JP2006259015A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 像担持体上にトナー像を順次重ねる色重ねで画像を形成するとき、先に形成したトナー像が現像中に乱れて画像品質が低下する。
【解決手段】 静電潜像が形成される像担持体1との対向域に、複数の電極102に印加されるn相の電圧によって形成される移相電界によってトナーを搬送するトナー搬送部材22を備えた複数の現像装置4と、各現像装置4のトナー搬送部材22の電極102に対し、平均値電位が像担持体1の潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段104とを備えた。
【選択図】 図3
【解決手段】 静電潜像が形成される像担持体1との対向域に、複数の電極102に印加されるn相の電圧によって形成される移相電界によってトナーを搬送するトナー搬送部材22を備えた複数の現像装置4と、各現像装置4のトナー搬送部材22の電極102に対し、平均値電位が像担持体1の潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段104とを備えた。
【選択図】 図3
Description
本発明は画像形成装置に関し、特に粉体を進行波電界によって移送して現像する現像装置を備えた画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、プリンタ/ファックス/複写機複合機等の各種画像形成装置として、像担持体を帯電させ、静電潜像を形成して、この静電潜像に着色体などの粉体(以下「トナー」又は「トナー粒子」という。)を付着させて現像し、トナー像を被記録媒体(転写材、用紙、記録紙、中間転写体などを含む意味である。)に転写する電子写真プロセスを用いる画像形成装置が知られている。
このような画像形成装置において、特許文献1に記載されているように、所定間隔を有して複数配列されている電極に対して多相電圧を印加して進行波電界を形成することによって、現像剤を搬送する現像剤搬送手段を備え、静電潜像をその表面に担持する像担持体に対向する現像領域に、該現像搬送手段が配置されている現像装置において、上記現像搬送手段は複数の電極をエンドレスループ状に配列し、該複数の電極は、複数のユニットに分割して配列されるとともにユニットごとの電圧印加を制御する手段を設け、ユニット個別に多相電圧を印加することが可能に構成されているものがある。
特許第3530124号公報
また、本出願人は、特許文献2、3に記載しているように、静電気力による粉体の水平方向の移動(搬送)と垂直方向の移動(ホッピング)を含む現象であり、静電搬送部材の表面を、移相電界によって粉体が進行方向の成分を持って飛び跳ねる現象を利用した現像方式を用いる現像装置を提案している。この現像装置は、像担持体上に粉体を付着させて像担持体上の潜像を現像するための現像装置において、像担持体に対向して配置され、粉体を移動させる進行波電界を発生させるための複数の電極を有する搬送部材を備え、搬送部材の電極には、粉体が潜像の画像部に対しては像担持体側に向かい、非画像部に対しては粉体が像担持体と反対側に向かう方向の電界を形成するn相の電位が印加されるようにしたものである。
特開2004−198675号公報
特開2004−198744号公報
一方、特許文献3に記載されているように、コロナ帯電器で感光体を正帯電した後、露光してネガの静電潜像(画線部が露光されて感光体の表面電位が減衰している静電潜像)を形成し、現像ローラを用いた現像装置によって現像してイエローのトナー像を形成し、その後、感光体を除電ランプで除電してイエローの静電潜像を消去し、同様に、帯電・露光・現像・光除電の工程を繰り返し、感光体上にマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を順次形成し、全てのトナー像の形成が終了した後、除電ランプで静電潜像を光除電し、コロナ帯電器でトナー像を普通紙に静電転写する画像形成装置がある。これは、感光体上に形成されたトナー層の上からコロナ帯電して、感光体を帯電させ、更にそのトナー層の上にもう一度別の色のトナー層を重ね合わせるという方式(色重ね方式、イメージ・オン・イメージ方式)の画像形成装置である。同様の方式として、後述のジャンピング現像を用いたものとして特許文献4に記載されているものがある。
特公平08−003673号公報
特開2002−6578号公報
なお、画像形成装置としては、特許文献5、6に記載されているように、像担持体と現像ローラとの間にDCとACの重畳電圧を印加して、非接触で現像ローラから像担持体にトナーを転移させる所謂ジャンピング現像と称する方式で現像するもの、特許文献7、8に記載されているように、静電搬送基板を用いて、トナーを像担持体に対向する位置まで搬送し、振動、浮遊、スモーク化させて、像担持体との間で生じる吸引力で搬送面からトナーを分離して像担持体表面に付着させるようにしたもの、特許文献9に記載されているように電界カーテンを用いるものもある。
特開平9−197781号公報
特開平9−329947号公報
特公平5−31146号公報
特公平5−31147号公報
特開平3−21967号公報
また、現像装置の現像バイアスに関して、特許文献10に記載されているように、バイアス電源の出力側に並列接続されたコンデンサC1及び抵抗器Rを直列に挿入することによって現像バイアスのピーク間電圧を像担持体と現像剤担持体間の静電容量C2の変動に応じて変化させ、且つ、静電容量C2と並列に可変コンデンサC3を挿入した画像形成装置がある。
特許第3376199号公報
上述した色重ね方式(イメージ・オン・イメージ方式)の画像形成装置において、現像装置として磁性キャリアとトナーからなる2成分現像剤を担持して回転する現像ローラ(現像スリーブ)によって像担持体と対向する領域にトナーを移動させる接触式現像装置を用いると、特許文献3にも記載されているように、像担持体上に形成された先行するトナー像が後行の現像時に磁気穂によってかき乱されて剥離されるなど、画像が乱れ、画像品質が著しく低下することになる。
そのため、特許文献3に記載の画像形成装置では、非接触式現像装置を用いて、感光体の厚みをL4としたとき、L4>L3/10で、かつ、L4>10[μm]であって、感光体の表面電位をVsとしたとき、500<|Vs|<1000[V]であって、感光体上に付着したトナー層Aの厚みをL1としたとき、10<L1<40[μm]であって、トナー担持体上のトナー層Bの厚みをL2としたとき、10<L2<50[μm]であって、トナー層AとBとの間隙をL3としたとき、50<L3<150[μm]であって、トナー層A表面と、トナー層B表面の移動方向が同進行方向で、かつ移動速度が略同速であるという極めて限定された条件を設定することで、画像の乱れを防止するようにしている。
しかしながら、このように像担持体の表面電位、像担持体上のトナー層の厚み、現像剤担持体のトナー層の厚み、各トナー層の表面の移動速度などが極めて限定された条件の下でしか良好な画像が得られないのでは、実質的に実用化することはできないという課題がある。
また、特許文献4に記載の画像形成装置にあっては、ジャンピング現像方式を用いて色重ねを行なうようにしているが、ジャンピング現像は、一方向現像ではないために、上述した接触式現像装置を用いた場合と同様に、感光体上に付着しているトナーが異なる色の現像中に乱されたり、現像中の現像器に当該異なる色のトナーが混入して混色を生じたりするなどの課題がる。加えて、ジャンピング現像は、通常400〜600V程度の現像電位差が必要であり、多色を現像するときに十分な現像電位差を確保することが難しく、再現性が悪化するという課題もある。
ところで、電子写真プロセスを用いる画像形成装置における現在及び将来の課題は、画質とコストと環境をいかにして満足するかということである。画質について言えば、カラー画像を形成する場合に、直径わずか約30μmの1200dpiの孤立1ドットをいかに現像するか、それも好ましくは、地汚れなしに現像するかということである。また、コストについて言えば、パーソナルのレーザプリンタを考えた場合、現像器や現像剤の単体コストのみならず、メンテナンス及び最終処分費用まで含めたトータルのコストを下げることが重要になる。さらに、環境について言えば、特に、微小粉末であるトナーが装置内や装置外に飛散することを防止することが重要になる。
上述した本出願人の出願に係る特許文献2、3などで既に提案している、静電搬送部材の表面を、移相電界(進行波電界)によって粉体が進行方向の成分を持って飛び跳ねる(ホッピング)現象(EH:Electrostatic transport&Hopping)を利用したET現像は、像担持体と非接触の一方向現像方式であり、上述したような直径わずか約30μmの1200dpiの孤立1ドットをも現像することができるという極めて優れた現像方式である。
本発明は電子写真プロセスを用いて色重ねで画像を形成する画像形成装置における課題解決のために、EH現像を用いることで色再現性に優れ、高画質画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを付着させて現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを付着させて現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを付着させて現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
上記本発明に係る画像形成装置においては、像担持体上にトナーを付着する順にm(m=1〜m)番目の現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧の平均値電位をVnとしたとき、各現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧の平均値電位の間には、|Vm|<|Vm+1|、の関係が成り立つことが好ましい。また、電圧印加手段は、トナー搬送部材の電極に対し、パルス状電圧と直流バイアスとを重畳した電圧を印加することが好ましい。
