JP2006258120A - 回転部材の保持構造およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 部分的な磨耗を抑制することができる回転部材の保持構造の製造方法を提供する。
【解決手段】 回転軸100を中心として回転するスラストベアリングレース31を保持する構造の製造方法であって、回転軸100に沿ったラジアル面11と、ラジアル面11と異なるスラスト面12と、ラジアル面11とスラスト面12とを接続する曲面13とを有するプラネタリキャリア10の曲面13に、曲面13よりも高い耐摩耗性を有するスラストベアリングレース31を接触させる工程と、曲面13にスラストベアリングレース31を接触させたままスラストベアリングレース31から曲面13に向かってスラスト方向に力を加えながらスラストベアリングレース31を回転させることにより曲面13を磨耗させてプラネタリキャリア10とスラストベアリングレース31とを面接触させる工程とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 回転軸100を中心として回転するスラストベアリングレース31を保持する構造の製造方法であって、回転軸100に沿ったラジアル面11と、ラジアル面11と異なるスラスト面12と、ラジアル面11とスラスト面12とを接続する曲面13とを有するプラネタリキャリア10の曲面13に、曲面13よりも高い耐摩耗性を有するスラストベアリングレース31を接触させる工程と、曲面13にスラストベアリングレース31を接触させたままスラストベアリングレース31から曲面13に向かってスラスト方向に力を加えながらスラストベアリングレース31を回転させることにより曲面13を磨耗させてプラネタリキャリア10とスラストベアリングレース31とを面接触させる工程とを備える。
【選択図】 図2
Description
この発明は、回転部材の保持構造およびその製造方法に関し、より特定的には、車両に搭載される回転部材の保持構造およびその製造方法に関するものである。
従来、回転部材の保持構造としてのスラスト軸受に関する技術は、たとえば特開2002−213439号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2002−213439号公報
上述の従来のスラスト軸受では円筒部を一体に有する軌道輪と、この円筒部に案内される保持器と、この保持器に保持された複数の転動体とを備えたスラスト軸受が開示されている。
またスラストベアリングレースの受け部がぬすみ形状とされている。
従来のスラストベアリングレースおよび受け部の設計では、センタリングのために平坦部が必要であり、そのためにぬすみ形状が設けられていた。また、加工のばらつき、プレスのばらつきなどを考慮すると、スラストベアリングレース(ストレート)の必要クリアランスに対して大きなクリアランスを設定せざるを得なかった。その結果、フラフープ現象と呼ばれる偏芯運動により、レースの焼付きなどの不具合が発生する恐れがあった。
そこで、この発明では、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、部分的な磨耗が発生しない回転部材の保持構造を提供することを目的とするものである。
この発明に従った回転部材の保持構造の製造方法は、回転軸を中心として回転する回転部材を保持する、回転部材の保持構造の製造方法であって、回転軸に沿ったラジアル面と、ラジアル面と異なるスラスト面と、ラジアル面とスラスト面とを接続する曲面とを有する保持部材の曲面に、曲面よりも高い耐摩耗性を有する回転部材を接触させる工程と、曲面に回転部材を接触させたまま回転部材から曲面に向かってスラスト方向に力を加えながら回転部材を回転させることにより、曲面を磨耗させて保持部材と回転部材とを面接触させるとともにスラスト面と回転部材とを接触させる工程とを備える。
このような工程を備えた回転部材の保持構造の製造方法では、曲面に回転部材を接触させたまま回転部材から曲面に向かってスラスト方向に力を加えながら回転部材を回転させることにより、曲面を磨耗させて保持部材を回転部材に面接触させるとともに、スラスト面と回転部材とを接触させる工程を備えるため、スラスト面と回転部材とが面接触し、一部分のみが極端に磨耗することを防止できる。また、スラスト面と回転部材とを面接触させるために、別の工具などにより回転部材を確保する必要がないため、製造工程を大幅に追加することなく回転部材の保持構造を製造することができる。
この発明に従った回転部材の保持構造は、回転軸を中心として回転する回転部材と、回転軸に沿ったラジアル面と、ラジアル面と異なるスラスト面と、ラジアル面とスラスト面とを接続し、回転部材の角部分を受入れる中間面とを有し、スラスト面と中間面とが回転部材に接触し、中間面は回転部材よりも低い耐摩耗性を有する。
このように構成された回転部材の保持構造では、回転部材の角部分が中間面に受入れられ、かつスラスト面と中間面が回転部材に接触するため、回転部材はスラスト面と中間面とに面接触する。その結果、回転部材が広い面積でスラスト面と中間面とに接触するため、回転部材の一部分のみが大きく磨耗することを防止できる。
