JP2006250008A - 内燃機関のカム構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リフト面とベースサークル面間の狭幅部の高周波焼き入れ時における高熱による溶けを防止して、カム面の表面積の減少などを防止する。
【解決手段】 クランクシャフトによって回転駆動され、外周に駆動カム15が設けられた駆動軸13と、前記駆動カムからロッカアーム23を介して揺動力が伝達され、この揺動力によって吸気弁2を開閉作動させる揺動カム17とを備えている。この揺動カムの下面に形成されたカム面22のベースサークル面22aとリフト面22bとの間に形成された狭幅部29の両側部30a、30bを前記リフト面からベースサークル面に亘って漸次なだらかな円弧状に形成して、高熱によって溶けやすい角部を消失させた。
【選択図】 図1
【解決手段】 クランクシャフトによって回転駆動され、外周に駆動カム15が設けられた駆動軸13と、前記駆動カムからロッカアーム23を介して揺動力が伝達され、この揺動力によって吸気弁2を開閉作動させる揺動カム17とを備えている。この揺動カムの下面に形成されたカム面22のベースサークル面22aとリフト面22bとの間に形成された狭幅部29の両側部30a、30bを前記リフト面からベースサークル面に亘って漸次なだらかな円弧状に形成して、高熱によって溶けやすい角部を消失させた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関のカム構造に関し、例えば、吸気弁や排気弁である機関弁のバルブリフト量や作動角等の作動状態を機関の駆動状態に応じて可変制御する可変動弁装置などに用いられる内燃機関のカム構造に関する。
従来の内燃機関のカム構造としては、種々提供されており、その1つとして例えば以下の特許文献1に記載された、可変動弁装置に適用されたものが知られている。
前記可変動弁装置は、外周に駆動カムが設けられ、クランクシャフトの回転力が伝達される駆動軸と、前記駆動カムから伝達された回転力を揺動運動に変換する伝達機構と、該伝達機構のロッカアームによって揺動して各バルブリフターを介して一気筒あたり2つの吸気弁を開閉作動させる一対の揺動カムと、機関駆動状態に応じて前記吸気弁のバルブリフト量や作動角を可変にするリフト可変機構とを備えている。
このリフト可変機構は、駆動機構によって回転制御される一本の制御軸の外周に各気筒毎にそれぞれ制御カムが設けられ、該各制御カムを回転制御することによって前記ロッカアームなどの伝達機構の姿勢を変化させることにより、前記各揺動カムを介して各吸気弁のバルブリフト特性を変化させるようになっている。
前記各揺動カムは、ほぼ雨滴状に形成されて、円筒状の基端部側が前記駆動軸に回転自在に支持されていると共に、下面に前記バルブリフターの上面に摺動するカム面が形成されている。
このカム面は、前記基端部側に形成されたベースサークル面と、該ベースサークル面からカムノーズ部方向に形成されたリフト面とからなり、バルブスプリングの小さなばね荷重が作用する前記ベースサークル面の軸方向の幅を、大きなばね荷重が作用する前記リフト面の軸方向の幅よりも小さく形成して、カム全体の軽量化を図るようになっている。また、前記カム面全体には、バルブリフターとの摺動中における耐摩耗性を確保するため、高周波焼き入れを施こして硬度を向上させるようになっている。
特開2000−337114号公報
前記従来の揺動カムは、前述のように、前記ベースサークル面がリフト面よりも軸方向の幅を小さくして軽量化を図っているものの、ベースサークル面とリフト面との間の境界部位がほぼ鋭角な段差状の狭幅部になっている。
このため、前述のように、カム面に高周波焼き入れを施すと、この変態点以上の高熱によって前記狭幅部の角部が溶けてしまうおそれがある。この結果、前記カム面の表面積が減少して、所望のリフト作動が得られなくなる可能性がある。
本発明は、前記従来の内燃機関のカム構造の実状に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、とりわけ、カムの機関弁を開弁させないベースサークル面の軸方向の幅を、開弁させるリフト面の軸方向の幅よりも狭幅に形成すると共に、前記ベースサークル面とリフト面との境界両側部を、前記リフト面からベースサークル面に亘って漸次なだらかな狭幅状に形成し、かつ少なくとも前記カム面の全体に高周波焼き入れを施したことを特徴としている。