あるいは、電圧印加手段は、トナー搬送部材の電極に対し、パルス状電圧と直流バイアスとを重畳した電圧を印加し、像担持体上にトナーを付着する順にm(m=1〜m)番目の現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧のうちの直流バイアスの電位をVdcmとしたとき、各現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧のうちの直流バイアスの電位Vdcmの間には、|Vdcm|<|Vdcm+1|、の関係が成り立つことが好ましい。
また、電圧印加手段が直流バイアスを印加するとき、直流バイアスの電圧値を変化できることが好ましい。さらに、電圧印加手段は、電圧レベルをクランプするクランプ回路を含み、このクランプ回路には直流バイアスを発生する手段を含むことが好ましい。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が像担持体の潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成とした。
以上の本発明に係る画像形成装置においては、画像部電位Viと非画像部電位Vgとの差が300V以下であることが好ましい。また、トナーを引き付ける成分の電圧とトナーを反発する成分の電圧がトナー搬送手段の隣り合う電極間に印加されたときに形成されるトナー搬送方向の電界の最大値が2V/μm以上であることが好ましい。さらに、像担持体に非接触で帯電する非接触帯電手段を備えていることが好ましい。また、像担持体上のトナーを非接触で除電する非接触除電手段を備えていることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、画像部にはトナーを確実に付着させ、非画像部へのトナー付着を低減させ、画像の乱れのない良好な画像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において先に現像したトナーの有する電荷によって画像部電位が低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって先に現像したトナー電荷が増加した場合でも良好な多色像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において画像部電位が先に現像したトナーの有する電荷と潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が像担持体の潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、画像部にはトナーを確実に付着させ、非画像部へのトナー付着を低減させ、画像の乱れのない良好な画像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において先に現像したトナーの有する電荷によって画像部電位が低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、2色目以降の現像において潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって先に現像したトナー電荷が増加した場合でも良好な多色像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって像担持体との対向域にトナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えている構成としたので、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において画像部電位が先に現像したトナーの有する電荷と潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。先ず、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態ついて図1を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体概略構成図である。
この画像形成装置は、ベルト状感光体からなる像担持体1と、この像担持体1の周回方向(矢示方向)に沿って上流側から下流側に配置した、イエローの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2Y、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にイエローのトナーを付着させて現像する現像装置4Yと、マゼンタの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2M、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にマゼンタのトナーを付着させて現像する現像装置4Mと、シアンの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2C、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にシアンのトナーを付着させて現像する現像装置4Cと、ブラックの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2K、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にブラックのトナーを付着させて現像する現像装置4Kと、像担持体1上に各色のトナー像が重ね合わされて形成されたフルカラートナー像を転写する転写装置5と、定着装置6と、転写材7を収容する給紙装置8などとを備えている。
この画像形成装置は、ベルト状感光体からなる像担持体1と、この像担持体1の周回方向(矢示方向)に沿って上流側から下流側に配置した、イエローの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2Y、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にイエローのトナーを付着させて現像する現像装置4Yと、マゼンタの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2M、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にマゼンタのトナーを付着させて現像する現像装置4Mと、シアンの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2C、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にシアンのトナーを付着させて現像する現像装置4Cと、ブラックの像を形成するために像担持体1を一様に帯電させる帯電装置2K、像担持体1上に書込み装置3によって形成された潜像にブラックのトナーを付着させて現像する現像装置4Kと、像担持体1上に各色のトナー像が重ね合わされて形成されたフルカラートナー像を転写する転写装置5と、定着装置6と、転写材7を収容する給紙装置8などとを備えている。
ここで、像担持体1は、搬送ローラ11、従動ローラ12、転写装置5を構成する転写対向ローラ5B、現像装置4Y、4M、4Cに対向する対向ローラ13Y、13M、13Cの間に架け渡され、搬送ローラ11の回転により矢示方向に周回移動する。帯電装置2Y、2M、2C、2K(以下、区別しないときは「帯電装置2」という。なお、その他の部材及び手段についても同様である。)は、スコロトロンチャージャを使用し、像担持体1表面を均一に負帯電する。なお、帯電手段として非接触式帯電手段を備えていることによって、先行する画像形成によって像担持体上に形成されたトナー像を乱すことなく帯電を行なうことができて、良好な画像を得ることができるようになる。
書込み装置3は、画像情報に従って帯電装置2によって帯電された像担持体1に対して潜像を書き込むものであり、レーザーを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用することができる。現像装置4の詳細については後述する。転写装置5は、転写ローラ5Aと転写対向ローラ5Bとを備えている。定着装置6は、加熱ローラ6A及びこれに対向する加圧ローラ6Bを備えている。
そして、この画像形成装置においては、複写機として機能するときには、図示しないスキャナから読み込まれた画像情報がA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理を施されて書込みデータに変換される。また、プリンタとして機能するときには、コンピュータ等から転送されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施され書込みデータに変換される。
そして、画像形成に先駆けて、像担持体1は表面の移動速度が所定の速度となるように、図1の矢印方向に周回移動を開始する。このとき、所定のタイミングで、帯電装置2Yによって像担持体1が均一に帯電され、帯電させられた像担持体1に対し、書込み装置3は、先ずイエロー画像の書込みデータに応じてレーザー光3aを照射して露光を行なう。すなわち、光照射によって画像部の電位を変化させることで光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。その後、現像装置4Yによってイエローのトナーが像担持体1上に形成された静電潜像の画像部に付着されて、イエローのトナー像が像担持体1上に形成される。
次に、イエローのトナー像が形成された領域を含めて、帯電装置2Mによって像担持体1が均一に帯電され、帯電させられた像担持体1に対し、書込み装置3は、マゼンタ画像の書込みデータに応じてレーザー光3aを照射して露光を行ない、マゼンタ画像の静電潜像を形成する。その後、現像装置4Mによってマゼンタのトナーが像担持体1上に形成された静電潜像の画像部に付着されて、イエローのトナー像にマゼンタのトナー像が重ね合わされたトナー像が像担持体1上に形成される。
