JP2006236991A - 電池用セパレータ及びそれを使用した電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量化に対応するために厚さを薄くした場合であっても、短絡防止性と電解液の保持性の点で優れる電池用セパレータ、及びそれを使用した電池を提供する。
【解決手段】前記電池用セパレータは、(1)繊維径が3μm以下の極細繊維、(2)繊維径(円形換算値)が3〜5μm(3μmは含まない)で、横断面形状が非円形である準極細異形繊維、及び(3)表面に融着成分を備えた、引張り強さが4.5cN/dtex以上の複合高強度ポリプロピレン系繊維とを含み、前記複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分が融着した不織布を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池用セパレータ及びそれを使用した電池に関する。
従来から、電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるように、正極と負極との間にセパレータが使用されている。
近年、電子機器の小型軽量化に伴って、電池の占めるスペースも狭くなっているにもかかわらず、電池には従来と同程度以上の性能が必要とされるため、電池の高容量化が要求されている。そのためには、電極の活物質量を増やす必要があるため、必然的に前記セパレータの占める体積が小さくならざるを得ない。既に、厚さが0.15mmの薄いセパレータが提案されているが、最近は、厚さが0.1mm以下の更に薄いセパレータが市場で要求されている。
このような要求を満足することができるセパレータとして、本出願人は「実質的に一層構造の不織布から実質的になる電池用セパレータであって、前記不織布の面密度あたりにおける繊維の見掛総表面積が20m以上であり、前記不織布の厚さが0.1mm以下であり、前記不織布の地合指数が0.15以下であり、しかも前記不織布が繊維径4μm以下の極細繊維を含んでいることを特徴とする電池用セパレータ」を提案した[特許文献1(請求項1、請求項3、請求項4など)]。
この電池用セパレータは、繊維径が4μm以下の極細繊維を含ませることによって、面密度あたりにおける繊維の見掛総表面積を広くし、薄いにもかかわらず、電解液の保持性を向上させたものである。なお、この極細繊維として、海島型複合繊維の海成分を除去して残留した島成分からなる極細繊維を使用可能であることを開示している。また、極板群にセパレータを巻回した際に極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けて短絡しにくいように、ヤング率が50cN/dtex以上の高弾性繊維を含んでいることが好ましいことを開示している。
また、特許文献2には、「少なくとも、1種類以上の樹脂成分を除去して、平均繊維径3μm以下の極細繊維Aを発生可能な除去型分割性繊維から発生した極細繊維Aと、物理的作用により分割して、極細繊維Bを発生可能な物理的分割性繊維と、この物理的分割性繊維から発生した極細繊維Bとが絡合一体化していることを特徴とする不織布」(請求項1)が開示されており、接着性複合繊維を含んでいても良いこと(段落[0036])、及び電池用セパレータ用途に使用できること(段落[0051])が開示されている。
しかしながら、この不織布の厚さを0.1mm以下と薄く、電池用セパレータとして使用しようとしても、極板群にセパレータを巻回した際に、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによって切断されやすく、短絡を発生させやすいものであった。また、絡合工程を経ていることによって最大孔径が大きく、電池使用時における電極活物質の移動による短絡が生じやすいものであった。
更に、特許文献3には、「結晶性プロピレン系重合体を芯材とし、かつ上記結晶性プロピレン系重合体以外のオレフィン系重合体を鞘材とする溶融紡糸された複合未延伸糸を延伸処理してなるものであって、破断強度が5.74cN/dTexより高く、伸度が30%以下で、かつヤング率が43.1cN/dTex以上であることを特徴とする延伸複合繊維」(請求項1)が開示されており、電池用セパレータ用途に使用できること(段落[0001])が開示されている。
しかしながら、電池用セパレータ用途に使用する場合の延伸複合繊維以外の繊維に関しては全く開示しておらず、単に延伸複合繊維を用いただけでは電池用セパレータとして使用することはできなかった。
特開2002−124239号公報 特開平10−251953号公報 特開2002−180330号公報
このような電池用セパレータの目付が50g/m以下で、厚さが0.1mm以下の薄いものを製造するために、面密度(目付)あたりにおける繊維の見掛総表面積を広くするには、極細繊維量を多くすることが好ましい。そこで、本発明者らは極細繊維量を40mass%として電池用セパレータを製造しようとしたが、極細繊維の分散性が悪く、電池用セパレータを製造することが困難であった。また、極細繊維が海島型複合繊維の海成分を除去して残留した島成分からなる極細繊維からなる場合には、一般的に極細繊維の横断面形状が円形であるため、電池製造時の圧力によって電極間の距離が短くなりやすく、短絡しやすいものであった。これらのことから、短絡防止性と電解液の保持性の点で更なる改善が求められていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、高容量化に対応するために厚さを薄くした場合であっても、短絡防止性と電解液の保持性の点で優れる電池用セパレータ、及びそれを使用した電池を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明による、「(1)繊維径が3μm以下の極細繊維、(2)繊維径(円形換算値)が3〜5μm(3μmは含まない)で、横断面形状が非円形である準極細異形繊維、及び(3)表面に融着成分を備えた、引張り強さが4.5cN/dtex以上の複合高強度ポリプロピレン系繊維を含み、前記複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分が融着した不織布を含む、電池用セパレータ」により解決することができる。このように、繊維径が3〜5μmの準極細異形繊維を含んでいることにより、一定体積における繊維の表面積をあまり低下させず、しかも横断面形状が非円形である準極細異形繊維を含んでいることにより、電池製造時等の圧力によっても電極間の距離が短くなりにくい。そのため、短絡防止性と電解液の保持性の両方の点で優れる電池用セパレータである。
本発明の電池用セパレータにおける好ましい態様によれば、極細繊維の横断面形状が円形である。このように極細繊維の横断面形状が円形であっても、短絡防止性と電解液の保持性の両方の点で優れる電池用セパレータである。
本発明の電池用セパレータにおける別の好ましい態様によれば、極細繊維が、海島型複合繊維の海成分を除去して残留した島成分からなる極細繊維である。この極細繊維は各極細繊維の繊維径がほぼ同じで、均一な孔径の孔及び均一な内部空間をもつ電池用セパレータであることができるため、電解液の分布が均一で、イオンの透過性に優れている。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、準極細異形繊維として、ポリプロピレン製準極細異形繊維、ポリエチレン製準極細異形繊維、及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体製準極細異形繊維を含む。ポリプロピレン製準極細異形繊維又はポリエチレン製準極細異形繊維であれば、耐電解液性に優れており、エチレン−ビニルアルコール共重合体製準極細異形繊維であれば、電解液の保持性に優れているため、内圧の低い電池を製造することができる。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、樹脂組成の点で異なる2種類以上の準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物を含む。準極細異形繊維同士の結合部により、電池製造時等の圧力によっても電極間の距離が更に短くなりにくいため、短絡防止性と電解液の保持性に優れている。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、不織布がポリオレフィン系繊維のみから実質的になる。この場合、耐電解液性に優れている。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、セパレータの厚さが0.1mm以下である。このように厚さが薄い場合、電池を高容量化することができる。