係数SF1およびSF2はそれぞれ平均値であり、無作為にサンプリングした1000個の電子写真用キャリアを測定して得られたものとすることが好ましい。
以上のような第2の電子写真用キャリアは、以下に説明するようにして作製することができる。
本発明の第2の電子写真用キャリアのコアがフェライトコアである場合、第1の電子写真用キャリアのフェライトコアと同じ材質のものを使用することができる。このフェライトコアに第1の電子写真用キャリアの場合と同様に、樹脂液(但し、弾性材は含まない)塗布して、フェライトコアの少なくとも一部に樹脂を被覆する。樹脂液や樹脂の被覆方法については、第1の電子写真用キャリアの場合と同様である。
フェライトコア(コア粒子)の少なくとも一部に樹脂を被覆した後は、これを加熱凝集させて凝集コア粒子を生成させる(凝集工程)。生成後の凝集コア粒子は、例えば、図1(A)に示すように、複数のコア粒子が凝集したテトラポット型の凝集コア粒子となっていたり、図1(B)に示すように、複数のコア粒子が凝集したラズベリー型の凝集コア粒子となっていたりする。このようにして、本発明の第2の電子写真用キャリアが製造される。凝集コア粒子の体積平均粒径は、10〜500μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。10〜500μmであることで高精細な画像を出力することができる。
なお、図1で示した凝集コア粒子の形状は、単なる例示であり、本発明はこのような形状に限定されるものではない。また、図1のように複数のコア粒子が凝集していることの確認は、例えば、SEM観察をすることによって行うことができる。
本発明の第2の電子写真用キャリアにおけるフェライトコアの粒子の粒径は、後に凝集させることを考慮して、1μm〜50μmであることが好ましく、2μm〜10μmであることがより好ましい。加熱凝集する際の加熱温度は、300〜1200℃とすることが好ましく、500〜1000℃とすることがより好ましい。また、加熱雰囲気は、窒素などの不活性気体といった雰囲気とすることが好ましい。
本発明の第2の電子写真用キャリアのコアが、磁性粉と結着樹脂からなる樹脂キャリアコアの場合、当該電子写真用キャリアのコアは本発明の第1の電子写真用キャリアの当該コアと同様にして作製することが好ましい。但し、この場合の樹脂キャリアコアの粒径は、後に凝集させることを考慮して、1μm〜50μmであることが好ましく、2μm〜10μmであることがより好ましい。
樹脂キャリアコアを作製した後は、上記フェライトコアの場合と同様にして、加熱凝集させて凝集コア粒子を生成させて(凝集工程)、第2の電子写真用キャリアを製造する。この場合も、加熱雰囲気や加熱温度を適宜変化させることで、電子写真用キャリアの形状係数(SF1およびSF2)を所望の値に調整することができる。
[電子写真用現像剤]
本発明の電子写真用現像剤は、キャリアとトナーとからなり、前記キャリアが既述の本発明の第1または第2の電子写真用キャリアである。本発明の電子写真用現像剤におけるトナーと本発明の電子写真用キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100の範囲であることが好ましく、3:100〜20:100の範囲であることがより好ましい。
トナーとしては、従来公知のものを使用することができるが、低温定着を実現すべく、結着樹脂の主成分が脂肪族結晶性ポリエステル樹脂であるトナーを使用することが好ましい。当該トナーについて、以下に説明する。
上記トナーにおいては、結着樹脂の主成分が脂肪族結晶性ポリエステル樹脂となっている。ここで主成分とは、全結着樹脂中の含有量が50重量%以上であることをいう。また、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。さらに、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステルと呼ぶ。ポリエステル樹脂が結晶性でない場合、即ち非晶性である場合には、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない。
結着樹脂の主成分が芳香族結晶性ポリエステル樹脂の場合は、樹脂の融点が一般に高く、所望の融点を有する樹脂組成が限られてしまう。また、冷却時の再結晶化速度が遅いため、連続複写時に定着画像が完全に結晶化せずに次の紙の裏面に固着する等のディフェクトが生じやすい。
トナー結着樹脂の主成分である結晶性ポリエステル樹脂の融点は、50〜100℃の範囲であることが必要であり、55〜95℃の範囲であることが好ましく、60〜90℃の範囲であることがより好ましい。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、100℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。
結晶性樹脂の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めたものをいう。なお、結晶性の樹脂においては、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピーク温度をもって融点とみなす。
また、結晶性ポリエステル樹脂は、下記式(3)で示されるエステル濃度Mが、0.05以上0.11以下であるものが好ましい。
M=K/A…式(3)
上記「エステル濃度M」とは、結晶性ポリエステル樹脂のポリマーにおけるエステル基の含有割合を示す一つの指標である。上記式(3)中、Kは「ポリマー中のエステル基数」を示し、これは言い換えればポリマー全体に含まれるエステル結合の数を指す。
式(3)中のAは「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数」を示し、これはポリマーの高分子鎖を構成する原子の合計であり、エステル結合に関与する原子数は全て含むが、その他の構成部位における枝分かれした部分の原子数は含まない。すなわち、エステル結合に関与するカルボキシル基やアルコール基に由来する炭素原子および酸素原子(1つのエステル結合中酸素原子は2個)や、高分子鎖を構成する、例えば芳香環における6つの炭素は、前記原子数の計算に含まれるが、高分子鎖を構成する、例えば芳香環やアルキル基における水素原子、その置換体の原子ないし原子群は、前記原子数の計算に含まれない。
具体例を挙げて説明すれば、高分子鎖を構成するアリーレン基における、炭素原子6つと水素原子4つとの計10個の原子のうち、上記「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数A」に含まれるものは、炭素原子の6つのみであり、また、前記水素が如何なる置換基に置換されたとしても、当該置換基を構成する原子は、上記「ポリマーの高分子鎖を構成する原子数A」に含まれない。
結晶性ポリエステル樹脂が、1の繰り返し単位(例えば、高分子がH−[OCOR1COOR2O−]n−Hで表される場合、1の繰り返し単位は、[ ]内で表される。)のみからなる単重合体の場合には、1の繰り返し単位内には、エステル結合は2個存在する(すなわち、当該繰り返し単位内におけるエステル基数K’=2)ので、エステル濃度Mは、下記式(3−1)により、求めることができる。
M=2/A’ ・・・式(3−1)
(上記式中、Mはエステル濃度を、A’は1の繰り返し単位における高分子鎖を構成する原子数を示す。)
また、結晶性ポリエステル樹脂が、複数の共重合単位からなる共重合体の場合には、共重合単位ごとに、エステル基数KXおよび高分子鎖を構成する原子数AXを求め、これらに共重合割合を乗じた上で、それぞれ合計し、前記式(3)に代入することで、求めることができる。例えば、共重合単位がXa、XbおよびXcの3つであり、これらの共重合割合がa:b:c(ただし、a+b+c=1)である化合物[(Xa)a(Xb)b(Xc)c]についてのエステル濃度Mは、下記式(3−2)により、求めることができる。
M={KXa×a+KXb×b+KXc×c}/{AXa×a+AXb×b+AXc×c}・・・式(3−2)
(上記式(3−2)中、Mはエステル濃度を表し、KXaは共重合単位Xa、KXbは共重合単位Xb、KXcは共重合単位Xcにおけるそれぞれのエステル基数を表し、AXaは共重合単位Xa、AXbは共重合単位Xb、AXcは共重合単位Xcにおけるそれぞれの高分子鎖を構成する原子数を表す。)