以下、同様にして、イエローとマゼンタのトナー像にシアンのトナー像が重ね合わされたトナー像が像担持体1上に形成され、これら3色が重ね合わされたトナー像にブラックのトナー像が重ね合わされたトナー像が像担持体1上に形成される。
一方、所定のタイミングで給紙装置8から転写材7が給紙されて搬送路9を介して搬送され、転写装置5によって像担持体1上の色重ねされたトナー像が転写材7に転写され、定着装置6で定着処理された後、フルカラー画像が形成された転写材7が排紙部10に排紙される。
そこで、現像装置4の詳細について図2を参照して説明する。なお、図2は同現像装置の詳細を説明する説明図である。
この現像装置4は、現像手段として、ケーシング21内に、像担持体1と対向する領域(対向域)にトナーを移相電界によって搬送するローラ状に形成したトナー搬送部材22と、このトナー搬送部材22に対向し、トナー搬送部材22に対してトナーを供給するトナー供給手段である現像剤担持体23と、この現像剤担持体23で供給するトナー及び磁性キャリアからなる2成分現像剤(又はトナーからなる一成分現像剤とすることもできる。)を収容する現像剤収容部24とを備えている。
この現像装置4は、現像手段として、ケーシング21内に、像担持体1と対向する領域(対向域)にトナーを移相電界によって搬送するローラ状に形成したトナー搬送部材22と、このトナー搬送部材22に対向し、トナー搬送部材22に対してトナーを供給するトナー供給手段である現像剤担持体23と、この現像剤担持体23で供給するトナー及び磁性キャリアからなる2成分現像剤(又はトナーからなる一成分現像剤とすることもできる。)を収容する現像剤収容部24とを備えている。
ここで、トナー搬送部材22は像担持体1及び現像剤担持体23に対して径方向の反対側の領域で対向している配置としている。また、このトナー搬送部材22と像担持体1は、50〜1000μm、好ましくは150〜400μmの間隙をあけて非接触で対向している。また、トナー搬送部材22は回転せず、外周面をトナーが矢示方向に搬送電界(移相電界)で搬送される。一方、現像剤担持体23は矢示方向に回転する。
現像剤担持体23は、内部に、固定された磁石が配置されおり、現像剤担持体23の回転と磁力及び攪拌スクリュー25によって現像剤収容部24内の現像剤が現像剤担持体3表面に供給される。また、現像剤担持体23の外周側に対向して現像剤層規制部材27を設け、現像剤担持体23上の現像剤を一定量の現像剤層厚に規制している。この現像剤担持体23に供給された現像剤は現像剤担持体23の回転に伴ってトナー搬送部材22と対向する領域まで搬送される。
ここで、現像剤担持体23には図示しない電圧印加手段によって供給バイアスが印加されている。また、トナー搬送部材22には後述する電圧印加手段(駆動回路)によって電極に搬送電界を形成する電圧が印加されている。
これにより、現像剤担持体23とトナー搬送ローラが対向する領域においてはトナー搬送部材22と現像剤担持体3との間に電界が生じている。その電界からの静電気力を受け、トナーはキャリアから解離し、トナー搬送部材22表面に移動する。そして、トナー搬送部材22表面に達したトナーは、電極に印加される電圧によって形成される搬送電界(移相電界)によって、トナー搬送部材22表面上をホッピングしながら搬送される(移動する)。
次いで、像担持体1と対向する領域まで搬送電界によって搬送されたトナーは、トナー搬送部材22と像担持体1上の画像部との間の現像電界によって、像担持体1上に移動して像担持体1上の潜像を可視像化(現像)する。
次に、現像手段を構成しているトナー搬送部材22の詳細について図3を参照して詳細に説明する。なお、図3は同トナー搬送部材22の一部を拡大した断面説明図である。
このトナー搬送部材22は、支持基板101上に複数の電極102、102、102……を、n本を1セットとして、トナー移動方向に沿って所要の間隔で配置し、この上に静電搬送面103aを形成する絶縁性の静電搬送面形成部材となり、電極102の表面を覆う保護膜となる、無機又は有機の絶縁性材料で形成した表面保護層103を積層したものである。
このトナー搬送部材22は、支持基板101上に複数の電極102、102、102……を、n本を1セットとして、トナー移動方向に沿って所要の間隔で配置し、この上に静電搬送面103aを形成する絶縁性の静電搬送面形成部材となり、電極102の表面を覆う保護膜となる、無機又は有機の絶縁性材料で形成した表面保護層103を積層したものである。
支持基板101としては、ガラス基板、樹脂基板或いはセラミックス基板等の絶縁性材料からなる基板、或いは、SUSなどの導電性材料からなる基板にSiO2等の絶縁膜を成膜したもの、ポリイミドフィルムなどのフレキシブルに変形可能な材料からなる基板などを用いることができる。
電極102は、支持基板101上に、Al、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜10μm厚、好ましくは0.5〜2.0μmで成膜し、これをフォトリソ技術等を用いて所要の電極形状にパターン化して形成している。これらの複数の電極102のトナー搬送方向における幅(電極幅)aは移動させる粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下とし、かつ、電極102、102のピッチpも移動させるトナーの平均粒径の1倍以上20倍以下としている(図4参照)。
表面保護層103としては、例えばSiO2、TiO2、TiO4、SiON、BN、TiN、Ta2O5などを厚さ0.5〜10μm、好ましくは厚さ0.5〜3μmで成膜して形成している。また、無機ナイトライド化合物、例えばSiN、Bn、Wなどを用いることができる。特に、表面水酸基が増えると帯電トナーの帯電量が搬送途中で下がる傾向にあるので、表面水酸基(SiOH、シラトール基)が少ない無機ナイトライド化合物が好ましい。
図3において、各電極102から伸びる線は各電極102に電圧を印加するための導電線をあらわしており、各線の重なる部分のうち黒丸で示した部分だけが電気的に接続されており、他の部分は電気的に絶縁状態である。各電極102に対しては、本体側の電圧印加手段(駆動回路)104からn相の異なる駆動電圧V11〜V13、V21〜V23が印加される。なお、本実施形態では3相の駆動電圧が印加される場合(n=3)について説明するが、本発明はトナーが搬送される限りにおいて、多相(n相)がn>2を満たす任意の自然数nについて適用可能である。
また、トナー搬送部材22の各電極102は現像装置4側の接点S11、S12、S13,S21、S22、S23のいずれかに接続されており、各接点S11、S12、S13,S21、S22、S23は、現像装置4が画像形成装置本体に装着された状態においては、それぞれ駆動波形V11、V12、V13、V21、V22、V23を与える本体側の電圧印加手段104と接続される。
トナー搬送部材22は、トナーを像担持体1近傍まで移送し、また現像領域通過後の現像に寄与しなかったトナーを回収するための搬送領域(回収領域を含む)、像担持体1の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成するための現像領域とに分けられる。
現像領域は、像担持体1に近接した領域のみに存在し、搬送領域はトナー搬送部材22の周上、現像領域以外の全域に存在する。本発明では、トナーが移相電界によって移動可能な領域を「静電搬送面」という。本実施形態の場合、トナー搬送部材22の周表面全体が静電搬送面である。
搬送領域では電圧印加手段104によって各電極102に駆動波形V11、V12、V13が印加され、現像領域では電圧印加手段104によって各電極102に駆動波形V21、V22、V23が印加される。
そこで、トナー搬送部材22におけるトナーの静電搬送の原理について説明する。トナー搬送部材22の複数の電極102に対してn相のパルス状電圧を印加することにより、複数の電極102によって移相電界(進行波電界)が発生し、トナー搬送部材22上の帯電したトナーは反発力及び/又は吸引力を受けて移送方向に移動する。
例えば、トナー搬送部材22の複数の電極102に対して図5に示すように、グランドG(0V)と正の電圧+との間で変化するA相、B相、C相の3相のパルス状駆動波形(電圧)を、タイミングをずらして印加する。
このとき、図6に示すように、トナー搬送部材22上に負帯電トナーTがあり、トナー搬送部材22の連続した複数の電極102にそれぞれ「G」、「G」、「+」、「G」、「G」が印加された(同図(a))とすると、負帯電トナーTは「+」の電極102上に位置する。次のタイミングで複数の電極102にはそれぞれ「+」、「G」、「G」、「+」、「G」が印加され(同図(b))、負帯電トナーTには左側の「G」の電極102との間で反発力が、右側の「+」の電極102との間で吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは「+」の電極102側に移動する。さらに、次のタイミングで複数の電極102には、同図(c)に示すように、それぞれ「G」、「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、負帯電トナーTには同様に反発力と吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは更に「+」の電極102側に移動する。
これを図7を参照して具体的に説明すると、同図(a)に示すように、トナー搬送部材22の電極A〜Fがいずれも0V(G)で、トナー搬送部材2上に負帯電トナーTが載っている状態から、同図(b)に示すように電極A、Dに「+」が印加されると、負帯電トナーTは電極A及び電極Dに吸引されて電極A、D上に移る。次のタイミングで、同図(c)に示すように、電極A、Dがいずれも「0」になり、電極B、Eに「+」が印加されると、電極A、D上のトナーTは反発力を受けるとともに、電極B、Eの吸引力を受けることになって、負帯電トナーTは電極B及び電極Eに移送される。さらに、次のタイミングで、同図(d)に示すように、電極B、Eがいずれも「0」になり、電極C、Fに「+」が印加されると、電極B、E上のトナーTは反発力を受けるとともに、電極C、Fの吸引力を受けることになって、負帯電トナーTは電極C及び電極Fに移送される。このように進行波電界によって負帯電トナーは順次図において右方向に移送されることになる。