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、セパレータの厚さ保持率が85%以上である。この場合、電池製造時等の圧力によっても電極間の距離が短くなりにくいため、短絡防止性と電解液の保持性に優れている。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、不織布中における極細繊維量が24mass%以下である。この場合、通気性が高く、密閉型二次電池用セパレータとして使用しても、内圧が上昇しにくい。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、セパレータの平均流量孔径が5〜13μmである。この場合、通気性が高く、密閉型二次電池用セパレータとして使用しても、内圧が上昇しにくい。また、電池使用時における電極活物質の移動による短絡が発生しにくい。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、セパレータの最大孔径が25μm以下である。この場合、極板群にセパレータを巻回した際に、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、また、電池使用時における電極活物質の移動による短絡が発生しにくい。
本発明の電池用セパレータにおける更に別の好ましい態様によれば、セパレータの加圧保液率が7%以上である。この場合、電解液の保持性に優れ、円滑に起電反応を行うことができる。
更に、本発明は、前記電池用セパレータを含む電池に関する。従って、高容量の電池であることができる。
本発明の電池用セパレータは、短絡防止性と電解液の保持性の両方の点で優れている。本発明の電池は高容量の電池であることができる。
本発明においては、一定体積における繊維表面積を広くして、薄くても電解液の保持性に優れるように、また、電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある)の緻密性を高めて短絡防止性に優れるように、セパレータを構成する不織布は、繊維径が3μm以下の極細繊維を含んでいる。このような極細繊維の繊維径が小さければ小さい程、前記性能により優れているため、繊維径は2μm以下であることが好ましい。他方、繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.1μm以上が更に好ましい。なお、本明細書における「繊維径」は、電子顕微鏡写真により計測して得られる値をいう。
本発明で用いる極細繊維は、海島型複合繊維の海成分を除去して残留した島成分からなる極細繊維であることができる。このような個々の極細繊維は長さ方向における繊維径がほぼ同じであるため、不織布に均一な孔径の孔及び均一な内部空間が形成され、電解液の分布が均一で、イオンの透過性に優れているためである。特に、複合紡糸法により製造した海島型複合繊維の海成分を除去して残留した島成分からなる極細繊維は、複数の極細繊維間においてもほぼ同一の繊維径を有することができ、前記性能に更に優れているため、特に好適である。なお、メルトブロー法により製造した極細繊維は、長さ方向における繊維径がほぼ同じである極細繊維、及び複数の極細繊維間においてもほぼ同一の繊維径を有することは困難である。
この海島型複合繊維の島成分は極細繊維の基であるため、極細繊維と同じ樹脂からなり、海島型複合繊維の海成分は溶媒等によって除去されるため、島成分の除去速度よりも速く除去することができる樹脂からなる。例えば、島成分がポリオレフィン系樹脂からなり、海成分がポリエステル又は共重合ポリエステルからなる海島型複合繊維は、アルカリ溶液によって海成分のみを除去して、島成分からなる極細繊維を形成することができる。
本発明の極細繊維の横断面形状は非円形であることもできるし、円形であることもできるが、円形であることが好ましい。円形であると、不織布の地合いが優れているためである。なお、極細繊維の横断面形状が円形であっても、後述の準極細異形繊維の存在によって、短絡防止性と電解液の保持性の両方の点で優れている。
なお、極細繊維の束が存在すると、極細繊維による短絡防止性に劣る傾向があるため、極細繊維は束の状態で存在せず、個々の極細繊維が分散した状態にあることが好ましい。
また、極細繊維は、セパレータの強度に優れ、電池製造時に切断したりしにくいように、延伸されていることが好ましい。本明細書における「延伸されている」とは、繊維形成後に機械的に延伸されていることを意味し、メルトブロー法により形成された繊維は延伸されていない。なお、海島型複合繊維の段階で延伸されていれば、島成分からなる極細繊維は延伸されている。
このような極細繊維は、耐電解液性に優れているように、ポリオレフィン系樹脂から構成されていることが好ましく、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、又はエチレン共重合体(例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体)など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、又はプロピレン共重合体など)、あるいはポリメチルペンテン系樹脂(例えば、ポリメチルペンテン、又はメチルペンテン共重合体など)から構成されていることができ、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂からなることが好ましい。また、ポリアミド系樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン10、ナイロン12などから構成されていることもできる。
なお、極細繊維が融着に関与することのできる樹脂成分(以下、「融着成分」ということがある)を含み、極細繊維がこの融着成分により融着していると、確実に極細繊維を固定することができ、極細繊維が脱落したり、毛羽立つことがないため好適である。この極細繊維を融着させる場合、極細繊維は前述のような樹脂からなる融着成分のみから構成することもできるし、2種類以上の成分、すなわち、融着成分とこの融着成分の融点よりも高い融点を有する成分(以下、「非融着成分」ということがある)とから構成することもできる。後者のように、極細繊維が融着成分と非融着成分との2種類以上の成分から構成されていると、融着成分を融着させても、非融着成分によって繊維形態が維持され、緻密性を維持して短絡防止性に優れているため好適である。このような極細繊維の横断面形状としては、融着力に優れているように、例えば、芯鞘型、偏芯型、又は海島型であることが好ましい。なお、非融着成分は繊維形状を維持することができるように、融着成分の融点よりも10℃以上高い融点を有することが好ましく、20℃以上高い融点を有することがより好ましい。このような融着成分と非融着成分との2種類以上の樹脂成分からなる極細繊維は、例えば、常法の複合紡糸法により海島型複合繊維を紡糸する際に、島成分を押し出す口金として、前述のような横断面形状(例えば、芯鞘型、偏芯型、又は海島型)を形成することのできる口金を使用して海島型繊維を紡糸するか、あるいは、常法の複合紡糸法により海島型複合繊維を紡糸する際に、2種類以上の樹脂成分を混合した樹脂を、島成分押出用口金に供給して海島型繊維を紡糸し、海成分を除去することにより得ることができる。
本明細書における「融点」は、示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。なお、極大値が2つ以上存在する場合には、最も高温の極大値を融点とする。
本発明で用いる極細繊維の繊維長は、特に限定されるものではないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、均一に分散することができ、より地合いの優れる不織布であることができるため、0.1〜25mm(より好ましくは0.1〜20mm)であることが好ましい。
前記の極細繊維は、不織布中に、2mass%以上の量で含まれていれば前述のような効果を発揮しやすく、5mass%以上の量で含まれていることがより好ましく、10mass%以上の量で含まれていることが更に好ましい。他方で、極細繊維量が多くなると、極細繊維の分散性が低下し、本来の作用である短絡防止性を発揮できなくなる傾向があるため、不織布の30mass%以下であることが好ましく、25mass%以下であることがより好ましく、24mass%以下であることが更に好ましく、22mass%以下であることが更に好ましく、20mass%以下であることが特に好ましい。
本発明のセパレータに含まれる不織布は、繊維径、繊維長、及び/又は樹脂組成の点で異なる極細繊維を2種類以上含むこともできる。