結晶性ポリエステル樹脂のエステル濃度Mは、これを用いて作製したトナーの帯電性に大きな影響を与える。これはエステル濃度Mにより樹脂抵抗が変化するのが主要因であり、エステル濃度Mが大きくなると樹脂抵抗が低下し、帯電性が低下してしまう。このエステル濃度を0.05以上0.11以下にすることで、十分な帯電性や帯電安定性が得られるとともに、安定してトナーを作製することが可能となる。
前記エステル濃度Mが0.05未満では、樹脂の融点が高くなり、紙への接着性も低下する。またスルホン酸成分を含有しても、疎水性が強く、かつ溶剤への溶解性も低下することから安定してトナーを作製することが困難となる。さらに、モノマー自身も高価になるためコスト的にも好ましくない。エステル濃度の下限としては0.055が好ましく、0.06がより好ましい。
一方、エステル濃度が0.11を超えると、樹脂抵抗が低下し、トナーの帯電性が低下してしまうことがある。また、融点も低くなりすぎるため、粉体や定着画像の安定性も低下してしまうことがある。エステル濃度の上限としては0.105が好ましく、0.102がより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
−酸由来構成成分−
前記酸由来構成成分は、直鎖型の脂肪族ジカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらの中では、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
また、必要に応じて芳香族ジカルボン酸を少量共重合してもよい。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
結着樹脂には、酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分や芳香族ジカルボン酸由来成分のほかに、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来成分を含んでもよい。結晶性樹脂を結着樹脂の主成分にした場合、従来の粉砕法によるトナー作製は困難となる。その為、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来成分を含有することで、溶剤及び水への溶解性が向上し、湿式造粒性が格段に向上することができる。また使用する界面活性剤の量を低減または使用しないで造粒することが可能となるため、後の洗浄工程が簡易化できる。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
スルホン酸基を持つジカルボン酸由来成分の全酸由来構成成分における含有量としては、0.1〜6.0構成モル%が好ましく、0.5〜5.0構成モル%がより好ましい。
この含有量が6.0構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、トナーの機械的強度が低下したりしてしまう。また樹脂抵抗が著しく低下し、かつ水分が吸着しやすくなるため、帯電量、特に高湿下での帯電量が低下してしまう。0.1構成モル%より下回ると特にエステル濃度が低い場合に溶剤や水への溶解性が悪くなることがある。
なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における酸由来構成成分全体中の当該酸由来構成成分、または、アルコール由来構成成分全体中の当該アルコール構成成分を、各1単位(モル)としたときの百分率を指す。
−アルコール由来構成成分−
アルコール構成成分である脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。これらの中では、入手容易性やコストを考慮すると1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、高分子量化するためには通常1/1程度が好ましい。
ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
トナーに使用される脂肪族結晶性ポリエステル樹脂は、三官能以上のカルボン酸成分を含有し、前記結着樹脂のTHF不溶分が0.5重量%以下である。なお、三官能以上のカルボン酸成分を「含有し」をしたのは、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に三官能以上のカルボン酸成分を有する場合を除外するためである。
ここで用いる三官能以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、無水トリメリット酸、トリメシン酸、トリカルバリル酸、クエン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、このうち、トリメリット酸、無水トリメリット酸が好ましい。また、三官能以上のカルボン酸成分は、樹脂の分子量にもよるが、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂中に、0.1〜5.0重量%含有することが好ましく、特に0.2〜3.0重量%含有することが好ましい。
また、結着樹脂のTHF不溶分が0.5重量%以下ということは、樹脂中のゲル分が0.5重量%未満ということである。つまり結晶性ポリエステル樹脂に含有される三官能以上のカルボン酸成分のほとんどは樹脂の末端に結合していることを示している。樹脂中にゲル分を含有した場合、トナーの粘弾性が著しく高くなり、定着画像の画像光沢が低下するため、特にフルカラー画像に必要な高光沢画像を得る事ができない。
さらに、樹脂作製時に架橋を施し、ゲル分を含有する場合は、乳化性が低下してしまう。またトナー作製時に架橋を施し、ゲル分を含有させる場合には、安定した架橋成分導入が困難であり、トナー品質にバラツキが生じ易くなる。
結晶性ポリエステル樹脂の分子量(重量平均分子量Mw)は、定着時の耐オフセット性やトナーの機械的強度、及び得られた定着画像の画像強度の観点から、15000〜35000が好ましく、20000〜35000がさらに好ましい。15000より小さい場合は定着時の耐オフセット性や得られた定着画像の画像強度が十分でなく、35000を越える場合は安定した樹脂製造が困難となる。
樹脂の分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHMーM(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出することができる。
一方、通常の結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、樹脂分子量の増加に伴い減少してしまう。そこで、樹脂の末端に三官能以上のカルボン酸成分を結合することで樹脂の酸価を増加ことができる。そのため、通常分子量の増加に伴い必然的に減少してしまう酸価を後述する適性な範囲に調節することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、10〜30mgKOH/gの範囲が必要で、12〜25mgKOH/gの範囲がより好ましい。脂肪族結晶性ポリエステル樹脂は芳香族結晶性樹脂に比べ親水性に乏しく、後述する乳化工程における水系媒体への微分散が難しい。さらに樹脂抵抗を満たすために樹脂のエステル濃度を上記範囲に設定することでさらに乳化が困難となる。そのため酸価が10mgKOH/gよりも低いと後述する乳化工程における樹脂乳化粒子の粒径が大きくなり、粒度分布も悪化する。分子量が増加して樹脂粘度が増加した場合はこの傾向がより顕著となる。さらに凝集工程における樹脂微粒子としての安定性に乏しくなるため、結果として小粒径のトナーを作製するのが困難となり、またトナーの粒度分布が悪化する。さらに顔料の分散が悪化するため、発色性や透明性が悪化する。さらに帯電性が低下し十分な帯電量が得られなくなる。30mgKOH/gを超えるとトナーの吸湿性が増してしまい、トナーとしての環境影響を受けやすくなり好ましくない。
(無定形高分子)