この発明によれば、前記狭幅部の軸方向の幅が、リフト面からベースサークル面までなだらかに減少するようになっていることから、かかる狭幅部に鋭角な角部が形成されることがない。このため、前記カム面全体を高周波焼き入れを行った際に、この変態点以上の高熱によって前記狭幅部の溶けを防止できる。この結果、ベースサークル面やリフト面の表面積の減少などを防止できる。
請求項2に記載の発明は、揺動運動を行うことによってバルブスプリングのばね力に抗してカム面により機関弁を開閉作動させ、先端両側が鋭角に形成されたカムノーズ部を有する内燃機関のカム構造であって、前記カムノーズ部の先端側を前記カム面の摺動方向へ延長形成すると共に、該延長部以外のカム面のみに高周波焼き入れを施したことを特徴としている。
この発明によれば、カム面に施される高周波焼き入れの領域を、前記カムノーズ部の延長された先端側を避けた形にしたため、該延長部の先端両側に形成された鋭角な角部が高熱で溶けることかなくなる。また、かかる延長部の先端両側の角部が前記高熱によって仮に溶けてしまったとしても、実質的なリフト面は確保されていることから、機関弁の開閉作動には何ら支障を来すことがない。
請求項3に記載の発明は、前記カムを、揺動することによって前記機関弁を開閉作動させる揺動カムによって構成したことを特徴としている。
この発明によれば、前記揺動カムは、回転運動を行わないため、重量(慣性質量)の影響を大きく受け易くなるが、カム面以外の部位を切除することができるので、カムの軽量化に貢献できる。
以下、本発明に係る内燃機関のカム構造の実施形態を図面に基づいて詳述する。
この実施形態では、カム構造を可変動弁装置のV型6気筒内燃機関の吸気側に適用したものであって、本実施形態の図面では片側3気筒に適用した場合を示している。
すなわち、まず、可変動弁装置は、図4〜図8に示すように、シリンダヘッド1に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられて、バルブスプリング3,3によって閉方向に付勢された一気筒当たり2つの吸気弁2,2と、該各吸気弁2,2のバルブリフト量を可変制御する可変機構4と、該可変機構4の作動位置を制御する制御機構5と、該制御機構5を回転駆動するアクチュエータである駆動機構6とを備えている。
前記可変機構4は、シリンダヘッド1の上部に有する軸受14に回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、該駆動軸13に固定用ピンにより固設された一気筒当たり1つの駆動カム15と、駆動軸13の外周面に揺動自在に支持されて、各吸気弁2,2の上端部に配設されたバルブリフター16,16の上面に摺接して各吸気弁2,2を開作動させる2つの揺動カム17,17と、駆動カム15と揺動カム17,17との間に連係されて、駆動カム15の回転力を揺動カム17,17の揺動力として伝達する伝達手段とを備えている。
前記駆動軸13は、図5にも示すように、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた従動スプロケット7に巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されており、この回転方向は図4中、矢印方向に設定されている。
前記軸受14は、図6Aに示すように、シリンダヘッド1の上端部に設けられて、後述する円筒部材20を回転自在に支持するメインブラケット14aと、該メインブラケット14aの上端部に設けられて後述する制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a、14bが一対のボルト14c、14cによって上方から共締め固定されている。
前記駆動カム15は、ほぼリング状を呈し、円環状のカム本体と、該カム本体の外端面に一体に設けられた筒状部とからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔が貫通形成されていると共に、カム本体の軸心Yが駆動軸13の軸心Xから径方向へ所定量だけオフセットしている。また、この駆動カム15は、駆動軸13に対し前記両バルブリフター16,16に干渉しない位置に駆動軸挿通孔を介して固定されていると共に、カム本体の外周面が偏心円のカムプロフィールに形成されている。
前記各揺動カム17は、図1〜図3にも示すように、鋼材によってほぼ同一形状の雨滴状に型成形され、各基端部17a、17aが前記駆動軸13の外周面に回転自在に嵌挿した鋼材の円筒部材20の両端部に一体的に固定されていると共に、該円筒部材20を介して駆動軸13に回転自在に支持されている。また、前記円筒部材20のほぼ中央位置には、前記メインブラケット14aに回転自在に軸受されるジャーナル部20aが一体に形成されている。