このように複数の電極102に電圧の変化する多相(n相)の駆動波形(電圧)を印加することで、トナー搬送部材22上には進行波電界が発生し、負帯電トナーはこの進行波電界の進行方向に移動する。なお、正帯電トナーの場合には駆動波形の変化パターンを逆にすることで同様に同方向に移動する。
次に、電圧印加手段104の一例について図8を参照して説明する。
この電圧印加手段104は、パルス信号を生成出力するパスル信号発生回路105と、このパルス信号発生回路105からのパルス信号を入力して駆動波形であるパルス状電圧V11、V12、V13を生成出力する波形増幅器106a、106b、106cと、パルス信号発生回路105からのパルス信号を入力して駆動波形V21、V22、V23を生成出力する波形増幅器107a、107b、107cとを有する。
この電圧印加手段104は、パルス信号を生成出力するパスル信号発生回路105と、このパルス信号発生回路105からのパルス信号を入力して駆動波形であるパルス状電圧V11、V12、V13を生成出力する波形増幅器106a、106b、106cと、パルス信号発生回路105からのパルス信号を入力して駆動波形V21、V22、V23を生成出力する波形増幅器107a、107b、107cとを有する。
パルス信号発生回路105は、例えばロジックレベルの入力パルスを受けて、各120°に位相シフトした2組みパルスで、次段の波形増幅器106a〜106c、107a〜107cに含まれるスイッチング手段、例えばトランジスタを駆動して100Vのスイッチングを行うことができるレベルの出力電圧10〜15Vのパルス信号を生成して出力する。
波形増幅器106a、106b、106cは、搬送領域の各電極102に対して、3相の駆動波形(駆動パルス)V11、V12、V13を印加し、波形増幅器107a、107b、107cは、現像領域の各電極102に対して、3相の駆動波形(駆動パルス)V21、v22、V23を印加する。
ここで、トナー搬送部材2の搬送領域では、各電極102に対して、図9に示すように、各相の+100Vの印加時間taを繰り返し周期tfの1/3である約33%に設定した(これを「搬送電圧パターン」という。)3相の駆動波形(駆動パルス)V11、V12、V13を印加する。この駆動波形は搬送領域においてトナーを高速搬送させるのに適した波形である。
また、現像領域では、各電極102に対して、図10又は図11に示すように、各相の+100V(又は−100V)の印加時間taを繰り返し周期tfの2/3である約67%に設定した(これを「ホッピング電圧(又は現像電圧)パターン」という)3相の駆動波形(駆動パルス)V21、V22、V23を印加する。現像領域ではトナー粒子を積極的に像担持体に向かって打ち上げることが好ましく、図10の駆動波形はトナー粒子を打ち上げるのに適している。
なお、現像電圧パターンの駆動波形を印加した場合でも、0V電極のセンターに位置したトナー以外は、横方向への力も受けるため、すべてのトナーがいっせいに高く打ち上げられるというものではなく、水平方向に移動するトナーもあり、逆に、搬送電圧パターンの駆動波形を印加した場合でも、トナーの位置によっては、大きな角度で斜めに打ち上げられて水平に移動するよりも上昇距離の方が大きいものがある。
したがって、搬送領域において各電極102に印加する駆動波形パターンは前述した図9に示す搬送電圧パターンに限られるものではなく、また、現像領域12の各電極102に印加する駆動波形パターンも前述した図10に示す現像電圧パターンに限られるものではない。
なお、駆動波形は3相の場合について説明したが、これをn相に一般化すると、次のようになる。すなわち、各電極に対してn相(nは3以上の整数)のパルス状電圧(駆動波形)を印加して進行波電界を発生させる場合、1相あたりの電圧印加時間が{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満となる電圧印加デューティとすることによって、搬送、現像の効率を上げることができる。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの2/3である約67%未満に設定し、4相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間を繰り返し周期時間の3/4である75%未満に設定することが好ましい。
他方、電圧印加デューティは、{繰り返し周期時間/n}以上に設定することが好ましい。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの1/3である約33%以上に設定することが好ましい。
すなわち、注目電極に印加する電圧と進行方向上流側隣接電極及び下流側隣接電極に印加する各電圧との間には、上流側隣接電極が反発、下流側隣接電極が吸引という時間を設定することによって、効率を向上することができる。特に、駆動周波数が高い場合は、{繰り返し周期時間/n}以上で{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満の範囲内に設定することにより、注目電極上のトナーに対する初期速度が得られやすくなる。
ここで、上述した図11に示すホッピング電圧パターンの電圧波形を発生するための波形増幅器107a〜107c(これらを符号「107」で表記する。)の一例について図12を参照して説明する。
なお、図11に示すホッピング電圧パターンの駆動波形は、各相が0〜−100Vのパルス波形で、電位が相対的に+の時間(0Vの時間)が67%デューティの波形であるが、ここでは、電位が相対的に+の時間(0Vの時間)が33%デューティの波形で説明する。
なお、図11に示すホッピング電圧パターンの駆動波形は、各相が0〜−100Vのパルス波形で、電位が相対的に+の時間(0Vの時間)が67%デューティの波形であるが、ここでは、電位が相対的に+の時間(0Vの時間)が33%デューティの波形で説明する。
波形増幅器107は、入力信号を分圧するための抵抗R1、R2と、スイッチング用のトランジスタTr1と、コレクタ抵抗R3と、トランジスタTr2と、電流制限抵抗R4と、コンデンサC1、抵抗R5、ダイオードD1からなるクランプ回路25とで構成している。
この波形増幅器107に対し、前述したパルス信号発生回路105から図13(a)に示すように、例えば、0〜15Vの図示の波形で15Vのデューティが約67%の入力信号INが与えられると、この入力信号INは抵抗R1、R2で分圧されてトランジスタTr1のベースに入力され、トランジスタTr1がスイッチングを動作することで、位相が反転され、0〜+100Vにレベルアップされた同図(b)に示すような電圧波形(コレクタ電圧)mが得られる。
このコレクタ電圧mをトランジスタTr2が受け、同じレベルの波形を低インピーダンスで出力する。このトランジスタTr2のエミッタに接続されたクランプ回路108は、+波形に対しては時定数が小さく、−波形に対しては時定数がコンデンサC1及び抵抗R5で決定されるが、パルスの周期に対してこの時定数を十分大きな値に設定することで、クランプ回路108からは、同図(c)に示すように、0レベルがクランプされた0〜−100Vの出力波形OUTが得られる。
また、ホッピング電圧パターンとしては、図14に示すように、パルス状電圧と直流バイアスとを重畳した波形の電圧を用いることもできる。図14に示す波形は、−50VのDC電圧をバイアスし、−50V〜−150Vの駆動波形とした。なお、同図でも相対的に+の時間が33%デューティの波形としている。
この駆動波形を生成するための前述した波形増幅器107は、図15に示すように、図12に示す回路のクランプ回路108のGND方向のダイオードD1及び抵抗R5とシリーズに−50Vの電源回路109を挿入したのものであり、前記波形増幅器107の出力波形に−50VのDC電圧がバイアスされ、結果として−50〜−150Vの波形が得られる。
また、図16に示すように、図15の回路において、固定電圧を出力するバイアス電源回路109に代えて、出力電圧を可変できるバイアス電源回路110を備えることで、直流バイアス電圧の電圧値を可変とすることができる。この場合のバイアス電源回路110の出力制御は画像形成装置の制御部によって行なうことになる。
なお、ET現象のうちのホッピング現象は、静電搬送基板を用いただけでは発生せず、トナー搬送部材22の電極102の電極幅aや電極間間隔R、電極に印加する駆動波形(電圧)との関係を設定することで発生するものである。この点については、特許文献2などに詳細に説明しているとおりである。
例えば、電極102の電極幅aについては、電極幅aをトナー径の1倍としたときは、最低1個のトナーを乗せて搬送、ホッピングするための幅寸法であり、これより狭いとトナーに作用する電界が少なくなり、搬送力、飛翔力が低下して実用上は十分でない。また、電極幅aが広くなるに従って、特に、電極上面中央付近で、電気力線が進行方向(水平方向)に傾斜し、垂直方向の電界の弱い領域が発生し、ホッピングの発生力が小さくなる。電極幅aがあまり広くなると、極端な場合、トナーの帯電電荷に応じた鏡像力、ファンデルワールス力、水分等による吸着力が勝り、トナーの堆積が発生することがある。
そして、搬送及びホッピングの効率から、電極の上にトナーが20個程度が載る幅であれば吸着が発生しにくく、100V程度の低電圧の駆動波形で効率良く搬送、ホッピングの動作が可能である。それ以上広いと部分的に吸着が発生する領域が生じる。例えば、トナーの平均粒径を5μPとすると、5μm〜100μmまでの範囲に相当する。
電極102の電極幅aのより好ましい範囲は、印加電圧が100V以下の低電圧でより効率的に駆動するため、トナーの平均粒径の2倍以上〜10倍以下である。電極幅aをこの範囲内とすることで、電極表面中央付近の電界強度の低下が1/3以下に抑えられ、ホッピングの効率低下は10%以下となって、効率の大幅な低下をきたすことがなくなる。これは、例えば、トナーの平均粒径を5μmとすると、10μm〜50μmの範囲に相当する。