トナーは、その表面が無定形高分子を含む表面層(以下、「表面層」と略す場合がある)で被覆されたものでもよい。表面層で被覆する事で、帯電性を向上させることができる。また離型剤のトナー表面への露出を抑制することができるため、流動性や保存性も向上する。この場合、この表面層の平均厚みは、0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.04μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
上記表面層の平均厚みは、TEM写真を画像解析装置LUZEX FT(ニレコ株式会社製)で二値化し、トナー外周および結晶性樹脂層の外周から其々の円相当径を算出し、その半径の差分を、トナーにおける表面層の平均厚みとした。
表面層の平均厚みが0.5μmを超える場合には、定着時にトナーが加熱された際に、表面層の内側に多く存在する結晶性樹脂がトナーの表面に染み出しにくくなるために、結晶性樹脂に起因するシャープメルト性が発揮できず低温定着できなくなる。また、このようなトナーを用いて形成された画像ではドキュメントオフセット性が悪化する場合がある。
低温定着の観点から、表面層の平均厚みは薄ければ薄い方が好ましいが、0.01μm以下の場合には、均一に被覆することが難しくなり、またトナー製造に際して、トナーの内部から最表面へ結晶性樹脂の染み出しが容易に起こりやすくなるなど、帯電性向上の寄与が小さい場合がある。従って、表面層の平均厚みは0.04μm以上であることが好ましく、0.08μm以上であることがより好ましい。
トナーの表面層に使用される無定形高分子樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもビニル系樹脂やポリエステル樹脂が特に好ましい。
ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマー挙げられる。
前記樹脂粒子が、前記ビニル系モノマーをモノマー成分として含有していることが好ましい。これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。
なお、前記解離性ビニル系モノマーにおける解離基の濃度は、例えば、高分子ラテックスの化学(高分子刊行会)に記載されているような、トナー粒子等の粒子を表面から溶解して定量する方法などにより決定することができる。また、前記方法等により、粒子の表面から内部にかけての樹脂の分子量やガラス転移点を決定することもできる。
一方、無定形高分子としてポリエステル樹脂を用いる場合には、前記結晶性ポリエステル樹脂と同様に乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を調製することができる。乳化分散に用いる無定形のポリエステル樹脂は多価カルボン酸と多価アルコールとを脱水縮合して合成される。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。
これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
このポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1重量%とすることが好ましい。
トナーに使用される無定形高分子は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜1000000であることが好ましく、更に好ましくは7000〜500000であり、数平均分子量(Mn)は2000〜100000であることが好ましく、分子量分布Mw/Mnが1.5〜100であることが好ましく、更に好ましくは2〜60である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が著しく悪くなるばかりでなく、トナーのガラス転移点を低下させる為、トナーのブロッキング等保存性にも悪影響を及ぼすことがある。一方、上記範囲より分子量が大きい場合には、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、低温定着性は低下する他、トナー中に存在する結晶性ポリエステル相の染み出しを阻害する為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、ドキュメント保存性を両立し得ることが容易となる。
無定形高分子のガラス転移温度は、45〜100℃であることが好ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50〜80℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が45℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
(着色剤)
トナーに用いられる着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。好ましい着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
トナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部が好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
以上のようなトナーは、必要に応じて、離型剤等の他の成分を含んでいてもよい。また、当該トナーの製造方法は特に限定されるものではないが、湿式法を用いることが好ましい。
(離型剤)
離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル、ペンタエリスリトール、高級アルコールエステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。
離型剤の融点としては、少なくとも1つの離型剤の融点と結晶性ポリエステル樹脂の融点との差が10℃以下であることが好ましい。融点の差が10℃より大きい場合は十分な離型効果が発現する温度領域が小さくなる場合がある。
離型剤の種類としては、パラフィンワックス等の鉱物・石油系ワックスやペンタエリスリトールワックス、ポリオレフィンワックスが結晶性樹脂と相溶しにくいため、ワックスの定着画像表面への染み出しが十分にしやすく、また、融点的にも好ましい。また、2種以上の離型剤を併用してもよい。
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが好ましく、55℃以上であることがより好ましい。耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
離型剤の総含有量としては、トナー原料100質量部に対し4〜25質量部の範囲が好ましく、6〜20質量部の範囲がより好ましい。4質量部未満であると、離型剤添加の効果がない場合がある。25質量部以上であると、帯電性への悪影響が現れやすくなり、また現像器内部においてトナーが破壊されやすくなるため離型剤やトナー樹脂のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れるばかりでなく、著しく造粒制御性が悪化し所望の粒度/分布のトナーを作製することが困難となってしまう。
(その他の添加剤)
トナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機微粒子)、有機微粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
無機微粒子としては、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みを調整することができる。無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機微粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用することができるが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ微粒子が好ましく用いられる。また、シリカ微粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
(トナーの製造方法)
