JP2006249931A - 一軸偏心ねじポンプのロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性と潤滑性を向上させて、比較的摩耗性の少ない移送液において、回転摺動するロータと接するステータの長寿命化及びポンプ低回転時の異常振動・異音の発生を防止する一軸偏心ねじポンプのロータを提供する。
【解決手段】一軸偏心ねじポンプ11は、雄ねじ形のロータ12を、雌ねじ形のステータ13内に回転可能に嵌挿して偏心回転させることにより、被移送物を移送する。ロータ12には、中実あるいは中空のステンレス鋼、アルミニウム合金を用いる一方、ステータ13には、ゴムを用いる。ロータ12は、ロータ基材(ステンレス鋼)の表面に、膜厚さが0.5〜5μmのDLC膜を形成してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体、半固体、粉体、液・固混合体等、種々の状態の移送物を連続して移送するのに用いられる一軸偏心ねじポンプのロータに関する。
一軸偏心ねじポンプは、周知のように、ポンプケーシングの一端部に設けられた駆動モータの駆動軸にコネクチングロッドを介して連結した雄ねじ形のロータを、雌ねじ形のステータ内に回転可能に嵌挿して偏心回転させることにより移送物を移送するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
上記ロータには、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属材料が用いられる一方、上記ステータには、ゴムなどの弾性材料が用いられる。
一軸偏心ねじポンプのロータは、ゴムなどの弾性材料からなるステータの内周面と一定の面圧で接触して、回転摺動状態で使用される。そして、このロータに用いられる金属材料としては、ステンレス鋼が一般的であり、そのようなステンレス鋼でロータが形成される場合には、耐摩耗性を考慮して、300μm以下の厚さの硬質クロムメッキ層がロータ基材(ステンレス鋼)の表面に形成されるのが一般的である。
一方、C(炭素)とH(水素)からなるアモルファス構造を有し、低摩擦係数で耐摩耗性及び潤滑性に優れるダイヤモンドカーボン(本明細書ではDLCという)による薄膜(DLC膜)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−052655号公報(段落0019〜0022) 特開2004−323973号公報(段落0013)
前述したように、ロータがステンレス鋼で形成される場合には、ロータ基材の表面に硬質クロムメッキ層を形成しているが、そのような硬質クロムメッキ層に代えて、環境に優しい表面被覆層を用いたいという要求がある。また、それに併せて耐摩耗性と潤滑性を向上させて、比較的摩耗性の少ない移送液において、回転摺動するロータと接するステータの長寿命化およびポンプの特定運転条件における異常振動・異音の発生を防止したいという要求もある。
そこで、発明者は、比較的摩耗性の少ない移送液において、硬質クロムメッキに代えて、DLC膜をロータ基材の表面に形成すればよいことに着想し、本発明をなすに至ったものである。なお、この場合、DLC膜を、ロータに代えてステータ側に設けることも考えられるが、ステータ側に設ける場合には雌ねじ形の内周面に設ける必要があり、DLC膜の成膜を行いにくい。一方、ロータ側に設ける場合には、ロータ基材の外表面に設ければよいので、成膜しやすく、しかも、ロータは金属材料からなるので、弾性材料からなるステータに比べて剥離しにくいというメリットがある。
また、ロータ基材として軽量であるアルミニウム合金を用い、その表面にDLC膜を成膜すれば、偏心回転の際にロータに作用する遠心力を小さくして、ゴム等の高分子材料からなるステータに前記ロータから作用する荷重を小さくすることも可能になる。
しかしながら、ロータ基材としてアルミニウム合金を用いる場合には、ロータ基材の表面にDLC膜を直接に成膜すれば、アルミニウム合金が柔らかいので、大きな面圧がかかると、基材のアルミニウム合金が大きく歪むために硬いDLC膜が割れて剥離しやすい。