さらに、より好ましくは、電極幅aは、トナーの平均粒径の2倍以上〜6倍以下の範囲である。これは、例えば、トナーの平均粒径を5μmとすると、10μm〜30μmに相当する範囲である。この範囲とすることによって非常に効率が良くなることが判明している。
また、トナーの搬送、ホッピングに作用する力を付与できる電界としては0.5V/μm以上、吸着の問題がない好ましい電界としては1V/μm以上、さらに十分な力を付与できるより好ましい電界としては2V/μm以上の範囲であることが分かっている。
電極間隔Rについては、間隔が広くなるほど搬送方向の電界強度は低下するため、上記電界強度の範囲に対応する値としても同様で、トナーの平均粒径の1倍以上〜20倍以下、好ましくは2倍以上〜10倍以下、さらにより好ましくは2倍以上〜6倍以下である。また、ホッピングの効率は電極間隔Rが広がると低下するが、トナーの平均粒径の20倍までは実用上のホッピング効率が得られる。トナー平均粒径の20倍を越えるとやはり多くのトナーの吸着力が無視できなくなり、ホッピングが全く発生しないトナーが発生するため、この点でも電極間隔Rはトナーの平均粒径の20倍以下とする必要がある。
また、上述した電極構成による搬送及びホッピングを効率的に行なうことがでるのは、トナーの平均粒径が2〜10μm、Q/mが負帯電の場合には−3〜−40μC/g、より好ましくは、−10〜−30μC/g、正帯電の場合には+3〜+40μC/g、より好ましくは、+10〜+30μC/gであることが分っている。
さらに、画像部電位Viと非画像部電位(地肌部電位)Vgとの差が300V以下である場合に、より良好な画像を形成することができる。また、トナー搬送部材22の電極102に印加する電圧は、トナーを引き付ける成分の電圧とトナーを反発する成分の電圧がトナー搬送部材22の隣り合う電極102、102間に印加されたときに形成されるトナー搬送方向の電界の最大値が2V/μm以上になる電圧とすることによって、トナーの搬送をより確実に行なうことができる。
ところで、ET現像では、トナー搬送部材22上でトナーをホッピングさせることによって、トナー搬送部材22のトナーに対する吸着力を0にすることで現像を行うものであるが、単にトナー搬送部材22上でトナーをホッピングにさせるだけでは、ホッピングしたトナーが像担持体1側への進行性を有しているとしても、像担持体1の潜像に付着することの確実性が保証されない。特に、多色のトナーを像担持体上に重ねてトナー像を形成する場合、現像しようとしているトナー画像上での非画像部であっても、他の色のトナーの画像部となる場合も多く、この場合には色むら、混色として認識され、著しく画像品質を損ねることになる。
そこで、像担持体1の潜像の電位(表面電位)とトナー搬送部材22に印加する電位(発生させる電界)との関係を所定の関係に設定する、つまり、像担持体1の潜像の画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かい、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かわない電界を発生させる。これにより、潜像の画像部に対してはトナーが確実に付着し、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向わないので、トナー搬送部材22からホッピングしたトナーが効率的に現像に利用され、飛散を防止でき、低電圧駆動による、色ムラのない、高品質現像を可能にすることができる。
次に、このように構成した画像形成装置における色重ねによる画像形成について説明する。
まず、各色のトナーによって潜像を現像する現像装置4Y、4M、4C、4Kの各トナー搬送部材22の各電極102に対して電圧を印加する電圧印加手段104は、平均値電位が潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する。これによって、像担持体1の潜像の画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かい、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かわない電界が発生して、潜像の画像部に対してはトナーが確実に付着し、非画像部に対してトナーが付着しないので、トナー搬送部材22からホッピングしたトナーが効率的に現像に利用される。
まず、各色のトナーによって潜像を現像する現像装置4Y、4M、4C、4Kの各トナー搬送部材22の各電極102に対して電圧を印加する電圧印加手段104は、平均値電位が潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する。これによって、像担持体1の潜像の画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かい、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かわない電界が発生して、潜像の画像部に対してはトナーが確実に付着し、非画像部に対してトナーが付着しないので、トナー搬送部材22からホッピングしたトナーが効率的に現像に利用される。
ここで、トナー搬送部材22の電極102に印加する電位の平均値(平均値電位)とは、トナー搬送部材22上の時間的空間的平均値電位である。前述したように、トナー搬送部材22の各電極102に対しては、電圧印加手段104からパルス状電圧が印加されることで周期的に変化する電位が与えられているが、トナー搬送部材22からある程度の距離を置いた現像部の像担持体1表面では、平均的な電位となっている。
つまり、トナー搬送部材22の各電極102に印加する駆動電圧パターンのデューティが50%であれば、駆動電圧パターンのハイレベル電位とロ−レベル電位の平均の値となる。したがって、この平均値電位を像担持体1の潜像の画像部電位と非画像部電位の間に設定することで高品質の現像が可能となる。
また、本EH現像方式を用いた場合、カラー画像形成においても、効率的に、高画質の画像を得ることができる。すなわち、EH現像においては、トナーがホッピングしていることにより潜像の画像部に対してトナーが吸引されて付着し、非画像部ではトナーが付着されないので、感光体上の潜像電界に忠実なトナーの付着が行われる。このとき、既にホッピングしているトナーはトナー搬送部材22との間で吸着力が生じないため、トナー搬送部材22からトナーを引き剥がすための大きな力は不要となり、容易に像担持体1側に移送することができ、高い品質の現像が低電圧で可能となる。
そして、このように、トナー搬送部材22からトナーを引き剥がすための大きな力は不要であるから、色重ねでトナー像の上に更にトナー像を形成する場合に、すでに存在しているトナー像を乱すことなく、トナー像を重ねて形成することができる。
したがって、前述のように、2色目以降の場合においても、現像領域で、現像されようとしている色のトナーについて、トナーが潜像の画像部に対しては像担持体1側に向かい、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向わない方向の電界が形成されるように、電圧印加手段104によってトナー搬送部材22の電極102に電圧を印加することで、すでに像担持体1上に存在するトナーを乱さず、良好な現像が可能となる。
そこで、像担持体1上で多色のトナーを重ね合わせて画像を形成する場合について具体例で説明する。
1色目のトナーについては、単色の場合と同様に考えられる。すなわち、前述した図11に示すホッピング電圧パターンの電圧波形のように、0〜−100Vで遷移するパルス状電圧である場合、像担持体1上の非画像部電位が−100Vより低いときには、非画像部に対しては、トナーがトナー搬送部材22側に引き付けられることになる。一方、画像部電位を適当に設定することで、画像部に対しては、トナーが像担持体1側に向かうことになる。
1色目のトナーについては、単色の場合と同様に考えられる。すなわち、前述した図11に示すホッピング電圧パターンの電圧波形のように、0〜−100Vで遷移するパルス状電圧である場合、像担持体1上の非画像部電位が−100Vより低いときには、非画像部に対しては、トナーがトナー搬送部材22側に引き付けられることになる。一方、画像部電位を適当に設定することで、画像部に対しては、トナーが像担持体1側に向かうことになる。
実験によると、潜像の非画像部電位を−150Vや−170Vとした場合に、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かわず、画像部電位を−20Vとした場合、画像部に対してはトナーが像担持体1方向に向かうことが確認できた。
次に、トナー像が形成された像担持体1上にさらに第2のトナー層を形成する。
2色目のトナーを搬送する現像装置のトナー搬送部材22の各電極102に対して印加するホッピング電圧パターンとして、−50〜−150Vで遷移するパルス状電圧波形(図14のパターン)を設定した。このとき、潜像の非画像部の電位を−150Vよりも小さく設定すれば、非画像部に対して、トナーは像担持体1側に向かわないはずである。潜像の非画像部電位を−200Vや−220Vとしたときに、非画像部に対してトナーは像担持体1側に向かわず、画像部に対して像担持体1へ向かうことを確認した。また、2色目の現像に対する潜像の画像部電位を−50Vとしたが、この場合、画像部ではトナーは像担持体1側に向かった。
2色目のトナーを搬送する現像装置のトナー搬送部材22の各電極102に対して印加するホッピング電圧パターンとして、−50〜−150Vで遷移するパルス状電圧波形(図14のパターン)を設定した。このとき、潜像の非画像部の電位を−150Vよりも小さく設定すれば、非画像部に対して、トナーは像担持体1側に向かわないはずである。潜像の非画像部電位を−200Vや−220Vとしたときに、非画像部に対してトナーは像担持体1側に向かわず、画像部に対して像担持体1へ向かうことを確認した。また、2色目の現像に対する潜像の画像部電位を−50Vとしたが、この場合、画像部ではトナーは像担持体1側に向かった。