既述のようなトナーの製造方法は特に限定されるものではないが、結着樹脂の主成分が結晶性樹脂であるため粉砕法によるトナー作製は困難であり、湿式造粒法により作製されることが好ましい。湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が挙げられるが、これらの中でも乳化凝集法が粒度分布やトナー形状制御、さらには環境の観点から好適に用いられる。
乳化凝集法を用いる場合、トナーの製造方法は、少なくとも結晶性ポリエステルを水系媒体中に分散して結晶性ポリエステル粒子を得る乳化工程と、結晶性ポリエステル粒子や着色剤粒子等を含む原料分散液中で、前記結晶性ポリエステルを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程を、少なくとも含むことがより好ましい。さらに無定形高分子で被覆する場合、前記凝集工程の後に無定形高分子粒子を付着させる付着工程を設けても良く、また前記融合工程の後に無定形高分子微粒子を付着させる付着工程と被覆させる被覆工程を設けても良い。以下、各工程について詳細に説明する。
−乳化工程−
前記乳化粒子は塩基性物質が存在する水系媒体中で結晶性ポリエステルを乳化する乳化工程により得られる。乳化工程において結晶性ポリエステル樹脂の乳化粒子は、水系媒体と、結晶性ポリエステル樹脂を含む液(ポリマー液)とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。また、水系媒体中に塩基性物質が存在せしめる事でpHが上昇し、樹脂末端のカルボキシル基が解離することで、水への分散性が格段に向上し、かつ安定した水分散体を形成することができる。また樹脂にスルホン酸成分を共重合した場合も同様に自己水分散性の官能基として効果があるが、樹脂の抵抗低下や帯電の環境依存性悪化のためにできる限り共重合量は少ない事が好ましい。そこで樹脂酸価を調節することで乳化性を向上させ、結果としてスルホン酸成分量を減少することができ、抵抗低下等を抑制することができる。乳化液の調製する際のpHは、4.5〜10.5が好ましく、5〜9.5がより好ましいが、結晶性ポリエステルの加水分解が発生しない範囲が好ましい。
ここで、塩基性物質としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基類が挙げられ、この中でも無機塩基類が好ましく、特にアンモニアが加水分解抑制という観点からも好ましい。その際、樹脂融点以上の温度に加熱するか、あるいは、有機溶剤にポリエステル樹脂を溶解させることにより、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができるが、有機溶剤は環境汚染の観点から有機溶剤を用いないで乳化粒子を形成することが好ましい。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用することもできる。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましく、0.02〜0.8μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、小粒径トナーの作製が困難であり、また遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、体積平均粒径は、例えばマイクロトラックなどのレーザー回折式粒度測定機を用いて測定することができる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられるが環境への観点から蒸留水、イオン交換水等の水のみであることが好ましい。また、水系媒体に界面活性剤を添加混合しておいてもよい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤が好ましい。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤と併用されるのが好ましい。界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。界面活性剤の水性媒体中における濃度は、0.5〜5重量%程度になるようにするのが好ましい。
なお、アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
無定形高分子でトナーを被覆する場合、被覆する樹脂がビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製することができる。
被覆する樹脂がポリエステル樹脂である場合には、前記脂肪族結晶性ポリエステル樹脂と同様に、塩基性物質の存在下で乳化して、分散液を調製することができる。
前記樹脂粒子が、上記以外の樹脂である場合、その樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、その樹脂を油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して油性溶剤を蒸散させることにより、樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液を調製することができる。
前記乳化工程で、樹脂分散液と混合される着色剤としては、既述した着色剤を用いることができる。着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
着色剤の添加量としては、ポリマーの総量に対して1〜30重量%の範囲とすることが好ましく、1〜20重量%の範囲とすることがより好ましく、2〜1.0重量%の範囲とすることがさらに好ましく、2〜10重量%の範囲とすることが特に好ましく、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲でできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止の点で有利である。
また、これらの着色剤は、その他の微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
乳化工程で、樹脂分散液と混合される離型剤としては、既述した離型剤を用いることができる。離型剤は、水中にイオン性界面活性剤等と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザや圧力吐出型分散機を用いて、1μm以下の分散微粒子径に調整される。離型剤分散液における分散媒としては、結着樹脂の分散媒と同様のものを用いることができる。
結着樹脂や離型剤を水性媒体と混合して、乳化分散させる装置としては、例えばホモミキサ(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザ(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザ(ゴーリン社)、ナノマイザ(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサ(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等が挙げられる。
乳化工程における結着樹脂分散液に含まれる樹脂粒子の含有量及び、着色剤及び離型剤の分散液における、着色剤、離型剤それぞれの含有量は通常、5〜50重量%の範囲であり、好ましくは8〜40重量%の範囲である。前記含有量が前記範囲外にあると、5重量%より少ないと粒度分布が広がり、特性が悪化場合がある。また50重量%を超えると均一な撹拌が困難となり、均一な粒度分布、及び均一なトナー特性を得る事が困難となる。
なお、目的に応じて、前記結着樹脂分散液に、既述したような内添剤、帯電制御剤、無機粉体等のその他の成分が分散させておいても良い。また、帯電制御剤としては、凝集工程や融合工程の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
上記その他の成分の体積平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましく、0.02μm〜0.8μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招きやすい。一方、体積平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり性能や信頼性のばらつきが小さくなる点で有利である。
