JP2006249059A - 重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤及びその製造方法 - Google Patents

重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤及びその製造方法 Download PDF

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貴弘 大久保
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Abstract

【課題】 高い界面活性能を有し、乳化重合時の乳化剤として用いた場合、少量の添加量で済み、他の乳化剤と比較して使用した界面活性剤が不必要に残留したり、得られるフィルムや被膜の耐水性や耐油性あるいはその他の特性に悪影響を及ぼすことがなく、また、地球環境上でも問題のない重合性界面活性剤を提供すること。
【解決手段】
下記一般式(1)
Figure 2006249059

(式中、Rは低級アルキル基を示し、sは炭素原子数1ないし8のアルキレン基又はフェニル基を、Xはp−ビニル安息香酸アニオンを示す)で表させる重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(2)
Figure 2006249059

(式中、Rは低級アルキル基を、R’は水素原子またはメチル基を示し、sは炭素原子数2ないし8のアルキレン基又はフェニレン基を示し、nは8から20までの整数を意味し、Xはp−ビニル安息香酸アニオンを示す)
で表わされる重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤及びその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、極性基に重合性基を有する2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤及びその製造方法に関する。
塗料、印刷用インク、接着剤等の製造時には、製品の安定化や加工性の向上のためにある種の界面活性剤が不可欠である。しかし、これらの製品を塗装や印刷、接着などの用途に使用すると、使用した界面活性剤が不必要に残留したり、得られるフィルムや被膜の耐水性や耐油性あるいはその他の特性に悪影響を及ぼすことが多い。
従来、この欠点を解決するために、重合性界面活性剤あるいは反応性界面活性剤に関する研究が行われており、特許も出願されている(特許文献1、特許文献2等)が、これらは界面活性能にすぐれず、大量の配合を余儀なくされるために問題の解決には至っていなかった。このような背景にあって、これらの問題を解決するための新しい重合性界面活性剤として、フルオロアルキル基を有する重合性界面活性剤が検討された(特許文献3)。
しかしながら、フルオロアルキル基を有する化合物は、界面活性能にすぐれるものの、たとえ少量の使用でも、生分解性の点で地球環境保全上の問題がある。このように、高い界面活性能を持ち、少量の使用量で済む重合性界面活性剤は、いまだ開発されていないのが実情であった。
また、通常の型の1鎖1親水基含有イオン性界面活性剤は、極性基間の反発が強いために界面物性に乏しく、そのために高濃度の配合下で用いられることが多く、環境への負荷の増大に影響している。一方、分子内に極性基を1つ、疎水基を1つ持つジェミニ型2鎖2親水基含有イオン性界面活性剤は、すぐれた界面物性を発揮し、次世代界面活性剤として種々のものが検討されている(非特許文献1)。
特開昭51−30285号 特開昭56−127697号 特開平10−245370号 ジャーナル オブ アメリカン ケミストリー、1993年、115巻、10083頁−10090(メンガーら、ジェミニ界面活性剤:新しい型の分子会合)
本発明は、上記現状に鑑みなされたものであり、塗装や印刷、接着などの用途に使用するとき、使用した界面活性剤が不必要に残留したり、得られるフィルムや被膜の耐水性や耐油性あるいはその他の特性に悪影響を及ぼすことがなく、また地球環境上でも問題のない高性能の2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、重合性界面活性剤として使用できる化合物に関し、鋭意研究を行った結果、極性基に重合性基を有する2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤は、上記要求を満足する高性能の重合性界面活性剤となるものであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の請求項1は、下記一般式(1)
Figure 2006249059
(式中、Rは低級アルキル基を示し、sは炭素原子数2ないし8のアルキレン基又はフェニレン基を示し、nは8から20までの整数を意味し、Xはp−ビニル安息香酸アニオンを示す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(2)
Figure 2006249059
(式中、Rは低級アルキル基を、R’は水素原子またはメチル基を示し、sは炭素原子数2ないし8のアルキレン基又はフェニレン基を示し、nは8から20までの整数を意味し、Xはp−ビニル安息香酸アニオンを示す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤である。
本発明の請求項2は、下記一般式(3)
Figure 2006249059
(式中、R、s及びnは前記の意味を有し、Yはハロゲンイオンを意味する)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(4)
Figure 2006249059
(式中、R、R’、s及びnは前記の意味を有し、Yはハロゲンイオンを意味する)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤のハロゲンイオンYを水酸基イオンで置換して得られる下記一般式(5)
