JP2006255745A - プレス機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エキセン軸33のエキセンドラム333の外周に、外周が内周に対して偏心した回転リング34を設ける。回転リング34の外周に、外周が内周に対して偏心した調整用リング41を設け、この調整用リング41の外周にスライド5を取り付ける。スライド5とスライド駆動装置30とがほぼ同じ高さに重なって配置されるので、スライド駆動装置30からスライド5の下端までの距離を短くでき、サーボプレス1の全高を低くできる。また、調整用リング41を回動させることにより、スライド5の高さ位置を微調整できるので、プレス加工を高精度に行える。
【選択図】 図2
Description
この鍛造プレス装置では、クランク軸が回転すると揺動杆が軸杆を中心に揺動しながら、スライドを昇降動させる。このような構成によれば、クランク軸に従来のコンロッドを接続しコンロッドにスライドを取り付ける場合に較べて、クランク軸からスライドまでの距離を小さくできるので、鍛造プレス装置の全高を低くできる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明のプレス機械において、偏心軸と偏心環状部材との間、および偏心環状部材と調整用環状部材との間には、滑り軸受が介装されることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれかのプレス機械において、偏心環状部材の外周の中心は、偏心軸の回転中心より鉛直方向上方に配置されることを特徴とする。
調整用環状部材によってスライドの高さを調整するので、スライドの高さを無段階に調整可能となる。また、調整用環状部材を回動させることで調整できるので、調整用環状部材の回動角度などを制御することでスライドの高さの調整量を容易に把握可能となり、スライドの高さの高精度な微調整が可能となる。
図1には、本発明の第一実施形態に係るサーボプレス(プレス機械)1の全体図が示されている。この図1に示されるように、サーボプレス1では、4本の柱状のアプライト(2本のみを図示)2がベッド3の上面に立設され、このベッド3の上部に4本のアプライト2に囲まれる形でボルスタ4が載置されている。アプライト2の上部にはクラウン6が設けられている。そして、タイロッド61によってクラウン6、アプライト2、およびベッド3が串刺し状に締結されている。クラウン6には、スライド5が支承されており、さらにスライド5を上下動(昇降動)させるスライド駆動装置30が設けられている。
スライド駆動装置30によりスライド5が昇降動すると、ボルスタ4の上面に設けられる下型とスライド5の下面に設けられる上型との間でワークに対するプレス加工が施される。
スライド駆動装置30は、サーボプレス1の前後方向に2つ設けられており、一つのエキセン軸33には、回転リング34が2つずつ設けられている。したがって、本実施形態のサーボプレス1は、スライド5を4箇所で支持する4ポイントタイプとなっている。
減速機構32は、サーボモータ31の出力軸に固定される小プーリ321と、クラウン6に回転自在に支持される大プーリ322と、小プーリ321および大プーリ322に掛け回されるベルト323と、大プーリ322に一体的に設けられた第一ピニオン324と、第一ピニオン324に噛み合うアイドラ325と、アイドラ325に噛み合う第一ギヤ326と、第一ギヤ326に一体的に設けられた第二ピニオン327とを備えている。第二ピニオン327は、エキセン軸33に固定される外周ギヤ331に噛み合っている。
なお、エキセン軸33は、二つに分割されている構造に限らず、分割されずに一本の偏心軸として構成され、一本の偏心軸に回転リング(偏心環状部材)が二つ取り付けられる構造であってもよい。
なお、スライド5の上死点(図4(A)参照)または下死点(図4(C)参照)において、回転リング34の外周と内周との間の距離は、真下で最小となっている。このように、回転リング34の外周の中心C2が、エキセン軸33の回転中心C1よりも上方に配置される、いわゆるアンダドライブの配置により、スライド5の下死点付近において、回転リング34の外周と内周との間の距離の変化が小さくなるため、スライド5の移動速度を遅くできる。したがって、スライド5がワークを成形する領域での速度が遅くなるので、プレス成形を良好に行える。
回転リング34の下方には、内周から外周に貫通する給油穴34Aが形成されており、回転リング34の内周に供給された油が給油穴34Aを通って回転リング34の外周に供給される。