−凝集工程−
凝集工程においては、乳化工程で得られた樹脂粒子、及び着色剤、離型剤の分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、前記結着樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱してそれぞれの分散粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザで攪拌下、室温で凝集剤を添加し、原料分散液のpHを酸性にすることによってなされる。当該pHとしては凝集剤の種類にもよるが、2〜6の範囲にあることが好ましく、3〜5の範囲にあることがより好ましく、3.5〜5の範囲が加水分解の影響を受けにくい為もっとも好ましい。
凝集工程に用いる凝集剤は、2価以上の価数を取りうる金属塩であることが好ましい。2価以上の価数を取りうる金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、塩化亜鉛、硫酸銅、塩化鉄等の2価の金属塩、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化鉄、等の3価の金属塩、塩化スズ、等の4価の金属塩等の金属塩;および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられ、これらのうち2種以上を併用してもよい。
前記凝集剤のうち、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、が凝集性や安全性、コストの観点から好ましい。さらに、加水分解の影響を受けにくい上記pH範囲での凝集安定性を考慮した場合、塩化カルシウム、塩化マグネシウムがもっとも好ましい。
凝集力をもたらす2価以上の価数を取りうる金属塩においては、金属塩の価数にもよるが、用いる量が0.02重量%未満では凝集粒子が成長しない場合があり、1.2重量%を超えると凝集粒子が著しく不安定化してしまいトナーとして不適な粒径となる急凝集を起こしやすくなる場合がある。
また、凝集工程においては、加熱による急凝集を抑える為に、室温で攪拌混合している段階でpH調整を行い、必要に応じて分散安定剤を添加しても良い。(以下、この段階を「プレ凝集工程」という)。分散安定剤はプレ凝集工程と加熱凝集工程との両方に分けて添加しても効果的である。
−付着工程−
無定形高分子で表面を被覆する場合は以下の付着工程を経る事で被覆することができる。付着工程では、上記した凝集工程を経て形成された結晶性ポリエステルを含む凝集粒子(以下、トナーの製造方法の説明において、「コア凝集粒子」と略す)の表面に無定形高分子粒子を付着させることにより被覆層を形成する(以下、コア凝集粒子表面に被覆層を設けたものを「付着凝集粒子」と略す)。なお、この被覆層は、後述する融合工程を経て形成されるトナーの表面層に相当するものである。
被覆層の形成は、凝集工程においてコア凝集粒子を形成した分散液中に、無定形高分子粒子を含む分散液を追添加することにより行うことができ、必要に応じて凝集剤等他の成分も同時に追添加してもよい。付着工程においても、用いる無定形高分子に応じて凝集工程と同様にpH等を選択し、凝集粒子中に含まれる、最も融点の低い結着樹脂の融点以下の温度にて加熱し付着凝集粒子を得ることができる。また、この付着工程は、プレ凝集の段階で凝集粒子に取り込まれなかった原料微粒子を凝集に導くことにおいても有効である。なお、付着工程は下記融合工程の後に設けてもよい。つまり、コア粒子が融合した後、コアの表面に無定型高分子粒子を付着させ、再度加熱することで被覆層を形成してもよい。
−融合工程−
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集粒子の懸濁液のpHを6.0〜10.0の範囲に、好ましくは6.5〜9.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子、及び付着凝集粒子を融合させる。なお、凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適性なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、凝集粒子や付着凝集粒子が分解してしまったり、急凝集したりして収率が悪くなる。同様に樹脂の酸価が十分でない場合も粒子の安定性が低下するため急凝集しやすくなり、収率が悪化する。
融合時の加熱の温度としては、凝集粒子中に含まれる結着樹脂の融点以上であれば問題無い。トナーの形状は樹脂酸価と活性剤と融合時のpHと温度により制御することができる。樹脂酸価が前記範囲内にあれば粒子表面の水中での安定性が向上するため、形状の変化速度が緩和されるため形状の制御性が向上し、また形状の分布も良化する。加熱の時間としては、融合が十分に為される程度行えばよく、目標の形状によって0.5〜6.5時間程度行えばよい。それ以上時間を掛けるとコア凝集粒子に含まれる結晶性樹脂がトナー表面ヘ露出し易くなってしまう。したがって、定着性、ドキュメント保存性には効果的であるが、帯電性に悪影響を及ぼすため、長時間加熱するのは好ましくない。
融合時に金属塩中の金属元素が樹脂末端のカルボン酸成分とイオン架橋を形成し、適性な粘弾性を得る事ができる。これにより、樹脂酸価と金属塩による凝集力のバランスから凝集・造粒安定性に優れ、また、金属元素によるイオン架橋により所望のトナーの粘弾性調整を行うことが可能となり、溶融特性を生かした均一でムラのない高画質を提供することができる。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
(外添剤)
トナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できるが、これらのうち少なくとも2種以上の外添剤を使用し、該外添剤の少なくとも1種は、30nm〜200nmの範囲、さらには、30nm〜180nmの範囲の体積平均粒子径を有することが好ましい。
トナーが小粒径化することによって、感光体との非静電的付着力が増大するため、転写不良やホローキャラクターと呼ばれる画像抜けが引き起こされ、重ね合わせ画像等の転写ムラを生じさせる原因となる。そのため、体積平均粒子径が30nm〜200nmの大径の外添剤を添加することにより、転写性を改善させることができる。
体積平均粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力を十分に低減できず、転写効率が低下し画像のぬけが発生したり、画像の均一性を悪化させてしまったりする。また、経時による現像機内でのストレスによって微粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化し、コピー濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす。体積平均粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、流動性悪化の原因ともなる。
(トナーの特性)
トナーの体積平均粒子径は、3.0〜9.0μmの範囲が好ましく、4.0〜8.0μmの範囲がより好ましい。体積平均粒子径が3.0μmより小さいと、流動性が低下し各粒子の帯電性が不十分になりやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。体積平均粒子径が9.0μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなる。
体積平均粒子径の測定は、例えば、コールターカウンター[TA−II]型(ベックマン−コールター社製)を用いて、10μmのアパーチャー径で行うことができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトンII水溶液:ベックマン−コールター社製)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