また、各揺動カム17,17は、先端に延びるカムノーズ部21,21を有し、各下面にはカム面22、22がそれぞれ形成されている。
前記各カムノーズ部21は、先端側がカム面22の摺動方向に沿って僅かに延長突出した延長部21aが一体に設けられている。
前記カム面22は、円筒部材20側のベースサークル面22aと、該ベースサークル面22aからカムノーズ部21側に円弧状に延びるリフト面22bとを備え、このリフト面22bは、ベースサークル面22a側のランプ部22cと該ランプ部からカムノーズ部21の先端側に有する最大リフトの頂面に連なる揚程部22dとによって構成されている。
また、このカム面22は、前記カムノーズ部21の延長部21aを除く全体に予め高周波焼き入れが施されていると共に、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフター16の上面の所定位置に当接するようになっている。
さらに、この各揺動カム17,17は、図1に示すように、前記各ベースサークル面22aの軸方向の幅Wが、前記各リフト面22bの軸方向の幅W1よりも狭幅に形成されていると共に、前記ベースサークル面22aとリフト面22bとの境界両側部30a、30bが、前記リフト面22bからベースサークル面22aに亘って漸次なだらかな狭幅部29として形成されている。
すなわち、この各狭幅部29は、この両側部30a、30bが前記リフト面22b側からベースサークル面22a側に亘って漸次狭幅となる円弧状に形成されていると共に、該狭幅部29のリフト面22b側の外端部とベースサークル面22a側の外端部を前記円弧面と連続した円弧状に形成されている。
さらに、前記一方側の揺動カム17は、図3に示すように、先端部のカムノーズ部21側に、後述するリンクロッド25の他端部25bと連結するためのピンが28が挿通されるピン孔17bが貫通形成されていると共に、上面の前後方向には、リンクロッド25からの揺動力やバルブスプリング3からのばね力からの大きな荷重を受ける剛性を確保するための狭幅なリブ31が一体に設けられている。
前記伝達手段は、駆動軸13の上方に各気筒毎に1つずつ配置されたロッカアーム23と、該各ロッカアーム23の各一端部23aと前記各駆動カム15とを連係するリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17とを連係するリンクロッド25とを備えている。
前記ロッカアーム23は、中央に有する筒状基部の内部に形成された支持孔23cを介して後述する制御カム33に回転自在に支持されている。また、筒状基部から一方向に突設された前記一端部23aには、ピン26が嵌入するピン孔が貫通形成されている一方、筒状基部の他方向に突設された前記他端部23bには、リンクロッド25の一端部と連結するピン27が嵌入するピン孔が形成されている。
前記リンクアーム24は、比較的大径な円環状の基部24aと、該基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24bとを備え、基部24aの中央位置には、前記駆動カム15のカム本体が回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、前記ピン26が回転自在に挿通するピン孔が貫通形成されている。
前記リンクロッド25は、ロッカアーム23側が凹状のほぼく字形状に形成され、両端部25a,25bには前記ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17のカムノーズ部21の各ピン孔に挿入した各ピン27,28の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔が貫通形成されている。
なお、各ピン26,27,28の一端部には、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移動を規制するスナップリングがそれぞれが設けられている。
前記制御機構5は、前記駆動軸13の上方位置に同じ軸受14に回転自在に支持された制御軸32と、該制御軸32の外周面に一体に設けられ、ロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33とを備えている。
前記制御軸32は、図5に示すように、駆動軸13と並行に機関前後方向に配設されていると共に、所定位置のジャーナル部が前記軸受14のメインブラケット14aとサブブラケット14bとの間に回転自在に軸受されている。