Figure 2006249059
(式中、R,s及びnは前記した意味する)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(6)
Figure 2006249059
(式中、R,R’,s及びnは前記した意味を有す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤と、p−ビニル安息香酸を反応させて得られることを特徴とする、一般式(1)
Figure 2006249059
(式中、R,s、n及びXは前記した意味を有す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、及び一般式(2)
Figure 2006249059
(式中、R,R’,s、n及びXは前記した意味を有す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤の製造方法である。
本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤は、重合性の高いビニル基を含有する他、疎水性である炭化水素鎖と極性基であるアンモニウム基を2つずつ分子内に含有することから高い界面活性を示すものである。従って、このものを乳化重合時の乳化剤として用いた場合、少量の添加量で済み、他の乳化剤と比較して乳化重合時の不純物の影響を減らした反応性重合剤として利用可能である。また本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤は、反応性重合剤としての応用に限らず、繊維柔軟剤、頭髪処理剤、無機担体の表面処理剤、顔料分散剤としても用いられる。
本発明の式(1)で表される重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤において、nのうち好ましい数は、10〜14である。まら、Rで表される低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、直鎖状ブチル基、分岐状ブチル基等、炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。さらに、Xで表される対イオンは、ビニル安息香酸残基である。
本発明の式(2)で表される重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤において、nのうち好ましい数は、10〜14であり、特に好ましくは、10〜12である。まら、Rで表される低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、直鎖状ブチル基、分岐状ブチル基等、炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。さらに、Xで表される対イオンは、p−ビニル安息香酸残基である。
本発明の式(1)で表される重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤は、下式に従い、長鎖アルキルハロゲン化物(2)をジアミン(3)と反応させて4級塩化し、(4)の水溶液を陰イオン交換カラムに通してハロゲンイオンをヒドロキシルイオンに変換して(5)とした後、(5)の水酸基をp−ビニル安息香酸残基で置換して得られる。
Figure 2006249059
上記反応において、化合物(2)と化合物(3)の反応は、これらを、好ましくは、無水エタノール等の溶媒中で、24〜48時間程度、溶媒の還流温度で攪拌することにより行われる。この反応に用いられる化合物(5)としては、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−オクタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルフェニレンジアミン等が挙げられ、化合物(2)は化合物(3)の1.6〜2.5倍当量モル程度使用される。
(4)から(5)の変換は、あらかじめ1Mの水酸化ナトリウム水溶液で十分に水酸基に置換した陰イオン交換樹脂を用いて行う。
(5)から(6)の変換は、p−ビニル安息香酸1.6〜2.5倍当量モル程度が使用される。
本発明の式(2)で表される重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤は、下式に従い、表される高級アルコールのハロゲン化物(2)と(メタ)アクリル酸のハロゲン化物(3)を反応させて(メタ)アクリル酸高級アルコールエステルのハロゲン化物(4)とし、次いでジアミン(5)を反応させて4級塩化し、この水溶液を陰イオン交換カラムに通してハロゲンイオンをヒドロキシルイオンに変換した後、この水酸基をp−ビニル安息香酸残基で置換して得られる。
Figure 2006249059
Figure 2006249059
化合物(1)と化合物(2)の反応は、好ましくは、ピリジン等の塩基を溶解したテトラヒドロフラン等の溶媒中に、0ないし25℃程度の温度条件下、1ないし3時間程度かけて化合物(2)を滴下し、その後反応を完結させることにより行われる。この反応においては、化合物(1)1モルに対し、塩基を0.8〜1.2倍モル、化合物(2)を0.8〜1.2倍モル程度使用することが好ましい。
化合物(4)と化合物(5)の反応は、これらを、好ましくは、無水エタノール等の溶媒中で、24〜48時間程度、溶媒の還流温度で攪拌することにより行われる。この反応に用いられる化合物(5)としては、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−オクタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルフェニレンジアミン等が挙げられ、化合物(4)は化合物(5)の1.6〜2.5倍モル程度使用される。化合物(6)から化合物(7)への変換、化合物(7)から本発明の式(2)で表される重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤への変換は、既述の通りである。