この場合には、ロータ基材とDLC膜との間に中間層を形成し、この中間層の材質として、ロータ基材との付着性、DLC膜との付着性に優れるものを選択すれば、ロータ基材からのDLC膜の剥離が低減させることが考えられる。
そこで、発明者は、さらに研究を進めて、ロータ基材(アルミニウム合金)の表面に対し、WC(タングステンカーバイド)溶射による皮膜(WC溶射皮膜)あるいは窒化層を中間層として設けることで、この中間層によりロータ基材の表面をDLC膜と同程度に硬くして、その上にDLC膜を成膜すれば、DLC膜の剥離が低減されることを見い出した。
本発明は、ロータ基材の表面にDLC膜を成膜することで、DLCの持つ耐摩耗性、高潤滑性により、比較的摩耗性の少ない移送液において、回転摺動するロータと接するステータの長寿命化を図るとともに、ポンプ低回転時の異常振動・異音の発生を防止できる一軸偏心ねじポンプのロータを提供する。
請求項1の発明は、ゴムなどの高分子材料からなる雌ねじ形のステータ内に、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料からなる雄ねじ形のロータを回転可能に嵌挿して、前記ロータを偏心回転させることにより移送物を移送する一軸偏心ねじポンプのロータにおいて、前記ロータは、ダイアモンドライクカーボン(DLC)膜を表面に有することを特徴とする。
このようにすれば、ロータはDLC膜を表面に有するので、DLCが持つ耐摩耗性と高潤滑性により、回転摺動するロータと接するステータとの潤滑性が向上し、ステータの摩耗損重量が減少し、長寿命化が図れる。また、DLCが持つ高潤滑性により、ポンプの低回転時の異常振動・異音の発生を防止できる。さらに、クロムメッキの必要がなくなるので、耐環境性、生体融和性にも優れる。
請求項2に記載のように、前記ロータは、アルミニウム合金からなるロータ基材の表面に、WC(タングステンカーバイド)溶射皮膜を介して前記DLC膜を有するものであり、前記WC溶射皮膜の膜厚さが50〜100μmで、前記DLC膜の膜厚さが0.5〜5μmであることが望ましい。ここで、前記WC溶射皮膜の膜厚さを50〜100μmとするのは、WC溶射皮膜の硬さは従来のクロムメッキ層の硬さの2〜3倍あるので、前記範囲の膜厚さであれば、比較的摩耗性の少ない移送液において、一般的に300μm以下の厚さの従来のクロムメッキ層と同等の摩耗量となるからである。また、WC溶射皮膜の膜厚さは50μm以上とするのは、それ以上であればWC溶射により被膜を安定して生成することができるからである。さらに、DLC膜はWC溶射皮膜と同程度の硬さを有し、5μm以上を成膜すると剥離しやすく、またコストアップにもなるので、DLC膜の特徴である高潤滑性の確保を目的として、0.5〜5μmの範囲の膜厚さとしている。
このようにすれば、ロータ基材(アルミニウム合金)の表面は、WC溶射皮膜を生成することでDLC膜と同程度に硬くなり、その上にDLC膜が成膜されるので、DLC膜が剥離しにくくなるし、優れた耐傷性と耐摩耗性が得られる。
また、ロータ基材をアルミニウム合金としているので、軽量化が図れ、高速回転が可能になる。よって、ポンプによる液移送量が増加し、また、同じ液移送量で比較すると、小型化・低価格化を実現できる。
請求項3に記載のように、前記ロータは、ステンレス鋼あるいはアルミニウム合金からなるロータ基材の表面に、窒化層を介して前記DLC膜を有するものであり、前記窒化層の層厚さが20〜50μmで、前記DLC膜の膜厚さが0.5〜5μmであることが望ましい。ここで、窒化層の層厚さを20〜50μmとするのは、窒化層の硬さが、前記WC溶射皮膜と同様に従来のクロムメッキ層の硬さの2〜3倍あるので、前記範囲の層厚さであれば、比較的摩耗性の少ない移送液において、一般的に300μm以下の厚さの従来のクロムメッキ層とほぼ同等の摩耗量となるからである。特に、ロータ基材がアルミニウム合金であると、WC溶射皮膜の場合(請求項2の場合)には膜厚さが50μm未満になると、WC溶射皮膜の生成が不安定となるので、中間層の厚さを50μm未満とする制約がある場合には、金属材の表面を硬化させるのに有効である窒化を採用することができ、有利である。