本発明のセパレータを構成する不織布においては、上述のような極細繊維を単独で使用した場合に生じる弊害を取り除くために、繊維径(円形換算値)が3〜5μm(3μmは含まない)で、横断面形状が非円形である準極細異形繊維を含んでいる。つまり、電池製造時等の圧力によっても潰れ難くして、短絡防止性と電解液の保持性の両方の点を高めている。
準極細異形繊維は一定体積における繊維の表面積が小さくならないように、繊維径が5μm以下であり、4.5μm以下であることがより好ましい。他方、準極細異形繊維がその形状を維持して圧力に対して抗することができるように、繊維径は3μmを超え、3.5μm以上であることがより好ましい。なお、準極細異形繊維の横断面形状は非円形であるため、準極細異形繊維の繊維径は横断面積と同じ面積をもつ円の直径を繊維径とする。
準極細異形繊維は電池製造時等の圧力によっても潰れにくいように、横断面形状は非円形である。例えば、長円形状、楕円形状、多角形状(例えば、三角形状、台形状などの四角形状、五角形状、六角形状など)であることができ、特に、三角形状、台形状であることが好ましい。このような準極細異形繊維は、例えば、樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維に外力を作用させることによって発生させることができる。より具体的には、図1に示すようなオレンジ型の横断面形状を有する分割型複合繊維1に外力を作用させることにより、樹脂成分11からなる三角形状の準極細異形繊維及び樹脂成分12からなる三角形状の準極細異形繊維を発生させることができる。図2に示すようなオレンジ型の横断面形状を有する分割型複合繊維1に外力を作用させることにより、樹脂成分11からなる楕円形状の準極細異形繊維と樹脂成分12からなる三角形状の準極細異形繊維とを発生させることができる。図3に示すようなオレンジ型の横断面形状を有する分割型複合繊維1に外力を作用させることにより、樹脂成分11からなる三角形状の準極細異形繊維、樹脂成分12からなる三角形状の準極細異形繊維、及び樹脂成分12からなる円形状の準極細異形繊維を発生させることができる。図4に示すようなオレンジ型の横断面形状を有する分割型複合繊維1に外力を作用させることにより、樹脂成分11からなる楕円形状の準極細異形繊維、樹脂成分12からなる三角形状の準極細異形繊維、及び樹脂成分11からなる円形状の準極細異形繊維を発生させることができる。図5に示すような多重バイメタル型の横断面形状を有する分割型複合繊維1に外力を作用させることにより、樹脂成分11又は樹脂成分12からなる台形状の準極細異形繊維と樹脂成分11又は樹脂成分12からなる半円形状の準極細異形繊維とを発生させることができる。図6に示すようなオレンジ型の横断面形状を有し、且つ中空部分を有する分割型複合繊維1に外力を作用させることにより、樹脂成分11からなる台形状の準極細異形繊維、及び樹脂成分12からなる台形状の準極細異形繊維を発生させることができる。なお、外力としては、例えば、水流などの流体流、カレンダー、レファイナー、パルパー、ミキサー、ビーターなどを挙げることができる。また、準極細異形繊維は、異形断面形状の繊維を紡糸することができる紡糸口金を使用することによって得ることもできる。
本発明の準極細異形繊維は耐電解液性に優れるように、極細繊維と同様のポリオレフィン系樹脂から構成されていることが好ましい。つまり、ポリエチレン系樹脂[例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、又はエチレン共重合体(例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体)など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、又はプロピレン共重合体など)、あるいはポリメチルペンテン系樹脂(例えば、ポリメチルペンテン、又はメチルペンテン共重合体など)から構成されていることができる。特に、ポリプロピレン製準極細異形繊維又はポリエチレン製準極細異形繊維を含んでいると、耐電解液性に優れており、エチレン−ビニルアルコール共重合体製準極細異形繊維を含んでいると、電解液の保持性に優れているため、内圧の低い電池を製造することができる。なお、準極細異形繊維は樹脂組成、繊維径、繊維長の少なくとも1点で相違する準極細異形繊維を2種類以上含むことができる。また、ポリアミド系樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン10、ナイロン12から構成されていることもできる。
この準極細異形繊維もセパレータの強度に優れ、電池製造時に切断したりしにくいように、延伸されていることが好ましい。なお、分割型複合繊維の段階で延伸されていれば、発生した準極細異形繊維は延伸されている。
本発明で用いる準極細異形繊維の繊維長は特に限定されるものではないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、均一に分散することができ、より地合いの優れる不織布であることができるため、0.1〜25mm(より好ましくは0.1〜20mm)であることが好ましい。
このような準極細異形繊維は、不織布中に、5mass%以上の量で含まれていれば前述のような効果を発揮しやすく、10mass%以上の量で含まれていることがより好ましく、15mass%以上の量で含まれていることが更に好ましい。他方で、後述の複合高強度ポリプロピレン系繊維による不織布強度に優れるように、不織布の88mass%以下であることが好ましく、75mass%以下であることがより好ましく、60mass%以下であることが更に好ましく、50mass%以下であることが特に好ましい。
本発明のセパレータに含まれる不織布においては、前述のような極細繊維、準極細異形繊維に加えて、表面に融着成分を備えた、引張り強さが4.5cN/dtex以上の複合高強度ポリプロピレン系繊維を含み、この複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分が融着している。そのため、厚さの薄いセパレータであっても、極板群にセパレータを巻回した際に極板によってセパレータが切断されたり、極板のバリがセパレータを突き抜けて短絡するなどの弊害を生じることなく、電池を製造することができる。
この複合高強度ポリプロピレン系繊維は引張り強さが強ければ強いほど、前記性能に優れているため、引張り強さは5.0cN/dtex以上であることが好ましく、5.5cN/dtex以上であることが更に好ましく、6.0cN/dtex以上であることが更に好ましく、6.2cN/dtex以上であることが更に好ましい。引張り強さの上限は特に限定するものではないが、50cN/dtex程度が適当である。本発明における「引張り強さ」は、JIS L 1015:1999、8.7.1(標準時試験)に則り、定速緊張形引張試験機を使用し、つかみ間隔20mm、引張り速度20mm/分の条件下での値をいう。
本発明の複合高強度ポリプロピレン系繊維は、ポリプロピレン系成分に加えて、融着成分を表面に備えている。そのため、複合高強度ポリプロピレン系繊維自体が融着して不織布を構成することができるため、効果的に短絡を防止することができる。
このポリプロピレン系成分は、プロピレンの単独重合体であることもできるし、プロピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1など)との共重合体であることもできる。より具体的には、例えば、結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、更に、前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部または共重合部が、更にブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などを挙げることができる。これらの中でもアイソタクチックポリプロピレン単独重合体が強度の点から好適であり、特に、アイソタクチックペンタッド分率(IPF)が90%以上、分子量分布の指標であるQ値(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn比)が6以下、メルトインデックスMI(温度230℃、荷重2.16kg)が3〜50g/10分であることが好ましい。このようなポリプロピレン系成分は、チーグラー・ナッタ型触媒、あるいはメタロセン系触媒などを用いて、プロピレンを単独重合又はプロピレンと他のα−オレフィンとを共重合させて得ることができる。