使用される結晶性樹脂の粘弾性特性は以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率GL(30)が1×106Pa以上であることが好ましく、1×107Pa以上がさらに好ましい。
この貯蔵弾性率GL(30)が1×106Pa未満の場合には、例えば二成分現像方式を例に取れば、現像機内でキャリアと混合された時に、キャリアから受ける圧力や剪断力によりトナー粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持することができない場合があり、また、静電潜像担持体上のトナーがクリーニングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断力によって変形し、クリーニング不良が発生する場合がある。
トナーは、貯蔵弾性率GL及び損失弾性率GNが、それぞれ10℃の温度範囲における変化量が2桁以上であることが好ましく、2.5桁以上の変化であることがより好ましい。この変化量が2桁未満であると、低温で定着できない場合がある。このような場合、エネルギー消費を低減効果が十分に得られなかったり、定着ラチチュードが十分に得られないことがある。
トナーの溶融特性として、角周波数1rad/sec、100℃における動的複素粘度(η)が1.0×102〜4.0×104(Pa・s)であり、Tm+20℃における動的複素粘度をη1、Tm+50℃における動的複素粘度をη2としたときに、次式(4)を満たすことが好ましい。
1.0<(η1/η2)<7.0・・・(4)
トナーが、式(4)を満たすことにより、オフセットの発生を防ぐことができ、粘弾性の温度依存がゆるやかであり、結晶の融解に伴い温度とともに低下する粘弾性が変極点を持ち、粘弾性の温度依存性がより低くなる。
また、式(4)の粘度を満たしつつ、貯蔵弾性率GLと損失弾性率GNの比である損失正接(tanδ=GN/GL)はTm+20℃以上において、式(5)を満たすことが好ましい。これにより、溶融ムラなどがなくなり均一で高品位な画像を得ることが可能である。
0.5<tanδ<3.5・・・(5)
このTm+20℃以上における損失正接tanδが、0.5を超え3.5未満の範囲内である場合には、紙などの記録媒体に対する過度の染み込みを防止することができ、また離型剤などを含有した際には離型剤の滲み出し及び離型効果を発揮させやすい。これにより定着ラチチュードが広く、安定した画像を得ることができる。
トナーは2価以上の価数を取りうる金属元素を0.01〜1.0重量%の範囲で含有していることが好ましく、0.02〜0.8重量%の範囲で含有していることがより好ましい。前述のように凝集工程で添加される金属塩の金属元素は融合時にイオン架橋を形成するためトナーの粘弾性を適正な範囲に調整することができる。凝集剤として1価の凝集剤(Na等)を用いた場合はイオン架橋が形成されないことがあり、直鎖の結晶性樹脂を用いた場合は著しく分子量を上げても適性な粘弾性にすることが難しいことがある。また、化学架橋を有する樹脂を用いた場合は前述したように精密な粘弾性の制御が困難となることがある。
含有する2価以上の価数を取りうる金属元素が0.01重量%より少ない場合は、適正な粘弾性が得られないことがあり、また、凝集工程において十分な凝集力が得られないため、粒度/分布を制御したトナーを作製することが困難になることがある。2価以上の価数を取りうる金属元素が1.0重量%より多い場合はトナー粘度が高すぎ、高画像光沢な画像を得る事が困難となることがある。また、凝集工程において凝集力が過剰となり、粒度/分布を制御したトナーを作製することが困難になることがある。
トナーの体積電気抵抗値としては、1.0×1011〜1.0×1016Ω・cmの範囲内であることが好ましく、1.0×1012〜1.0×1015Ω・cmの範囲であることがより好ましい。体積電気抵抗が1.0×1011Ω・cm未満の場合には、トナーとキャリアとが摩擦帯電した場合において、十分な帯電量を確保することが困難となる場合がある。前述したように、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を乳化する際、スルホン酸成分を共重合することで乳化性を向上させることができるが、樹脂抵抗が著しく低下してしまう。そこで、樹脂末端に三官能以上のカルボン酸成分を結合することで樹脂抵抗を低下させることなく乳化性を向上させることができる。
一方、体積電気抵抗が1.0×1016Ω・cmより大きい場合には、トナーをキャリアと混合させた時に、現像剤としての抵抗が高くなりやすくなり、コピー画質の粒状性やハーフトーン階調性が制御しにくくなってしまう場合がある。そのため、十分な帯電性と良好なコピー画質とを永続的に確保する為には、トナーの体積電気抵抗を上述の範囲にすることが好ましい。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含み、前記現像剤が、本発明の第1または第2の電子写真用キャリアを含む現像剤である。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法における公知の工程が利用できる。また、適宜、上記工程以外の工程を含むものであってもよい。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体および誘電記録体等が使用できる。定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、定着機における定着部材に離型オイルが供給される。
離型オイルは、定着後の被転写体および画像へのオイルの付着をなくす観点からは使用しない方が好ましいが、定着時に定着部材と紙等の被転写体とが接触した際に、定着部材の磨耗量が増大し、定着部材の耐久性が低下してしまう場合があるので、必要ならば、離型剤の使用量が8.0×10-3mg/cm2以下の範囲で、定着部材に微量に供給されていることが好ましい。
離型オイルの供給量が、8.0×10-3mg/cm2を超えると、定着後に画像表面に付着した離型オイルのために画質が低下し、特にOHPのような透過光を利用する場合には、かかる現象が顕著に現れることがある。また、被転写体への離型オイルの付着が顕著になり、ベタ付きが発生することもある。さらに、離型オイルの供給量は、多くなるほど離型オイルを貯蔵しておくタンク容量も大きくしなければならず、定着装置自体の大型化を招く要因ともなる。
離型オイルとしては、特に制限はないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素系オイル、フロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等の変性オイル等の液体離型剤等が挙げられる。中でも、定着部材の表面に吸着し、均質な離型オイル層を形成しうる観点より、アミノ変性シリコーンオイル等の変性オイルが、定着部材に対する塗れ性に優れ、好ましい。また、均質な離型オイル層を形成しうる観点より、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルが好ましい。
加熱圧着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、離型オイルを供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方式、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられる。、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、離型オイルを均一に供給でき、かつ、供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。
離型オイルの供給量は、以下のようにして測定できる。即ち、その表面に離型オイルを供給した定着部材に、一般の複写機で使用される普通紙(例えば、富士ゼロックス(株)製の複写用紙、商品名J紙)を通過させると、普通紙上に離型オイルが付着する。この付着した離型オイルをソックスレー抽出器を用いて抽出する。ここで、溶媒にはヘキサンを用いる。このヘキサン中に含まれる離型オイルの量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型オイルの量を定量できる。この量を離型オイルの定着部材への供給量と定義する。
トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
また、シアン、マゼンタ、イエローからなる画像面積率100%の単色画像の定着後の画像光沢度(75°)が50%以上であることが好ましい。フルカラー画像では発色性や写真画質再現性の観点から画像光沢度が高い事が好ましい。さらに、高画質化のために塗工紙のような高光沢な紙を使用する場合、紙の光沢よりも画像光沢が著しく低いと視覚的に暗い画像に見えるため、定着画像が紙の光沢性よりも高光沢であることがより好ましい。例えば、光沢度(75°)が50%以上のコート紙のような塗工紙を用いて定着した場合、定着後の画像光沢度は50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。測定はJIS Z 8741に基づき測定する事ができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔トナー〕
下記のようにして、当該実施例に供するトナーを製造した。
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
加熱乾燥した5Lのフラスコに、セバシン酸1939g(9.6mol)、1,6−ヘキサンジオール1180g(10mol)、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム118.4g(0.4mol)、及びジブチルスズオキシド0.7gを入れ、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、180℃で6時間還流を行った。続いて、減圧下220℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量30000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷して結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。得られた樹脂の酸価は7.8mgKOH/gであり、THF不溶分はなかった。また、得られた樹脂の融点(DSCのピークトップ)は70℃、NMRによるイソフタル酸ジメチル5−スルホン酸ナトリウムの含有量の測定結果は2モル%(対全構成モノマー)、エステル濃度は0.11であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製)
得られた結晶性ポリエステル樹脂を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した5重量%濃度の希アンモニア水を入れ、pHを8.6に調節した後、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.89μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液(樹脂粒子濃度:20重量%)を得た。
(離型剤分散液の調製)
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP9,融点77℃):50重量部、
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK):5重量部、
イオン交換水:200重量部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴ−リン社)で分散処理し、体積平均粒径が0.22μmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20重量%)を調製した。
(着色剤分散液の調製)
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000重量部、
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK):150重量部、
イオン交換水:9000重量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径は、0.15μm、着色剤粒子濃度は23重量%であった。
(トナー粒子の製造)
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):500重量部、
イオン交換水;333.3重量部、
着色剤分散液:25.58重量部(着色剤;5%)、
離型剤分散液:58.82重量部(離型剤;10%)、
ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897:ローヌプーラン社製/S.C;70%):1.68重量部(活性剤;1%)
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより3500rpmで撹拌しながら、0.3Nの硝酸水溶液を滴下し、pHを4.0に調整した。ついで、凝集剤として塩化カルシウム1.67重量部を徐々に滴下し、その後Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら5分間分散混合した。原料混合液の粘度が均一になったところで、重合釜にセットした。
マントルヒーターで30℃に昇温させ、攪拌速度を400rpmに調整して30分間撹拌した。次に+1℃/分の昇温速度で60℃まで昇温した。この際、昇温とともに攪拌速度を400rpmから250rpmまで調整した。この際コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:10μm;コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は約6.3μmであった。
次いで、この凝集粒子を融合させるとともに、凝集粒子がばらけるのを防ぐ為に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを7.6とした。攪拌速度を250rpmから200rpmに落としてから、+1℃/分の昇温速度で80℃に昇温させた。顕微鏡で粒子の形状を確認しながら、80℃で60分間保持した後、−3℃/分の降温速度で20℃まで冷却した。
その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を製造した。このトナー粒子の体積平均粒子径は6.6μmであった。また粒度分布を表すGSDの値は体積分布GSD(以下GSD(v)と表す)が1.25、個数分布GSD(以下GSD(p)と表す)が1.26であった。
(トナーの製造)
外添剤として、表面疎水化処理した、体積平均粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)をトナー中に1.0wt%(トナー中の含有量)含有されるように、また、メタチタン酸100重量部にイソブチルトリメトキシシラン40重量部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部で処理した反応生成物である体積平均粒子径20nmのメタチタン酸化合物微粒子をトナー中に1.0wt%含有されるように添加し、ヘンシェルミキサーで30m/sの周速で5分間混合してトナーを作製した。
〔実施例1〕
(キャリアの製造)
フェライト粒子(Mn−Mgフェライト、パウダーテック社製EFC−35B、真比重:4.7g/cm3、体積平均粒径:35μm、飽和磁化:66emu/g):100重量部、
トルエン:14重量部、
パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力24dyn/cm):1.6重量部、
カーボンブラック(商品名;VXC-72、キャボット社製、抵抗100Ωcm以下):0.12重量部、
架橋メラミン樹脂粒子(体積平均粒径;0.3μm、トルエン不溶):0.3重量部、
弾性材としてのスチレン−ブタジエン系ゴム粒子(日本ゼオン社製のNS−312Sをジェットミル粉砕したもの、体積平均粒径:1.3μm):0.8重量部