このようにすれば、ロータ基材の表面は窒化層による硬化によりDLC膜と同程度に硬くなり、その上にDLC膜が成膜されるので、DLC膜が剥離しにくくなるし、優れた耐傷性と耐摩耗性が得られる。
以上のように構成したから、本発明は、ロータ基材の表面に成膜されるDLC膜が持つ優れた耐摩耗性と高潤滑性により、回転摺動するロータと接するステータの摩耗損重量が減少するので、長寿命化を図ることができる。さらに、前記DLC膜の持つ高潤滑性によって、ポンプ低回転時の異常振動・異音の発生を防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1は本発明に係る一軸偏心ねじポンプの一実施の形態を示す断面図である。
図1に示すように、一軸偏心ねじポンプ11は、雄ねじ形のロータ12を、雌ねじ形のステータ13内に回転可能に嵌挿して偏心回転させることにより、被移送物を移送するように構成されている。このロータ12は、カップリングロッド14を介して駆動軸15に連結され、この駆動軸15は、軸受けハウジング16の後壁面に設けられた駆動モータ(図示せず)に減速装置(図示せず)を介して接続されている。
ロータ12には、中実(無垢)あるいは中空のステンレス鋼(金属材料)が用いられる一方、ステータ13には、ゴム(弾性材料)が用いられる。なお、ロータ12を形成する金属材料(ロータ基材)としては、軽量金属であるアルミニウム合金やチタン合金を用いると、回転を高速化でき、装置の小型化が達成できるので、有用である。
そして、ロータ12を構成するロータ基材の表面に、膜厚さが0.5〜5μmのDLC膜が形成されている。
続いて、前記ロータについて行った粉体摩耗試験について説明する。
粉体摩耗試験機は、図2に示すように、第1のローラ21に対し、第2のローラ22が上側に載置されたスライドテーブル23に対し重り24の荷重(荷重:3.6N)を作用させ、両ローラ21,22を圧接させる状態とされている。各ローラ21,22にはそれぞれブラシローラ25,26が接触している。
そして、両ローラ21,22の間に上側から試料粉27を落下させつつ、モータ28の回転により第1のローラ21を回転させ、ロードセル29によって検出される荷重から第2のローラ22との摩擦係数を算出する。なお、第2のロータ22は、第1のローラ21の回転により1rpm程度で供回りするようになっている。ブラシローラ25,26は清掃用で、70rpm程度で回転する。
具体的には、図2(a)(b)に示す試験機において、第1のローラ21として、従来のクロムメッキされたステンレス鋼製ロータに対応する、表面にクロムメッキ層を有する円柱ローラ(試料S1)、あるいは本発明に係るDLC膜(膜厚さ:5μm)が成膜されたステンレス鋼製ロータに対応する、表面にDLC膜を有する円柱ローラ(試料S2)を用いる。第2のローラ22として、(ステータと同じ材質であるゴムの)円柱ローラを用いる。そしてモータ28により第1のローラ21を100rpmの速度で回転させ、ステータ内でロータが回転するのと同様な状態を再現して、粉体摩耗試験を行った。なお、試料粉27としては、硅石粉(平均粒径3μmで、ギザギザ状態の岩石粉)を用いた。
試験結果は、図3に示すように、試料S1の場合には、ゴム摩耗速度が5.1mg/hrであるのに対して、試料S2の場合には、ゴム摩耗速度は2.8mg/hrとほぼ半減している。よって、第1のローラ21(ロータに対応)に、クロムメッキ層に代えて、DLC膜を成膜したことにより、ゴム摩耗速度において大幅な改善が見られた。
本摩耗試験は、前述したように、試料粉として硅石粉(平均粒子径3μmのギザギザ形状の岩石粉)を用いた最も過酷なレベルであり、その改善の効果は非常に大きいと評価される。