特に、本実施形態のスライド駆動装置30では、スライド5の上死点または下死点において回転リング34の内周の中心C3が外周の中心C2よりも鉛直方向下側に配置される、いわゆるアンダドライブの構造となっているので、サーボプレス1の全高を低くするために連桿比γを1に近づけると、下死点前後においてスライド5の下降速度を極低速のまま、あるいは巨視的に停止状態のまま保持できる、いわゆるドウェルモーションとなる。このため本実施形態のサーボプレス1は、連桿比γを1に近づけてサーボプレス1の全高を低くしながら、下死点付近での低速成形を実現できるから、プレス成形に有利となる。
取付部材51と取付キャップ511とが接触する端面には、それぞれ略半円形状の切欠51A,511Aが形成されており、これらの切欠51A,511Aの内側に形成される円形状部分に、調整用リング41が配置される。なお、調整用リング41は、スライド5(取付部材51および取付キャップ511)に対して所定の摩擦力を持って摺動可能に配置されている。
なお、それぞれの取付部材51には、二つのスライド駆動装置30の回転リング34が一つずつ取り付けられている。そして、二つのサーボモータ31が、互いに逆方向に回転することにより、スライド5の駆動バランスを保っている。
さらに、エキセンドラム333の外周に回転リング34を取り付け、回転リング34の外周に調整用リング41を介してスライド5を取り付けるので、動力の伝達機構が全て円形または環状の部材で構成されるから、従来エキセン軸に棒状のコンロッドおよびプランジャを介してスライドを取り付ける構造に較べて、スライド駆動装置30の強度を向上させることができる。
モータ43を駆動すると、減速機42によって適切な速度に減速された回転運動がアイドラ421を介して調整用リング41に伝達され、調整用リング41が回動する。したがって、調整用リング41とスライド5との接触面における摩擦力は、プレス加工中に回転リング34が揺動しても調整用リング41が回動しないような値に設定する必要があり、またモータ43の駆動力は、その摩擦力に打ち勝って調整用リング41を回動させることができる値に設定する必要がある。
なお、調整用リング41と、調整用駆動装置44とを備えて本発明のスライド調整装置40が構成されている。
図4には、エキセン軸33の回転によるスライド5の昇降動の様子が示されている。なお、図4では、理解を容易にするため、エキセン軸33、回転リング34、調整用リング41、およびスライド5を模式的に示している。
図4(A)に示されるようなスライド5の上死点の状態から、エキセン軸33を回転させると、図4(B)に示されるように、エキセン軸33の回転に伴ってエキセンドラム333が偏心回転する。このとき、回転リング34の外周は、調整用リング41およびスライド5によって左右方向の移動が規制されているため、回転リング34は、エキセンドラム333の回転とは逆方向に回動して左右方向の移動量を吸収する。一方回転リング34の上下方向の位置は、エキセンドラム333の偏心回転によって下がるため、スライド5全体は回転リング34の移動に伴って下降する。
さらにエキセン軸33を回転させると、図4(C)に示されるように、回転リング34がエキセンドラム333の回転方向と同じ方向に回動しながら、スライド5全体が下降し、下死点に達する。
図5には、スライド調整装置40によるスライド5の高さ位置の調整の様子を示す。図5(A)では、調整用リング41は、外周と内周との間の距離が最小となる部分が真下となるように配置されている。この状態では、スライド5は、スライド調整装置40の高さ調整範囲のうち、一番高い位置に調整されている。モータ43を駆動して、図5(B)に示されるように調整用リング41を所定角度回動させると、調整用リング41の上方および下方における内周と外周との距離が変化する。つまり、調整用リング41の上方における内周と外周との距離は図5(A)よりも小さくなり、かつ調整用リング41の下方における内周と外周との距離は図5(A)よりも大きくなる。したがって、スライド5は、調整用リング41の外周に沿って全体的に下方に移動する。さらに調整用リング41を図5(C)に示される位置まで回動させると、スライド5はさらに下方に修正される。図5(C)の状態では、スライド5は、スライド調整装置40の高さ調整範囲のうち、一番低い位置に調整されている。