より詳しく、本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤を製造する場合の実施態様を、式(2)で表される重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤の場合で説明すれば次の通りである。
すなわち、1−ブロムウンデカノールを、これに対し1.05倍モルのピリジンが含まれたテトラヒドロフラン(THF)溶媒中に溶解する。次に、この溶媒中に、同じく1.05倍モルの(メタ)アクリロイルクロリドを滴加しながら攪拌する。滴加後、5時間攪拌し、析出した塩をろ過し、ろ液からTHFと残留のピリジンを減圧下加熱除去して1−ブロムウンデカノール(メタ)アクリレートを得る。必要により、その後、シリカゲルを固定相とし、クロロホルムを移動相とするカラムクロマトグラフィーによって精製することができる。
この後、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタンとこれに対して2倍当量の1−ブロムウンデカノール(メタ)アクリレートを無水エタノール中、48時間加熱還流下で攪拌し、反応を終了させる。更に、減圧下加熱してエタノールを除去し、得られる残渣をアセトン・メタノールの混合溶媒中で再結晶させることにより、式(1)において、nが11、sが炭素原子数2のアルキレン基、RおよびR’がすべてメチル基である化合物を得ることができる。
上記の1−ブロムウンデカノールの代わりに、炭素原子数が8から20の直鎖炭化水素鎖の両末端に、塩素原子、沃素原子、臭素原子などのハロゲン原子と水酸基を持つ高級アルコールを原料に用いることにより、また、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタンに代えて、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−オクタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルフェニレンジアミン等のジアミンを用いることにより、式(2)でのnの数や、sの種類の異なる化合物を得ることができる。さらに、この化合物の分子中の対イオン(Y)を水酸イオンに変換し、次いでこれに、p−ビニル安息香酸を反応させることにより式(2)で表され、対イオン(X)としてp−ビニル安息香酸アニオンを含有する本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤を得ることができる。
対イオン(X)の水酸イオンへの変換は、陰イオンとしてハロゲンイオン含む化合物の水溶液を移動相として、陰イオン交換カラムを固定相とするカラムクロマトグラフィーによって行うことができる。その後、凍結乾燥機を用いて水を除去して対イオン(X)が水酸イオンである化合物を得ることができる。この後、対イオンが水酸イオンである化合物の水溶液と2倍当量のp−ビニル安息香酸を含むアセトンを窒素雰囲気下、室温で混合した後、凍結乾燥して式(2)で表される対イオン(X)にp−ビニル安息香酸アニオンを持つ本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤を得ることができる。
式(2)で表される本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤と同様に、式(1)で表される重合性基を含有する陰イオンを持つ本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤を得ることができる。かくして得られる本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤は、スチレン等のビニル系モノマーの乳化重合の際の重合性界面活性剤として使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
ブロムドデカン(25.21g)、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタン(5.03g)及び無水エタノール100mlを還流管付き三つ口フラスコにはかりとり、80℃で48時間攪拌する。この後、減圧下溶媒を留去する。その残留物をアセトン・メタノールの混合溶媒を用いて再結晶後、減圧乾燥して得られる化合物を水40mlに溶解し、陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通過させ、得られる溶出液500mlを凍結乾燥器を用いて乾燥させて得られる残分に、2倍当量のビニル安息香酸を溶解させたアセトン溶液を炭酸ガス雰囲気下で攪拌しながら加える。この溶液を凍結乾燥器を用いて乾燥させる。この残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム・メタノール=5:1)の条件で精製して得られた化合物は次の式(7)で表されるものであることがわかった。
Figure 2006249059
(式中、Rはメチル基、nは11の整数、sは炭素原子数2のアルキレン鎖を意味し、Xはビニル安息香酸アニオンである)
実施例2