一色のみの現像時と同様に、画像部電位と非画像部電位の間の値にホッピング電圧の平均値電位を設定することで、画像部に対して選択的にトナーを像担持体に向かわせることが可能であり、トナーの飛散も防止でき良好な画像が得られる。
このように、トナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えることで、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、画像部にはトナーを確実に付着させ、非画像部へのトナー付着を低減させ、画像の乱れのない良好な画像を得ることができる。
ところで、2色目以降の現像については、現像しようとする画像部に、先行する色の現像によってトナーが付着している部分が含まれる場合がある。この場合、トナーの有する電荷で低下した画像部電位と非画像部電位との間の値にホッピング電圧の平均値電位を設定する。これにより、トナーを画像部では像担持体側へ向かわせ、非画像部ではトナーを像担持体に向かわせないことができる。
例えば、現像しようとする画像部が先の現像によってトナーが付着している部分を含むとき、すでに像担持体上に付着しているトナーの持つ電荷の極性がマイナスであれば、その分画像部の電位は低下する。したがって、この場合には、この低下した画像部電位と非画像部電位との間の値にホッピング電圧の平均値を設定することで、トナーを画像部では像担持体側へ向かわせることができる。
同様に、すでに像担持体上に付着しているトナーが、該トナーの現像時から保持している電荷を持っている場合、トナーの電荷の極性がマイナスであれば、その分画像部の電位は低下している。したがって、この場合も、低下した画像部電位と非画像部電位との間の値に、ホッピング電圧の平均値を設定すれば、画像部に選択的にトナーを像担持体へ向かわせることができる。
さらに、すでに像担持体上に付着しているトナーが、像担持体に付着した以降の、帯電又は露光により与えられた電荷を持っていた場合、トナーの電荷の極性がマイナスであれば、その分画像部の電位は低下している。したがって、この場合も、低下した画像部電位と非画像部電位との間の値にホッピング電圧平均値を設定すれば、画像部に選択的にトナーを像担持体へ向かわせることができる。
これらの現像しようとする画像部がすでに像担持体上にトナーが付着している部分である場合の、トナー層上の画像部電位について図17を参照して説明する。なお、図17はトナーが付着した感光体(像担持体)上の電位を示す説明図である。
同図において、非画像部の電位が−Vdであり、潜像の画像部の電位がVsである。同図(a)に示すように、画像部にトナーTが付着した後の電位がVtであるとすると、電位Vtには潜像の電位Vsと、トナーT自体が持っている電位Vpが含まれている。
同図において、非画像部の電位が−Vdであり、潜像の画像部の電位がVsである。同図(a)に示すように、画像部にトナーTが付着した後の電位がVtであるとすると、電位Vtには潜像の電位Vsと、トナーT自体が持っている電位Vpが含まれている。
次に、二色目のトナーを付着させるために、潜像形成をするとき、トナー層上に帯電装置2によって帯電させ、書込み装置3で露光を行った場合、同図(b)に示すように、トナー層の電位Vtは、潜像の画像部の電位Vs2とトナー層が保持していた電位Vpと帯電によりトナーが付与された電位Vp2を含む電位となる。
なお、第二のトナー層の現像に先駆けて、帯電を行わないプロセスでは、帯電により加味される電位Vp2は作用せず、また、二色目の潜像形成の前に感光体上のトナーを除電するプロセスでは、二色目の現像時には、電位Vpは無視できる。
つまり、トナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えることで、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において先に現像したトナーの有する電荷によって画像部電位が低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
また、トナーを搬送するトナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えることで、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって先に現像したトナー電荷が増加した場合でも良好な多色像を得ることができる。
さらに、トナー搬送部材を含む現像手段と、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段とを備えることで、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において画像部電位が先に現像したトナーの有する電荷と潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
以下、実験例に基づいて具体的に説明する。各実験例では、像担持体である感光体上に二色のトナー像を形成する実験を行なった。
〔実験例1〕
感光体は直径60mmのドラム状感光体に対し、スコロトロン帯電器により感光体上を均一帯電する。その後、パターンに応じたレーザー光を照射することで、感光体上に静電潜像を形成する。この静電潜像を本EH現像方式によりトナーを選択的に付着させ、顕像化する。本実験では、この感光体上の均一帯電からトナー付着までの工程を2回繰り返し、感光体上に2色の像を形成した。実際のシステムにおいては、4色のトナーで画像を形成するのが一般的で、トナーの色数だけ繰り返し、感光体上に多色画像を形成するが、2色でも同じ評価が得られる。その後、転写材に転写し、定着することで画像が得られる。この実験では、2色トナー像形成後の感光体上の画像を評価した。一色目のトナーをシアン、二色目のトナーをマゼンタとした。トナーの平均帯電量は両色とも約−20μC/gであった。
〔実験例1〕
感光体は直径60mmのドラム状感光体に対し、スコロトロン帯電器により感光体上を均一帯電する。その後、パターンに応じたレーザー光を照射することで、感光体上に静電潜像を形成する。この静電潜像を本EH現像方式によりトナーを選択的に付着させ、顕像化する。本実験では、この感光体上の均一帯電からトナー付着までの工程を2回繰り返し、感光体上に2色の像を形成した。実際のシステムにおいては、4色のトナーで画像を形成するのが一般的で、トナーの色数だけ繰り返し、感光体上に多色画像を形成するが、2色でも同じ評価が得られる。その後、転写材に転写し、定着することで画像が得られる。この実験では、2色トナー像形成後の感光体上の画像を評価した。一色目のトナーをシアン、二色目のトナーをマゼンタとした。トナーの平均帯電量は両色とも約−20μC/gであった。
具体的には、感光体上を約−130Vに均一に帯電し、シアンのパターンを形成するためにレーザー光を照射した。感光体上に、レーザー光が照射された部分が画像部となり、約−15V、非画像部が約―130Vの潜像が形成された。
そこで、ET現像を行なった。トナー搬送部材の電極に対する印加電圧は、図11に示す波形と同様に、3相、周波数3kHz、デューティ50%のパターンとし、ハイレベルの電位を0V、ローレベルの電位をー100Vとした。現像後の画像部電位は約―30V、非画像部電位は約―120Vであった。この状態で、一旦、明室へシアントナーの付着した感光体を取り出した。画像部にトナーが付着し、非画像部へのトナーの付着は見られなかった。
このとき、電位は画像部が約―15V、非画像部が0Vであった。明室では、感光体の電位はほぼ0になっており、画像部で測定された電位−15Vは、トナーの有している電荷による電位であると考えられる。
次に、2色重ねた実験を行う。前述のような方法で感光体上にシアンのトナー像を形成したのち、再び感光体上をスコロトロン帯電器で帯電した。帯電後の感光体上の電位が約−300Vとなるように帯電を行なった。2色目のマゼンタのパターンをレーザーでシアンのトナー像に重ねて書き込んだ。書き込み後の画像部の電位は約−75V、非画像部電位は約―300Vであった。
そして、ET現像を行なった。トナー搬送部材の電極に対する印加電圧は、図14に示す波形と同様に、ハイレベルを−50V、ローレベルをー150Vとして行った。現像後感光体を取り出し確認したところ、シアントナー層上にマゼンタトナー層が付着し、非画像部へのトナー付着は見られなかった。
明室に出した後の画像部電位は約―60Vであり、一色目の現像ののち測定されたトナー層電位と比較し、―45V程度低くなっている。これは、二色目のトナーの持つ電荷による電位と一色目のトナーが二色目のトナーの作像に先駆けて行われた帯電により、帯電した電荷とによると考えられる。
このときの比較のために、二色目現像の駆動電圧のハイレベル、ローレベルを一色目と同じとし現像を試みたところ、画像部にもマゼンタトナーは付着していなかった。この場合、駆動電圧波形の電圧の平均値(平均値電位)は−50Vとなり、二色目の現像では、トナー搬送部材の電極に印加する電圧の平均値電位が非画像部電位と低下した画像部電位の間となっていなかったためと考えられる。
〔実験例2〕
実験例1と同様に一色目のトナー像を形成し、その後トナーの付着した感光体上にACコロトロン帯電器で除電を行なった。感光体上の電位はトナー層のある部分でもほぼ0Vとなった。その後、シアントナー上にマゼンタトナーを付着させるため、除電後の感光体を−300Vに均一帯電し、シアントナー上にレーザーで書き込みし、マゼンタ現像用の画像パターンを形成した。このときの画像部電位は、約−60Vであった。この−60Vは一色目のシアントナーが二色目の現像に先駆けて行われた帯電により、帯電した電荷による電位と画像部の感光体電位であると考えられる。この場合にも、実験例1と同様の現像条件で二色目の現像を行ったところ良好な画像が得られた。