この発明に従えば、部分的な磨耗を抑制することができる回転部材の保持構造およびその製造方法を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。
図1および図2は、この発明に従った回転部材の保持構造の製造方法を説明するための断面図である。図1を参照して、回転部材の保持構造としての遊星歯車機構1は、回転軸100を中心として回転するサンギア20と、サンギア20を保持するプラネタリキャリア10と、プラネタリキャリア10とサンギア20との間に介在してサンギア20がスムーズに回転することを助けるスラストベアリング構造30とを有する。プラネタリキャリア10は所定の回転シャフトを受入れ、かつプラネタリギアを自転可能で公転可能に保持する。プラネタリキャリア10は、回転軸100に沿った円筒状の面であるラジアル面11と、ラジアル面11と直交するように、かつ回転軸100と直交するように内周側から外周側へ向かって延びるスラスト面12と、スラスト面12とラジアル面11とを接続する曲率半径がほぼ一定の曲面13とを有する。組付け直後では、スラストベアリング構造30の一部分がプラネタリキャリア10に接触している。スラストベアリング構造30は、ストレートタイプのスラストベアリングレース31と、スラストベアリングレース31に接触するスラストベアリング32と、スラストベアリング32およびサンギア20に接触するL型のスラストベアリングレース33とを有する。スラストベアリングレース31は円盤形状であり、回転軸100が円盤の中心となる。スラストベアリングレース31の角部分132が曲面13と接触している。スラストベアリングレース31はスラスト面12に向い合う平坦面131を有し、図1で示す組付け直後の状態においては、平坦面131がスラスト面12と接触していない。
スラストベアリング32はニードルベアリングとリテーナ(保持器)により構成され、転動体として作用する。スラストベアリング32は、図1で示すようなニードルベアリングだけでなく、ボールベアリングなどにより構成されていてもよい。
スラストベアリング32は、回転軸100を中心とする円周上に等間隔に複数個配置され、回転軸100を中心とした円周上を自転しながら公転する。
L型のスラストベアリングレース33はサンギア20を保持し、サンギア20のラジアル方向およびスラスト方向の荷重を受け止める。スラストベアリングレース33もスラストベアリングレース31と同様に回転軸100を中心とした円盤形状であり、中央部は回転軸100に沿って軸方向に延びている。
図2を参照して、本発明に従った回転部材の保持構造を製造するためには、サンギア20に矢印21で示す方向にスラスト荷重を加えながら、サンギア20を回転軸100を中心として回転させる。このスラスト荷重はスラストベアリングレース33、スラストベアリング32およびスラストベアリングレース31へ伝えられる。スラストベアリングレース33もサンギア20の回転を受けて回転軸100を中心として回転しようとする。スラストベアリングレース31は曲面13を構成するプラネタリキャリア10よりも高い耐摩耗性を有する。具体的には、プラネタリキャリア10はJASO(Japanese Automobile Standards Organization)規格SMF4040の焼結鋼(ビッカース硬度Hv=450〜650で構成され、スラストベアリングレース31は、JIS規格SK5の炭素鋼(ビッカース硬度Hv=653〜746)で構成されるため、スラストベアリングレース31がプラネタリキャリア10の曲面13を磨耗させ、プラネタリキャリア10には、スラストベアリングレース31を受入れる中間面15が形成される。同時に、スラストベアリングレース31の平坦面131がスラスト面12方向に近づき、最終的には、平坦面131がスラスト面12と面接触するまでスラスト荷重を加えながらサンギア20を回転させる。このようにすれば、図2で示すように、スラストベアリングレース31の角部分132が中間面15に受入れられ、かつ平坦面131がスラスト面12と面接触する構造が完成する。一旦スラスト面12と平坦面131とが接触すれば、特定部分に大きなスラスト荷重が加わらないため、プラネタリキャリア10側の部分的な磨耗が抑制される。
すなわち、この発明に従った回転部材の保持構造の製造方法は、回転軸100を中心として回転する回転部材としてのサンギア20を保持する、サンギア20の保持構造の製造方法であって、回転軸100に沿ったラジアル面11と、ラジアル面11と異なるスラスト面12と、ラジアル面11とスラスト面12とを接続する曲面13とを有する保持部材としてのプラネタリキャリア10の曲面13に、曲面13よりも高い耐摩耗性を有する回転部材としてのスラストベアリングレース31を接触させる工程と、曲面13にスラストベアリングレース31を接触させたままスラストベアリングレース31から曲面13に向かってスラスト方向に力を加えながらスラストベアリングレース31を回転させることにより、曲面13を磨耗させてプラネタリキャリア10とスラストベアリングレース31とを面接触させるとともにスラスト面12とスラストベアリングレース31とを接触させる工程とを備える。