前記制御カム33は、各気筒毎、つまり前記各ロッカアーム23毎に設けられほぼ偏心円環状に形成されていると共に、軸心P2位置が前記制御軸32の軸心P1から所定分だけ偏倚している。
前記駆動機構6は、シリンダヘッド1の後端部に固定された図外のハウジングと、該ハウジングの一端部に固定された電動モータ35と、ハウジングの内部に設けられて電動モータ35の回転駆動力を前記制御軸32に伝達するボール螺子伝達機構36とから構成されている。
前記電動モ−タ35は、比例型のDCモータによって構成され、ほぼ円筒状のモータケーシング37の矩形状先端部が前記ハウジングの一端開口部を封止する状態で固定されている。また、電動モータ35は、図1に示すように、機関の駆動状態を検出するコントロールユニット38からの制御信号によって駆動するようになっている。
このコントロールユニット38は、クランク角センサ39やエアーフローメータ40、水温センサ41や、前記制御軸32の回転位置を検出するポテンショメータ42等の各種のセンサからの検出信号をフィードバックして現在の機関運転状態を演算などにより検出して、前記電動モータ36に制御電流を出力するようになっている。
前記ボール螺子伝達機構37は、前記ハウジング内に電動モータ35の駆動シャフトと同軸上に配置されたボール螺子軸43と、該ボール螺子軸43の外周に螺合する移動ナットであるボールナット44と、前記制御軸32の一端部に直径方向に沿って連結された連係アーム45と、該連係アーム45と前記ボールナット44とを連係するリンク部材46とから主として構成されている。
そして、ボールナット44は、各ボールを介してボール螺子軸43の回転運動をボールナット46に直線運動に変換しつつ軸方向の移動力が付与されるようになっている。
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず、例えば、機関のアイドリング運転時を含む低回転運転領域には、コントロールユニット38からの制御電流によって電動モータ35に伝達された回転トルクは、ボール螺子軸43に伝達されて回転すると、この回転に伴って各ボールがボール循環溝とガイド溝との間を転動しながらボールナット44を一方向へ直線状に移動させる。
これによって制御軸32は、図6に示すように、リンク部材46と連係アーム45とによって時計方向に回転駆動される。
これによって、制御カム33は、軸心P2が図6A、Bに示すように、制御軸32の軸心P1の回りを同一半径で回転して、肉厚部が駆動軸13から上方向に離間移動する。これにより、ロッカアーム23の他端部23bとリンクロッド25の枢支点は、駆動軸13に対して上方向へ移動し、このため、各揺動カム17は、リンクロッド25を介してカムノーズ部21側が強制的に引き上げられて全体が時計方向へ回動する。
よって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのバルブリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量は充分小さくなる。
したがって、かかる機関の低回転領域では、バルブリフト量が、図8のL1に示すように、最も小さくなることにより、各吸気弁2の開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
また、機関高回転領域に移行した場合は、コントロールユニット38からの制御信号によって電動モータ36が逆回転し、この回転トルクがボール螺子軸43に伝達されて回転すると、この回転に伴ってボールナット44が各ボールを介して他方向へ直線移動する。
これによって、制御軸32は、制御カム33を図6に示す位置から時計方向へ回転させて、図7A、Bに示すように軸心P2を下方向へ回動させる。このため、ロッカアーム23は、今度は全体が駆動軸13方向寄りに移動して他端部23bが揺動カム17のカムノーズ部21をリンクロッド25を介して下方へ押圧して該揺動カム17全体を所定量だけ反時計方向へ回動させる。
よって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのバルブリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量は大きくなる。
よって、かかる高回転領域では、各吸気弁2のバルブリフト量が、図8のL2に示すように、最大に大きくなり、該各吸気弁2の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上して十分な出力が確保できる。