1−ブロムウンデカノール(0.40モル、100g)、ピジリン(0.51モル、40g)、パラメトキシフェノール0.5g及びTHF400mlを空冷の還流管付き三つ口フラスコにはかりとり、室温および窒素雰囲気下で攪拌しながら、メタアクリロイルクロリド(0.48モル、50g)を滴加する。5時間攪拌を続けた後、減圧下溶媒を留去する。その残留物のシリカゲル(C−200)を充填したカラムを用い、クロロホルムを移動相としカラムクロマトグラフィーに付し、1−ブロムウンデカノールメタクリレートを単離精製した。収量119g、収率93%、性状は無色液体であった。次に、1−ブロムウンデカノールメタクリレート(0.038モル、13.1g)、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタン(0.018モル、2.1g)及びパラメトキシフェノール0.13g及び無水エタノール100mlを還流管付き三つ口フラスコにはかりとり、80℃で48時間攪拌する。この後、減圧下溶媒を留去する。その残留物をアセトン・メタノールの混合溶媒を用いて再結晶後、減圧乾燥して白色固体を得た。収量10.8g、収率80%。得られた化合物のPMRスペクトル及び3−ニトロフェノールをマトリックス成分として用いて測定したFAB−MSスペクトルから、得られた化合物は、次の式(9)で表されるものであることがわかった。この化合物3gを水20mlに溶解し、陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通過させ、得られる溶出液300mlを凍結乾燥器を用いて乾燥させて得られる化合物から1gを水に溶解し、2倍当量のビニル安息香酸を溶解させたアセトン溶液を炭酸ガス雰囲気下で攪拌しながら加える。この溶液を一昼夜冷蔵庫内に保存したとき得られる結晶物をアセトンを用いて再結晶後、減圧乾燥して式(8)で表される化合物を得る。
Figure 2006249059
(式中、R及びR’はメチル基、nは11の整数、sは炭素原子数2のアルキレン鎖を意味し、Xはビニル安息香酸アニオンである)
実施例3
実施例2において、メタアクリロイルクロリド(0.48モル)の代わりに、アクリロイルクロリド(0.48モル)を用いて同様の反応操作を行い、式(9)で表される化合物を得る。
Figure 2006249059
(式中、Rはメチル基、nは11の整数、sは炭素原子数2のアルキレン鎖を意味し、Xはビニル安息香酸アニオンである)
本発明の重合性界面活性剤は、既存の界面活性剤の持つ機能や特性と大きく異なり、しかも比較的安価な原材料のみを用いて容易に生産できるので、産業上の利用可能性が非常に大きい。すなわち、本発明の(メタ)アクリル酸誘導体は、高い重合性基の他、疎水性である炭化水素鎖と極性基であるアンモニウム基を2つずつ分子内に含有することから高い界面活性を示すものであり、乳化重合時の乳化剤として用いた場合、少量の添加量で済み、他の乳化剤と比較して乳化重合時の不純物の影響が出にくいものである。また、本発明の化合物を乳化剤として重合させた高分子化合物は、撥水性等の表面改質作用を長期間にわたって持続することができ、高分子化合物の構成単位として利用される。例えば、自動車、住宅、ビルなどに用いられる塗料、印刷用インク、テレビ等の家電製品の外枠などにも応用される。さらに、本発明の化合物は、高性能の四級アンモニウム型陽イオン界面活性剤であるので、を減らした反応性重合剤として利用可能である。また、本発明の重合性陽イオン界面活性剤は、それ自体が高性能の四級アンモニウム型陽イオン界面活性剤であるので、繊維柔軟剤、頭髪処理剤、無機担体の表面処理剤、顔料分散剤としても用いられる。
実施例1で得られた本発明の重合性2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤のPMRスペクトルを示す図である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2006249059
    (式中、Rは低級アルキル基を示し、sは炭素原子数2ないし8のアルキレン基又はフェニレン基を示し、nは8から20までの整数を意味し、Xはp−ビニル安息香酸アニオンを示す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(2)
    Figure 2006249059
    (式中、Rは低級アルキル基を、R’は水素原子またはメチル基を示し、sは炭素原子数2ないし8のアルキレン基又はフェニレン基を示し、nは8から20までの整数を意味し、Xはp−ビニル安息香酸アニオンを示す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤。
  2. 下記一般式(3)
    Figure 2006249059
    (式中、R、s及びnは前記の意味を有し、Yはハロゲンイオンを意味する)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(4)
    Figure 2006249059
    (式中、R、R’、s及びnは前記の意味を有し、Yはハロゲンイオンを意味する)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤のハロゲンイオンYを水酸基イオンで置換して得られる下記一般式(5)
    Figure 2006249059
    (式中、R,s及びnは前記した意味する)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、又は下記一般式(6)
    Figure 2006249059
    (式中、R,R’,s及びnは前記した意味を有す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤と、p−ビニル安息香酸を反応させて得られることを特徴とする、一般式(1)
    Figure 2006249059
    (式中、R,s、n及びXは前記した意味を有す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤、及び一般式(2)
    Figure 2006249059
    (式中、R,R’,s、n及びXは前記した意味を有す)で表わされる2鎖2親水基含有陽イオン界面活性剤の製造方法。
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