他方、融着成分は、融着する際にポリプロピレン系成分に影響を与えず、ポリプロピレン系成分によって繊維形態を維持することができるように、融着成分はポリプロピレン系成分よりも10℃以上融点が低いことが好ましく、20℃以上低いことがより好ましい。融着成分として、例えば、エチレン系重合体(例えば、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなど)、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などを挙げることができる。これらの中でも、エチレン系重合体からなることが好ましく、特に、高密度ポリエチレンは、ある程度硬く、張りや腰のあるセパレータとすることができ、取り扱い性に優れるセパレータとすることができるため好適である。
本発明の複合高強度ポリプロピレン系繊維は融着成分を繊維表面に備えているが、繊維表面における融着成分の占める割合が高ければ高いほど、融着に関与することができる融着成分が多く、機械的強度の優れるセパレータであることができるため、融着成分は繊維表面の50%以上を被覆している(両端部を除く)ことが好ましく、70%以上を被覆している(両端部を除く)ことがより好ましく、90%以上を被覆している(両端部を除く)ことが更に好ましく、繊維表面全体を被覆している(両端部を除く)ことが最も好ましい。そのため、複合高強度ポリプロピレン系繊維の横断面における各成分の配置状態としては、芯鞘型、偏芯型、海島型であることが好ましい。
本発明の複合高強度ポリプロピレン系繊維は、圧力によっても変形しにくく、より電解液の保持性に優れるセパレータであることができるように、ヤング率が30cN/dtex以上であることが好ましく、35cN/dtex以上であることがより好ましく、40cN/dtex以上であることが更に好ましい。なお、ヤング率の上限は特に限定するものではないが、110cN/dtex以下であることが好ましい。この「ヤング率」はJIS L 1015:1999、8.11項に規定されている方法により測定した初期引張抵抗度から算出した見掛ヤング率の値をいう。なお、初期引張抵抗度は定速緊張形試験機によって測定した値をいう。
本発明の複合高強度ポリプロピレン系繊維の熱収縮率は10%以下であることが好ましい。このような熱収縮率であると、複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分を融着させて不織布を形成する際に収縮しにくいため、繊維の均一分散性が維持されて、短絡防止性に優れているためである。より好ましい熱収縮率は9%以下である。この熱収縮率はJIS L 1013の熱収縮率(B法)に基づき、温度120℃のオーブン乾燥機を用い、30分間熱処理して測定した値をいう。
本発明の複合高強度ポリプロピレン系繊維の繊維径は特に限定されるものではないが、5〜32μmであることがより好ましく、8〜17μmであることが更に好ましい。複合高強度ポリプロピレン系繊維の繊維径が5μm未満であると、極板のバリが突き抜けたり、極板のエッジによって引き裂かれて短絡しやすい傾向があり、複合高強度ポリプロピレン系繊維の繊維径が32μmを越えると、複合高強度ポリプロピレン系繊維の分散がバラツキやすくなり、緻密性が損なわれ易い傾向があるためである。
本発明の複合高強度ポリプロピレン系繊維の繊維長は特に限定されるものではないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、均一に分散することができ、より地合いの優れる不織布であることができるため、0.1〜25mm(より好ましくは0.1〜20mm)であることが好ましく、0.1〜25mm(より好ましくは0.1〜20mm)に切断されていることが好ましい。
このような本発明で用いる複合高強度ポリプロピレン系繊維は、例えば、特開2002−180330号公報に記載の方法により製造することができる。つまり、繊維表面に融着成分を備えた複合ポリプロピレン系未延伸糸を常法の溶融紡糸法により形成した後、100℃以上で、かつ融着成分の融点未満の温度を有する加圧飽和水蒸気中で、4〜15倍延伸することにより得ることができる。
なお、本発明のセパレータを構成する不織布においては、複合高強度ポリプロピレン系繊維は繊維径又は繊維長の点において相違する、2種類以上の複合高強度ポリプロピレン系繊維を含むことができる。
このような複合高強度ポリプロピレン系繊維は、不織布中に、10mass%以上の量で含まれていれば前述のような効果を発揮しやすく、20mass%以上の量で含まれていることがより好ましく、30mass%以上の量で含まれていることが更に好ましく、40mass%以上の量で含まれていることが特に好ましい。他方で、極細繊維及び準極細異形繊維との兼ね合いから、不織布の93mass%以下であることが好ましく、85mass%以下であることがより好ましく、70mass%以下であることが更に好ましい。
本発明のセパレータに含まれる不織布は上述のような極細繊維、準極細異形繊維及び複合高強度ポリプロピレン系繊維を含むものであるが、これら繊維以外に、繊維径が3μmを超える横断面形状が円形の繊維、繊維径が5μmを超える繊維、単一樹脂成分からなる引張り強さが4.5cN/dtex以上の繊維、表面に融着成分を備えた引張り強さが4.5cN/dtex未満の繊維、及び/又は、樹脂組成の点で異なる2種類以上の準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物などを含んでいることができる。特に、前記パルプ状物は、準極細異形繊維同士の結合部の存在により圧縮されにくいため、電池製造時等の圧力によっても電極間の距離が短くなりにくく短絡防止性に優れており、しかも準極細異形繊維のフィブリルの存在によって電解液の保持性にも優れているため好適である。このようなパルプ状物は前述の準極細異形繊維を形成することのできる、樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維に外力を作用させ、不充分に分割することによって得ることができる。つまり、分割型複合繊維の分割した部分が準極細異形繊維のフィブリルを形成するとともに、分割型複合繊維の分割していない部分が準極細異形繊維同士の結合部分を構成する。
本発明のセパレータを構成する不織布は上述のような繊維から構成されているが、実質的にポリオレフィン系繊維のみから構成されていることが好ましい。耐電解液性に優れ、自己放電の原因といわれているアンモニアを発生することもないためである。なお、「ポリオレフィン系繊維」とは、繊維全体がポリオレフィン系樹脂のみからなる繊維だけではなく、少なくとも繊維表面全体(両端を除く)がポリオレフィン系樹脂から構成されている繊維も含む。耐電解液性に影響を与える部分は繊維表面であるからである。例えば、ポリアミド樹脂とポリオレフィン系樹脂とからなる複合繊維であって、繊維表面全体(両端を除く)がポリオレフィン系樹脂から構成されている繊維は、ポリオレフィン系繊維に相当する。したがって、「実質的にポリオレフィン系繊維のみから構成されている」とは、上記のようなポリオレフィン系繊維のみから構成されていることをいう。
このようにセパレータが実質的にポリオレフィン系樹脂のみから構成されていると、電解液の保持性が悪くなる傾向があるため、セパレータの構成材料(例えば、繊維)の表面には、酸素及び/又は硫黄含有官能基(例えば、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホフルオライド基、水酸基、カルボキシル基、又はカルボニル基など)が導入されていたり、親水性モノマーがグラフト重合されていたり、界面活性剤が付与されていたり、或いは親水性樹脂が付与されていることが好ましい。
本発明のセパレータは、前述のような極細繊維及び準極細異形繊維を含む不織布を含んでいることによって、厚さの薄いものであることができる。より具体的には、厚さとしては0.1mm以下であることができ、0.095mm以下であることができる。また、目付は50g/m以下であることができ、48g/m以下であることができる。本発明における「厚さ」はJIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)を用いて、JIS C2111 5.1(1)の測定法で、無作為に選んで測定した10点の平均値を意味し、「目付」はJIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量を意味する。
本発明のセパレータは準極細異形繊維及び複合高強度ポリプロピレン系繊維を含んでいることによって、電池製造時等の圧力によっても電極間の距離が短くなりにくく、短絡防止性と電解液の保持性の両方の点で優れている。より具体的には、以下に定義される「厚さ保持率」が85%以上(好ましくは88%以上)の、圧力によっても潰れにくいものである。