そして、この実施形態によれば、前記狭幅部29の軸方向の幅が、リフト面22bからベースサークル面22aまでなだらかな円弧面で漸次減少するようになっていることから、かかる狭幅部29の両側部29a、29bに鋭角な角部が形成されることがない。このため、前記カム面22全体を高周波焼き入れを行った際に、この変態点以上の高熱によって前記狭幅部29が溶けにくくなる。この結果、ベースサークル面22aやリフト面22bの表面積の減少などを防止できる。
また、前記カム面22に施される高周波焼き入れの領域を、前記カムノーズ部21の延長部21a(図1の一点鎖線外側)を除いた領域としたため、該延長部21aの先端両側に形成された鋭角な角部21b、21bが高熱で溶けることかなくなる。また、かかる延長部21aの先端両側の角部21b、21bが前記高熱によって仮に溶けてしまったとしても、実質的なリフト面は確保されていることから、吸気弁2,2の開閉作動には何ら支障を来すことがない。
さらに、本実施形態では、回転運動を行わない揺動カム17,17によって構成したため、重量(慣性質量)の影響を大きく受け易くなるが、バルブリフター16と摺接しない部分を切除することができるので、軽量化に貢献できる。
また、前述のように、前記狭幅部29の両側部30a、30bを、なだらかな円弧状に形成して角部を消失したことから、揺動カム17を型成形する場合において狭幅部29にアンダーカット部が形成されないので、該型成形を容易に行うことが可能になる。この結果、成形コストの低減化が図れる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1)前記狭幅部を、前記リフト面側からベースサークル面側に亘って漸次狭幅となるテーパ状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム構造。
前記狭幅部をテーパ状に形成したため、カムを型成形する場合においてアンダーカット部が形成されないことから、該型成形を容易に行うことが可能になる。この結果、成形コストの低減化が図れる。
請求項(2)前記狭幅部を、前記リフト面側からベースサークル面側に亘って漸次狭幅となる円弧状に形成すると共に、該狭幅部のリフト面側の外端部とベースサークル面側の外端部を前記円弧面と連続した円弧状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム構造。
この発明によれば、狭幅部とこの各端部が連続した円弧状になっていることから、幅方向のいずれの箇所も角部が形成されないことから、作動時における応力集中の発生を防止できる。
請求項(3)前記カムの前記カム面を、該カムと前記機関弁との間に設けられたバルブリフターの上面に摺接させたことを特徴とする請求項1〜(2)のいずれかに記載の内燃機関のカム構造。
バルブリフターの上面は、シムなどの高硬度な金属材によって形成されていることから、カムとの摺動抵抗が大きくなる。したがって、該カムのカム面なども高い硬度が要求されることから、高周波焼き入れが必要になる。
請求項(4)前記カムは、機関駆動状態に応じて機関弁のバルブリフト量を可変制御する可変機構によって駆動されることを特徴とする請求項1〜(3)のいずれかに記載の内燃機関のカム構造。
可変機構によって機関弁のバルブリフト量を大きくする方向へ制御させた場合に、前記カムに大きな荷重が作用するため、リフト面などに高い硬度が要求されるので、ここに高周波焼き入れが必要になるのである。
請求項(5)前記可変機構は、
クランクシャフトから回転力が伝達される駆動軸と、
該駆動軸の回転運動を揺動運動に変換する運動変換機構と、
該運動変換機構からの揺動運動を前記カムに作用させて、該カムを揺動させる伝達機構とから構成されていることを特徴とする請求項(4)記載の内燃機関のカム構造。
クランクシャフトから回転力が伝達される駆動軸と、
該駆動軸の回転運動を揺動運動に変換する運動変換機構と、
該運動変換機構からの揺動運動を前記カムに作用させて、該カムを揺動させる伝達機構とから構成されていることを特徴とする請求項(4)記載の内燃機関のカム構造。
請求項(6)前記可変機構は、
機関のクランク軸に同期して回転し、外周に駆動カムが設けられた駆動軸と、 支軸に揺動自在に支持されて、カム面がバルブリフター上面を摺接して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、
一端部が前記駆動カムに機械的に連係し、他端部がリンクロッドを介して揺動カムに連係したロッカアームとを備え、