よって、ステンレス鋼製のロータにDLC膜を成膜することにより、ゴム製のステータとの潤滑性が向上し、ステータのゴム摩耗速度が大幅に低下することがわかる。さらに、後述するように、ステンレス鋼からなるロータ基材の表面に窒化層を介してDLC膜を成膜すれば、さらに効果は高まるものと推測される。
また、ステンレス鋼よりも柔らかいアルミニウム合金をロータ基材とし、そのロータ基材の表面に100μm厚さのWC(タングステンカーバイド)を溶射した上に、DLC膜(膜厚さ:5μm)を成膜した試料S3についても、同様な摩耗試験を行ったところ、ゴム摩耗速度について、試料S2とほぼ同程度の効果が得られた。
さらに、図4(a)(b)に示すように、アルミニウム合金製のロータに直接DLC膜を成膜した試料S4の場合には試験時間6hrで、試料粉による深い筋状の傷を生じた(図4(a)参照)のに対して、試料S3の場合には100hr経過しても無傷であった(図4(b)参照)。
よって、柔らかいアルミニウム合金からなるロータ基材の表面を、DLC膜のような硬い膜で直接被覆するだけでは不十分であるが、アルミニウム合金からなるロータ基材の表面をWC溶射皮膜で一旦被覆し、それからその皮膜の上にDLC膜を成膜するようにすれば、耐傷性と耐摩耗性とが優れることがわかる。
このような硬い膜(層)としては、WC溶射皮膜のほか、窒化層(あるいは炭化層)でも同様な効果が得られるものと推測される。そして、このWC溶射皮膜や窒化層が、ロータ基材やDLC膜との付着性に優れる中間層として機能することになる。
よって、ロータ基材がステンレス鋼からなる場合も、ロータ基材の表面にDLC膜を直接成膜するよりも、ロータ基材の表面に窒化層を形成した上にDLC膜を成膜する方が耐傷性、耐摩耗性に優れる、と推測される。
このような試験結果より、次の構成のものが、一軸偏心ねじポンプのロータとして優れていると考えられる。
(1)ロータ基材がステンレス鋼からなり、その表面に層厚さ20〜50μmの窒化層を介して膜厚さ0.5〜5μmのDLC膜を成膜したもの。
(2)ロータ基材がアルミニウム合金からなり、その表面に膜厚さ50〜100μmのWC溶射皮膜を介して層厚さ0.5〜5μmのDLC膜を成膜したもの。
(3)ロータ基材がアルミニウム合金からなり、その表面に層厚さ20〜50μmの窒化層を介して膜厚さ0.5〜5μmのDLC膜を成膜したもの。
ここで、窒化層の層厚さを20〜50μmとしたりWC溶射皮膜の膜厚さを50〜100μmとしたりするのは、窒化層やWC溶射皮膜の硬さが従来のクロムメッキ層の2〜3倍あるので、前記範囲の層厚さや膜厚さであれば、比較的摩耗性の少ない移送液において、一般的に300μm以下の厚さの従来のクロムメッキ層と同等の摩耗量であると考えられるからである。また、WC溶射皮膜の膜厚さを50μm以上とするのは、それ以上であればWC溶射皮膜を安定して生成することができるからである。一方、WC溶射皮膜の生成が不安定なる層厚さが50μm未満とする必要がある場合には、金属材料を硬化させるのに有効である別の手段である窒化を採用することができる。さらに、DLC膜は、WC溶射皮膜と同程度の硬さを有し、5μm以上を成膜すると剥離しやすく、また、コストアップにもなるので、DLC膜の特徴である高潤滑性の確保を目的として、0.5〜5μmの膜厚さとしている。
上記(1)(3)で説明した中間層として窒化層を用いるロータは、次のようにして製造することができる。なお、この製造方法は、真空チャンバー内に、ステンレス鋼あるいはアルミニウム合金からなるロータ基材を導体を介して配置し、前記ロータ基材の周囲をプラズマ状態とした上で、前記導体に負の高電圧パルスを印加して、ロータ基材の周囲の電子を追い払って正イオンを残し、ロータ基材にイオン誘引を行うことを前提とする(パルスプラズマイオン注入・成膜法/Plasma-Based Implantation and Deposition:PBIID )。
(工程1)
前記ロータ基材を、例えば電気炉加熱やハロゲンランプなどの既存の加熱方法を用いて300〜500℃に加熱する。
(工程2)