すなわち、マイクロメーター(心棒の直径:6.35mm)により、セパレータの200g荷重時における厚さ(T200)を測定する。次いで、セパレータの1000g荷重時における厚さ(T1000)をマイクロメーターにより測定する。そして、1000g荷重時における厚さ(T1000)の200g荷重時における厚さ(T200)に対する百分率を厚さ保持率(Tr)とする。
Tr=(T1000/T200)×100
本発明においては、セパレータの平均流量孔径は5〜13μmであることが好ましく、5〜11μmであることがより好ましい。平均流量孔径が5μm未満であると、通気性が悪く、密閉型二次電池に使用した場合には内圧が上昇してしまう傾向がある。他方、平均流量孔径が13μmを超えると、電池使用時における電極活物質の移動による短絡が発生しやすい傾向がある。
セパレータの最大孔径は25μm以下であることが好ましい。最大孔径が25μmを超えると、極板群にセパレータを巻回した際に、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、また、電池使用時に電極活物質の移動による短絡が発生しやすい傾向がある。より好ましい最大孔径は20μm以下であり、更に好ましくは18μm以下である。なお、最大孔径は平均流量孔径以上である。このような最大孔径は、単に流体流(特に水流)絡合した場合には得られない値である。
セパレータの加圧保液率は、7%以上であることが好ましい。加圧保液率が7%未満であると、電解液不足により円滑に起電反応を行うことができず、電池寿命が短くなる傾向がある。
本発明のセパレータはセパレータ全体に均一に電解液を保持して、内部抵抗が低く、高容量の電池を製造することができるように、同一の繊維配合からなる不織布のみから構成されていることが好ましい。しかしながら、微孔フィルム等の別の多孔質体を含んでいることもできる。
本発明のセパレータは、例えば、一次電池(例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、リチウム電池、又は空気電池など)のセパレータ、あるいは、二次電池(例えば、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、鉛蓄電池、又はリチウムイオン電池など)のセパレータとして好適に使用することができ、特にニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池のセパレータとして好適である。
本発明のセパレータを構成する不織布は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、少なくとも極細繊維、樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維及び複合高強度ポリプロピレン系繊維を用意する。なお、前述の通り、これら繊維はいずれもポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
次いで、用意した繊維から繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法は特に限定するものではないが、乾式法(例えば、カード法、エアレイ法など)や湿式法により形成することができる。これらの中でも繊維が均一に分散して電解液を均一に保持しやすい不織布を製造しやすい湿式法により形成することが好ましい。この湿式法としては、従来公知の方法、例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式により形成することができる。
次いで、この繊維ウエブに対して流体流(特に水流)を噴出して、分割型複合繊維の一部又は全部を分割して準極細異形繊維を発生させる。なお、流体流を作用させることによって、極細繊維、準極細異形繊維及び複合高強度ポリプロピレン系繊維が絡合し、不織布の機械的強度が向上する効果も奏する。このように流体流を噴出して準極細異形繊維を発生させた場合、流体流が作用しにくい領域(例えば、ノズル間、繊維ウエブ内部など)が存在するため、準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物が形成されやすい。なお、分割型複合繊維もポリオレフィン系樹脂から構成されていることが好適であり、分割型複合繊維がポリオレフィン系樹脂のみから構成されている(特に、ポリプロピレンとポリエチレンからなる場合)と、分割型複合繊維が分割しにくく、準極細異形繊維を発生しにくい傾向があるため、複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分を融着させた後(場合により分割型複合繊維の最も融点の低い樹脂成分も融着させる)、流体流を作用させることが好ましい。このように融着後に流体流を作用させると、流体流を作用させても、最大孔径が25μm以下の不織布、ひいては、最大孔径が25μm以下のセパレータを製造しやすい。
流体流の条件としては、分割型複合繊維の一部又は全部を分割して準極細異形繊維を発生させることのできる条件であれば特に限定されるものではなく、適宜実験を繰り返すことによって、その条件を設定することができる。一般的には、直径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2〜3mmで一列又は二列以上にノズルを配置したノズルプレートから、圧力1MPa〜30MPaの流体流を繊維ウエブに対して噴出することにより準極細異形繊維を発生させることができる。このような流体流は1回以上、繊維ウエブの片面又は両面に対して噴出することができる。なお、流体流を噴出する際に、繊維ウエブを支持する支持体(例えば、ネットなど)の非開孔部が太いと、得られる不織布も大きな孔を有するものとなり(最大孔径が大きくなり)、短絡が生じやすくなるので、非開孔部の太さが0.25mm以下の支持体を使用することが好ましい。
次いで、準極細異形繊維を発生させた繊維ウエブを加熱し、複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分を融着させて、不織布を製造することができる。なお、加熱温度は融着成分が融着する温度である限り、特に限定するものではないが、融着成分の融点よりも5℃低い温度から融着成分の融点よりも20℃高い温度の範囲内で、3秒から20秒間、熱風を通過させ、無圧下で熱処理することが好ましく、融着成分の融点よりも3℃高い温度から融着成分の融点よりも20℃高い温度の範囲内で、3秒から20秒間、繊維ウエブをコンベア等の支持体の下方から吸引して支持体と密着させた状態で、熱風を通過させ、無圧下で熱処理することがより好ましい。このような条件で熱処理することによって、機械的強度に優れ、しかも電解液の保持性に優れる多空隙の状態の不織布とすることができる。しかしながら、複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分の融着は加圧下で行なうこともできるし、無圧下で融着成分を溶融させた後に加圧することもできる。
このようにして製造した不織布は耐電解液性に優れているように、実質的にポリオレフィン系繊維のみから構成されていることが好ましいため、電解液の保持性を向上させるために、親水化処理を実施することが好ましい。この親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、界面活性剤処理、放電処理、或いは親水性樹脂付与処理などを挙げることができる。
スルホン化処理としては、特に限定するものではないが、例えば、発煙硫酸、硫酸、三酸化イオウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリルからなる溶液中に前述のような不織布を浸漬してスルホン酸基を導入する方法や、一酸化硫黄ガス、二酸化硫黄ガス或いは三酸化硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させて不織布にスルホン酸基等を導入する方法等がある。
フッ素ガス処理についても、特に限定するものではないが、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫黄ガスなどの中から選んだ少なくとも1種類のガスとの混合ガスに、不織布をさらすことにより不織布の繊維表面にスルホフルオライド基等を導入して親水化することができる。なお、不織布に二酸化硫黄ガスをあらかじめ付着させた後に、フッ素ガスを接触させると、より効率的に恒久的な親水性を付与することができる。