実験例1と同様に一色目のトナー像を形成し、その後トナーの付着した感光体上にACコロトロン帯電器で除電を行なった。感光体上の電位はトナー層のある部分でもほぼ0Vとなった。その後、シアントナー上にマゼンタトナーを付着させるため、除電後の感光体を−300Vに均一帯電し、シアントナー上にレーザーで書き込みし、マゼンタ現像用の画像パターンを形成した。このときの画像部電位は、約−60Vであった。この−60Vは一色目のシアントナーが二色目の現像に先駆けて行われた帯電により、帯電した電荷による電位と画像部の感光体電位であると考えられる。この場合にも、実験例1と同様の現像条件で二色目の現像を行ったところ良好な画像が得られた。
このように、除電を行うことで、トナーの重ね合わせによるトナー層電位の変化を少なくすることができ、多色画像形成時の現像駆動電圧を低く抑えることが可能になる。
また、感光体上にベタの一色目のトナー像を形成し、更に二色目のトナー像を形成するとき、二色目の潜像形成を、一色目のトナーの付着した感光体を帯電し、画像を書き込む方法で行った。
このとき、一色目のトナー像上の潜像の電位は、約−70Vであったので、ET現像において平均値電位が−120Vとなる電圧を印加して現像を行った。このときの非画像部の電位は−180Vであったので、平均値電位が画像部と非画像部電位の間の値となっており、良好な現像が行われた。
さらに、同じ条件で一色目の画像形成を行い、感光体近傍に設置したACチャージャにより、感光体上の一色目のトナーの電荷を除電した。その後、二色目の潜像形成のための帯電、露光を行い一色目のトナー層上の画像部の電位を計測した結果約−40Vであり、非画像部の電位は−180Vであったので、平均値電位が−120Vとなる電圧を印加して現像を行なったところ、良好な画像が得られた。
このようにホッピング電圧の平均値電位を像担持体の画像部と非画像部の間の値に設定することで、像担持体の画像部にはトナーを向かわせ、非画像部にはトナーを向かわせないようにする場合において、複数の現像装置間でのホッピング電圧と画像部電位、非画像部電位の関係について図18を参照して説明する。なお、図18(a)、(b)の各図において、左側の図はトナー搬送部材22の電極102に印加するパルス状電圧の波形を、右側の図は像担持体1上における画像部及び非画像部の電位を示している。
図18は一つの像担持体上に複数色のトナーを付着させるものである。図18(a)が一色目、図18(b)が二色目である。まず、一色目のトナーの現像に使用するトナー搬送部材22の電極に対して、デューティ50%のパルス状電圧を印加すると、このとき平均値電位はV1となる。
これに対し、像担持体上に形成される一色目の画像パターンP1の非画像部電位と画像部電位との関係が同図(b)に示すようであるとする。なお、ここでは負(マイナス)帯電トナーを使用するので、同図における上側のレベルほどトナーが付着しやすい電位の関係である。
したがって、このような電位の関係になっている場合、平均値電位V1が画像部電位と非画像部電位の間の値となっており、良好な現像が行われている。トナーTの画像部への付着は、トナー層電位Vt1が平均値電位V1を下回らない値で終了する。つまり、トナー層電位Vt1の下限は平均値電位V1となる。
このトナー層の上にさらに二色目のトナーを付着させる場合を(b)で考える。二色目の画像幅はP2であるとする。画像幅P2に更にトナーを付着させるには、二色目の現像に使用する電圧の平均値電位V2がトナー層電位Vt1より小さい値である必要がある。そして、二色目トナーの現像後のトナー層電位Vt2は平均値電位V2を下回らない。したがって、トナー層電位Vt2の下限は平均値電位V2となる。
このような関係を複数(m個とする。)の現像装置4間に持たせることによってトナー層上に更に他の色のトナー層を重ねることができる。つまり、m番目(m=1〜m)の現像に使用するトナー搬送部材22の電極102に印加する電圧の平均値電位をVmとすると、|Vm|<|Vm+1|の関係が成り立つように、各現像装置4に電圧印加手段104から印加する電圧を設定しておくことにより、良好なトナー重ね現像が可能になる。
この場合、トナー搬送部材22の電極に印加する電圧がパルス状電圧に直流バイアスを重畳した電圧であるとき(例えば図15の例)、m番目の現像装置4に印加する直流バイアスをVdcmとしたとき、|Vdcm|<|Vdcm+1|とする。つまり、直流バイアス分を異ならせるだけで、容易に、前記の|Vm|<|Vm+1|の関係を設定することができる。
具体的には、例えば、一色目について、潜像の電位は、非画像部が−170V、画像部は約−80Vとしたとき、一色目の現像装置4に対して、ハイレベルを−50V、ローレベルを−150Vとしたパルス状電圧を印加してET現像を行なうと、パルス状電位の平均値電位は−100Vであるので、トナーは良好に付着する。
そして、二色目のトナーを更に付着させるとき、二色目のトナー上の画像部電位は約−100V、非画像部は−190Vであるとき、現像装置4に対して、ハイレベルを−50V、ローレベルを−150Vとした前記のパルス状電圧を印加したのでは、平均値電位が画像部電位と同じになるため、ハイレベルを−70V、ローレベルを−170Vとして平均値電位を−120Vとした電圧を現像装置4のトナー搬送部材22の電極102に対して印加することで、二色目のトナーは一色目のトナー上に良好に付着する。
この場合、このようなパルス状電圧を印加する代わりに、±50Vのパルス状電圧を生成し、このパルス状電圧にDC成分(潮流バイアス)をそれぞれ、−100V、−120V重畳させることによって、容易に、平均値電位を変化させることができる。
以上の実施形態においては、トナー搬送部材22の電極102に印加する電圧印加手段104の電圧の平均値電位を、画像部電位と非画像部電位の間とする例について説明しているが、電圧印加手段104から印加するパルス状電圧のうちのトナー搬送部材22からトナーが反発飛翔する電位を、画像部電位と非画像部電位の間とすることもできる。
すなわち、前述した図11に示すホッピング電圧パターンの電圧として、20V〜−80Vで遷移するパルス状電圧を用いた場合、画像部の電位を約0V、非画像部の電位を−110Vにしたとき、パルス状電圧のローレベルの電位(負帯電トナーを反発飛翔させる電位)が潜像の画像部電位と非画像部電位との間にあるので、同様に、画像部に対してはトナーが像担持体1側に向かい、非画像部に対してはトナーが像担持体1側に向わないことが実験によって確認された。
したがって、パルス状電圧のトナーを反発飛翔させる電位を、潜像の画像部の電位と非画像部の電位との間の電位にした電圧をトナー搬送部材の電極に印加することによっても、画像部にトナーを付着させ、非画像部へのトナーの付着を防止し、高品質の現像を行うことができる。
そこで、各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が像担持体の潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段を備えることにより、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、画像部にはトナーを確実に付着させ、非画像部へのトナー付着を低減させ、画像の乱れのない良好な画像を得ることができる。
また、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段を備えることで、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において先に現像したトナーの有する電荷によって画像部電位が低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
また、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段を備えることで、2色目以降の現像において潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって先に現像したトナー電荷が増加した場合でも良好な多色像を得ることができる。
また、各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうちトナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる電圧を印加する電圧印加手段を備えることで、異なる色のトナー像を重ね合わせて画像を形成するときに、2色目以降の現像において画像部電位が先に現像したトナーの有する電荷と潜像書き込みに先駆けて行う帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した場合でも良好な多色像を得ることができる。
次に、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について図19を参照して説明する。なお、図19は同画像形成装置の全体概略構成図である。
この画像形成装置は、前記第1実施形態の画像形成装置に加えて、像担持体1の周回方向(矢示方向)に沿って上流側から下流側に配置した、現像装置4Y、4M、4Cの下流側に、先行する現像によって形成されたトナー像のトナーが持つ電荷を除電する非接触式除電手段であるAC除電チャージャ20Y、20M、20Cを配置し、この除電チャージャ20Y、20M、20Cの下流側に、帯電装置2M、2C、2Kを配置したものである。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
この画像形成装置は、前記第1実施形態の画像形成装置に加えて、像担持体1の周回方向(矢示方向)に沿って上流側から下流側に配置した、現像装置4Y、4M、4Cの下流側に、先行する現像によって形成されたトナー像のトナーが持つ電荷を除電する非接触式除電手段であるAC除電チャージャ20Y、20M、20Cを配置し、この除電チャージャ20Y、20M、20Cの下流側に、帯電装置2M、2C、2Kを配置したものである。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