前記工程1での加熱温度状態を保持しながら、真空チャンバー内に窒素ガスあるいは窒素混合ガスからなる反応ガスを供給する。そして、例えば放電室で生成された放電プラズマから、加速電極により引き出して加速した電子ビームを前記真空チャンバー内に導き、前記反応ガスをプラズマ化して、その電子ビーム励起プラズマ(EBEP)を前記ロータ基材に作用させることによりロータ基材中に窒素原子及び窒素イオンを注入し、中間層となる、20〜50μm厚の窒化層(窒素化合物層あるいは窒素拡散層)をロータ基材の表面に形成する。
なお、この窒化のための処理条件は、加速電圧50〜150V、加速電流10A以上、放電用ガスはアルゴンガス、原料ガスは窒素ガスまたは窒素・水素混合ガス、処理温度は350〜500℃である。
(工程3)
続いて、同一の真空チャンバー内に炭化水素系ガスを導入し、前記ロータ基材に前記導体を介して、プラズマ発生用電源により高周波電力を所定時間印加して、ロータ基材の周囲にプラズマを発生させ、プラズマ発生後に前記ロータ基材に前記導体を介して高電圧パルス発生用電源により負の高電圧パルスを印加して、ロータ基材にプラズマ中のイオンを誘引注入し、前記窒化層の表面に0.5〜5μm厚のDLC膜を成膜する。
これにより、本発明に係るロータを製造することができる。このようにすれば、前記窒化層と前記DLC膜とは、同一の真空チャンバー内での連続処理により形成することができる。
ここで、(ロータ基材に高周波パルスを印加する)前記プラズマ発生用電源及び(ロータ基材に負の高電圧パルスを印加する)前記高電圧パルス発生用電源の供給条件の一例は、パルスRF電圧の入力電圧、電力及びパルス幅がそれぞれ1〜2kV、100W及び50μsであり、高電圧パルス電圧のパルス幅が5μsである。また、パルスRF電圧の出力周波数13.56MHz、繰り返し発振周波数500Hzであり、高電圧パルス電圧はパルスRF電圧の立ち下がりから50μs後に印加する。そして、パルスRF電圧の印加と、高電圧パルス電圧の印加との組を360万回にわたり、繰り返す(合計2時間)
本発明に係る一軸偏心ねじポンプの実施例を示す断面図である。 粉体摩耗試験機を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。 粉体によるステータ(ゴム)の摩耗量に及ぼすDLC膜の影響の試験結果を示す図である。 (a)は表面にDLC膜を直接成膜したアルミニウム合金製ローラについての粉体によるダメージの状態を示す図、(b)は表面にWC溶射した後DLC膜を成膜したアルミニウム合金製ローラについての粉体によるダメージの状態を示す図である。
符号の説明
11 一軸偏心ねじポンプ
12 ロータ
13 ステータ

Claims (3)

  1. ゴムなどの高分子材料からなる雌ねじ形のステータ内に、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料からなる雄ねじ形のロータを回転可能に嵌挿して、前記ロータを偏心回転させることにより、比較的摩耗性の少ない移送液を移送する一軸偏心ねじポンプのロータにおいて、
    前記ロータは、DLC(ダイアモンドライクカーボン)膜を表面に有することを特徴とする一軸偏心ねじポンプのロータ。
  2. 前記ロータは、アルミニウム合金からなるロータ基材の表面に、WC(タングステンカーバイド)溶射皮膜を介して前記DLC膜を有するものであり、
    前記WC溶射皮膜の膜厚さが50〜100μmで、前記DLC膜の膜厚さが0.5〜5μmであること特徴とする請求項1記載の一軸偏心ねじポンプのロータ。
  3. 前記ロータは、ステンレス鋼あるいはアルミニウム合金からなるロータ基材の表面に、窒化層を介して前記DLC膜を有するものであり、
    前記窒化層の層厚さが20〜50μmで、前記DLC膜の膜厚さが0.5〜5μmであること特徴とする請求項1記載の一軸偏心ねじポンプのロータ。
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