ビニルモノマーのグラフト重合としては、ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、或いはスチレンを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性を付与するために、スルホン化することが好ましい。これらの中でも、アクリル酸は電解液との親和性に優れているため好適に使用することができる。これらビニルモノマーの重合方法としては、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に不織布を浸漬して加熱する方法、不織布にビニルモノマーを塗布した後に放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を不織布に含浸した後に紫外線を照射する方法などがある。なお、ビニルモノマー溶液と不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、又はプラズマ放電などにより、不織布表面を改質処理すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高くなるため、効率的にグラフト重合を行うことができる。
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中に不織布を浸漬したり、この溶液を不織布に塗布又は散布して付着させることができる。
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理、紫外線処理又は電子線処理などがある。これら放電処理の中でも、空気中の大気圧下で、それぞれが誘電体を担持する一対の電極間に、これら両方の誘電体と接触するように不織布を配置し、これら両電極間に交流電圧を印加し、不織布内部空隙で放電を発生させる方法を利用すると、不織布の外側だけではなく、不織布の内部を構成する繊維表面も処理することができる。したがって、こうした方法で処理した不織布をセパレータとして用いると、その内部における電解液の保持性に優れている。
親水性樹脂付与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアルコール、又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶媒中に不織布を浸漬したり、この溶媒を不織布に塗布又は散布し、乾燥して付着させることができる。なお、親水性樹脂の付着量は、通気性を損なわないように、不織布全体の0.3〜5mass%であることが好ましい。この架橋可能なポリビニルアルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的には、スチリルピリジニウム系感光性基、スチリルキノリニウム系感光性基、又はスチリルベンゾチアゾリウム系感光性基で置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして不織布に付着させた後、光照射によって架橋させることができる。このような水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールは耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレートを形成可能な水酸基を多く含んでおり、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を生じにくいので好適に使用することができる。
以上、本発明のセパレータを構成する不織布の製造方法について説明したが、本発明は上述の方法に限定されない。例えば、少なくとも極細繊維、準極細異形繊維及び複合高強度ポリプロピレン系繊維を用意した後に、上述と同様に繊維ウエブを形成し、流体流を作用させることなく、上述と同様に複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分を融着させて、不織布を製造することができる。この場合も同様の親水化処理を実施することが好ましい。なお、準極細異形繊維は、例えば、樹脂組成の異なる2種類以上の樹脂からなる分割型複合繊維に対し、レファイナー、パルパー、ミキサー、ビーターなどにより外力を作用させることにより形成することができる。この際に、不充分な外力を作用させれば、準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物を形成することができる。このように準極細異形繊維を用いて繊維ウエブを形成すると、流体流などによる絡合作用によって繊維ウエブの地合いが乱れにくいため、緻密性に優れる不織布であることができ、短絡防止性により優れており、好適な製造方法である。つまり、この製造方法によれば、平均流量孔径及び最大孔径の小さい不織布、ひいては、平均流量孔径及び最大孔径の小さいセパレータを製造しやすい。
不織布の加圧保液率を7%以上とするには、極細繊維量と準極細異形繊維量の調整、湿式法により形成、及び親水化処理を併用するなどの製造条件を適宜調整することにより、製造しやすい。なお、上述の不織布以外の多孔質体も含むセパレータは、繊維ウエブを加熱する前、親水処理化の前、又は親水化処理の後に、不織布と一体化して製造することができる。
本発明の電池は、上述のようなセパレータを備えていること以外は、従来の電池と全く同様であることができる。
例えば、円筒型ニッケル−水素電池は、ニッケル正極板と水素吸蔵合金負極板とを、前述のようなセパレータを介して渦巻き状に巻回した極板群を金属のケースに挿入した構造を有する。前記ニッケル正極板としては、例えば、スポンジ状ニッケル多孔体に水酸化ニッケル固溶体粉末からなる活物質を充填したものを使用することができ、水素吸蔵合金負極板としては、例えば、ニッケルメッキ穿孔鋼板、発泡ニッケル、或いはニッケルネットに、AB系(希土類系)合金、AB/AB系(Ti/Zr系)合金、或いはAB(Laves相)系合金を充填したものを使用することができる。なお、電解液として、例えば、水酸化カリウム/水酸化リチウムの二成分系のもの、或いは水酸化カリウム/水酸化ナトリウム/水酸化リチウムの三成分系のものを使用することができる。また、前記ケースは安全弁を備えた封口板により、絶縁ガスケットを介して封口されている。更に、正極集電体や絶縁板を備えており、必要であれば負極集電体を備えている。
なお、本発明の電池は円筒形である必要はなく、角型、ボタン型などであることができる。角型の場合には、正極板と負極板との間にセパレータが配置された積層構造を有する。また、密閉型であることも、開放型であることもできる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
ポリエチレンテレフタレートからなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が61個存在する、複合紡糸法により紡糸した後に切断した海島型複合繊維(繊度:1.65dtex、繊維長:2mm)を用意した。次いで、この海島型複合繊維を、温度80℃、10mass%水酸化ナトリウム水溶液からなる浴中に60分間浸漬し、海島型複合繊維の海成分を除去して、島成分からなるポリプロピレン極細繊維(繊維径:2μm、融点:172℃、繊維長:2mm、フィブリル化していない、延伸されている、繊維の長さ方向に同じ直径を有する、繊維間の直径も同じ、横断面形状:円形)を製造した。
また、図1に示すようなオレンジ状断面を有する、ポリプロピレン成分とエチレン−ビニルアルコール共重合成分とからなる、繊度3.3dtex、繊維長6mmの分割型複合繊維1(延伸されている、横断面が三角形状で、繊維径が5μmのポリプロピレン準極細異形繊維と、横断面が三角形状で、繊維径が5μmのエチレン−ビニルアルコール共重合準極細異形繊維をそれぞれ8本発生可能)を用意した。そして、この分割型複合繊維1を水に分散させ、パルパーにより分割して、ポリプロピレン準極細異形繊維、エチレン−ビニルアルコール共重合準極細異形繊維、及びポリプロピレン準極細異形繊維とエチレン−ビニルアルコール共重合準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物とが混在した混合スラリーを形成した。
更に、芯成分がポリプロピレン(融点:168℃)からなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、引張り強さが6.5cN/dtexの複合高強度ポリプロピレン系繊維(繊維径:10μm、繊維長:5mm、ヤング率:45cN/dtex、熱収縮率:7%)を用意した。
次いで、ポリプロピレン極細繊維20mass%と、混合スラリー(繊維量)15mass%と、複合高強度ポリプロピレン系繊維65mass%とを混合分散させたスラリーを形成し、湿式抄造法により、いずれの繊維も均一に分散した湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この湿式繊維ウエブをコンベアの下方から吸引して支持体と密着させた状態で、温度145℃の熱風を10秒間通過させる熱処理を無圧下で実施し、複合高強度ポリプロピレン系繊維の鞘成分である高密度ポリエチレンのみを融着させて、融着不織布を形成した。
