JP2006246865A - 赤身魚肉の変色防止方法 - Google Patents

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Takashi Nishinomiya
隆 西宮
Koichi Ueno
耕一 上野
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Abstract

【課題】 赤身魚肉を生のまま加工した食品の早期変色を防止すること。
【解決手段】赤身魚肉に対し、酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムまたは焼成カルシウムを含有せしめることにより、上記課題を解決する。

Description

本発明は赤身魚加工品の早期変色を防止するための変色防止方法に関する。
従来、マグロ、カツオ等を加熱せずに加工する食品においては、その色調が早期に変色することが問題とされてきた。これらは製造後、冷凍あるいは冷蔵で流通されるが、食用に供し得るに十分な鮮度のものであっても、その食品に含有される赤身魚肉が速やかに変色してしまうために、食品への嗜好が低下し品質が低く評価されてしまうことが多く、特にミンチなどの機械的な加工により細かな肉片となったものほどその傾向が強い。
これは、ブルーミング現象により鮮紅色となったオキシミオグロビンが、暗赤色のミオグロビンよりも酸化を受けやすく、早期にメト化し褐色のメトミオグロビンに変化するためであると言われている。この変色現象は、赤身魚肉加工の発展を妨げる最大の要因といえる。
そのため、種々の食品添加物を用いてこれを防止する試みがなされている。変色を防止するための食品添加物としては、アスコルビン酸およびその塩類、エリソルビン酸およびその塩類、ブドウ種子抽出物等のポリフェノール化合物、亜硝酸塩類等が用いられている。
これらはいずれも酸化防止剤として知られるものであるが、魚肉加工品にこれらが添加されることに違和感を覚える消費者もおり、一部の消費者から倦厭されている。したがって、代替となる添加物が望まれている。
発明が解決しようとする課題
本発明が解決しようとする課題は、赤身魚を加熱せずに加工した食品の早期変色を防止することである。
ただし変色防止期間は、鮮魚介類の通常保存される期間内とし、食品衛生上、細菌数、鮮度等が正常な範囲内におけるものとする。したがって恒久的な変色防止を目指したものではない。この期間とは、通常冷蔵条件において3〜5日間である。
課題を解決するための手段
本発明において、課題を解決するための手段は、赤身魚肉に酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムまたは焼成カルシウム(以下、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、焼成カルシウムを総称してカルシウム剤と表記する)を含有せしめることであり、これにより、赤身魚肉の変色が有意に抑制される
本発明における赤身魚肉とは、ヘモグロビンやミオグロビンといったタンパク色素を多く含み、魚肉全体あるいは血合い等一部が赤色を呈する魚類を指し、例えばマグロ、カツオ、イワシ、アジ、シマアジ、サンマ、ブリ、ハマチ、カンパチ、サバ、サワラ、ホッケ、エボダイ、キンメダイ等が挙げられる。
これらの非加熱の加工食品としては、マグロ肉をミンチとした後、精製魚油、植物油脂、調味料等を練り込み加工した所謂「ネギトロ」風の加工食品、カットしたマグロ切り身と精製魚油、調味料等を混合した「中落ち」風の加工食品、マグロ肉を醤油や他の調味料等を添加した調味液に浸漬した、「漬け」と呼ばれる加工食品等が挙げられる。
本発明を実施するにあたっては、水酸化カルシウムあるいは酸化カルシウムが食品に添加される必要がある。酸化カルシウムは、本発明の実施される条件下においては、多量の水の存在下、速やかに水酸化カルシウムを生じるため、これと実質的に同義である。また、食品へ用いられる焼成カルシウムの内、うに殻、貝殻、造礁サンゴ、卵殻由来の焼成カルシウムは、その主成分が酸化カルシウムであることから、同様に本発明の用途に用いることが可能である。
本発明で使用するカルシウム剤の添加方法としては、直接練り込み添加する方法、またはカルシウム剤を添加した水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
カルシウム剤の添加量は、練り込みにより直接添加する場合は、対象赤身魚肉に対して約0.02〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%である。添加量が少ない場合にはその効果が不十分であり、添加量が多い場合には苦味等が感じられるようになり不適である。
また、カルシウム剤を直接魚肉へ添加するよりも、希釈剤と混合したものを添加した方が、魚肉に対する分散性が良好である。希釈剤としては、トレハロース等の糖類、糖アルコール類、澱粉類、デキストリン類、食塩等任意のものを使用することができる。
カルシウム剤を浸漬液に添加する場合には、液に対して約0.02〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.3重量%である。添加量が少ない場合にはその効果が不十分であり、添加量が多い場合、カルシウム剤が溶解せず、余分なカルシウム剤が魚肉に付着するため不適である。浸漬時間は2〜120分である。しかしながら一般に、浸漬液に添加する場合には、練り込んで直接添加する場合に比べて変色防止効果は弱くなる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
酸化カルシウム(和光純薬(株))を0〜100重量%含む組成物A〜Gを、希釈剤と混合することにより得た。希釈剤として、食品加工用澱粉(三和澱粉工業(株)製:ドライコンス)を用いた。
−80℃で凍結した市販のマグロ册(バチマグロ)を、約40℃の湯で1分間水洗したのち、清潔なタオルで包み室温で1時間解凍した。
次に、これを5〜10cm角に切断し、フードカッター((株)大道産業製:OMF−500K)を使用して食用油脂(対魚肉10重量%)、組成物(対魚肉1%)とともに粉砕、混合した。これにより魚肉に対する酸化カルシウムの添加量は0〜1重量%となる。
製造したネギトロは直ちに色差計(日本電色工業(株)製:SE2000)で測定し、a値(赤み−緑み)、b値(黄色み−青み)の測定値を得た。また同時に試食して官能評価を行った。測定後、ネギトロを5℃、500luxの冷蔵庫中で3日間保管し、同様の方法で保存後のa値、b値を得た。
a/b値を赤色度とし、保存後の保存前に対する赤色度の残存率(%)を求めた。この数値が100%に近い程、ネギトロの色調が保たれていることを意味する。また一般に、この数値が80%未満になると、官能的にも変色したと認識される。
その結果を表1に示した。酸化カルシウムの添加量の多いもの程、赤色度の残存率が高くなった。しかしながら添加量が0.5重量%以上のものでは、味への影響(苦味)が認められた。
Figure 2006246865
発明の効果
本発明によれば、アスコルビン酸およびその塩類、エリソルビン酸およびその塩類、亜硝酸およびその塩類のように、酸化防止剤として知られ、一部消費者から倦厭されている添加物を使用せず、カルシウム剤のみで赤身魚肉の早期変色を防止することが可能である。本発明は、赤身魚肉の加工品を開発・製造する際に、基礎的な技術として使用することができる。
なお、本発明で使用するカルシウム剤が、赤身魚肉の変色を防止できることは、本発明により初めて確認されたものである。

Claims (2)

  1. 赤身魚肉に酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムを含有せしめることを特徴とする赤身魚肉加工品の変色防止方法
  2. 酸化カルシウムに換えて、うに殻、貝殻、造礁サンゴ、卵殻由来の焼成カルシウムを用いる請求項1に記載の方法
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008228702A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Toshiaki Oshima エノキタケ抽出物含有食肉品変色防止剤
JP2009077651A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Unicolloid Inc 食肉加工食品の製造方法
US20200187514A1 (en) * 2018-12-12 2020-06-18 Hisaharu Oki Method for preserving crustaceans and sea foods

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