この発明に従った回転部材の保持構造は、回転軸100を中心として回転するスラストベアリングレース31と、回転軸100に沿ったラジアル面11と、ラジアル面11と異なるスラスト面12と、ラジアル面11とスラスト面12とを接続し、スラストベアリングレース31の角部分132を受入れる中間面15とを有し、スラスト面12と中間面15とがスラストベアリングレース31に接触し、中間面15はスラストベアリングレース31よりも低い耐摩耗性を有する。
図3は、この本発明の原理を説明するための図である。図3を参照して、本発明では、矢印21で示す方向のスラスト力がかかった状態で、R部としての曲面13に乗り上げているスラストベアリングレース31のセンタリング機能に関するものである。図3で示す初期状態では、角部分132がプラネタリキャリア10に点(線)接触するため、局部面圧が大きくなる。この圧力が大きい状態を利用し、矢印21で示すスラスト力を加えながら回転軸100を中心としてスラストベアリングレース31を回転させる。すると、スラストベアリングレース31はプラネタリキャリア10よりも高い耐摩耗性を有するため、点(線)接触する部分のプラネタリキャリア10が磨耗し、最終的にはスラスト面12と平坦面131とが接触することになる。
本発明では、スラストベアリング構造30のストレートタイプのスラストベアリングレース31においては、内径のセンタリングが必要であり、加工の制約により、ぬすみ形状などが必要となる。また、受け部の形状は加工もしくはプレス等のばらつきを考慮し、ガタのある設計となる。本発明では、それらに対して理想的な形状を提案することが可能となる。
具体的には、組付け直後に、図1で示すように回転軸100方向のガタの範囲内でスラストベアリングレース31がR部形状の曲面13に乗り上げるよう形状を設定する。図2で示すように矢印21で示す方向のスラスト力が加わると、センタリングされた状態でスラストベアリングレース31と曲面13の接触部分において面圧が特に高くなり、軸方向に磨耗が進行する。バックアップ面としてのスラスト面12まで磨耗が進行すると、スラスト面12全体で面圧を受けるために磨耗の進行も止まる。これにより、加工またはプレス等の精度のばらつきを排除でき、適切なクリアランス(図2中のC)を確保された形状を提供することができる。
なお、変速機では、完成後検査時に必要なトルクをかけて変速機を駆動させるため、スラスト力によって、その時点で最適形状まで磨耗を進行させておくことが可能であり、出荷時には最適な形状となっている。さらに、磨耗によって生じた磨耗粉はストレーナまたはレース付近に磁石を設置することによって捕捉可能であり、ベアリングその他の機能に影響を及ぼすことがない。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形することが可能である。まず、本発明では、遊星歯車機構1のスラストベアリングレース31とプラネタリキャリア10の保持構造で本発明を説明したが、これに限られるものではなく、他の部分において本発明を適用してもよい。たとえば、回転部材は回転軸を中心として回転するものであればよく、さまざまなギア類、または、そのギアを保持するキャリア類を採用することができる。さらに、保持部材としては、ベアリングのインナーおよびアウターレース、キャリア類、ケース類を採用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、たとえばプラネタリギア構造の分野で用いることができる。
1 遊星歯車機構、10 プラネタリキャリア、11 ラジアル面、12 スラスト面、13 曲面、15 中間面、20 サンギア、30 スラストベアリング構造、31,33 スラストベアリングレース、32 スラストベアリング、100 回転軸。
Claims (2)
- 回転軸を中心として回転する回転部材を保持する、回転部材の保持構造の製造方法であって、
前記回転軸に沿ったラジアル面と、前記ラジアル面と異なるスラスト面と、前記ラジアル面と前記スラスト面とを接続する曲面とを有する保持部材の前記曲面に、前記曲面よりも高い耐摩耗性を有する回転部材を接触させる工程と、
前記曲面に前記回転部材を接触させたまま前記回転部材から前記曲面に向かってスラスト方向に力を加えながら前記回転部材を回転させることにより、前記曲面を磨耗させて前記保持部材と前記回転部材とを面接触させるとともに前記スラスト面と前記回転部材とを接触させる工程とを備えた、回転部材の保持構造の製造方法。 - 回転軸を中心として回転する回転部材と、
前記回転軸に沿ったラジアル面と、前記ラジアル面と異なるスラスト面と、前記ラジアル面と前記スラスト面とを接続し、前記回転部材の角部分を受入れる中間面とを有し、前記スラスト面と前記中間面とが前記回転部材に接触し、前記中間面は前記回転部材よりも低い耐摩耗性を有する、回転部材の保持構造。
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JP2005072931A JP2006258120A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 回転部材の保持構造およびその製造方法 |
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