また、スライド調整装置40が調整用リング41を回動させることによりスライド5の高さ位置を調整するので、スライド5の高さ調整を無段階に調整でき、高精度な高さ調整が行える。モータ43の駆動によりスライド5の高さ位置を調整できるので、モータ43の回転角度などを制御することにより、高さ調整を高精度に行える。
さらに、調整用リング41が環状に形成されているので、サーボプレス1の動作中にも調整用リング41を回動させることができ、スライド5の高さ位置の調整を行える。したがって、スライド5の高さの微調整のためにサーボプレス1を停止させる必要がないので、生産性を向上させることができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態のサーボプレス1の回転リング34および調整用リング41の取付構造が第一実施形態と異なる他は、第一実施形態と同様である。
図6には、第二実施形態に係るサーボプレス1のスライド駆動装置30の拡大図が示されている。また図7には、スライド駆動装置30の拡大側断面図が示されている。これらの図6および図7に示されるように、スライド駆動装置30の回転リング34は、球面ころ軸受(転がり軸受)343を介してエキセンドラム333に取り付けられている。また、調整用リング41は、円筒ころ軸受(転がり軸受)344を介して回転リング34に取り付けられている。なお、球面ころ軸受343および円筒ころ軸受344の組み合わせは、傾き防止を考慮して採用されているが、その他任意の形式の転がり軸受およびこれらの組み合わせを採用できる。
スライド調整装置40の調整用リング41は、第一実施形態とは異なり、アイドラ421を介さず直接減速機42に接続されている。
このような第二実施形態によれば、第一実施形態と同様に、エキセン軸33の回転に伴ってスライド5が昇降動し、プレス加工を行う。スライド5の高さ位置を調整する場合には、第一実施形態と同様に、モータ43を駆動することにより調整用リング41を回動させる。
例えば、偏心軸と偏心環状部材との間の軸受または偏心環状部材と調整用環状部材との間の軸受は、第一実施形態のような両方滑り軸受のものや、第二実施形態のような両方転がり軸受のものに限らず、例えばいずれか一方に滑り軸受を設け、いずれか他方に転がり軸受を設けてもよい。
スライド調整装置の構成は、前述の各実施形態に示した調整用環状部材および調整用駆動装置を備えた構成のものに限らず、偏心環状部材とスライドとの間の上下方向の距離を調整可能な構成であればよい。
プレス機械は、スライドを4点で支持する4ポイントタイプのものに限らず、その他2ポイント、1ポイントなど、任意のタイプのものを採用できる。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 偏心軸(33)と、
前記偏心軸(33)外周に対して摺動可能に設けられ、外周が内周に対して偏心した偏心環状部材(34)と、
前記偏心環状部材(34)の外周に設けられるスライド(5)と、
前記偏心環状部材(34)に対する前記スライド(5)の高さ位置を調整可能なスライド調整装置(40)とを備えた
ことを特徴とするプレス機械(1)。 - 請求項1に記載のプレス機械(1)において、
前記スライド調整装置(40)は、外周が内周に対して偏心し、前記内周が前記偏心環状部材(34)の外周に対して摺動可能に設けられ、前記外周に前記スライド(5)が取り付けられた調整用環状部材(41)と、
前記調整用環状部材(41)を回動する調整用駆動装置(44)とを備えた
ことを特徴とするプレス機械(1)。 - 請求項1または請求項2に記載のプレス機械(1)において、
前記偏心軸(33)と前記偏心環状部材(34)との間、および前記偏心環状部材(34)と前記調整用環状部材(41)との間には、滑り軸受(341,342)が介装される
ことを特徴とするプレス機械(1)。 - 請求項1または請求項2に記載のプレス機械(1)において、
前記偏心軸(33)と前記偏心環状部材(34)との間、および前記偏心環状部材(34)と前記調整用環状部材(41)との間には、転がり軸受(343,344)が介装される
ことを特徴とするプレス機械(1)。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプレス機械(1)において、
前記偏心環状部材(34)の外周の中心は、前記偏心軸(33)の回転中心より鉛直方向上方に配置される
ことを特徴とするプレス機械(1)。
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