そして、この融着不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を行い、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《実施例2》
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維、分割型複合繊維、及び複合高強度ポリプロピレン系繊維を用意した。
次いで、ポリプロピレン極細繊維20mass%と、分割型複合繊維15mass%と、複合高強度ポリプロピレン系繊維65mass%とを混合分散させたスラリーを形成し、湿式抄造法により、いずれの繊維も均一に分散した湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この湿式繊維ウエブを温度145℃で熱処理することにより、複合高強度ポリプロピレン系繊維の高密度ポリエチレン成分のみを融着し、融着繊維ウエブを形成した。
次いで、この融着繊維ウエブを線径0.15mmのネット上に載置し、ノズル径0.13mm、ピッチ0.6mmのノズルプレートから圧力12.7MPaの水流を両面交互に2回ずつ噴出して、分割型複合繊維を分割し、分割融着繊維ウエブを形成した。
その後、この分割融着繊維ウエブをコンベアの下方から吸引して支持体と密着させた状態で、温度145℃の熱風を10秒間通過させる熱処理を無圧下で実施し、複合高強度ポリプロピレン系繊維の鞘成分である高密度ポリエチレンのみを融着させて、融着不織布を形成した。
そして、この融着不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を行い、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。このセパレータはポリプロピレン極細繊維、複合高強度ポリプロピレン系繊維に加え、分割型複合繊維から発生したポリプロピレン準極細異形繊維、エチレン−ビニルアルコール共重合準極細異形繊維、及びポリプロピレン準極細異形繊維とエチレン−ビニルアルコール共重合準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物を含んでいた。
《比較例1》
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維30mass%と、複合高強度ポリプロピレン系繊維70mass%とを混合分散させたスラリーを形成し、湿式抄造法により、いずれの繊維も均一に分散した湿式繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様に、融着処理、カレンダー処理、フッ素ガス処理を行い、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《比較例2》
実施例1と同じ混合スラリー(繊維量)50mass%と、複合高強度ポリプロピレン系繊維50mass%とを混合分散させたスラリーを形成し、湿式抄造法により、いずれの繊維も均一に分散した湿式繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と全く同様に、融着処理、カレンダー処理、フッ素ガス処理を行い、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《実施例3》
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維と、図6に示すようなオレンジ状断面かつ中空部を有するポリプロピレン成分と高密度ポリエチレン成分とからなる繊度1.7dtex、繊維長5mmの分割型複合繊維(延伸されている、横断面が略台形状で、繊維径が3.9μmのポリプロピレン準極細異形繊維と、横断面が略台形状で、繊維径が3.8μmの高密度ポリエチレン準極細異形繊維をそれぞれ8本ずつ発生可能)を用意した。そして、この分割型複合繊維を水に分散させ、パルパーにより分割して、ポリプロピレン準極細異形繊維、高密度ポリエチレン準極細異形繊維、及びポリプロピレン準極細異形繊維と高密度ポリエチレン準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物とが混在した混合スラリー、及び実施例1と同じ複合高強度ポリプロピレン系繊維を用意した。
次いで、ポリプロピレン極細繊維20mass%、混合スラリー(繊維量)40mass%、複合高強度ポリプロピレン系繊維40mass%とを混合分散させたスラリーを用いた以外は実施例1と同様にして、湿式繊維ウエブの形成及び融着処理を実施して融着不織布を形成した。
そして、この融着不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO溶液)中に2分間浸漬した後、充分に水洗し、乾燥してスルホン化処理を実施して、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《実施例4》
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維15mass%、実施例1と同じ混合スラリー(繊維量)20mass%、実施例1と同じ複合高強度ポリプロピレン系繊維65mass%とを混合分散させたスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、湿式繊維ウエブの形成、融着処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を実施して、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《実施例5》
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維10mass%、実施例1と同じ混合スラリー(繊維量)30mass%、実施例1と同じ複合高強度ポリプロピレン系繊維60mass%とを混合分散させたスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、湿式繊維ウエブの形成、融着処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を実施して、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《比較例3》
実施例1と同様にして、湿式繊維ウエブを形成した。
次いで、この湿式繊維ウエブを線径0.15mmのネット上に載置し、ノズル径0.13mm、ピッチ0.6mmのノズルプレートから圧力10.2MPaの水流を両面交互に2回ずつ噴出して、分割型複合繊維を分割し、分割繊維ウエブを形成した。
その後、実施例1と同様に複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《比較例4》
実施例1と同じポリプロピレン極細繊維、実施例1と同じ混合スラリー、及び芯成分がポリプロピレン(融点:165℃)からなり、鞘成分が高密度ポリエチレン(融点:135℃)からなる、引張り強さが4.2cN/dtexの複合ポリプロピレン系繊維(繊維径:10.6μm、繊維長:5mm、ヤング率:38cN/dtex、熱収縮率:7%)を用意した。
次いで、ポリプロピレン極細繊維20mass%、混合スラリー(繊維量)15mass%、複合ポリプロピレン系繊維65mass%とを混合分散させたスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様に、湿式繊維ウエブの形成、融着処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を実施して、目付40g/m、厚さ0.1mmのセパレータを製造した。
《評価》
(平均流量孔径の測定)
各セパレータの平均流量孔径を、ポロメータ[Porometer、コールター(Coulter)社製]を用いて、ミーンフローポイント法により測定した。この測定は1つのセパレータに対して5回行ない、その平均を平均流量孔径とした。この結果は表1に示す通りであった。
(最大孔径の測定)
各セパレータの最大孔径を、ポロメータ[Porometer、コールター(Coulter)社製]を用いて、バブルポイント法により測定した。この測定は1つのセパレータに対して5回行ない、その平均を最大孔径とした。この結果は表1に示す通りであった。
(厚さ保持率の測定)