機関運転状態に応じて前記ロッカアームの揺動支点を変化させることにより、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する当接位置を変化させて機関弁のバルブリフトを可変にするように構成されたことを特徴とする請求項1〜(5)のいずれかに記載の内燃機関のカム構造。
機関のクランク軸に同期して回転し、外周に駆動カムが設けられた駆動軸と、 支軸に揺動自在に支持されて、カム面がバルブリフター上面を摺接して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、
一端部が前記駆動カムに機械的に連係し、他端部がリンクロッドを介して揺動カムに連係したロッカアームとを備え、
機関運転状態に応じて前記ロッカアームの揺動支点を変化させることにより、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する当接位置を変化させて機関弁のバルブリフトを可変にするように構成されたことを特徴とする請求項1〜(5)のいずれかに記載の内燃機関のカム構造。
請求項(7)前記カムは、揺動軸に揺動自在に支持されていると共に、この揺動力は前記カム面の前記揺動軸側のベースサークル面側からカムノーズ部側に揺動力が伝達されることによって揺動運動することを特徴とする請求項1〜(6)のいずれかに記載の内燃機関のカム構造。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、前記狭幅部29の両側部30a、30bを、円弧面ではなく直線状のテーパ面状に形成して角部を鈍角状に形成することも可能である。また、カムとしては前記揺動カム17以外に、カムシャフトによって回転する一般的な駆動カムに適用することも可能である。
さらに、この発明を前記吸気弁側の他に排気弁側あるいは両方の弁側に適用することも可能であり、さらに可変機構としては、必ずしも前記実施形態のものに限定されるものではない。また、内燃機関の気筒数についても4気筒、直列6気筒などの多気筒のものに適用できることは勿論である。
2…吸気弁(機関弁)
4…可変機構
5…制御機構
6…駆動機構
13…駆動軸
15…駆動カム
17…揺動カム
21…カムノーズ部
22…カム面
22a…ベースサークル面
22b…リフト面
23…ロッカアーム
32…制御軸
33…制御カム
4…可変機構
5…制御機構
6…駆動機構
13…駆動軸
15…駆動カム
17…揺動カム
21…カムノーズ部
22…カム面
22a…ベースサークル面
22b…リフト面
23…ロッカアーム
32…制御軸
33…制御カム
Claims (3)
- 回転または揺動運動を行うことによりバルブスプリングのばね力に抗してカム面により機関弁を開閉作動させる内燃機関のカム構造であって、
前記カム面の前記機関弁を開弁させないベースサークル面の軸方向の幅を、開弁させるリフト面の軸方向の幅よりも狭幅に形成すると共に、前記ベースサークル面とリフト面との境界両側部を、前記リフト面からベースサークル面に亘って漸次なだらかな狭幅状に形成し、かつ少なくとも前記カム面の全体に高周波焼き入れを施したことを特徴とする内燃機関のカム構造。 - 揺動運動を行うことによってバルブスプリングのばね力に抗してカム面により機関弁を開閉作動させ、先端両側が鋭角に形成されたカムノーズ部を有する内燃機関のカム構造であって、
前記カムノーズ部の先端側を前記カム面の摺動方向へ延長形成すると共に、該延長部以外のカム面のみに高周波焼き入れを施したことを特徴とする内燃機関のカム構造。 - 前記カムを、揺動することによって前記機関弁を開閉作動させる揺動カムによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム構造。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010185331A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の動弁装置 |
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2005
- 2005-03-10 JP JP2005066436A patent/JP2006250008A/ja active Pending
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JP2010185331A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の動弁装置 |
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