フェライト粒子(フェライトコア粒子)を除く上記成分を10分間スターラーで分散し、樹脂液を調合した。さらにこの樹脂液とフェライトコア粒子とを真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライトコア粒子の表面に樹脂を被覆して電子写真用キャリア(体積平均粒径:35μm)を得た。
当該電子写真用キャリアの任意1000個をSEM−XMA(EDX)、LUZEX−IIIにより、定量分析して、弾性材の露出率(平均値)を求めたところ、60%であった。
(評価)
図2に示すストレス評価装置を使用して、垂直圧力を変化させた場合のトナー表面の外添剤の埋没グレードと、ずれ応力をかけた場合のトナーの変形・破壊グレードの測定を行った。
(1)外添剤の埋没グレード:
図2(A)に示すように、押圧部材100の押圧部(接触部の直径15mm)に両面テープを貼り付け、その上に電子写真用キャリア(符号10)5mgをまぶして均一な厚みの層を形成した。また、試料台300にも両面テープを貼り付け、その上に、トナー(符号20)1mgをまぶして均一な厚みの層を形成した。トナーをまぶした領域は、直径50mmの領域とした。
押圧部材100を静かに試料台300のトナーが設置されている面に載置して、試験の準備を行った。その後、押圧部材100に上に100gの重り200を載せた。5分後に重りおよび押圧部材100を取り外し、両面テープ上のトナー10を回収した。回収したトナー10の表面状態をSEMにより観察し、外添剤の埋没グレードを調べた。結果を下記表1に示す。さらに、重りによる荷重100gを、200g、300gおよび400gにそれぞれ変更した以外は同様の手順で、外添剤の埋没グレードを調べた。これらの結果も下記表1に示す。
なお、下記表1中、「G1」は、外添剤の埋没が認められない状態であり、「G1.5」は、外添剤の埋没がほとんど認められない状態であり、「G2」は、外添剤の埋没がごく軽微に認められる状態であり、「G2.5」は、外添剤の埋没が認められる状態であることを示す。実用上は、「G2」以下であることが好ましい。
(2)ずれ応力をかけた場合のトナーの変形・破壊グレード:
上記「外添剤の埋没グレード」と同様にして試験の準備を行った後、図2(B)に示すように、押圧部材100上に300gの重り200を載せて、押圧部材100を水平方向(試料台300の試料面と平行方向)に30mm/secの速度で、電子写真用キャリア10をトナー20に対して横せん断応力が作用するようにずれ応力をかけた。その後、重り200および押圧部材100を取り外し、両面テープ上のトナー20を回収した。回収したトナーの表面状態をSEMにより観察し、トナーの変形・破壊グレードを調べた。結果を下記表2に示す。さらに、重りによる荷重300gを、400gにそれぞれ変更した以外は同様の手順で、外添剤の変形・破壊グレードを調べた。この結果も下記表2に示す。
なお、下記表2中、「G1」は、外添剤の埋没が認められない状態であり、「G1.5」は、外添剤の埋没がほとんど認められない状態であり、「G2」は、外添剤の埋没がごく軽微に認められる状態であり、「G2.5」は、外添剤の埋没が認められる状態であることを示す。実用上は、「G2」以下であることが好ましい。
〔実施例2〕
弾性材としての実施例1で用いたゴム粒子(NS−312S粉砕品)の添加量を0.4重量部とした以外は、実施例1と同様にして電子写真用キャリアを作製した。弾性材の露出率は、60%であった。そして、実施例1と同様の評価を行った。結果を下記表1および表2に示す。
〔比較例1〕
弾性材としてのゴム粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真用キャリアを作製した。そして、実施例1と同様の評価を行った。結果を下記表1および表2に示す。
Figure 2006267979
Figure 2006267979
〔実施例3〕
(キャリアの製造)
弾性材を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調合した。さらにこの樹脂液とフェライトコア粒子とを真空脱気型ニーダーにいれ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライトコア粒子の表面に樹脂を被覆して、コア粒子を作製した(体積平均粒径:15μm)。
このコア粒子を、窒素雰囲気下、700℃で60分間、加熱凝集して、凝集コア粒子を作製した。
凝集コア粒子を乾燥して、電子写真用キャリアを製造した。マルチサイザ−により測定した電子写真用キャリアの体積平均粒径は、35μmであった。
また、光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して、ニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行って、形状係数SF1およびSF2を求めた(SF1およびSF2を算出するための式は既述のとおりである)。当該SF1(無作為にサンプリングした1000個の電子写真用キャリアの平均値、SF2も同様)は、130であった。SF2は、116であった。
(評価)
作製した電子写真用キャリアと先に作製しておいたトナーとを、トナー濃度が8重量%となるように混合・撹拌して、電子写真用現像剤を作製した。この電子写真用現像剤を富士ゼロックス社製のDCC500の現像器(当該現像器は加速現像器に改造した)内に充填し、現像器内のマグネットロールを5分間回転させた。その後、トナーを回収して、その表面に付着している外添剤の付着状態を、SEMにより観察し、外添剤埋没グレードを求めた。
また、比較のため比較例1の電子写真用キャリアを使用して、実施例3と同様にして現像剤を作製し、外添剤埋没グレードを求める評価を行った。
実施例3の場合、当該グレードはG2であったのに対し、比較例1の電子写真用キャリアを使用した場合は、G2.5以上であった。
本発明の電子写真用キャリアの形態を例示する斜視図である。 実施例の評価方法を説明する概略説明図である。
符号の説明
10・・・電子写真用キャリア
20・・・トナー
100・・・押圧部材
200・・・重り
300・・・試料台

Claims (6)

  1. フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの一部に、弾性材を含有する樹脂が被覆されている電子写真用キャリアであって、前記弾性材の一部が表面に露出していることを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの一部に、樹脂が被覆されている電子写真用キャリアであって、下記式(1)で表される形状係数SF1が、130以上であることを特徴とする電子写真用キャリア。
    式(1):
    SF1=((キャリア径の絶対最大長)2/(キャリアの投影面積)×(π/4)×100)
  3. 請求項1に記載の電子写真用キャリアの製造方法であって、
    フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの表面の一部に、弾性材を含む樹脂液を塗布し加熱処理を施す塗布加熱工程を含むことを特徴とする電子写真用キャリアの製造方法。
  4. 請求項2に記載の電子写真用キャリアの製造方法であって、
    フェライトコアあるいは磁性粉と結着樹脂とを含有するコアの少なくとも一部に、樹脂が被覆されているコア粒子を加熱凝集させて凝集コア粒子を生成させる凝集工程を含むことを特徴とする電子写真用キャリアの製造方法。
  5. キャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤であって、前記キャリアが請求項1または2に記載の電子写真用キャリアであることを特徴とする電子写真用現像剤。
  6. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
    前記現像剤が、請求項1または2に記載の電子写真用キャリアを含む現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013519117A (ja) * 2010-02-05 2013-05-23 三星精密化学株式会社 トナーの製造方法

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