つまり、この画像形成装置は、前述した実験例2で説明したように、2色目以降は先行するトナー像を除電した後、像担持体1を均一に帯電するようにしたものであり、これによって、前述した図17で説明したように、二色目の潜像形成の前に像担持体1のトナーを除電することで、二色目の現像時に電位Vpは無視できるようにしたものである。
このように、先行する現像によって形成された像担持体上のトナー像のトナーを除電する非接触除電手段を備えることによって、像担持体上に影響を及ぼし難い状態でのトナーの除電を可能とし、次の潜像形成におけるトナーの持つ電荷の影響を低減して、より良好な多色画像を得ることができる。
1…像担持体
2Y、2M、2C、2K…帯電装置
3…書込み装置
4Y、4M、4C、4K…現像装置
5…転写装置
6…定着装置
7…転写材
8…給紙装置
10…排紙部
22…トナー搬送部材
23…現像剤担持体
24…収容部
102…電極
104…電圧印加手段
2Y、2M、2C、2K…帯電装置
3…書込み装置
4Y、4M、4C、4K…現像装置
5…転写装置
6…定着装置
7…転写材
8…給紙装置
10…排紙部
22…トナー搬送部材
23…現像剤担持体
24…収容部
102…電極
104…電圧印加手段
Claims (17)
- 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、
所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の前記トナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が前記潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを付着させて現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、
像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した前記像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを付着させて現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、
像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、平均値電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した前記像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段とを
備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを付着させて現像する複数の現像手段とを備えた画像形成装置において、
像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、平均値電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した前記像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体上にトナーを付着する順にm(m=1〜m)番目の現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧の平均値電位をVmとしたとき、各現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧の平均値電位の間には、|Vm|<|Vm+1|、の関係が成り立つことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電圧印加手段は、前記トナー搬送部材の電極に対し、パルス状電圧と直流バイアスとを重畳した電圧を印加することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電圧印加手段は、前記トナー搬送部材の電極に対し、パルス状電圧と直流バイアスとを重畳した電圧を印加し、前記像担持体上にトナーを付着する順にm(m=1〜m)番目の現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧のうちの前記直流バイアスの電位をVdcmとしたとき、各現像手段のトナー搬送部材の電極に印加される電圧のうちの直流バイアスの電位Vdcmの間には、|Vdcm|<|Vdcm+1|、の関係が成り立つことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項6又は8に記載の画像形成装置において、前記電圧印加手段は、前記直流バイアスの電圧値を変化できることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項6ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電圧印加手段は、電圧レベルをクランプするクランプ回路を含み、このクランプ回路には前記直流バイアスを発生する手段を含むことを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、
所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうち前記トナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が前記像担持体の潜像の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、
所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうち前記トナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷によって低下した前記像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、
所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極に対し、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうち前記トナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって先に現像したトナーの電荷が増加した前記像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段とを
備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、この像担持体に順次形成される潜像に異なる色のトナーを順次付着させて現像する複数の現像手段とを備える画像形成装置において、
所定の間隔で並べて配置された複数の電極に多相の電圧が印加されることで形成される搬送電界によって前記像担持体との対向域に前記トナーを搬送するトナー搬送部材を含む前記現像手段と、
各現像手段の内、少なくとも2色目以降の現像を行なう現像手段のトナー搬送部材の電極には、パルス状波形を含み、このパルス状波形のうち前記トナー搬送部材からトナーを反発飛翔させる電位が、先に現像したトナーの有する電荷と当該現像手段で現像する潜像の形成前に行われた帯電によって増加したトナーの電荷とにより低下した前記像担持体の画像部電位と非画像部電位との間となる前記電圧を印加する電圧印加手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像部電位Viと非画像部電位Vgとの差が300V以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、トナーを引き付ける成分の電圧とトナーを反発する成分の電圧が前記トナー搬送手段の隣り合う電極間に印加されたときに形成されるトナー搬送方向の電界の最大値が2V/μm以上であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体に非接触で帯電する非接触帯電手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体上のトナーを非接触で除電する非接触除電手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005074178A JP2006259015A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | 画像形成装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005074178A JP2006259015A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | 画像形成装置 |
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Citations (2)
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JP2004198675A (ja) * | 2002-12-18 | 2004-07-15 | Ricoh Co Ltd | 現像装置及び現像方法、画像形成装置及び画像形成方法、並びにプロセスカートリッジ |
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2005
- 2005-03-16 JP JP2005074178A patent/JP2006259015A/ja active Pending
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JPS58116553A (ja) * | 1981-12-29 | 1983-07-11 | Fujitsu Ltd | 多色記録方法 |
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