マイクロメーター(心棒の直径:6.35mm)により、各セパレータの200g荷重時における厚さ(T200)をそれぞれ測定した。次いで、各セパレータの1000g荷重時における厚さ(T1000)をマイクロメーターによりそれぞれ測定した。そして、1000g荷重時における厚さ(T1000)の200g荷重時における厚さ(T200)に対する百分率をそれぞれ算出し、厚さ保持率(Tr)とした。この測定は1つのセパレータに対して4回行ない、その平均を厚さ保持率とした。この結果は表1に示す通りであった。
Tr=(T1000/T200)×100
(加圧保液率の測定)
直径30mmに裁断した各セパレータをそれぞれ、温度20℃、相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至らせた後、質量(M)を測定した。次に、セパレータ中の空気を水酸化カリウム水溶液で置換するように、比重1.3(20℃)の水酸化カリウム水溶液中に1時間浸漬し、水酸化カリウム水溶液をそれぞれ保持させた。次に、各セパレータを上下3枚ずつのろ紙(直径=30mm)で挟み、加圧ポンプにより、5.7MPaの圧力を30秒間作用させた後、各セパレータの質量(M)を測定した。次いで、次の式にから加圧保液率を算出した。この測定は1つのセパレータに対して4回行ない、その平均を加圧保液率とした。この結果は表1に示す通りであった。
加圧保液率(%)={(M−M)/M}×100
(電池製造時の不良率の評価)
電池の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(41mm、70mm長)とペースト式水素吸蔵合金負極(ミッシュメタル系合金、40mm、100mm長)とを作製した。
次いで、42mm巾、176mm長に裁断した実施例1〜5及び比較例1〜4の各セパレータを、それぞれ正極と負極との間に挟み込み、渦巻状に巻回して電極群を10000個作製した。この時に、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによって切断された結果、短絡してしまい、電池を製造することができなかった割合を、電池製造時の不良率とした。この結果は表1に示す通りであった。
(サイクル寿命試験)
まず、電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(41mm、70mm長)とペースト式水素吸蔵合金負極(ミッシュメタル系合金、40mm、100mm長)とを作製した。
次いで、42mm巾、176mm長に裁断した実施例1〜5及び比較例1〜4の各セパレータを、それぞれ正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して電極群を作製した。この電極群を外装缶に収納し、電解液として5N水酸化カリウムおよび1N水酸化リチウムを外装缶に注液し、封缶して円筒形ニッケル−水素電池(AA1600mAh)を作製した。
次いで、それぞれの円筒形ニッケル−水素電池の活性化を行った後、充電率0.1Cで120%充電し、15分間休止し、終止電圧0.8Vになるまで放電率0.2Cで放電させることを1サイクルとする充放電を繰り返し、放電容量が初期容量の80%未満となるまでに要する充放電サイクル数を測定した。この充放電サイクル数の測定は各セパレータとも10個作製し、その算術平均値を算出した。この結果は表1に示す通りであった。
Figure 2006236991
実施例1、2と比較例1との比較から、準極細異形繊維を含むセパレータは厚さ保持率が高いため、加圧保液率が高く、電極群作製時の圧力によっても潰れにくいため不良率が低く、また、充放電によって電極が膨張・収縮する圧力によっても潰れにくいため、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるとともに、絶縁性を維持して短絡を防止でき、寿命の長い電池を作製できるものであった。
また、実施例1、2と比較例2との比較から、極細繊維を含むセパレータは厚さ保持率が高く、電極群作製時の圧力によっても潰れにくいため、不良率が低く、また、充放電によって電極が膨張・収縮する圧力によっても潰れにくいため、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるとともに、絶縁性を維持して短絡を防止でき、寿命の長い電池を作製できるものであった。
更に、実施例1と実施例2との比較から、水流により絡合していないセパレータは最大孔径が小さく、緻密性に優れているため、加圧保液率が高く、電極群作製時の不良率が低く、また、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるとともに、絶縁性を維持して短絡を防止でき、寿命の長い電池を作製できるものであった。
更に、実施例2と比較例3との比較から、最大孔径25μm以下である本発明のセパレータは、極板群にセパレータを巻回した際に、短絡を発生させにくく、しかも電池寿命の優れるものであった。
更に、実施例1と比較例4との比較から、複合高強度ポリプロピレン系繊維を含む本発明のセパレータは厚さ保持率が高く、極板群にセパレータを巻回した際に、短絡を発生させにくく、しかも電池寿命の優れるものであった。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
本発明の電池用セパレータは、電池製造の用途に適用することができる。
本発明の電池用セパレータに用いることのできる分割型複合繊維の模式的横断面である。 本発明の電池用セパレータに用いることのできる別の分割型複合繊維の模式的横断面である。 本発明の電池用セパレータに用いることのできる更に別の分割型複合繊維の模式的横断面である。 本発明の電池用セパレータに用いることのできる更に別の分割型複合繊維の模式的横断面である。 本発明の電池用セパレータに用いることのできる更に別の分割型複合繊維の模式的横断面である。 本発明の電池用セパレータに用いることのできる更に別の分割型複合繊維の模式的横断面である。
符号の説明
1 分割型複合繊維
11 樹脂成分
12 樹脂成分

Claims (13)

  1. (1)繊維径が3μm以下の極細繊維、(2)繊維径(円形換算値)が3〜5μm(3μmは含まない)で、横断面形状が非円形である準極細異形繊維、及び(3)表面に融着成分を備えた、引張り強さが4.5cN/dtex以上の複合高強度ポリプロピレン系繊維を含み、前記複合高強度ポリプロピレン系繊維の融着成分が融着した不織布を含む、電池用セパレータ。
  2. 極細繊維の横断面形状が円形である、請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. 極細繊維が、海島型複合繊維の海成分を除去して残留した島成分からなる極細繊維である、請求項1又は2に記載の電池用セパレータ。
  4. 準極細異形繊維として、ポリプロピレン製準極細異形繊維、ポリエチレン製準極細異形繊維、及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体製準極細異形繊維を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  5. 樹脂組成の点で異なる2種類以上の準極細異形繊維同士が結合したパルプ状物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  6. 不織布がポリオレフィン系繊維のみから実質的になる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  7. セパレータの厚さが0.1mm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  8. セパレータの厚さ保持率が85%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  9. 不織布中における極細繊維量が24mass%以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  10. セパレータの平均流量孔径が5〜13μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  11. セパレータの最大孔径が25μm以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  12. セパレータの加圧保液率が7%以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電池用セパレータ。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の電池用セパレータを含む電池。
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